(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023046635
(43)【公開日】2023-04-05
(54)【発明の名称】可動式ブースおよびバイオフィリックユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20230329BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230329BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230329BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20230329BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20230329BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
E04H1/12 A
F21S2/00 625
F21Y115:10
F21Y101:00 100
F21Y103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155336
(22)【出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 信弥
(57)【要約】
【課題】目の疲労を緩和しつつ閉塞感を解消することのできる可動式ブースを提供すること。
【解決手段】本発明の可動式ブース(1)は、周囲四方に位置する4つの側壁および上方に位置する天壁を備え、4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に出入り用の扉を有する個室(2)と、4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に接して配置されたバイオフィリックユニット(3)とを備える。バイオフィリックユニット(3)は、植栽スペース(31)と、光照射手段(32)とを備える。個室は、個室外の空気を個室内に導くための給気口(24)と、個室内の空気を個室外に排出するための排気口(25)とを有している。個室またはバイオフィリックユニットには、給気口から取り入れられた空気を、植栽スペースを経由して、排気口から個室外へ送り出す空気の流れを作りだす送風手段(4)が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲四方に位置する4つの側壁および上方に位置する天壁を備え、前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に出入り用の扉を有する個室と、
前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に接して配置されたバイオフィリックユニットとを備え、
前記バイオフィリックユニットは、
植栽ユニットを収容する植栽スペースと、
前記植栽スペースに光を照射する光照射手段とを備え、
前記個室は、
前記個室外の空気を前記個室内に導くための給気口と、
前記個室内の空気を前記個室外に排出するための排気口とを有し、
前記個室または前記バイオフィリックユニットには、前記給気口から取り入れられた空気を、前記植栽スペースを経由して、前記排気口から前記個室外へ送り出す空気の流れを作りだす送風手段が設けられている、可動式ブース。
【請求項2】
前記バイオフィリックユニットを正面位置としてバイオフィリックユニットに隣接して配置された作業デスクをさらに備える、請求項1に記載の可動式ブース。
【請求項3】
前記光照射手段は、前記植栽スペースの一方の側部に配置された第1光照射部と、前記植栽スペースの他方の側部に配置された第2光照射部とを備える、請求項1または2に記載の可動式ブース。
【請求項4】
植栽ユニットを収容する植栽スペースと、
前記植栽スペースの背後に位置する後壁と、
前記植栽スペースの前面に位置し、前記植栽スペースに通じる開口を有する前壁と、
前記植栽スペースに光を照射する光照射手段と、
前記植栽スペースを通過する空気の流れを作りだす送風手段とを備える、バイオフィリックユニット。
【請求項5】
前記光照射手段は、前記植栽スペースの一方の側部に配置された第1光照射部と、前記植栽スペースの他方の側部に配置された第2光照射部とを備え、
前記第1光照射部が発する光と、前記第2光照射部が発する光とは、光の色または光強度のうち、少なくともいずれか一方が異なっている、請求項4に記載のバイオフィリックユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、バイオフィリックユニットおよびそれを備える可動式ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス内において、ウェブ会議を行ったり、集中して作業を行うためのものとして、可動式ブースがある。可動式ブースは窓を有していない狭小空間であるため、可動式ブースを使用する者は閉塞感を感じやすい。
【0003】
ここで、窓を有していない室の閉塞感を解消するためのものとして、特開2009-102830号公報(特許文献1)がある。特許文献1は、野外の風景画像を表示する画像表示装置を有する擬似窓を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の擬似窓は画像を表示するものである。そのため、可動式ブース内でパソコン作業を行う者にとっては常に何らかのデジタルディスプレイが目に入ることになり、目の疲労が蓄積してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、植栽ユニットを備えることで、目の疲労を緩和しつつ閉塞感を解消することのできる可動式ブースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態に係る可動式ブースは、周囲四方に位置する4つの側壁および上方に位置する天壁を備え、4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に出入り用の扉を有する個室と、4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に接して配置されたバイオフィリックユニットとを備える。バイオフィリックユニットは、植栽ユニットを収容する植栽スペースと、植栽スペースに光を照射する光照射手段とを備える。個室は、個室外の空気を個室内に導くための給気口と、個室内の空気を個室外に排出するための排気口とを有し、個室またはバイオフィリックユニットには、給気口から取り入れられた空気を、植栽スペースを経由して、排気口から個室外へ送り出す空気の流れを作りだす送風手段が設けられている。
【0008】
好ましくは、可動式ブースは、バイオフィリックユニットを正面位置としてバイオフィリックユニットに隣接して配置された作業デスクをさらに備える。
【0009】
好ましくは、光照射手段は、植栽スペースの一方の側部に配置された第1光照射部と、植栽スペースの他方の側部に配置された第2光照射部とを備える。
【0010】
本実施の形態に係るバイオフィリックユニットは、植栽ユニットを収容する植栽スペースと、植栽スペースの背後に位置する後壁と、植栽スペースの前面に位置し、植栽スペースに通じる開口を有する前壁と、植栽スペースに光を照射する光照射手段と、植栽スペースを通過する空気の流れを作りだす送風手段とを備える。
【0011】
好ましくは、光照射手段は、植栽スペースの一方の側部に配置された第1光照射部と、植栽スペースの他方の側部に配置された第2光照射部とを備え、第1光照射部が発する光と、前記第2光照射部が発する光とは、光の色または光強度のうち、少なくともいずれか一方が異なっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の可動式ブースによれば、植栽ユニットを備えることで、目の疲労を緩和しつつ閉塞感を解消することができる。
【0013】
本発明のバイオフィリックユニットによれば、窓を持たない室の閉塞感を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態に係る可動式ブースを概略的に示す図である。
【
図2】本実施の形態に係るバイオフィリックユニットを示す斜視図である。
【
図3】本実施の形態に係るバイオフィリックユニットの使用状態を表す図である。
【
図4】本実施の形態2に係る可動式ブースを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
(可動式ブースについて)
<実施の形態1>
図1を参照して、本実施の形態に係る可動式ブース1について説明する。可動式ブース1は、4つの側壁21および天壁22を備える個室2と、4つの側壁21のうちの少なくとも1つの側壁21’に接して配置されるバイオフィリックユニット3とを備える。
【0017】
本実施の形態に係る個室2は、たとえば床面積が3m2程度の狭小空間である。個室2は、典型的にはオフィス空間に設置され、ウェブ会議を行ったり、集中して作業を行うために利用される。以下の説明では、本実施の形態に係る可動式ブース1をオフィス空間に設置したものとして説明する。
【0018】
個室2は、周囲四方に位置する4つの側壁21および上方に位置する天壁22を備える。4つの側壁21とは、個室内部を中心として、前後左右に位置する側壁21を便宜的に称しているのであり、本実施の形態の側壁21に示すような板状の側壁21は勿論のこと、曲線形状の側壁も含む。また、側壁21は、プライバシーの観点から、グラスウールやロックウールなどの一般的な吸音材を含んだり、吸音のための凹凸を設けることができる。
【0019】
4つの側壁21のうちの少なくとも1つの側壁21は、出入り用の扉23を有する。扉23は、閉塞感を解消する観点および消防設備を免除可能にする観点から、ガラスなどの透光性を備える材料を含むことが好ましい。扉23の種類については限定されず、たとえば開き戸、引き戸など種々の扉を採用することができる。
【0020】
天壁22は、個室2の天井に相当する壁であり、本実施の形態の天壁22に示すような板状の天壁22は勿論のこと、ドーム形状の天壁も含む。天壁22は、プライバシーの観点から、先述した吸音材あるいは吸音構造を含んでいてもよい。天壁22は、たとえば照明(図示せず)などを有していてもよい。
【0021】
本実施の形態の個室2の床26は、可動式ブース1を設置したオフィス空間の床を利用したものであるが、個室2自体が床壁を有していてもよい。
【0022】
個室2は、個室外の空気を個室内に導くための給気口24と、個室内の空気を個室外に排出するための排気口25とを有している。給気口24は、バイオフィリックユニット3の上方に位置する天壁22に設けられる。ここで、本実施の形態のバイオフィリックユニット3は、4つの側壁21のうちの少なくとも1つの側壁21’に接して配置される。すなわち、給気口24は、バイオフィリックユニット3が配置された側壁21’に近接した位置において、側壁21’に沿って設けられた開口である。給気口24は、機械給気または自然給気によって個室内へ空気を取入れる。
【0023】
排気口25は、天壁22のうち、給気口24と近接する側壁21’と対向する位置にある側壁21と近接した位置に設けられる。排気口25は、側壁21’と対向する位置におる側壁21に設けられた開口である。排気口25は、機械排気または自然排気によって個室内の空気を個室外へ送り出す。
【0024】
本実施の形態の個室2は、給気口24から取り入れられた空気を、
図1に示す矢印のように、植栽スペース31を経由して、排気口25から個室外へ送り出す空気の流れを作りだす送風手段4が設けられている。送風手段4は、たとえばファン、換気扇、空気清浄機などである。これにより、個室内の空気を十分に換気することができる。可動式ブース1は狭小空間であるため、費用の観点から、各個室2にエアコンなどを設けることは困難である。また、本実施の形態に係る可動式ブース1が設置されるオフィス空間は、通常、空調設備を備えている。すなわち送風手段4は、オフィス空間の空調空気を個室内へ取り込むためのものである。これにより、可動式ブース1は、空調設備を備えずとも個室内の換気量を維持しつつ、個室内で作業を行うのに快適な空調を保つことができる。
【0025】
なお、本実施の形態の送風手段4は、給気口24側に設けられ、機械給気・自然排気を行うものである。しかしながら、送風手段4は排気口25側に設けられることとしてもよい。この場合であっても、自然給気・機械排気が行われ、
図1に示す矢印のような空気の流れが形成される。また、送風手段4は、給気口24および排気口25の両方に設けられることとしてもよい。この場合、機械給気・機械排気が行われ、可動式ブース1内の空気の換気サイクルを早めることができる。
【0026】
本実施の形態に係る可動式ブース1は、バイオフィリックユニット3を正面位置としてバイオフィリックユニット3に隣接して配置された作業デスク5をさらに備える。作業デスク5は、バイオフィリックユニット3と一体的に形成されたものでもよいし、バイオフィリックユニット3と分離可能なものであってもよい。この場合、バイオフィリックユニット3は、必要に応じて電源コンセントや棚などが備えつけられていてもよい。
【0027】
バイオフィリックユニット3は、植栽スペース31に植栽ユニットが収容されたものである。作業デスク5の正面にバイオフィリックユニット3が位置するため、作業デスク5で作業を行う者は、前を向くだけで視界に植栽ユニットを入れることができる。これにより、作業者は緑視率を向上でき、目の疲労を軽減することができる。
【0028】
また、本実施の形態の可動式ブース1は、植栽スペースを通過する風を、作業デスク5で作業を行う者の前面に当てることができる。これにより、作業者は心地よい風を受けることができ、作業効率の向上を見込むことができる。
【0029】
また、作業デスク5と隣接するバイオフィリックユニット3の光照射手段32は、作業デスク5上におけるデスクライトとしての役割を担う。これにより、作業デスク5上にデスクライトを配置する必要性を無くし、作業スペースを広く設けることが可能になる。
【0030】
<実施の形態2>
次に、
図4を参照して、本実施の形態2に係る可動式ブース1Aについて説明する。可動式ブース1Aは、基本的には本実施の形態1に係る可動式ブース1と同様の構成を備えるが、給気口24Aおよび排気口25Aの構成について異なる。
【0031】
給気口24Aは、個室外の空気を個室内に導くためのものであり、個室2Aの下方領域に設けられる。ここで言う「下方領域」とは、床26からの高さが500mm程度以下の領域を意図する記載である。給気口24Aは、機械給気または自然給気によって個室内へ空気を取入れる。
【0032】
給気口24Aは、個室2Aの下方領域から空気を取入れる構成であればよく、扉23と床26との間の隙間を使用したものであってもよいし、床26に設けられたものであってもよい。側壁21に設ける場合、換気効率を向上する観点から、バイオフィリックユニット3が配置された側壁21’と対向する側壁21の下方領域に設けられることが好ましい。
【0033】
排気口25Aは、個室内の空気を個室外に排出するためのものであり、バイオフィリックユニット3の上方に位置する天壁22に設けられる。換言すれば、排気口25Aは、バイオフィリックユニット3が設置された側壁21’に近接した位置において、側壁21’に沿って設けられた開口である。排気口25Aは、機械排気または自然排気によって個室内の空気を個室外へ送り出す。
【0034】
本実施の形態の個室2Aは、給気口24Aから取入れられた空気を、
図4に示す矢印のように、植栽スペース31を経由して、排気口25Aから個室外へ送り出す空気の流れを作り出す送風手段4が設けられている。本実施の形態の個室2Aは、排気口25A側に送風手段4を備える。これにより、植栽スペース31内の湿気または熱を含む空気を、作業デスク5で作業を行う者に当てることなく排出することができる。また、作業者の背面側からバイオフィリックユニット3内へ向かって気流が形成されるため、作業者の顔に風が当たってしまうことを防止でき、作業中の不快感を防止できる。
【0035】
本実施の形態の送風手段4は、排気口25A側に設けられ、自然給気・機械排気を行うものである。しかしながら、送風手段4は給気口24A側に設けられることとしてもよい。この場合であっても、機械給気・自然排気が行われ、
図4に示すような空気の流れが形成される。また、送風手段4は、給気口24Aおよび排気口25Aの両方に設けられることとしてもよい。この場合、機械給気・機械排気が行われ、可動式ブース1A内の空気の換気サイクルを早めることができる。
【0036】
(バイオフィリックユニットについて)
次に、
図2を参照して、本実施の形態に係る可動式ブース1の備えるバイオフィリックユニット3について説明する。バイオフィリックユニット3は、特に、窓を有していない室に好適に用いることができ、可動式ブース1の構成とは独立して設けることができる。
【0037】
バイオフィリックとは、周囲に自然を感じさせることで幸福感を与えるものを指す。本実施の形態のバイオフィリックユニット3は、植栽ユニット30を収容する植栽スペース31と、植栽スペース31に光を照射する光照射手段32とを備える。
【0038】
植栽スペース31は、プランタに植栽され、またはバイオフィリックユニット3の底部に直接植栽された植栽ユニット30を収容する。植栽ユニット30は、草花或いは樹木などの観葉植物を含むものである。植栽ユニット30は、下方に水受けを有していてもよく、光照射手段32から照射される光を光源として生育する。植栽ユニット30は、吸音効果を備えるため、可動式ブース1や会議室のような、プライバシーを保護したい室に対して好適に用られる。
【0039】
植栽ユニット30は、人工的な植物でなく、自然の植物を用いることが好ましい。これにより、人工的な植物を使用する場合と比較して、目の疲労をより軽減することができる。また、植栽ユニット30は、高低差のある複数の植物を含み、奥行き方向にずらして配置することが好ましい。なお、奥行き方向とは
図2に矢印A1で示す方向である。これにより、視覚的にインパクトのある風景を形成しつつ、植栽ユニット30による吸音効果を向上することができる。
【0040】
バイオフィリックユニット3は、植栽スペース31の背後に位置する後壁36と、植栽スペース31の前面に位置する前壁37とを備える。
【0041】
後壁36は、植栽スペース31の意匠性を高める観点から、無地のスクリーンまたは風景壁紙であることが好ましい。また、後壁36の表面には、光照射手段32から照射される光を、グレアを抑制しつつ拡散させる観点から、乳半シートなどが設けられていてもよい。
【0042】
前壁37は、植栽スペース31に通じる開口38を有している。開口38は、ガラス板などで覆われておらず、植栽スペース31の外部と連通している。これにより、植栽ユニット30の備える吸音効果を発揮することができる。意匠性向上の観点から、開口38には
図3に示すような窓枠6を設けてもよい。これにより、「擬似窓」として機能し、本来窓を有していない室であるにもかかわらず、奥行きがあり、自然風景の広がる窓を備える室であるかのように見ることができる。
【0043】
本実施の形態の光照射手段32は、3つの光照射部、すなわち植栽スペース31の一方の側部に配置された第1光照射部33と、植栽スペース31の他方の側部に配置された第2光照射部34と、植栽スペース31の上部に配置された第3光照射部35とを備えている。
【0044】
光照射手段32は、たとえば波長可変光源、LED電球、プロジェクタ、蛍光灯、白熱電球など、種々の光源を採用することができる。波長可変光源の場合、1日の太陽光のスペクトル変化に合わせたサーカディアン光を照射することができるため、サーカディアンリズムを整えることができる。プロジェクタの場合、後壁36に風景映像を投影することができる。光照射手段32は、間接照明のようなやわらかい光を照射する観点から、ウォッシュライトを用いることが好ましい。
【0045】
第1光照射部33が発する光と、第2光照射部34が発する光とは、光の色または光強度のうち、少なくともいずれか一方が異なっている。
【0046】
第1光照射部33および第2光照射部34の光の色が異なる例として、たとえば自然光を意図したものがある。たとえば午前中に第1光照射部33の光の色を第2光照射部34よりも青色光(たとえば、色温度12000K)に設定し、夕方に第2光照射部34の光の色を第1光照射部33よりも赤色光(たとえば、色温度1800K)に設定することができる。これにより、室内にいる者のサーカディアンリズムを整えることができる。また、第1光照射部33および第2光照射部34の光強度を異ならせる場合、たとえば第1光照射部33の光を、第2光照射部よりも強い光強度に設定することができる。
【0047】
なお、第1光照射部33の光および第2光照射部34の光について、上記のように説明したが、第1光照射部33および第2光照射部34の光の色および光強度は、全く同じであってもよい。
【0048】
光照射手段32は、調光調色可能であることが好ましい。光の色には自律神経を調整する効果があり、青色光は覚醒効果を有しており、赤色光はリラックス効果を有している。すなわち、バイオフィリックユニット3の使用者の状況に応じて調光調色された光を照射することで、シーンに応じてストレス低減あるいは集中力の向上などの効果が見込まれ、使用者のワークリズムをサポートすることができる。
【0049】
本実施の形態のバイオフィリックユニット3は、植栽スペース31を通過する空気の流れを作りだす送風手段4を備え、天面に送風手段4からの空気を取入れるまたは排出するための、給排気口39を有していることが好ましい。給排気口39から空気を取入れる場合、植栽スペース31内に十分な空気を送り込むことができる。また、給排気口39から空気を排出する場合、植栽スペース31内の水分や光照射手段32による湿気や熱を含んだ空気を、効果的に排出することができる。
【0050】
なお、本実施の形態のバイオフィリックユニット3が設けられた室が既に送風手段を備えるものである場合は、バイオフィリックユニット3は送風手段4を備えていなくてもよい。
【0051】
なお、本実施の形態の開口38は、ガラス板などで仕切られていないとした。しかしながら、空気孔またはガラリなどの開口部を有する仕切り部材であれば、開口38を覆っていてもよい。
【0052】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 可動式ブース、2 個室、3 バイオフィリックユニット、4 送風手段、5 作業デスク、6 窓枠、21 側壁、22 天壁、23 扉、24 給気口、25 排気口、30 植栽ユニット、31 植栽スペース、32 光照射手段、33 第1光照射部、34 第2光照射部、35 第3光照射部、36 後壁、37 前壁、38 開口。