(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023047518
(43)【公開日】2023-04-06
(54)【発明の名称】付属品収納構造
(51)【国際特許分類】
B62J 9/23 20200101AFI20230330BHJP
B62J 9/24 20200101ALI20230330BHJP
B62J 23/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B62J9/23
B62J9/24
B62J23/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156479
(22)【出願日】2021-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐生
(72)【発明者】
【氏名】石井 樹
(57)【要約】
【課題】シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保する。
【解決手段】付属品収納構造はサイドケースが着脱可能な鞍乗型車両に設けられている。付属品収納構造には、車両前後方向に延びてシートを支持するシートレール(11)と、シートレールを車幅方向外側から覆うレールカバー(25)と、が設けられている。シートレールから前側及び後側の支持部(21a、21b)が車幅方向外側に突き出している。サイドケースの使用時には、前側及び後側の支持部にケースホルダが支持されて、当該ケースホルダにサイドケースが取り付けられる。サイドケースの不使用時には、ケースホルダの代わりに前側及び後側の支持部にレールカバーが支持されて、当該前側及び後側の支持部の間に付属品(39)が収納される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドケースが着脱可能な鞍乗型車両の付属品収納構造であって、
車両前後方向に延びてシートを支持するシートレールと、
前記シートレールを車幅方向外側から覆うレールカバーと、を備え、
前記シートレールから前側及び後側の支持部が車幅方向外側に突き出し、
前記サイドケースの使用時には、前記前側及び後側の支持部にケースホルダが支持されて、当該ケースホルダに前記サイドケースが取り付けられ、
前記サイドケースの不使用時には、前記ケースホルダの代わりに前記前側及び後側の支持部に前記レールカバーが支持されて、当該前側及び後側の支持部の間に付属品が収納されることを特徴とする付属品収納構造。
【請求項2】
前記レールカバーは、前記前側及び後側の支持部に支持されたベースカバーと、前記ベースカバーの外面に装着されたトップカバーと、を有し、
前記サイドケースの使用時には、前記ベースカバーの外面に前記ケースホルダが装着されて、当該ケースホルダに前記サイドケースが取り付けられ、
前記サイドケースの不使用時には、前記ケースホルダの代わりに前記ベースカバーの外面に前記トップカバーが装着されて、当該トップカバーの内側で前記前側及び後側の支持部の間に前記付属品が収納されることを特徴とする請求項1に記載の付属品収納構造。
【請求項3】
前記ベースカバーの外面には前記前側及び後側の支持部の間に凹面が形成され、
前記サイドケースの不使用時には、前記トップカバーの内側で前記凹面に前記付属品が収納されることを特徴とする請求項2に記載の付属品収納構造。
【請求項4】
前記前側の支持部の前方位置及び前記後側の支持部の後方位置で前記トップカバーが前記ベースカバーに取り付けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の付属品収納構造。
【請求項5】
前記ベースカバーの外面には係止穴が形成され、
前記トップカバーの内面には前記係止穴に挿し込まれる係止突起が形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の付属品収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付属品収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、非常時のために車載工具や補修用部品等の付属品の収納スペースが確保されている。この種の鞍乗型車両として、シート下方に付属品の収納ボックスを配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の収納ボックスは一対のシートレールの間に配置されている。収納ボックスの上面が開放されており、シートによって収納ボックスが上方から覆われている。収納ボックスの内側はセパレータによって仕切られており、車載工具等の付属品の収納スペースの他にも、バッテリや電装部品の収納スペースが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の収納ボックスには様々な物品が収納されている。このため、収納ボックスの収納スペースを広くするためには、収納ボックスの高さ寸法や幅寸法を大きくしなければならない。シート等の設計変更が必要になって、シートの性能が悪化したり、車両後部の車幅が大きくなったりするおそれがある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保できる付属品収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の付属品収納構造は、サイドケースが着脱可能な鞍乗型車両の付属品収納構造であって、車両前後方向に延びてシートを支持するシートレールと、前記シートレールを車幅方向外側から覆うレールカバーと、を備え、前記シートレールから前側及び後側の支持部が車幅方向外側に突き出し、前記サイドケースの使用時には、前記前側及び後側の支持部にケースホルダが支持されて、当該ケースホルダに前記サイドケースが取り付けられ、前記サイドケースの不使用時には、前記ケースホルダの代わりに前記前側及び後側の支持部に前記レールカバーが支持されて、当該前側及び後側の支持部の間に付属品が収納されることで上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様の付属品収納構造によれば、サイドケースの使用時には前側及び後側の支持部にケースホルダが支持され、ケースホルダに取り付けられたサイドケースに付属品が収納される。サイドケースの不使用時には前側及び後側の支持部にレールカバーが支持され、この前側及び後側の支持部の間のスペースが付属品の収納に有効利用される。このように、サイドケースの取り付けに用いられる前側及び後側の支持部の間のスペースを利用して、シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施例のサイドケース使用時の車両後部の斜視図である。
【
図2】本実施例のサイドケース不使用時の車両後部の斜視図である。
【
図3】本実施例のベースカバーにケースホルダを装着した車両後部の側面図である。
【
図4】本実施例のベースカバーにトップカバーを装着した車両後部の側面図である。
【
図5】本実施例のベースカバーの外面を露出した車両後部の側面図である。
【
図6】
図4の車両後部をA-A線に沿って切断した断面図である。
【
図7】
図4の車両後部をB-B線に沿って切断した断面図である。
【
図8】変形例のベースカバーの外面を露出した車両後部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様の付属品収納構造は、サイドケースが着脱可能な鞍乗型車両に設けられている。シートレールが車両前後方向に延びてシートを支持しており、前側及び後側の支持部がシートレールから車幅方向外側に突き出している。レールカバーによって車幅方向外側からシートレールが覆われている。サイドケースの使用時には、前側及び後側の支持部にケースホルダが支持され、ケースホルダに取り付けられたサイドケースに付属品が収納される。サイドケースの不使用時には、ケースホルダの代わりに前側及び後側の支持部にレールカバーが支持され、この前側及び後側の支持部の間のスペースが付属品の収納に有効利用される。このように、サイドケースの取り付けに用いられる前後の支持部の間のスペースを利用して、シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保できる。
【実施例0010】
以下、添付図面を参照して、本実施例について説明する。
図1は本実施例のサイドケース使用時の車両後部の斜視図である。
図2は本実施例のサイドケース不使用時の車両後部の斜視図である。また、以下の図では、矢印FRは車両前方、矢印REは車両後方、矢印Lは車両左方、矢印Rは車両右方をそれぞれ示している。
【0011】
図1に示すように、鞍乗型車両1の車両後部の左側にサイドケース14が取り付けられている。車両後部にはアッパレール12及びロアレール13から成る一対のシートレール11が設けられている。一対のシートレール11は車両前後方向に延びており、一対のアッパレール12によってライダーシート16及びピリオンシート17が下側から支持されている。一対のシートレール11には一対のベースカバー26が取り付けられている。左側のベースカバー26の外面にはケースホルダ31が装着され、このケースホルダ31にサイドケース14が着脱可能に取り付けられている。
【0012】
右側のベースカバー26の外面には、軽量化及び外観性の向上を目的として、ケースホルダ31の代わりに意匠カバーとしてのトップカバー35が装着されている。ベースカバー26とトップカバー35によってシートレール11を車幅方向外側から覆うレールカバー25が形成されている。ピリオンシート17の後方には一対のシートレール11の後部を上方から覆うアッパカバー18が設けられ、ピリオンシート17の両側方からは一対のグラブバー19が後方に向かって延出している。サイドケース14の使用時には、サイドケース14に車載工具や補修用部品等の付属品が収納可能になっている。
【0013】
図2に示すように、サイドケース14の不使用時には、左側のベースカバー26の外面にケースホルダ31の代わりにトップカバー35が装着されている。サイドケース14がないため、鞍乗型車両1に付属品の収納スペースを確保する必要がある。通常はシート下方が収納スペースとして利用されるが、収納スペースを広く確保するためにはシートや車幅の設計変更が必要になる。そこで、本実施例では、シートレール11から迫り出した前側及び後側の支持部21a、21b(
図6参照)に着目し、この支持部21a、21bの間の空きスペースを利用して付属品の収納している。
【0014】
また、サイドケース14の不使用時にケースホルダ31をトップカバー35に付け替える場合には、ケースホルダ31と共通の固定穴を用いてトップカバー35をボルトで固定する構造が一般的である。ケースホルダ31と同様に、ベースカバー26とトップカバー35がシートレール11に共締めされると、トップカバー35の外面からボルトが露出して外観性が悪化すると共にカバー形状の自由度が低下する。そこで、本実施例では、トップカバー35の固定にボルトを用いずに、ベースカバー26の外面にトップカバー35を係止させることで車両後部の外観性が向上されている。
【0015】
図3から
図5を参照して、ケースホルダ及びレールカバーについて説明する。
図3は本実施例のベースカバーにケースホルダを装着した車両後部の側面図である。
図4は本実施例のベースカバーにトップカバーを装着した車両後部の側面図である。
図5は本実施例のベースカバーの外面を露出した車両後部の側面図である。
【0016】
図3に示すように、サイドケース14(
図1参照)の使用時には、ベースカバー26の外面にケースホルダ31が装着される。ケースホルダ31の前後の各上下2箇所で、4つの皿ボルト32によってケースホルダ31がベースカバー26を介してシートレール11に固定されている。この場合、ケースホルダ31の固定穴とベースカバー26の固定穴が同軸に形成されており、皿ボルト32によってケースホルダ31とベースカバー26がシートレール11の前側及び後側の支持部21a、21b(
図6参照)に共締めされている。これにより、ケースホルダ31がシートレール11に対して強く固定されている。
【0017】
ケースホルダ31の外面の前後2箇所から一対の取付部33が膨出しており、各取付部33にはそれぞれ引掛穴(不図示)が形成されている。ケースホルダ31の一対の引掛穴にサイドケース14の一対のフック15(
図1参照)が入り込み、ケースホルダ31にサイドケース14が取り付けられる。各取付部33が上下の皿ボルト32に挟まれるため、取付部33にサイドケース14が安定的に支持される。また、サイドケース14のフック15の邪魔にならないように、ケースホルダ31の固定に皿ボルト32が用いられて、ケースホルダ31の外面からのボルト頭部の出っ張りが抑えられている。
【0018】
図4及び
図5に示すように、サイドケース14の不使用時には、ケースホルダ31の代わりにベースカバー26の外面にトップカバー35が装着される。ベースカバー26の前後の各上下2箇所で、4つのフランジボルト36によってベースカバー26がシートレール11に固定され、ベースカバー26の外面の4つのフランジボルト36を隠すようにトップカバー35が装着される。この場合、フランジボルト36によってベースカバー26がシートレール11の前側及び後側の支持部21a、21bにネジ止めされ、ベースカバー26の一対の係止穴28a、28bにトップカバー35の一対の係止突起37a、37b(
図6参照)が係止されている。
【0019】
ベースカバー26の外面の前後方向の中央箇所に側面視矩形状の凹面27が形成されている。ベースカバー26の凹面27は車幅方向内側に窪んでおり、前側及び後側のフランジボルト36の間(支持部21a、21bの間)に凹面27が位置付けられている(特に
図6参照)。ベースカバー26の外面にトップカバー35が装着されることで、ベースカバー26の凹面27とトップカバー35の内面によってトップカバー35の内側に収納スペースが形成されている。ベースカバー26の凹面27には、例えば車載工具を収めた工具ケース39が付属品として収納されている。
【0020】
図6及び
図7を参照して、サイドケースの不使用時の付属品収納構造について詳細に説明する。
図6は
図4の車両後部をA-A線に沿って切断した断面図である。
図7は
図4の車両後部をB-B線に沿って切断した断面図である。
【0021】
図6に示すように、シートレール11には車両前後方向に離れた箇所に断面視溝形状の支持部21a、21bが接合されている。前側及び後側の支持部21a、21bはシートレール11から車幅方向外側に突き出しており、支持部21a、21bによってベースカバー26が車幅方向内側から支持されている。支持部21a、21bによってシートレール11からベースカバー26の外面が車幅方向に離されてスペースが空けられている。支持部21a、21bの支持面には挿通穴が形成されており、この支持面の裏面には挿通穴と同軸上に溶接ナット22a、22bが設けられている。
【0022】
ベースカバー26の前後2箇所には支持部21a、21bに対応して挿通穴が形成されている。ベースカバー26及び支持部21a、21bの挿通穴を通じてフランジボルト36が溶接ナット22a、22bにネジ止めされている。なお、サイドケース14(
図1参照)の不使用時であるため、支持部21a、21bにベースカバー26だけが固定されているが、サイドケース14の使用時には支持部21a、21bにベースカバー26及びケースホルダ31(
図1参照)が固定される。上記したように、ケースホルダ31の固定にはフランジボルト36の代わりに皿ボルト32(
図3参照)が用いられる。
【0023】
図6及び
図7に示すように、ベースカバー26の外面には前側及び後側の支持部21a、21bの間に凹面27が形成されている。ベースカバー26の凹面27がシートレール11側に窪んで支持部21a、21bの間に入り込んでいる。ベースカバー26の凹面27によって工具ケース39の車幅方向内側の略半部が収納されている。これにより、ベースカバー26の外面からの工具ケース39のはみ出し量が抑えられて、車両後部の車幅のスリム化が図られている。なお、工具ケース39はゴムバンド等の保持部材によってベースカバー26の凹面27に保持されていてもよい。
【0024】
支持部21aの前方位置及び支持部21bの後方位置でベースカバー26の外面にトップカバー35が取り付けられている。この場合、ベースカバー26の外面には支持部21aの前方位置及び支持部21bの後方位置に係止穴28a、28bが形成され、トップカバー35の内面には係止穴28a、28bに挿し込まれる係止突起37a、37bが形成されている。車両前後方向で支持部21a、21bの外側に係止穴28a、28b及び係止突起37a、37bが位置付けられるため、車両前後方向で支持部21a、21bの間の広い範囲にベースカバー26の凹面27を形成することができる。
【0025】
トップカバー35の係止突起37a、37bがベースカバー26の係止穴28a、28bに挿し込まれることでベースカバー26にトップカバー35が装着されている。係止突起37a、37bと係止穴28a、28bの係止構造とすることで、フランジボルト36が外部に露出することがなく車両後部の外観性が向上されている。トップカバー35の固定にボルトが使用されないため、トップカバー35のカバー形状の自由度が高められている。トップカバー35を全体的にドーム状に形成することができ、トップカバー35の内面とベースカバー26の凹面27によって工具ケース39の収納スペースが確保される。
【0026】
このように、サイドケース14の不使用時には、ケースホルダ31(
図1参照)の代わりにベースカバー26の外面にトップカバー35が装着されて、トップカバー35の内側でベースカバー26の凹面27に工具ケース39が収納される。ベースカバー26の係止穴28a、28bにトップカバー35の係止突起37a、37bが挿し込まれているため、工具を用いない手作業によってベースカバー26からトップカバー35が着脱可能になっている。よって、トップカバー35及びベースカバー26を収納ボックスとして利用して、工具が収納された工具ケース39をトップカバー35の内側に収納することができる。
【0027】
以上、本実施例によれば、サイドケース14の使用時には支持部21a、21bにケースホルダ31が支持され、ケースホルダ31に取り付けられたサイドケース14に工具ケース39が収納される。サイドケース14の不使用時には支持部21a、21bにレールカバー25が支持され、この支持部21a、21bの間のスペースが工具ケース39の収納に有効利用される。このように、サイドケース14の取り付けに用いられる支持部21a、21bの間のスペースを利用して、シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保できる。
【0028】
なお、本実施例では、ベースカバーの外面に工具ケースが収納可能な凹面が形成されたが、ベースカバーの外面が付属品を収納可能に形成されていればよい。例えば、
図8に示すように、ベースカバー41の外面に付属品としての工具42にフィットした嵌合穴が形成され、ベースカバー41の嵌合穴に工具42が直に嵌め込まれてもよい。
【0029】
また、本実施例では、ベースカバーの外面にケースホルダが装着されているが、ケースホルダはシートレールに直に取り付けられていてもよい。
【0030】
また、本実施例では、ベースカバーに凹面が形成されて、凹面に付属品が収納されているが、付属品は前側及び後側の支持部の間に付属品が収納されていればよい。例えば、前側及び後側の支持部の間でシートレールの外面に断面視凹形状の収納ケースが溶接されていてもよい。
【0031】
また、本実施例では、前側の支持部の前方位置及び後側の支持部の後方位置でトップカバーがベースカバーに取り付けられているが、トップカバーとベースカバーの取付箇所は特に限定されない。前側の支持部の後方位置及び後側の支持部の前方位置でトップカバーがベースカバーに取り付けられていてもよい。
【0032】
また、本実施例では、ベースカバーの外面には係止穴が形成され、トップカバーの内面には係止突起が形成されているが、ベースカバーの外面にトップカバーが装着可能に形成されていればよい。
【0033】
また、本実施例では、レールカバーがベースカバーとトップカバーの2つのカバー部材によって形成されたが、レールカバーが単一のカバー部材によって形成されていてもよい。
【0034】
また、本実施例では、付属品として工具ケースを例示したが、付属品はマニュアルやメンテナンスシート等の他の物品でもよい。
【0035】
また、付属品収納構造は、図示の鞍乗型車両に限らず、他のタイプの鞍乗型車両に採用されてもよい。特に、シート下方の収納スペースが狭いスポーツモデルに有効である。また、鞍乗型車両とは、ライダーがシートに跨った姿勢で乗車する車両全般に限定されず、ライダーがシートに跨らずに乗車する小型のスクータタイプの車両も含んでいる。
【0036】
以上の通り、本実施例の付属品収納構造は、サイドケース(14)が着脱可能な鞍乗型車両(1)の付属品収納構造であって、車両前後方向に延びてシート(ライダーシート16、ピリオンシート17)を支持するシートレール(11)と、シートレールを車幅方向外側から覆うレールカバー(25)と、を備え、シートレールから前側及び後側の支持部(21a、21b)が車幅方向外側に突き出し、サイドケースの使用時には、前側及び後側の支持部にケースホルダ(31)が支持されて、当該ケースホルダにサイドケースが取り付けられ、サイドケースの不使用時には、ケースホルダの代わりに前側及び後側の支持部にレールカバーが支持されて、当該前側及び後側の支持部の間に付属品(工具ケース39)が収納される。この構成によれば、サイドケースの使用時には前側及び後側の支持部にケースホルダが支持され、ケースホルダに取り付けられたサイドケースに付属品が収納される。サイドケースの不使用時には前側及び後側の支持部にレールカバーが支持され、この前側及び後側の支持部の間のスペースが付属品の収納に有効利用される。このように、サイドケースの取り付けに用いられる前側及び後側の支持部の間のスペースを利用して、シートや車幅を変更することなく、付属品の収納スペースを確保できる。
【0037】
本実施例の付属品収納構造において、レールカバーは、前側及び後側の支持部に支持されたベースカバー(26)と、ベースカバーの外面に装着されたトップカバー(35)と、を有し、サイドケースの使用時には、ベースカバーの外面にケースホルダが装着されて、当該ケースホルダにサイドケースが取り付けられ、サイドケースの不使用時には、ケースホルダの代わりにベースカバーの外面にトップカバーが装着されて、当該トップカバーの内側で前側及び後側の支持部の間に付属品が収納される。この構成によれば、ベースカバーの外面にケースホルダが装着されることでサイドケースの使用が可能となり、ベースカバーの外面にトップカバーが装着されることでサイドケースの不使用時に車両後部の外観性を向上させることができる。
【0038】
本実施例の付属品収納構造において、ベースカバーの外面には前側及び後側の支持部の間に凹面(27)が形成され、サイドケースの不使用時には、トップカバーの内側で凹面に付属品が収納される。この構成によれば、ベースカバーに凹面を形成するというシンプルな構造で、ベースカバーの外面に付属品の収納スペースを確保することができる。
【0039】
本実施例の付属品収納構造において、前側の支持部の前方位置及び後側の支持部の後方位置でトップカバーがベースカバーに取り付けられている。この構成によれば、前側及び後側の支持部の間に付属品の収納スペースを広く確保できる。
【0040】
本実施例の付属品収納構造において、ベースカバーの外面には係止穴(28a、28b)が形成され、トップカバーの内面には係止穴に挿し込まれる係止突起(37a、37b)が形成されている。この構成によれば、係止穴と係止突起の係止構造にすることで、締結部材が外部に露出することがなく車両後部の外観性を向上させることができる。
【0041】
なお、本実施例を説明したが、他の実施例として、上記実施例及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0042】
また、本発明の技術は上記の実施例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。