(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004773
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】チャック付き包装用袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/25 20060101AFI20230110BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B65D33/25 A
B65D75/62 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109526
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】592056090
【氏名又は名称】松前 司
(74)【代理人】
【識別番号】100105614
【弁理士】
【氏名又は名称】児島 敦
(72)【発明者】
【氏名】松前 司
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BA22
3E064BC18
3E064EA12
3E064FA01
3E064HM01
3E064HN06
3E064HN11
3E064HP01
3E064HP02
3E064HP04
3E067AA11
3E067AB01
3E067BA12A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA11
3E067EB03
3E067EB07
3E067EB10
3E067EB17
3E067EB22
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】力を要することなく、開封(再開封)が容易なチャック付の包装用袋を提供する
【解決手段】実施形態のチャック付き包装用袋は、一対の樹脂シートをヒートシールすることにより貼り合わせて形成されるとともに、開閉自在な樹脂製チャック部が設けられたチャック付き包装用袋であって、樹脂シートのそれぞれにおいて、開封時に取っ手部を形成すべく、シール部で囲まれた領域に前記取っ手部の周縁形状に沿って形成された切離ガイドライン部が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の樹脂シートをヒートシールすることにより貼り合わせて形成されるとともに、開閉自在な樹脂製チャック部が設けられたチャック付き包装用袋であって、
前記樹脂シートのそれぞれにおいて、開封時に取っ手部を形成すべく、シール部で囲まれた領域に前記取っ手部の周縁形状に沿って形成された切離ガイドライン部が設けられている、
チャック付き包装用袋。
【請求項2】
前記切離ガイドライン部は複数設けられており、その両端部に、開封時の切れ目を前記切離ガイドライン部に導く貫通孔が設けられている、
請求項1に記載のチャック付き包装用袋。
【請求項3】
複数の前記切離ガイドライン部は、前記取っ手部の第1の側縁部を規定する細線状の切り込みにより形成された第1切離ガイドライン部と、前記取っ手部の第2の側縁部を規定する細線状の切り込みにより形成された第2切離ガイドライン部と、を有する、
請求項2に記載のチャック付き包装用袋。
【請求項4】
前記切離ガイドライン部は、さらに前記取っ手部の端部を規定する第3切離ガイドライン部を有する、
請求項3に記載のチャック付き包装用袋。
【請求項5】
前記第3切離ガイドライン部は、前記第1切離ガイドライン部及び前記第2切離ガイドライン部よりも太い、所定の太さを有する破線として構成されている、
請求項4記載のチャック付き包装用袋。
【請求項6】
前記シール部は、前記樹脂シートの周縁に沿って形成された枠状の第1シール部と、
前記第1シール部内の領域を前記樹脂製チャック部の延在方向に沿って、前記樹脂製チャック部を含む領域と、前記樹脂製チャック部を含まない領域とに分割する第2シール部と、を備え、
前記切離ガイドライン部は、前記樹脂製チャック部を含まない領域に形成されている、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のチャック付き包装用袋。
【請求項7】
前記第1シール部には、開封時の開封始端となる一対の開封用切欠き部が前記樹脂製チャック部を含まない領域側に設けられている請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のチャック付き包装用袋。
【請求項8】
前記開封用切欠き部に想定されている切れ目の延在方向に前記第1切離ガイドライン部及び前記第2切離ガイドライン部が設けられている、
請求項7記載のチャック付き包装用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャック付き包装用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の物品や製品を包装するために各種の分野で合成樹脂製のチャック付包装用袋が知られている。
このようなチャック付包装用袋は、一旦開封した後に再びチャックを閉じることで密閉することができるので、食品用の包装用袋として重宝されている。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、チャック部と、開封時の切断位置とは、通常、近い位置に設定されているので、チャック部が固く閉じた状態では、再開封が容易でない場合がある。
特に、手先の動きがままならない幼児やお年寄り等であって、特に力の無い人が開封するのが困難となる虞があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、力を要することなく、開封(再開封)が容易なチャック付包装用袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のチャック付包装用袋は、一対の樹脂シートをヒートシールすることにより貼り合わせて形成されるとともに、開閉自在な樹脂製チャック部が設けられたチャック付き包装用袋であって、樹脂シートのそれぞれにおいて、開封時に取っ手部を形成すべく、シール部で囲まれた領域に前記取っ手部の周縁形状に沿って形成された切離ガイドライン部が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で力を要することなく、開封(再開封)が容易なチャック付の包装用袋を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態のチャック付包装用袋10の正面外観図である。
【
図2】
図2は、取っ手部形成過程の説明図(その1)である。
【
図3】
図3は、取っ手部形成過程の説明図(その2)である。
【
図4】
図4は、取っ手部形成後のチャック付包装用袋の正面外観図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態のチャック付き包装用袋10Aの正面図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態のチャック付き包装用袋10Bの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態のチャック付包装用袋10の正面外観図である。
【0011】
チャック付包装用袋10は、シール部11と、取っ手形成部12と、合成樹脂製チャック部13と、収納部14と、開封用切欠部15A、15Bと、袋つり下げ用孔16と、を備えている。
上記構成において、チャック付きチャック付包装用袋10の本体部は、熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリカーボート、ポリ塩化ビニル、芳香族ビニル化合物重合体、ガスバリヤー性樹脂等により形成されている。
【0012】
シール部11は、熱融着によるヒートシールを構成しており、チャック付包装用袋10の周縁部に枠状に形成された第1シール部と、両端部が第1シール部11Aに至り、合成樹脂製チャック部13の延在方向(X方向)に沿って形成された細い線状の第2シール部11Bと、を備えている。
【0013】
第1シール部11Aは、チャック付きチャック付包装用袋10の上端部及び側端部を構成するC字状の第1シール部本体部11A1と、収納部14に商品を収納した後に熱融着される第1シール部底部11A2と、を備えている。
【0014】
また、取っ手形成部12は、後述する開封用取っ手が形成される領域であり、第1シール部11Aと、第2シール部11Bとで囲まれた領域であって、合成樹脂製チャック部13が設けられていない側に形成されている。
【0015】
合成樹脂製チャック部13は、合成樹脂で形成されたチャック(ファスナー)であり、開封後に繰り返し収納部14を密封状態とすることが可能となっている。
より詳細には、合成樹脂製チャック部13は、開閉自在な一対の雌開閉部材及び雄開閉部材を有している。
【0016】
また、収納部14は、第1シール部11Aと、第2シール部11Bとで囲まれた領域であって、合成樹脂製チャック部13が設けられた側に形成されている。したがって、合成樹脂製チャック部13が開放状態であったとしても、収納部14の密閉性は、第1シール部11A及び第2シール部11Bにより確保されている。
さらに収納部14は、酸化防止用ガス(例えば、窒素ガス)を商品と同時に封入したり、脱酸素剤を封入したりするようにすることも可能である。
【0017】
開封用切欠部15A、15Bは、合成樹脂製チャック部13の近傍、かつ、第1シール部11Aに設けられている。
そして、開封時にユーザが開封用切欠部15A、15Bを基点として合成樹脂製チャック部13の延在方向に沿ってチャック付きチャック付包装用袋10を容易に切り開けるように設けられている。
この開封用切欠部15A、15Bは、第2シール部11Bを設けている位置よりも、
図1において、上下方向(Y軸方向)においてやや上方の位置とする。
また、開封用切欠部15A、15Bは、直角三角形に切り欠かれており、下の切欠ラインは水平、上の切欠ラインは内側下方に向けて傾斜している。これによって、開封用切欠部15A、15Bを起点として第1切離ガイドライン部25、第2切離ガイドライン部26に向けて切り裂いたときに、切り裂き方向は下方に進み、また、切り裂き後の見栄えがよくなる。
【0018】
袋つり下げ用孔16は、開封前に商品を収納したチャック付きチャック付包装用袋10をフックなどに引っかけて商品展示などを行うために設けられている。
【0019】
ここで、取っ手形成部12の詳細構成について説明する。
取っ手形成部12は、チャック付きチャック付包装用袋10の表側(
図1中、手前側)及び裏側(
図1中、奥側)で同様の構成となっている。
【0020】
取っ手形成部12には、複数の貫通孔21~24と、複数の切離ガイドライン部としての第1切離ガイドライン部25、第2切離ガイドライン部26及び第3切離ガイドライン部27と、取っ手部28が設けられている。
【0021】
貫通孔21~24は、取っ手部28を使用可能な状態とするに際し、ユーザによる切れ目が不要な方向に伸びないようにし、確実に第1切離ガイドライン部25あるいは第2切離ガイドライン部26に導くためのものである。
【0022】
この場合において、貫通孔21~24は、円形状に限らず、正方形状、星形形状等任意の形状とすることが可能である。
また、貫通孔21及び貫通孔22は、第2シール部11Bとの距離(Y方向の距離)が可能な限り少ない方が望ましい。
【0023】
これは、開封用切欠部15Aあるいは開封用切欠部15Bを起点としてチャック付包装用袋10を切り裂いた場合に、切れ目が第1切離ガイドライン部25あるいは第2切離ガイドライン部26に至らずに、貫通孔21あるいは貫通孔22と、第2シール部11Bとの間の部分に至ってしまうのを防止するためである。他の実施形態についても同様である。
【0024】
また、第1切離ガイドライン部25、第2切離ガイドライン部26及び第3切離ガイドライン部27は、熱融着によるシーリングがなされていない領域にそれぞれ形成されている。
【0025】
ここで、第1切離ガイドライン部25は、取っ手部28の第1の側縁部(
図1の例では、左側縁部)を規定する細線状の切り込みにより形成されている。
また、第2切離ガイドライン部26は、取っ手部28の第2の側縁部(
図1の例では右側縁部)を規定する細線状の切り込みにより形成されている。
【0026】
さらに、第3切離ガイドライン部27は、取っ手部28の端部(
図1の例では、上端部)を規定し、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26よりも太い、所定の太さを有する破線として構成されている。
【0027】
以下、第1切離ガイドライン部25、第2切離ガイドライン部26及び第3切離ガイドライン部27について、より詳細に説明する。
第1切離ガイドライン部25は、Y方向に沿ってややチャック付包装用袋10の中央寄りに傾いて、細線状に裏面側に至る状態(完全に切り離された状態)で切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔21であり、その終了点は貫通孔23となっている。
【0028】
同様に、第2切離ガイドライン部26は、Y方向に沿ってややチャック付包装用袋10の中央寄りに傾いて、細線状に裏面側に至る状態(完全に切り離された状態)で切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔22であり、その終了点は貫通孔24となっている。
【0029】
以上の説明においては、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26は、直線状としていたが、開封用切欠部15A、15Bからの切れ目と交差するような構成であれば、円弧状、放物線状等の曲線状とすることも可能である。なお、取っ手部28の形成の容易さの観点からは、曲率半径が大きな曲線とするのが好ましい。また第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26の形状は、取っ手部28の形状を決定する要素となるので、取っ手としての使い勝手も考慮して設定するのが好ましい。
【0030】
また、第3切離ガイドライン部27は、合成樹脂製チャック部13の延在方向に沿って形成されており、その両端には、貫通孔23、貫通孔24がそれぞれ位置している。
したがって、貫通孔23あるいは貫通孔24を介して、切り離しが容易となっている。
【0031】
この場合において、第3切離ガイドライン部27は、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26と比較して、太い太線状に破線状の切り込みが裏面側に至る状態で形成されている。
【0032】
このような構成を採っているので、第3切離ガイドライン部27は、左右(X軸方向)への引き裂き力には弱く切れ易く、前後(Z軸方向)に引き裂こうとしても、左右方向へ引き裂かれてしまうため、前後には引き裂かれにくい。したがって、未開封時に、第三者による故意の開封を抑制することが可能である。
【0033】
これらの結果、第1切離ガイドライン部25、第2切離ガイドライン部26、第3切離ガイドライン部27及び第2シール部11Bで囲まれた部分が取っ手部28を形成している。
【0034】
図2は、取っ手部形成過程の説明図(その1)である。
図3は、取っ手部形成過程の説明図(その2)である。
上述のように構成されたチャック付包装用袋10において、第1の実施の形態において、収納部14内に食品、薬剤等が収納された状態で開封する場合には、まず、開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25に向けて取っ手形成部12を切り裂くか、あるいは、開封用切欠部15Bを起点として第2切離ガイドライン部26に向けて取っ手形成部12を切り裂く。
【0035】
ここでは、開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25に向けて取っ手形成部12を切り裂く場合について説明する。
開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25に向けて(
図2の矢印A1に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL1の先端は、徐々に第1切離ガイドライン部25に近づき、最終的には、
図3に示すように、第1切離ガイドライン部25の切り込み(あるいは貫通孔21)に到達する。
【0036】
この状態において、第1切離ガイドライン部25の切り込み(あるいは、貫通孔21)で切れ目の延長は停止するが、第1切離ガイドライン部25は、元々細線状に裏面側に至る状態(完全に切り離された状態)であるので、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔23の形成方向として第1切離ガイドライン部25に沿って(
図2の矢印A2に沿って)切り開くこととなって、実効的に切れ目が貫通孔23に至った状態となる。
【0037】
同様に開封用切欠部15Bを起点として第2切離ガイドライン部26に向けて(
図2の矢印A3方向に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL2の先端は、徐々に第2切離ガイドライン部26に近づき、最終的には、
図3に示すように、第2切離ガイドライン部26の切り込み(あるいは貫通孔22)に到達する。
【0038】
この状態において、第2切離ガイドライン部26の切り込み(あるいいは、貫通孔22)で切れ目の延長は停止するが、第2切離ガイドライン部26は、元々細線状に裏面側に至る状態(完全に切り離された状態)であるので、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔24の形成方向として第2切離ガイドライン部26に沿って(
図2の矢印A4に沿って)切り開くこととなって、実効的に切れ目が貫通孔24に至った状態となる。
【0039】
これらの結果、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26の切り込みに沿って、取っ手形成部の領域AAに対応する部分及び領域ABに対応する部分が、第3切離ガイドライン部27の部分以外を除いて、切り離された状態となる。
【0040】
図4は、取っ手部形成後のチャック付包装用袋の正面外観図である。
そこで、貫通孔23及び貫通孔24のいずれか一方からいずれか他方に向けて第3切離ガイドライン部27に沿って(
図2の矢印A5方向に沿って)切り離すことにより、
図4に示すように、取っ手部28が形成されることとなる。
【0041】
図5は、開封時の説明図(その1)である。
形成された取っ手部28は、表側の取っ手部28Fと、裏皮の取っ手部28Rと、を備えているので、
図5に示すように、つまんで前後(矢印B1、B2方向)に軽く引っ張ることで、容易に表側の取っ手部28Fと、裏皮の取っ手部28Rと、に分離することとなる。
【0042】
図6は、開封時の説明図(その2)である。
したがって、初回の開封時には、取っ手部28F及び取っ手部28Rをつまんで前後方向(矢印B1、B2方向)に引っ張り、
図6に示すように、第2シール部11Bを剥離させる。
【0043】
この場合において、第2シール部11Bは、Y方向の幅が狭い範囲(例えば、糸状)とされているので、剥離させるための力が少なくても容易に剥離することとなる。なお、この第2シール部11Bの幅は、密閉性の観点及び剥離強度の観点から適宜設定される。
【0044】
このように、第2シール部11Bは、開封前は、シール機能を有しているので、合成樹脂製チャック部13の密封が完璧ではない場合であっても、十分に密封性を確保でき、外部からの湿気、酸化の原因となる酸素等が収納部14内に侵入することがないようにされている。
【0045】
第2シール部11Bが剥離されると、合成樹脂製チャック部13は容易に開状態となり、収納部14に収納された商品を容易に取り出すことが可能となる。
【0046】
さらに合成樹脂製チャック部13を再度閉じて、最密封状態とした場合であっても、取っ手部28F及び取っ手部28Rをつまんで前後に引っ張ることで、合成樹脂製チャック部13は容易に開状態となり、収納部14に収納された商品を容易に取り出せる。
【0047】
[1.1]第1実施形態の変形例
以上の第1実施形態の説明においては、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26が、細線状に裏面側に至る状態(完全に切り離された状態)であるものとしていたが、本変形例は、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26が細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられている場合のものである。
【0048】
より詳細には、第1切離ガイドライン部25は、Y方向に沿ってややチャック付包装用袋10の中央寄りに傾いて、細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔21であり、その終了点は貫通孔23となっている。
【0049】
同様に、第2切離ガイドライン部26は、Y方向に沿ってややチャック付包装用袋10の中央寄りに傾いて、細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔22であり、その終了点は貫通孔24となっている。
以下、本変形例における取っ手部の形成について、再び
図2及び
図3を参照して説明する。
【0050】
ここでは、開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25に向けて取っ手形成部12を切り裂く場合について説明する。
開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25に向けて(
図2の矢印A1に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL1の先端は、徐々に第1切離ガイドライン部25に近づき、最終的には、
図3に示すように、第1切離ガイドライン部25に到達する。
【0051】
そこで、ユーザは、第1切離ガイドライン部25に沿って、切り裂き方向を貫通孔23の形成方向とする。
これにより、切れ目は、基本的には、第1切離ガイドライン部25の切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔23に至り、そこで切れ目の延長は停止する。
【0052】
なお、第1切離ガイドライン部25に到達した時点で切れ目の進行方向によっては、第1切離ガイドライン部25の切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔21に至る場合もあるが、この場合には、切れ目は貫通孔21に至り、そこで切れ目の延長は一旦停止する。
【0053】
したがって、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔23の形成方向として第1切離ガイドライン部25に沿って(
図2の矢印A2に沿って)切り開くことで、最終的には貫通孔23に至るようにすることができる。
【0054】
同様に開封用切欠部15Bを起点として第2切離ガイドライン部26に向けて(
図2の矢印A3方向に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL2の先端は、徐々に第2切離ガイドライン部26に近づき、最終的には、
図3に示すように、第2切離ガイドライン部26に到達する。
【0055】
そこで、ユーザは、第2切離ガイドライン部26に沿って(
図2の矢印A4方向に沿って)、切り裂き方向を貫通孔24の形成方向とする。
これにより、切れ目は、基本的には、第2切離ガイドライン部26の切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔24に至り、そこで切れ目の延長は停止する。
【0056】
この場合においても、第2切離ガイドライン部26に到達した時点で切れ目の進行方向によっては、第2切離ガイドライン部26の切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔22に至る場合もある。
【0057】
この場合には、切れ目は貫通孔22に至り、そこで切れ目の延長は一旦停止するので、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔24の形成方向とし、第2切離ガイドライン部26に沿って切り開くことで、最終的には貫通孔24に至るようにすることができる。
【0058】
このように、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ライン部26の切り込みに沿って、取っ手形成部の領域AAに対応する部分及び領域ABに対応する部分が、第3切離ガイドライン部27の部分以外を除いて、切り離された状態となる。
【0059】
そこで、本変形例においても、貫通孔23及び貫通孔24のいずれか一方からいずれか他方に向けて第3切離ガイドライン部27に沿って(
図2の矢印A5方向に沿って)切り離すことにより、
図4に示したように、取っ手部28が形成されることとなる。
【0060】
なお、第3切離ガイドライン部27も本実施形態の第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26と同様、細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられている状態のものであってもよい。
本変形例の効果については、第1実施形態と同様である。
【0061】
[2]第2実施形態
図7は、第2実施形態のチャック付き包装用袋10Aの正面図である。
図7において、
図1と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
以上の第1実施形態においては、開封用切欠部15A、15Bによる切り裂き想定方向は、X軸方向に沿った方向(
図1において、左右方向)であり、その切欠きの先端部を結ぶ線が合成樹脂製チャック部13の延在方向(X軸方向)を向き、かつ、第1切離ガイドライン部25及び第2切離ガイドライン部26と交差するように構成していた。
【0062】
本第2実施形態においては、
図7に示すように、開封用切欠部15A1による切り裂き想定方向は、チャック付包装用袋10Aを正面視した場合に、右下方向であり、開封用切欠き部15B1による切り裂き想定方向は、チャック付包装用袋10Aを正面視した場合に、左下方向である。
【0063】
この結果、ユーザがチャック付包装用袋10Aを開封用切欠部15A1、15B1を用いて切り裂いた場合に、第1実施形態と比較して、より確実に第1切離ガイドライン部25あるいは第2切離ガイドライン部26至ることとなり、より容易に取っ手部28を形成することができる。ひいては、より容易に開封、再開封を行うことができる。
【0064】
[3]第3実施形態
図8は、第3実施形態のチャック付き包装用袋10Bの正面図である。
図8において、
図1と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
本第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、第3切離ガイドライン部27を有さず、貫通孔23、24に代えて、第1切離ガイドライン部25A及び第2切離ガイドライン部26Aの終了点を共通の貫通孔29としている点である。
【0065】
より詳細には、第1切離ガイドライン部25Aは、Y方向に沿ってチャック付包装用袋10の中央に傾いて、細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔21であり、その終了点は貫通孔29となっている。
【0066】
また、第2切離ガイドライン部26Aは、Y方向に沿ってチャック付包装用袋10の中央に傾いて、細線状に裏面側に至らないように切り込みが入れられており、その開始点は貫通孔22であり、その終了点は貫通孔29となっている。
【0067】
以下、本第3実施形態における取っ手部の形成について説明する。
ここでは、開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25Aに向けて取っ手形成部12を切り裂く場合について説明する。
開封用切欠部15Aを起点として第1切離ガイドライン部25Aに向けて(
図2の矢印A1に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL1の先端は、徐々に第1切離ガイドライン部25Aに近づき、最終的には、第1切離ガイドライン部25Aに到達する。
【0068】
そこで、ユーザは、第1切離ガイドライン部25Aに沿って、切り裂き方向を貫通孔29の形成方向とする。
これにより、切れ目は、基本的には、第1切離ガイドライン部25Aの切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔29に至り、そこで切れ目の延長は停止する。
【0069】
なお、第1切離ガイドライン部25Aに到達した時点で切れ目の進行方向によっては、第1切離ガイドライン部25Aの切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔21に至る場合もあるが、この場合には、切れ目は貫通孔21に至り、そこで切れ目の延長は一旦停止する。
【0070】
したがって、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔23の形成方向として第1切離ガイドライン部25Aに沿って(
図2の矢印A2に沿って)切り開くことで、最終的には貫通孔29に至るようにすることができる。
【0071】
同様に開封用切欠部15Bを起点として第2切離ガイドライン部26Aに向けて(
図2の矢印A3方向に沿って)取っ手形成部12を切り裂くと、切れ目SL2の先端は、徐々に第2切離ガイドライン部26Aに近づき、最終的には、第2切離ガイドライン部26Aに到達する。
【0072】
そこで、ユーザは、第2切離ガイドライン部26Aに沿って(
図2の矢印A4方向に沿って)、切り裂き方向を貫通孔29の形成方向とする。
これにより、切れ目は、基本的には、第2切離ガイドライン部26Aの切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔29に至り、そこで切れ目の延長は停止する。
【0073】
この場合においても、第2切離ガイドライン部26に到達した時点で切れ目の進行方向によっては、第2切離ガイドライン部26Aの切り込みに沿って進み、最終的には貫通孔22に至る場合もある。
【0074】
この場合には、切れ目は貫通孔22に至り、そこで切れ目の延長は一旦停止するので、ユーザは、切り裂き方向を貫通孔29の形成方向とし、第2切離ガイドライン部26Aに沿って切り開くことで、最終的には貫通孔29に至るようにすることができる。
【0075】
これらの結果、三角形状の取っ手部28Aが形成されることとなる。
本第3実施形態の効果については、第1実施形態と同様である。
【0076】
以上の説明のように、各実施形態によれば、簡易な構成で開封時に一対の取っ手部を容易に形成できる。
【0077】
したがって、一対の取っ手部を互いに離間するように引っ張るだけで容易に樹脂製チャック部13を開放状態とすることができ、開封、再開封が老人、子どもであっても容易に行える。
【0078】
以上の説明は、正面視長方形状のチャック付き包装用袋ものであったが、これに限られるものではなく、円形状、楕円形状等任意の形状が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10、10A、10B チャック付包装用袋
11 シール部
11A 第1シール部
11B 第2シール部
12 手形成部
13 合成樹脂製チャック部
14 収納部
15A 開封用切欠部
15B 開封用切欠部
21~24、29 貫通孔
25 第1切離ガイドライン部
26 第2切離ガイドライン部
27 第3切離ガイドライン部
28、28F、28R 取って部
11A1 第1シール部本体部
11A2 第1シール部底部
15A1、15B1 開封用切欠部
AA 領域
AB 領域