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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048178
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】除菌システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/26 20210101AFI20230331BHJP
   F24F 8/98 20210101ALI20230331BHJP
   F24F 9/00 20060101ALI20230331BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
F24F8/26
F24F8/98
F24F9/00 C
A61L9/015
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021157342
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】藤本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】久保田 謙三
(72)【発明者】
【氏名】西野 優希
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA01
4C180DD11
4C180EA17X
4C180HH05
4C180KK02
4C180LL06
4C180LL14
(57)【要約】
【課題】オゾンを用いて、外部へ開放された開放部を有する所定の空間の除菌を好適に行うことができる除菌システムを提供する。
【解決手段】外部へ開放された開放部15を有する所定のブース10(空間)の除菌を行う除菌システム1であって、発生させたオゾンを前記ブース10(空間)の内部へ供給するオゾン発生装置20と、前記オゾン発生装置20からの供給風量以上の風量を前記ブース10(空間)の外部へ排気する排気装置30と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部へ開放された開放部を有する所定の空間の除菌を行う除菌システムであって、
発生させたオゾンを前記空間の内部へ供給するオゾン発生装置と、
前記オゾン発生装置からの供給風量以上の風量を前記空間の外部へ排気する排気装置と、
を具備する、
除菌システム。
【請求項2】
前記空間の内部のオゾン濃度に基づいて前記オゾン発生装置及び前記排気装置を制御可能な制御部をさらに具備する、
請求項1に記載の除菌システム。
【請求項3】
前記排気装置は、排気に含まれるオゾン濃度を低減させる濃度低減手段を具備する、
請求項1又は請求項2に記載の除菌システム。
【請求項4】
前記空間は、周囲を区画する壁部により上部に前記開放部が設けられ、
前記オゾン発生装置は、前記壁部の上部に設けられ、
前記排気装置は、前記壁部の下部に設けられる、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の除菌システム。
【請求項5】
前記壁部は、互いに対向する一対の対向壁部を有し、
前記オゾン発生装置及び前記排気装置は、前記一対の対向壁部のうち、同じ対向壁部である第一対向壁部に設けられる、
請求項4に記載の除菌システム。
【請求項6】
エアカーテンを形成可能なエアカーテン形成装置をさらに具備し、
前記エアカーテン形成装置は、前記一対の対向壁部のうち、前記第一対向壁部とは異なる第二対向壁部に設けられ、前記オゾン発生装置へ向けて前記開放部を横断するように気体を吹き出す、
請求項5に記載の除菌システム。
【請求項7】
前記空間は、複数設けられ、
前記オゾン発生装置及び前記排気装置は、複数の前記空間に跨るように設けられる、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の除菌システム。
【請求項8】
前記空間は、複数設けられ、
複数のうち一の前記空間の前記排気装置からの排気を、他の前記空間の内部に案内するための排気案内部をさらに具備する、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の除菌システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンを用いて所定の空間の除菌を行う除菌システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾンを用いて所定の空間の除菌を行う除菌システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載された除菌システムは、オゾンを用いてトイレ(所定の空間)の除菌を行うものである。前記除菌システムは、利用者のトイレへの入室及び退室を感知する自動流水装置と、オゾンを発生するオゾナイザーと、を具備する。こうして、前記除菌システムは、トイレから利用者が退室したと感知した場合に、オゾナイザーからオゾンを発生させる。これにより、利用者がオゾンを吸い込むことを抑制しつつ、トイレの除菌を行うことができる。
【0004】
ここで昨今、特許文献1に記載されたトイレのような完全な個室空間ではなく、例えばパーソナルワークスペースやインターネットカフェのブース等の半個室空間(例えば天井部が無い等の、外部へ開放された開放部を有する空間)が増加している。このような半個室空間では、除菌を行うためにオゾンを放出すると、当該オゾンが開放部を介して外部へ漏出する可能性がある。このように、オゾンが外部へ漏出すると、外部にいる人がオゾンを吸い込む等の不都合が生じるため望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-281096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、オゾンを用いて、外部へ開放された開放部を有する所定の空間の除菌を好適に行うことができる除菌システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、外部へ開放された開放部を有する所定の空間の除菌を行う除菌システムであって、発生させたオゾンを前記空間の内部へ供給するオゾン発生装置と、前記オゾン発生装置からの供給風量以上の風量を前記空間の外部へ排気する排気装置と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記空間の内部のオゾン濃度に基づいて前記オゾン発生装置及び前記排気装置を制御可能な制御部をさらに具備するものである。
【0010】
請求項3においては、前記排気装置は、排気に含まれるオゾン濃度を低減させる濃度低減手段を具備するものである。
【0011】
請求項4においては、前記空間は、周囲を区画する壁部により上部に前記開放部が設けられ、前記オゾン発生装置は、前記壁部の上部に設けられ、前記排気装置は、前記壁部の下部に設けられるものである。
【0012】
請求項5においては、前記壁部は、互いに対向する一対の対向壁部を有し、前記オゾン発生装置及び前記排気装置は、前記一対の対向壁部のうち、同じ対向壁部である第一対向壁部に設けられるものである。
【0013】
請求項6においては、エアカーテンを形成可能なエアカーテン形成装置をさらに具備し、前記エアカーテン形成装置は、前記一対の対向壁部のうち、前記第一対向壁部とは異なる第二対向壁部に設けられ、前記オゾン発生装置へ向けて前記開放部を横断するように気体を吹き出すものである。
【0014】
請求項7においては、前記空間は、複数設けられ、前記オゾン発生装置及び前記排気装置は、複数の前記空間に跨るように設けられるものである。
【0015】
請求項8においては、前記空間は、複数設けられ、複数のうち一の前記空間の前記排気装置からの排気を、他の前記空間の内部に案内するための排気案内部をさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
本願発明においては、オゾンを用いて、外部へ開放された開放部を有する所定の空間の除菌を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。
図2】同じく、側面視における断面模式図。
図3】同じく、自動除菌制御を示したフローチャート。
図4】同じく、自動除菌制御を実行した場合のオゾン濃度及びCT値の推移の一例を示した図。
図5】本発明の第二実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。
図6】(a)本発明の第三実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。(b)同じく、側面視における断面模式図。
図7】(a)本発明の第四実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。(b)同じく、側面視における断面模式図。
図8】(a)本発明の第五実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。(b)本発明の第六実施形態に係る除菌システムの適用状態を示した斜視模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明においては、図中に示した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0020】
まず以下では、図1を用いて、本発明の実施形態に係る除菌システム1が適用されるブース10について簡単に説明する。
【0021】
ブース10は、天井部が無く、上方へ開放された半個室空間である。本実施形態においては、ブース10は、インターネットカフェの小室(ブース)である。ブース10の内部には、利用者が利用するための備品(例えば、パソコンや棚)等が備えられる。なお便宜上、図1(及び、後述する図5から図7)においては、ブース10の内部の構成は破線で記載している。ブース10は、壁部11及び開放部15を具備する。
【0022】
壁部11は、ブース10の周囲を区画する壁である。壁部11は、床面から上方へ立設するように形成される。壁部11は、前後に互いに対向する一対の壁部(前壁12及び後壁13)と、左右に互いに対向する一対の壁部と、を有する。こうして、壁部11は、上方向に延びる略四角筒状に形成される。
【0023】
開放部15は、略四角筒状の壁部11の上端部に形成された開口である。開放部15は、ブース10の外部(上方の空間)へ開放される。開放部15は、平面視で略四角形状に形成される。こうして、ブース10は、当該ブース10の内部と外部とが、開放部15を介して空気が流通可能に連通される。
【0024】
以下では、図1から図4を用いて、第一実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0025】
除菌システム1は、オゾンを用いてブース10(半個室空間)の内部の除菌を行うものである。除菌システム1は、オゾン発生装置20、排気装置30及び制御部40を具備する。
【0026】
オゾン発生装置20は、オゾンを発生させる装置である。オゾン発生装置20は、周囲の気体を取り込むと共に、例えばバリア放電(無声放電)を行うことによって気体の酸素からオゾンを生成し、生成したオゾンをブース10の内部へ所定の風量(本実施形態においては「風量Q1」とする)で供給する。オゾン発生装置20は、例えば長手方向を左右方向へ向けた略直方体形状を有する。オゾン発生装置20は、気体を取り込む取り込み口21と、生成したオゾンを供給する(放出する)供給口22と、を具備する。
【0027】
本実施形態において、取り込み口21は、オゾン発生装置20の概ね下方を向いた面(すなわち、ブース10の内部側を向いた面)に形成される。こうして、取り込み口21は、ブース10の内部の気体を取り込むことができる(図2参照)。すなわち、オゾン発生装置20は、ブース10の内部の気体を用いてオゾンを生成することができる。これに対して、供給口22は、オゾン発生装置20の概ね後方を向いた面に形成される。供給口22は、取り込み口21よりも高い位置に設けられる。
【0028】
また、オゾン発生装置20は、壁部11の上部に設けられる。具体的には、オゾン発生装置20は、前壁12の後側面(内側面)の上部に設けられる。ここで、オゾンは空気よりも重量が重くて下方へ移動し易いため、オゾン発生装置20を壁部11(前壁12)の上部に設けることにより、ブース10の全体にオゾンを行き渡らせることができる。
【0029】
また、オゾン発生装置20の供給口22は、後斜め下方へ向けてオゾンを放出可能となるように形成される。より詳細には、図2に示すように、供給口22は、後壁13の上下中途部へ向けてオゾンを吹き出すように形成される。
【0030】
これにより、開放部15から離れる方向へオゾンを吹き出すことができるため、当該オゾンが開放部15を介して外部へ漏出するのを抑制することができる。また、オゾン発生装置20から吹き出されたオゾンは、後壁13に衝突し、前斜め下方へと流れる方向が反転する。こうして、図2に示すように、左側面視において反時計回りにブース10の内部を循環し、当該ブース10の内部全体に行き渡るようなオゾンの流れ(気流)を形成することができる。
【0031】
排気装置30は、図示せぬファン等を動作させ、ブース10の内部の気体(例えば、オゾンを含む空気)を外部へ排出する装置である。排気装置30は、例えば長手方向を左右方向へ向けた略直方体形状を有する。排気装置30は、前壁12の前側面(外側面)の下部に設けられる。すなわち、排気装置30は、オゾン発生装置20と同じ壁(前壁12)において、上下に互いに離間して設けられる。こうして、図2に示すように、排気装置30は、オゾン発生装置20から放出され、ブース10の内部を循環した後のオゾンを外部へと排出することができる。
【0032】
排気装置30は、気体を吸い込む吸込口31と、吸込口31に吸い込まれた気体(排気)をブース10の外部へ排出する排気口32と、を有する。吸込口31は、排気装置30の後側に設けられ、ブース10の前壁12に設けられた孔を介して当該ブース10の内部と連通される。また排気口32は、排気装置30の前側面に形成される。排気口32は、ブース10の外部であって、かつ、近くに人がいない無人空間(例えば、床下空間や屋外空間)と連通される。こうして、ブース10の外部へ排出されたオゾンが外部の人に吸い込まれる等の不都合が生じるのを抑制することができる。
【0033】
また、排気装置30は、所定の風量(本実施形態においては「風量Q2」とする)で気体を吸い込むことができる。こうして、本実施形態においては、排気装置30が吸い込む風量Q2は、オゾン発生装置20が供給する風量Q1よりも大きくなるように(Q2>Q1となるように)設定される。こうして、ブース10の内部を負圧とすることができ、当該ブース10の内部のオゾンが開放部15を介して外部へ漏出するのを、抑制することができる。
【0034】
制御部40は、除菌システム1の種々の処理を実行するものである。制御部40は、CPU等の演算処理部、RAMやROM等の記憶部等を具備する。制御部40の記憶部には、制御に用いられる種々の情報やプログラム等が予め記憶される。制御部40の演算処理部は、前記プログラムを実行して前記種々の情報を用いた所定の演算処理等を行うことで、所定の処理を実行することができる。
【0035】
制御部40は、オゾン発生装置20及び排気装置30と接続される。こうして、制御部40は、オゾン発生装置20及び排気装置30の運転を制御することができる。具体的には、制御部40は、オゾン発生装置20におけるオゾンの生成量や供給風量を調整することができる。また制御部40は、排気装置30の排気風量を調整することができる。また、制御部40は、オゾン発生装置20及び排気装置30の情報(運転の状態等)を取得することができる。また制御部40は、ブース10の内部のオゾン濃度に基づいて、オゾン発生装置20及び排気装置30の運転によりブース10の内部の除菌を自動的に行う制御(以下では「自動除菌制御」と称する)を実行することができる。
【0036】
以下では、図3のフローチャートを用いて、制御部40による自動除菌制御について説明する。
【0037】
自動除菌制御は、利用者のブース10の利用の終了を契機として実行される。本実施形態においては、自動除菌制御は、利用の終了を例えば店員が確認した場合に、当該店員の所定のボタン操作に応じて開始される。なおこれに限定されず、例えばブース10に人感センサ等の所定のセンサを設けて、当該センサの検知結果により利用の終了を取得した場合に、自動除菌制御を開始するものであってもよい。
【0038】
ステップS11において、制御部40は、上述の如く店員の所定のボタン操作に応じて自動除菌制御を開始する。具体的には、制御部40は、排気装置30の運転を開始する。こうして、排気装置30は、風量Q2でブース10の内部の気体を吸い込んで外部へと排出する。このように、オゾン発生装置20よりも排気装置30の運転を先に開始することにより、オゾンが発生される前にブース10の内部を負圧とする。制御部40は、ステップS11の処理の後、ステップS12の処理を実行する。
【0039】
ステップS12において、制御部40は、オゾン発生装置20の運転を開始する。こうして、オゾン発生装置20は、風量Q1でブース10の内部へとオゾンを供給する。ここで、上述の如く排気装置30が吸い込む風量Q2はオゾン発生装置20が供給する風量Q1よりも大きいため、自動除菌制御が実行されている間、ブース10の内部は常に負圧となる。これにより、自動除菌制御が実行されている間、当該ブース10の内部のオゾンが開放部15を介して外部へ漏出するのを、抑制することができる。
【0040】
また、オゾン発生装置20からのオゾンの供給により、排気装置30により排気されながらもブース10の内部のオゾン濃度は徐々に高くなる。これにより、ブース10の内部の除菌が行われていく。制御部40は、ステップS12の処理の後、ステップS13の処理を実行する。
【0041】
ステップS13において、制御部40は、CT値(Concentration-Time Value)が、最終的な目標値(以下では「最終目標CT値」と称する)に対して所定の割合である値(以下では「経過目標CT値」と称する)になったか否かの判断を行う。
【0042】
ここで、CT値とは、オゾン濃度(ppm)と暴露時間(min)との積である。なお、暴露時間とは、オゾンに対象物がさらされている時間を指すものであり、本実施形態においてはオゾン発生装置20の運転開始(オゾンの供給開始)からの経過時間に相当する。CT値を求めることで、病原体をどの程度不活化できたのかを把握することができる。本実施形態においては、CT値が60である場合に所定の病原体を90%以上不活化できたと判断できるものとする。なお、このようなCT値と病原体を不活化できる割合との関係は、実験等によって病原体ごとに適宜求められている。
【0043】
本実施形態においては、最終目標CT値は60に設定される。ここで、ブース10の内部のオゾン濃度は、例えばオゾン発生装置20の運転を停止した後(すなわち、オゾンの供給を停止した後)に、時間の経過と共に徐々に低減していく。このオゾン濃度が低減していく経過時間も、暴露時間に含まれる。
【0044】
そこで、自動除菌制御においては、オゾン発生装置20の運転の停止した後、オゾン濃度が0.1ppm(環境基準、すなわちオゾンによる不都合が発生しないと考えられる値)となるまでの経過時間を考慮して、CT値が経過目標CT値(最終目標CT値に対して所定の割合である値)になった場合にオゾン発生装置20の運転を停止させる。本実施形態においては、経過目標CT値は45(最終目標CT値の3/4)に設定される。
【0045】
こうして、ステップS13において、制御部40は、CT値が45になったか否かの判断を行って、CT値が45になったと判断した場合には、ステップS14の処理を実行する。これに対して、制御部40は、CT値が45になっていないと判断した場合には、再びステップS13の処理を実行する。
【0046】
なお本実施形態において、制御部40は、CT値が45になったか否かの判断を、オゾン発生装置20の運転の開始からの経過時間に基づいて行う。すなわち、オゾン発生装置20の運転の開始からの経過時間とCT値との関係は事前に実験や計算等により取得することができるため、当該取得結果に基づいた経過時間により制御部40は判断を行う。なお制御部40は、これに限らず、例えばブース10の内部のオゾン濃度を所定のセンサにより取得し、この取得結果に基づいて判断を行ってもよい。
【0047】
ステップS14において、制御部40は、オゾン発生装置20の運転を停止する。こうして、オゾン発生装置20は、ブース10の内部へのオゾンの供給を停止する。制御部40は、ステップS14の処理の後、ステップS15の処理を実行する。
【0048】
ステップS15において、制御部40は、オゾン濃度が目標値となったか否かの判断を行う。本実施形態においては、オゾン濃度の目標値は、上述の如く0.1ppmに設定される。また制御部40は、オゾン濃度が目標値(0.1ppm)になったか否かの判断を、オゾン発生装置20の運転の停止からの経過時間に基づいて行う。なお制御部40は、これに限らず、例えばブース10の内部のオゾン濃度を所定のセンサにより取得し、この取得結果に基づいて判断を行ってもよい。
【0049】
こうして、ステップS15において、制御部40は、オゾン濃度が目標値(0.1ppm)になったと判断した場合には、ステップS16の処理を実行する。これに対して、制御部40は、オゾン濃度が目標値(0.1ppm)になっていないと判断した場合には、再びステップS15の処理を実行する。なおオゾン濃度が目標値(0.1ppm)になったと判断された場合とは、オゾン発生装置20の運転の開始からのCT値が最終目標CT値(60)に到達したこと(すなわち、ブース10の内部の除菌が完了したこと)を意味する。
【0050】
ステップS16において、制御部40は、排気装置30の運転を停止する。こうして、排気装置30は、ブース10の内部の気体の外部への排出を停止する。制御部40は、ステップS16の処理の後、自動除菌制御の実行を終了する。
【0051】
以下では、図4を用いて、自動除菌制御が実行された場合における、ブース10のオゾン濃度及びCT値(CT積分)の推移の一例について説明する。なお図4に示す一例においては、ブース10は、面積2.2mで、高さが2mであるものとする。
【0052】
図4に示すように、排気装置30及びオゾン発生装置20が運転を開始した後(ステップS11、ステップS12)、期間T1の間において、オゾン濃度及びCT値が徐々に高くなっている。そして、期間T1の終了の時点で(運転の開始から10分過ぎで)CT値は経過目標CT値(45)に到達している(ステップS13でYES)。
【0053】
そこで、期間T2においては、排気装置30の運転を継続したまま、オゾン発生装置20の運転が停止される(ステップS14)。そして、期間T2の終了の時点で(運転の開始から約30分で)オゾン濃度が目標値(0.1ppm)に到達する(ステップS15でYES)と共に、CT値が最終目標CT値(60)に到達している。そこで、期間T3においては、排気装置30の運転が停止される(ステップS16)。
【0054】
このように、自動除菌制御を実行することにより、オゾンが開放部15を介してブース10の外部へ漏出するのを抑制しつつ、比較的短時間でブース10の内部の除菌を完了させることができる。
【0055】
以下では、図5を用いて、第二実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0056】
第二実施形態に係る除菌システム1において、第一実施形態に係る除菌システム1と大きく異なる点は、排気装置30が、排気に含まれるオゾン濃度を低減させる濃度低減機構を有する点である。
【0057】
具体的には、排気装置30は、濃度低減機構として、第一濃度低減機構51、第二濃度低減機構52及び第三濃度低減機構53を有する。
【0058】
第一濃度低減機構51は、図示せぬファンを駆動させ、吸込口31により排気装置30が吸い込んだ(オゾンを含む)気体に外部の空気を混合させることにより、オゾン濃度の低減を図る機構である。具体的には、第一濃度低減機構51は、排気装置30の内部に外気(ブース10の外部の空気)を所定の風量(本実施形態においては「風量Q3」とする)で取り込んで、ブース10の内部から吸い込んだ気体と混合させる。こうして、第一濃度低減機構51によれば、排気装置30がブース10の外部へと排出する気体のオゾン濃度を、排気装置30が吸い込んだブース10の内部の気体のオゾン濃度と比較して、効果的に低減させることができる。
【0059】
なお、排気装置30においては、ブース10の内部から排気装置30が吸い込む風量Q2と、第一濃度低減機構51によりブース10の外部から排気装置30が取り込む風量Q3と、を合わせた風量が、ブース10の外部へと排気装置30が排出する風量(本実施形態においては「風量Q4」とする)となる(Q2+Q3=Q4となる)。
【0060】
第二濃度低減機構52は、紫外線によりオゾン濃度の低減を図る機構である。第二濃度低減機構52は、気体に対してオゾンの分解を促進する波長域(254~280nm)の紫外線の照射(UV-C照射)を行うことができる。こうして、第二濃度低減機構52によれば、排気装置30がブース10の外部へと排出する気体のオゾン濃度を、排気装置30が吸い込んだブース10の内部の気体のオゾン濃度と比較して、効果的に低減させることができる。
【0061】
第三濃度低減機構53は、活性炭によりオゾン濃度の低減を図る機構である。第三濃度低減機構53は、例えば排気装置30の内部に設けた活性炭フィルタに気体を通過させることにより、当該活性炭フィルタにオゾンを補足することができる。こうして、第三濃度低減機構53によれば、排気装置30がブース10の外部へと排出する気体のオゾン濃度を、排気装置30が吸い込んだブース10の内部の気体のオゾン濃度と比較して、効果的に低減させることができる。
【0062】
こうして、排気装置30は、第一濃度低減機構51、第二濃度低減機構52及び第三濃度低減機構53により、排気装置30が吸い込んだブース10の内部の気体のオゾン濃度を、効果的に低減させることができる。なお本実施形態においては、3つの濃度低減機構により、オゾン濃度が環境基準(0.1ppm)未満となるように設定される。
【0063】
なお本実施形態においては、排気装置30は、3つの濃度低減機構を有するが、これに限定するものではない。すなわち、排気装置30は、3つの濃度低減機構のうち1つ又は2つの任意の濃度低減機構を有することができる。またこの場合であっても、各濃度低減機構の性能を調整することにより(例えば、第一濃度低減機構51であればブース10の外部の空気の取り込み量を多くしたり、第二濃度低減機構52であれば紫外線の照射量を多くしたり、第三濃度低減機構53であれば活性炭フィルタの選択を行うことにより)オゾン濃度を環境基準(0.1ppm)未満となるように設定することができる。
【0064】
ただし、3つの濃度低減機構のうち1つ又は2つの任意の濃度低減機構を有する場合において、第一濃度低減機構51はファンの動作音(騒音)が発生するため、騒音の観点からすると、第二濃度低減機構52または第三濃度低減機構53とを組み合わせて使用することが望ましい。
【0065】
以下では、図6を用いて、第三実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0066】
第三実施形態に係る除菌システム1において、第二実施形態に係る除菌システム1と大きく異なる点は、オゾン発生装置20の取り込み口21が配置される位置が異なる点である。
【0067】
具体的には、オゾン発生装置20の取り込み口21が、オゾン発生装置20の概ね下方を向いた面(すなわち、ブース10の内部側を向いた面)ではなく、オゾン発生装置20の概ね上方を向いた面(すなわち、ブース10の外部側を向いた面)に形成される。こうして、取り込み口21は、ブース10の外部の空気を取り込むことができる。すなわち、オゾン発生装置20は、ブース10の外部の空気を用いてオゾンを生成することができる。
【0068】
なお、本実施形態に係るオゾン発生装置20においては、ブース10の外部から取り込み口21によりオゾン発生装置20が取り込む風量(本実施形態においては「風量Q0」とする)が、オゾン発生装置20が供給する風量Q1以上であって、かつ、ブース10の内部から排気装置30が吸い込む風量Q2よりも小さくなるように設定される。また、ブース10の内部から排気装置30が吸い込む風量Q2は、ブース10の外部へと排気装置30が排出する風量Q4以下となるように設定される。このように、第三実施形態においては、ブース10の各風量がQ1≦Q0<Q2≦Q4となるように設定される。
【0069】
以下では、図7を用いて、第四実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0070】
第四実施形態に係る除菌システム1において、第三実施形態に係る除菌システム1と大きく異なる点は、エアカーテン形成装置60をさらに具備する点である。
【0071】
エアカーテン形成装置60は、気体を吹き出すことによりエアカーテンを形成する装置である。ここで、エアカーテンとは、気流の膜を作ることにより、エアカーテンを挟んだ空間の気体が混ざるのを抑制するものである。本実施形態においては、エアカーテンを挟んだ空間として、開放部15を挟んで上下に位置するブース10の内部と外部の空間を想定している。エアカーテン形成装置60は、壁部11の上部に設けられる。具体的には、エアカーテン形成装置60は、後壁13の前側面(内側面)の上部に設けられる。このように、エアカーテン形成装置60は、互いに対向する一対の壁部11(前壁12及び後壁13)のうち、オゾン発生装置20が設けられた前壁12と異なる壁(後壁13)において、当該オゾン発生装置20と前後に対向するように設けられる。エアカーテン形成装置60は、長手方向を左右方向へ向けた略直方体形状を有し、後壁13の左右方向に亘るように形成される。
【0072】
エアカーテン形成装置60は、気体を取り込む取り込み口61と、気体を吹き出す吹き出し口62と、を具備する。取り込み口61は、ブース10の内部であって、吹き出し口62よりも下方に形成される。こうして、取り込み口61は、ブース10の内部の気体を取り込むことができる。これにより、エアカーテン形成装置60は、ブース10の内部のオゾンを含む気体を取り込んで、オゾン発生装置20へと吹き出すことができる。そして、オゾン発生装置20へと吹き出された気体は、オゾン発生装置20に取り込まれ、再びオゾンを生成するために用いられる。
【0073】
また、吹き出し口62は、前方へ(水平方向へ)向けて気体を吹き出し可能に形成される。より詳細には、吹き出し口62は、オゾン発生装置20の供給口22よりも上方に気体を吹き出すことができる。これにより、エアカーテン形成装置60により形成されたエアカーテンが、オゾン発生装置20から放出されるオゾンと干渉するのを抑制することができる。
【0074】
このように、エアカーテン形成装置60によれば、形成したエアカーテンにより、オゾンが開放部15を介してブース10の外部へ漏出するのを、より効果的に抑制することができる。また、ブース10の内部の気体を取り込むことにより、ブース10の内部においてオゾンをより好適に循環させることができる。また、オゾンを含む気体を再びオゾンを生成するために用いることができるため、オゾン発生装置20においてオゾンを効率よく生成することができる。
【0075】
なお、エアカーテン形成装置60は、オゾン発生装置20及び排気装置30と同様に制御部40に接続される。こうして、エアカーテン形成装置60の運転が、制御部40により制御される。また、エアカーテン形成装置60の情報(運転の状態等)が、制御部40に取得される。
【0076】
また、エアカーテン形成装置60においては、吹き出し口62から吹き出す風量(本実施形態においては「風量Q0’」とする)が、オゾン発生装置20が供給する風量Q1以上であって、かつ、ブース10の外部からオゾン発生装置20が取り込む風量Q0以下となるように設定される。また、ブース10の外部からオゾン発生装置20が取り込む風量Q0は、ブース10の内部から排気装置30が吸い込む風量Q2よりも小さくなるように設定される。また、ブース10の内部から排気装置30が吸い込む風量Q2は、ブース10の外部へと排気装置30が排出する風量Q4以下となるように設定される。このように、第四実施形態においては、ブース10の各風量がQ1≦Q0’≦Q0<Q2≦Q4となるように設定される。
【0077】
以下では、図8(a)を用いて、第五実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0078】
第五実施形態に係る除菌システム1において、第一~第四実施形態に係る除菌システム1と大きく異なる点は、オゾン発生装置20及び排気装置30が複数の空間に跨るように設けられる点である。
【0079】
本実施形態において、ブース10は4つ設けられる。4つのブース10は、それぞれ4つの壁部のうち2つの壁部を他のブースと共用するように、互いに隣接して設けられる。こうして、4つのブース10は、全体として平面視で略田の字状に設けられる。
【0080】
オゾン発生装置20は、4つのブース10の全体としての中心(平面視で4つのブース10のそれぞれの1つ角部が互いに合わさった場所)の上部に設けられる。オゾン発生装置20は、4つのブース10の開放部15を跨ぐように設けられる。具体的には、オゾン発生装置20は、4つのブース10それぞれの開放部15の少なくとも一部分と、平面視で重複するように設けられる。こうして、オゾン発生装置20は、4つのブース10の全てに同時に、又は選択した任煮のブース10に順次オゾンを放出することができる。
【0081】
また排気装置30は、オゾン発生装置20の下方に設けられる。排気装置30は、所定の開口部を介して4つのブース10の内部空間を跨ぐように設けられる。すなわち、排気装置30は、4つのブース10それぞれの内部空間の少なくとも一部分に位置しているように設けられる。こうして、排気装置30は、4つのブース10の全てに同時に、又は選択した任煮のブース10から順次排気を行うことができる。
【0082】
こうして、オゾン発生装置20及び排気装置30を複数のブース10で共用することができるため、スペースの効率化やコストの低減を図ることができる。
【0083】
なお、ブース10の数は4つに限定されず、2つ以上であればよい。また複数のブース10の配置は、上述のものに限定されない。またオゾン発生装置20及び排気装置30の配置場所や配置方法は、上述の如きものに限定されず、2つ以上のブース10に跨るように設けられる任意のものを採用することができる。
【0084】
以下では、図8(b)を用いて、第六実施形態に係る除菌システム1の構成について説明する。
【0085】
第六実施形態に係る除菌システム1において、第一~第五実施形態に係る除菌システム1と大きく異なる点は、排気装置30からの排気を活用する点である。なお、第六実施形態に係る除菌システム1においては、排気装置30に濃度低減手段が設けられない。
【0086】
本実施形態において、ブース10は3つ設けられる。すなわち、3つのブース10は、それぞれ4つの壁部のうち1つを他のブースと共用するように、互いに隣接して設けられる。こうして、3つのブース10は、平面視で前後方向に直線状に並べられる。
【0087】
本実施形態に係る除菌システム1は、排気案内部70を具備する。排気案内部70は、長手状に形成された中空の部材(ダクト状の部材)である。排気案内部70は、長手方向一側端部が排気装置30と接続される。また排気案内部70は、長手方向他側端部がブース10の壁部に沿って上方へ延びるように設けられ、開放部15を介して隣接する他のブース10の内部空間を臨むように設けられる。
【0088】
こうして、一のブース10の排気装置30からの排気は、排気案内部70により案内され、隣接する他のブース10の内部へと上方から放出される。ここで、排気装置30からの排気(気体)にはオゾンが含まれる。すなわち、排気案内部70から放出された気体により、他のブース10の内部の除菌を行うことができる。このように、排気案内部70により、排気装置30からの排気を無駄に外部へ放出することなく、他のブース10の内部の除菌に用いることができる。
【0089】
なお、ブース10の数は3つに限定されず、2つ以上であればよい。また複数のブース10の配置は上述のものに限定されない。また排気案内部70の配置場所や配置方法は、上述の如きものに限定されず、一のブース10から他のブース10の内部に排気を案内可能であれば任意のものを採用することができる。
【0090】
以上のように、本発明の第一~第四実施形態においては、
外部へ開放された開放部15を有する所定のブース10(空間)の除菌を行う除菌システム1であって、
発生させたオゾンを前記ブース10(空間)の内部へ供給するオゾン発生装置20と、
前記オゾン発生装置20からの供給風量以上の風量を前記ブース10(空間)の外部へ排気する排気装置30と、
を具備するものである。
【0091】
このような構成により、ブース10の内部を負圧として、ブース10の内部のオゾンが開放部15から外部へ漏出するのを抑制することができる。すなわち、オゾンを用いて、外部へ開放された開放部15を有するブース10の除菌を好適に行うことができる。
【0092】
また、本発明の第一~第四実施形態においては、
前記ブース10(空間)の内部のオゾン濃度に基づいて前記オゾン発生装置20及び前記排気装置30を制御可能な制御部40をさらに具備するものである。
【0093】
このような構成により、制御部40により自動除菌制御を実行して、開放部15を介してオゾンがブース10の外部へ漏出するのを抑制しつつ、比較的短時間でブース10の除菌を行うことができる。
【0094】
また、本発明の第二~第四実施形態においては、
前記排気装置30は、排気に含まれるオゾン濃度を低減させる濃度低減手段(第一濃度低減機構51、第二濃度低減機構52及び第三濃度低減機構53)を具備するものである。
【0095】
このような構成により、排気装置30がブース10の外部へと排出する気体のオゾン濃度を、排気装置30が吸い込んだブース10の内部の気体のオゾン濃度と比較して、効果的に低減させることができる。
【0096】
また、本発明の第一~第四実施形態においては、
前記ブース10(空間)は、周囲を区画する壁部11により上部に前記開放部15が設けられ、
前記オゾン発生装置20は、前記壁部11の上部に設けられ、
前記排気装置30は、前記壁部11の下部に設けられるものである。
【0097】
こうして、オゾンは空気よりも重量が重くて下方へ移動し易いため、このような構成により、ブース10の全体にオゾンを行き渡らせることができ、ブース10の除菌を好適に行うことができる。
【0098】
また、本発明の第一~第四実施形態においては、
前記壁部は、互いに対向する一対の対向壁部を有し、
前記オゾン発生装置20及び前記排気装置30は、前記一対の対向壁部のうち、同じ対向壁部である前壁12(第一対向壁部)に設けられるものである。
【0099】
このような構成により、ブース10の内部を循環するようなオゾンの流れ(気流)を形成することができ、ブース10の除菌を好適に行うことができる。
【0100】
また、本発明の第四実施形態においては、
エアカーテンを形成可能なエアカーテン形成装置60をさらに具備し、
前記エアカーテン形成装置60は、前記一対の対向壁部のうち、前記第一対向壁部とは異なる後壁13(第二対向壁部)に設けられ、前記オゾン発生装置20へ向けて前記開放部15を横断するように気体を吹き出すものである。
【0101】
このような構成により、形成したエアカーテンにより、開放部15を介してオゾンがブース10の外部へ漏出するのを、より効果的に抑制することができる。また、オゾンを含む気体を、オゾン発生装置20にて再びオゾンを生成するために用いるため、オゾンを効率よく生成することができる。
【0102】
また、本発明の第五実施形態においては、
前記ブース10(空間)は、複数設けられ、
前記オゾン発生装置20及び前記排気装置30は、複数の前記ブース10(空間)に跨るように設けられるものである。
【0103】
このような構成により、オゾン発生装置20及び排気装置30を複数のブース10で共用することができるため、スペースの効率化やコストの低減を図ることができる。
【0104】
また、本発明の第六実施形態においては、
前記ブース10(空間)は、複数設けられ、
複数のうち一の前記ブース10(空間)の前記排気装置30からの排気を、他の前記ブース10(空間)の内部に案内するための排気案内部70をさらに具備するものである。
【0105】
このような構成により、排気装置30からの排気を無駄に外部へ放出することなく、他のブース10の内部の除菌に用いることができる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
【0107】
例えば、本発明が適用される空間は、インターネットカフェの小室(ブース10)としたがこれに限定されない。例えば、パーソナルワークスペースや打ち合わせスペース、カプセルホテル、共用トイレ等、開放部を有する任意の空間に適用することができる。
【0108】
また、本発明が適用される空間は、上方へ開放された半個室空間に限定されない。すなわち、本発明が適用される空間は、開放部が上部に設けられた空間に限定されず、開放部が上下中途部や下部に(横方向へ開放するように)形成された空間であってもよい。具体的には、例えば前記空間は、隣接する空間(例えば、リビングや廊下)に開放された開放部(入口やカウンター)を有するキッチンや洗面室等であってもよい。
【0109】
また、第一~第五実施形態において、排気装置30の排気口32は、ブース10の外部、かつ、近くに人がいない無人空間(例えば、床下空間や屋外空間)と連通されるものとしたが、これに限定されない。すなわち、排気口32と連通されたブース10の外部の空間が十分に大きく、ブース10の内部のオゾンを排気した場合でもあっても、オゾン濃度が環境基準よりも低く留まるのであれば、床下空間や屋外空間ではなく、前記外部の空間に排気してもよい。
【0110】
また、第一~第四実施形態においては、排気装置30は、ブース10に対して外側の面(ブース10の外部)に設けられるものとしたが、内側の面(ブース10の内部)に設けることもできる。
【0111】
また、第一~第四実施形態においては、オゾン発生装置20及び排気装置30は、同じ壁(前壁12)に設けられたが、これに限定されず、互いに異なる壁に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 除菌システム
10 ブース
20 オゾン発生装置
30 排気装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8