(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023051118
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】蓄電素子ユニットの設置方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/251 20210101AFI20230404BHJP
【FI】
H01M50/251
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021161606
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】竹井 英俊
(72)【発明者】
【氏名】上野 敬章
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 吉隆
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS01
5H040AT04
5H040AY08
5H040AY14
5H040CC35
5H040JJ03
5H040JJ08
5H040JJ09
(57)【要約】
【課題】蓄電素子ユニットを設置位置に容易に設置する。
【解決手段】
蓄電素子ユニットの設置方法は、複数の蓄電素子モジュール40と、蓄電素子モジュール40を制御する制御モジュール50と、蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容する収容箱20Aと、を有する蓄電素子ユニット10を製造する製造工程と、蓄電素子ユニット10を検査する検査工程と、蓄電素子ユニット10を梱包材80で梱包して運搬する運搬工程と、収容箱20Aから蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を取り外す分解工程と、設置位置5に配置された筐体20Bに蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容して、蓄電素子モジュール40の配線49を制御モジュール50の接続部59に接続する組み立て工程と、を備える。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子ユニットを設置位置に設置する方法であって、
複数の蓄電素子モジュールと、前記蓄電素子モジュールを制御する制御モジュールと、前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを収容する収容箱と、を有する蓄電素子ユニットを製造する製造工程と、
前記蓄電素子ユニットを検査する検査工程と、
前記蓄電素子ユニットを梱包材で梱包して運搬する運搬工程と、
前記収容箱から前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを取り外す分解工程と、
前記設置位置に配置された筐体に前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを収容して、前記蓄電素子モジュールの配線を前記制御モジュールの接続部に接続する組み立て工程と、を備える、蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項2】
前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子モジュールを前記筐体に対して固定する固定部材を更に有し、
前記固定部材は、前記制御モジュールと一体化している、請求項1に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項3】
前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子モジュールを前記筐体に対して固定する固定部材を更に有し、
前記固定部材は、前記筐体に締結される締結部を有し、
前記締結部は、前記固定部材に保持されている、請求項1または2に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項4】
前記筐体は、前記収容箱と同一であり、
前記筐体を前記設置位置に配置する配置工程をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項5】
前記検査工程の後、前記運搬工程の前に、前記蓄電素子モジュールの前記配線を前記制御モジュールの前記接続部から外す接続解除工程をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項6】
前記分解工程は、前記蓄電素子モジュール及び/又は前記制御モジュールを前記梱包材の一部に載置する工程を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【請求項7】
前記設置位置は、建物の内部の位置である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニットの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電素子ユニットの設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、複数の蓄電素子モジュールを有した蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、所定の設置位置に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に蓄電素子ユニットが大型である場合、蓄電素子ユニットをそのまま設置位置に設置することは困難である。本開示は、大型の蓄電素子ユニットでも、設置位置に容易に設置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法は、蓄電素子ユニットを設置位置に設置する方法であって、
複数の蓄電素子モジュールと、前記蓄電素子モジュールを制御する制御モジュールと、前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを収容する収容箱と、を有する蓄電素子ユニットを製造する製造工程と、
前記蓄電素子ユニットを検査する検査工程と、
前記蓄電素子ユニットを梱包材で梱包して運搬する運搬工程と、
前記収容箱から前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを取り外す分解工程と、
前記設置位置に配置された筐体に前記蓄電素子モジュール及び前記制御モジュールを収容して、前記蓄電素子モジュールの配線を前記制御モジュールの接続部に接続する組み立て工程と、を備える。
【0006】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法において、
前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子モジュールを前記筐体に対して固定する固定部材を更に有し、
前記固定部材は、前記制御モジュールと一体化していてもよい。
【0007】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法において、
前記蓄電素子ユニットは、前記蓄電素子モジュールを前記筐体に対して固定する固定部材を更に有し、
前記固定部材は、前記筐体に締結される締結部を有し、
前記締結部は、前記固定部材に保持されていてもよい。
【0008】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法において、
前記筐体は、前記収容箱と同一であり、
前記筐体を前記設置位置に配置する配置工程をさらに備えてもよい。
【0009】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法は、前記検査工程の後、前記運搬工程の前に、前記蓄電素子モジュールの前記配線を前記制御モジュールの前記接続部から外す接続解除工程をさらに備えてもよい。
【0010】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法において、前記分解工程は、前記蓄電素子モジュール及び/又は前記制御モジュールを前記梱包材の一部に載置する工程を含んでもよい。
【0011】
本開示の蓄電素子ユニットの設置方法において、前記設置位置は、建物の内部の位置であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、蓄電素子ユニットを設置位置に容易に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、設置位置に設置された蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の蓄電素子ユニットの内部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の蓄電素子ユニットの底部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の蓄電素子ユニットの筐体に収容される蓄電素子モジュール組立体及び蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4の蓄電素子モジュール組立体に含まれる蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5の蓄電素子モジュールに含まれる積層された複数のセルを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示された一つのセルを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1の蓄電素子ユニットの筐体に収容される制御モジュールを示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図8に示された制御モジュールと
図9に示された固定部材とが一体化したものを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、蓄電素子ユニットが梱包材に梱包された梱包体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付された図面における縮尺及び縦横の寸法比等は、図示と理解のしやすさのため、実物のそれらから変更され誇張されていることがある。
【0015】
図1は、本実施の形態の蓄電素子ユニットの斜視図である。蓄電素子ユニット10は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット10は、設置位置5に設置される。設置位置5は、例えば、住宅や施設等の建物の内部の位置であり、典型的には建物の床面である。この場合、蓄電素子ユニット10は、建物の配線と電気的に接続されて、建物内に設置された電気装置の電源として機能する。
【0016】
図2には、蓄電素子ユニット10の内部が示されている。
図1及び
図2に示されるように、蓄電素子ユニット10は、筐体20Bと、筐体20Bに収容される複数の蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50と、を有している。
【0017】
筐体20Bについて説明する。筐体20Bは、蓄電素子ユニット10の外装体である。筐体20Bは、略直方体の形状を有している。筐体20Bは、底部21と、側壁部22と、蓋部23と、開口部23aと、を有している。
図2に示す例において、筐体20Bは、隣接する底部21、側壁部22及び蓋部23を接続するフレーム部25をさらに有している。
【0018】
以下、筐体20Bの高さ方向を第1方向d1、第1方向d1から見た平面視での筐体20Bの短手方向を第2方向d2、長手方向を第3方向d3と称する。ここで、第1方向d1、第2方向d2および第3方向d3は、互いに非平行であり、好ましくは互いに直交している。本実施の形態では、第1方向d1は、鉛直方向である。第1方向d1の一側s1が鉛直方向の上側であり、第1方向d1の他側s2が鉛直方向の下側である。
【0019】
底部21は、第1方向d1の他側s2に位置している。図示されている例では、側壁部22は、底部21から第1方向d1における一側s1へ立ち上がった4つの側壁部からなる。底部21、側壁部22及び蓋部23は、それぞれ略矩形の板状部材である。
図1に示す例において、4つの側壁部22は、それぞれ、その縁部において、底部21の縁部の一部及び蓋部23の縁部の一部と接続している。隣り合う側壁部22は、互いに縁部の一部において接続している。底部21、側壁部22及び蓋部23はそれぞれの縁部において、直接、又はフレーム部25を介して、隣り合う底部21、側壁部22及び蓋部23の縁部と接続している。底部21、側壁部22及び蓋部23は、蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容する収容空間を形成する。4つの側壁部22は、底部21及び蓋部23に対して垂直となっている。底部21及び側壁部22は、それぞれ独立した部材であってもよいし、一体となっていてもよい。
【0020】
4つの側壁部22によって、開口部23aが形成されている。開口部23aは、第1方向d1の一側s1に位置している。蓄電素子ユニット10を取り扱う作業者は、開口部23aを介して、筐体20B内で作業できる。
【0021】
蓋部23は、第1方向d1の一側s1に位置している。蓋部23は、第1方向d1において底部21と対向する。蓋部23は、開口部23aを閉鎖する。特に、蓋部23は、筐体20Bから取り外し可能となっている。
【0022】
底部21は、第1方向d1における他側s2から蓄電素子モジュール40を支持する。より具体的には、底部21は、複数の蓄電素子モジュール40のうち最も第1方向d1における他側s2に配置された蓄電素子モジュール40の底面と接触して、蓄電素子モジュール40を支持する。
【0023】
図3は、底部21を、第1方向d1の一側s1から見た斜視図である。本実施の形態において、底部21、側壁部22及び蓋部23の各々は、
図3に示す底部21のように、樹脂板26と、金属板27と、を有する。金属板27は、樹脂板26よりも筐体20Bの内側に積層されている。樹脂板26及び金属板27は、それぞれ略板状の形状を有する。
【0024】
底部21には、複数の貫通孔21cが設けられる。貫通孔21cに、例えば木ねじを貫通させることで、蓄電素子ユニット10を設置位置5に設置できる。
【0025】
フレーム部25は、隣り合う底部21、側壁部22又は蓋部23同士を接続する。
図2に示す例において、フレーム部25は、略直方体の形状を有する筐体20Bの辺を構成している。フレーム部25は、長手方向の断面がL字形状となっている。フレーム部25は、例えば金属板27の材料と同様の材料から構成される。
【0026】
図2に示すように、フレーム部25は、蓋部23と4つの側壁部22のそれぞれとを接続するとともに、4つの側壁部22のうち隣り合うもの同士を接続する。
図2に示す例において、フレーム部25は、蓋部23と4つの側壁部22との間に延びる長方形の枠状の第1フレーム部25aと、4つの側壁部22のうち隣り合うもの同士の間にそれぞれ延びる、4つの棒状の第2フレーム部25bとを有する。第1フレーム部25aと、4つの第2フレーム部25bのそれぞれとは、蓋部23の角の位置において互いに対して固定されている。
【0027】
図2に示す例においては、底部21と4つの側壁部22のそれぞれとの間には、フレーム部25は設けられていない。
図2に示す例においては、底部21と4つの側壁部22とは、底部21の金属板27の辺縁部を利用して、互いに対して固定されている。すなわち、4つの側壁部22のそれぞれは、底部21の金属板27の辺縁部に固定されている。
【0028】
図1に示す例において、筐体20Bは、1つの側壁部22を覆う化粧パネル29をさらに有している。化粧パネル29は、当該1つの側壁部22及び当該1つの側壁部22上に設けられた構成要素を保護する部材である。
図1に示す例において、化粧パネル29は、略板状の形状を有する。化粧パネル29は、例えば樹脂板26の材料と同様の樹脂材料から構成される。
【0029】
蓄電素子モジュール40について説明する。
図4は、複数の蓄電素子モジュール40を、筐体20Bに収容された状態にて示す図である。
図4に示すように、蓄電素子ユニット10は、複数の蓄電素子モジュール組合体41を有している。図示されている例では、蓄電素子ユニット10は、2つの蓄電素子モジュール組合体41を有している。蓄電素子モジュール組合体41は、第1方向d1に積み重ねられた複数の蓄電素子モジュール40を有している。2つの蓄電素子モジュール組合体41は、第1方向d1と非平行な第2方向d2に並べて配列されている。
【0030】
図示された例において、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aは、第1方向d1に積み重ねられた4つの蓄電素子モジュール40を有する。第2の蓄電素子モジュール組合体41Bは、第1方向d1に積み重ねられた3つの蓄電素子モジュール40を有する。第2の蓄電素子モジュール組合体41Bは、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aに第2方向d2に隣接している。
図2に示すように、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aは、第1方向d1における他側s1から制御モジュール50を支持している。
【0031】
図5は、蓄電素子モジュール組合体41に含まれる1つの蓄電素子モジュール40を示している。蓄電素子ユニット10に含まれる複数の蓄電素子モジュール40は、互いに異なる構成を有していてもよいし、互いに同一の構成を有していてもよい。汎用性を向上させる観点から、複数の蓄電素子モジュール40は、互いに同一の構成を有することが好ましく、少なくとも互いに同一の部品を含むことが好ましい。図示された例において、複数の蓄電素子モジュール40は、互いに同一の構成を有している。
【0032】
蓄電素子モジュール40は、複数のセル42と、複数のセル42を収容するケース44と、を有する。セル42は、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セル42は、種々の型式を採用することができ、例えばリチウムイオン二次電池とすることができる。
図6は、1つの蓄電素子モジュール40に含まれる複数のセル42を示しており、
図7は、1つのセル42を示している。1つの蓄電素子モジュール40に含まれる複数のセル42は、互いに同一の構成を有していてもよいし、或いは、互いに異なる構成を有していてもよい。
【0033】
図6及び
図7に示すように、セル42は、偏平形状を有している。セル42は、第1方向d1からの観察において、略矩形形状を有している。セル42は、第2方向d2に短手方向を有し、第3方向d3に長手方向を有している。複数のセル42は、第1方向d1に積層されている。セル42は、中央に位置する中央部42Cと、中央部42Cを取り囲む周縁部42Eと、を有している。中央部42Cの厚みは、周縁部42Eの厚みよりも厚くなっている。図示された例において、セル42は、中央部42Cにおいて、第1方向d1におけるいずれか一方の側に向けて膨出している。複数のセル42は、中央部42Cが少なくとも部分的に互いに第1方向d1に対面するよう、積層されている。
図7に示されたセル42は、正極板及び負極板を含む複数の電極板42aと、複数の電極板42aを収容する外装体42bと、電極板42aと電気的に接続して外装体42bの外部まで延び出したタブ42tと、を有している。セル42は、一対のタブ42tを有している。一対のタブ42tは、一方が正極端子として、他方が負極端子として、機能する。
【0034】
セル42は、第2方向d2における中心を通過する第1方向d1及び第3方向d3に沿った面を基準面として概ね対称的な構成を有している。また、セル42は、第3方向d3における中心を通過する第1方向d1及び第2方向d2に沿った面を基準面として概ね対称的な構成を有している。
【0035】
1つの蓄電素子モジュール40に含まれる多数のセル42は、互いのタブ42t同士が電気的に接続されることによって、互いに電気的に接続している。多数のセル42は、直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。多数のセル42のタブ42tは、一例として、図示しない電極部材を用いて互いに電気的に接続される。セル42の数量や直列及び並列の接続を適宜設定することで、1つのセル42からの出力を、所望の電圧及び所望の容量とすることができる。図示された例では、1つの蓄電素子モジュール40が16個のセル42を含んでいる。とりわけ
図6に示された例において、並列接続された2つのセル42が、8組直列接続されている。
【0036】
図5に示すように、ケース44は、略直方体状の外形を有している。ケース44は、複数のセル42を収容する。
図8に示すように、ケース44は、周縁部において第1方向d1の一側s1に突出した複数の突出部44aを有している。各突出部44aは、第2方向d2に所定の間隔を空けて配置されている。また、
図5に示すように、ケース44は、周縁部において第1方向d1の一側s1に窪んだ複数の係合部44bを有している。各係合部44bは、第2方向d2に所定の間隔を空けて配置されている。平面視において、各係合部44bは、対応する突出部44aと同じ位置に設けられている。
【0037】
図4に示すように、複数の蓄電素子モジュール40が第1方向d1に積層されると、ある蓄電素子モジュール40の各突出部44aが、第1方向d1の一側s1において当該蓄電素子モジュール40と第1方向d1に隣り合うように配置された他の蓄電素子モジュール40の対応する係合部44bに入り込むようになっている。これにより、互いに隣り合う蓄電素子モジュール40の第2方向d2および第3方向d3への相対移動が規制される。このため、各蓄電素子モジュール40を、第1方向d1に安定して積層できる。
【0038】
図5に示すように、蓄電素子モジュール40は、配線49をさらに有している。図示するように、配線49は、ケーブル配線であってもよい。配線49の一端は、各セル42のタブ42tと電気的に接続されており、配線49の他端は、制御モジュール50の接続部59と電気的に接続されている。蓄電素子モジュール40と制御モジュール50とは、配線49を介して電気的に接続されている。
【0039】
制御モジュール50について説明する。制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40の各々を制御する。制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40を制御する様々な機能を有している。例えば、制御モジュール50は、各蓄電素子モジュール40の充電および放電を制御する機能を有している。制御モジュール50は、交流電力を直流電力に変換する機能及び、直流電力を交流電力に変換する機能を有していてもよい。制御モジュール50は、各蓄電素子モジュール40の充電量等の充電状態を監視する機能や各蓄電素子モジュール40の異常の有無を監視する機能を有していてもよい。制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40の充電状態や異常の有無の監視結果などの情報を、蓄電素子ユニット10の外部に設置された制御装置に送信する機能を有していてもよい。制御モジュール50は、蓄電素子ユニット10の外部の配線と蓄電素子モジュール40との間の電気的接続及び遮断を切り替える機能を有していてもよい。
【0040】
図2に示すように、制御モジュール50は、筐体20Bに収容されている。制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40よりも第1方向d1における一側s1に配置されている。制御モジュール50は、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aよりも第1方向d1における一側s1に配置されている。
【0041】
図8には、制御モジュール50の斜視図が示されている。
図8に示すように、制御モジュール50は、略直方体状の外形を有している。制御モジュール50の内部には、入力された制御信号および電力を処理して出力する制御回路が設けられている。
図8に示すように、制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40の各々の配線49が接続される複数の接続部59と、蓄電素子ユニット10の外部の配線が接続される入出力部55と、を有している。
【0042】
図8に示すように、接続部59は、第1の接続部59aと、第2の接続部59bと、を含んでいてもよい。第1の接続部59aおよび第2の接続部59bのいずれもが、蓄電素子モジュール40の配線49と接続される。第1の接続部59aは、例えば、蓄電素子モジュール40の配線49のうち電力の送受信に関する部分と接続され、第2の接続部59bは、例えば、蓄電素子モジュール40の配線49のうち電圧情報や温度情報等の情報の送受信に関する部分と接続される。接続部59は、蓄電素子モジュール40の個数に対応するよう、複数設けられていてもよい。図示された例においては、蓄電素子ユニット10が有する7つの蓄電素子モジュール40に対応して、制御モジュール50に7つの接続部59が設けられている。7つの蓄電素子モジュール40の各々の配線49が、制御モジュール50の対応する接続部59に接続される。これにより、制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40の各々と電気的に接続される。制御モジュール50は、蓄電素子モジュール40の各々を制御できる。
【0043】
図8に示すように、入出力部55は、第1の入出力部55aと、第2の入出力部55bと、を含んでいてもよい。第1の入出力部55aおよび第2の入出力部55bのいずれもが、蓄電素子ユニット10の外部の配線と接続される。第1の入出力部55aは、例えば、外部の配線のうち制御信号の送受信に関する部分と接続され、第2の入出力部55bは、例えば、外部の配線のうち電力の送受信に関する部分と接続される。これにより、制御モジュール50は、外部への制御信号および電力の送信、並びに外部からの制御信号および電力の受信を行うことができる。
【0044】
蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50は、開口部23aを介して筐体20Bに収容できる。このため、第1方向d1からの平面視において、言い換えると第2方向d2及び第3方向d3のそれぞれにおいて、筐体の内寸は、蓄電素子モジュール40の外寸及び制御モジュール50の外寸より大きくなっている。より詳しくは、第1方向d1に非平行な方向における筐体20Bの最小の内寸は、蓄電素子モジュール40の最大の外寸及び制御モジュール50の最大の外寸より大きくなっている。
【0045】
次に、固定部材60について説明する。固定部材60は、蓄電素子モジュール40を筐体20Bに対して固定するように構成されている。
図2に示すように、固定部材60は、蓄電素子モジュール40の第1方向における一側s1に配置されている。より具体的には、固定部材60は、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aの第1方向d1における一側s1に配置されている。これにより、固定部材60は、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aを筐体20Bに対して固定している。また、
図2に示すように、固定部材60は、第2の蓄電素子モジュール組合体41Bの第1方向d1における一側s1にも配置されている。これにより、固定部材60は、第2の蓄電素子モジュール組合体41Bを筐体20Bに対して固定できる。
【0046】
図9には、固定部材60の斜視図が示されている。
図9に示すように、固定部材60は、板状に構成されている。固定部材60は、複数の貫通孔63を有している。固定部材60は、その中央部に凹状に窪んだ凹部64を有している。貫通孔63及び凹部64により、蓄電素子モジュール40と制御モジュール50との間に空気層を設けることができ、両者間の熱の伝達を抑制することができる。また、凹部64により、固定部材60の強度を向上できる。
【0047】
図9に示すように、固定部材60は、締結部65を有している。締結部65は、固定部材60に保持されている。
図2に示すように、締結部65は、筐体20Bのフレーム部25に締結される。図示された例においては、締結部65は、固定部材60の第3方向d3における両側に設けられている。
図9に示すように、固定部材60は、この締結部65によって、側壁部22に設けられたフレーム部25に、例えばボルト締結により固定される。固定部材60を介して、蓄電素子モジュール40は、筐体20Bに対して固定される。
【0048】
図9に示すように、固定部材60の第1方向d1の他側s2に窪んだ複数の係合部66が設けられている。各係合部66は、第2方向d2における両側の端部に設けられている。各係合部66は、第1方向d1に所定の間隔を空けて配置されている。平面視において、各係合部66は、蓄電素子モジュール40の各突出部44aと同じ位置に設けられている。
【0049】
固定部材60が第1の蓄電素子モジュール組合体41Aまたは第2の蓄電素子モジュール組合体41Bの第1方向d1の一側s1に配置されたとき、第1の蓄電素子モジュール組合体41Aまたは第2の蓄電素子モジュール組合体41Bに含まれる複数の蓄電素子モジュール40のうち最も第1方向d1の一側s1に配置された蓄電素子モジュール40の各突出部44aが、固定部材60の対応する係合部66に入り込むようになっている。これにより、固定部材60は、筐体20Bに対する蓄電素子モジュール40の相対移動を規制することができ、蓄電素子モジュール40を筐体20Bに対して固定することができる。
【0050】
固定部材60は、例えば、金属材料により構成されていてもよい。
【0051】
図10は、固定部材60が制御モジュール50に取り付けられた状態を示す斜視図である。図示しない固定具によって、固定部材60が制御モジュール50に固定されている。これにより、固定部材60は、制御モジュール50と一体化している。図示された例に限らず、固定部材60は、制御モジュール50の一部と一体的に形成されていることで、制御モジュール50と一体化していてもよい。
【0052】
蓄電素子モジュール40、制御モジュール50及び固定部材60は、収容箱20Aに収容された状態で運搬される。収容箱20Aは、筐体20Bと同様に、底部と、側壁部と、蓋部と、開口部と、を有している。収容箱20Aは、筐体20Bとは異なる箱であってもよいが、筐体20Bと同一であることが好ましい。収容箱20Aは、梱包材80によって梱包されて、梱包体8となった状態で運搬される。
図11は、梱包体8の斜視図が示されている。梱包体8は、収容箱20Aと、梱包材80と、バンド90と、を有している。
【0053】
収容箱20Aの内部において、蓄電素子モジュール40の配線49は、制御モジュール50の接続部59に接続されていてもよいが、接続が外されていることが好ましい。収容箱20Aが筐体20Bと同一である場合、筐体20Bから化粧パネル29が取り外された状態で、蓄電素子ユニット10が運搬されてもよい。言い換えると、収容箱20Aと化粧パネル29とが、別体として運搬されてもよい。
【0054】
図12は、梱包材80の分解斜視図が示されている。図示されている例では、梱包材80は、収容箱20Aと化粧パネル29とを梱包する。化粧パネル29は、化粧パネル本体部29aと、化粧パネル第1側部29bと、化粧パネル第2側部29cと、化粧パネル上部29dと、からなる。梱包材80は、全体として略直方体形状をなす。
図12に示されているように、梱包材80は、外箱81と、袋82と、中箱83と、第1トレイ84と、第2トレイ85と、第3トレイ86と、緩衝ブロック87と、L字アングル88と、パレット89と、を有している。を有している。
【0055】
外箱81は、梱包材80の外装をなす。外箱81は、上面と側面とからなる。外箱81は、下側において開口している。袋82は、外箱81の内部において、収容箱20Aを収容する。
図12において、袋82の具体的形状については図示を省略して、概形のみを破線で示している。袋82は、例えば樹脂製のガゼット袋である。中箱83は、外箱81の内部において、化粧パネル本体部29aと、化粧パネル第1側部29bと、化粧パネル第2側部29cと、化粧パネル上部29dと、を収容する。
図12に示すように、化粧パネル第1側部29bと化粧パネル第2側部29cとは、厚み方向に重ねられてまとめられた上で中箱83に収容されてもよい。第1トレイ84,第2トレイ85及び第3トレイ86はそれぞれ、底面部と、底面部から立ち上がった側面部と、を有している。第1トレイ84は、外箱81の内部において、下側から収容箱20Aを支持する。第2トレイ85は、外箱81の内部において、上側から収容箱20Aを覆っている。第3トレイ86は、外箱81の内部において、上側から中箱83を覆っている。外箱81、中箱83、第1トレイ84,第2トレイ85及び第3トレイ86は、例えば段ボールからなる。
【0056】
緩衝ブロック87は、梱包体8において第1トレイ84と収容箱20Aとの間に配置されて、梱包体8の外部から外箱81を介して収容箱20Aに伝わる衝撃を緩和する。
図12に示す例において、梱包材80は、複数の緩衝ブロック87を有している。複数の緩衝ブロック87のそれぞれは、3つの矩形板状部をそれぞれ垂直に接続した形状となっている。緩衝ブロック87のそれぞれは、収容箱20Aの角部のそれぞれを覆うように、収容箱20Aと第1トレイ84との間に配置される。緩衝ブロック87の材料は、例えば発泡プラスチックである。緩衝ブロック87の材料は、より具体的には、ポリエチレンを主原料とした押出発泡体を用いることができる。
【0057】
L字アングル88は、外箱81の外部において、外箱81の辺の部分を覆って補強する。L字アングル88は、L字の断面を有しながら、一方向に延びる。図示されている例では、梱包材80は、2つのL字アングル88を有し、2つのL字アングル88は、外箱81の上側の対向する2つの辺をそれぞれ覆っている。L字アングル88は、例えば段ボールからなる。
【0058】
パレット89は、外箱81の下側に配置されている。パレット89は、外箱81の下側の開口を閉鎖している。パレット89は、外箱81及び外箱81の内部に収容された収容箱20A等を支持する支持台である。パレット89は、例えば木製である。
【0059】
バンド90は、梱包体8において、L字アングル88及びパレット89を外箱81に対して固定する。バンド90は、例えばポリプロピレンから構成される、いわゆるPPバンドであってもよい。
【0060】
図示は省略するが、梱包体8は、蓄電素子ユニット10の形成に用いられるねじ等をさらに有していてもよい。これらのねじ等は、収容箱20Aとともに梱包材80に梱包される。
【0061】
次に、蓄電素子ユニット10を設置位置5に設置する方法の一例について説明する。特に、設置位置5が建物の床面である例について説明する。設置位置5が建物の床面以外であっても、同様の方法で蓄電素子ユニット10を設置し得る。
【0062】
まず、複数の蓄電素子モジュール40と、制御モジュール50と、を収容箱20Aに収容する。収容箱20A内において、蓄電素子モジュール40の配線49は、制御モジュール50の接続部59に接続される。これにより、複数の蓄電素子モジュール40と、制御モジュール50と、収容箱20Aと、を有する蓄電素子ユニット10が製造される。
【0063】
次に、製造された蓄電素子ユニット10を検査する。例えば、蓄電素子ユニット10が適切にアースされており、蓄電素子ユニット10から漏電しても、火災等の事故が起こりにくいことを検査する。蓄電素子ユニット10を検査した後、蓄電素子モジュール40の配線49を制御モジュール50の接続部59から取り外す。
【0064】
その後、蓄電素子ユニット10を梱包材80で梱包する。すなわち、蓄電素子ユニット10と、梱包材80と、を有する梱包体8を作製する。梱包体8は、例えば以下の手順で作製される。まず、収容箱20Aを袋82に収容する。収容箱20Aの下側の角部のそれぞれを覆うように、収容箱20Aに対して複数の緩衝ブロック87を配置する。パレット89の上側に第1トレイ84を配置する。第1トレイ84の上側に、袋82に収容された収容箱20Aを配置する。収容箱20Aの上側に、第2トレイ85を配置する。また、中箱83に、化粧パネル本体部29aと、化粧パネル第1側部29bと、化粧パネル第2側部29cと、化粧パネル上部29dと、を収容する。次に、第2トレイ85の上側に、中箱83を配置する。中箱83の上側に、第3トレイ86を配置する。収容箱20A、中箱83、第1トレイ84、第2トレイ85及び第3トレイ86を上側及び側方から覆うように、外箱81を上側から被せる。これにより、外箱81とパレット89とによって規定される空間に、収容箱20A、中箱83、第1トレイ84、第2トレイ85及び第3トレイ86が収容される。外箱81の上側の対向する2つの辺を覆うに、L字アングル88を配置する。最後に、バンド90を用いて、L字アングル88及びパレット89を外箱81に対して固定する。これによって、
図11に示す梱包体8が作製される。
【0065】
蓄電素子ユニット10を有する梱包体8を設置位置5の近傍に運搬する。梱包体8は、例えば、車両、クレーン、台車等を用いて運搬される。設置位置5の近傍において、梱包材80を解体する。これにより、中箱83に梱包されていた化粧パネル29が取り出される。また、袋82に梱包されていた蓄電素子ユニット10が露出する。その後、蓄電素子ユニット10を分解する。具体的には、収容箱20Aの蓋部を取り外して、収容箱20Aから開口部を介して蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を取り外す。取り外された蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50は、収容箱20Aから取り出される。蓄電素子モジュール40及び/又は制御モジュール50は、解体された梱包材80の一部に載置される。例えば、
図13に示すように、複数の蓄電素子モジュール40が、第3トレイ86に載置されている。制御モジュール50も、第3トレイ86に載置されてもよい。あるいは、制御モジュール50のみが、第3トレイ86等の梱包材80の一部に載置されてもよい。
【0066】
図14に示すように、筐体20Bを設置位置5である建物の床面に配置する。筐体20Bが収容箱20Aと同一である場合、蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50が取り出された収容箱20Aを、筐体20Bとして、底部21が建物の床面に接するように配置する。収容箱20Aとは別の箱を筐体20Bとして用意して、底部21が建物の床面に接するように配置してもよい。筐体20Bの蓋部23が取り外されていることで、筐体20Bの第1方向d1の一側s1に開口部23aが開口している。底部21を介して木ねじを建物の床面にねじ留めすること等によって、筐体20Bを建物の床面に固定する。
【0067】
次に、複数の蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を、第1方向d1の一側s1から、開口部23aを介して筐体20Bに収容する。複数の蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を同時に収容してもよいし、それぞれ別個に収容してもよい。複数の蓄電素子モジュール40を全て同時に収容してもよいし、複数の蓄電素子モジュール40を複数回に分けて収容してもよい。筐体20Bに収容された蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50は、制御モジュール50と一体化している固定部材60により、筐体20Bに固定される。
【0068】
その後、第1方向d1の一側s1からの開口部23aを介して作業することによって、筐体20B内において蓄電素子モジュール40の各々の配線49を制御モジュール50の接続部59に接続する。また、第1方向d1の一側s1からの開口部23aを介した作業によって、蓄電素子ユニット10の外部の配線を筐体20B内の制御モジュール50の入出力部55に接続する。
【0069】
最後に、筐体20Bに蓋部23及び化粧パネル29が取り付けられる。蓋部23は、筐体20Bの開口部23aを閉鎖する。底部21、側壁部22及び蓋部23によって形成される収容空間に、蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50が収容されることになる。
【0070】
以上の工程により、蓄電素子ユニット10が設置位置5としての建物の床面において組み立てられて、設置される。
【0071】
特に蓄電素子ユニット10が大型である場合、蓄電素子ユニット10は、その大きさ及び重量のため、人力で取り扱うことが困難である。蓄電素子ユニット10をそのまま設置位置5に設置することが困難である。本実施の形態では、設置位置5の近傍において、収容箱20Aから蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を取り外して蓄電素子ユニット10を分解し、筐体20Bを設置位置5に設置した後、筐体20Bに蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容して蓄電素子ユニット10を組み立てる。蓄電素子ユニット10を分解することで、蓄電素子ユニット10を容易に取り扱うことができる。蓄電素子ユニット10が大型であっても、少ない作業時間や少ない人員で、蓄電素子ユニット10を設置位置5に容易に設置できる。
【0072】
固定部材60は、制御モジュール50と一体化している。蓄電素子ユニット10を分解する際に、収容箱20Aから取り外す部材の数を減らすことができる。また、蓄電素子ユニット10を組み立てる際に、筐体20Bに収容する部材の数を減らすことができる。このため、蓄電素子ユニット10の分解や組み立てを効率よく行える。また、固定部材60の紛失を抑制できる。
【0073】
固定部材60の締結部65は、固定部材60に保持されている。すなわち、締結部65は、固定部材60から脱落しにくい。固定部材60が一体化している制御モジュール50を収容箱20Aから取り外す際に、締結部65の紛失を抑制できる。
【0074】
筐体20Bは、収容箱20Aと同一である。収容箱20Aとは別に筐体20Bを用意しなくてよいため、蓄電素子ユニット10を効率よく組み立てることができる。また、蓄電素子ユニット10を設置した後、収容箱20Aを回収しなくてもよい。
【0075】
蓄電素子ユニット10を検査した後であって梱包材80で梱包して運搬する前に、蓄電素子モジュール40の配線49が制御モジュール50の接続部59から取り外される。蓄電素子ユニット10を設置位置5の近傍まで運搬した後、収容箱20Aから蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を取り外す際に、蓄電素子モジュール40の配線49を制御モジュール50の接続部59から取り外す工程を省略できる。このため、蓄電素子ユニット10を効率よく分解できる。また、蓄電素子ユニット10を設置位置5に設置する際に、接続部59に接触することで蓄電素子ユニット10に不具合が生じることを抑制できる。
【0076】
収容箱20Aから取り外された蓄電素子モジュール40及び/又は制御モジュール50は、梱包材80の一部に載置される。言い換えると、収容箱20Aから取り出した蓄電素子ユニット10の各部材を梱包材80によって養生できる。すなわち、設置位置5の近傍を蓄電素子モジュール40で傷つけることを抑制できる。蓄電素子ユニット10を梱包していた梱包材80を利用するため、養生するために他の部材を用意しなくてよい。このため、蓄電素子ユニット10の分解や組み立てを効率よく行える。
【0077】
設置位置5は、建物の内部の位置である。建物の内部では、蓄電素子ユニット10を設置するためのスペースを広く確保することが困難である。本実施の形態の蓄電素子ユニット10の設置方法によれば、蓄電素子ユニット10を省スペースで設置できる。したがって、設置位置5が建物の床面である場合、本実施の形態の蓄電素子ユニット10の設置方法は、特に有効である。
【0078】
以上のように、本実施の形態の蓄電素子ユニットの設置方法は、蓄電素子ユニット10を設置位置5に設置する方法であって、複数の蓄電素子モジュール40と、蓄電素子モジュール40を制御する制御モジュール50と、蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容する収容箱20Aと、を有する蓄電素子ユニット10を製造する製造工程と、蓄電素子ユニット10を検査する検査工程と、蓄電素子ユニット10を梱包材80で梱包して運搬する運搬工程と、収容箱20Aから蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を取り外す分解工程と、設置位置5に配置された筐体20Bに蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を収容して、蓄電素子モジュール40の配線49を制御モジュール50の接続部59に接続する組み立て工程と、を備える。このような蓄電素子ユニットの設置方法によれば、蓄電素子ユニット10を分解することで、容易に取り扱うことができる。分解した蓄電素子ユニット10を設置位置5で組み立てることで、蓄電素子ユニット10を設置位置5に容易に設置できる。
【0079】
本実施の形態に対して、様々な変更を行うことが可能である。
【0080】
例えば、筐体20Bは、建物の一部であってもよい。言い換えると、設置位置5である建物自体が筐体20Bを含んでいてもよい。例えば、建物の床下等に蓄電素子モジュール40及び/又は制御モジュール50を収容する空間が設けられていてもよい。収容箱20Aに収容された蓄電素子モジュール40及び制御モジュール50を、上述した工程と同様に、当該空間に収容することで、蓄電素子ユニット10を設置できる。
【0081】
本発明の態様は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した実施の形態に係る内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0082】
5 設置位置
8 梱包体
10 蓄電素子ユニット
20A 収容箱
20B 筐体
21 底部
21c 貫通孔
22 側壁部
23 蓋部
23a 開口部
25 フレーム部
26 樹脂板
27 金属板
40 蓄電素子モジュール
41 蓄電素子モジュール組合体
42 セル
44 ケース
49 配線
50 制御モジュール
59 接続部
60 固定部材
65 締結部
80 梱包材
90 バンド