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特開2023-52532膝関節全置換術における、能動的なロボットピン配置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052532
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】膝関節全置換術における、能動的なロボットピン配置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20230404BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20230404BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023006940
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2021073864の分割
【原出願日】2016-11-15
(31)【優先権主張番号】62/259,487
(32)【優先日】2015-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/349,562
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510018328
【氏名又は名称】シンク サージカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【弁理士】
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【弁理士】
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】ボニー ダニエル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ズハース ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】パック ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】カズニック カイル
(72)【発明者】
【氏名】キアンマジド ババック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨上に平面切断を作成するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】骨F上に平面切断を作成するためのシステムおよび方法が、複数の骨ピンに組み立てられた1つまたは複数の切断ガイドを利用して提供されて、ここで、骨ピンは、1つまたは複数の平面切断に対して規定された1つまたは複数の仮想ピン平面と一致する骨の上に挿入される。また、所望の位置および方位(POSE)で切断ブロックを受け入れるためのパイロットホールの作成を助ける整列ガイドが、本明細書において開示される。接合外科的デバイスは、仮想平面と一致する骨ピンを能動的に配置して切断ガイドを確実にして、ピンに組み立てられると、所望のPOSEに1つまたは複数のガイドスロットを整列して平面切断を作成する。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的骨切断手順のための整列システムであって、
対象の骨上に作られるべき切断平面に対する第一の仮想平面内に挿入される、第一の複数の骨ピン;
前記第一の複数の骨ピンの上に受け入れられるように構成された、第一の切断ガイド;および
前記第一の切断ガイド内の、1つまたは複数のガイドスロット
前記の1つまたは複数のガイドスロットは、骨上に外科的切断を作成するために外科的鋸をガイドするように構成される、
を備える、
整列システム。
【請求項2】
請求項1の整列システムであって、
第二の仮想平面内に挿入される、第二の複数の骨ピン
ここで、前記の第二の仮想平面は、前記の第一の仮想平面に垂直であ
一の末端および第二の末端を備える、前記の第一の切断ガイド
ここで、前記の第一の末端は、前記の第一の複数の骨ピンの上にクランプするように構成されて、前記の第二の末端は、前記の第二の複数の骨ピンに対して接するように構成されるおよび
前記の第一の切断ガイド内の、1つまたは複数のガイドホール
前記の1つまたは複数のガイドホールは、外科的ドリルが骨内に1つまたは複数のパイロットホールを作るのをガイドするように構成されて、ここで、前記の1つまたは複数のパイロットホールは、N-in-1切断ブロック上の1つまたは複数のペッグに関する位置に対応する、
をさらに備える、
整列システム。
【請求項3】
請求項1の整列システムであって、
第二の仮想平面内に挿入される、第二の複数の骨ピン
ここで、前記の第二の仮想平面は、前記の第一の仮想平面に垂直であ
記の第一の複数の骨ピンの上に受け入れられるように構成された、前記の第一の切断ガイド
ここで、前記の第一の切断ガイドは、骨上に平面切断を作成するためのガイドスロットを備え
記の第二の複数の骨ピンの上に受け入れられるように構成された、整列ガイド
よび
前記整列ガイド内の、1つまたは複数のガイドホール
前記の1つまたは複数のガイドホールは、外科的ドリルが骨内に1つまたは複数のパイロットホールを作るのをガイドするように構成されて、ここで、前記の1つまたは複数のパイロットホールは、N-in-1切断ブロック上の1つまたは複数のペッグに関する位置に対応する、
をさらに備える、
整列システム。
【請求項4】
請求項3の整列システムであって、
前記の第一の切断ガイドは、上面をさらに備え;
前記整列ガイドは、前記上面を参照する脚をさらに備える、
整列システム。
【請求項5】
請求項3の整列システムであって、
前記整列ガイドは、骨上に作られた前記平面切断と同一平面で存在する底面をさらに備える、
整列システム。
【請求項6】
請求項1の整列システムであって、
第二の仮想平面内に挿入される、第二の複数の骨ピンをさらに備え
ここで、前記の第一の仮想平面および前記の第二の仮想平面の交差軸は、前記切断平面の全てに平行であるおよび
前記の第一の切断ガイドは、前記の第一の複数の骨ピンおよび前記の第二の複数の骨ピンの上に受け入れられるように構成される、
整列システム。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
前記の第一の切断ガイドは、剛性または半剛性材料で作られる、
整列システム。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
前記の第一の切断ガイドは、ステンレススチール、アルミニウム、チタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)で作られる、
整列システム。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
骨上で骨切断手順を行なうのを助けるための、外科的デバイスをさらに備え、
前記外科的デバイスは、:
ツール軸を備える、ツール;
少なくとも1自由度で前記ツールを作動するための、アクチュエータ;および、
コンピューターシステム
を備え、
前記コンピューターシステムは、
対象の骨上に作られるべき前記切断平面に対して、前記仮想平面を規定する;
前記ツールおよび前記の第一の仮想平面の位置の間の関係を決定する;および、
前記ツール軸が前記仮想平面とともに維持されるように前記関係に基づいて前記ツールを作動するために前記アクチュエータに一連のコマンドを提供する、
ようにプログラムされている、
列システム。
【請求項10】
請求項9の整列システムであって、
前記ツールは、前記の第一の複数の骨ピンを保持および挿入するように構成される、
整列システム。
【請求項11】
請求項9の整列システムであって、
前記ツールは、骨上にチャネルを作るための骨切断器具を保持するように構成される、
整列システム。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
平面整列ガイドをさらに備え、
ここで、前記平面整列ガイドは、骨上に作られたチャネル内に合うように適合された本体を備え、
前記本体は、4-in-切断ブロック上の複数のペッグ間の距離に対応する距離だけ離れた複数のホールを備える、
整列システム。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
オフセット整列ガイドをさらに備え、
前記オフセット整列ガイドは、
第一の末端および第二の末端を備える、本体;
前記の第一の末端から伸長する、突起部
前記突起部は、骨上に作られたチャネル内に合うように適合され
記の第二の末端の付近の、前記本体を通る、複数のホール;
を備え、
およびここで、前記の複数のホールは、4-in-1切断ブロック上の複数のペッグ間の距離に対応する距離だけ離れている、
整列システム。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
管状本体、および、骨内で特定の距離だけ離れて前記の複数の骨ピンを整列するのを助ける前記管状本体から外側へ伸長する一組のフィン、を備える、ピン整列ガイドをさらに備える、
整列システム。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
前記外科的骨切断手順は、膝関節全置換術または修正膝関節形成で用いられる、
整列システム。
【請求項16】
請求項1から3のいずれか一項の整列システムであって、
前記外科的骨切断手順は、高度な脛骨の骨切り術、脊椎の再建外科的処置、および、一連の骨切断の作成において外科医を助けるために前記切断ガイドの正確な配置を必要とする他の手順で用いられる、
整列システム。
【請求項17】
対象の骨上に切断ガイドを整列するための方法であって、
前記方法は、
計画ソフトウェアを用いて得られる外科的プランから、1つまたは複数の切断平面を決定するステップ;
骨上に作られるべき前記の1つまたは複数の切断平面のそれぞれに対して、1つまたは複数の仮想平面を決定するステップ;
前記の1つまたは複数の仮想平面からの仮想平面内に、複数の骨ピンを整列して挿入するステップ;および
前記の複数の挿入された骨ピンの上にクランプするように構成された切断ガイドを取り付けるステップ
前記切断ガイドは、1つまたは複数のガイドスロットを備え、外科的鋸が、前記の1つまたは複数の切断平面に対応する骨上に外科的切断を作成するのをガイドするように構成される、
を含む、
方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、
前記の1つまたは複数の仮想平面の位置は、1つまたは複数の計画された切断平面の位置および方位(POSE)および前記切断ガイドの1つまたは複数の寸法を用いて、前記計画ソフトウェアによって規定される、
方法。
【請求項19】
請求項17の方法であって、
外科的デバイスは、前記の複数の骨ピンの整列および挿入のために用いられて、
前記外科的デバイスは、
ツール軸を備える、ツール;
少なくとも1自由度で前記ツールを作動するための、アクチュエータ;および、
コンピューターシステム
を備え、
前記コンピューターシステムは、
骨上に作られるべき前記の1つまたは複数の切断平面に対して、前記の1つまたは複数の仮想平面を規定する;
前記ツールおよび前記仮想平面の位置の間の関係を決定する;および、
前記ツール軸が前記仮想平面とともに維持されるように前記関係に基づいて前記ツールを作動するために前記アクチュエータに一連のコマンドを提供する、
ようにプログラムされている、
法。
【請求項20】
請求項19の方法であって、
前記ツールは、前記の複数の骨ピンを保持および挿入するように構成される、
方法。
【請求項21】
請求項19の方法であって、
管状本体、および、骨内で特定の距離だけ離れて前記の複数の骨ピンを整列するのを助ける前記管状本体から外側へ伸長する一組のフィン、
を備える、ピン整列ガイドをさらに備える、
方法。
【請求項22】
請求項19の方法であって
科的骨切断は、膝関節全置換術または修正膝関節形成で用いられる、
方法。
【請求項23】
請求項19の整列システムであって
科的骨切断は、高度な脛骨の骨切り術、脊椎の再建外科的処置、および、一連の骨切断の作成において外科医を助けるために前記切断ガイドの正確な配置を必要とする他の手順で用いられる、
整列システム。
【請求項24】
骨切断手順を行なうのを助けるために対象の骨内にピンを挿入するための外科的デバイスであって、
前記外科的デバイスは、
骨内の挿入のためにピンを接合する(articulate)ように構成された、作業部;
前部直線レールおよび後部直線レールによって前記作業部に旋回可能に接続された、ハンドヘルド部
前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールは、前記ハンドヘルド部に対して前記作業部のピッチおよび並進を調節するために、前記ハンドヘルド部内の一組のコンポーネントによって作動されて、前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールは、それぞれ、第一の末端および第二の末端を備えるおよび
追跡システムが前記作業部の位置および方位(POSE)を追跡するのを可能にするように前記作業部に堅く取り付けられた3以上の基準マーカーのセットを備える、追跡アレイ
骨内の挿入の際の前記ピンの前記POSEは、所望の切断平面の作成を促進するように、その上に切断ガイドを組み立ておよび整列するために用いられる、
を備える、
外科的デバイス。
【請求項25】
請求項24のデバイスであって、
前部ボールスクリューに動力供給する前部アクチュエータ、および、背部ボールスクリューに動力供給する背部アクチュエータ
ここで、前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールの両方の前記の第一の末端は、それぞれ、一組のヒンジを介して前記作業部に取り付けられて、前記作業部が前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールに対して旋回するのを可能にするおよび
前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールの両方の第二の末端において一体的に取り付けられた、一組のボールナット
前記の一組のボールナットは、前記の前部ボールスクリューおよび前記の背部ボールスクリューの両方と機械的に連通していて前記の一組のボールナットは、前記作業部のピッチおよび並進を調節するために、前記ボールスクリューの軸に沿って並進する
をさらに備える、
デバイス。
【請求項26】
請求項25のデバイスであって、
前記の前部アクチュエータおよび前記の背部アクチュエータは、それぞれ、前記の前部ボールスクリューおよび前記の背部ボールスクリューを双方向に回転させる、サーボモーターである、
デバイス。
【請求項27】
請求項24のデバイスであって、
前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールの並進方向での動作をさらに制約およびガイドするための、直線ガイドをさらに備える、
デバイス。
【請求項28】
請求項24のデバイスであって、
前記作業部は、キャリッジ、モーター、モーターカプラー、ピン駆動ボールスクリュー、および、前記ピンのためのピンホルダーをさらに備え、
前記キャリッジは、前記作業部を支持および保持するように構成される、
デバイス。
【請求項29】
請求項28のデバイスであって、
前記キャリッジは、ピン駆動ボールナットおよび接続部材をさらに備え、
前記接続部材は、前記の前部直線レールおよび前記の後部直線レールの両方の前記の第一の末端と接続されるヒンジとしておよび前記作業部に対する旋回可能な取り付けとしての機能を果たすための、ロッド、ドエル、または、軸を受け入れるように適合された、ホール、軸受、または軸サポートを備える、
デバイス。
【請求項30】
請求項28のデバイスであって、
前記モーターカプラーは、前記モーターを前記ピン駆動ボールスクリューと連結して、
前記ピン駆動ボールスクリューは、ピン駆動ボールナットと機械的に連通していて、
前記ピンホルダーは、前記ピン駆動ボールスクリューを前記ピンと接続する、
デバイス。
【請求項31】
請求項28のデバイスであって、
前記ピンは、前記ピンホルダーと着脱可能に取り付けられる、
デバイス。
【請求項32】
請求項28のデバイスであって、
前記モーターは、前記ピンを骨の中に前進および駆動するように、前記ピン駆動ボールスクリューおよび前記ピンを双回転的に駆動する、
デバイス。
【請求項33】
請求項24から32のいずれか一項のデバイスであって、
前記基準マーカーは、能動的マーカーまたは受動的マーカーである、
デバイス。
【請求項34】
請求項24から32のいずれか一項のデバイスであって、
前記外科的デバイスは、一組のバッテリーによって動力供給されて、
一組のコントロールシグナルは、ワイヤレスで受信される、
デバイス。
【請求項35】
請求項24のデバイスであって、
前記外科的デバイスは、前記ハンドヘルド部に取り付けまたは一体化された骨安定化部材をさらに備える、
デバイス。
【請求項36】
請求項35のデバイスであって、
前記骨安定化部材は、前記作業部が接合するあいだ、骨に接触して前記ハンドヘルド部を安定化するように構成された、骨接触エレメントのセットをさらに備える、
デバイス。
【請求項37】
請求項36のデバイスであって、
前記の骨接触エレメントのセットは、平らな表面、尖った突出、または、骨と相互作用するようにギザギザしたエッジを有する表面を備える、
デバイス。
【請求項38】
請求項37のデバイスであって、
前記の骨接触エレメントのセットは、前記作業部を超えて突出する、
デバイス。
【請求項39】
請求項24から32のいずれか一項のデバイスであって、
前記作業部に関する所望の位置に対する前記作業部の実際の位置に基づき、ユーザーにフィードバックを提供するように構成された、表示器をさらに備える、
デバイス。
【請求項40】
請求項24から32のいずれか一項のデバイスであって、
前記作業部の少なくとも一部を取り囲むために前記ハンドヘルド部に取り付けられたエンクロージャをさらに備え、
前記作業部は、前記エンクロージャ内で接合することができる、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年11月24日に出願された米国仮出願番号62/259,487および2016年6月13日に出願された米国仮出願番号62/349,562に対する優先権の利益を主張するものであり;その内容は、それらの全体で参照により本明細書中に援用される。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、概して、コンピューター支援外科的処置に関し、より具体的には、膝関節全置換術のために切断ガイドを能動的に整列するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
膝関節全置換術(TKA)は、膝関節の接合表面(articulating surface)が、補綴コンポーネント、すなわち移植片(インプラント implant)によって置換される外科的手順である。TKAは、遠位大腿骨および近位脛骨上の摩耗したまたは損傷した関節軟骨および骨の除去を必要とする。除去された軟骨および骨は、それから、典型的に金属またはプラスチックで形成された合成移植片で置換されて、新たな関節表面を作る。
【0004】
骨切断または切除骨と呼ばれる除去された骨の位置および方位(POSE)は、関節内の移植片の最終配置を決定する。一般に、外科医は、移植片の最終配置が、周囲の膝靭帯のバランスを保ちながら、患者の足の機械的軸または運動力学を復元するように、骨切断を計画および作成する。臨床的に許容できる範囲外の小さな移植片配置の誤差でさえ、最適未満の成果および修正外科的処置の割合の増大と関連する。TKAでは、大腿骨は、伝統的な大腿の補綴を受け入れるために少なくとも5つの平面の骨切断を必要とするので、移植片を正しく整列するために骨切断を作ることは、特に困難である。遠位大腿骨上の平面切断は、適切な方位を確保するために5自由度:前部-後部並進、近位-遠位並進、外部-内部回転、内外反回転、および屈曲-伸長回転で整列されなければならない。平面切断または方位の任意の1つにおける任意の整列不正は、手順および移植片の摩耗パターンの最終結果に徹底的な結論を有し得る。
【0005】
また、切断ガイドは、切断ブロックまたは切断ジグとも呼ばれ、一般に、骨切断の作成を助けるために用いられる。切断ガイドは、正しい骨切除平面に振動鋸のような骨除去デバイスを制約または整列するための、ガイドスロットを備える。切断ガイドは、いくつかの理由で有利である。そのような利点の1つは、ガイドスロットは、切断中に骨除去デバイスを安定化して、骨除去デバイスが所望の平面から逸れないことを確実にすることである。第二には、単一の切断ガイドは、4-in-1ブロック、5-in-1ブロック・・・N-in-1ブロックのような、正確に切除されるべき1よりも多い切断平面を規定することのできる多数のガイドスロット(本明細書においてN-in-1切断ブロックと呼ばれる)を備えてよい。したがって、外科医は、切断ガイドが骨の上に正確に配向された時点で、2以上の平面を迅速に切除することができる。さらに別の利点は、振動鋸の作業末端およびガイドスロットは、典型的に平面形状であり、相対的に薄くて、それは、平面の骨切断を作成するのにそれらを理想的にさせることである。切断ガイドを使用する利点は明らかであるが、切断ガイドは、骨切断を実行する前に骨の上に正確に配置される必要が未だにある。実際に、TKA中に外科医にとって最も困難で、退屈で、そして重大な業務の1つが残っているのは、骨上のガイドスロットの配置である。
【0006】
外科医が骨上にガイドスロットを正しく整列するのを助けるために、様々な技術が開発されている。典型的な切断ガイドシステムは、受動的ナビゲーション、イメージガイダンス、または、解剖学的ランドマーク参照とともに用いられる多くの手動調節メカニズムを備える。ガイドピンを用いて、骨上の全体的な方位で切断ガイドを一時的に固定して、それから、さらなる細かいチューニング調節がなされる。しかしながら、主な欠点の1つは、切断ガイドの複雑性である。ガイドスロットは6自由度で配向される必要があるので、手動調節メカニズムは、通常、かなり精巧である。このことは、広範囲のユーザーのトレーニングを必要として、それはしばしば、たとえ別の移植片が他の利点を提供するとしても、所定の切断ガイドシステムに特有の特定の移植片または移植ラインを使用したい気持ちに外科医をさせる。加えて、解剖学的参照を用いて切断ガイドを方向付ける場合、患者間の解剖学的構造の変動は、切断ガイドを一貫して正確に整列するのを困難にさせ得る。受動的ナビゲーションおよびイメージガイダンスは有用であり得るが、外科医は、モニターまたは他のフィードバックメカニズムを絶えず参照しなければならず、エラーをもたらし、操作手順を長引かせる。典型的な膝関節全置換術手順は、完了するのにおよそ60分かかり得る。
【0007】
他の方法もまた、切断ガイドの使用を緩和するために開発されている。触覚および半能動的ロボットシステムは、外科医が骨上に仮想切断境界を規定するのを可能にする。外科医は、その結果、ロボットコントロールメカニズムが切断デバイスを仮想境界内に維持するあいだ、切断デバイスを手作業でガイドする。しかしながら、ロボットシステムの1つの不利な点は、骨上に平面切断を作成しようとするときに生じ得る切断デバイスの偏差である。切断デバイスは、骨上の曲がった表面に遭遇し得て、デバイスがスキップまたは他の方法で切除平面から外に逸れるのを生じさせる。その結果、生じる平面切断は、正しく整列されず、または、切断デバイスが所望の骨切断を作成するために骨の曲がった表面に直接垂直に配向されることができないので、作成することが少なくとも困難である。一方で、切断ガイドは、骨に対して直接、着脱可能に固定されて、したがって、切断デバイスの偏差は大いに低減される。加えて、触覚または半能動的ロボットシステムと関連するコストは、手動器具よりもかなり高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、骨上で切断ガイドを方向付けする現在の手間がかかって労働集約的な負荷を伴わずに切断ガイドを利用する、システムおよび方法に関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
外科的骨切断手順のための整列システムは、対象の骨上に作られるべき切断平面に対する仮想平面内に挿入される複数の骨ピン、前記の多数の骨ピンの上に受け入れられるように構成された切断ガイド、および、前記切断ガイド内の1つまたは複数のガイドスロットを備え、前記の1つまたは複数のガイドスロットは、外科的鋸が対象の骨上に外科的切断を作成するのをガイドするように構成される。
【0010】
対象の骨上に切断ガイドを整列するための方法は、計画ソフトウェアを用いて得られた外科的プランから、1つまたは複数の切断平面を決定するステップを含む。対象の骨上に作られるべきそれぞれの1つまたは複数の切断平面に対して、1つまたは複数の仮想平面を決定する。複数の骨ピンを、前記の1つまたは複数の仮想平面からの仮想平面内に整列および挿入する。複数の挿入された骨ピンの上にクランプするように構成された切断ガイドを取り付けて、およびここで、1つまたは複数のガイドスロットは、取り付けられた切断ガイド内にあり、前記の1つまたは複数のガイドスロットは、前記の1つまたは複数の切断平面に対応する対象の骨上の外科的切断を外科的鋸が作るのをガイドするように構成される。
【0011】
骨切断手順を行なうのを助けるための、対象の骨内のピン挿入のための外科的デバイスは、対象の骨内の挿入のためにピンを接合する(articulate)ように構成された作業部を備える。ハンドヘルド部は、前部直線レールおよび後部直線レールによって作業部に旋回可能に接続されて、ここで、前部直線レールおよび後部直線レールは、ハンドヘルド部に対して作業部のピッチおよび並進を調節するために、ハンドヘルド部内の一組のコンポーネントによって作動されて、前部直線レールおよび後部直線レールは、それぞれ、第一の末端および第二の末端を備える。追跡アレイは、追跡システムが作業部の位置および方位(POSE)を追跡するのを可能にするように作業部に堅く取り付けられた、3以上の基準マーカーのセットを備える。骨内の挿入の際のピンのPOSEは、所望の切断平面の作成を促進するように、その上に切断ガイドを組み立ておよび整列するために用いられる。
【0012】
本発明は、以下の図面に関してさらに詳細に説明される。これらの図面は、本発明の範囲を制限することを意図しないが、むしろ、特定のその属性を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】骨上で手順を行なうための外科的システムを示す。
図2A-2B】外科的システムにおいて用いられる外科的システムを示す。
図3】本発明の実施態様に係る、骨の三次元モデル上の計画された切断平面に対して規定された仮想表面を表わす。
図4A-4B】本発明の実施態様に係る、骨上に遠位切断を作成するための普遍的な遠位切断ガイドを、正面図(図4A)および斜視図(図4B)として示す。
図4C】骨の関連における、配置された骨ピンを示す。
図4D図4Cの骨ピンを用いて骨に固定された、図4Aおよび4Bの普遍的な遠位切断ガイドを示す。
図5A-5D】本発明の実施態様に係る、骨上に多数の切断平面を作成するための4-in-1切断ブロックを、斜視図(図5A)、側面図(図5B)、底面図(図5C)、および上面図(図5D)で示す。
図6A-6B】本発明の実施態様に係る、骨上にN-in-1ブロックを整列するための平面整列ガイドを、斜視図(図6A)、および上面図(図6B)で示す。
図7A-7B】本発明の実施態様に係る、骨上にN-in-1ブロックを整列するためのオフセット整列ガイドを、斜視図(図7A)、および上面図(図7B)で示す。
図8A-8D】本発明の実施態様に係る、整列ガイドを受け入れるための、大腿骨の遠位表面上に作成されたチャネルを、斜視図(図8A)および側面図(図8B)で示し、チャネル内の整列ガイドを斜視図(図8C)および上面図(図8D)で示す。
図9A-9B】本発明の実施態様に係る、N-in-1切断ブロック整列ガイドを備える普遍的な遠位切断ガイドを、上面斜視図(図9A)、底面斜視図(図9B)で示す。
図9C】骨の関連における、配置された骨ピンを示す。
図9D図9Cの骨ピンを用いて骨に固定された、図9Aおよび9BのN-in-1切断ブロック整列ガイドを備える普遍的な切断ガイドを示す。
図10A-10B】本発明の実施態様に係る、N-in-1切断ブロックを整列するための溝付き整列ガイドを、斜視図(図10A)、および上面図(図10B)で示す。
図10C】骨の関連における、配置された骨ピンを示す。
図10D図10Cの骨ピンを用いて骨に固定された、図10Aおよび10BのN-in-1切断ブロック整列ガイドを備える普遍的な切断ガイドを示す。
図11A-11E】本発明の実施態様に係る、多数の平面の骨切断を作成するための5自由度の面取り切断ガイドを示す。
図12A-12D】本発明の実施態様に係る、5自由度の面取り切断ガイドを受け入れるためのピンの配置を表わす。
図13A-13B】本発明の実施態様に係る、骨上の特定の位置にピンを整列するためのピン整列ガイドを示す。
図14A-14B】本発明の実施態様に係る、距離が離れた取り付けホールを備える切断ガイドを示す。
図15A-15B】本発明の実施態様に係る、ピン整列ガイドを受け入れるために骨上に作られた、少なくとも2つの垂直なチャネルを表わす。
図16A-16B】本発明の実施態様に係る、N-in-1切断ブロックを整列するための骨上のパイロットホールを作成するための参照クランプ整列ガイドを示す。
図16C-16D】本発明の実施態様に係る、参照クランプ整列ガイドの使用を表わす。
図16E】本発明の実施態様に係る、参照整列ガイドとの使用のための段付き直径ドリルビットを表わす。
図17A-17B】本発明の実施態様に係る、N-in-1切断ブロックを整列するための遠位切断表面上のパイロットホールを作成するための平面クランプ整列ガイドを示す。
図17C】本発明の実施態様に係る、平面整列ガイドの使用を表わす。
図18A-18B】本発明の実施態様に係る、接合ピン-ドライバーデバイスの横断面を示し、図18Aは、ピンが引き込まれた状態のデバイスを示し、図18Bは、ピンが伸長された状態のデバイスを示す。
図18C】本発明の実施態様に係るピン-ドライバーデバイスの作業部のコンポーネントを表わす分解図である。
図19A-19B】本発明の実施態様に係る、ピン-ドライバーデバイスに取り付けられた骨安定部材およびその使用を示して表わす。
図20A-20B】本発明の実施態様に係る、作業部を取り囲む部分的なエンクロージャを示す。
図21A-21B】本発明の実施態様に係る、作業部を取り囲む全体的なエンクロージャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、外科医が患者の骨上に切断ガイドを効率的および正確に整列するのを助けるためのシステムおよび方法として有用性がある。システムおよび方法は、膝関節全置換術および修正膝関節形成に特に有利であるが、高度な脛骨の骨切り術、脊椎の再建外科的処置、および、骨切断の作成において外科医を助けるために切断ガイドの正確な配置を必要とする他の手順のような他の医学的適用が、本明細書に開示される要旨を活用し得ることが理解されるべきである。
【0015】
本発明の様々な実施態様の以下の説明は、本発明をこれらの具体的な実施態様に制限することを意図しないが、むしろ、その例示的な態様を通して任意の当業者が本発明を作り使用するのを可能にすることを意図する。
【0016】
本発明の実施態様は、外科的システムとともに実施され得る。本発明の実施態様において用いられる外科的システムの例は、米国特許第5,086,401号、第7,206,626号、第8,876,830号、および第8,961,536号、米国特許出願番号2013/0060278、および米国仮出願番号62/054、009に記載の、1~6自由度のハンドヘルド外科的システム、シリアル-チェインマニピュレーターシステム、並列ロボットシステム、または、マスタ-スレーブロボットシステムを例示的に含む。特定の実施態様では、外科的システムは、本出願の譲受人に譲渡されてその全体で本明細書中に参照により援用される米国特許第6,033,415号に記載のシリアル-チェインマニピュレーターシステムである。マニピュレーターシステムは、自律的、半自律的、または触覚コントロール、およびそれらの任意の組み合わせを提供し得る。特定の実施態様では、マニピュレーターシステムに取り付けられたツールは、ユーザーによって手作業で巧みに動かされ得て、一方で、システムは、動力、能動的または触覚コントロールの少なくとも1つをツールに提供する。
【0017】
図面を参照して、図1は、2自由度(2-DOF)外科的システム100を表わす。2-DOF外科的システム100は、一般に、本出願の譲受人に譲渡されてその全体で本明細書中に参照により援用されるPCT出願番号US2015/051713に記載される。2-DOF外科的システム100は、コンピューターシステム102、接合外科的デバイス104、および、追跡システム106を備える。外科的システム100は、ユーザーが、対象の骨に対して規定される仮想ピン平面と一致してピンを正確に配置するのをガイドおよび支援することが可能である。仮想平面は、切断ガイドが、挿入されたピンに組み立てられた場合に、1つまたは複数のガイドスロットを、計画された位置および方位で補綴移植片を受け入れることが要求される骨切断と整列させるように、外科的プラン内に規定される。
【0018】
接合外科的デバイス
図2Aおよび2Bは、2-DOF外科的システム100の接合外科的デバイス104をより詳細に表わす。外科的デバイス104は、ハンドヘルド部202および作業部204を備える。ハンドヘルド部202は、ユーザーによって保持および操作される人間工学的デザインの外側ケーシング203を備える。作業部204は、ツール軸207を備えるツール206を備える。ツール206は容易に取り付けられて、モーター205によって駆動される。ハンドヘルド部202および作業部204は、ハンドヘルド部202に対して作業部204のピッチおよび並進をコントロールするためにハンドヘルド部202内のコンポーネントによって作動される、前部直線レール208aおよび背部直線レール208bによって接続される。3以上の基準マーカーを備える追跡アレイ212は、作業部142に堅く取り付けられて、追跡システム106が作業部204のPOSEを追跡するのを可能にする。基準マーカーは、発光ダイオード(LED)のような能動的マーカー、または、再帰反射球体のような受動的マーカーであってよい。一部の発明の実施態様における入力/出力ポートは、動力および/またはコントロールシグナルをデバイス104に提供して;または、デバイスは、ワイヤレス接続を介してバッテリーからの動力およびコントロールシグナルを受け取り得て、電気ワイヤリングがデバイス104に接続される必要性を軽減する。特定の実施態様では、デバイスは、本出願の譲受人に譲渡されてその全体で本明細書中に参照により援用される国際特許出願WO2016/081931に記載のように、可視光通信を介してワイヤレスコントロールシグナルを受信し得る。デバイス104は、トリガー214またはボタンのような1つまたは複数のユーザー入力メカニズムをさらに備えてよい。
【0019】
ハンドヘルド部202の外側ケーシング内には、前部ボールスクリュー216aに動力供給する前部アクチュエータ210aおよび背部ボールスクリュー216bに動力供給する背部アクチュエータ210bがある。アクチュエータ(210a、210b)は、ボールスクリュー(216a、216b)を双方向に回転させるサーボモーターであってよい。直線レール(208a、208b)の第一の末端は、ヒンジ(220a、220b)を介して作業部204に取り付けられて、ここで、ヒンジ(220a、220b)は、作業部204が直線レール(208a、208b)に対して旋回するのを可能にする。ボールナット(218a、218b)は、直線レール(208a、208b)の第二の末端において取り付けられる。ボールナット(218a、218b)は、ボールスクリュー(216a、216b)と機械的に連通している。アクチュエータ(210a、210b)は、ボールスクリュー(216a、216b)に動力供給して、それは、ボールナット(218a、218b)をボールスクリュー(216a、216b)の軸に沿って並進させる。したがって、作業部204の並進「d」およびピッチ「α」は、それらの対応するボールスクリュー(216a、216b)上のそれぞれのボールナット(218a、218b)の位置に応じて調節され得る。直線ガイド222は、並進方向「d」での直線レール(208a、208b)の動きをさらに制約およびガイドし得る。
【0020】
コンピューターシステムおよび追跡システム
図1に戻って参照して、コンピューターシステム102は一般に、外科的手順を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。特定の実施態様では、コンピューターシステム102は、アクチュエータ(210a、210b)に作動コマンドを提供して、ツール206の位置および方位(POSE)をコントロールする。コンピューターシステム102は、したがって、ハンドヘルド部202のPOSEとは独立に、外科的プラン内に規定される仮想平面でツール軸207を維持することができる。
【0021】
コンピューターシステム102は、一部の発明の実施態様では、プロセッサを備えるデバイスコンピューター108;プロセッサを備える計画コンピューター110;プロセッサを備える追跡コンピューター111、および、周辺機器を備える。プロセッサは、コンピューターシステム102内で運転して、本発明のシステムおよび方法と関連する計算を実行する。プロセッサ機能は、コンピューター、リモートサーバ、クラウドコンピューター設備、またはそれらの組み合わせの間で共有されることが理解されよう。
【0022】
特定の発明の実施態様では、デバイスコンピューター108は、外科的デバイス104の操作に関連する機能を実施するために、1つまたは複数のプロセッサ、コントローラー、および、RAM、ROMまたは他の非揮発性または揮発性メモリのような任意のさらなるデータ保存媒体を備えてよい。例えば、デバイスコンピューター108は、作業部204のPOSEのような外科的デバイス104をコントロールするための追跡データを受信および処理するための、モーター205のスピードをコントロールするための、登録アルゴリズムを実行するための、キャリブレーションルーチンを実行するための、外科的手順を通してユーザーにワークフロー指示を提供するための、ソフトウェア、データおよびユーティリティ、ならびに、本発明の実施態様に係る手順を成功的に実施するために必要な任意の他の適切なソフトウェア、データまたはユーティリティを備えてよい。
【0023】
デバイスコンピューター108、計画コンピューター110、および、追跡コンピューター111は、示されるように別個の実体であってよく、または、それらの操作は、外科的システム100の構成に応じて、ただ1つまたは2つのコンピューター上で実行され得ることが理解される。例えば、追跡コンピューター111は、デバイスコンピューター108の必要なしにデバイス104をコントロールするための操作データを備えてよい。または、デバイスコンピューター108は、計画コンピューター110を必要として外科的手順を計画するための操作データを備えてよい。任意の場合において、周辺機器は、ユーザーが外科的システム100とインターフェース接続することを可能にして、ディスプレイまたはモニター112のような1つまたは複数のユーザーインターフェース;および、キーボード114、マウス122、ペンダント124、ジョイスティック126、フットペダル128を例示的に含む様々なユーザー入力メカニズムを備えてよく、または、モニター112は、タッチスクリーン機能を有してよい。
【0024】
計画コンピューター110は、好ましくは、手術前または手術中のいずれかに手順を計画することを専門とする。例えば、計画コンピューター110は、医療イメージングデータの受信および解読、イメージングデータのセグメント化、三次元(3D)仮想モデルの構築および操作、コンピューター支援設計(CAD)ファイルの保存および提供、骨に対する移植片のPOSEの計画、システム100との使用のための外科的プランデータの生成、および、外科的手順の計画においてユーザーを助けるための他の様々な機能の提供が可能な、ハードウェア(例えばプロセッサ、コントローラー、およびメモリ)、ソフトウェア、データ、およびユーティリティを備えてよい。また、計画コンピューターは、以下にさらに記載される本発明の実施態様に関する仮想平面を規定することを専門とするソフトウェアを備えてもよい。最終的な外科的プランデータは、骨の画像データセット、骨登録データ、対象識別情報、骨に対する移植片のPOSE、骨に対して規定される1つまたは複数の仮想平面のPOSE、および、任意の組織改変指示を含んでよい。デバイスコンピューター108および計画コンピューター110は、手術室内に直接接続されてよく、または、別個の実体として存在してよい。最終的な外科的プランは、手術室(OR)内でワイヤ接続またはワイヤレス接続を通してデバイスコンピューター108および/または追跡コンピューター111に容易に移行されて;または、計画コンピューター110がORの外側に置かれた場合は、非一過的にデータ保存媒体(例えばコンパクトディスク(CD)、ポータブルユニバーサルシリアルバス(USBドライブ))を介して移行される。上述のように、コンピューターシステム102は、多数のプロセッサとともに、単一の実体として機能を果たし得て、デバイスコンピューター108、追跡コンピューター111、および計画コンピューター110の機能を実施することが可能である。
【0025】
コンピューターシステム102は、図1に示されるように、追跡システム106からのPOSEデータに基づいて3-D空間内でツール軸207を正確に維持し得る。追跡システム106は、一般に、検出デバイスの位置に対する物体のPOSEを決定するための検出デバイスを備える。特定の実施態様では、追跡システム106は、米国特許第6,061,644号に記載の光学追跡システムであり、剛性本体上に配列された基準マーカーの位置を検出するための2以上の受光器116を備える。基準マーカーの例示的な例は、能動的トランスミッタ、例えば、LEDまたは電磁気放射線エミッタ;受動的リフレクタ、例えば、再帰反射フィルムを備えるプラスチック球体;または、形状、線または他の文字の特徴的パターンまたは配列を含む。剛性本体上に配列された一組の基準マーカーは、本明細書において基準マーカーアレイ(120a、120b、120c、212)と呼ばれ、それぞれの基準マーカーアレイ(120a、120b、120c、212)は、追跡システム106が、追跡された物体のそれぞれの間を区別することができるように、基準マーカーの独特な形状/配列、または、マーカーが能動的LEDである場合は独特な伝送波長/周波数を有する。特定の実施態様では、基準マーカーアレイ(120a、120b、120c、212)は、それぞれの剛性本体上に公知の形状で独特に配列された3以上の能動的なエミッタまたは受動的なリフレクタを備える。
【0026】
追跡システム106は、ブーム、スタンド上に配置された外科的ライト118内に形成され得て、または、手術室の壁または天井内に形成され得る。追跡システムコンピューター111は、局所または全体座標フレームにおける物体(例えば、大腿骨Fおよび脛骨Tのような骨、外科的デバイス104)のPOSEを決定するための、追跡ハードウェア、ソフトウェア、データおよびユーティリティを備える。物体のPOSEは、本明細書において、POSEデータと呼ばれ、このPOSEデータは、ワイヤ接続またはワイヤレス接続を通してデバイスコンピューター108に容易に通信される。あるいは、デバイスコンピューター108は、受光器116から直接検出される基準マーカーの位置を用いてPOSEデータを決定し得る。
【0027】
POSEデータは、受光器116から検出される基準マーカーの位置、および、画像処理、画像フィルタリング、三角測量アルゴリズム、幾何学的関係の処理、登録アルゴリズム、キャリブレーションアルゴリズム、および座標変換処理のような操作/処理を用いて決定される。
【0028】
様々な機能を実施するために、追跡システム106からのPOSEデータが、コンピューターシステム102によって用いられる。例えば、プローブ基準マーカーアレイ120cが取り付けられたデジタイザプローブ130のPOSEは、米国特許第7,043,961号に記載されるように、プローブの先端が継続的に知られるようにキャリブレーションされ得る。ツール206の軸または先端のPOSEは、国際特許出願番号WO2016/141378に記載のキャリブレーション方法を用いて、デバイス基準マーカーアレイ212に関して知られ得る。登録アルゴリズムは、POSEデータを用いて容易に実行されて、骨、外科的プラン、および外科的システムの間のPOSEおよび/または座標変換を決定する。例えば、米国特許第6,033,415号および第8,287,522号に記載の登録方法では、患者の骨上のポイントは、追跡されたデジタイザプローブを用いて集められて、外科的プランの座標、骨の座標、および、外科的デバイスの座標を変換し得る。また、骨は、米国特許第5,951,475号に記載の画像登録を用いて登録されてもよい。座標変換は、骨の後登録および外科的デバイスのPOSEを追跡する追跡システムからのPOSEデータを用いて継続的にアップデートされ得る。
【0029】
特定の発明の実施態様では、電磁場追跡システム、超音波追跡システム、加速度計およびジャイロスコープ、または機械的追跡システムのような他の追跡システムが、外科的システム100とともに組み込まれることが理解されるべきである。他の追跡システムと非機械的追跡システムの置き換えは、当業者に明らかであるはずである。特定の実施態様では、機械的追跡システムの使用は、本出願の譲受人に譲渡されてその全体で参照により援用される米国特許第6,322,567号に記載のもののような、使用される外科的システムのタイプに応じて有利であり得る。
【0030】
外科的システム100では、受光器116を備える光学追跡システム106は、膝関節全置換術中に、大腿骨および脛骨のPOSEデータを収集するために用いられる。遠位大腿骨Fおよび近位脛骨Tは、典型的なTKA手順中に露出している。追跡アレイ120aおよび120bがそれに取り付けられて、続いて、大腿骨Fおよび脛骨Tがデジタル化されて外科的プランに登録される。大腿骨Fおよび脛骨TのPOSEは、追跡システム106によってリアルタイムで追跡されるので、外科的プランおよび外科的デバイス間の座標変換は、骨および外科的デバイスが操作空間内で移動するときにアップデートされる。したがって、ツール206のPOSEおよび外科的プランにおいて規定される任意の座標のPOSEの間の関係は、コンピューターシステム102によって決定され得る。次に、コンピューターシステム102は、アクチュエータ(210a、210b)にリアルタイムで作動コマンドを供給して、ツール軸207を規定された座標に正確に維持することができる。
【0031】
加えて、トリガー214またはフットペダル128のようなユーザー入力メカニズムは、外科的プラン内に規定された他の座標にツール軸207が維持される必要があることをコンピューターシステム102に示すためにユーザーによって用いられ得る。例えば、ツール軸207は第一の規定された平面内に維持され得て、ユーザーは、第二の規定された平面内にツール軸207が維持される必要があることをコンピューターシステム102に取り次ぐためにフットペダル128を踏んでよい。
【0032】
膝関節全置換術(TKA)適用のための外科的プランおよび実行
外科的プランは、手術前または手術中のいずれかに、計画ソフトウェアを用いてユーザーによって作られる。計画ソフトウェアは、コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、x線、超音波画像データセットから、または、手術中に骨上に集められた点集合から、患者の骨の解剖学的構造の三次元(3-D)モデルを作成するために用いられてよい。製造元の補綴の3-Dコンピューター支援設計(CAD)モデルのセットは、ソフトウェア内に事前にロードされて、それにより、ユーザーは、所望の補綴のコンポーネントを骨の解剖学的構造の3-Dモデルに配置して、ベストフィットの移植片の位置および方位を骨に対して指定することが可能である。例えば、図3に関して、患者の遠位大腿骨302の3-Dモデルおよび大腿の補綴304の3-Dモデルが示される。骨モデル302上の大腿の補綴モデル304の最終配置は、所望のとおりに補綴を受け入れるために手術中に骨が切断される骨切断平面(骨モデル302の影付き領域)を規定する。TKAでは、計画された切断平面は、一般に、前部の切断平面306、前部の面取り切断平面308、遠位切断平面310、後部面取り切断平面312、後部切断平面314、および、脛骨の切断平面(図示せず)を含む。
【0033】
外科的プランは、1つまたは複数の仮想平面316の位置と組み合わせた患者の手術骨(operative bone)の3-Dモデルを含む。仮想平面(単数または複数)316の位置は、1つまたは複数の計画された切断平面の位置および方位(POSE)、および、切断ガイドまたは整列ガイドの1つまたは複数の寸法を用いて、計画ソフトウェアによって規定される。最終的に、仮想平面(単数または複数)316の位置は、切断ガイドの1つまたは複数のガイドスロットが正しいPOSEにあって、骨切断の作成において鋸を正確にガイドするように、切断ガイドの配置を助けるように規定される。様々な発明の切断ガイド、整列ガイド、仮想平面の規定、および、骨ピンの使用の実施態様を、さらに以下に詳細に説明する。
【0034】
一般に、本明細書に開示される発明の切断ガイドおよび整列ガイドの実施態様は、剛性または半剛性材料、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、チタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などで作られてよい。切断ガイドおよび整列ガイドの実施態様は、当技術分野で知られている適切な機械加工ツールを用いて製造され得る。
【0035】
遠位切断ガイド、整列ガイドおよびN-in-1切断ブロック
計画された遠位切断310を正確に作成するための切断ガイドの特定の発明の実施態様は、図4Aおよび図4Bに示されるように、普遍的な遠位切断ガイド400である。遠位切断ガイド400は、ガイド部402および取り付け部404を備える。ガイド部402は、ガイドスロット406および底面410を備える。ガイドスロット406は、大腿骨上の遠位切断310の作成において外科的鋸をガイドするためのものである。底面410は、骨上に配置された1つまたは複数の骨ピン412に対して接する。取り付け部404およびガイド部402は、図4Bおよび図4Dに示されるように、ファスナー408を用いて骨ピン412にクランプする。
【0036】
外科的システムは、骨ピン412の縦軸を仮想ピン平面414上に配置するために用いられる。特定の実施態様では、2-DOF外科的システム100が用いられて、ここで、外科的デバイス104のツール206は、ドリル205によって回転されるドリルビットである。ユーザーが外科的デバイス104を操作すると、コンピューターシステムは、アクチュエータに作動コマンドを供給して、ツール軸207をピン平面414と整列させる。
【0037】
仮想ピン平面414は、計画された遠位切断平面310のPOSE、および、ガイドスロット406とガイド部402の底面410との間の距離を用いて、計画ソフトウェアによって外科的プラン内に規定される。また、計画ソフトウェアは、骨ピン412の公知の幅を使用してもよい。例えば、ピン平面414は、遠位切断ガイド400の底面410とガイドスロット406との間の距離だけ、計画された遠位切断平面310を近位に並進することによって規定され得る。ソフトウェアは、ピン412のさらに半分の幅だけ、計画された遠位切断平面310をさらに近位に並進し得る。したがって、切断ガイド400が骨ピン412にクランプされると、ガイドスロット406は、計画された遠位切断平面310と整列される。
【0038】
ユーザーまたはコンピューターシステム102は、ピン412のためのパイロットホールをドリルで開けるためにピン平面414と正しく整列されると、ドリルを起動し得る。それから、ピン412は、標準的なドリルを用いてパイロットホールの中に、ドリルで入れられる。特定の実施態様では、ツール206はピン412であり、ここで、ピン412は、外科的デバイス104のドリル205に取り付けられて、ピン平面414上の骨の中に、直接ドリルで入れられる。少なくとも2つの骨ピン412は、ピン平面414上にドリルで入れられ得て、ピン412にクランプされた場合に遠位切断ガイド400を正しい位置および方位内に制約するが、3以上の骨ピン412が、さらなる安定性のために用いられ得る。
【0039】
骨ピン412を正確に配置するために2-DOF外科的システム100を用いることは、多数の利点がある。1つは、外科的デバイス104がリアルタイムで作動することであり、したがって、ユーザーは、ピン平面412のPOSEに能動的にガイドされる。加えて、骨ピン412の正しい位置および方位は、2-DOF外科的システム100のハンドヘルド部204の外科医の配置にかかわらず、正確に維持される。
【0040】
切断ガイド400の1つの主な利点は、切断ガイド400は任意のタイプの移植片および任意のタイプの患者に用いられ得るので、その普遍性である。このことは、普遍的な遠位切断ガイド400は、多数の外科的処置のために滅菌されて再利用され得るので特に有利であり、TKAのコストを大いに低減させて、そうでなければ、それぞれの外科的処置のために患者特有の切断ガイドまたは移植片特有の切断ガイドのいずれかを必要とする。
【0041】
骨ピン412に関する特定の位置を規定するよりもむしろピン平面を使用する有利な部分は、ユーザーが、平面414上の任意の任意的方位および位置にピンの縦軸を配置することができ、ガイドスロット406が計画された遠位切断平面310と正確に整列されるように、切断ガイド400をなおも取り付けることである。このことは、手順の操作時間を大いに低減させる。加えて、ユーザーは、そのように所望するならば、仮想平面と一致する任意の特定のランドマークを避けることができる。
【0042】
切断ガイド400がピン412上に組み立てられた後に、ユーザーは、ガイドスロット406を通して外科的鋸をガイドすることによって、大腿骨F上に遠位切断416を鋸で切ることができる。続いて、骨ピン412および切断ガイド400が骨から取り除かれて、残っている骨切断を作成する。
【0043】
特定の実施態様では、図5A~5Dに関して、従来技術の4-in-1切断ブロック500を用いて、残っている骨切断を作成する。図5Aは、4-in-1切断ブロックの斜視図であり、図5Bは、その側面立面図であり、図5Cは、その上面平面図であり、および、図5Dは、その底面平面図である。4-in-1切断ブロック500は、遠位切断ガイド400のものと同様の材料で作られてよい。4-in-1切断ブロック500は、本体502、後部ガイドスロット504、後部面取りガイドスロット506、前部の面取りガイドスロット508、および、前部ガイドスロット510を備えるように製造される。また、切断ブロック500は、遠位切断平面416上にドリルで開けられるパイロットホールの中にはめ込むための2つのペッグ512、および、ピン412’を受け入れて切断ブロック500を大腿骨Fに固定するための2つのピン固定ガイド514も備える。4-in-1切断ブロック500が本明細書において説明されるが、さらなる切断平面を骨上に作成するための任意のN-in-1切断ブロックが、本明細書に記載の実施態様を用いて骨上に整列および組み立てられ得ることが理解されるべきである。N-in-1切断ブロックは、5よりも大きな平面の接触表面を有する大腿の補綴から成り得る(参照および明確性のために、図3に示される大腿の補綴304は、後部切断平面314と嵌合する後部接触表面318を有する5平面の接触表面を有する)。
【0044】
4-in-1切断ブロック500は、整列ガイドを用いて骨上に整列され得る。整列ガイドの特定の実施態様は、図6Aおよび図6Bに示される平面整列ガイド600である。図6Aは、平面整列ガイド600の斜視図であり、図6Bは、その上面平面図である。平面整列ガイド600は、本体602、および、本体602と統合された2つのホール604を備える。本体602は、遠位切断平面416上にミル(mill)されるチャネル800(図8Aに示される)内に合うように適合された底面部606を備える。ホール604の中心間の距離は、4-in-1ブロック500のペッグ512の中心間の距離に対応する。
【0045】
図7Aおよび7Bに関して、整列ガイドの特定の実施態様は、オフセット整列ガイド700である。図7Aは、整列ガイド700の斜視図であり、図7Bは、その底面平面図である。整列ガイド700は、本体702、端にあって本体702から伸長する少なくとも1つの突起部704、および、本体702を通してくり抜かれた2つのホール604’を備え、ここで、突起部604から公知の距離で2つのホール604’が配置される。2つのホール604’の中心間の距離は、4-in-1切断ブロック500のペッグ512間の距離に対応する。少なくとも1つの突起部704は、遠位切断平面416上にミルされるチャネル800(図8Aに示される)内に合うように適合される。
【0046】
遠位切断平面310上のペッグ512の位置は、4-in-1切断ブロック500のガイドスロットが、残っている骨切断平面と整列するように、補綴の計画されたサイズおよび位置に基づいて決定される。計画ソフトウェアは、外科的プラン内に仮想チャネル平面を規定することができ、その中で、チャネル800は、整列ガイド(600、700)を受け入れるようにミルされる。特定の実施態様では、チャネル平面は、遠位切断平面に垂直な平面によって規定されて、補綴の内側-外側方向で整列される。別の実施態様では、チャネル平面は、計画された前部切断平面306または後部切断平面314のPOSEに基づいて規定されて、ペッグの位置は、残っている骨切断のためにガイドスロットを整列するのに必要とされる。例えば、平面整列ガイド600が用いられる場合は、計画ソフトウェアは、計画された後部切断平面314を、4-in-1切断ブロック500のペッグ512の中心の位置へ前側に並進することによって、仮想チャネル平面を規定することができる。オフセット整列ガイド700が用いられる場合は、その結果、仮想チャネル平面は、計画された後部切断平面314をペッグ512の位置へ前側に並進させて、およびそれから、ホール604’の中心および突起部704の間の公知の距離だけ、計画された平面を後側/前側に並進させることによって規定される。
【0047】
外科的プラン内に規定される仮想チャネル平面は、図8A~8Dに示されるように、外科的システムを用いて、大腿骨Fの遠位切断平面310上のチャネル800を作成するために用いられる。特定の実施態様では、2-DOF外科的システム100が用いられて、ここで、外科的デバイス104のツール206は、ツール軸207がチャネル平面と実質的に一致したままであるように作動される。チャネル800をミルするために、ツール206は、エンドミル、バーまたはロータリーカッターのような骨切断ツールである。ツール206は、ツール206がチャネル800を深く切り過ぎるのを防ぐためのスリーブをさらに備えてよい。チャネル800がミルされた後、整列ガイドがチャネル内に配置されて、それにより、ホール604’が、4-in-1切断ブロック500のペッグ512のための位置と整列される。平面整列ガイド600を用いる場合、本体602の底面部606は、チャネル内に直接合う。オフセット整列ガイド700を用いる場合、突起部704は、図8Cおよび8Dに示されるようにチャネル800内に直接合う。両方の場合、それから、標準的なドリルを用いて、整列ガイドのホール604’を通ってドリルで穴を開けることによって、ペッグ512のためのパイロットホールをドリルで開ける。
【0048】
ペッグ512のためのホールがドリルで開けられた後に、整列ガイドは大腿骨Fから取り除かれる。4-in-1ブロック500は、ペッグ512を介して大腿骨Fに取り付けられる。大腿骨F上の残っている4つの骨切断は、4-in-1切断ブロック500のガイドスロットによってガイドされる外科的鋸を用いて作成される。それから、4-in-1ブロック500が取り除かれて、大腿の補綴は、従来の様式で大腿骨Fに固定され得る。
【0049】
平面整列ガイド600に対してオフセット整列ガイド700を用いる特定の利点は、突起部704を受け入れるための作成されたチャネル800が、突起部704とホール604’との間の距離に応じて、4つの平面切断の1つによって取り除かれ得ることである。一般に、4-in-1切断ブロック500のガイドスロットが、残っている骨切断を作成するのに十分な骨の範囲に広がっている(span enough of the bone)限り、内側-外側方向での切断ブロック500の位置は、遠位切断416上で正確である必要はないので、整列ガイド(600、700)によるチャネル平面の使用は有利である。加えて、外科的システムを用いることにより、チャネルは迅速かつ正確に作られ得る。組み合わせて、これらの全ては、受動的ナビゲーションが他の方法で用いられた場合にモニターを参照する必要がないため、伝統的な切断整列ガイドよりも非常に有利であり、4-in-1ブロックのペッグのためのホールをドリルで開けるための多数の解剖学的ランドマークを探す必要がなく、全体的な外科的時間は低減される。
【0050】
整列ガイドを用いた遠位切断ガイド
切断ガイドの特定の実施態様では、遠位切断および整列ガイド900は、図9Aおよび図9Bに表される。遠位切断ガイド900の前方斜視図を図9Aに示し、その後方斜視図を図9Bに示す。遠位切断および整列ガイド900は、ガイド部902および取り付け部904を備える。ガイド部902は、逆にした「L」の形状であってよく、遠位ガイドスロット906およびくり抜かれた一組のホール908を備える。2つのホール908の中心間の距離は、4-in-1ブロック500のペッグ512の間の距離に対応する。また、ガイド部902は、整列ピン914に対して接するように適合されたアバットメント面912も備える。取り付け部904は、ファスナー910を用いてガイド部902に取り付けて、骨ピン912を遠位切断および整列ガイド900にクランプする。
【0051】
計画ソフトウェアは、切断および整列ガイド900を大腿骨Fに正確に配置するための2つの仮想平面を規定する。第一のピン平面は、切断ガイド900が骨ピン912に組み立てられた場合に、ガイドスロット906が計画された遠位切断平面310と整列するように規定される。第二のピン平面は、面912が整列ピン914第二のピン平面に対して接する場合に、ホール908が4-in-1切断ブロック500のペッグ512に関するPOSEと整列するように規定される。例えば、図9Cでは、第一のピン平面は、骨ピン912に関して規定されて、第二のピン平面は、整列ピン914に関して規定される。第二のピン平面は、計画ソフトウェアにおいて以下のように規定される:1)平面が、計画された遠位切断平面310に垂直およびペッグ512に関する計画された位置と平行に規定される、および2)その平面が、それから、遠位切断および整列ガイド900の面912と、ホール908の中心との間の距離だけ後部に並進される。したがって、面912が整列ピン914に対して接すると、ホール908は前方/後方の方向および内側-外側回転で正確に整列される。
【0052】
骨ピン912および整列ピン914は、上述の外科的システムを用いて、第一および第二のピン平面上に正確に配置される。切断ガイド900は、それから、大腿骨Fに組み立てられて、ここで、面912は、図9Dに示されるように整列ピン914に対して接する。外科医が遠位切断416を作成する前に、2つのパイロットホールが、ホール908を通してドリルで開けられる。整列ピン914が取り外されて、ガイドスロット906を通して外科的鋸をガイドすることによって、遠位切断416がなされる。切断ガイド900は大腿骨Fから取り外されて、4-in-1ガイドブロックがパイロットホール内に直接組み立てられ得て、残っている切断を作成するのを助ける。
【0053】
スロット整列ガイド
整列ガイドの特定の実施態様では、スロット整列ガイド1000は、図10Aおよび図10Bに示される。図10Aは、スロット整列ガイド1000の斜視図であり、図6Bは、その上面平面図である。スロット整列ガイド1000は、2つのホール1002、および、ピンを受け入れるスロット1004を備える。スロット整列ガイド1000は、リップ1006をさらに備えてよい。2つのホール1002の中心間の距離は、4-in-1ブロック500のペッグ512の間の距離に対応する。ピンを受け入れるスロット1004は、骨ピン1008上に受け入れられるのに十分な幅である。ホール1002およびスロット1004の中心の間の距離は、骨ピン1008に関する仮想ピン平面を規定することが知られる。
【0054】
スロット整列ガイド1000は、大腿骨Fの遠位表面416上の海綿骨が特に柔らかい、弱い、またはより壊れやすい場合に用いられ得る。これらの場合では、チャネル800内のオフセット整列ガイド700または平面整列ガイド600は、この海綿骨の壊れやすい性質のせいで不整列になり得る。したがって、骨ピン1008は、上記に定義されるようにチャネル平面上に挿入され得る。骨ピン1008は、図10Cに示されるように、以前に説明された方法を用いてチャネル平面上に整列および挿入される。ワッシャ-またはスペーサーのようなリング1010が骨ピン1008上に配置されて、大腿骨Fの遠位表面416をさらに保護し得る。スロット整列ガイド1000のピンを受け入れるスロット1004は、骨ピン1000上に配置される。リップ1006は、整列ガイド1000が大腿骨Fの遠位表面416上に平らに存在するように、リング1010と相互作用し得る。それから、ユーザーは、標準的なドリルを用いて、ホール1002を通してパイロットホールをドリルで開け得る。整列ガイド1000および骨ピン1008が大腿骨Fから取り除かれて、4-in-1ガイドブロック500のペッグ512がパイロットホールに組み立てられて、残っている骨切断を作成するのを助ける。
【0055】
4-in-1ブロックは、大腿骨Fの遠位切断表面416と相互作用および取り付けるための、ペッグ512以外の他の機構を備えてよいことが理解されるべきである。ペッグ512は、その代わりに、4-in-1ブロック500の底面から突き出ている本体であってよく、遠位切断表面416上に作られる対応する形状に合うように適合される。突き出ている本体は、突き出た長方形、三角形、脛骨基板移植の竜骨(keel)のために製造された形状、および任意の他の突き出ている本体(単数/複数)を含む、様々な形状を有してよい。したがって、本明細書に記載の整列ガイドは、ホール(604、604’、および908)の代わりに、同一の対応する形状を有してよく、ユーザーが遠位切断表面416上にその形状を作るのをガイドして、したがって、4-in-1ブロックがその上に正確に配置され得る。
【0056】
クランプ整列ガイド
図16A~17Cに関して、クランプ整列ガイド(1600、1700)は、大腿骨上のN-in-1切断ブロックの整列を助けるために用いられる。クランプ整列ガイド(1600、1700)は、ユーザーが切断ブロックペッグ512に関するパイロットホールを正確に作成するのを可能にするPOSEでピンのそれら自体のセット上にクランプするように構成される。特定の実施態様では、図16A~16Eに関して、参照クランプ整列ガイド1600およびその使用が示される。参照クランプ整列ガイド1600は、ガイド部1602およびクランプ部1604を備える。ガイド部1602は、普遍的な遠位切断ガイド400’の上面409を参照する一組の参照脚1606、および、切断ブロックのペッグ512の間の距離に対応する距離だけ離れた2以上のホール1608を備える。
【0057】
一般に、クランプ整列ガイド(1600、1700)に関する仮想ピン平面は、以下により規定される:1)計画された遠位切断平面310に垂直およびペッグ512に関する計画された位置と平行である平面を規定する;2)ホール1608の中心と整列部1602の底面1609との間の公知の距離だけ、その平面を後方に並進する;および3)ピン1610のさらに半分の幅だけ、その平面をさらに後方に並進する。
【0058】
参照クランプ整列ガイド1600の使用を、図16Cおよび16Dに関して示す。普遍的な切断ガイド400’は、上述のように、大腿骨F上に最初に組み立てられる。ピン1610は、2-DOF外科的システム100のような外科的システムを用いて、仮想ピン平面上に配置される。クランプガイド1600は、普遍的な切断ガイド400’の上面409を参照する脚1606を用いてピン1610上に組み立てられる。それから、ユーザーは、ホール1608をガイドとして用いて、切断ブロックペッグ512に関するパイロットホールをドリルで開ける。その後に、クランプ整列ガイド1600およびピン1610が骨から取り除かれて、ユーザーは、ガイドスロット406を介して遠位切断を作成する。続いて、遠位切断ガイド400’および遠位ピン412が骨から取り除かれて、切断ブロックペッグ512がパイロットホール内に挿入されて、残っている切断平面が大腿骨上に作成される。
【0059】
クランプ整列ガイド(1600、1700)を用いる場合にユーザーが遭遇し得る1つの問題が存在する。N-in-1パイロットホールを作成するためのドリルおよびドリルビットは、ドリルビットが遠位切断平面に遠位な骨の全てを横切るのも可能にしながら、ピン1610の配置を妨げないように十分な空間距離(clearance)を有する必要があり、切断ブロックペッグ512を完全に受け入れるのに十分に深い、遠位切断平面を超えたホールを作成する。特定の実施態様では、図16Eに関して、この問題は、段付き直径ドリルビット1617を用いて解決される。図16Eは、骨上に組み立てられた参照クランプガイド1600および遠位切断ガイド400’、および、ガイドホール1608を通して段付き直径ドリルビット1617を駆動するドリル1618を示す。計画された遠位切断平面1612とガイド1614の上部との間の正確な距離が分かっているので(これは、i)ガイドスロット406および遠位ガイドの上面409からの距離が分かっていて、ii)上面409上に安定化された参照脚1606の底部から、ガイド1614の上部までの距離も分かっていて、したがって、i+iiは、ガイド1614の上部と計画された切断平面1612との間の距離であるので、幾何学的に分かる)、段付き直径を有するドリルビット1617は、ピン1610の長さを同時にクリアする(clear)ことができて、そして、遠位切断平面1612を超えて骨内の係合をセットすることもできて、したがって、ユーザーは、どれくらいの深さをドリルで開けるか決定する必要がない。ここで、ドリルビット1617は、近位部1620よりも小さな直径を有する遠位部1619を備える。遠位部1619は、ガイドホール1608を通ってフィットして、切断ブロックペッグ512を受け入れるためのホールを作成するのに十分に大きな直径を有する。遠位部1619は、遠位切断平面1619の遠位に骨を横切ることが可能な長さを有し、ペッグ512を完全に受け入れるのに十分に深いパイロットホールを作成するのに十分に、遠位切断平面1612を超えて伸長する。近位部1620は、ガイドホール1608の直径よりも大きな直径、および、嵩張ったドリル1618がピン1610を妨げないのを確保する長さを有する。別の実施態様では、この空間距離の問題を解決するために、ドリル1618は、追跡システムによって追跡されて、モニターは、視覚的フィードバックをユーザーに提供する。ドリルの先端が、特定の深さを超えて伸長する(例えば、計画された遠位切断平面1612を破る)場合に、モニターは、この情報を表示および/または深さ情報を提供する。
【0060】
特定の実施態様では、図17A~17Cに関して、平面クランプ整列ガイド1700は、切断ブロックペッグ512を受け入れるためのパイロットホールの作成を助けるために用いられる。平面整列ガイド1700は、遠位切断平面416上に直接配置されて、ガイド部1702およびクランプ部1704を備える。ガイド部1700は、参照整列ガイド1600と同様の2以上のホール1706を備える。ガイド1700は、遠位表面416上のガイドの安定性を増大させるために、ガイド1700と遠位切断表面416との間の接触表面積を増大させるための突起1708をさらに備えてよい。したがって、平面整列ガイド1700の底面1712は、平面の遠位切断表面416と嵌合するように平らである。ファスナー1710またはクランプ機構は、平面ガイド1700を、骨内に挿入されたピン1714に対して組み立てるのを可能にする。
【0061】
平面整列ガイド1700を用いるための手順は以下のとおりである。ユーザーは最初に、普遍的な遠位切断ガイド400を用いて遠位切断を作成する。それからユーザーは、仮想ピン平面上にピン1714を挿入して、ここで、仮想ピン平面は、クランプ整列ガイド(1600、1700)に関して上述のとおりに規定される。ピン1714は、遠位切断表面416上に直接挿入される。それから、平面整列ガイド1700は、ピン1714にクランプされて、ここで、ガイド1700の底面1712は、切断表面416と同一平面で存在する。ユーザーは、ホール1706をガイドとして用いて、ペッグ512に関するパイロットホールをドリルで開ける。続いて、ピン1714および平面整列ガイド1700が取り除かれて、N-in-1切断ブロックのペッグ512がパイロットホール内に配置されて、残っている切断平面が作成される。参照整列ガイド1600に関する上述の空間距離の問題は、平面整列ガイド1700と同様の様式で容易に解決され得る。
【0062】
5-DOF面取りガイド
切断ガイド特定の実施態様では、5-DOF面取り切断ガイド1100が図11A~11Eに示される。図11Aは、面取り切断ガイド1100の上部の斜視図であり、図11Bは、その底部の斜視図であり、図11Cは、上面平面図であり、図11Dは、前方立面図であり、および、図11Eは、側面立面図である。面取り切断ガイド1100は、逆にした「L」の形状のガイド本体1102を備える。ガイド本体1102は、第一の取り付けスロット1104a、第二の取り付けスロット1104b、遠位ガイドスロット1106、前部ガイドスロット1108、および、面取りガイドスロット1110を備える。取り付けスロット1104の片方側は開いているので、面取り切断ガイド1100は、骨ピンの上へ滑ることができる。取り付けスロット開口部は、取り付けスロット1104の右側に、図11Dにおいて最もよく視覚化される。
【0063】
計画ソフトウェアは、計画された切断平面を正確に実行するために、正しい位置および方位にガイドスロットを配置するのに必要な位置に、5-DOF面取り切断ガイド1100の位置を規定する。また、外科的プランは、2つのピン平面(1202a、1202b、図12A~12Bに示される)も備え、その上に、切断平面に対して規定される骨ピン(1204a、1204b)が配置されて;2つの平面は、切断平面の全てに平行である交差軸を有する。ピン平面(1202a、1202b)は、面取り切断ガイド1100の公知の寸法、および計画された切断平面のPOSEを用いて規定され得る。例えば、計画ソフトウェアは、ガイドスロットに対する取り付けスロット1104の位置および方位を知っている。これらの寸法を用いて、計画ソフトウェアは、第一のピン平面1204aおよび第二のピン平面1204bを規定し得る。4以上のピンを用いて2つのピン平面を規定することにより、5自由度が制約されて、それは、制約されない自由度が、切断平面の全てに平行である内側-外側方向にある場合に、外科的鋸を用いてTKA手順を行なうのに十分である。
【0064】
上述の1つのような外科的システムは、その結果、骨ピン(1204a.1204b)をピン平面(1202a、1202b)上に実質的に一致して配置するために用いられる。再度、ピン1204は、その平面上に任意的な位置および方位で挿入され得る。面取り切断ガイド1100の取り付けスロット1104は、図12Cに示されるように、骨ピン(1204a.1204b)の上を滑る。それからユーザーは、それぞれのガイドスロットを通して外科的鋸をガイドすることによって、遠位切断平面、前部切断平面、後部切断平面、および面取り切断平面を作成する。それから、面取りガイド1100および骨ピン1204が取り除かれる。遠位および後部切断表面に合う第二の切断ガイド(図示せず)は、本明細書に記載の切断ガイド、ピン平面、および骨ピンの同様の実施態様を用いて、前部切断をガイドすることができる。
【0065】
ピン整列ガイド
整列ガイドの特定の実施態様では、ピン整列ガイド1300は、図13Aおよび図13Bに示される。ピン整列ガイド1300は、管状本体1302、および、管状本体1302から外側に押し出しているフィン1304を備える。ピン整列ガイド1300は、骨ピンが特定の距離だけ離れて配置されるのを必要とする切断ガイドによる使用のために、ユーザーが骨ピンを整列するのを助ける。例えば、図14Aおよび14Bに示される切断ガイド1400は、ガイドスロット1402、および、特定の距離だけ離れ得て配置された骨ピンを受け入れる2つのホール1404を備える。
【0066】
ピン整列ガイド1300を用いるために、図15Aに関して、少なくとも2つの垂直なチャネル平面が、計画ソフトウェアにおいて規定される。第一のチャネル平面は、骨上に第一のチャネル1502を作成するために、計画された遠位切断平面310、および、ガイドスロット1402とホール1404の中心との間の距離を用いて上述のように規定される。第二のチャネル平面は、骨上に第二のチャネル1504を作成するために、第一のチャネル平面に垂直に規定される。第三のチャネル平面は、第一のチャネル平面に垂直に規定されて、切断ガイド1400のホール1404の中心間の距離だけ内側/外側に並進される。チャネル(1502、1504)は、上述のように外科的システムを用いて骨上に正確にミルされる。
【0067】
第一のチャネル1502と第二のチャネル1504との交点(1506に示される)は、図15Bに示されるようにピン整列ガイド1300を受け入れて、ここで、フィン1304は、チャネル内に直接合う。それからユーザーは、パイロットホール、または、ピン整列ガイド1300の管状本体1302を直接通って骨ピンをドリルで開けることができる。手順を繰り返して、骨上に任意のさらなる骨ピンを配置する。続いて、切断ガイド1400のホール1404が骨ピンの上に配置されて、骨切断が計画されたとおりに作成される。この技術は、他の切断ガイドに関して同様に用いられ得ることが理解されるべきである。例えば、ピン整列ガイド技術を用いて、4-in-1ブロック500のペッグ512に関する大腿骨Fの遠位切断416上に、パイロットホールを作成することができる。
【0068】
脛骨の切断平面
脛骨の切断平面は、上述のものと同様の実施態様を用いて作成され得て、本明細書における要旨を読んだ後に、当業者に明らかである。
【0069】
特定の実施態様では、脛骨の切断ガイドは、内外反回転、内部-外部回転、屈曲-伸長回転、および、近位-遠位位置で整列され得る。前部-後部位置は重要でない。脛骨の切断ガイドは、計画された前部-後部方向と整列された交差軸を有する2つの平面上に配置された2以上のピンを用いて配置される。例えば、2つの平面は、ガイドがピン上に配置された場合に、前部-後部を除いた全ての自由度が制約されるように、内外反で±45度配向される。
【実施例0070】
実施例:遠位切断ガイド、整列ガイドおよび4-in-1ブロック
試験は、2-DOF外科的システム100、普遍的な遠位切断ガイド400、オフセット整列ガイド700および4-in-1ブロック500を用いて、大腿および脛骨の鋸骨上に行なわれた。人工靭帯を、鋸骨の間に取り付けて、膝の運動力学を模倣した。試験の目的は、大腿の鋸骨(以降、大腿骨と呼ばれる)上に平面切断を作成するのに要する合計時間を評価するためであった。計時は、大腿の追跡アレイ120bを固定する前に始まり、大腿骨上の最後の切断平面が完成したときに終了した。
【0071】
始めるために、大腿の追跡アレイ120bを、大腿骨の側面サイドに固定した。追跡されたデジタイザプローブを用いて、遠位大腿の表面上の様々なポイントを収集した。収集したポイントを用いて、大腿骨のPOSEを外科的プランに登録した。2-DOF外科的デバイス104を用いて、仮想ピン平面414内に2つのホールをドリルで開けて、仮想ピン平面414は、試験の前に、計画ソフトウェア内に規定された。それから、標準的なドリルを用いて、ドリルで穴が開けられたホール内にピン412を挿入した。普遍的な遠位切断ガイド400をピン412にクランプして、遠位切断ガイド400のスロット406を通してガイドされる外科的鋸を用いて遠位切断416を作成した。それから、遠位切断ガイド400およびピン412を大腿骨から取り除いた。
【0072】
それから、2-DOF外科的デバイス104を用いて、仮想チャネル平面に沿って遠位切断表面416上にチャネル800をミルして、仮想チャネル平面は、試験の前に、計画ソフトウェア内に規定された。オフセット整列ガイド700の突起部704をチャネル800内に配置して、標準的なドリルを用いて、オフセット整列ガイド700の2つのホール604’によってガイドされる遠位表面416上に2つのホールをドリルで開けた。オフセット整列ガイド700をチャネル800から取り除いて、4-in-1ブロック500のペッグ512を、2つのドリルで開けられたホール内に配置した。残っている4つの平面切断を、4-in-1ブロック500のガイドスロット(504、506、508、および510)によってガイドされる外科的鋸を用いて作成した。大腿の追跡アレイ120bの固定から最終的な切断平面の作成までの記録された時間は、およそ18分であった。
【0073】
試験中に、標準的なドリルは動力を失い、充電が必要であったことは注目に値する。計時は、充電ステップ中に止められなかった。経験のある外科医は、この試験手順を、およそ10~15分で実施することができると推測される。
【0074】
接合ピン駆動デバイス
上述の2-DOF外科的システム100のデバイス204の接合は、1つまたは複数の仮想平面と一致するようにツール/ピンを正確に整列することができる。しかしながら、外科医は、なおも、ピンを挿入またはピンのためのパイロットホールを作成するために、デバイス204を骨に向かって手作業で前進させなければならず、それは、外科医にとって快適でないであろう。加えて、デバイスを操作しているあいだの外科医または骨による極端または突然の動きは、ピン整列において小さなエラーをもたらし得る可能性がある。極端または急な動きに対する寄与ファクターは、接合移動範囲、または、中でデバイスが204を操作するワークスペースに関する、使用中のリアルタイム情報の不足であり得る。
【0075】
ユーザーにさらなるコントロールおよびフィードバックを提供するために、2-DOF外科的デバイス104は、第三のピン駆動自由度を備えるように改変され得て、以降、接合ピン-ドライバーデバイス104’と呼ばれる。図18A~18Cに関して、同様の参照数字は、前述の図に関するその数字に帰する意味を有し、接合ピンドライバーデバイス104’の特定の実施態様が示される。2-DOF外科的デバイス104のコンポーネントに加えて、接合ピンドライバーデバイス104’の作業部204’は、ピン206’を骨の中に駆動するように構成されたコンポーネントをさらに備える。具体的には、図18Cに関して、作業部204’は、モーター205、モーターカプラー1808、ピン駆動ボールスクリュー1804、ピンホルダー1806、およびピン206’を備える。特別に適合されたキャリッジ1810は、作業部204’を支持および保持するように構成されて、ピンを作動するためのメカニズムを備えてよい。一部の発明の実施態様では、キャリッジ1810は、ピン駆動ボールナット1812および接続部材1814、例えば、直線レール(208a、208b)の第一の末端と接続されるヒンジ(220a、220b)としての機能を果たすための、ロッド、ドエルまたは軸を受け入れるための、ホール、軸受、または軸サポートを備える。モーターカプラー1808は、モーター205を、ピン駆動ボールスクリュー1804と連結する。ピン駆動ボールスクリュー1804は、ピン駆動ボールナット1812と機械的に連通している。ピンホルダー1806は、ピン駆動ボールスクリュー1804を、ピン206’と接続する。ピン206’は、ピンホルダー1806を用いて着脱可能に取り付けられて、ピン206’が、中に挿入されたときに骨内に残るのを可能にする。モーター205は、ピン駆動ボールスクリュー1804およびピン206’を双回転的に駆動して、ピン206’を骨の中に前進および駆動し得る。コンポーネントは、モーター直線レール(図示せず)と動作可能に接続されたモーターキャリッジ(図示せず)をさらに備えてよい。モーターキャリッジは、モーター205がモーター直線レールに沿って並進するのを可能にしながらモーター205が回転しないようにモーター205に固定される。モーター直線レールは、キャリッジ1810から伸長してよい。図18Aは、ピン206’を引き込まれた状態で表わし、図18Bは、ピン206’を伸長された状態で表わし、ここで、ピン206’は、距離「d2」だけ並進することができる。外側ガード1802は、作業部204’内の作動メカニズムからユーザーをガードするために存在し得る。外側ガード1802が存在する場合は、ガード1802は、ピン206’が引き込まれた状態である場合にピン206’全体を隠す寸法であってよく、または、骨挿入の前にピン206’の先端がユーザーに見えるのを可能にするために、ガード1802は、ピン206’の一部を隠すのみでよい。
【0076】
特定の実施態様では、作業部204’は、ピン206’を回転するための第一のモーター205、および、ピン206’を並進駆動するための第二のモーター(図示せず)を備えてよい。第二のモーターは、第一のモーター205とともに構成されたギアラックまたは反対のボールナットと連通しているウォーム歯車またはボールスクリューを回転し得る。第二のモーターが、ボールスクリューまたはウォーム歯車を双回転的に駆動すると、第一のモーター205およびピン206’は、それに従って並進する。
【0077】
接合ピン駆動デバイス104’のデバイスコンピューター108は、ピン駆動の動作をコントロールするためのハードウェアおよびソフトウェアをさらに備えてよい。一実施態様では、デバイスコンピューター108は、作業部(204、204’)のPOSEを維持するために、前部アクチュエータ210aおよび背部アクチュエータ210bをそれぞれ独立にコントロールするための2つのモーターコントローラーを備える。第三のモーターコントローラーは、ピン206’を骨の中に駆動および回転するためのモーター205を独立にコントロールし得る。第一のモーター205がピン206’を回転させて第二のモーター(図示せず)がピン206’を並進させる特定の実施態様では、デバイスコンピューター108は、第一のモーター205および第二のモーターを独立にコントロールするための2つの別個のモーターコントローラーを備えてよい。
【0078】
特定の実施態様では、図19A~19Bに関して、接合デバイス104’は、ハンドヘルド部202に取り付けまたは一体化された骨安定化部材1902を備える。骨安定化部材1902は、骨に接触してハンドヘルド部202を安定化して、一方で作業部204’が接合するように構成された、骨接触エレメント(1904a、1904b)を備える。骨接触エレメント(222a、222b)は、平らな表面、尖った突出、または、骨と相互作用しておよびハンドヘルド部202を安定化するためのギザギザしたエッジを備える表面であってよい。骨接触エレメント(単数または複数)(1904a、1904b)は、ピン206’がどれくらい深く骨内に挿入され得るかに負の影響を及ぼさずにエレメント(単数または複数)(1904a、1904b)が骨と接触し得るように、作業部204’をちょうど超えて突出する。ピン206’を駆動するための接近した領域内にユーザーが存在する場合は、ユーザーは、骨接触エレメント(1904a、1904b)を介して骨にハンドヘルド部202を安定化し得る。ハンドヘルド部が安定化されると、作業部204’は、ピン206’が仮想ピン平面と正確に一致するまで、さらに接合する。特定の実施態様では、ピン206’が仮想ピン平面214と整列した時点で、システム100は、アクチュエータ(210a、210b)を自動的にロックして、ピン206’を骨の中に駆動するようにモーター205を起動する。別の実施態様では、ユーザーは、システム100が、アクチュエータ(210a、210b)をロックするか、ピン206’を駆動するかのいずれか、または両方の前に、トリガー214またはボタンのようなユーザー入力メカニズムを起動する。したがって、ユーザーは、いつピン206’が骨の中に駆動されるかを予測およびコントロールすることができる。このユーザー入力メカニズムは、一般に、ピン206’の伸長または引込の量をコントロールするためにユーザーによって同様に用いられ得る。
【0079】
特定の実施態様では、図19Aに関して、LEDまたはディスプレイのような1つまたは複数の表示器1906が、デバイス104’に取り付けまたは一体化される。表示器1906は、外側ガード1802、作業部204’、または、ハンドヘルド部202などに取り付けられ得る。表示器(単数または複数)1906は、デバイス104’に関する所望の位置に対するデバイス104’の現在の位置に関して、ユーザーにフィードバックを提供する。例えば、表示器1906は、デバイス104’が3つのボールスクリュー(216a、216b、1804)の移動範囲の外側であることを示すために赤信号を送信し得る。換言すれば、赤信号は、作業部204’およびピン206’が、所望の位置、方位、または、ピン206’を挿入する所望の深さに到達するために、もはや接合され得ない場合に送信される。表示器1906は、ユーザーが移動範囲に近づいている場合に黄色信号、および、ピン206’が仮想ピン平面と整列している場合に緑信号を送信し得る。表示器1906は、デバイス104’が移動範囲を超えるのにどれくらい近いか、または、ピン206’が仮想ピン平面にどれくらい近いかに基づいて、点滅周波数を変更する点滅ライトをさらに生じ得る。また、表示器1906は、デバイス104’が、ピンを骨の中に自律的に配置する準備ができているときも示し得る。特定の実施態様では、作業部204’は、表示器1906がアクティブ状態になるまで作動せず、ここで、アクティブ状態は、デバイス104’がボールスクリューの移動制限内にある場合にトリガーされる。表示器1906によって伝えられるこのデータは、a)デバイス運動力学のような、デバイス104’から直接集められた局所データ;b)追跡システム106から集められた追跡データ;c)外科的プランとデバイス104’のPOSEの比較;またはd)それらの組み合わせのいずれかに基づいて容易に利用可能である。
【0080】
特定の実施態様では、図20Aおよび20Bに関して、接合デバイス104’は、部分的なエンクロージャ2002を備える。図20Aは、部分的なエンクロージャ2002を備える接合デバイス104’の斜視図であり、図6Bは、その横断面図である。部分的なエンクロージャ2002は、ハンドヘルド部202に取り付けられて、作業部204’を部分的に取り囲む。作業部204’は、部分的なエンクロージャ2002内で接合することが可能である。部分的なエンクロージャ2002は、作業部204’の移動範囲に相当する「h」の内寸(すなわち高さまたは直径)を有する。この寸法「h」は、作業部204’の並進「d」を構成し得て、任意のさらなる高さは、作業部204’のピッチ「α」を構成するのに必要とされる。部分的なエンクロージャ2002の利点は、作業部204’の移動範囲またはワークスペースに関するガイドをユーザーに提供することである。ユーザーは、部分的なエンクロージャ2002の前方末端を骨上に単純に配置して、ハンドヘルド部202を安定化することができ、そのときに、作業部204’は、仮想ピン平面に接合して、ピン206’を骨の中に駆動することができる。ユーザーは、もはや、小さなピン206’をピン平面に直接的に狙おうとはしないが、むしろ、より大きなガイド、部分的なエンクロージャ2002を用いて、ピン平面の全体的な近辺にピン206’を置いて、作業部204’が整列を行なうのを可能にする。加えて、ユーザーは、ピン206’を整列するあいだ、もはや、作業部204’の移動制限を超える心配をする必要がない。
【0081】
部分的なエンクロージャ2002の前方末端は、ハンドヘルド部202を安定化するための骨接触エレメント(1904a、1904b)としての機能を果たし得て、ギザギザしたエッジまたは1つまたは複数の尖った突出のような特徴をさらに備えてよい。
【0082】
ピン206’は、伸長された状態で部分的なエンクロージャ2002を超えて伸長して、図6Bに示されるようにピンが骨の中に駆動されるのを可能にする。ピン206’が引き込まれた状態にある場合は、ピン206’は、部分的なエンクロージャ2002内に取り囲まれる。
【0083】
部分的なエンクロージャ2002は、ユーザーが、上述のように所望のピン平面にデバイス104’を配置するのを助けるための表示器1906をさらに備えてよい。
【0084】
部分的なエンクロージャ2002は、追跡アレイ212を、作業部204’、または作業部204’の外側ガード1802’に取り付けるのを可能にして、追跡システム106が、作業部204’のPOSEを、それが接合するときに追跡するのを可能にするようにさらに構成される。
【0085】
特定の実施態様では、図21Aおよび21Bに関して、接合デバイス104’は、全体的なエンクロージャ2102を備える。図7Aは、全体的なエンクロージャ2102を備える接合デバイス102の斜視図であり、図7Bは、その横断面図である。全体的なエンクロージャ2102は、追跡アレイ212が、全体的なエンクロージャ2102に直接取り付けられる点を除いて、部分的なエンクロージャ2002と同様の原理で構成されて、同様の利点を有する。追跡アレイ212は、全体的なエンクロージャ2102に取り付けられるので、作業部204’をコントロールするためのコントロールスキームは、改変されなければならず、ここで、デバイス運動力学が、作業部204’のPOSEを決定するために用いられる。特に、追跡システム106は、アレイ212とハンドヘルド部202との間の幾何学的関係に基づいてハンドヘルド部202を追跡して、アクチュエータ(210a、210b)の位置(すなわち、ボールスクリュー(216a、216b)上のボールナット(218a、218b)の位置に対応するアクチュエータの回転位置)を用いて、ハンドヘルド部202に対する作業部204’のPOSEを決定する。したがって、コンピューターシステム102は、ピン206’をコントロールして仮想ピン平面と整列するための新たなアクチュエータ位置を決定することができる。
【0086】
部分的なエンクロージャ2002および全体的なエンクロージャ2102は、同様の利点で、2自由度よりも大きなハンドヘルドシステムに組み立てるためにサイズ化および適合され得ることが理解されるべきである。例えば、エンクロージャ(226、228)の内寸は、米国特許出願番号20130060278に記載のシステムのような1つまたは複数の並進方向、ピッチ、およびヨーで接合する接合部分を備えるデバイスの移動制限を収容し得ることが理解される。しかしながら、自由度の数が増大するにつれて、エンクロージャ(226、228)のサイズも増大し、それは、操作ワークスペースを妨げ得る。
【0087】
骨安定化部材1902、表示器1906、部分的なエンクロージャ2002、および、全体的なエンクロージャ2102の実施態様は、全て、図2A~2Bに示される2-DOF外科的デバイス104での使用に適用され得ることが、さらに理解されるべきである。
【0088】
双皮質性ドリル
骨ピンを骨内でさらに安定化するために、骨の2つの皮質性領域を通してピンをドリルで開けるのが好ましくあり得て、双皮質性ドリルとも呼ばれる。しかしながら、ドリルビットまたはピンが、第二の皮質性領域を超えて軟組織の中にドリルで開けられる場合は、患者損害が生じ得る。したがって、第三のピン駆動作動軸は、ドリルビット/ピンが第二の皮質性領域を突き破る場合にドリルビット/ピンを引き込むために用いることもできることが提案される。
【0089】
特定の実施態様では、骨の突破は、Taha,Zahari,A.Salah,and J.Lee.「Bone breakthrough detection for orthopedic robot-assisted surgery」APIEMS 2008 Proceedings of the 9th Asia Pacific Industrial Engineering and Management Systems Conference.2008に記載の方法のような既存の方法を用いて検出されて、その全体で参照により本明細書に援用される。接合ピン駆動デバイス104’は、その結果、ユーザーがハンドヘルド部202をどのように動かしているかにかかわらず、骨に対して一定の最適な引込スピードでドリルビット/ピンを自動的に引き込む。このことは、ドリルビット/ピンが第二の皮質性領域を突破する場合に、いかなる患者の損害も引き起こさないようにドリルビット/ピンが引き込まれることを確実にする。引込スピードは、ハンドヘルド部202の現在のスピードと組み合わされた、最適な引込スピードの関数である。
【0090】
ハンドヘルド部202と骨との間の相対的スピードは、いくつかの異なる方法で測定され得る。一実施態様では、骨に対するハンドヘルド部202のスピードは検出されず、その代わりに、スピードは推測される。別の実施態様では、レーザー距離測定デバイスのような、単純な直線距離測定ツールが用いられる。特定の実施態様では、追跡システム106は、骨およびハンドヘルド部202のそれぞれの上の1つまたは複数の基準マーカーを用いて骨およびハンドヘルド部202の両方を追跡するために用いられる。
【0091】
他の実施態様
少なくとも1つの例示的な実施態様が前述の詳細な説明に提示されているが、膨大な数の変動が存在することが理解されるべきである。また、例示的な実施態様(単数または複数)は単に例示であって、いかなる方法においても、記載される実施態様の範囲、適用性、または構成を制限することを意図しないことも理解されるべきである。むしろ、前述の詳細な説明は、例示的な実施態様(単数または複数)を実施するための便利なロードマップを当業者に与える。添付の特許請求の範囲に記載の範囲およびその法的等価物を逸脱せずに、エレメントの機能および配列に様々な変更がなされ得ることが理解されるべきである。
【0092】
前述の説明は、本発明の特定の実施態様の例示であるが、その実施の際の制限であることを意味しない。以下の特許請求の範囲は、その全ての等価物を含んで、本発明の範囲を定義することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A-D】
図16E
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内にピンを挿入するための外科的デバイスであって、
前記外科的デバイスは、
ハンドヘルド部;
前記ハンドヘルド部に可動的に接続された作業部;
前記骨内への前記ピンの挿入のために前記ピンを駆動するためのモーター;および
アクチュエーターシステム
を備え、
前記アクチュエーターシステムは、前記骨に関して所定の位置を有する仮想平面と一致した前記ピンの軸の配置を位置すべく、前記仮想平面と一致した前記骨内の前記ピンの挿入のために、前記骨および前記ハンドヘルド部の少なくとも一方の動きに対応するコントロールシグナルに応答して前記作業部を前記ハンドヘルド部に関して動かすためのものである、
外科的デバイス。
【請求項2】
バッテリーによって動力供給される、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項3】
前記仮想平面が、前記骨上に作成される切断面の所定の位置に関して配向される、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項4】
前記仮想平面の配向が、前記切断面の前記所定の位置から所定の距離だけオフセットしている、請求項3に記載の外科的デバイス。
【請求項5】
前記所定の距離が、切断ガイドの形状に少なくとも部分的に基づく、請求項4に記載の外科的デバイス。
【請求項6】
前記ピンをさらに備える、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項7】
前記コントロールシグナルが、1つまたは複数のコンピューターによって生成される、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項8】
前記1つまたは複数のコンピューターが、前記外科的デバイスの決定された位置および方位(POSE)を示すPOSEデータを追跡システムから受信する、請求項7に記載の外科的デバイス。
【請求項9】
前記1つまたは複数のコンピューターをさらに備える、請求項8に記載の外科的デバイス。
【請求項10】
前記1つまたは複数のコンピューターが、前記ハンドヘルド部内に収容されている、請求項9に記載の外科的デバイス。
【請求項11】
前記1つまたは複数のコンピューターが、前記POSEデータを前記追跡システムからワイヤレスで受信する、請求項8に記載の外科的デバイス。
【請求項12】
前記追跡システムが、光学追跡システムである、請求項8に記載の外科的デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の外科的デバイスであって、
前記アクチュエーターシステムは、第一のアクチュエーターおよび第二のアクチュエーターを備えており、
前記第一のアクチュエーターおよび第二のアクチュエーターは、前記コントロールシグナルに応答して前記ハンドヘルド部に関して前記作業部を並進移動させるためのものである、
外科的デバイス。
【請求項14】
前記作業部が、追跡システムによって追跡される3つ以上の基準マーカーをさらに備える、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項15】
前記3つ以上の基準マーカーが追跡アレイ上にあり、前記追跡アレイは前記作業部に取り付けられている、請求項14に記載の外科的デバイス。
【請求項16】
前記モーターが、前記ピンの軸の周りで前記ピンを回転させることによって前記ピンを駆動する、請求項1に記載の外科的デバイス。
【請求項17】
前記骨に膝関節形成を行なう、請求項1に記載の外科的デバイス。
【外国語明細書】