(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023052891
(43)【公開日】2023-04-12
(54)【発明の名称】作動されるバルブの制御および監視のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F15B 19/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
F15B19/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015250
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2020529131の分割
【原出願日】2018-12-18
(31)【優先権主張番号】62/693,009
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/608,777
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/608,771
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518337784
【氏名又は名称】スウェージロック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グライム,ウィリアム エイチ.サード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルブの流体駆動アクチュエータのパフォーマンスを監視する方法を提供する。
【解決手段】予圧された流体が、アクチュエータ820を動作させるために、第1の時間期間中に、アクチュエータ供給ライン829を介してアクチュエータ820の入口ポートに供給される。アクチュエータ供給ライン829内の流体流れ状態に対応する変化が、第1の時間期間中に測定され、測定された変化は、バルブ810とアクチュエータ820とのうちの少なくとも1つでの非準拠状態を識別するために分析される。識別された非準拠状態を通信する出力が、その後に生成される。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動されるバルブ・システムであって、
流れ制御バルブ要素を含むバルブと、
前記バルブと共に組み立てられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、流体駆動アクチュエータ部材と流体連通する入口ポートを含み、前記流体駆動アクチュエータ部材は、前記流れ制御バルブ要素と動作可能に接続され、かつ、少なくとも最小作動圧力までの前記入口ポートの与圧に応答して通常位置から作動位置まで可動であり、前記アクチュエータは、前記入口ポートの減圧の際に前記流体駆動アクチュエータ部材を前記通常位置に戻すためにバイアス力を印加するように構成される、アクチュエータと、
前記入口ポートと接続された供給ポートを有するパイロット・バルブであって、前記パイロット・バルブは、第1の位置で前記入口ポートに与圧された流体を供給し、第2の位置で前記パイロット・バルブ内の排気ポートを介して前記入口ポートから与圧された流体を排気するように動作可能である、パイロット・バルブと、
前記パイロット・バルブが前記第2の位置に移動される時に、前記流体駆動アクチュエータ部材に抗して前記最小作動圧力より低い非作動正圧を保持するように前記入口ポートと流体連通する背圧配置と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記背圧配置は、前記入口ポート、前記パイロット・バルブ、および前記パイロット・バルブを前記入口ポートに接続するアクチュエータ供給ラインのうちの少なくとも1つと接続するための少なくとも第1の端接続部を有する背圧デバイスを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記背圧デバイスは、チェック・バルブおよびリリーフ・バルブのうちの少なくとも1つを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記背圧デバイスは、前記パイロット・バルブの排気ポートと共に組み立てられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記背圧デバイスは、前記パイロット・バルブの供給ポートと共に組み立てられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記入口ポートとの流体連通する人工的漏出経路をさらに備え、前記人工的漏出経路は、前記パイロット・バルブが前記第2の位置にある間に、前記流体駆動アクチュエータ部材に抗して前記非作動正圧を低下させるように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記人工的漏出経路は、60秒未満以内に前記流体駆動アクチュエータ部材に抗して前記非作動正圧を低下させるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記人工的漏出経路は前記背圧配置と一体化される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記背圧配置は前記アクチュエータ内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体駆動アクチュエータ部材の前記通常位置から前記作動位置までの移動は、前記流れ制御バルブ要素をシャットオフ位置から流体流れ位置まで移動させる、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記非作動正圧は、前記バイアス力より小さい正味戻り力を生み出すように、前記流体駆動アクチュエータ部材に抗しかつ前記バイアス力に対抗する制動力を印加する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記正味戻り力は、前記バイアス力の2分の1未満である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記流体駆動アクチュエータ部材はピストンを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記非作動正圧は、前記最小作動圧力の約10%~90%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは、前記パイロット・バルブを前記入口ポートに接続するアクチュエータ供給ラインと接続されたセンサをさらに備え、前記センサは、前記通常位置と前記作動位置との間での前記流体駆動アクチュエータ部材の移動、および前記流体駆動アクチュエータ部材を通る与圧された流体の漏れのうちの少なくとも1つに対応する、前記アクチュエータ供給ライン内の流体流れ状態を測定するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサは流れセンサを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサは圧力センサを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
背圧デバイスであって、
入口ポートから出口ポートまで延びる通路を画定する本体と、
前記通路内に配置されたシートと、
前記本体内に配置され、かつ、前記シートとシール係合するようにバイアスされたシール部材であって、前記シール部材は、前記出口ポートを介してセットされた空気圧より大きいあらゆる過剰な空気圧を解放するために、前記セットされた空気圧で前記シートから分離する、シール部材と、
前記入口ポートと流体連通し、かつ、前記セットされた空気圧と等しい入口圧力で約0.25sccmと2.5sccmとの間の漏出速度を提供するように構成された人工的漏出経路と、
を備える、背圧デバイス。
【請求項19】
前記セットされた空気圧は、約10psiと約60psiとの間にある、請求項18に記載の背圧デバイス。
【請求項20】
前記人工的漏出経路は、前記本体、前記シート、および前記シール部材のうちの少なくとも1つによって画定される、請求項18に記載の背圧デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、それぞれの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2017年12月21日に出願した米国特許仮出願第62/608771号、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR MONITORING ACTUATED VALVES」、2017年12月21日に出願した米国特許仮出願第62/608777号、名称「ACTUATED VALVE SYSTEMS WITH REDUCED ACTUATOR RETURN FORCE」、および2018年7月2日に出願した米国特許仮出願第62/693009号、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROL AND MONITORING OF ACTUATED VALVES」の優先権およびすべての利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータは、しばしば、バルブおよび他の流体システム構成要素を制御するのに使用される。アクチュエータは、空気圧、油圧、電気などを含む任意の個数の異なる設計のアクチュエータとすることができる。流体駆動アクチュエータは、バルブを通過するシステム流体の制御(たとえば、シャットオフ、計量、方向制御)のためにバルブ要素(たとえば、ロータリ・バルブ・ステム、プラグ、ダイアフラム、および/またはベローズ)を移動させるために、1つまたは複数の流体駆動アクチュエータ部材(たとえば、ピストン、ダイアフラム、ベローズなど)を移動させるのに空気などの予圧された流体を使用する。
【0003】
従来の作動されるバルブ・アセンブリは、バイアスするスプリングに打ち勝ち、アクチュエータ・ピストンおよび接続されたバルブ部材を移動させるためにアクチュエータ入口ポートの予圧に応答する作動位置と、アクチュエータ入口圧力の通気ならびにアクチュエータ・ピストンおよびバルブ部材のスプリング移動に応答する通常位置または戻り位置との間でのバルブの2位置動作に、スプリングによってバイアスされた空気圧アクチュエータを使用する。
【0004】
ピストンスタイル・アクチュエータによって作動されるバルブのサイクル寿命は、頻繁なサイクル移動(および対応する摩耗)、極端な温度、および厳しい大気状態を受ける可能性があるアクチュエータ・ピストン・シール(たとえば、Oリングまたはガスケット)によってしばしば制限される。これらの状態の結果として、ピストン・シール摩耗または潤滑油の消失が、アクチュエータ・シールを通る漏れおよび/またはアクチュエータ・ハウジング内のピストンの増加した摩擦につながる可能性がある。経時的に、この増加する漏れまたは摩擦は、不完全なまたは妨げられたバルブ作動および最終的なバルブ故障をもたらし、不完全な流体供給、スケジューリングされないシステム・ダウンタイム、および修理コストをもたらす可能性がある。
【0005】
他の応用例では、バルブの望ましくない状態(たとえば、増加した摩擦、シート損傷、システム汚染)は、潜在的なバルブ漏れおよび/または流体システム汚染に加えて、作動されるバルブの妨げられた状態またはスタック状態をもたらす可能性がある、バルブ内での作動に対する増加した抵抗をもたらす可能性がある。さらなる他の応用例では、バルブの望ましくない状態(たとえば、パッキン荷重の消失、破砕されたアクチュエータ・スプリングまたはバルブ要素)は、バルブ内での作動に対する減らされた抵抗をもたらす可能性があり、これが、バルブ漏れをもたらす可能性がある。
【0006】
さらなる他の応用例では、アクチュエータ予圧力および/またはスプリング戻りストローク力が、バルブ部材とバルブ・シートとの間の過剰な閉じる力(シート/シール摩耗、変形、および/または粒子生成をもたらす可能性がある)または所望より高速もしくは低速のバルブ作動を含む望ましくない状態を生じる可能性がある。シャットオフ状態のバルブ要素に対して適当なシールを提供するために、バルブは、しばしば、バルブが閉じられる時にバルブ要素がシールする柔らかい(たとえば、プラスティック、エラストマ)バルブ・シートを備える。高いサイクル頻度、高いアクチュエータ圧力(「ノーマリ・オープン」流体駆動アクチュエータの場合)、および/または高温、大量の流れ、もしくは化学反応性などのバルブ・シートを歪ませる状態を伴う応用例では、バルブ要素とバルブ・シートとの間の閉じる力が、摩耗粒子を生成する可能性があり、この摩耗粒子が、流体システムを汚染し、かつ/またはバルブ・シート漏れをもたらす場合がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の例示的実施形態では、バルブに関する流体駆動アクチュエータのパフォーマンスを監視する方法が企図される。例示的な方法では、予圧された流体が、第1の時間期間中に、アクチュエータを動作させるために、アクチュエータ供給ラインを介してアクチュエータの入口ポートに供給される。アクチュエータ供給ライン内の流体流れ状態に対応する変化が、第1の時間期間中に測定され、測定された変化はバルブおよびアクチュエータのうちの少なくとも1つでの非準拠状態を識別するために分析される。その後、識別された非準拠状態を通信する出力が生成される。
【0008】
本開示の別の例示的実施形態では、作動されるバルブ・システムは、流れを制御するバルブ要素を含むバルブと、バルブと共に組み立てられたアクチュエータであって、バルブ要素に動作可能に接続され、アクチュエータの入口ポートの予圧に応答して通常位置から作動位置に可動の、流体駆動アクチュエータ部材を含む、アクチュエータとを含む。パイロット・バルブが、アクチュエータ供給ラインによってアクチュエータ入口ポートに接続され、パイロット・バルブは、第1の位置でアクチュエータ供給ラインに予圧された流体を供給し、第2の位置でアクチュエータ供給ラインから予圧された流体を排気するように動作可能である。圧力包含デバイスが、パイロット・バルブが第1の位置および第2の位置のうちの少なくとも1つにある時に、アクチュエータ供給ライン内のセットされた圧力を維持するために、アクチュエータ供給ラインに接続される。センサが、アクチュエータ供給ラインに接続され、センサは、通常位置と作動位置との間でのアクチュエータ部材の移動と、アクチュエータ部材を通る予圧された流体の漏れとのうちの少なくとも1つに対応するアクチュエータ供給ライン内の流体流れ状態を測定するように構成される。
【0009】
本開示の別の例示的実施形態では、作動されるバルブ・システムは、流れを制御するバルブ要素を有するバルブと、バルブと共に組み立てられたアクチュエータと、バルブ制御モジュールと、センサと、コントローラとを含む。アクチュエータは、バルブ要素に動作可能に接続され、アクチュエータの入口ポートの予圧に応答して通常位置から作動位置にバルブ要素と共に可動の流体駆動アクチュエータ部材を含む。バルブ制御モジュールは、アクチュエータ入口ポートに接続された作動ポートと、予圧された流体の供給源への接続のための予圧ポートと、排気ポートとを含む。バルブ制御モジュールは、さらに、アクチュエータ入口ポートの予圧のために、予圧ポートと作動ポートとの間の流れを許し、作動ポートと排気ポートとの間の流れを阻止する第1の状態と、予圧された流体をアクチュエータ入口ポート内に捕らえるために予圧ポートと作動ポートとの間の流れを阻止し、作動ポートと排気ポートとの間の流れを阻止する第2の状態と、アクチュエータ入口ポートを排出するための、予圧ポートと作動ポートとの間の流れを阻止し、作動ポートと排気ポートとの間の流れを許す第3の状態との間で動作可能なパイロット・バルブ配置を含む。センサは、アクチュエータ入口ポート内の流体圧力を測定するために、アクチュエータ入口ポートと流体連通している。コントローラは、 第1、第2、および第3の状態へのパイロット・バルブ配置の動作に関してセンサおよびパイロット・バルブ配置と回路通信し、コントローラは、センサからコントローラに通信される測定された流体状態に応答して、パイロット・バルブ配置の動作を自動的に調整するように構成される。
【0010】
本開示の別の例示的実施形態では、作動されるバルブ・システムは、流れを制御するバルブ要素を含むバルブと、バルブと共に組み立てられるアクチュエータとを含む。アクチュエータは、バルブ要素に動作可能に接続され、アクチュエータの入口ポートの予圧に応答してバルブ要素と共に通常位置から作動位置に可動の流体駆動アクチュエータ部材と、予圧されたアクチュエータの通気に応答してアクチュエータ部材およびバルブ要素を作動位置から通常位置に戻すように構成されたバイアス・スプリングとを含む。バイアス・スプリング配置は、アクチュエータ部材およびバルブ要素を通常位置から差同一に移動するのに必要なアクチュエータ圧力が、通常位置からアクチュエータ・ストロークを開始するのに必要なアクチュエータ圧力より少なくとも50%高くなるように構成されたばね定数を有する。
【0011】
本開示の別の例示的実施形態では、作動されるバルブ・システムは、バルブと、アクチュエータと、パイロット・バルブと、背圧配置とを含む。アクチュエータは、バルブ要素に動作可能に結合された流体駆動アクチュエータ部材と流体連通する入口ポートを含み、少なくとも最小作動圧力までの入口ポートの予圧に応答して通常位置から作動位置まで可動である。アクチュエータは、入口ポートの減圧の際にアクチュエータ部材を通常位置に戻すためにバイアス力を印加するように構成される。パイロット・バルブは、アクチュエータ入口ポートに接続された供給ポートを有し、第1の位置でアクチュエータ入口ポートに予圧された流体を供給し、第2の位置でパイロット・バルブ内の排気ポートを介してアクチュエータ入口ポートから予圧された流体を排気するように動作可能である。背圧配置は、パイロット・バルブが第2の位置に移動される時に、アクチュエータ部材に抗して最小作動圧力より低い正圧を保持するために、アクチュエータ入口ポートと流体連通している。
【0012】
本開示の別の例示的実施形態では、背圧デバイスは、入口ポートから出口ポートに延びる通路を画定する本体と、通路内に配置されたシートと、本体内に配置されたシール部材と、入口ポートと流体連通している人工的漏出経路とを含む。シール部材は、入り口ポートに印加される空気圧でシートとシールする係合にバイアスされ、シール部材は、出口ポートを介して、入口ポートに印加されたセットされた空気圧を超えるすべての過剰な空気圧を解放するために、シートから分離する。人工的漏出経路は、セットされた空気圧と等しい入口圧力で約0.25sccmと2.5sccmとの間の漏出速度を提供するように構成される
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図2】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図3】バルブ動作全体を示す、
図2の作動されるバルブ・システムの例示的なバルブ・サイクル圧力プロファイルを示す図である。
【
図4】不完全なまたは失敗した作動を示す、
図2の作動されるバルブ・システムの例示的なバルブ・サイクル圧力プロファイルを示す図である。
【
図5】アクチュエータ・ピストンを通る漏れを示す、
図2の作動されるバルブ・システムの例示的なバルブ・サイクル圧力プロファイルを示す図である。
【
図6】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図7】
図6の作動されるバルブ・システムの例示的なバルブ・サイクル圧力プロファイルを示す図である。
【
図8】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図9】
図8の作動されるバルブ・システムの例示的なバルブ・サイクル圧力プロファイルを示す図である。
【
図10】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図11】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図12】本開示の別の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図12A】本開示の別の例示的実施形態による、パイロット・バルブ配置を示す概略図である。
【
図12B】本開示の別の例示的実施形態による、別のパイロット・バルブ配置を示す概略図である。
【
図13】本願の例示的実施形態による、作動されるバルブ・システムを示す概略図である。
【
図14】本願の別の例示的実施形態による、背圧デバイスを示す概略断面図である。
【
図15】本願の別の例示的実施形態による、背圧デバイスを示す概略断面図である。
【
図16】本願の別の例示的実施形態による、バルブ・アクチュエータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の様々な発明的な態様、概念、および特徴が、本明細書では例示的実施形態の組合せにおいて実施されるものとして説明され、図示される場合があるが、これらの様々な態様、概念、および特徴は、個別にまたはその様々な組合せおよび副組合せのいずれであれ、多数の代替実施形態で使用され得る。本明細書で明示的に除外されない限り、すべてのそのような組合せおよび副組合せは、本発明の範囲に含まれることが意図されている。さらに、本発明の様々な態様、概念、および特徴に関する様々な代替実施形態(代替の材料、構造、構成、方法、回路、デバイスおよび構成要素、形態、あてはめ、および機能に関する代替物など)が本明細書で説明される場合があるが、そのような説明は、現在既知であれ今後に開発されるものであれ、使用可能な代替実施形態の完全なリストまたは網羅的リストであることを意図されたものではない。当業者は、そのような実施形態が本明細書で特に開示されない場合であっても、本発明の範囲内で、発明的態様、概念、または特徴のうちの1つまたは複数を追加の実施形態および用途にたやすく適合させることができる。さらに、本発明の特徴、概念、または態様の一部が、好ましい配置または方法として本明細書で説明される場合があるが、そのような説明は、特にそのように述べられない限り、そのような特徴が要求されまたは必要であることを暗示することを意図されたものではない。さらに、例示的なまたは代表的な値および範囲が、本開示の理解を助けるために含まれる場合があるが、そのような値および範囲は、限定的な意味で解釈されてはならず、そのように特に述べられる場合に限って、クリティカルな値または範囲であることが意図されている。「約」指定された値として識別されるパラメータは、そうではないと特に述べられない限り、指定された値と指定された値の10%以内の値との両方を含むことが意図されている。さらに、本開示に付随する図面は、原寸通りである場合があるが、そうである必要はなく、したがって、図内で明白な様々な比率を教示するものと理解することができる。さらに、様々な態様、特徴、および概念が、発明的または発明の一部を形成するものとして本明細書で特に識別される場合があるが、そのような識別は、排他的であることを意図されたものではなく、むしろ、発明的態様、概念、および特徴または特定の発明の一部として特に識別されない、本明細書で十分に説明される発明的態様、概念、および特徴がある可能性があり、本発明は、添付の特許請求の範囲に示される。例示的な方法またはプロセスの説明は、すべての場合に要求されるものとしてのすべてのステップの包含に限定されず、ステップが提示される順序は、そのように特に述べられない限り、要求されまたは必要と解釈されてはならない。
【0015】
本開示は、流体駆動(たとえば、空気圧)アクチュエータのパフォーマンスの監視および/または制御のシステムおよび方法を企図するものである。たとえば、流体駆動アクチュエータのパフォーマンスは、アクチュエータ破損、バルブ破損、またはアクチュエータ破損もしくはバルブ破損が差し迫っていることを示す状態(たとえば、流体駆動アクチュエータ部材を通る漏れ、要求される作動力の変化)を識別するために監視され得る。本開示の例示的実施形態は、直線作動されるバルブ(たとえば、ダイヤフラム・バルブ)と共に組み立てられるスプリングによってバイアスされた空気圧アクチュエータに関するが、本開示で説明される特徴および態様は、それに加えてまたはその代わりに、他のタイプのアクチュエータ(たとえば、油圧駆動または他の流体駆動のアクチュエータ、スプリング・バイアス式ではないアクチュエータ、複動アクチュエータ)、他のタイプのバルブ(たとえば、ロータリ・バルブ、ゲート・バルブなど)、および他のタイプの予圧された流体応用例に適用され得る。
【0016】
バルブ内に設置されまたはバルブと共に組み立てられるセンサ(たとえば、流量計、電気機械スイッチ)は、バルブ状態およびバルブのパフォーマンス特性を監視することができるが、極端なまたは過酷なシステム流体状態(たとえば、圧力、温度、腐蝕性/腐蝕薬流体)は、使用できるセンサのタイプおよび/またはそのようなセンサのサービス寿命を制限する可能性がある。
【0017】
本開示の例示的態様によれば、バルブおよびアクチュエータのパフォーマンスを、アクチュエータ流体流れ状態を監視することによって監視することができ、このアクチュエータ流体流れ状態は、アクチュエータ流体回路内のバルブ・アクチュエータからリモートの位置、たとえば、アクチュエータの入り口ポートに接続されたアクチュエータ供給ラインに予圧されたアクチュエータ流体を選択的に供給するパイロット・バルブまたはその付近でのそのような状態の測定または感知を提供することができるが、そうである必要はない。このリモート位置では、極端なまたは過酷なシステム流体状態または環境状態からの分離を達成することができる。
【0018】
異なるタイプのセンサが、バルブ・アクチュエータと流体連通して提供され得る。一例として、アクチュエータに直接にまたは間接に接続された流れセンサを使用して、流体圧力またはアクチュエータ・ピストンのスプリングの戻る動きに関連する流れ(たとえば、バルブの作動、作動のタイミング、作動の持続時間、作動に必要な圧力などを確認するために)またはアクチュエータ・ピストンを通る漏れに関連する流れ(たとえば、漸進的なアクチュエータ摩耗または著しい漏れに起因する差し迫ったアクチュエータ破損を識別するために)を検出することができる。別の例として、アクチュエータに直接にまたは間接に接続された圧力センサを使用して、流体圧力またはアクチュエータ・ピストンのスプリングの戻る動きに関連するか(たとえば、バルブの作動、作動のタイミング、作動の持続時間、作動に必要な圧力などを確認するために)、またはアクチュエータ・ピストンを通る漏れに関連する(たとえば、漸進的なアクチュエータ摩耗または著しい漏れに起因する差し迫ったアクチュエータ破損を識別するために)、アクチュエータ供給ライン圧力の変化を検出することもできる。
【0019】
図1は、アクチュエータ供給ライン129およびパイロット・バルブ140(たとえば、ソレノイド作動スイッチング・バルブ)または他の供給バルブによってアクチュエータ流体供給源150に接続されたアクチュエータ・ポート121を有する流体作動(たとえば空気圧)アクチュエータ120を有する作動されるバルブ110を含む作動されるバルブ・システム100を概略的に示す。アクチュエータ供給ライン129は、パイロット・バルブがアクチュエータ・ポートに直接に組み立てられ得るように、別々の導管構成要素(たとえば、管、パイプ、ホース)とアクチュエータおよびパイロット・バルブの一方または両方に一体化されたポーティングまたは通路とを含む、様々な構成要素および配置から形成され得る。
【0020】
バルブ110を作動させるために、パイロット・バルブ140は、アクチュエータ流体供給源150をアクチュエータ・ポート121に開き、アクチュエータ・ピストン123を移動させるためにアクチュエータ入口ポートに予圧されたアクチュエータ流体を供給し、これによってバルブ要素115を移動するために動作させられる。これは、アクチュエータ供給ラインを通る流体流れと、アクチュエータ供給ライン内の圧力の増加とをもたらす。圧力および/または流れを、アクチュエータ供給ライン129と流体連通しているセンサ135(たとえば、圧力変換器、流量計)によって監視することができる。センサ135には、制御回路網139を設けることができ、制御回路網139は、センサ135の付近またはこれからリモートのシステム・コントローラ160(たとえば、コンピュータ)に接続され得る(たとえば、有線接続または無線接続によって)。システム・コントローラ160は、通常の動作状態を検証しまたは非準拠システム状態を識別するために、流体流れ状態の測定された変化を分析する回路網(たとえば、マイクロプロセッサ)を含むことができる。
【0021】
上で説明された配置では、たとえば作動中の期待される流れ(たとえば、記憶された所定のパラメータまたは以前に生成されたパラメータ)からのアクチュエータ流体流れの逸脱に基づく、作動されるバルブ110の破損または他の非準拠状態の検出を使用して、たとえば、システム・シャットダウンおよびバルブ保守またはバルブ交換を促すための、破損状態に関するユーザへの警告(たとえば、システム・コントローラ160との通信を介する)を提供することができる。
【0022】
さらに、まだ機能しているバルブの作動されるバルブ・パフォーマンス逸脱の検出を使用して、バルブ破損に進行する可能性が高い状態についてユーザに警告を提供することができる。一例として、アクチュエータ120が予圧されているが作動されていない時の、予圧されたアクチュエータ供給ライン内の圧力の測定可能な低下またはアクチュエータ供給ライン129を通る測定可能な流れは、流体駆動アクチュエータ部材123(たとえば、アクチュエータ・ピストン)を通る漏れを示す可能性がある。高サイクル・バルブでは、アクチュエータ・ピストン・シールの摩耗および/または潤滑油の消失が、バルブ作動を制限するか妨げるのに十分に漏れが深刻になるまで、アクチュエータの寿命にわたる増加するアクチュエータ・ピストン漏れを引き起こす可能性がある。漏れのレベルが作動を妨害するレベルに達する前にアクチュエータ・ピストン漏れを識別することによって、計画された保守を、スケジューリングされたダウンタイム中にアクチュエータに対して実行し、これによって、緊急シャットダウンおよび/または生産ロスを回避することができる。
【0023】
別の例として、作動に対応するアクチュエータ入口圧力の変化または屈曲を測定することまたはアクチュエータ・ピストン移動に対応する入口圧力もしくは流量の変化が発生する時間遅れもしくは持続時間を測定することによる、期待より高いアクチュエータ入口圧力でのバルブ作動の発生の識別は、たとえば、バルブ要素の摩耗もしくは摩損、潤滑の消失、システム汚染、または他の要因に起因する、作動に対するバルブ抵抗の増加を示す可能性がある。これらの潜在的な状態の早期識別は、タイムリーなバルブ保守を可能にすることができる。
【0024】
もう1つの例として、作動に対応するアクチュエータ入口圧力の変化または屈曲を測定することまたはアクチュエータ・ピストン移動に対応する入口圧力もしくは流量の変化が発生する時間遅れまたは持続時間を測定することによる、期待より低いアクチュエータ入口圧力でのバルブ作動の発生の識別は、たとえば、パッキン荷重の消失、ダイアフラム/ベローズ・バイアス力の低下、または他のそのような要因に起因する、作動に対するバルブ抵抗の低下を示す可能性がある。これらの潜在的な状態の早期識別は、タイムリーなバルブ保守を可能にすることができる。
【0025】
問題のあるバルブ・パフォーマンス状態を診断し、対処するようにプログラムされたシステム・コントローラにこれらの測定されたパフォーマンス状態を通信することによって、バルブ保守を、バルブ破損の検出時にまたは差し迫ったバルブ破損を予想してのいずれかで自動的に開始することができる。システム・コントローラは、保守手順を自動的にスケジューリングし、ストックから部品を徴用し、または交換システム構成要素およびアセンブリを注文するようにプログラムされ得る。
【0026】
本開示の例示的実施形態では、作動されるバルブのパフォーマンス状態は、アクチュエータの上流でアクチュエータ流体(たとえば、空気、窒素)の予圧された体積または室の圧力を測定する圧力変換器(または他のそのような圧力センサ)を使用して、バルブ作動の前、作動中、および作動後にピストンスタイル・アクチュエータの圧力プロファイルを測定することによって判定される。圧力包含(pressure containment)デバイス(たとえば、予圧されたシリンダもしくは他のそのような室または背圧デバイス)が、セットされた圧力の逸脱がそこから測定され得るアクチュエータ供給ライン内のセットされた圧力を維持するためにアクチュエータ供給ラインに流体連通して接続され得る。
図2に概略的に示された例示的な配置では、作動されるバルブ・システム200は、アクチュエータ供給ライン229およびパイロット・バルブ240(たとえば、ソレノイド作動スイッチング・バルブ)または他の供給バルブによって、予圧室230(たとえば、サンプル・シリンダ)に接続されたアクチュエータ・ポート221を備えて空気圧的に作動されるアクチュエータ220を有する作動されるバルブ210を含み、予圧室230は、アクチュエータ流体供給源250に接続される。バルブ210を作動させるために、パイロット・バルブ240は、予圧されたアクチュエータ流体を予圧室230からアクチュエータ入口ポートに供給するために、室をアクチュエータ・ポート221に開くように動作させられる。これは、室230がアクチュエータ流体供給源250によって再充填され、圧力が復元されるまで、室内の圧力の一時的な低下をもたらす。室230内の圧力は、圧力変換器235によって監視され、圧力変換器235は、圧力変換器235の付近またはこれから離れたシステム・コントローラ260(たとえば、コンピュータ)に接続され得る(たとえば、有線接続または無線接続によって)。
【0027】
図3のバルブ・サイクル圧力プロファイルPに示されているように、
図2の概略実施形態を参照すると、時刻t
1(パイロット・バルブの開位置への作動に対応する)に、予圧されたアクチュエータ流体が、正しく機能するアクチュエータ220に当初に供給される時(たとえば、与圧された体積とアクチュエータとの間のパイロット・バルブを開くことによって)に、圧力変換器によって測定される予圧室230内の圧力は、供給される流体圧力が、アクチュエータ・ピストン223上でピストンを移動する(たとえば、バイアス・スプリング222および/またはバルブ要素215の抵抗に反して)のに十分な圧力まで増大するので、セットされた圧力p
0から第1の減らされた圧力p
1まで低下する。アクチュエータ・ピストン223が、作動位置まで移動し、予圧された流体が、ピストンの背後のアクチュエータ内の空洞224を充填する時に、室230内の圧力は、全般的にセットされた圧力p
0から第1の減らされた圧力p
1までの圧力変化より浅いまたはよりゆるやかな傾斜で、第1の減らされた圧力p
1から第2の減らされた圧力p
2までさらに減少する。
【0028】
予圧室230内の圧力を復元するために、アクチュエータ流体供給源250は、予圧されたアクチュエータ流体を予圧室に供給する。アクチュエータ流体供給源250は、予圧室230に選択的に開かれ得る(たとえば、ユーザによって開始されまたは供給バルブのプログラムされた開放によって)が、別の実施形態では、アクチュエータ流体供給源と与圧室との間の流れは、バルブ作動から生じる室圧の変化がより簡単に測定され得るように、室230内の圧力増加を遅延させるために、縮小されたオリフィスまたは他の流れ制限255を使用して制限される。この制限された流れ状態の結果は、第2の減らされた圧力p2と作動後に回復された圧力p3との間の圧力曲線の傾斜において明白であり、この傾斜は、バルブの作動が完了した後の予圧室内の圧力の徐々の増加を示す。
【0029】
図3の通常の圧力プロファイルPからの逸脱は、バルブまたはアクチュエータの摩耗、損傷、または欠陥の状態の表示を提供することができる。たとえば、バルブ・サイクル圧力プロファイルP
Aに示されているように、期待より低い第1の減らされた圧力p
1aは、たとえば、アクチュエータ・ピストンとハウジングとの間またはバルブ・ステム(または他のバルブ要素)とバルブ・シートとの間の増加した摩擦に起因する、作動に対する増加した抵抗(与圧室によって供給される、より高い流体圧力を要求する)を示す可能性がある。別の例として、バルブ・サイクル圧力プロファイルP
Bに示されているように、期待より高い第1の減らされた圧力p
1bは、たとえば、バルブ・パッキン荷重もしくはシート・シール荷重の減少、破砕されもしくは弱められたバルブ・ダイヤフラムもしくはベローズ、または破砕されもしくは弱められたアクチュエータ・スプリングに起因する、作動に対する減らされた抵抗(与圧室によって供給される、より低い流体圧力を要求する)を示す可能性がある。
【0030】
さらなる別の例として、
図4のバルブ・サイクル圧力プロファイルP
Cに示されているように、期待より高く、かつ/または期待より速い時刻Tの(
図3の圧力点p
2bと比較して)第2の減らされた圧力p
2cは、不完全なアクチュエータ・ストロークを示す可能性があるが、第1の減らされた圧力p
1から作動後に回復された圧力p
3まで増加する圧力曲線を伴う、バルブ・サイクル圧力プロファイルP
Dに示された、第2の減らされた圧力点の実質的な不在は、スタックしたバルブまたはアクチュエータを示す可能性がある。
【0031】
さらなる別の例として、
図5のバルブ・サイクル圧力プロファイルP
Eに示されているように、セットされた圧力p
0より低い、作動後に回復された圧力p
3eは、パイロット・バルブが閉じられるまで予圧室内の圧力の十分な回復を妨げるのに十分なアクチュエータ・ピストンを通る漏れを示す可能性がある。多くの応用例で、たとえば摩耗したピストン・シール、または乾燥しもしくは他の形で失われた潤滑油に起因する、アクチュエータを通る予圧されたアクチュエータ流体の漏れは、バルブのスタックをもたらす(たとえば、スプリングによってバイアスされた閉位置での)完全なアクチュエータ破損(たとえば、著しいアクチュエータ漏れに起因する)の前兆である。したがって、少量の漏れの初期検出は、差し迫った著しい漏れおよびアクチュエータ破損の診断を可能にすることができる。アクチュエータの修理または交換など、スケジューリングされた保守に関して、この初期漏出検出に頼ることができる。
【0032】
システム・コントローラ260が、バルブ・サイクル圧力プロファイルの測定された変化を分析し、そのような逸脱する圧力状態を識別する時に、システム・コントローラは、非準拠状態を通信する出力を生成することができ、その出力は、可聴警告、視覚的警告、または警告メッセージ(たとえば、テキストまたは電子メール・メッセージ)の形で提供され得る。
【0033】
図2の実施形態のように、圧力センサがパイロット・バルブの上流に配置される応用例では、パイロット・バルブが閉状態またはアクチュエータ排出状態である時に、バルブ/アクチュエータ・パフォーマンスの特性をセンサによって測定することができない。別の配置では、パイロット・バルブがアクチュエータ予圧状態またはアクチュエータ排出状態のどちらであるのかにかかわりなく、アクチュエータ入口圧力の変化の検出を可能にするために、圧力センサまたは圧力変換器を、パイロット・バルブの下流でアクチュエータの上流に設けることができる。
図6に概略的に示された例示的実施形態では、作動されるバルブ・システム300は、アクチュエータ供給ライン329およびパイロット・バルブ340(たとえば、ソレノイド作動スイッチング・バルブ)または他の供給バルブによってアクチュエータ流体供給源350に接続されたアクチュエータ・ポート321を有する空気圧作動アクチュエータ320を有するバルブ310を含み、圧力変換器335または他のそのような圧力センサが、パイロット・バルブ340とアクチュエータ・ポート321との間でアクチュエータ供給ライン329内に配置され、圧力変換器335の付近またはこれから離れたシステム・コントローラ360(たとえば、コンピュータ)に接続される(たとえば、有線接続または無線接続によって)。
【0034】
バルブ310を作動させるために、パイロット・バルブ340が、予圧されたアクチュエータ流体をアクチュエータ入口ポートに供給するために、アクチュエータ流体供給源350をアクチュエータ・ポート321に開くように動作させられる。これは、圧力変換器335によって測定される、アクチュエータ供給ライン329内の圧力の初期増加をもたらす。アクチュエータ供給ライン内の圧力が、アクチュエータ・スプリング322バイアス力とバルブ要素315による作動に対する抵抗(たとえば、バルブ・ステム動作トルクまたはダイアフラム/ベローズ・バイアス力)とに打ち勝つのに十分である時には、アクチュエータ・ピストン323が、アクチュエータ・スプリング322に抗して作動位置まで移動され、アクチュエータ・ピストンの下(その上流)の増加した体積に起因するアクチュエータ入口圧力の短い低下を引き起こす。バルブ310を通常(たとえば、バイアスされて閉じられた)位置に戻すために、パイロット・バルブ340は、アクチュエータ供給ライン329内およびアクチュエータ・ピストン323の下の予圧されたアクチュエータ流体を排出しまたは排気するように動作させられる。アクチュエータ供給ライン内の圧力が、圧縮されたアクチュエータ・スプリング322がアクチュエータ流体とバルブ要素315による作動に対するすべての抵抗(たとえば、バルブ・ステム動作トルクまたはダイアフラム/ベローズ・バイアス力)に抗してアクチュエータ・ピストン323を移動することを可能にするのに十分な量だけ減らされた時に、アクチュエータ・ピストン323は、スプリングによってバイアスされた位置に移動され、アクチュエータ・ピストンの下(その上流)の減らされた体積に起因するアクチュエータ入口圧力の短時間の増加を引き起こす。
【0035】
図7のバルブ・サイクル圧力プロファイルに示されているように、また、
図6の概略実施形態を参照すると、予圧されたアクチュエータ流体が、時刻t
1に、正しく機能するバルブ上の正しく機能するアクチュエータ320に当初に供給される(たとえば、予圧された体積とアクチュエータとの間のパイロット・バルブを開くことによって)時に、圧力プロファイル内の屈曲または予圧中の圧力増加の速度の短時間の減少(p
xでの)は、アクチュエータの動作(アクチュエータ・スプリング・バイアス力およびバルブ要素抵抗力に抗する)がもたらされる入口圧力を示す。この圧力屈曲点p
xは、たとえば、バルブ要素摩損、潤滑油の消失、シート・クリッピング(圧力屈曲点p
xでの増加によって識別される)、不十分なパッキン・トルク、アクチュエータ・スプリング損傷、または損傷を受けたダイアフラム/ベローズ(圧力屈曲点p
xでの減少によって識別される)などの状態を識別するために、アクチュエータ・パフォーマンスおよび/またはバルブ要素抵抗(たとえば、動作トルク)の変化または逸脱を識別することができる。圧力増加の減らされた速度の時間持続時間は、バルブ・サイクル・タイムを示すことができ、このバルブ・サイクル・タイムは、作動問題(たとえば、増加したバルブ作動トルクまたは著しいアクチュエータ漏れに起因する)のさらなる表示を提供することができる。さらに、アクチュエータ予圧中の屈曲点p
xの不在は、バルブが作動できなかったことの表示を提供することができる。
【0036】
図7のバルブ・サイクル圧力プロファイルにさらに示されているように、予圧されたアクチュエータ流体が、アクチュエータ供給ライン329を介して時刻t
2にバルブ・アクチュエータ320から排出されまたは排気される(たとえば、パイロット・バルブを排気/排出スイッチング位置に切り替えることによって)時に、圧力プロファイルの屈曲または減圧中の圧力低下の速度の短時間の減少(p
yでの)は、通常位置またはバイアスされた位置へのアクチュエータの動作をもたらすための、アクチュエータ・スプリング力が入口圧力と作動に対するバルブ要素抵抗とに打ち勝つ入口圧力を示す。この圧力屈曲点p
yは、たとえば、アクチュエータ・スプリング損傷、バルブ要素摩損、潤滑油の消失、シート・クリッピング(圧力屈曲点p
yでの減少によって識別される)、不十分なパッキング・トルク、または損傷を受けたダイアフラム/ベローズ(圧力屈曲点p
yでの増加によって識別される)などの状態を識別するために、アクチュエータ・パフォーマンスおよび/またはバルブ要素抵抗(たとえば、動作トルク)の変化または逸脱を識別することができる。圧力低下減速の持続時間は、バルブ・サイクル・タイムを示すことができ、このバルブ・サイクル・タイムは、作動問題(たとえば、増加したバルブ作動トルクまたは著しいアクチュエータ漏れに起因する)のさらなる表示を提供することができる。さらに、アクチュエータ減圧中の屈曲点p
yの不在は、バルブが作動できなかったことの表示を提供することができる。
【0037】
本開示の別の態様によれば、圧力変換器または他のそのような圧力センサは、パイロット・バルブの上流のアクチュエータ流体の予圧された体積または与圧室と、パイロット・バルブとアクチュエータ入口との間のアクチュエータ供給ラインとの間の圧力差を測定するように構成され得る。
図8に概略的に示された例示的な配置では、作動されるバルブ・システム400は、アクチュエータ供給ライン429およびパイロット・バルブ440(たとえば、ソレノイド作動スイッチング・バルブ)または他の供給バルブによって与圧室430(たとえば、サンプル・シリンダ)に接続されたアクチュエータ・ポート421を有する空気圧作動アクチュエータ420を有するバルブ410を含み、与圧室430は、アクチュエータ流体供給源450に接続される。アクチュエータ流体供給源450と与圧室430との間の流れは、バルブ作動から生じる室圧力の変化がより簡単に測定され得るように、室430内の圧力増加を遅延させるために、縮小されたオリフィスまたは他の流れ制限455を使用して制限され得る。バルブ410を動作させるために、パイロット・バルブ440は、予圧されたアクチュエータ流体を与圧室430からアクチュエータ入口ポートに供給するために、室をアクチュエータ・ポート421に開くように動作させられる。これは、室430がアクチュエータ流体供給源450によって再充填され、圧力が回復するまで、室内の圧力の一時的な低下をもたらす。
【0038】
室圧力P
inlet、供給ライン圧力P
line、および室430とアクチュエータ供給ライン429との間の差圧P
diffは、圧力変換器435によって監視され、圧力変換器435は、圧力変換器435の付近またはこれから離れたシステム・コントローラ460(たとえば、コンピュータ)に接続される(たとえば、有線接続または無線接続によって)。
図9のバルブ・サイクル圧力プロファイルに示されているように、また、
図8の概略実施形態を参照すると、予圧されたアクチュエータ流体が、時刻t
1に、正しく機能するアクチュエータ420に当初に供給される(たとえば、パイロット・バルブ440を開くことによって)時に、圧力変換器435によって測定される差圧P
diffは、供給される流体圧力が、ピストンを移動する(たとえば、バイアス・スプリング422および/またはバルブ要素抵抗に抗して)のに十分な圧力までアクチュエータ・ピストン423上で増大するので、セットされた圧力差pd
0から第1の減らされた差圧pd
1まで減少する。アクチュエータ・ピストン423が、作動位置まで移動し、予圧された流体が、ピストンの背後のアクチュエータ420内の空洞424を充填する時に、圧力差は、圧力差pd
2が0に接近するまで(アクチュエータ供給ライン圧力は実質的に室圧力と等しくなる)、全般的にセットされた圧力差pd
0から第1の減らされた差圧pd
1への圧力差変化より浅いまたはよりゆるやかな傾斜で、第1の減らされた差圧pd
1から第2の減らされた圧力差pd
2までさらに減少する。与圧室430内の圧力を回復させるために、アクチュエータ流体供給源450は、たとえば上で
図2の実施形態に関して説明したように、予圧されたアクチュエータ流体を与圧室に供給する。
【0039】
パイロット・バルブが、時刻t2に作動位置から通常位置に戻るために閉じられる時に、アクチュエータ420およびアクチュエータ供給ライン429が、アクチュエータ入口圧力をアクチュエータ・バイアス・スプリング420(バルブ要素抵抗と組み合わされた)が打ち勝つのに十分に低い圧力に下げるために、パイロット・バルブ440を介して排出されまたは排気されるので、差圧pdは、第2の減らされた圧力差pd2から第3の減らされた圧力差pd3に高まる。この第3の圧力差pd3では、通常位置または戻り位置へのアクチュエータ・ピストン423のスプリング・バイアスされた移動は、第4の圧力差pd4への圧力差のより低速でより徐々の増加を引き起こし、この第4の圧力差pd4で、ピストンは、その戻りストロークを完了し、アクチュエータ入口圧力の残りが排出され、圧力差pdに、セットされた圧力差pd0に戻らせる。
【0040】
上の例と同様に、作動に必要なタイミング、持続時間、および圧力に関する情報は、識別された圧力差pd1、pd2、pd3、pd4に対応する圧力差曲線の屈曲点を識別することによって判定され得る。さらに、代替の差圧プロファイルPdiff’に示されるように、屈曲点の不在は、アクチュエータ420が作動に失敗したことの表示を提供する。さらに、パイロット・バルブ440が開かれている時にアクチュエータ・ピストン423を通る漏出がある場合には、パイロット・バルブ440を閉じることが、上流圧力の増加をもたらす(Pinlet’に示されている)。パイロット・バルブが閉じられている時にパイロット・バルブを通る漏出がある場合には、セットされた圧力差が減らされる(pd0’に示されている)。
【0041】
本開示の別の態様によれば、アクチュエータ・バルブは、アクチュエータ入口ポートと背圧デバイスとの間に配置された圧力変換器または他のそのような圧力センサによるアクチュエータを通る漏れの識別を提供するために、アクチュエータが通常(たとえば、スプリング・バイアスされた)位置にある時にアクチュエータ入口での正常な非作動正圧を維持するためにパイロット・バルブの排気ポートに接続された(たとえば、直接にまたは間接にこれと共に組み立てられまたは一体化された)圧力を保持する背圧デバイス(たとえば、チェック・バルブ、リリーフ・バルブ)を有するアクチュエータ流体供給/排出パイロット・バルブを設けられる。
【0042】
図10に概略的に示された例示的な配置では、作動されるバルブ・システム500は、アクチュエータ流体供給源550から下流のパイロット・バルブ540にアクチュエータ供給ライン529によって接続されたアクチュエータ・ポート521を有する空気圧作動アクチュエータ520を有するバルブ510を含み、圧力変換器535が、アクチュエータ供給ライン529に接続され、背圧デバイス570が、パイロット・バルブ540の排気ポート543に接続される(直接にまたは間接にこれと共に組み立てられまたは一体化される)。アクチュエータ供給ライン529内およびアクチュエータ・ピストン523の下の予圧されたアクチュエータ流体を排出しまたは排気するためにパイロット・バルブ540を動作させることによって、作動されるバルブ510が通常位置(たとえば、バイアスされた閉位置)に戻される時に、背圧デバイス570は、アクチュエータ供給ライン529内で、スプリング・バイアスされたアクチュエータ・ピストン523に抗して、正常な非作動正圧(たとえば、5~10psi)を保持する。そのような配置では、アクチュエータ・ピストン523を通るアクチュエータ流体の漏れは、パイロット・バルブ540が閉位置/排気位置にある間に、背圧デバイス570の圧力セッティング未満の、圧力変換器535によって測定された、背圧デバイス570の圧力セッティング未満の圧力減少によって検出され得る。例示的実施形態では、パイロット・バルブ540、圧力変換器535、および背圧デバイス570は、たとえば設置の簡単さ、システム設置面積の削減などのために、一体化されたアセンブリ505として一緒に提供され得る。他のシステム管理構成要素/システム監視構成要素、たとえばサイクル・カウンタ、流量計、プロセッサ/コントローラ、および/または出力ディスプレイ(たとえば、LED、LCD)も、一体化されたアセンブリ内で提供され得る。
【0043】
図10の配置は、さらに、
図6の実施形態に関して図示され、上で説明されたように、アクチュエータ520の予圧中および減圧中に作動圧力プロファイル内の屈曲点を識別することによって、バルブ・アクチュエータの動作のタイミング、持続時間、および圧力状態の表示を提供することができる。
【0044】
図10の作動されるバルブ配置では、アクチュエータ520を通る漏れに加えて、圧力変換器535によって検出される圧力の低下は、それに加えてまたはその代わりに、パイロット・バルブ540を通る漏れおよび/または背圧デバイス570を通る漏れに対応する可能性がある。別の実施形態では、圧力を保持する背圧デバイスは、パイロット・バルブの供給ポートに接続され(たとえば、直接にまたは間接にこれと共に組み立てられまたは一体化され)、これによって、パイロット・バルブを通るすべての漏れの影響を、変換器圧力検出から除外する。そのような配置では、背圧デバイスは、両方向の流れすなわち2ウェイ・フローすなわち、アクチュエータ予圧(すなわち、パイロット・バルブ開)中のパイロット・バルブからアクチュエータ入口へのアクチュエータ流体の順方向流れと、アクチュエータ減圧(すなわち、パイロット・バルブ閉)中のアクチュエータ供給ラインからパイロット・バルブへの背圧を維持する逆方向の流れとを許すように構成され得る。
【0045】
図11に概略的に示された実施形態では、作動されるバルブ・システム600は、アクチュエータ流体供給源650から下流のパイロット・バルブ640にアクチュエータ供給ライン629によって接続されたアクチュエータ・ポート621を有する空気圧作動アクチュエータ620を有するバルブ610を含み、圧力変換器635および両方向背圧デバイス670が、パイロット・バルブ640の供給ポート642に接続される(たとえば、直接にまたは間接にこれと共に組み立てられまたは一体化される)。例示的な背圧デバイス670は、アクチュエータ供給ライン629への順方向流れまたは供給流れを許すが、アクチュエータ供給ラインからの逆方向流れに対してシールする(たとえば、第1のチェック・バルブ672を使用して)供給通路671と、作動されるバルブ610が通常位置(たとえば、バイアスされた閉位置)に戻される時に、アクチュエータ供給ライン629からの逆方向/排気流れを許すが、アクチュエータ供給ライン内の、スプリング・バイアスされたアクチュエータ・ピストン623に抗する正常な非作動背圧(たとえば、5~10psi)を維持する(たとえば、第2のチェック・バルブ674を使用して)、供給通路671と平行の排気通路673とを含む。そのような配置では、アクチュエータ・ピストン623を通るアクチュエータ流体の漏れは、パイロット・バルブ640が閉位置/排気位置にある間に圧力変換器635によって測定される、背圧デバイス670の圧力セッティング未満の圧力減少によって検出され得る。例示的実施形態では、パイロット・バルブ640、圧力変換器635、および背圧デバイス670のうちの任意の2つ以上が、たとえば設置の簡単さ、システム設置面積の削減などのために、一体化されたアセンブリ605として一緒に提供され得る。たとえばサイクル・カウンタ、流量計、プロセッサ/コントローラ、および/または出力ディスプレイ(たとえば、LED、LCD)を含む、他のシステム管理構成要素/システム監視構成要素も、一体化されたアセンブリ内で提供され得る。
【0046】
図11の配置は、さらに、
図6の実施形態に関して図示され、上で説明されたように、アクチュエータ420の予圧中および減圧中に作動圧力プロファイル内の屈曲点を識別することによって、バルブ・アクチュエータの動作のタイミング、持続時間、および圧力状態の表示を提供することができる。
【0047】
いくつかの作動されるバルブ・システムでは、本明細書で説明するように、背圧デバイスが、追加の機能を実行することができる。たとえば、背圧デバイスは、それに加えてまたはその代わりに、制動力を適用し、したがって正常なばね戻り状態でのアクチュエータ出力力を減らすために、アクチュエータ戻りストローク中にアクチュエータ入口ポートに対する非作動正圧を保持することができる。この減らされた戻り力は、たとえば、正常な閉じられた作動されるバルブのバルブ・シート摩耗を減らすことができる。そのような配置に関して、背圧セッティングは、上で説明した5~10psi通常セッティングより高くすることができ、戻り力を所望の量まで減らすように選択され得る。しかし、そのような配置は、それでも、バルブ作動中またはその前の圧力変化の感知を容易にするために、アクチュエータ供給ライン内の予圧された流体を保持することによって、上で説明されたセンサ・システムおよび方法と組み合わせて使用され得る。アクチュエータ戻り力を減らす例示的な背圧配置は、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている、本願と同時に出願された米国特許仮出願、名称「ACTUATED VALVE SYSTEMS WITH REDUCED ACTUATOR RETURN FORCE」に記載されている。
【0048】
本開示の別の態様によれば、作動されるバルブ・システムは、アクチュエータ供給ライン内の圧力を監視しながら、バルブ・アクチュエータに供給し、これから排気するために作動流体を制御するように構成されたバルブ制御モジュールを設けられ得る。
図12に概略的に示された1つのそのような例示的配置では、作動されるバルブ・システム700は、空気圧アクチュエータ720を有するバルブ710と、アクチュエータ720のアクチュエータ入口ポート721に接続された作動ポート741、アクチュエータ流体供給源750に接続された予圧ポート742、および予圧された作動流体を排出する排気ポート743を有するバルブ制御モジュール740とを含む。バルブ制御モジュール740は、予圧ポート742および排気ポート743に作動ポート741を接続するパイロット・バルブ配置745と、パイロット・バルブ配置745とアクチュエータ入口ポート721との間の流体状態(たとえば、圧力)を測定する流体センサ748と、第1、第2、および第3の状態へのパイロット・バルブ配置の動作に関してセンサ748およびパイロット・バルブ配置745と回路通信しているコントローラ749とを含む。
【0049】
例示的なパイロット・バルブ配置745は、コントローラ749の動作によって、第1の状態、第2の状態、および第3の状態の間で動作させられる。第1の状態では、パイロット・バルブ配置745は、たとえばアクチュエータ720の動作および作動位置(たとえば、開位置)へのバルブ要素715の移動のためにアクチュエータ入口ポート721を予圧するために、予圧ポート742と作動ポート741との間の流れを許すが、作動ポートと排気ポート743との間の流れを阻止する。第2の状態では、パイロット・バルブ配置745は、アクチュエータ入口ポート721を通気するために、予圧ポート742と作動ポート741との間の流れを阻止し、作動ポートと排気ポート743との間の流れを許す。アクチュエータ720が、単動(たとえば、スプリング・バイアスされた)アクチュエータである場合に、与圧されたアクチュエータ入口ポート721のこの排出は、アクチュエータがバルブ要素715を戻り位置(たとえば、閉位置)に移動することを可能にする。第3の状態では、パイロット・バルブ配置745は、予圧された流体をアクチュエータ入口ポート721内に捕らえるために、予圧ポート742と作動ポート741との間の流れを阻止し、作動ポートと排気ポート743との間の流れを阻止する。
【0050】
多数の異なるパイロット・バルブ配置を利用して、上で説明した第1、第2、および第3の状態を提供することができる。
図12Aに示された1つの例示的実施形態では、パイロット・バルブ配置745aは、作動ポート741に予圧ポート742を接続する第1のシャットオフ・バルブ746aと、作動ポート741に排気ポート743を接続する第2のシャットオフ・バルブ748aとを含む。第1の状態では、アクチュエータ入口ポート721を予圧するために、第1のシャットオフ・バルブ746aは開かれ、第2のシャットオフ・バルブ748aは閉じられる。第2の状態では、第1のシャットオフ・バルブ746aと第2のシャットオフ・バルブ748aとの両方が、パイロット・バルブ配置745aとアクチュエータ入口ポート721との間に予圧された流体を捕らえるために閉じられる。第3の状態では、アクチュエータ入口ポート721を通気するために、第1のシャットオフ・バルブ746aは閉じられ、第2のシャットオフ・バルブ748aは開かれる。1つのそのような実施形態では、停電の場合に、第1のシャットオフ・バルブが、閉位置に戻り、第2のシャットオフ・バルブが、開位置に戻り、ノーマリ・クローズド・アクチュエータ720がバルブ要素715を閉位置に戻すことを可能にするように、第1のシャットオフ・バルブ746aはノーマリ・クローズド・ソレノイド・バルブであり、第2のシャットオフ・バルブ748aは、ノーマリ・オープン・ソレノイド・バルブである。
【0051】
図12Bに示された別の例示的実施形態では、パイロット・バルブ配置745bは、予圧ポート742bを作動ポート741bに開き、排気ポート743bを阻止する第1の状態に対応する第1のスイッチング位置と、作動ポート741bと予圧ポート742bおよび排気ポート743bの両方との間の流れを阻止する第2の状態に対応するシャットオフ位置と、作動ポート741bを排気ポート743bに開き、予圧ポート742bからの流れを阻止する第3の状態に対応する第2のスイッチング位置と、を有する3位置3ウェイ・スイッチング・バルブ747bを含む。1つのそのような実施形態では、スイッチング・バルブ747bは、停電の場合に、ノーマリ・クローズド・アクチュエータ720がバルブ要素715を閉位置に戻すように、第2のスイッチング位置(
図12Bに示された位置)に失敗するように構成される。
【0052】
本発明の一態様によれば、パイロット・バルブ配置745は、アクチュエータ入口圧力を高め(第1の状態を使用して)、下げ(第2の状態を使用して)、かつ/または維持する(第3の状態を使用して)ために第1、第2、および第3の状態の間で選択的に動作させられ、センサ748が、そのような圧力調整を制御するために圧力をリアル・タイムで監視する。例示的応用例では、パイロット・バルブ(1つまたは複数)は、アクチュエータ入口圧力を増減するために素早く作動されまたはパルス駆動され得、圧力センサ748は、アクチュエータ入口圧力のさらなる調整のためにパイロット・バルブ(1つまたは複数)をさらにパルス駆動するためにコントローラ749によって使用される瞬間的フィードバックを提供する。1つのそのような例示的実施形態では、パイロット・バルブ配置745a、745bは、約200msと約10000msとの間のサイクル・タイムで、作動サイクルを開始するための約2msと約10msとの間の充填パルス持続時間または予圧パルス持続時間と、約3msと約10msとの間の排気パルス持続時間とを提供するように構成され、パイロット・バルブ配置745a、745bは、第3の(圧力を維持する)状態に維持され、圧力センサ748は、パルスの間にアクチュエータ入口圧力を監視する。コントローラ749へのフィードバック(たとえば、圧力センサ748からの)に基づいて、捕らえられた圧力が調整される速度を増減するために、コントローラは、第1の(予圧)状態および第2の(排気)状態のパルス持続時間およびパルス頻度を調整することができる。
【0053】
例示的応用例では、バルブ制御モジュール740が、
図10および
図11の実施形態に似た、上でより詳細に説明した背圧デバイスとして機能するように、非作動正圧が、捕らえられ得る。この非作動正圧は、たとえば、上でより詳細に説明したように、アクチュエータを通る漏れを検出し、かつ/または定量化するために、捕らえられた圧力を監視するために、提供され得る。
【0054】
別の例として、非作動正圧は、たとえばバルブの閉じる作動中のバルブ・シートの変形および/または摩耗(および結果の粒子生成)を最小化するために、スプリング・リターン状態でのアクチュエータ出力力を減らすためにアクチュエータ入力ポートに対して制動力を適用するのに使用され得る。この減らされた閉じる力は、反復作動に起因するシール損傷を最小化することによって、バルブのサイクル・パフォーマンスを効果的に延長することができる。頻繁なサイクリングとシャットオフ状態(たとえば、非サイクリング状態)中の高完全性シーリングとの両方を要求する応用例では、制動アクチュエータ入口圧力は、必要に応じて、高められたアクチュエータの閉じる力を提供するために、選択的にまたは自動的に除去されまたは排気され得る。
【0055】
もう1つの例として、非作動正圧は、それに加えてまたはその代わりに、バルブのより素早い順方向ストローク作動を容易にするのに使用され得る。というのは、アクチュエータ入口ポート圧力を大気圧から高めることと比較して、正の非作動アクチュエータ入口ポート圧力が、作動圧力までより素早く高められ得るからである。
【0056】
それに加えてまたはその代わりに、パイロット・バルブ配置とアクチュエータ入口ポートとの間の捕らえられた作動圧力(たとえば、バルブを少なくとも部分的に作動させるのに十分な圧力)の制御および/または監視は、様々な応用例で使用され得る。たとえば、捕らえられたアクチュエータ入口ポート圧力のセンサ監視は、上でより詳細に説明したように、バルブ作動のタイミングおよび/もしくは持続時間またはバルブが作動する圧力を識別するのに使用され得る。経時的なアクチュエータ入口圧力プロファイルのこの監視は、要求される作動力の増減(たとえば、ロータリ・バルブの作動トルクまたは軸移動ベローズもしくはダイヤフラム・バルブ要素の変化に対応する)、アクチュエータ漏れ、アクチュエータ貼り付き、または他の状態など、潜在的な問題を識別する可能性がある。コントローラ749は、許容可能な範囲内の逸脱を補償し(たとえば、捕らえられたアクチュエータ入口ポート圧力を増減することによって)、かつ/またはバルブ・システム保守が要求されることを測定されたアクチュエータ入力圧力プロファイルが示す時に警告を提供するようにプログラムされ得る。
【0057】
別の例として、捕らえられたアクチュエータ入口圧力は、アクチュエータ流体供給源750の全流体圧力未満であるが、バルブを少なくとも部分的に作動させるの十分な所望のアクチュエータ入口圧力をアクチュエータに適用するように制御され得る。たとえば、この下げられた作動圧力は、たとえば、ノーマリ・クローズド・バルブの流れサージに敏感な応用例で開きを制御するか、ノーマリ・オープン・バルブのバルブを閉じる力を減らすために、バルブのより遅い作動(たとえば、「ソフト・スタート」)を提供することができる。別の例として、下げられた作動圧力は、下げられたアクチュエータ入口ポート圧力が、完全に予圧されたアクチュエータ入口ポートより素早く排気する(かつ、スプリング力によってより素早く打ち勝たれる)ので、バルブのより素早い戻りストローク作動をもたらすことができる。さらなる別の例として、アクチュエータ入口圧力は、たとえばバルブを通る流れを制限しまたは調整するために、アクチュエータの不完全なまたは部分的な作動を実現するように正確に制御され得る。
【0058】
本開示の別の態様によれば、アクチュエータは、作動圧力を捕らえることによって、作動されるバルブ・システムの監視および制御を容易にするようにさらに適合され得る。一例として、アクチュエータ720は、たとえば、圧力の感知およびフィードバックとパルスの間のコントローラ分析および作動調整とのためのより長い時間を可能にするために、素早い順方向ストローク作動および/もしくは戻りストローク作動ならびに/または減らされた予圧時間および/もしくは減圧/排気時間(たとえば、短縮されたパルス持続時間)を容易にするために、アクチュエータの予圧および/または減圧/排気中の流量を増やすために大流量アクチュエータ・ポーティングを備えることができる。
【0059】
別の例として、スプリング・リターン・アクチュエータ720は、1つまたは複数の部分流れ位置が、1つまたは複数の事前に決定された適用されたアクチュエータ入口圧力に予測可能に対応できるように、高められたばね定数を有する(たとえば、より堅いスプリング722ならびに/または並列および/もしくは直列の追加のスプリングを提供することによって)バイアス・スプリング配置を設けられ得る。一例として、スプリング・リターン・アクチュエータ720は、閉位置でのスプリング力の3倍未満の従来のバルブ・アクチュエータばね定数と比較して、閉位置でスプリング力(たとえば、ポンド)の約5倍を超えるばね定数(たとえば、ポンド/インチ)を与えられ得る。この高められたばね情報は、バルブの通常位置と作動位置(たとえば、開位置)との間の1つまたは複数の増分位置にアクチュエータ・ピストン722およびバルブ要素715を移動するのに必要なアクチュエータ圧力の大きく測定可能で予測可能な差をもたらすことができる。アクチュエータを閉じたバイアス・スプリングを有する例示的実施形態では、ばね定数は、アクチュエータ・ピストンおよびバルブ要素を閉位置から開位置に移動するのに必要なアクチュエータ圧力が、閉位置からのアクチュエータ・ストロークを開始するのに必要なアクチュエータ圧力(「ベース・アクチュエーション圧力」)より少なくとも50%多くなるようになっている。したがって、X(たとえば、50psi)のベース・アクチュエーション圧力を用いると、全閉バルブ位置と全開バルブ位置との間の増分作動位置は、X(50psi)と少なくとも1.5X(75psi)との間の作動圧力の範囲で較正され得る。1つのそのような例では、通常位置(閉位置)と作動位置(開位置)との間のバルブ要素の中点位置にアクチュエータ部材およびバルブ要素を移動するのに必要なアクチュエータ圧力は、通常位置からアクチュエータ・ストロークを開始するのに必要なアクチュエータ圧力より少なくとも約30%高い(たとえば、上の例では少なくとも約65psi)。高められたばね定数を有するバイアス・スプリング配置を利用する実施形態では、非作動背圧(本明細書で説明される)が、バイアス・スプリング配置がバルブ・シートに過剰な閉じる力を印加するのを防ぐ 戻りストロークを制動するために戻りストローク中にアクチュエータに印加され得る。
【0060】
本開示の例示的態様によれば、作動されるバルブ・システム700は、バルブ制御モジュール740内の単一の圧力センサ748を使用して監視され、制御され得る。コントローラ749は、複数の既知のシステム・パラメータ(たとえば、作動ストローク、アクチュエータ体積変位、流体圧力、流体温度、ばね定数)を用いてプログラムされ得、コントローラ749への圧力センサ748フィードバックは、このプログラムされたシステム情報と組み合わされて、作動圧力、作動速度、閉じる力、および他のそのような動作状態を計算するのに、ならびに、所望の流れ制御パフォーマンスを達成するためにパイロット・バルブ配置745のパルス駆動または他のそのような動作に対して適当な調整を行うのに、使用され得る。
【0061】
他の実施形態では、追加のシステム・センサが、流れ制御およびシステム・パフォーマンスに対する所望の調整をさらに容易にするために、コントローラに1つまたは複数のシステム・パラメータに関するデータを供給することができる。たとえば、流体温度センサは、高い流体温度状態を識別するためにコントローラ749にフィードバックを供給することができ、コントローラは、バルブを閉じる力を減らす(たとえば、上で説明したように、アクチュエータ戻りストロークに抗する背圧を高めることによって)ために、バルブの動作を調整することができる。この配置は、作動されるバルブ・システムをより広い温度範囲にわたって使用することを可能にすることができる。別の例として、流体圧力センサまたは流量計は、流体流れ状態に関するフィードバックをコントローラ749に供給することができ、コントローラは、それに応じて流体の流れを増減するためにバルブの動作を調整することができる(たとえば、バルブの部分的に開かれた状態を調整すること、またはその間にバルブが開かれている持続時間を調整することなどによって)。
【0062】
コントローラ749は、バルブ制御モジュール740の付近またはこれから離れたシステム・コントローラ760(たとえば、コンピュータ)に接続され得る(たとえば、有線接続または無線接続によって)。システム・コントローラ760は、正常動作状態を検証するか非準拠システム状態を識別し、そのような状態についてユーザに警告する通信(たとえば、電子メール、テキスト・メッセージなど)を生成するために流体流れ状態の測定された変化を分析する回路網(たとえば、マイクロプロセッサ)を含むことができる。
【0063】
アクチュエータ入口圧力が、作動されるバルブの閉じる力を制限するために制御される配置に加えて、本願は、たとえばバルブ要素(たとえば、ダイアフラム、ポペット)とバルブ・シート・シールとの間の閉じる力を減らすために、作動されるバルブ・アセンブリの減らされた力戻りストロークを提供する他のシステムおよび方法をも企図するものである。本願の例示的実施形態は、直線作動バルブ(たとえば、ダイアフラム・バルブ)と共に組み立てられるスプリング・バイアス式の空気圧アクチュエータに関するが、本願で説明される特徴および態様は、それに加えてまたはその代わりに、他のタイプのアクチュエータ(たとえば、油圧駆動または他の流体駆動のアクチュエータ、スプリング・バイアス式ではないアクチュエータ、複動アクチュエータ)、他のタイプのバルブ(たとえば、ロータリ・バルブ、ゲート・バルブなど)、および他のタイプの予圧された流体の応用例に適用され得る。
【0064】
図13は、流体作動(たとえば空気圧)アクチュエータ820に動作可能に接続された流体流れを制御するバルブ要素815(たとえば、バルブ・ステム、ダイアフラム)を有するバルブ810を含む作動されるバルブ・システム800を概略的に示し、アクチュエータ・ポート821は、アクチュエータ供給ライン829およびパイロット・バルブ840(たとえば、ソレノイド作動スイッチング・バルブ)または他の供給バルブによってアクチュエータ流体供給源850に接続される。他の実施形態では、パイロット・バルブは、別の供給ラインを使用せずに、アクチュエータ・ポートに直接に組み立てられ得る。バルブ要素815を移動するために、パイロット・バルブ840は、アクチュエータ流体供給源850をアクチュエータ・ポート821に開くために第1のスイッチング位置に移動される。これは、アクチュエータ供給ラインを通る流体の流れと、アクチュエータ・ポート821内の、アクチュエータ内の流体駆動アクチュエータ部材823(たとえば、1つまたは複数のピストン)に抗する圧力の増加とをもたらす。最小の作動圧力がアクチュエータ・ポートに供給される時に、アクチュエータ部材823に対する結果の作動力は、アクチュエータ内のバイアス部材822(たとえば、1つまたは複数のスプリング)によって印加されるバイアス力と、バルブ要素815の作動に対するすべての抵抗(たとえば、摩擦、バルブ・パッキン荷重、バルブ流体圧力など)とに打ち勝って、アクチュエータ部材823を第1の通常位置または戻り位置から第2の作動位置に移動する。アクチュエータ部材823は、バルブ要素を通常位置(たとえば、バルブ閉位置またはシャットオフ位置)から作動位置(たとえば、バルブ開位置または流体流れ位置)に対応して移動するために、バルブ要素815に直接にまたは間接に接続される。
【0065】
バルブ要素815を通常位置に戻すために、パイロット・バルブ840は、アクチュエータ供給ライン829内およびアクチュエータ部材823の上流の予圧されたアクチュエータ流体を排出しまたは排気するための第2のスイッチング位置に移動される。バイアス部材822によってアクチュエータ部材823に印加されるバイアス力が、排出するアクチュエータ流体に抗し、バルブ要素815による作動に対するすべての抵抗に抗して、アクチュエータ部材823を通常位置または戻り位置に移動し、これによって、バルブ要素815を対応する通常位置に移動する。
【0066】
本願の例示的態様によれば、アクチュエータ820によって印加される戻りストローク力を減らすために、作動されるバルブ・システム800は、パイロット・バルブ840が第2の位置に移動される時にアクチュエータ部材823に抗する非作動正圧(すなわち、最小作動圧力より小さい)を保持するために、アクチュエータ入口ポート821と流体連通している背圧配置870(たとえば、ばね負荷または他の形でバイアスされたチェック・バルブまたはリリーフ・バルブ)を設けられ得る。非作動正圧は、バイアス力より小さいがバルブ要素815を作動位置から通常位置に戻すのに十分な正味戻り力を作るために、アクチュエータ部材823に反し、バイアス部材のバイアス力に抗する制動力を印加する。非作動正圧および対応する正味戻り力は、たとえば、特定の応用例に関して所望される作動速度および閉じる力を提供するように選択され得る。例示的実施形態では、非作動正圧は、最小作動圧力の約10%~90%、約40%~60%、または約50%とすることができ、正味戻り力は、スプリング・バイアス力の約10%~90%、約40%~60%、または約50%とすることができる。アクチュエータ部材に抗する基礎の非作動正圧を維持するそのような配置は、さらに、バルブ・アクチュエータのより素早い予圧された作動を提供することができる。というのは、アクチュエータ供給ライン、アクチュエータ入口、およびアクチュエータ・ピストン室内の圧力が、完全に排出された大気圧からではなく、非作動正圧から予圧されるからである。
【0067】
図13の図示の実施形態では、背圧配置は、パイロット・バルブ排気ポート843と共に組み立てられた背圧デバイス870を含む。
図14に示された例示的な背圧デバイス870は、第1のポート872から第2のポート874に延びる通路873を有する本体871を有するチェック・バルブまたはリリーフ・バルブ・タイプの配置を含み、シート875が、通路内に配置される。シール部材876(たとえば、ボールまたはプラグ)が、通路873内に配置され、シート875とのシールする係合にバイアスされる(たとえば、スプリング877によって)。シール部材は、セットされた圧力を超えるすべての過剰な圧力を第2のポート874を介して解放するために、セットされた入口ポート圧力(または「クラッキング圧力」)でシートから分離し、これによって、アクチュエータ入口ポートでの背圧デバイス870の上流の所望の非作動正圧を維持する。
【0068】
他の実施形態では、背圧配置は、たとえば、パイロット・バルブ供給ポート842と共に組み立てられる(
図13では870aに概略的に)、アクチュエータ供給ライン829内に設置される(概略的に870bに)、バルブ・アクチュエータ入口ポート821と共に組み立てられる(概略的に870cに)、アクチュエータ820と一体化される(概略的に870dに)、およびパイロット・バルブ840と一体化される(概略的に870eに)を含む、作動されるバルブ・システム800内の様々な他の位置に設けられ得る。
【0069】
870a、870b、870c、および870dを含むいくつかの配置では、背圧配置は、予圧するアクチュエータ流体(アクチュエータ予圧中)と排出するアクチュエータ流体(アクチュエータ減圧中)との両方を受け取る。そのような配置では、
図15に示された背圧デバイス870’は、上で説明したように、アクチュエータ供給ラインへの順方向流れまたは供給流れを許すが、アクチュエータ供給ラインからの逆方向流れに抗してシールする第1の供給通路883’と、第1の供給通路883’と平行であり、アクチュエータ供給ラインからの逆方向/排気流れを許すと同時に、正常な非作動正圧を保持する第2の排気通路873’との両方を含むことができる。多数の異なる構成が利用され得るが、一実施形態では、背圧デバイス870’は、供給通路を通る順方向の予圧された流れを許しながら供給通路を通る逆方向流れを阻止するために、第1の供給通路883’内に配置され、供給シート885’とのシールする係合にバイアスされた(たとえば、スプリング887’によって)供給シール部材886’(たとえば、ボールまたはプラグ)を有する供給流れチェック/リリーフ・バルブと平行の、
図14に示され上で説明された排気流れチェック/リリーフ・バルブ配置を含むことができる。
【0070】
本願の別の例示的態様によれば、アクチュエータ入口に抗して正の非作動圧力を保持する背圧配置は、アクチュエータの正味戻り力が増えるように、保持される正の非作動圧力を減らしまたは除去するための減圧機構を設けられ得る。「ノーマリ・クローズド」作動されるバルブ実施形態では、そのような配置は、高完全性バルブ・シャットオフが望まれる可能性がある(たとえば、システム・シャットダウン/保守)、延長されたシャットオフ期間中に高められたバルブ・シール力を可能にしながら、高速のまたは頻繁なバルブ・サイクリング中により柔らかいまたはより軽い戻りストローク・バルブ・シャットオフを可能にすることができる。
図13に概略的に示された一実施形態では、背圧配置は、アクチュエータ供給ライン829に直接にまたは間接に接続され、アクチュエータ供給ライン内の保持された圧力を解放するように選択的に動作可能であり、これによって、アクチュエータの正味戻り力を高める、通気/パージ・バルブを含むことができる。
【0071】
別の実施形態では、背圧配置は、アクチュエータがバルブ・サイクリング中の標準的なバルブ・サイクル期間より長い時間期間にわたって正常な非作動位置に維持される時に、アクチュエータの正味戻り力が自動的に高まるように、経時的に正圧が逃げまたは低下することを可能にするように構成された制御されたまたは人工的な漏出経路を含むことができる。たとえば、作動されるバルブが、通常は0.5秒から10秒おきにサイクルされる場合に、人工的漏出経路は、約30秒~60秒で非作動正圧を実質的に除去するのに十分な漏出速度をもたらすことができる。例示的実施形態では、人工的漏出経路は、約25psiから40psiの空気圧の下で約0.25sccmと2.5sccmとの間の漏出速度をもたらすようにサイズを定められまたは構成され得る。
【0072】
人工的漏出経路は、たとえば、パイロット・バルブ、アクチュエータ供給ライン、アクチュエータ、および背圧デバイスのうちの任意の1つまたは複数を含む、作動されるバルブ・システム内の様々な位置に設けられ得る。
図14の例示的な背圧デバイス870では、人工的漏出経路は、たとえば、本体871(たとえば、809aの、通路873と交差するピンホール漏出ポート)、シート875(たとえば、809bの、溝、ノッチまたは他のそのような特徴)、およびシール部材876(たとえば、809cの、溝、ノッチまたは他のそのような特徴)のうちの1つまたは複数内に設けられ得る。
図15の例示的な背圧デバイス870aでは、人工的漏出経路は、たとえば、本体871’(たとえば、809a’の、排気通路873’と交差するピンホール漏出ポートまたは809b’の、供給通路883’と交差するピンホール漏出ポート)、排気バルブ・シート875’(たとえば、809c’の、溝、ノッチ、または他のそのような特徴)、供給バルブ・シート885’(たとえば、809d’の、溝、ノッチ、または他のそのような特徴)、排気バルブ・シール部材876’(たとえば、809e’の、溝、ノッチ、または他のそのような特徴)、および供給バルブ・シール部材886’(たとえば、809f’の、溝、ノッチ、または他のそのような特徴)のうちの1つまたは複数内に設けられ得る。
【0073】
図16は、背圧配置がアクチュエータ・アセンブリ900に一体化される、別の例示的実施形態を示す。アクチュエータ・アセンブリ900は、入口ポート911と、第1および第2の力伝達ピストン920、940を受ける第1および第2のピストン室912、914とを画定するハウジング910を含む。第2のピストン940は、アクチュエータ900がそれと共に組み立てられるバルブ(図示せず)内のバルブ要素に出力力を印加するための出力シャフト945と一体化される。第1のピストン室912は、第1および第2のピストン920、940を下向きに押しやるために第1のピストン920と係合するバイアス・スプリング950をも保持する。アクチュエータ900を動作させるために、入口ポート911に印加される予圧されたアクチュエータ流体(たとえば、空気)は、ピストン室912、914の下側部分を予圧し、出力シャフト945を上向きに移動するためにバイアス・スプリング950に抗してピストンを上向きに押しやるために、第1および第2のピストン920、940内の通路923、943を通過する。
【0074】
例示的実施形態では、背圧配置970は、第2のピストン940に一体化され、第2のピストン通路943内に配置されたシート975とシール係合してバイアスされた(スプリング977によって)シール部材976を含む。アクチュエータ入口ポート911が予圧される時に、予圧された流体は、第2のピストン室914の下側部分への流体の流れおよびその予圧を許すために、スプリング977に抗してシール部材976を移動する。アクチュエータ900が減圧される時に、シート975とのシール部材976のシールする係合は、第2のピストン940に抗し、スプリング977のバイアス力と反対向きに制動力を印加するために、第2のピストン室914内に予圧された流体を保持する。上で議論された人工的漏出経路が、たとえば、アクチュエータ・ハウジング、第2のピストン940、シート975、およびシール部材976のうちの任意の1つまたは複数内に設けられ得、経時的に、第2のピストン室914内の流体圧力が、減らされまたは除去され、バイアス・スプリング977のすべての戻り力が、第2のピストン940に印加されるようになっている。
【0075】
本願の別の例示的態様によれば、作動されるバルブ・システムは、たとえば、「ノーマリ・オープン」バルブ・アクチュエータの閉じる力を制限する(たとえば、バルブ・シート摩耗/損傷を制限するために)ために、バルブ・アクチュエータに印加される圧力および結果の「順方向ストローク」アクチュエータ出力力を制限するように構成された背圧配置を設けられ得る。そのような配置では、背圧デバイスは、背圧デバイスの選択されたシーリング差圧によって、入口圧力または供給源圧力より低い所望の作動圧力に入口圧力を抑えつけるために、パイロット・バルブ入口ポートもしくは供給ポート、アクチュエータ入口ポート、またはアクチュエータ供給ラインと共に組み立てられ得る。複数の適切な背圧デバイスが利用され得るが、一実施形態では、
図14の背圧デバイス870は、
図13の実施形態に対して相対的に逆の方位でパイロット・バルブ入口ポートと共に組み立てられ得、アクチュエータ入口ポートでの圧力が、シール部材876がシート875に対してシールする定格差圧によって定義される選択された圧力に達し、これによって、アクチュエータ部材に抗する減らされた作動圧力を保持するまで、チェック/リリーフ・バルブ配置が、作動されるバルブ・システム圧力供給源からパイロット・バルブへの十分な予圧する流れを許すようになっている。たとえば、80psiの供給源圧力が、30psiの作動シーティング圧力を有する背圧デバイスを含む作動されるバルブ・システムに印加される場合に、パイロット・バルブに印加される圧力は、50psiに抑えつけられ、効果的に、アクチュエータの順方向ストローク力出力を減らす。
【0076】
別の実施形態では、
図15の背圧デバイス870’は、
図13の実施形態に対して相対的に逆の方位でパイロット・バルブ供給ポート、アクチュエータ入口ポート、またはアクチュエータ供給ラインと共に組み立てられ得、アクチュエータ入口ポートでの圧力が、シール部材876’がシート875’に対してシールする定格差圧によって定義される選択された圧力に達し、これによって、アクチュエータ部材に対する減らされた作動圧力を保持するまで、第1の通路883’のチェック・バルブ配置が、排出/排気方向での十分な制限されない流れを許すと同時に、第2の通路873’のチェック・バルブ配置が、作動されるバルブ・システム圧力供給源からパイロット・バルブへの十分な予圧する流れを許すようになっている。
【0077】
本明細書で説明された作動されるバルブ・システムは、それに加えてまたはその代わりに、他の発明的な特徴および構成要素を設けられ得る。一例として、本明細書で説明された、アクチュエータ820に抗して非作動正圧を保持する背圧デバイス870を含む作動されるバルブ・システム800は、アクチュエータ供給ライン829と流体連通するセンサ(たとえば、
図13の835に概略的に示された流れセンサまたは圧力センサ)を設けられ得、センサ835は、通常位置と作動位置との間でのアクチュエータ部材の移動とアクチュエータ部材を通る予圧された流体の漏れとのうちの少なくとも1つに対応する、予圧されたアクチュエータ供給ライン内の流体流れ状態を測定するように構成される。センサ835は、圧力変換器835の付近またはこれから離れたシステム・コントローラ860(たとえば、コンピュータ)に接続され得(たとえば、有線接続または無線接続によって)、上で詳細に説明した
図1、
図2、
図6、
図8、および
図10~
図12の実施形態に類似するものとすることができる。そのような配置では、アクチュエータ部材を通るアクチュエータ流体の漏れは、パイロット・バルブが閉位置/排気位置にある間にセンサ(たとえば、圧力変換器)によって測定された背圧デバイスの圧力セッティング未満の圧力低下によって検出され得る。
【0078】
本発明が、ある種の例示的実施形態に関して開示され、説明されたが、本明細書を読む時に、当業者は、ある種の変形形態および修正形態を思い浮かべる可能性がある。そのような変形形態および修正形態のすべてが、添付の特許請求の範囲およびその同等物の定義する限定にかかわりなく、本発明の範囲に含まれる。したがって、本出願人の全般的な発明的概念の趣旨または範囲から逸脱せずに、そのような詳細から新案を作ることができる。