(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023053475
(43)【公開日】2023-04-13
(54)【発明の名称】個人情報保護用粘着テープ
(51)【国際特許分類】
G09F 3/10 20060101AFI20230406BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20230406BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20230406BHJP
C09J 7/20 20180101ALI20230406BHJP
【FI】
G09F3/10 B
G09F3/00 Q
C09J7/38
C09J7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021162532
(22)【出願日】2021-10-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年10月22日に「https://www.amazon.co.jp/TOHKIN-宅配便・郵便の宛名消し-アテナックス-ATN-205-幅20mm×5m/dp/B08LMTNPX9」にて公開 (2)令和3年2月1日に「https://tohkincorp.co.jp/new-item/1265/」と、「https://tohkincorp.co.jp/products/atenax/」にて公開 (3)令和3年6月2日に「https://tohkincorp.co.jp/information/1275/」にて公開 (4)令和3年6月2日に「https://www.makuake.com/project/tohkincorp/?from=keywordsearch&keyword=アテナックス&disp_order=1」と、「https://www.makuake.com/project/tohkincorp/?from=keywordsearch&keyword=%E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9&disp_order=1」にて公開 (5)令和3年6月3日に「https://www.buntobi.com/articles/entry/news/013881/」にて公開 (6)令和3年7月9日に「https://wezz-y.com/archives/92141」にて公開 (7)令和3年7月24日に「https://www.amazon.co.jp/TOHKIN-宅配便・郵便の宛名消し-アテナックス-ATN-205-幅20mm×5m/dp/B08LMTNPX9」と、「https://www.amazon.co.jp/dp/B08QJ15P9B」にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000220295
【氏名又は名称】東京金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 茂起
(72)【発明者】
【氏名】藤原 浩純
【テーマコード(参考)】
4J004
【Fターム(参考)】
4J004AB01
4J004CB03
4J004CC05
4J004DB01
4J004EA01
4J004EA06
4J004FA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テープ本体の厚みを挟んで配置される表裏両側の着色部で個人情報の透けを確実に防止する。
【解決手段】シート上の個人情報に対する貼り付けにより、個人情報が判読不能となる個人情報保護用粘着テープであって、帯状に形成されて裏側の粘着面及び表側の剥離面を有するテープ本体と、テープ本体が粘着面及び剥離面を接合させるようにロール状に巻き付けられる巻回体と、を備え、粘着面及び剥離面は、着色部を有し、着色部には、文字を含む迷彩模様がテープ本体の厚み方向へ重なり合わないように設けられ、巻回体は、テープ本体が引き出し自在に巻き付けられることを特徴とする個人情報保護用粘着テープ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上の個人情報に対する貼り付けにより、前記個人情報が判読不能となる個人情報保護用粘着テープであって、
帯状に形成されて裏側の粘着面及び表側の剥離面を有するテープ本体と、
前記テープ本体が前記粘着面及び前記剥離面を接合させるようにロール状に巻き付けられる巻回体と、を備え、
前記粘着面及び前記剥離面は、着色部を有し、前記着色部には、文字を含む迷彩模様が前記テープ本体の厚み方向へ重なり合わないように設けられ、
前記巻回体は、前記テープ本体が引き出し自在に巻き付けられることを特徴とする個人情報保護用粘着テープ。
【請求項2】
前記粘着面及び前記剥離面は、前記テープ本体の長手方向へ所定間隔毎に設けられる無着色部を有し、前記無着色部が前記テープ本体の長手方向へ離隔して重なり合わないように配置されることを特徴とする請求項1記載の個人情報保護用粘着テープ。
【請求項3】
前記文字を含む迷彩模様が、文字を含んで配列した迷彩パターンであることを特徴とする請求項1又は2記載の個人情報保護用粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば宛名ラベルや葉書や封筒や請求書などのような、氏名や住所等の個人情報が表示された書類を処分する際に用いる個人情報保護用粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の個人情報保護用粘着テープとして、粘着テープの粘着面に紋様や文字あるいは数字が印刷され、宛名ラベル等に記載される個人情報に対し、粘着テープの粘着面を押し当て粘着することにより、宛名ラベルあるいは印字された個人情報を判読不能にしたラベルはがし具がある(例えば、特許文献1参照)。
ラベルはがし具は、紙製の粘着テープをロール状に装着し、封筒に貼られている宛名ラベルに粘着面を押し当て易い構造になっている。このため、粘着テープの粘着面を宛名ラベルに押し当て粘着することで、宛名ラベルあるいは印字された個人情報が粘着テープに転写される。さらに、封筒に貼られた紙製の宛名ラベルを粘着テープで剥がし取ることにより、宛名ラベルが手で裁断可能になるとともに、紙製の宛名ラベルを手で容易に破棄処分できる可燃物に変換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし乍ら、特許文献1では、粘着テープの粘着面のみに紋様・文字・数字が印刷されて反対側の非粘着面には印刷されない。このため、宛名ラベル等に記載される個人情報に対して、粘着テープの粘着面を粘着しただけでは、宛名などの個人情報が透かして見え、完全に判読不能な状態にできないという問題があった。
そこで、特許文献1に記載のラベルはがし具は、封筒に貼られた宛名ラベルに対し、粘着テープの粘着面を粘着してから、粘着テープと共に宛名ラベルを剥がし取ることが必須条件となっている。この場合には、個人情報に対する粘着テープの貼り付け作業と、個人情報の剥がし取り作業との両方を必要とするため、作業者の負担が増えて面倒であるという問題があった。
さらに、粘着テープの粘着面に印刷された紋様・文字・数字では、ロール部から引き出された粘着テープの長さが分かり難い。このため、宛名ラベル等に記載される個人情報のサイズに合わせて粘着テープの長さを切断することが困難であるという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために本発明に係る個人情報保護用粘着テープは、シート上の個人情報に対する貼り付けにより、前記個人情報が判読不能となる個人情報保護用粘着テープであって、帯状に形成されて裏側の粘着面及び表側の剥離面を有するテープ本体と、前記テープ本体が前記粘着面及び前記剥離面を接合させるようにロール状に巻き付けられる巻回体と、を備え、前記粘着面及び前記剥離面は、着色部を有し、前記着色部には、文字を含む迷彩模様が前記テープ本体の厚み方向へ重なり合わないように設けられ、前記巻回体は、前記テープ本体が引き出し自在に巻き付けられることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る個人情報保護用粘着テープの全体構成を示す説明図であり、(a)がテープ本体を引き出した状態の斜視図、(b)がテープ本体を貼り付けた状態の斜視図である。
【
図2】同使用状態の説明図であり、(a)がテープ本体を一部拡大した正面図、(b)が宛名ラベルにテープ本体を貼り付けた場合の縮小正面図、(c)が葉書にテープ本体を貼り付けた場合の縮小正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る個人情報保護用粘着テープAは、
図1~
図2に示すように、シートS上の個人情報Bに対し、貼り付けるか又は貼り付け後に剥がすことにより、個人情報Bが手間なく容易に判読不能となって、そのまま破棄処分しても個人情報Bの流出不安を解消するものである。
個人情報Bとは、特定の個人を識別することができる情報を指し、特に郵便物や宅配物などの指定された宛先へ配り届けられる配送物Dにおいて、紙面などのシートSに記載や印刷などで表示され且つ廃棄する可能性があるものを言う。個人情報Bの具体例としては、氏名や住所などの宛名又はそれ以外に郵便番号や電話番号や会員番号などを含む文字列B1、或いは一次元コード(バーコード)や二次元コード(QRコード:登録商標)などの機械的に読取可能な情報媒体や識別子(図示しない)も含まれる。
個人情報Bの表示箇所であるシートSとしては、宛名ラベルS1,葉書S2,封筒,請求書,明細書などのような紙製シート、又は合成樹脂製シート若しくはその類似物からなる書類などであり、個人情報Bが表示可能であれば書類以外のものも含まれる。
これに加えて、シートSには、クッション封筒などの表面に凹凸を有するものも含まれ、この場合には、その表面に表示された宛名などの個人情報Bにも凹凸が生じる。
【0008】
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る個人情報保護用粘着テープAは、帯状に形成されるテープ本体1と、テープ本体1がロール状に巻き付けられる巻回体2と、を主要な構成要素として備えている。
テープ本体1は、曲げや折りなどの変形可能な軟質材料で帯状に裁断された基材からなる。
テープ本体1の基材を構成する軟質材料としては、ハサミやカッターなどの刃物(図示しない)が無くても、手で所望の長さに切り離し可能な紙や合成樹脂製フィルムなどを用いることが好ましく、特に紙製テープが好ましい。その他の軟質材料として、刃物で所望の長さに切り離し可能な布や金属箔などを用いることも可能である。
さらに、テープ本体1は、基材の裏側片面に形成される粘着面1aと、基材の表側反対面に形成される剥離面1bと、を有している。
また、テープ本体1の基材は、後述する粘着面1aによってシートSに貼り付けられ、強く貼り付いたテープ本体1を剥がそうとすると、テープ本体1の基材が自壊する材料を用いることが好ましい。
【0009】
粘着面1aは、テープ本体1(基材)の裏側片面に対し、ガム糊などの粘着剤(接着剤)を塗布し積層することで形成され、特に難剥離性を有する強力な粘着剤を用いることが好ましい。
剥離面1bは、テープ本体1(基材)の表側反対面に剥離剤を塗布すること、基材の材料として粘着面1aが剥離し易い材料を用いること、粘着面1aが剥離し易い材料からなる表面層を積層すること、などで形成される。
このため、粘着面1aによってテープ本体1は、個人情報Bを覆うように貼り付けが可能になる。
さらに、テープ本体1の粘着面1a及び剥離面1bは、個人情報Bと対向して設けられる着色部11と、着色部11の一部に設けられる無着色部12と、を有している。
【0010】
着色部11は、個人情報Bを認識(判読)不能に覆う遮蔽体であり、粘着面1aの略全体と剥離面1bの略全体に、それぞれ印刷などで帯状に形成される。すなわち、着色部11は、粘着面1aの略全体に配置される粘着側着色部11aと、剥離面1bの略全体に配置される剥離側着色部11bと、を有する。
着色部11(粘着側着色部11a,剥離側着色部11b)には、文字を含む迷彩模様11pが、テープ本体1の厚み方向へ重なり合わないように設けられる。文字を含む迷彩模様11pとしては、文字を含んで配列した迷彩パターン,文字や図形などが配列された迷彩パターン,迷彩模様のパターンやランダムなドットの迷彩パターンなどを含む模様面,これらに類似する迷彩パターンや迷彩模様面,これらの組み合わせなどが挙げられる。
つまり、個人情報Bに対してテープ本体1の粘着面1aが貼り付けられた状態では、粘着面1aの着色部11(粘着側着色部11a)及び剥離面1bの着色部11(剥離側着色部11b)が、テープ本体1の厚み方向へ三重に重なり合うものの、それぞれの文字を含む迷彩模様11pは、テープ本体1の厚み方向へ位置ズレして重なり合わない。さらに、個人情報Bと粘着側着色部11aとは、厚みが極めて薄い粘着面1aの粘着剤(接着剤)層を挟んで接近又は当接することにより、個人情報Bの内容が粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pと一体化する。このため、個人情報Bを透かし見ても、粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pとの一体化と、テープ本体1の厚みに加えて、テープ両面の位置ズレした文字を含む迷彩模様11pにより、個人情報Bの内容が見分け難くなる。
特に、文字を含む迷彩模様11pが、文字を含んで配列した迷彩パターンであることが好ましい。この場合には、個人情報Bを透かし見ても、宛名などの個人情報Bの文字列B1が、粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pとの一体化などにより透けて見難くなる。
着色部11(粘着側着色部11a,剥離側着色部11b)の幅寸法Wは、個人情報Bの幅サイズと略同じ又はそれよりも大きく設定することが好ましい。
【0011】
無着色部12は、テープ本体1を個人情報Bのサイズに合わせて切り離すための標識(目印)であり、粘着面1a及び剥離面1bの一部に、テープ本体1の長手方向へ所定間隔毎にそれぞれ形成される。すなわち、無着色部12は、粘着面1aの一部に配置される複数の粘着側無着色部12aと、剥離面1bの一部に配置される複数の剥離側無着色部12bと、を有する。
無着色部12(複数の粘着側無着色部12a,複数の剥離側無着色部12b)としては、テープ本体1の長手方向と交差する幅方向へ延びる線状などのように長手方向へ短尺に形成することが好ましい。
さらに、複数の粘着側無着色部12aと複数の剥離側無着色部12bは、テープ本体1の長手方向(巻回体2からのテープ本体1の引き出し方向)へ離隔して重なり合わないように配置することが好ましい。この場合には、複数の粘着側無着色部12aと複数の剥離側無着色部12bが、テープ本体1の長手方向へ位置ズレして、複数の粘着側無着色部12aが剥離側着色部11bとそれぞれテープ本体1の厚み方向へ重なり合うように配置され、複数の剥離側無着色部12bが粘着側着色部11aとそれぞれテープ本体1の厚み方向へ重なり合うように配置される。
無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)の間隔Lは、個人情報Bの長さと略同じ又はそれよりも大きく設定することが好ましい。
【0012】
着色部11の具体例として
図1(a)(b)~
図2(a)に示される場合には、粘着側着色部11a,剥離側着色部11bが、文字と図形を混ぜて配列した特殊な迷彩パターンであり、文字及び図形の迷彩パターンをテープ本体1の幅方向へ複数列それぞれが各列毎にテープ本体1の長手方向へ相互に位置ズレするように印刷している。
着色部11の幅寸法Wは、
図2(b)に示すようにシートSが宛名ラベルS1の場合は、宛名ラベルS1の宛名スペースに表示された個人情報Bとなる複数行の文字列B1の全てを覆い、
図2(c)に示すようにシートSが葉書S2の場合は、葉書S2の宛名欄に表示された個人情報Bとなる少なくとも一行の文字列B1の全てを覆う約2cmに設定している。
無着色部12の具体例として
図1(a)(b)~
図2(a)に示される場合には、粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12bが、テープ本体1の幅方向へ延び且つ長手方向へ短尺な無着色線である。
無着色部12の間隔Lは、
図2(b)に示すようにシートSが宛名ラベルS1の場合は、宛名ラベルS1の宛名スペースに表示された個人情報Bとなる複数行の文字列B1の全てを覆い、
図2(c)に示すようにシートSが葉書S2の場合は、葉書S2の宛名欄に表示された個人情報Bとなる少なくとも一行の文字列B1の全てを覆う約6cmに設定している。
なお、
図1(b)に示される例では、配送物Dの表面に固着された宛名ラベルS1に対して、巻回体2から引き出したテープ本体1の粘着面1aが直接的に貼り付けられる場合を示している。この場合には、配送物Dの表面から宛名ラベルS1を剥がして透かし見ると、宛名ラベルS1に表示された宛名などの個人情報Bを読み取れてしまうことがある。
また、その他の例として図示しないが、粘着側着色部11a,剥離側着色部11bを文字及び図形の迷彩パターンに代えて迷彩模様などに変更することや、粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12bを短尺な無着色線以外に変更することや、着色部11の幅寸法Wを市販されているセロハンテープ幅サイズと同じに変更することや、無着色部12の間隔Lを変更するなどが可能である。
【0013】
巻回体2は、巻芯2aに沿ってテープ本体1を、その裏側の粘着面1aが表側の剥離面1bに重なり合うようにロール状に巻き付けることにより、粘着面1a及び剥離面1bを互いに接合させて一体化するように構成される。
そのため、巻回体2の外周端からテープ本体1を引き剥がすことで、所定長さのテープ本体1が引き出し可能となる。これによって、個人情報Bのサイズに合った長さテープ本体1が切り離し可能となる。
巻回体2の具体例として
図1(a)(b)に示される場合には、巻芯2aの内径を市販されているセロハンテープ(レギュラーサイズ)と略同じにすることにより、カッター付きテープ台でも使用可能にしている。
また、その他の例として図示しないが、巻回体2を図示例以外の構造に変更することも可能である。
【0014】
このような本発明の実施形態に係る個人情報保護用粘着テープAによると、シートS上の個人情報Bに対して、巻回体2から引き出されたテープ本体1の粘着面1aを貼り付けることにより、粘着面1aの着色部11(粘着側着色部11a)及び剥離面1bの着色部11(剥離側着色部11b)が、個人情報Bとテープ本体1の厚み方向へ重なり合う。しかし、粘着側着色部11a及び剥離側着色部11bの文字を含む迷彩模様11pは、テープ本体1の厚み方向へ位置ズレして重なり合わない。さらに、個人情報Bと粘着側着色部11aは、極めて薄い粘着面1aの粘着剤層を挟んで接近又は当接することで、個人情報Bの内容が粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pと一体化する。
このため、個人情報Bに対するテープ本体1の貼り付け状態では、個人情報Bを透かし見ても、粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pとの一体化と、テープ本体1の厚みに加えて、テープ両面の位置ズレした文字を含む迷彩模様11pにより、個人情報Bの内容が見分け難くなって認識不能になる。
したがって、テープ本体1の厚みを挟んで配置される表裏両側の着色部11で個人情報Bの透けを確実に防止することができる。
その結果、粘着テープの粘着面のみに紋様・文字・数字が印刷されて反対側の面には印刷されない従来のものに比べ、個人情報Bが透けて見えず、完全に判読不能な状態となる。このため、ゴミ捨て前の時点で使用済みの宛名ラベルS1,葉書S2などに表示された個人情報Bに、テープ本体1を貼るだけで、個人情報Bの流出を簡単に防げる。
さらに、シートSが表面に凹凸を有するクッション封筒などであっても、凹凸が生じた個人情報Bに対してテープ本体1の粘着面1aを隙間なく貼り付けることができて、個人情報Bの流出を簡単に防げる。
【0015】
特に、粘着面1a及び剥離面1bは、テープ本体1の長手方向へ所定間隔毎に設けられる無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)を有し、無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)をテープ本体1の長手方向(巻回体2からのテープ本体1の引き出し方向)へ離隔して重なり合わないように配置することが好ましい。
この場合には、個人情報Bに対する粘着面1aの貼り付けにより、粘着面1aの無着色部12(粘着側無着色部12a)と剥離面1bの無着色部12(剥離側無着色部12b)が、テープ本体1の長手方向(巻回体2からのテープ本体1の引き出し方向)へ位置ズレしてテープ本体1の厚み方向へ重なり合わない。
このため、テープ本体1の貼り付け状態では、粘着面1aの無着色部12(粘着側無着色部12a)が剥離面1bの着色部11(剥離側着色部11b)とテープ本体1の厚み方向へ重なり合うとともに、剥離面1bの無着色部12(剥離側無着色部12b)が粘着面1aの着色部11(粘着側着色部11a)とテープ本体1の厚み方向へ重なり合う。
ここで、無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)を、テープ本体1の長手方向へ短尺に形成することにより、個人情報Bとテープ本体1の厚み方向へ重なり合う箇所が、粘着面1aの無着色部12(粘着側無着色部12a)又は剥離面1bの着色部11(剥離側着色部11b)のいずれか一方のみであっても小面積であるため、個人情報Bの内容が見分け難くなって認識不能になる。
したがって、表裏両側の無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)の位置ズレで個人情報Bの透けを確実に防止することができる。
その結果、無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)に沿ったテープ本体1の容易な切り離しと、個人情報Bの流出防止を同時に達成できる。
また、無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)の間隔Lを個人情報Bの長さ寸法と略一致するように設定した場合には、無着色部12(粘着側無着色部12a,剥離側無着色部12b)に沿ってテープ本体1を切り離すだけで、サイズ調整作業が完了するため、個人情報Bを速やかに隠すことができる。
【0016】
さらに、文字を含む迷彩模様11pは、文字を含んで配列した迷彩パターンであることが好ましい。
個人情報Bが宛名などの文字列B1である場合には、文字列B1に対する粘着面1aの貼り付けにより、文字を含む迷彩模様11pとなる文字を含んで配列した迷彩パターンが、文字列B1とテープ本体1の厚み方向へ位置ズレした状態で重なり合う。このため、文字列B1の内容が、粘着側着色部11aの文字を含む迷彩模様11pとの一体化などにより見分け難くなって認識不能になる。
したがって、個人情報Bとなる文字列B1の透けをより確実に防止することができる。
その結果、宛名などの個人情報Bの文字列B1が透けて見えず、より完全に判読不能な状態となる。このため、個人情報Bの流出をより確実に防げる。
【0017】
なお、前示の実施形態において図示例では、個人情報Bの表示箇所であるシートSとして宛名ラベルS1と葉書S2のみを示したが、これに限定されず、シートSが宛名ラベルS1や葉書S2に代えて封筒,請求書,明細書などであってもよい。
この場合においても、前述した実施形態と同様な作用と利点が得られる。
【符号の説明】
【0018】
A 個人情報保護用粘着テープ 1 テープ本体
1a 粘着面 1b 剥離面
11 着色部 11p 文字を含む迷彩模様
12 無着色部 2 巻回体
B 個人情報 B1 文字列
S シート