(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055481
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20230411BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164900
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 顕範
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】融資判定のためのシステムにおいて、よりいっそう正確にユーザの融資判定を行うプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】融資判定システムにおいて、サーバは、資金調達を希望する申込者であるユーザ(端末装置)から、資金調達に関する情報の登録を受け付けS501、ユーザが口座を保有している1又は複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得しS551、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1又は複数抽出しS554、抽出した1又は複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示するS555。ユーザは、提示した1又は複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付けるS502。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、
前記ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、前記ユーザの口座情報を取得するステップと、
前記受け付けた前記ユーザの登録情報と、前記取得した前記口座情報とに基づき、前記ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、
前記抽出した1または複数の金融商品の情報を、前記ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、
前記提示した1または複数の金融商品に対する、前記ユーザの選択による申込を前記ユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から取得した前記口座情報について、融資可能判定を行う際の重み付けを行うステップと、
前記重み付けに基づいて、前記ユーザに対して融資可能か否かを判定するステップと、
前記判定した結果が融資可能である場合には、前記ユーザに対する融資可能金額の設定を行うステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記資金調達が、融資、ファクタリングからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザの口座情報を取得するステップにおいて、
複数の金融機関がそれぞれ提供するAPIを経由して当該情報を取得する、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップにおいて、
前記ユーザが利用している会計サービスの利用状況を参照する、請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップにおいて、
前記ユーザの口座情報から所定のロジックにより判定を行う、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定のロジックは、前記ユーザの口座情報と、前記ユーザが利用可能な金融商品の候補に関する情報とを関連付けた機械学習モデルである、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザが利用可能な金融機関の融資総額と金融商品ごとの融資額の内訳とをともに前記ユーザに提示するステップを実行させる、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、
前記ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、前記ユーザの口座情報を取得するステップと、
前記受け付けた前記ユーザの登録情報と、前記取得した前記口座情報とに基づき、前記ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、
前記抽出した1または複数の金融商品の情報を、前記ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、
前記提示した1または複数の金融商品に対する、前記ユーザの選択による申込を前記ユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項10】
プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、
前記ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、前記ユーザの口座情報を取得するステップと、
前記受け付けた前記ユーザの登録情報と、前記取得した前記口座情報とに基づき、前記ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、
前記抽出した1または複数の金融商品の情報を、前記ユーザが使用する端末装置 に送信して提示するステップと、
前記提示した1または複数の金融商品に対する、前記ユーザの選択による申込を前記ユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの決算状況等に基づいて、融資可能な金融機関の情報を提供するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、ユーザの月次決算情報に基づいて融資スコアを算出し、口座情報の裏付けに基づいて融資可能な複数の金融機関の情報をユーザに提供するシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、ユーザが口座を開設している口座の情報に基づいて、融資可能な金融機関の情報をユーザに提供する技術が記載されている。しかし、特許文献1の技術は、ユーザが複数の金融機関に口座を開設している場合、どの口座が主要な取引に使用している口座であるかの判定が難しく、融資判定を適切に行えないおそれがある。
【0006】
そこで、本開示では、融資判定のためのシステムにおいて、よりいっそう正確にユーザの融資判定を行うことを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップと、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【0008】
本開示の一実施形態によると、制御部を備える情報処理装置であって、制御部が、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップと、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行する、情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータによって実行される方法であって、方法は、プロセッサが、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップと、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行する、方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、融資判定のためのシステムにおいて、よりいっそう正確にユーザの融資判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】融資判定システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の融資判定システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1の融資判定システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図4】サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021、口座情報データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1の融資判定システム1による融資判定のための処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】融資判定システム1において、ユーザの口座情報のうち、入出金明細の推移をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【
図7】融資判定システム1において、融資可能な金融商品の候補をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【
図8】融資判定システム1において、融資可能な金融商品のうち、ユーザから指定された金融商品の情報を比較して提示する際の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<概要>
以下、本開示に係る融資判定システムについて説明する。この融資判定システムは、ユーザに対して、融資判定等をオンライン上で行い、融資可能な金融商品の情報をユーザに提供するためのシステムである。昨今、ユーザの事業に係る融資判定等をオンライン上で行うことが浸透してきており、ユーザの所有する端末等から必要事項を入力されることによりユーザの融資判定を実行する。
しかし、従来の融資判定システムは、ユーザが開設している口座が複数ある場合、ユーザの適切な財務状況を判定することが難しく、融資判定および融資可能な金融商品の情報がユーザに適切に提供されないおそれがある。そこで、本開示では、ユーザの口座情報を集約し融資判定を行うことで、適切にユーザの融資判定を行い、融資可能な金融商品の情報をユーザに提供する技術を提供する。
また、昨今では、PC(Personal Computer)だけでなく、スマートフォン等のモバイル端末に対応することも浸透しているため、モバイル端末に対応したインタフェースを提供することも求められている。
本開示では、融資判定のためのシステムにおいて、モバイル端末の簡易な入力で融資判定を完結させることを可能にする技術を提供する。
【0014】
そこで、本開示に係る融資判定システム1では、プロセッサを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップと、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップと、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップと、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示するステップと、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付けるステップと、を実行させる、プログラムを提供する。
【0015】
<第1の実施の形態>
以下、融資判定システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0016】
<1 融資判定システム1の全体構成>
図1は、融資判定システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、融資判定システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0017】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して融資判定システム1の機能を利用するための口座情報の入力等を行う者であり、例えば法人(企業)の経営者等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0018】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0019】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0020】
サーバ20は、融資判定に係る一連の処理を管理する装置である。サーバ20は、記憶部にユーザの情報、ユーザの口座情報等を登録させており、記憶部に登録されている各種情報から、ユーザの財務状況等を取得する。サーバ20は、取得したユーザの財務状況等から、ユーザの融資判定を行い、ユーザに融資可能な金融商品の情報を特定するための処理を行う。サーバ20は、ユーザから初めて融資判定のための操作を受け付けた時だけでなく、ユーザの口座情報を所定の期間ごとに確認し、融資判定を再度行うことで、融資可能な金融商品の情報を更新してもよい。
【0021】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0022】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の融資判定システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード1301及びマウス1302を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0024】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0025】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0026】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0027】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード1301と、マウス1302とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0028】
キーボード1301は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード1301は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部180へ出力する。
【0029】
マウス1302は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス1302は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部180へ出力する。
【0030】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0031】
ディスプレイ150は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0032】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報1701を記憶する。
【0033】
ユーザ情報1701は、端末装置10を使用して融資判定システム1の機能を利用するための口座情報の入力等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザの年齢、ユーザの性別、会社名、代表取締役名、会社住所、連絡先、事業目的、資本金の情報等が含まれる。
【0034】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部1801と、送受信部1802と、データ処理部1803と、報知制御部1804としての機能を発揮する。
【0035】
入力操作受付部1801は、キーボード1301等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0036】
送受信部1802は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0037】
データ処理部1803は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0038】
報知制御部1804は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。報知制御部1804は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0039】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の融資判定システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0040】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0041】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース2021と、口座情報データベース2022等を記憶する。
【0042】
ユーザ情報データベース2021は、融資判定システム1において、口座情報等の入力を行うユーザに関する各種情報として、例えば、下記の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
・ユーザが個人である場合、ユーザの氏名、勤務先等の情報
・ユーザが法人である場合、法人の名称、代表者氏名等の情報
【0043】
口座情報データベース2022は、融資判定システム1において、各ユーザの口座情報について、予め記憶部202に登録されている各種情報、または、ユーザにより入力されたユーザの銀行口座に関する各種情報を保持するためのデータベースである。ここで、口座情報を取得するユーザは、法人でもよいし、個人であってもよい。詳細は後述する。
ある局面において、サーバ20は、連携する会計サービス等を提供するソフトウェア、アプリケーション、プログラム等からユーザの口座に関連する情報を取得し、口座情報データベース2022に保持してもよい。このとき、連携するソフトウェア、アプリケーション、プログラム等は、システム1とは異なる外部のシステムに備えられているものでもよいし、システム1の内部に備えられているものでよい。
【0044】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、ユーザ情報取得モジュール2033、口座情報取得モジュール2034、重み付け実行モジュール2035、融資可能判定モジュール2036、金融商品抽出モジュール2037、金融商品提示モジュール2038、申込受付モジュール2039、融資金額設定モジュール2040、結果提示モジュール2041に示す機能を発揮する。
【0045】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0046】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0047】
ユーザ情報取得モジュール2033は、融資判定システム1を使用するユーザ(例えば、法人)から、ユーザに関する各種情報を取得する処理を制御する。ユーザに関する各種情報とは、ユーザの氏名、年齢、性別、会社名、代表取締役名、会社住所、連絡先、事業目的、資本金等の情報を含む。ユーザ情報取得モジュール2033は、取得したユーザに関する情報を、ユーザ情報データベース2021へ格納する。
【0048】
口座情報取得モジュール2034は、融資判定システム1を使用するユーザから、ユーザの口座に関する情報を取得する処理を制御する。具体的には、口座情報取得モジュール2034は、予め記憶部に記憶している当該ユーザの口座情報を取得する。例えば、口座情報取得モジュール2034は、ユーザの口座情報として、下記の情報を取得する。
・所定期間におけるユーザの入出金明細の履歴・推移
・所定期間におけるユーザの口座残高の推移
・ユーザの入出金の入金元・出金先
このとき、口座情報取得モジュール2034が取得するユーザの口座情報は、一つに限らない。口座情報取得モジュール2034は、ユーザが開設している複数の口座情報を取得してもよい。口座情報取得モジュール2034は、取得したユーザの口座情報を、口座情報データベース2022へ格納する。
ある局面において、サーバ20は、予め記憶部に記憶しているユーザの口座情報ではなく、連携する会計サービス等を提供するソフトウェア、アプリケーション、プログラム等からユーザの口座に関連する情報を取得してもよい。
【0049】
重み付け実行モジュール2035は、口座情報取得モジュール2034が融資判定システム1を使用するユーザの口座情報を受け付けると、融資判定における重み付けを実行する処理を制御する。具体的には、例えば、重み付け実行モジュール2035は、取得したユーザの口座情報のうち、入出金明細に関する情報(例えば、入出金明細の推移)を取得し、当該入出金明細の情報に基づいて、ユーザの融資判定における所定の係数を設定する。重み付け実行モジュール2035は、ある局面において、ユーザの口座情報における口座残高の推移に関する情報に基づいて、重み付けを行ってもよい。他にも、重み付け実行モジュール2035は、金融機関ごとに所定の係数を設定し、ユーザが取引を行っている金融機関の情報に基づいて、重み付けを行ってもよい。
これにより、ユーザは、金融機関との取引額だけでなく、取引をしている金融機関の情報に基づいて、融資判定を行うことができる。
【0050】
融資可能判定モジュール2036は、重み付け実行モジュール2035により実行された重み付けに基づいて、ユーザに対して融資可能か否かを判定する処理を制御する。具体的には、例えば、融資可能判定モジュール2036は、ユーザの登録情報、口座情報、および重み付けの結果に基づいて、ユーザの財務状況が健全か否かを判断し、融資可能か否かを判定する。このとき、財務状況の健全さとして、例えば、下記に含む指標に基づいて判断する。
・きわめて健全
・健全
・やや健全
・やや不健全
・不健全
・きわめて不健全
これにより、融資をする金融機関は、ユーザの財務状況であるか健全であると担保されたうえで、融資判定を行うことができる。
ある局面において、融資可能判定モジュール2036は、ユーザの登録情報、口座情報、および重み付けの結果に基づいて、ユーザのスコアリングを行い、スコアリングの結果に基づいて、ユーザの融資判定を行ってもよい。
【0051】
金融商品抽出モジュール2037は、融資判定システム1を使用するユーザから取得したユーザ情報および口座情報に基づいて、ユーザが利用可能な金融商品の情報を抽出する処理を制御する。具体的に葉、金融商品抽出モジュール2037は、取得したユーザ情報におけるユーザの業態等の情報と、取得したユーザの口座情報におけるユーザの口座残高等の情報と、に基づいて、ユーザが利用可能な金融商品の情報を抽出する。金融商品は、例えば、下記を含む。
・製造業向け金融商品
・飲食業向け金融商品
・サービス業向け金融商品
・建設業向け金融商品
・一般個人向け金融商品
・法人向け金融商品
【0052】
金融商品提示モジュール2038は、融資判定システム1を使用するユーザに対し、抽出した金融商品の情報を提示する処理を制御する。ある局面において、金融商品提示モジュール2038は、抽出した金融商品が複数ある場合に、各金融商品を所定の態様でユーザに提示してもよい。所定の態様は、例えば、下記を含む。
・各金融商品を並列に表示する表形式
・各金融商品のメリット、デメリットを強調した比較形式
・各金融商品の最大投資額を表示したグラフ形式
ユーザに提示する態様は、上記に限られない。
【0053】
申込受付モジュール2039は、融資判定システム1を使用するユーザから、提示した金融商品に対する申し込みを受け付ける処理を制御する。このとき、申込受付モジュール2039は、複数の金融商品に対する申し込みをユーザから受け付けてもよい。
【0054】
融資金額設定モジュール2040は、融資可能判定モジュール2036の判定により、判定結果が融資可能である場合に、ユーザに対する融資可能金額の設定を行う処理を制御する。具体的には、例えば、融資金額設定モジュール2040は、ユーザの口座情報、および重み付けの結果に基づいて、当該ユーザの融資可能上限を設定する。例えば、融資金額設定モジュール2040は、重み付けの結果、ユーザの財務状況が「きわめて健全」である場合には、ユーザの口座情報に基づいて算出される融資額よりも大きい融資額を融資可能上限として設定してもよい。
これにより、ユーザは、通常よりも高額の融資を受けることができる。
また、ある局面において、融資金額設定モジュール2040の処理は、金融商品を提供する資金調達機関のサーバ(図示せず)において行われてもよい。すなわち、サーバ20は、端末装置10の制御部180から、提示した1または複数の金融商品に対するユーザからの選択を受け付けると、ユーザの口座情報、重み付けの結果等の各種情報を資金調達機関のサーバに送信する。その後、資金調達機関のサーバは、取得した各種情報に基づいて、ユーザに対し融資可能であるか否かを再度判定し、判定可能である場合には、当該ユーザへの融資金額を設定してもよい。
【0055】
結果提示モジュール2041は、融資判定の結果、および融資金額の情報をユーザが使用する端末装置に提示する処理を制御する。
【0056】
ある局面において、融資可能判定モジュール2036は、融資判定後、所定の期間ごとにユーザの口座情報を取得し、ユーザの融資判定を再度実行してもよい。このとき、融資金額設定モジュール2040は、再度行った融資判定の結果に基づいて、融資金額、金利等を再設定してもよい。
これにより、融資を行う金融機関は、適切にユーザに融資を行うことができる。
【0057】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021、口座情報データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0058】
図4に示すように、ユーザ情報データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「氏名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「会社名」と、項目「代表取締役」と、項目「会社住所」と、項目「連絡先」と、項目「事業目的/内容」と、項目「資本金」と、項目「備考」等を含む。
【0059】
項目「ユーザID」は、融資判定システム1にて管理するユーザそれぞれを識別する情報である。
【0060】
項目「氏名」は、融資判定システム1にて管理するユーザの氏名を示す情報である。
【0061】
項目「年齢」は、融資判定システム1にて管理するユーザの年齢を示す情報である。
【0062】
項目「性別」は、融資判定システム1にて管理するユーザの性別を示す情報である。
【0063】
項目「会社名」は、融資判定システム1にて管理するユーザが所属する会社名、またはユーザが法人であった場合の法人名を示す情報である。
【0064】
項目「代表取締役」は、融資判定システム1にて管理するユーザが所属する会社の、代表取締役名を識別する情報である。
【0065】
項目「会社住所」は、融資判定システム1にて管理するユーザが所属する会社の現住所を示す情報である。
【0066】
項目「連絡先」は、融資判定システム1にて管理するユーザ、または当該ユーザが所属する会社の連絡先を示す情報である。
【0067】
項目「事業目的/内容」は、融資判定システム1にて管理するユーザが所属する会社が登記前である場合には、その事業目的、登記後である場合は事業内容を示す情報を示す。
【0068】
項目「資本金」は、融資判定システム1にて管理するユーザが所属する会社の資本金を示す情報である。
【0069】
項目「備考」は、融資判定システム1にて管理するユーザに関して、特記事項などがある場合に保持される情報である。
ユーザ情報データベース2021は、この他にも、例えば、下記の情報を保持していてもよい。
・ユーザの年収/年商
・設立年(ユーザが法人の場合)
・従業員数(ユーザが法人の場合)
ある局面において、サーバ20は、上記に示したユーザの各種情報に基づいて、融資判定を行ってもよい。
【0070】
図4に示すように、口座情報データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「金融機関」と、項目「支店」と、項目「口座種別」と、項目「口座番号」と、項目「取引日時」と、項目「取引種別」と、項目「金額」と、項目「詳細」と、項目「備考」等を含む。
【0071】
項目「ユーザID」は、融資判定システム1にて管理する、口座情報と紐づけられるユーザそれぞれを識別する情報である。
【0072】
項目「金融機関」は、融資判定システム1において管理するユーザが口座を開設している金融機関の情報を示す。このとき、紐づけられる金融機関の情報は1つに限られない。ユーザが複数の金融機関を開設している場合には、複数の金融機関の情報が紐づけられていてもよい。
【0073】
項目「支店」は、融資判定システム1において管理するユーザが口座を開設している金融機関の支店に関する情報を示す。
【0074】
項目「口座種別」は、融資判定システム1において管理するユーザが口座を開設している金融機関の口座を種別する情報を示す。具体的には、例えば、ユーザの口座が法人口座であるか一般口座であるかを識別する情報を示す。
【0075】
項目「口座番号」は、融資判定システム1において管理するユーザが開設している口座の口座番号を示す。
【0076】
項目「取引日時」は、融資判定システム1にて管理するユーザの金融機関の口座において、ユーザが取引を行った日付を示す情報である。具体的には、当該項目は、ユーザの金融機関の口座において、入金、出金等のアクションが生じた日付の情報を示す。
【0077】
項目「取引種別」は、融資判定システム1にて管理するユーザの金融機関の口座において生じた取引の種別を示す情報である。例えば、項目「取引種別」は、下記の情報を含む。
・入金
・出金
【0078】
項目「金額」は、融資判定システム1にて管理するユーザの金融機関の口座において、ユーザが取引を行った金額を示す情報である。
【0079】
項目「詳細」は、融資判定システム1にて管理するユーザの金融機関の口座において生じた取引の詳細を示す情報である。具体的には、取引の詳細情報として、例えば、下記を含む。
・入金元、出金先企業の名称
・入金、出金の分類(売掛金回収、ローン支払、振り込み、引き落とし、返済等)
ある局面において、サーバ20は、当該詳細情報に基づいて、ユーザの融資判定を実行してもよい。
【0080】
項目「備考」は、融資判定システム1にて管理するユーザの金融機関における口座の情報において、特記事項などがある場合に保持される情報である。
【0081】
この他、口座情報データベース2022は、ユーザの口座残高に関する情報を保持していてもよい。
【0082】
<3 動作>
以下、
図5を参照しながら、第1の実施の形態における融資判定システム1による一連の処理について説明する。
【0083】
図5は、実施の形態1の融資判定システム1による融資判定のための処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS501において、端末装置10の制御部180は、ユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付ける。具体的には、例えば、制御部180は、ディスプレイ150等に資金調達の申し込みのための画面を表示し、ユーザからの入力操作を受け付けることで、当該申し込みを受け付ける。ある局面において、制御部180は、資金調達の申し込みを受け付ける際に、ユーザから金融機関の口座の情報等を受け付けてもよい。
ある局面において、資金調達に関する情報は、例えば、下記を含む。
・融資
・ファクタリング
【0085】
ステップS551において、サーバ20の制御部203は、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関からユーザの口座情報を取得する。具体的には、例えば、サーバ20の制御部203を構成する口座情報取得モジュール2034は、予め記憶部に記憶している当該ユーザの口座情報を取得する。例えば、口座情報取得モジュール2034は、ユーザの口座情報として、下記の情報を取得する。
・所定期間におけるユーザの入出金明細の履歴・推移
・所定期間におけるユーザの口座残高の推移
・ユーザの入出金の入金元・出金先
このとき、口座情報取得モジュール2034が取得するユーザの口座情報は、一つに限らない。口座情報取得モジュール2034は、ユーザが開設している複数の口座情報を取得してもよい。口座情報取得モジュール2034は、取得したユーザの口座情報を、口座情報データベース2022へ格納する。
ある局面において、サーバ20は、予め記憶部に記憶しているユーザの口座情報ではなく、連携する会計サービス等を提供するソフトウェア、アプリケーション、プログラム等からユーザの口座に関連する情報を取得してもよい。
ある局面において、口座情報取得モジュール2034は、ユーザの口座情報を取得する際、複数の金融機関がそれぞれ提供する参照系APIを経由して当該情報を取得してもよい。
【0086】
ステップS552において、サーバ20の制御部203は、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から取得した口座情報について、融資可能判定を行う際の重み付けを行う。具体的には、例えば、サーバ20の制御部203を構成する重み付け実行モジュール2035は、取得したユーザの口座情報のうち、入出金明細に関する情報(例えば、入出金明細の推移)を取得し、当該入出金明細の情報に基づいて、ユーザの融資判定における所定の係数を設定する。重み付け実行モジュール2035は、ある局面において、ユーザの口座情報における口座残高の推移に関する情報に基づいて、重み付けを行ってもよい。他にも、重み付け実行モジュール2035は、金融機関ごとに所定の係数を設定し、ユーザが取引を行っている金融機関の情報に基づいて、重み付けを行ってもよい。
これにより、ユーザは、金融機関との取引額だけでなく、取引をしている金融機関の情報に基づいて、融資判定を行うことができる。
【0087】
ステップS553において、サーバ20の制御部203は、重み付けに基づいてユーザに対して融資可能か否かを判定する。具体的には、例えば、サーバ20の制御部203を構成する融資可能判定モジュール2036は、ユーザの登録情報、口座情報、および重み付けの結果に基づいて、ユーザの財務状況が健全か否かを判断し、融資可能か否かを判定する。このとき、財務状況の健全さとして、例えば、下記に含む指標に基づいて判断する。
・きわめて健全
・健全
・やや健全
・やや不健全
・不健全
・きわめて不健全
これにより、融資をする金融機関は、ユーザの財務状況であるか健全であると担保されたうえで、融資判定を行うことができる。
【0088】
ステップS554において、サーバ20の制御部203は、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とから、資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出する。具体的には、例えば、サーバ20を構成する金融商品抽出モジュール2037は、取得したユーザ情報におけるユーザの業態等の情報と、取得したユーザの口座情報におけるユーザの口座残高等の情報と、に基づいて、ユーザが利用可能な金融商品の情報を抽出する。金融商品は、例えば、下記を含む。
・製造業向け金融商品
・飲食業向け金融商品
・サービス業向け金融商品
・建設業向け金融商品
・一般個人向け金融商品
・法人向け金融商品
ある局面において、金融商品抽出モジュール2037は、抽出した候補について、ユーザの情報に基づいて順位付けを行ってもよい。すなわち、金融商品抽出モジュール2037は、ユーザの情報に基づいて、候補の中から優先して提示する金融商品の候補および優先度を特定し、当該優先度に基づいてユーザに金融商品の情報を提示してもよい。
また、ある局面において、金融商品抽出モジュール2037は、ユーザが利用している会計サービスの利用状況を参照し、金融商品を抽出してもよい。
【0089】
さらに、ある局面において、金融商品抽出モジュール2037は、ユーザの口座情報から所定のロジックにより判定を行ってもよい。所定のロジックは、例えば、ユーザの口座情報と、ユーザが利用可能な金融商品の候補に関する情報とを関連付けた機械学習モデルであってもよい。
これにより、ユーザは、どの金融商品が自身の事業により適切かを把握することができる。
【0090】
ステップS555において、サーバ20の制御部203は、抽出した金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示する。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する金融商品提示モジュール2038は、抽出した金融商品が複数ある場合に、各金融商品を所定の態様でユーザに提示してもよい。所定の態様は、例えば、下記を含む。
・各金融商品を並列に表示する表形式
・各金融商品のメリット、デメリットを強調した比較形式
・各金融商品の最大投資額を表示したグラフ形式
ユーザに提示する態様は、上記に限られない。
これにより、ユーザは、各金融商品の特徴を確認しながら検討することができる。
【0091】
ステップS502において、端末装置10の制御部180は、提示した1または複数の金融商品に対して、ユーザの選択による申込を受け付ける。
【0092】
ステップS556において、サーバ20の制御部203は、判定結果が融資可能である場合には、ユーザに対する融資可能金額の設定を行う。具体的には、例えば、融資金額設定モジュール2040は、ユーザの口座情報、および重み付けの結果に基づいて、当該ユーザの融資可能上限を設定する。例えば、融資金額設定モジュール2040は、重み付けの結果、ユーザの財務状況が「きわめて健全」である場合には、ユーザの口座情報に基づいて算出される融資額よりも大きい融資額を融資可能上限として設定してもよい。
これにより、ユーザは、取引実績に即した融資を受けることができる。
また、ある局面において、融資金額設定モジュール2040の処理は、金融商品を提供する資金調達機関のサーバ(図示せず)において行われてもよい。すなわち、サーバ20は、端末装置10の制御部180から、提示した1または複数の金融商品に対するユーザからの選択を受け付けると、ユーザの口座情報、重み付けの結果等の各種情報を資金調達機関のサーバに送信する。その後、資金調達機関のサーバは、取得した各種情報に基づいて、ユーザに対し融資可能であるか否かを再度判定し、判定可能である場合には、当該ユーザへの融資金額を設定してもよい。
【0093】
ステップS503において、端末装置10の制御部180は、融資判定の結果、融資可能金額等の情報をディスプレイ150に表示する等によりユーザに提示する。
【0094】
ある局面において、サーバ20の制御部203は、ユーザが利用可能な金融商品の融資総額と金融機関ごとの融資額の内訳とをともにユーザに提示してもよい、
これにより、ユーザは、利用可能な金融商品の情報を、網羅的に把握することができる。
【0095】
<4 画面例>
以下、
図6を参照しながら、融資判定システム1の画面例について説明する。
【0096】
図6は、融資判定システム1において、ユーザの口座情報のうち、入出金明細の推移をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【0097】
図6に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ユーザ残高合計601と、入出金明細表示部602とが表示されている。
ユーザ残高合計601において、端末装置10の制御部180は、融資判定システムにおける、ユーザの銀行口座の残高の合計を表示する。具体的には、制御部180は、ユーザ残高合計601において、ユーザが開設している複数の金融機関の口座における残高の合計値を表示する。
これにより、ユーザは、金融機関の口座を複数開設している場合でも、残高の合計を容易に把握することができる。
【0098】
入出金明細表示部602において、端末装置10の制御部180は、ユーザが開設している金融機関それぞれの口座における入出金明細を表示する。具体的には、制御部180は、入出金明細表示部602に、下記の情報を表示してもよい。
・情報の更新日
・金融機関の名称
・金融機関の支店名
・口座種別および口座番号
・当該口座の残高
・出入金明細(取引日時、取引先、出金/入金の種別、金額)
制御部180は、
これにより、ユーザは、自身の口座情報を纏めて確認することができる。
また、売上実績等のない、登記して間もない法人のユーザであっても、本システムを利用することで、財務状況が健全であるかを判断できるため、適切に融資判定をすることができる。
【0099】
図7は、融資判定システム1において、融資可能な金融商品の候補をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【0100】
図7に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、条件入力部701と、ステータス表示部702と、結果表示部703とが表示されている。
条件入力部701において、端末装置10の制御部180は、ユーザが融資可能な金融商品を検索するための条件を入力するための欄等を条件入力部701に表示する。具体的には、例えば、制御部180は、条件入力部701に、下記の情報を表示する。
・都道府県
・調達可能額の範囲(上限、下限)
・対象となる金融機関(銀行融資、公的融資、ファクタリング、ノンバンク融資、オンラインレンディング、ソーシャルレンディング等)
・他の追加条件(代表者保証不要、来店不要、最短回答即日等)
・絞り込み(検索)実行ボタン
・条件クリアボタン
このとき、制御部180は、対象となる金融機関、他の追加条件の項目ごとにチェックボックスを表示することで、ユーザからの選択を受け付けてもよい。
これにより、ユーザは、詳細な条件を入力した上で融資可能な金融商品を検索することができる。
【0101】
ステータス表示部702において、端末装置10の制御部180は、ユーザが実行した検索結果のステータスを表示する。具体的には、例えば、制御部180は、下記を含む情報を表示する。
・結果の並び替えボタン(審査通過性が高い、融資可能額が高い、利率が低い等)
・可能性判断の最新実施日時
・可能性診断実施からの経過時間
これによりユーザは、検索結果のステータスを簡易に把握することができる。
【0102】
結果表示部703において、端末装置10の制御部180は、ユーザにより入力された条件に基づいて、融資可能な金融商品を検索した結果を条件入力部701に表示する。具体的には、例えば、制御部180は、下記を含む情報を結果表示部703に表示する。
・金融商品の基本情報(金融機関名、商品名等)
・金融商品の種類(法人向け、個人向け等)
・調達可能額(上限額、下限額、一般的な調達額の範囲)
・利率/手数料率(年間の利率/手数料率の範囲、通常の年間利率/手数料率の範囲等)
・返済期間(返済期間、通常の返済期間等)
・着金までの日数
・審査に使用された情報(個人信用情報、財務情報、入出金明細等)
・審査通過可能性
・商品詳細を表示するためのボタン
・お気に入りボタン
このとき、制御部180は、審査に使用された情報として、実際に使用された情報を太字、下線を付して表示してもよい。
これにより、ユーザは、融資可能な金融商品を纏めて確認することができる。
【0103】
図8は、融資判定システム1において、融資可能な金融商品のうち、ユーザから指定された金融商品の情報を比較して提示する際の画面例を示す図である。
【0104】
図8に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、条件入力部801と、結果表示部802とが表示されている。
条件入力部801において、端末装置10の制御部180は、ユーザが金融商品を比較するための条件を入力するための画面を条件入力部801に表示する。具体的には、例えば、制御部180は、下記を含む情報を条件入力部801に表示する。
・調達希望額
・返済期間
ある局面において、制御部180は、当該画面にシミュレーション実行ボタンを表示してもよい。シミュレーション実行ボタンの押下をユーザから受け付けると、制御部180は、ユーザから設定された調達希望額の情報と返済期間の情報とに基づいて、月々の返済額および利率の情報をユーザに提示してもよい。
これにより、ユーザは、無理のない融資および返済計画を立てることができる。
【0105】
結果表示部802において、端末装置10の制御部180は、条件入力部801において入力された情報に基づいて、条件に合致する金融商品の情報を、金融商品ごとに比較した結果を結果表示部802に表示する。制御部180は、金融商品の情報として、下記を含む情報を結果表示部802に表示する。
・金融商品名
・返済総額
・利息/手数料の総額
・毎月の返済額
これにより、ユーザは、月々の返済額等を比較した状態で金融商品を比較できるため、自身の財務状況にあった無理のない金融商品を選択することができる。
【0106】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、端末装置10は、ユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付ける。サーバ20は、複数の金融機関の中からユーザの口座情報を取得する。サーバ20は、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とから、資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出する。サーバ20は、抽出した金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置に送信して提示する。端末装置10は、提示した1または複数の金融商品の中から、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置から受け付ける。サーバ20は、複数の金融機関の中から取得した口座情報について、融資可能判定を行う際の重み付けを行う。サーバ20は、重み付けに基づいてユーザに対して融資可能か否かを判定する。サーバ20は、判定結果が融資可能である場合には、ユーザに対する融資可能金額の設定を行う。
これにより、ユーザは適切に融資判定がされ、融資を受けることが可能となる。
また、入出金明細情報を交付することで、ユーザは融資申込時の提出書類を削減することが可能となる。
【0107】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0108】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0109】
(付記1)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20によって実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップ(S501)と、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップ(S551)と、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップ(S554)と、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置10に送信して提示するステップ(S555)と、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置10から受け付けるステップ(S502)と、を実行させる、プログラム。
【0110】
(付記2)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関の中から取得した口座情報について、融資可能判定を行う際の重み付けを行うステップ(S552)と、重み付けに基づいて、ユーザに対して融資可能か否かを判定するステップ(S553)と、判定結果が融資可能である場合には、ユーザに対する融資可能金額の設定を行うステップ(S556)と、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0111】
(付記3)
資金調達が、融資、ファクタリングからなる群から選択される少なくとも1つを含む、付記1または2に記載のプログラム。
【0112】
(付記4)
ユーザの口座情報を取得するステップ(S551)において、複数の金融機関がそれぞれ提供するAPIを経由して当該情報を取得する、付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0113】
(付記5)
ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップ(S552)において、ユーザが利用している会計サービスの利用状況を参照する、付記1から4のいずれかに記載のプログラム。
【0114】
(付記6)
ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップ(S552)において、ユーザの口座情報から所定のロジックにより判定を行う、付記1から5のいずれかに記載のプログラム。
【0115】
(付記7)
所定のロジックは、ユーザの口座情報と、ユーザが利用可能な金融商品の候補に関する情報とを関連付けた機械学習モデルである、付記6に記載のプログラム。
【0116】
(付記8)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、ユーザが利用可能な金融商品の融資総額と金融機関ごとの融資額の内訳とをともにユーザに提示するステップを実行させる、付記1から7のいずれかに記載のプログラム。
【0117】
(付記9)
制御部203を備える情報処理装置20であって、制御部203が、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップ(S501)と、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップ(S551)と、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップ(S552)と、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置10に送信して提示するステップ(S553)と、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置10から受け付けるステップ(S502)と、を実行する、情報処理装置20。
【0118】
(付記10)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20によって実行される方法であって、方法は、プロセッサ29が、資金調達を希望する申込者であるユーザから、資金調達に関する情報の登録を受け付けるステップ(S501)と、ユーザが口座を保有している1または複数の金融機関から、ユーザの口座情報を取得するステップ(S551)と、受け付けたユーザの登録情報と、取得した口座情報とに基づき、ユーザの資金調達に利用可能な金融商品を1または複数抽出するステップ(S552)と、抽出した1または複数の金融商品の情報を、ユーザが使用する端末装置10に送信して提示するステップ(S553)と、提示した1または複数の金融商品に対する、ユーザの選択による申込をユーザが使用する端末装置10から受け付けるステップ(S502)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0119】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、170 記憶部、1701 ユーザ情報、180 制御部、1801 入力操作受付部、1802 送受信部、1803 データ処理部、1804 報知制御部、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 ユーザ情報データベース、2022 口座情報データベース、203 制御部、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 ユーザ情報取得モジュール、2034 口座情報取得モジュール、2035 重み付け実行モジュール、2036 融資可能判定モジュール、2037 金融商品抽出モジュール、2038 金融商品提示モジュール、2039 申込受付モジュール、2040 融資金額設定モジュール、2041 結果提示モジュール。