(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055700
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】ワークを搬送するための搬送方法
(51)【国際特許分類】
B30B 13/00 20060101AFI20230411BHJP
B21K 27/00 20060101ALI20230411BHJP
B23Q 41/02 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B30B13/00 G
B21K27/00 D
B23Q41/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000562
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2018556301の分割
【原出願日】2017-04-25
(31)【優先権主張番号】000562/16
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(71)【出願人】
【識別番号】593029411
【氏名又は名称】ハテブル ウムフオルマシネン アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・モーゼル
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ライブントグート
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・マリッツ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・マット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ステーションの処理具の操作範囲外にある安全な待ち位置への挟持具の移動によって、処理故障から生じる損害を予防する。
【解決手段】処理設備の複数の連続のステーションの間において、特に成形設備の複数の連続のステーションの間において、ワークを搬送するための搬送方法においては、ワークは処理設備の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具によって同時に搬送され、この複数の挟持具は搬送サイクルにおいて共同に移動可能である。処理故障の事件において、搬送サイクルが一時停止され、挟持具がワークとともに待ち位置に移動され、待ち位置において、ワークが処理設備のステーションの処理具の操作範囲外にある。処理故障が排除されると、ワークの搬送サイクルは再開する。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理設備(M)の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、特に成形設備の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、ワークを搬送するための搬送方法であって、前記ワーク(W)は前記処理設備(M)の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具(32a、32b)によって同時に搬送され、前記複数の挟持具(32a、32b)は搬送サイクルにおいて共同に移動可能であり、処理故障の事件において、前記搬送サイクルが一時停止され、前記挟持具(32a、32b)が前記ワーク(W)とともに待ち位置(27)に移動され、前記待ち位置(27)において、前記ワーク(W)が前記処理設備(M)の前記ステーション(110、120、130、140、150)の処理具(112、122、132、142、152)の操作範囲外にあり、前記処理故障が排除されると、前記ワーク(W)の前記搬送サイクルは再開する、搬送方法。
【請求項2】
前記処理故障は、搭載ステーション内においてなくなったワークによってまたは処理不可のワーク(W’)によって起こされた、請求項1に記載の搬送方法。
【請求項3】
前記処理故障は、なくなったワークまたは挟持具(32a、32b)に誤挿入されたワーク(W)によって起こされた、請求項1または2に記載の搬送方法。
【請求項4】
前記処理故障は、挟持具(32a、32b)の破損品によってまたは前記処理設備の破損品によって起こされた、請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項5】
ワークが存在していないこと、または処理不可のワーク(W’)の存在はセンサ装置(65)によって検出され、これらの場合において、前記挟持具(32a、32b)が前記待ち位置(27)に移動されることは前記センサ装置(65)によって開始される、請求項2に記載の搬送方法。
【請求項6】
ワークが存在していないこと、または挟持具(32a、32b)に誤挿入されたワーク(W)の存在は挟持具駆動部(33)の挟持具制御器(70)によって検出され、これらの場合において、前記挟持具(32a、32b)が前記待ち位置(27)に移動されることは前記挟持具制御器(70)によって開始される、請求項3に記載の搬送方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送方法を実行するための搬送装置であって、移動可能に装着された挟持具支持部(20)を有し、複数の挟持具(32a、32b)およびモータ駆動の挟持具支持部駆動要素(51-56)が前記挟持具支持部(20)に配置されており、各前記挟持具(32a、32b)は1つのワーク(W)を挟持するためのものであり、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)は、前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)が前記処理設備の前記ステーションの間において前後移動するためのものであり、前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)を待ち位置(27)に移動させるように構成されており、前記搬送装置は前記挟持具支持部駆動要素(51-56)のための支持部制御器(60)を備え、前記支持部制御器(60)は、前記挟持具支持部(20)の移動を制御し、与えられた制御命令の結果として、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)によって前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)を待ち位置(27)に移動させて前記ワーク(W)の搬送を一時停止するように構成されている、搬送装置。
【請求項8】
前記挟持具支持部(20)は、直線的にガイドされる形式で移動可能なように装着されており、かつ、平行四辺形ガイド機構(11-16)によってその直線的ガイド可動性に対して横方向に変位可能に装着されている、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記挟持具支持部(20)が挟持具支持部駆動要素(51-56)によって移動可能であり、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)が2つのクランク装置機構(51-54)を備え、各前記クランク装置機構(51-54)が関連の挟持具支持部駆動モータ(55、56)を有し、各前記クランク装置機構(51-54)がクランク(51、52)と駆動棒(53、54)とを有し、前記クランク(51、52)が前記関連の挟持具支持部駆動モータ(55、56)によって回転駆動可能であり、前記駆動棒(53、54)が前記クランク(51、52)および前記挟持具支持部駆動要素(20)と関節接続している、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)は、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)によって、移動の第1直線的軌道(21a)に沿う前進移動が可能であり、前記移動の第1直線的軌道と平行な移動の第2直線的軌道(21c)に沿う戻り移動が可能である、請求項7から9のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記搬送装置は、なくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされる処理故障を検出するため、および、当該故障を前記支持部制御器(60)に通知するためのセンサ装置(65)を有する、請求項7から10のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記挟持具(32a、32b)が挟持具駆動部(33)にそれぞれに指定され、前記挟持具(32a、32b)の個別操作のために、前記挟持具駆動部(33)が前記挟持具支持部(20)に配置されており、前記挟持具制御器(70)が個別の前記挟持具(32a、32b)の開閉動作および挟持力を個別に制御するように構成されている、請求項7から11のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部分の通り、処理設備の複数の連続のステーションの間においてワークを搬送するための搬送方法に関し、特に成形設備の複数の連続のステーションの間においてワークを搬送するための搬送方法に関する。また、本発明は、請求項7のプリアンブル部分の通り、搬送方法を実行するための搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体成形(mass-forming)および他の成形操作または処理操作において、一般的にワークは処理設備のいくつかのステーションを連続に通り、このワークはステーションずつに搬送される。成形設備において、典型的に、これらのステーションは搭載ステーションおよび様々なステーションである。ステーションずつにワークを搬送するために、一般的にはトング状の挟持具(grasping tool)を備え処理設備のリズムにしたがって操作する搬送装置が利用される。挟持具は、同期的にワークを挟持し、そのワークを1つのステーションから引き出して別個の次のステーションに供給し、そのワークを解放する。
【0003】
既知の処理設備の場合において、特に既知の成形設備の場合において、挟持具の搬送の移動と操作とは処理設備のパワートレーンに連結されており、例えば特許文献1が知られている。
【0004】
特許文献2は漸進的な打ち抜きプレスのための打ち抜き装置を開示し、打ち抜き装置において打ち抜ち部品は星状の回転アーム配置の上にある挟持具によって1つの処理ステーションから次へ搬送される。この星状の回転アーム配置は駆動モータによって交替で時計回り方向におよび反時計回り方向に回転される。
【0005】
成形設備におけるワークを搬送するための搬送装置は特許文献3に説明されている。この既知の搬送装置において、挟持トング状に構成された複数の挟持具は共通のトング支持部に配置されており、各挟持具は成形設備のパワートレーンから分離された専用の挟持具駆動部を有し、トング支持部は、成形設備の任意の隣接する2つのステーションの間において全ての挟持トングが共同に前後移動されることによって、長手方向に移動可能であって長手方向に対する横方向にも移動可能である。挟持トングは2つの回動アームを有し、回動アームは、運動学的に結合部品を介してサーボモータによって駆動され、よって、互いに向かうようにおよび互いに離れるように回動可能である。特許文献3は基本的には挟持トングの構成およびその駆動に関し、挟持トングの搬送の移動を行うためのトング支持部の駆動については具体的に説明されていない。
【0006】
成形設備において、特に熱成形設備において、原料は一般的には棒の形で提供され、その棒から所要の長さのピースが切断される。棒の始端および末端は成形処理に入れられることが許されなくて廃棄されるべきである。これら廃棄される部分が成形処理からなくなり成形設備において個別の空きの成形ステーションを生じる。これらの位置に成形力が存在しないため、機器本体の応力変形が変化し、その変化は成形品の外形に悪影響を与える。この条件の下で、このような成形品は利用できず、完成の成形品から手動的に選り分けられるまたは適切な分離装置によって分離される必要がある。機器分離は精度が低く、良好な成形品でも分離されることがある。また、空きの成形ステーションが冷却水による冷却を比較的大きく受け、その冷却は成形具に対して摩損に悪影響を与える。この問題は、例えば特許文献4に詳細に説明されている。
【0007】
従来の搬送装置および搬送装置に実行される搬送方法の更なる問題は、処理故障の事故において、例えば、空きの挟持具によって、挟持具に誤挿入されたワークによって、または、破断した挟持具や破折したパンチなどの破損品によって起こる処理故障の事故において、すぐに反応することができないため、ワークが希望通りの形状にならない上で、搬送装置または成形設備に結果的に破損が生じることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】スイス特許出願公開第595155号明細書
【特許文献2】欧州特許第2233221号明細書
【特許文献3】欧州特許第1048372号明細書
【特許文献4】欧州特許第1848556号明細書
【発明の概要】
【0009】
背景技術の問題に対して、下記発明は、最初に言及した搬送方法および対応する搬送装置を改善することができ、そのため、容易にかつ迅速に処理故障に反応することを可能とする。よって、結果的に損害を回避することができる。特定の目的は、処理設備のステーションにおける空き位置を回避することである。
【0010】
この問題は、特許請求の範囲の独立請求項1および請求項7にそれぞれに規定されている本発明に係る搬送方法および本発明に係る搬送装置によって、解決された。本発明の特に有利な発展および実施形態は特許請求の範囲の各従属項に表れている。
【0011】
搬送方法について、本発明の核心は以下の通りである。処理設備の複数の連続のステーションの間において、特に成形設備の複数の連続のステーションの間において、ワークを搬送するための搬送方法においては、ワークは処理設備の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具によって同時に搬送され、この複数の挟持具は搬送サイクルにおいて共同に移動可能である。処理故障の事件において、搬送サイクルが一時停止され、挟持具がワークとともに待ち位置に移動され、待ち位置において、ワークが処理設備のステーションの処理具の操作範囲外にある。処理故障が排除されると、ワークの搬送サイクルは再開する。
【0012】
ステーションの処理具の操作範囲外にある安全な待ち位置への挟持具の移動によって、結果的に処理故障から生じる損害を予防することができる。
【0013】
処理故障が搭載ステーション内においてなくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされた場合、空きの処理ステーションおよび関連する不利を回避することを可能とするため、この方法は特に有利である。
【0014】
処理故障がなくなったワークまたは挟持具に誤挿入されたワークによって起こされた場合、空きの処理ステーションまたは誤挿入されたワークによって起こされる更なる故障を回避することを可能とするため、この方法も有利である。
【0015】
処理故障が挟持具の破損品によってまたは処理設備の破損品によって起こされた場合、結果的に更なる損害を回避することを可能とするため、この方法も有利である。
【0016】
有利なことに、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在はセンサ装置によって検出され、これらの場合において、挟持具が待ち位置に移動されることはセンサ装置によって開始される。これは、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在によって起こされる処理故障の事件において、挟持具に自動的に待ち位置に移動させることを可能とする。
【0017】
有利なことに、ワークが存在していないこと、または挟持具に誤挿入されたワークの存在は挟持具駆動部の挟持具制御器によって検出され、これらの場合において、挟持具が待ち位置に移動されることは挟持具制御器によって開始される。これは、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在によって起こされる処理故障の事件において、挟持具に自動的に待ち位置に移動させることを可能とする。
【0018】
搬送方法を実行するための搬送装置について、本発明の核心は以下の通りである。搬送装置は移動可能に装着された挟持具支持部を有し、複数の挟持具およびモータ駆動の挟持具支持部駆動要素が挟持具支持部に配置されており、各挟持具は1つのワークを挟持するためのものであり、挟持具支持部駆動要素は、挟持具を有する挟持具支持部が処理設備のステーションの間において前後移動するためのものである。挟持具支持部駆動要素は、挟持具を有する挟持具支持部を待ち位置に移動させるように構成されている。搬送装置は挟持具支持部駆動要素のための支持部制御器をさらに備え、支持部制御器は、挟持具支持部の移動を制御し、与えられた制御命令の結果として、挟持具支持部駆動要素によって挟持具を有する挟持具支持部を待ち位置に移動させてワークの搬送を一時停止するように構成されている。
【0019】
本発明に係る搬送装置によって、ワークの搬送は処理故障の事件において簡単に一時停止でき、挟持具を有する挟持具支持部は簡単に安全位置に移動させられ、よって、結果的に損害を回避することである。
【0020】
有利なことに、挟持具支持部は、直線的にガイドされる形式で移動可能なように装着されており、かつ、平行四辺形ガイド機構によってその直線的ガイド可動性に対して横方向に変位可能に装着されている。さらに、有利なことに、挟持具支持部が挟持具支持部駆動要素によって移動可能であり、挟持具支持部駆動要素が2つのクランク装置機構を備え、各クランク装置機構が関連の挟持具支持部駆動モータを有し、各クランク装置機構がクランクと駆動棒とを有し、クランクが関連の挟持具支持部駆動モータによって回転駆動可能であり、駆動棒がクランクおよび挟持具支持部駆動要素と関節接続している。
【0021】
専用の挟持具支持部駆動要素によって、搬送装置は処理設備のパワートレーンから分離されている。挟持具支持部の前後移動可能に対する挟持具支持部の分離および変位性は、挟持具支持部を故障の事件において素早く安全な位置に移動させることを可能とする。2つのクランクを介する挟持具支持部と挟持具支持部駆動モータとの運動学的接続は、挟持具支持部駆動モータの対応する作動だけで移動シーケンスの制御を簡単にすることができる。
【0022】
有利なことに、挟持具を有する挟持具支持部は、挟持具支持部駆動要素によって、移動の第1直線的軌道に沿う前進移動が可能であり、移動の第1直線的軌道と平行な移動の第2直線的軌道に沿う戻り移動が可能である。移動の2つの直線的軌道の間の空間があるため、挟持具を処理設備のステーションにおける処理具の操作範囲外に簡単に移動させることができる。
【0023】
非常に有利なことに、搬送装置は、なくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされる処理故障を検出するため、および、当該故障を支持部制御器に通知するためのセンサ装置を有する。その結果、支持部制御器は自動的に挟持具を待ち位置に移動させることができる。
【0024】
有利なことに、挟持具が挟持具駆動部にそれぞれに指定され、挟持具の個別操作のために、挟持具駆動部が挟持具支持部に配置されており、挟持具制御器が個別の挟持具の開閉動作を個別に制御するように、好ましくは挟持力も個別に制御するように構成されている。その結果、支持部制御器は自動的に挟持具を待ち位置に移動させることができる。
【0025】
本発明は図面に示された例示的な実施形態を参照しながらもっと詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図2】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図3】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図4】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図5】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図6】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図7】
図1-6にかかる処理設備の搬送装置の斜視全体図
【
図14】
図13のXIV-XIV線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図16】
図15のXVI-XVI線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図17】
図15のXVII-XVII線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図18】処理設備の制御機構または処理設備内の搬送装置の模式図
【
図19】通常操作中に搬送装置の挟持具の移動軌道の模式図
【
図20】処理故障の事故における挟持具の移動軌道の模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
下記の注意事項は以下の説明について適用される。参照番号が図面の明確性のために図面に含まれるものの説明の直接的に関わる部分に言及されていない場合、前後の説明におけるこれらの参照番号の解釈を参照すべきである。一方、図面が過度に複雑になることを回避するために、即座の理解に関わりが少ない参照番号は全ての図面に含まれるのではない。このような場合には他の図面を参照すべきである。
【0028】
図1-6の全体的な図示は、成形設備の例示を用いて、本発明に係る処理設備の一部を示し、本発明の理解に関わる。
図1は
図2のI-I線に従って正面から見える図であり、
図2は
図1のII-II線に従う断面図である。同様に、
図3および
図5は正面から見る図であり、
図4および
図6は関連する断面図である。
【0029】
示された例示的な実施形態において、参照符号Mによって全体として指された成形設備は順次に配置された5つのステーション110、120、130、140、150を備え、そのうち、第1ステーションは搭載ステーションであり、他のステーション120、130、140、150は成形ステーションである。成形ステーション120、130、140、150は、共通のダイホルダ101に配置された4つの成形ダイ121、131、141、151と、パンチ122、132、142、152という形式の成形具と、4つの排出要素123、133、143、153とを備え、排出要素123、133、143、153を用いて、パンチによって成形ダイの中において既に成形が終わったワークWを成形ダイから排出することができる。搭載ステーション110は、棒材(未図示、同様に未図示の棒材送り装置によって供給される)からワークを剪断する剪断装置112と、ワークを剪断装置112から排出することができる排出要素113とを備える。参照符号Tによって全体として指された搬送装置は成形設備Mの1つのステーションから別個の次のステーションへワークを搬送するために提供される。
図1-
図6のそれぞれは搬送装置Tの挟持具のみを示し、各挟持具は1対のトングアーム32aおよび32bを有する。
【0030】
成形設備の操作中に、搬送装置Tのトング状の挟持具の開始位置において、各挟持具は、1対のトングアーム32a、32bから形成されており、ワークWの1つを取る。当該ワークWは、準備が整った状態に搭載ステーション110において保持されたもの、または、成形ステーション120、130、140、150(
図1、
図2)の成形ダイ121、131、141、151から既に排出されたものである。挟持具は続いてこれらのワークWを同時に成形設備Mの別個の次のステーションに搬送する。成形が終わったワークは解放された最後の成形ステーション150から取られ、成形設備から取り出されてもよい。
図3、
図4はそれを示す。成形ステーション120、130、140、150において、ワークWは成形ダイ121、131、141、151の中に挿入されてパンチ122、132、142、152によって成形を受ける。搬送装置Tは続いて(空きの)挟持具を
図1、
図2に示された開始位置に戻す。そこで、
図3、
図4に示されたように、各挟持具は新たなワークWを取り、再びこれらのワークを成形設備における次のステーションに搬送する。当該新たなワークWは、準備が整った状態に搭載ステーション110において保持されたもの、または、成形ステーション120、130、140、150の成形ダイ121、131、141、151から既に排出されたものである。シーケンス全体は、成形設備Mのリズムにしたがって搬送サイクルで行われる。
【0031】
前述した搬送操作の簡略説明から、各搬送サイクルにおいて、各挟持具は異なるワークを搬送すること、および、処理設備内の各対の隣接するステーションが異なる挟持具によって挟持されることが明白である。本発明の文脈において、複数の挟持具による成形設備内のステーションからステーションへのワーク搬送はこのように理解されるべきである。
【0032】
ここまでは、示された処理または成形設備Mがこの種類の従来の処理設備または成形設備に構造上および操作モード上対応するため、この点について当業者には更なる説明は必要でない。
【0033】
処理または成形設備Mの搬送装置は
図7-
図17を参照しながら詳細に説明される。参照符号Tによって全体として指された搬送装置は、固定枠10と、平面状の挟持具支持部20と、挟持具支持部駆動要素とを備え、挟持具支持部20は、枠10の上にまたは中に移動可能なように配置されており、ここの例示において5つの挟持具ユニット30を支持する。全ての挟持具ユニット30は共通の基準平面Eから同様な距離で配置されている(
図7)。挟持具ユニットに向かう平面状の挟持具支持部20の正面は、基準平面Eと平行に整列している。挟持具支持部駆動要素は2つの挟持具支持部駆動モータ55、56を備え、各挟持具支持部駆動モータ55、56は、ロータリエンコーダと伝動部(gearing)とを有するサーボモータであるように構成されており、枠10に強固に装着されている。また、工具支持部駆動要素は2つのクランク装置機構を備え、各クランク装置機構はクランク51、52と駆動棒(連結棒)53、54をそれぞれに有する。クランク51、52は、挟持具支持部駆動モータ55、56の伝動部の回転可能な部分にそれぞれに強固に装着されており、よって、回転駆動可能である。実用上、枠10は成形設備Mの機器本体(未図示)に装着されるため、取り外し可能または回動可能であり、よって、成形ダイまたは成形具への適用は簡単に得られる。
【0034】
枠10において、2つの平行なガイド棒11、12が配置されており(
図7-
図10)、それらの軸が基準平面Eを定義する(
図7)。2つの連結棒13、14は、これらのガイド棒11、12上でまたはこれらのガイド棒11、12に沿ってガイドされるため、ガイド棒の長手方向に直線的移動可能である。また、2つの連結棒13、14は2つのガイド棒11、12のうち1つの周りにそれぞれに回動可能に接合されている。ガイド棒から離れる一端において、連結棒13、14は2対のジャーナル15、16によって挟持具支持部20に回動可能に結びつけられている(
図9、
図10)。2対のジャーナル15、16の間の距離は2つのガイド棒11、12の間の距離と同様である。ジャーナル15とガイド棒11との間の距離はジャーナル16とガイド棒12との間の距離と同様である。したがって、2つの平行なガイド棒11、12および2つの連結棒13、14は挟持具支持部20とともに挟持具支持部20のための平行四辺形ガイド機構を形成し、挟持具支持部20は2つの方向(図における上方向および下方向)にも変位可能であり、その2つの方向はガイド棒11、12の長手方向に対する横方向である。
図7において、この横方向は双方向矢印25によって表されている。同時に、摺動可能に装着された連結棒13、14を介して、挟持具支持部20はガイドされた形でガイド棒11、12の長手方向にガイド棒11、12に沿って前後移動可能であり、これは双方向矢印26によって
図7において示されている。よって、挟持具支持部20は基準平面Eと平行に直線的移動可能であるようにガイドされる。また、挟持具支持部20は、基準平面と実質的に平行で、かつ、その直線的移動に対して横方向に変位可能なように装着されている。
【0035】
各駆動棒(連結棒)53、54は、その一端によってクランク51、52にそれぞれに回転可能に接合されており、その他端によって挟持具支持部20にそれぞれに回転可能に接合されている。2つの挟持具支持部駆動モータ55、56による2つのクランク51、52の対応する回転を介して、挟持具支持部20は双方向矢印26および/または双方向矢印25の方向に(所定制限内に)所望通りに移動されることができる。
【0036】
平行四辺形ガイドの利点は、挟持具支持部20の横方向の変位(ガイド棒の周りにおける回動運動)中に、その変位移動に垂直で、すなわち、基準平面Eに垂直で僅かな移動のみを行うことである。
【0037】
図19は、挟持具支持部20、および、したがって挟持具支持部20に結びつけられた挟持具ユニット30の移動の代表的軌道を示す。閉じていて循環移動軌道21は4つの移動軌道セクション21a-21dを備える。2つの直線的な移動軌道セクション21a、21cは、成形設備のステーションの間における前進移動におよび戻り移動の中に、挟持具支持部20の、ガイド棒に沿って直線的にガイドされる摺動移動に対応する。一方、2つの移動軌道セクション21b、21dは、平行四辺形ガイド機構による挟持具支持部20の変位をもたらすものである。点22、23は、
図1に示された挟持具支持部20の開始位置、および
図3に示された1つのステーションを変位された挟持具支持部20の位置をそれぞれに示す。
図19に示されたように、挟持具支持部20の前進移動は移動の第1直線的軌道(移動軌道セクション21a)に沿って行われ、一方、挟持具支持部20の戻り移動は移動の第1直線的軌道と平行な移動の直線的軌道(移動軌道セクション21c)に沿って行われる。
図5に示されたように、移動の第2直線的軌道の水平面で、挟持具支持部20に配置された挟持具ユニット30、または挟持具は、成形ステーション120、130、140、150の成形具122、132、142、152の係合範囲外に位置するように、挟持具支持部20の変位による、2つの直線的移動の間の距離は選択される。参照番号27は後でさらに検討する待ち位置を示す。
【0038】
別個の次の挟持具支持部20に配置された挟持具ユニット30は同様に構築されている。これらの構造は
図11-17に示されている。
【0039】
各挟持具ユニット30は、トング本体31と、挟持トングを形成する1対の移動可能なトングアーム32a、32bと、ロータリエンコーダおよび伝動部を有する(電気)サーボモータ33の形である挟持具支持部駆動要素とを備え、サーボモータは
図9、
図14のみに示されている。伝動部を含んで、トング本体31およびサーボモータ33はそれぞれに挟持具支持部20に装着されている。2つのトングアーム32a、32bは移動可能にトング本体31に配置されている。
【0040】
トング本体31において、2つのトング運び台35a、35bは変位可能に3つのガイド棒34a、34b、34cに装着されている。トング運び台35a、35bは駆動棒36a、36bをそれぞれに介してそれぞれの歯付き棒37a、37bにそれぞれに運動学的に接続しており、よって、歯付き棒の移動はトング運び台の随伴移動(concomitant movement)を起こし、トング運び台の移動も歯付き棒の随伴移動を起こす。2つの歯付き棒37a、37bは、駆動ピニオン38の対角線上の反対側に係合しており、駆動ピニオンはサーボモータ33によって(その伝動部を介して)回転駆動可能である。よって、駆動ピニオン38の回転中に、2つの歯付き棒37a、37bは反対方向に移動し、それにつれて2つのトングアーム32a、32bは互いに向かうようにまたは互いに離れるように移動する。また、挟持具32a、32bによって形成された挟持トングの開閉動作はサーボモータ33または駆動ピニオン38によって影響される。
【0041】
選択的に、挟持具支持部駆動要素は(サーボ弁を有する)サーボ制御の液圧駆動の形であってもよい。この場合に重要なのは、挟持トングの移動が素早く影響されうること、特に挟持トングの移動が位置制御されながら素早く影響されうること、かつ、2つのトングアームの挟持力が精確に調整されまたは制御されてフィードバックされうることである。前述した電気サーボモータを有する挟持具支持部駆動要素の場合も同様である。
【0042】
2つのトングアーム32a、32bの自由端において、ワークを保持するために提供されて交換可能に結びつけられたトングシューズ(tong shoe)39a、39bが配置されており、よって、挟持トングは保持すべきワークの形状に簡単に合わせることができる(
図11)。トングシューズは全ての挟持トングにおいて同様に構成されるおよび/または配置される必要がない。好ましくは、示されているように、各トングアームにおいて2つのトングシューズが配置されており、特に有利なことに、その2つのトングシューズはともに保持すべきワークのための4点維持機構を形成する。このような4点維持機構は、確実にワークを維持することを可能とし、かつ、特にワークが閉合された保持トングに導入されるとき、ワークが傾斜するリスクを低減する。
【0043】
トングアーム32a、32bは、1対の鋸歯状の板40a、40bをそれぞれに介して解放可能にトング運び台35a、35bにそれぞれに接続される(
図15、17)。こうすれば、例えば、挟持トングを特定のワークに適用するために、それぞれのトング運び台35a、35bに対する横方向にまたは高さ方向にトングアーム32a、32bを簡単に調整することができる。
【0044】
理解されるべきなのは、本発明に係る搬送装置において、挟持トングの代わりに他の構成の挟持具を利用することが可能であることである。例えば、挟持具は真空挟持装置の形であってもよい。ただし、成形設備において利用されるために、挟持トングの形である挟持具は通常的で検証されたものである。
【0045】
図18に示されたように、搬送装置Tは、挟持具支持部駆動モータ55、56のための支持部制御器60と、個別の挟持具ユニット30の挟持具支持部駆動モータ33を作動させるための挟持具制御器70とを備える。挟持具制御器70は個別の挟持具、ここでは挟持具32a、32bの開閉動作および挟持力を個別に制御するように構成されている。支持部制御器60は、挟持具支持部20の移動軌道21に沿って移動が必要とされる2つのクランク51、52の回転される位置を計算し、よってサーボモータ55、56を制御する。また、支持部制御器60はセンサ装置65と協働し、センサ装置65は、処理故障の事件、例えば、搭載ステーション110内の処理不可のワークまたはなくなったワークW’によって起こされる処理故障を認識し、この故障を支持部制御器60に通知するように構成されている。
【0046】
図2、4、6のみにおいて符号で指されたセンサ装置65は、前に言及した棒材送り装置(未図示)に割り当て、また、例えば、光遮断配置(light barrier arrangement)であってもよい。棒材送り装置上のこのようなセンサ装置その自体は知られて、例えば特許文献3に説明されている。センサ装置65は棒の始端および末端を認識することができる。センサ装置65は、棒の始端または末端を認識するとき、これを支持部制御器60に通知し、よって、支持部制御器は、次の棒部が不完全であって廃棄されるべきであることを知り、すなわち、次の棒部が成形処理に入れられることが許されないことを知る。そして、支持部制御器60は以下に詳細に説明されるやり方でその処理故障に反応する。
【0047】
支持部制御器60と挟持具制御器70とは上位制御器80と協働し、上位制御器80は特に処理設備と接続し、挟持具支持部またはその挟持具が移動軌道において位置すべき場所を特定する。上位制御器80によって、操作者は設定値、例えば、挟持具支持部の移動に関する設定値、または挟持トングの開閉動作に関する設定値を入力または変更することができる。理解されるべきなのは、支持部制御器60、挟持具制御器70および上位制御器80の機能を他の構成によって実現することができ、例えば、これらを単一の制御器に統合することである。
【0048】
最初に言及したように、成形設備において、特に熱成形設備において、原料は一般的には棒の形で提供され、その棒から所要の長さのピースが切断される。棒の始端および末端は成形処理に入れられることが許されなくて廃棄されるべきである。これらの廃棄される部分は成形処理からなくなって成形設備において空きの成形ステーションを生じ、最初に説明された理由によって当該空きの成形ステーションは回避すべきである。
【0049】
挟持具支持部20の駆動または挟持具支持部20に配置された挟持具32a、32bの駆動は独立したものであって成形設備のパワートレーンから分離されているため、前述した本発明に係る搬送装置は成形設備における空きの成形ステーションを回避することを可能とする。
【0050】
例えば、前に言及したセンサ装置65は、なくなったワークによって、または、更なる処理に適しなく廃棄されるべきワークW’によって起こされる処理故障を検出する場合(
図5、6)、挟持具支持部駆動要素のために対応する制御命令を支持部制御器60に送信する。そして、支持部制御器60は、挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20をその通常の移動軌道21から離れさせ(
図19)、代わりに、ワークWが位置している挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20を待ち位置27に移動させる(
図20)。待ち位置は、例えば、挟持具支持部20の上方の移動軌道セクション21cに位置し、挟持具ユニット30のトングアーム32a、32bは工具112、122、132、142、152の上方およびその間に位置し、よって、トングアーム32a、32bは工具112、122、132、142、152の範囲外にある。この状況は
図5、6に示されている。そして、成形具は空振りを行うが、全ての成形ステーションが空いているためこの空振りは悪影響を与えない。好ましくは、工具の冷却はこの段階において一時停止し、よって、待ち位置にある工具およびワークは冷却されない。不完全なワークW’は(既知手段によって)廃棄される。
【0051】
成形処理に適したワークWが再び搭載ステーション110に到着するとセンサ装置65が報告すると、支持部制御器60は挟持具支持部20をその元の移動軌道に戻し、ワークはそれぞれの成形ステーションに搬送され、そして挟持具支持部20は、開始位置22にあるワークWを取るために、その通常の移動軌道21に沿って
図1、2に示されたその開始位置22に移動して当該ワークを別個の次の形成ステーションに搬送する。
【0052】
図20は処理故障の事故において説明された挟持具支持部20の移動シーケンスの構成を示している。待ち位置27への挟持具支持部20の移動は移動軌道セクション24aに沿って行われ、待ち位置27から位置23への挟持具支持部20の移動は移動軌道セクション24bに沿って行われる。位置22から待ち位置27を経由して位置23への全体的な移動軌道は参考符号24に示されている。移動軌道セクション24a、24bは
図20に示されたコースに沿う必要がない。挟持具支持部20の移動は、例えば、代替的な移動軌道セクション24’a、24’bに沿って行われてもよく、代替的な移動軌道セクション24’aと24’bとは、通常の移動軌道21の移動軌道セクション21dおよび21cと移動軌道セクション21cおよび21bとにそれぞれ対応する。
【0053】
成形設備のパワートレーンから搬送装置を分類することによっては、搬送、持ち上げおよび挟持の時間および路線を成形具のストロークから独立したように調整および変更することを可能とする。ここで、「持ち上げ」は挟持具支持部20の縦方向の変位であると理解されるものであって、持ち上げストロークは2つの移動軌道セクション21a、21cの間の縦方向の距離に対応する。成形具のストロークから分離された持ち上げおよび挟持動作の調整によっては、特定のワークに対する個別の適用を可能とし、その結果、機器の摩耗が減少する。また、それによれば、工具室に起こる事故において、例えば、成形品が不完全に成形ダイ外に押された場合、破損したパンチが成形ダイに陥っている場合、または、成形品が挟持具からなくなった場合において、状況に反応して挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20を安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動させ、故障が排除されるまで成形設備を停止することもできる。よって、例えば搬送装置に起こる挟持具の破断または結果的な破損を防止することができる。
【0054】
前に言及したように、挟持具ユニット30は挟持具制御器70によって個別に制御可能である。その結果、開始及び終了の時点は各挟持具ユニットに対して個別に調整することができる。トングアーム32a、32bの開きストロークおよびその移動の期間を問題となったワークに対して適用することができる。同様に持ち上げ移動にも適用できる。加速度および装置の構造において対応する負荷を低く維持するために、その移動を各ワークのためにストロークおよび期間について最適化してもよい。逆に、既知の搬送装置が制御する曲線は、常に最大の可能ストロークのために設計され、その結果、あらゆるワークまたは成形品はその部品は最大の負荷およびそれによる最大の摩耗を受ける。
【0055】
ブランクセクション(blank section)の形状上の欠陥を補償するために、または例えばカムの製造において材料の偏心事前分布(off-centre predistribution)を達成するために、第1挟持トングまたは他の挟持トングを偏心に位置させる必要がある。既知の搬送装置において、この目的のために、偏心調整要素が利用され、または、トングシューズが試行錯誤によってワークの中心が中心点から所望の量で偏位させるように調整される。本発明に係る搬送装置は、所望の値を上位制御器80に入力することを介して、挟持具支持部駆動モータ55、56によって挟持具支持部20を中心点(零位置)から所望の量で容易に移動させることができる。そして、関わる挟持トングを中心調整要素に整列し、それから挟持具支持部を再び零位置に移動させる。こうすれば、1つ以上の挟持トングを偏心に位置させることができる。挟持具支持部20が再び中心点(零位置)に戻るとき、残りの挟持トングが調整される。
【0056】
各挟持具ユニット30の挟持力または保持力は、挟持具制御器70によってサーボモータ33に関するトルクを介して制御され、このように保持されるべきワークに簡単に適用されることができ、選択的に挟持具支持部の移動サイクルにわたって変更されることもできる。挟持力は、例えば、搬送のときの挟持力をワークが挟持トングに導入されるときの挟持力より小さくするように、調整されることができる。よって、機器部品の負荷は必要な程度に高い。
【0057】
サーボモータは一般的に現在の回転位置をその制御器にフィードバックするためのロータリエンコーダを有する。ロータリエンコーダを利用し、挟持具制御器70は挟持具が搭載中または空きであるかを簡単に確認することができる。例えば、実際の回転位置を所望の回転位置と比較することによって、あるワークが既に挟持具からなくなったかを簡単に確認することができ、したがって、成形装置が停止すべきかを簡単に確認することができる。挟持具制御器70の適した構成によって、例えば、挟持具において斜めに位置しているワークによって、または挟持具の引き裂き開放(tearing open)によって起こされる処理故障を認識することもできる。この場合において、このことは挟持具制御器70によって適した方法で支持部制御器60に通知され、そして支持部制御器60は挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20に安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動させ、挟持具支持部20は処理故障が解決されるまで当該安全な位置に停止する。挟持具は、例えば、ワークがダイから不完全に排出されるときに、または破損したパンチがワーク内に陥っているときに引き裂き開放になるリスクがある。ワークを搬送しようとするとき、挟持具が引き裂き開放になることがある。挟持具制御器70は早期にこれを認識し、支持部制御器60を介して挟持具支持部の戻り移動を行い、よって、問題となる挟持具は引き裂き開放を回避する。挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20は続いて安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動し、処理故障が解決されるまで当該安全な位置に停止する。この期間内、成形設備はもちろん停止する。こうすれば、比較的大きな破損が起こる前に処理故障にすぐ反応することができる。挟持具制御器70と支持部制御器60との協働は
図18に示された矢印71によって示されている。
【0058】
前述した搬送装置の挟持具または挟持トングは平行なトングアーム32a、32bを有し、トングアーム32a、32bは互いに向かうようにおよび互いに離れるように直線的に移動可能である。トングシューズが挟持半径内に均一に届くため、このような挟持トングは回動可能なトングアームを有する挟持具より有利である。トングシューズが両側で同様な角度でワークと係合する場合、ワークの導入において、トングシューズは同様な角度でワークに押される。これはワークが挟持トングに斜めに押されるリスクを低減する。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部分の通り、処理設備の複数の連続のステーションの間においてワークを搬送するための搬送方法に関し、特に成形設備の複数の連続のステーションの間においてワークを搬送するための搬送方法に関する。また、本発明は、請求項4のプリアンブル部分の通り、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体成形(mass-forming)および他の成形操作または処理操作において、一般的にワークは処理設備のいくつかのステーションを連続に通り、このワークはステーションずつに搬送される。成形設備において、典型的に、これらのステーションは搭載ステーションおよび様々なステーションである。ステーションずつにワークを搬送するために、一般的にはトング状の挟持具(grasping tool)を備え処理設備のリズムにしたがって操作する搬送装置が利用される。挟持具は、同期的にワークを挟持し、そのワークを1つのステーションから引き出して別個の次のステーションに供給し、そのワークを解放する。
【0003】
既知の処理設備の場合において、特に既知の成形設備の場合において、挟持具の搬送の移動と操作とは処理設備のパワートレーンに連結されており、例えば特許文献1が知られている。
【0004】
特許文献2は漸進的な打ち抜きプレスのための打ち抜き装置を開示し、打ち抜き装置において打ち抜ち部品は星状の回転アーム配置の上にある挟持具によって1つの処理ステーションから次へ搬送される。この星状の回転アーム配置は駆動モータによって交替で時計回り方向におよび反時計回り方向に回転される。
【0005】
成形設備におけるワークを搬送するための搬送装置は特許文献3に説明されている。この既知の搬送装置において、挟持トング状に構成された複数の挟持具は共通のトング支持部に配置されており、各挟持具は成形設備のパワートレーンから分離された専用の挟持具駆動部を有し、トング支持部は、成形設備の任意の隣接する2つのステーションの間において全ての挟持トングが共同に前後移動されることによって、長手方向に移動可能であって長手方向に対する横方向にも移動可能である。挟持トングは2つの回動アームを有し、回動アームは、運動学的に結合部品を介してサーボモータによって駆動され、よって、互いに向かうようにおよび互いに離れるように回動可能である。特許文献3は基本的には挟持トングの構成およびその駆動に関し、挟持トングの搬送の移動を行うためのトング支持部の駆動については具体的に説明されていない。
【0006】
成形設備において、特に熱成形設備において、原料は一般的には棒の形で提供され、その棒から所要の長さのピースが切断される。棒の始端および末端は成形処理に入れられることが許されなくて廃棄されるべきである。これら廃棄される部分が成形処理からなくなり成形設備において個別の空きの成形ステーションを生じる。これらの位置に成形力が存在しないため、機器本体の応力変形が変化し、その変化は成形品の外形に悪影響を与える。この条件の下で、このような成形品は利用できず、完成の成形品から手動的に選り分けられるまたは適切な分離装置によって分離される必要がある。機器分離は精度が低く、良好な成形品でも分離されることがある。また、空きの成形ステーションが冷却水による冷却を比較的大きく受け、その冷却は成形具に対して摩損に悪影響を与える。この問題は、例えば特許文献4に詳細に説明されている。
【0007】
特許文献5は、形成設備の複数の連続のステーションの間においてワークを搬送するための搬送装置および搬送方法を開示している。この形成設備において、ワークは処理設備の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具によって同時に搬送され、複数の挟持具は搬送サイクルにおいて共同に移動可能である。搬送サイクルの終了のときに、ワークを保持してない挟持具がホーム位置に移動させる。形成設備の第1ステーションへのワークの支持状態を監視する装置は新たなワークが存在していないことを検出した場合、挟持具はワークが第1ステーションにおいて再び支持されるまでホーム位置で待つ。よって、形成動作において空きの形成ステーションが回避される。
【0008】
従来の搬送装置および搬送装置に実行される搬送方法の更なる問題は、処理故障の事故において、例えば、空きの挟持具によって、挟持具に誤挿入されたワークによって、または、破断した挟持具や破折したパンチなどの破損品によって起こる処理故障の事故において、すぐに反応することができないため、ワークが希望通りの形状にならない上で、搬送装置または成形設備に結果的に破損が生じることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】スイス特許出願公開第595155号明細書
【特許文献2】欧州特許第2233221号明細書
【特許文献3】欧州特許第1048372号明細書
【特許文献4】欧州特許第1848556号明細書
【特許文献5】欧州特許第1038607号明細書
【発明の概要】
【0010】
背景技術の問題に対して、下記発明は、最初に言及した搬送方法および対応する搬送装置を改善することができ、そのため、容易にかつ迅速に処理故障に反応することを可能とする。よって、結果的に損害を回避することができる。特定の目的は、処理設備のステーションにおける空き位置を回避することである。
【0011】
この問題は、特許請求の範囲の独立請求項1および請求項4にそれぞれに規定されている本発明に係る搬送方法および本発明に係る搬送装置によって、解決された。本発明の特に有利な発展および実施形態は特許請求の範囲の各従属項に表れている。
【0012】
搬送方法について、本発明の核心は以下の通りである。処理設備の複数の連続のステーションの間において、特に成形設備の複数の連続のステーションの間において、ワークを搬送するための搬送方法においては、ワークは処理設備の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具によって同時に搬送され、この複数の挟持具は搬送サイクルにおいて共同に移動可能である。処理故障の事件において、搬送サイクルが一時停止され、挟持具がワークとともに待ち位置に移動され、待ち位置において、ワークが処理設備のステーションの処理具の操作範囲外にある。処理故障が排除されると、ワークの搬送サイクルは再開する。
【0013】
ステーションの処理具の操作範囲外にある安全な待ち位置への挟持具の移動によって、結果的に処理故障から生じる損害を予防することができる。
【0014】
処理故障が搭載ステーション内においてなくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされた場合、空きの処理ステーションおよび関連する不利を回避することを可能とするため、この方法は特に有利である。
【0015】
処理故障がなくなったワークまたは挟持具に誤挿入されたワークによって起こされた場合、空きの処理ステーションまたは誤挿入されたワークによって起こされる更なる故障を回避することを可能とするため、この方法も有利である。
【0016】
処理故障が挟持具の破損品によってまたは処理設備の破損品によって起こされた場合、結果的に更なる損害を回避することを可能とするため、この方法も有利である。
【0017】
有利なことに、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在はセンサ装置によって検出され、これらの場合において、挟持具が待ち位置に移動されることはセンサ装置によって開始される。これは、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在によって起こされる処理故障の事件において、挟持具に自動的に待ち位置に移動させることを可能とする。
【0018】
有利なことに、ワークが存在していないこと、または挟持具に誤挿入されたワークの存在は挟持具駆動部の挟持具制御器によって検出され、これらの場合において、挟持具が待ち位置に移動されることは挟持具制御器によって開始される。これは、ワークが存在していないこと、または処理不可のワークの存在によって起こされる処理故障の事件において、挟持具に自動的に待ち位置に移動させることを可能とする。
【0019】
処理設備の複数の連続のステーションの間において、特に成形設備の複数の連続のステーションの間において、ワークを同時に搬送するための搬送装置について、本発明の核心は以下の通りである。搬送装置は、移動可能に装着された挟持具支持部であって、複数の挟持具およびモータ駆動の挟持具支持部駆動要素が挟持具支持部に配置されており、各挟持具は1つのワークを挟持するための挟持具支持部と、挟持具を有する挟持具支持部が処理設備のステーションの間において循環移動軌道に沿って前後移動するための挟持具支持部駆動要素と、挟持具支持部駆動要素のための支持部制御器であって、挟持具支持部の移動を制御し、与えられた制御命令の結果として、挟持具支持部駆動要素によって挟持具を有する挟持具支持部を待ち位置に移動させてワークの搬送を一時停止し、待ち位置において、ワークが処理設備のステーションの処理具の操作範囲外にあるように構成されている、支持部制御器と、を備える。挟持具支持部駆動要素および支持部制御器は、ワークを保持している挟持具を有する挟持具支持部を、待ち位置に移動させて、ワークの搬送を一時停止するように構成されている。
【0020】
本発明に係る搬送装置によって、ワークの搬送は処理故障の事件において簡単に一時停止でき、挟持具を有する挟持具支持部は簡単に安全位置に移動させられ、よって、結果的に損害を回避することである。
【0021】
有利なことに、挟持具支持部は、直線的にガイドされる形式で移動可能なように装着されており、かつ、平行四辺形ガイド機構によってその直線的ガイド可動性に対して横方向に変位可能に装着されている。さらに、有利なことに、挟持具支持部が挟持具支持部駆動要素によって移動可能であり、挟持具支持部駆動要素が2つのクランク装置機構を備え、各クランク装置機構が関連の挟持具支持部駆動モータを有し、各クランク装置機構がクランクと駆動棒とを有し、クランクが関連の挟持具支持部駆動モータによって回転駆動可能であり、駆動棒がクランクおよび挟持具支持部駆動要素と関節接続している。
【0022】
専用の挟持具支持部駆動要素によって、搬送装置は処理設備のパワートレーンから分離されている。挟持具支持部の前後移動可能に対する挟持具支持部の分離および変位性は、挟持具支持部を故障の事件において素早く安全な位置に移動させることを可能とする。2つのクランクを介する挟持具支持部と挟持具支持部駆動モータとの運動学的接続は、挟持具支持部駆動モータの対応する作動だけで移動シーケンスの制御を簡単にすることができる。
【0023】
有利なことに、挟持具を有する挟持具支持部は、挟持具支持部駆動要素によって、移動の第1直線的軌道に沿う前進移動が可能であり、移動の第1直線的軌道と平行な移動の第2直線的軌道に沿う戻り移動が可能である。移動の2つの直線的軌道の間の空間があるため、挟持具を処理設備のステーションにおける処理具の操作範囲外に簡単に移動させることができる。
【0024】
非常に有利なことに、搬送装置は、なくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされる処理故障を検出するため、および、当該故障を支持部制御器に通知するためのセンサ装置を有する。その結果、支持部制御器は自動的に挟持具を待ち位置に移動させることができる。
【0025】
有利なことに、挟持具が挟持具駆動部にそれぞれに指定され、挟持具の個別操作のために、挟持具駆動部が挟持具支持部に配置されており、挟持具制御器が個別の挟持具の開閉動作を個別に制御するように、好ましくは挟持力も個別に制御するように構成されている。その結果、支持部制御器は自動的に挟持具を待ち位置に移動させることができる。
【0026】
本発明は図面に示された例示的な実施形態を参照しながらもっと詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図2】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図3】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図4】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図5】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図6】加工シーケンスの様々な段階における処理設備の模式図および断面図
【
図7】
図1-6にかかる処理設備の搬送装置の斜視全体図
【
図14】
図13のXIV-XIV線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図16】
図15のXVI-XVI線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図17】
図15のXVII-XVII線に従う挟持具ユニットの断面図
【
図18】処理設備の制御機構または処理設備内の搬送装置の模式図
【
図19】通常操作中に搬送装置の挟持具の移動軌道の模式図
【
図20】処理故障の事故における挟持具の移動軌道の模式図
【発明を実施するための形態】
【0028】
下記の注意事項は以下の説明について適用される。参照番号が図面の明確性のために図面に含まれるものの説明の直接的に関わる部分に言及されていない場合、前後の説明におけるこれらの参照番号の解釈を参照すべきである。一方、図面が過度に複雑になることを回避するために、即座の理解に関わりが少ない参照番号は全ての図面に含まれるのではない。このような場合には他の図面を参照すべきである。
【0029】
図1-6の全体的な図示は、成形設備の例示を用いて、本発明に係る処理設備の一部を示し、本発明の理解に関わる。
図1は
図2のI-I線に従って正面から見える図であり、
図2は
図1のII-II線に従う断面図である。同様に、
図3および
図5は正面から見る図であり、
図4および
図6は関連する断面図である。
【0030】
示された例示的な実施形態において、参照符号Mによって全体として指された成形設備は順次に配置された5つのステーション110、120、130、140、150を備え、そのうち、第1ステーションは搭載ステーションであり、他のステーション120、130、140、150は成形ステーションである。成形ステーション120、130、140、150は、共通のダイホルダ101に配置された4つの成形ダイ121、131、141、151と、パンチ122、132、142、152という形式の成形具と、4つの排出要素123、133、143、153とを備え、排出要素123、133、143、153を用いて、パンチによって成形ダイの中において既に成形が終わったワークWを成形ダイから排出することができる。搭載ステーション110は、棒材(未図示、同様に未図示の棒材送り装置によって供給される)からワークを剪断する剪断装置112と、ワークを剪断装置112から排出することができる排出要素113とを備える。参照符号Tによって全体として指された搬送装置は成形設備Mの1つのステーションから別個の次のステーションへワークを搬送するために提供される。
図1-
図6のそれぞれは搬送装置Tの挟持具のみを示し、各挟持具は1対のトングアーム32aおよび32bを有する。
【0031】
成形設備の操作中に、搬送装置Tのトング状の挟持具の開始位置において、各挟持具は、1対のトングアーム32a、32bから形成されており、ワークWの1つを取る。当該ワークWは、準備が整った状態に搭載ステーション110において保持されたもの、または、成形ステーション120、130、140、150(
図1、
図2)の成形ダイ121、131、141、151から既に排出されたものである。挟持具は続いてこれらのワークWを同時に成形設備Mの別個の次のステーションに搬送する。成形が終わったワークは解放された最後の成形ステーション150から取られ、成形設備から取り出されてもよい。
図3、
図4はそれを示す。成形ステーション120、130、140、150において、ワークWは成形ダイ121、131、141、151の中に挿入されてパンチ122、132、142、152によって成形を受ける。搬送装置Tは続いて(空きの)挟持具を
図1、
図2に示された開始位置に戻す。そこで、
図3、
図4に示されたように、各挟持具は新たなワークWを取り、再びこれらのワークを成形設備における次のステーションに搬送する。当該新たなワークWは、準備が整った状態に搭載ステーション110において保持されたもの、または、成形ステーション120、130、140、150の成形ダイ121、131、141、151から既に排出されたものである。シーケンス全体は、成形設備Mのリズムにしたがって搬送サイクルで行われる。
【0032】
前述した搬送操作の簡略説明から、各搬送サイクルにおいて、各挟持具は異なるワークを搬送すること、および、処理設備内の各対の隣接するステーションが異なる挟持具によって挟持されることが明白である。本発明の文脈において、複数の挟持具による成形設備内のステーションからステーションへのワーク搬送はこのように理解されるべきである。
【0033】
ここまでは、示された処理または成形設備Mがこの種類の従来の処理設備または成形設備に構造上および操作モード上対応するため、この点について当業者には更なる説明は必要でない。
【0034】
処理または成形設備Mの搬送装置は
図7-
図17を参照しながら詳細に説明される。参照符号Tによって全体として指された搬送装置は、固定枠10と、平面状の挟持具支持部20と、挟持具支持部駆動要素とを備え、挟持具支持部20は、枠10の上にまたは中に移動可能なように配置されており、ここの例示において5つの挟持具ユニット30を支持する。全ての挟持具ユニット30は共通の基準平面Eから同様な距離で配置されている(
図7)。挟持具ユニットに向かう平面状の挟持具支持部20の正面は、基準平面Eと平行に整列している。挟持具支持部駆動要素は2つの挟持具支持部駆動モータ55、56を備え、各挟持具支持部駆動モータ55、56は、ロータリエンコーダと伝動部(gearing)とを有するサーボモータであるように構成されており、枠10に強固に装着されている。また、工具支持部駆動要素は2つのクランク装置機構を備え、各クランク装置機構はクランク51、52と駆動棒(連結棒)53、54をそれぞれに有する。クランク51、52は、挟持具支持部駆動モータ55、56の伝動部の回転可能な部分にそれぞれに強固に装着されており、よって、回転駆動可能である。実用上、枠10は成形設備Mの機器本体(未図示)に装着されるため、取り外し可能または回動可能であり、よって、成形ダイまたは成形具への適用は簡単に得られる。
【0035】
枠10において、2つの平行なガイド棒11、12が配置されており(
図7-
図10)、それらの軸が基準平面Eを定義する(
図7)。2つの連結棒13、14は、これらのガイド棒11、12上でまたはこれらのガイド棒11、12に沿ってガイドされるため、ガイド棒の長手方向に直線的移動可能である。また、2つの連結棒13、14は2つのガイド棒11、12のうち1つの周りにそれぞれに回動可能に接合されている。ガイド棒から離れる一端において、連結棒13、14は2対のジャーナル15、16によって挟持具支持部20に回動可能に結びつけられている(
図9、
図10)。2対のジャーナル15、16の間の距離は2つのガイド棒11、12の間の距離と同様である。ジャーナル15とガイド棒11との間の距離はジャーナル16とガイド棒12との間の距離と同様である。したがって、2つの平行なガイド棒11、12および2つの連結棒13、14は挟持具支持部20とともに挟持具支持部20のための平行四辺形ガイド機構を形成し、挟持具支持部20は2つの方向(図における上方向および下方向)にも変位可能であり、その2つの方向はガイド棒11、12の長手方向に対する横方向である。
図7において、この横方向は双方向矢印25によって表されている。同時に、摺動可能に装着された連結棒13、14を介して、挟持具支持部20はガイドされた形でガイド棒11、12の長手方向にガイド棒11、12に沿って前後移動可能であり、これは双方向矢印26によって
図7において示されている。よって、挟持具支持部20は基準平面Eと平行に直線的移動可能であるようにガイドされる。また、挟持具支持部20は、基準平面と実質的に平行で、かつ、その直線的移動に対して横方向に変位可能なように装着されている。
【0036】
各駆動棒(連結棒)53、54は、その一端によってクランク51、52にそれぞれに回転可能に接合されており、その他端によって挟持具支持部20にそれぞれに回転可能に接合されている。2つの挟持具支持部駆動モータ55、56による2つのクランク51、52の対応する回転を介して、挟持具支持部20は双方向矢印26および/または双方向矢印25の方向に(所定制限内に)所望通りに移動されることができる。
【0037】
平行四辺形ガイドの利点は、挟持具支持部20の横方向の変位(ガイド棒の周りにおける回動運動)中に、その変位移動に垂直で、すなわち、基準平面Eに垂直で僅かな移動のみを行うことである。
【0038】
図19は、挟持具支持部20、および、したがって挟持具支持部20に結びつけられた挟持具ユニット30の移動の代表的軌道を示す。閉じていて循環移動軌道21は4つの移動軌道セクション21a-21dを備える。2つの直線的な移動軌道セクション21a、21cは、成形設備のステーションの間における前進移動におよび戻り移動の中に、挟持具支持部20の、ガイド棒に沿って直線的にガイドされる摺動移動に対応する。一方、2つの移動軌道セクション21b、21dは、平行四辺形ガイド機構による挟持具支持部20の変位をもたらすものである。点22、23は、
図1に示された挟持具支持部20の開始位置、および
図3に示された1つのステーションを変位された挟持具支持部20の位置をそれぞれに示す。
図19に示されたように、挟持具支持部20の前進移動は移動の第1直線的軌道(移動軌道セクション21a)に沿って行われ、一方、挟持具支持部20の戻り移動は移動の第1直線的軌道と平行な移動の直線的軌道(移動軌道セクション21c)に沿って行われる。
図5に示されたように、移動の第2直線的軌道の水平面で、挟持具支持部20に配置された挟持具ユニット30、または挟持具は、成形ステーション120、130、140、150の成形具122、132、142、152の係合範囲外に位置するように、挟持具支持部20の変位による、2つの直線的移動の間の距離は選択される。参照番号27は後でさらに検討する待ち位置を示す。
【0039】
別個の次の挟持具支持部20に配置された挟持具ユニット30は同様に構築されている。これらの構造は
図11-17に示されている。
【0040】
各挟持具ユニット30は、トング本体31と、挟持トングを形成する1対の移動可能なトングアーム32a、32bと、ロータリエンコーダおよび伝動部を有する(電気)サーボモータ33の形である挟持具支持部駆動要素とを備え、サーボモータは
図9、
図14のみに示されている。伝動部を含んで、トング本体31およびサーボモータ33はそれぞれに挟持具支持部20に装着されている。2つのトングアーム32a、32bは移動可能にトング本体31に配置されている。
【0041】
トング本体31において、2つのトング運び台35a、35bは変位可能に3つのガイド棒34a、34b、34cに装着されている。トング運び台35a、35bは駆動棒36a、36bをそれぞれに介してそれぞれの歯付き棒37a、37bにそれぞれに運動学的に接続しており、よって、歯付き棒の移動はトング運び台の随伴移動(concomitant movement)を起こし、トング運び台の移動も歯付き棒の随伴移動を起こす。2つの歯付き棒37a、37bは、駆動ピニオン38の対角線上の反対側に係合しており、駆動ピニオンはサーボモータ33によって(その伝動部を介して)回転駆動可能である。よって、駆動ピニオン38の回転中に、2つの歯付き棒37a、37bは反対方向に移動し、それにつれて2つのトングアーム32a、32bは互いに向かうようにまたは互いに離れるように移動する。また、挟持具32a、32bによって形成された挟持トングの開閉動作はサーボモータ33または駆動ピニオン38によって影響される。
【0042】
選択的に、挟持具支持部駆動要素は(サーボ弁を有する)サーボ制御の液圧駆動の形であってもよい。この場合に重要なのは、挟持トングの移動が素早く影響されうること、特に挟持トングの移動が位置制御されながら素早く影響されうること、かつ、2つのトングアームの挟持力が精確に調整されまたは制御されてフィードバックされうることである。前述した電気サーボモータを有する挟持具支持部駆動要素の場合も同様である。
【0043】
2つのトングアーム32a、32bの自由端において、ワークを保持するために提供されて交換可能に結びつけられたトングシューズ(tong shoe)39a、39bが配置されており、よって、挟持トングは保持すべきワークの形状に簡単に合わせることができる(
図11)。トングシューズは全ての挟持トングにおいて同様に構成されるおよび/または配置される必要がない。好ましくは、示されているように、各トングアームにおいて2つのトングシューズが配置されており、特に有利なことに、その2つのトングシューズはともに保持すべきワークのための4点維持機構を形成する。このような4点維持機構は、確実にワークを維持することを可能とし、かつ、特にワークが閉合された保持トングに導入されるとき、ワークが傾斜するリスクを低減する。
【0044】
トングアーム32a、32bは、1対の鋸歯状の板40a、40bをそれぞれに介して解放可能にトング運び台35a、35bにそれぞれに接続される(
図15、17)。こうすれば、例えば、挟持トングを特定のワークに適用するために、それぞれのトング運び台35a、35bに対する横方向にまたは高さ方向にトングアーム32a、32bを簡単に調整することができる。
【0045】
理解されるべきなのは、本発明に係る搬送装置において、挟持トングの代わりに他の構成の挟持具を利用することが可能であることである。例えば、挟持具は真空挟持装置の形であってもよい。ただし、成形設備において利用されるために、挟持トングの形である挟持具は通常的で検証されたものである。
【0046】
図18に示されたように、搬送装置Tは、挟持具支持部駆動モータ55、56のための支持部制御器60と、個別の挟持具ユニット30の挟持具支持部駆動モータ33を作動させるための挟持具制御器70とを備える。挟持具制御器70は個別の挟持具、ここでは挟持具32a、32bの開閉動作および挟持力を個別に制御するように構成されている。支持部制御器60は、挟持具支持部20の移動軌道21に沿って移動が必要とされる2つのクランク51、52の回転される位置を計算し、よってサーボモータ55、56を制御する。また、支持部制御器60はセンサ装置65と協働し、センサ装置65は、処理故障の事件、例えば、搭載ステーション110内の処理不可のワークまたはなくなったワークW’によって起こされる処理故障を認識し、この故障を支持部制御器60に通知するように構成されている。
【0047】
図2、4、6のみにおいて符号で指されたセンサ装置65は、前に言及した棒材送り装置(未図示)に割り当て、また、例えば、光遮断配置(light barrier arrangement)であってもよい。棒材送り装置上のこのようなセンサ装置その自体は知られて、例えば特許文献3に説明されている。センサ装置65は棒の始端および末端を認識することができる。センサ装置65は、棒の始端または末端を認識するとき、これを支持部制御器60に通知し、よって、支持部制御器は、次の棒部が不完全であって廃棄されるべきであることを知り、すなわち、次の棒部が成形処理に入れられることが許されないことを知る。そして、支持部制御器60は以下に詳細に説明されるやり方でその処理故障に反応する。
【0048】
支持部制御器60と挟持具制御器70とは上位制御器80と協働し、上位制御器80は特に処理設備と接続し、挟持具支持部またはその挟持具が移動軌道において位置すべき場所を特定する。上位制御器80によって、操作者は設定値、例えば、挟持具支持部の移動に関する設定値、または挟持トングの開閉動作に関する設定値を入力または変更することができる。理解されるべきなのは、支持部制御器60、挟持具制御器70および上位制御器80の機能を他の構成によって実現することができ、例えば、これらを単一の制御器に統合することである。
【0049】
最初に言及したように、成形設備において、特に熱成形設備において、原料は一般的には棒の形で提供され、その棒から所要の長さのピースが切断される。棒の始端および末端は成形処理に入れられることが許されなくて廃棄されるべきである。これらの廃棄される部分は成形処理からなくなって成形設備において空きの成形ステーションを生じ、最初に説明された理由によって当該空きの成形ステーションは回避すべきである。
【0050】
挟持具支持部20の駆動または挟持具支持部20に配置された挟持具32a、32bの駆動は独立したものであって成形設備のパワートレーンから分離されているため、前述した本発明に係る搬送装置は成形設備における空きの成形ステーションを回避することを可能とする。
【0051】
例えば、前に言及したセンサ装置65は、なくなったワークによって、または、更なる処理に適しなく廃棄されるべきワークW’によって起こされる処理故障を検出する場合(
図5、6)、挟持具支持部駆動要素のために対応する制御命令を支持部制御器60に送信する。そして、支持部制御器60は、挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20をその通常の移動軌道21から離れさせ(
図19)、代わりに、ワークWが位置している挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20を待ち位置27に移動させる(
図20)。待ち位置は、例えば、挟持具支持部20の上方の移動軌道セクション21cに位置し、挟持具ユニット30のトングアーム32a、32bは工具112、122、132、142、152の上方およびその間に位置し、よって、トングアーム32a、32bは工具112、122、132、142、152の範囲外にある。この状況は
図5、6に示されている。そして、成形具は空振りを行うが、全ての成形ステーションが空いているためこの空振りは悪影響を与えない。好ましくは、工具の冷却はこの段階において一時停止し、よって、待ち位置にある工具およびワークは冷却されない。不完全なワークW’は(既知手段によって)廃棄される。
【0052】
成形処理に適したワークWが再び搭載ステーション110に到着するとセンサ装置65が報告すると、支持部制御器60は挟持具支持部20をその元の移動軌道に戻し、ワークはそれぞれの成形ステーションに搬送され、そして挟持具支持部20は、開始位置22にあるワークWを取るために、その通常の移動軌道21に沿って
図1、2に示されたその開始位置22に移動して当該ワークを別個の次の形成ステーションに搬送する。
【0053】
図20は処理故障の事故において説明された挟持具支持部20の移動シーケンスの構成を示している。待ち位置27への挟持具支持部20の移動は移動軌道セクション24aに沿って行われ、待ち位置27から位置23への挟持具支持部20の移動は移動軌道セクション24bに沿って行われる。位置22から待ち位置27を経由して位置23への全体的な移動軌道は参考符号24に示されている。移動軌道セクション24a、24bは
図20に示されたコースに沿う必要がない。挟持具支持部20の移動は、例えば、代替的な移動軌道セクション24’a、24’bに沿って行われてもよく、代替的な移動軌道セクション24’aと24’bとは、通常の移動軌道21の移動軌道セクション21dおよび21cと移動軌道セクション21cおよび21bとにそれぞれ対応する。
【0054】
成形設備のパワートレーンから搬送装置を分類することによっては、搬送、持ち上げおよび挟持の時間および路線を成形具のストロークから独立したように調整および変更することを可能とする。ここで、「持ち上げ」は挟持具支持部20の縦方向の変位であると理解されるものであって、持ち上げストロークは2つの移動軌道セクション21a、21cの間の縦方向の距離に対応する。成形具のストロークから分離された持ち上げおよび挟持動作の調整によっては、特定のワークに対する個別の適用を可能とし、その結果、機器の摩耗が減少する。また、それによれば、工具室に起こる事故において、例えば、成形品が不完全に成形ダイ外に押された場合、破損したパンチが成形ダイに陥っている場合、または、成形品が挟持具からなくなった場合において、状況に反応して挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20を安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動させ、故障が排除されるまで成形設備を停止することもできる。よって、例えば搬送装置に起こる挟持具の破断または結果的な破損を防止することができる。
【0055】
前に言及したように、挟持具ユニット30は挟持具制御器70によって個別に制御可能である。その結果、開始及び終了の時点は各挟持具ユニットに対して個別に調整することができる。トングアーム32a、32bの開きストロークおよびその移動の期間を問題となったワークに対して適用することができる。同様に持ち上げ移動にも適用できる。加速度および装置の構造において対応する負荷を低く維持するために、その移動を各ワークのためにストロークおよび期間について最適化してもよい。逆に、既知の搬送装置が制御する曲線は、常に最大の可能ストロークのために設計され、その結果、あらゆるワークまたは成形品はその部品は最大の負荷およびそれによる最大の摩耗を受ける。
【0056】
ブランクセクション(blank section)の形状上の欠陥を補償するために、または例えばカムの製造において材料の偏心事前分布(off-centre predistribution)を達成するために、第1挟持トングまたは他の挟持トングを偏心に位置させる必要がある。既知の搬送装置において、この目的のために、偏心調整要素が利用され、または、トングシューズが試行錯誤によってワークの中心が中心点から所望の量で偏位させるように調整される。本発明に係る搬送装置は、所望の値を上位制御器80に入力することを介して、挟持具支持部駆動モータ55、56によって挟持具支持部20を中心点(零位置)から所望の量で容易に移動させることができる。そして、関わる挟持トングを中心調整要素に整列し、それから挟持具支持部を再び零位置に移動させる。こうすれば、1つ以上の挟持トングを偏心に位置させることができる。挟持具支持部20が再び中心点(零位置)に戻るとき、残りの挟持トングが調整される。
【0057】
各挟持具ユニット30の挟持力または保持力は、挟持具制御器70によってサーボモータ33に関するトルクを介して制御され、このように保持されるべきワークに簡単に適用されることができ、選択的に挟持具支持部の移動サイクルにわたって変更されることもできる。挟持力は、例えば、搬送のときの挟持力をワークが挟持トングに導入されるときの挟持力より小さくするように、調整されることができる。よって、機器部品の負荷は必要な程度に高い。
【0058】
サーボモータは一般的に現在の回転位置をその制御器にフィードバックするためのロータリエンコーダを有する。ロータリエンコーダを利用し、挟持具制御器70は挟持具が搭載中または空きであるかを簡単に確認することができる。例えば、実際の回転位置を所望の回転位置と比較することによって、あるワークが既に挟持具からなくなったかを簡単に確認することができ、したがって、成形装置が停止すべきかを簡単に確認することができる。挟持具制御器70の適した構成によって、例えば、挟持具において斜めに位置しているワークによって、または挟持具の引き裂き開放(tearing open)によって起こされる処理故障を認識することもできる。この場合において、このことは挟持具制御器70によって適した方法で支持部制御器60に通知され、そして支持部制御器60は挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20に安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動させ、挟持具支持部20は処理故障が解決されるまで当該安全な位置に停止する。挟持具は、例えば、ワークがダイから不完全に排出されるときに、または破損したパンチがワーク内に陥っているときに引き裂き開放になるリスクがある。ワークを搬送しようとするとき、挟持具が引き裂き開放になることがある。挟持具制御器70は早期にこれを認識し、支持部制御器60を介して挟持具支持部の戻り移動を行い、よって、問題となる挟持具は引き裂き開放を回避する。挟持具ユニット30を有する挟持具支持部20は続いて安全な位置、例えば、前に言及した待ち位置27に移動し、処理故障が解決されるまで当該安全な位置に停止する。この期間内、成形設備はもちろん停止する。こうすれば、比較的大きな破損が起こる前に処理故障にすぐ反応することができる。挟持具制御器70と支持部制御器60との協働は
図18に示された矢印71によって示されている。
【0059】
前述した搬送装置の挟持具または挟持トングは平行なトングアーム32a、32bを有し、トングアーム32a、32bは互いに向かうようにおよび互いに離れるように直線的に移動可能である。トングシューズが挟持半径内に均一に届くため、このような挟持トングは回動可能なトングアームを有する挟持具より有利である。トングシューズが両側で同様な角度でワークと係合する場合、ワークの導入において、トングシューズは同様な角度でワークに押される。これはワークが挟持トングに斜めに押されるリスクを低減する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理設備(M)の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、特に成形設備の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、ワークを搬送するための搬送方法であって、前記ワーク(W)は前記処理設備(M)の任意の1つのステーションから別個の次のステーションに複数の挟持具(32a、32b)によって同時に搬送され、前記複数の挟持具(32a、32b)は搬送サイクルにおいて循環移動軌道(21)に沿って共同に移動可能であり、処理故障の事件において、前記搬送サイクルが一時停止され、前記ワーク(W)が前記循環移動軌道(21)から離れた移動軌道(24)に沿って待ち位置(27)に移動され、前記待ち位置(27)において、前記ワーク(W)が前記処理設備(M)の前記ステーション(110、120、130、140、150)の処理具(112、122、132、142、152)の操作範囲外にあり、前記処理故障が排除されると、前記ワーク(W)の前記搬送サイクルは再開し、
前記処理における故障は、搭載ステーション内においてなくなったワークによってまたは処理不可のワーク(W’)によって起こされた、なくなったワークまたは挟持具(32a、32b)に誤挿入されたワーク(W)によって起こされた、もしくは、挟持具(32a、32b)の破損品によってまたは前記処理設備の破損品によって起こされた、
搬送方法。
【請求項2】
ワークが存在していないこと、または処理不可のワーク(W’)の存在はセンサ装置(65)によって検出され、これらの場合において、前記挟持具(32a、32b)が前記待ち位置(27)に移動されることは前記センサ装置(65)によって開始される、請求項1に記載の搬送方法。
【請求項3】
ワークが存在していないこと、または挟持具(32a、32b)に誤挿入されたワーク(W)の存在は挟持具駆動部(33)の挟持具制御器(70)によって検出され、これらの場合において、前記挟持具(32a、32b)が前記待ち位置(27)に移動されることは前記挟持具制御器(70)によって開始される、請求項1に記載の搬送方法。
【請求項4】
処理設備(M)の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、特に成形設備の複数の連続のステーション(110、120、130、140、150)の間において、ワークを同時に搬送するための搬送装置であって、前記搬送装置は、
移動可能に装着された挟持具支持部(20)であって、複数の挟持具(32a、32b)およびモータ駆動の挟持具支持部駆動要素(51-56)が前記挟持具支持部(20)に配置されており、各前記挟持具(32a、32b)は1つのワーク(W)を挟持するための挟持具支持部(20)と、
前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)が前記処理設備の前記ステーションの間において循環移動軌道(21)に沿って前後移動するための前記挟持具支持部駆動要素(51-56)と、
前記挟持具支持部駆動要素(51-56)のための支持部制御器(60)であって、前記挟持具支持部(20)の移動を制御し、与えられた制御命令の結果として、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)によって前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)を待ち位置(27)に移動させて前記ワーク(W)の搬送を一時停止し、前記待ち位置(27)において、前記ワーク(W)が前記処理設備(M)の前記ステーション(110、120、130、140、150)の処理具(112、122、132、142、152)の操作範囲外にあるように構成されている、前記支持部制御器(60)と、
を備え、
前記挟持具支持部駆動要素(51-56)および前記支持部制御器(60)は、前記ワーク(W)を保持している前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)を、前記循環移動軌道(21)から離れた移動軌道(24)に沿って待ち位置(27)に移動させて、前記ワーク(W)の搬送を一時停止するように構成されており、
さらに、
前記搬送装置は、なくなったワークによってまたは処理不可のワークによって起こされる、処理における故障を検出するため、および、当該故障を前記支持部制御器(60)に通知するためのセンサ装置(65)を有する、もしくは、
前記挟持具(32a、32b)が挟持具駆動部(33)にそれぞれに指定され、前記挟持具(32a、32b)の個別操作のために、前記挟持具駆動部(33)が前記挟持具支持部(20)に配置されており、挟持具制御器(70)が個別の前記挟持具(32a、32b)の開閉動作および挟持力を個別に制御するように構成されている、
搬送装置。
【請求項5】
前記挟持具支持部(20)は、直線的にガイドされる形式で移動可能なように装着されており、かつ、平行四辺形ガイド機構(11-16)によってその直線的ガイド可動性に対して横方向に変位可能に装着されている、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記挟持具支持部(20)が挟持具支持部駆動要素(51-56)によって移動可能であり、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)が2つのクランク装置機構(51-54)を備え、各前記クランク装置機構(51-54)が関連の挟持具支持部駆動モータ(55、56)を有し、各前記クランク装置機構(51-54)がクランク(51、52)と駆動棒(53、54)とを有し、前記クランク(51、52)が前記関連の挟持具支持部駆動モータ(55、56)によって回転駆動可能であり、前記駆動棒(53、54)が前記クランク(51、52)および前記挟持具支持部駆動要素(20)と関節接続している、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記挟持具(32a、32b)を有する前記挟持具支持部(20)は、前記挟持具支持部駆動要素(51-56)によって、移動の第1直線的軌道(21a)に沿う前進移動が可能であり、前記移動の第1直線的軌道と平行な移動の第2直線的軌道(21c)に沿う戻り移動が可能である、請求項4から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【外国語明細書】