(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005649
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20230111BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F04B39/00 106A
H01R13/52 302E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107697
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直樹
【テーマコード(参考)】
3H003
5E087
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB01
3H003AC03
3H003BC01
3H003CD01
3H003CF02
5E087LL04
5E087LL17
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】より確実に端子を防水できる圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機1は、圧縮機本体2と、圧縮機本体2の側面に設けられるターミナル10と、ターミナル10を覆うターミナルカバー12と、ターミナルカバー12を覆う防水カバー16とを備える。防水カバー16は、圧縮機本体2の側面に接して固定される固定部20と、ターミナルカバー12を覆うカバー部30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機本体と、
前記圧縮機本体の側面に設けられる端子と、
前記端子を覆うカバー部材と、
前記カバー部材を覆う防水カバーとを備え、
前記防水カバーは、前記圧縮機本体の側面に接して固定される固定部と、
前記カバー部材を覆うカバー部とを備える
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記カバー部は、前記固定部から着脱可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮機本体は、柱状に形成され、
前記固定部は、前記圧縮機本体の周方向に沿って、前記圧縮機本体の周面全体に亘って延びる長尺状に形成され、
前記固定部には、前記固定部の長さ寸法を調節可能な調節部が設けられる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記調節部は、前記圧縮機本体を挟んで、前記端子の反対側に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記固定部は、平板が複数個所で曲げられることで枠状に形成され、直線状に延びる箇所で前記圧縮機本体の側面に接する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記カバー部の天面は、傾斜面である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記固定部は、前記圧縮機本体と、前記カバー部材とが連結される連結部に係合されることで、前記圧縮機本体に支持される
ことを特徴とする請求項1にから請求項6のいずれか一項記載の圧縮機。
【請求項8】
前記固定部は、前記圧縮機本体の側面に設けられる配管に支持される
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ターミナルを覆うターミナルカバーを備える圧縮機を開示する。この圧縮機は、一側面を開口し、ターミナルカバーを覆う一側面を開口した本体と、該本体の開口周縁に環状形成され、ターミナルカバーを被覆した時に圧縮機の表面に密着する弾性防水部とにより構成したターミナルの防水カバーを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、より確実に端子を防水できる圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、圧縮機本体と、前記圧縮機本体の側面に設けられる端子と、前記端子を覆うカバー部材と、前記カバー部材を覆う防水カバーとを備え、前記防水カバーは、前記圧縮機本体の側面に接して固定される固定部と、前記カバー部材を覆うカバー部とを備えることを特徴とする圧縮機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示における圧縮機では、端子を覆うカバー部材を覆う防水カバーが固定部と、カバー部とを備えるため、端子やカバー部材の形状に係らず固定部を形成することができる。これにより、より確実に防水カバーを圧縮機本体に固定することができ、より確実に端子を防水できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、ターミナルを覆うターミナルカバーを備える圧縮機において、一側面を開口し、ターミナルカバーを覆う一側面を開口した本体と、該本体の開口周縁に環状形成され、ターミナルカバーを被覆した時に圧縮機の表面に密着する弾性防水部とより構成したターミナルの防水カバーを設けることで、当該ターミナルを防水する技術があった。これにより、ターミナルカバー内に水が侵入することを防止する圧縮機を実現される。
【0009】
しかしながら、従来の構成では、防水カバーは、ターミナルカバーにはめ込まれるようにして取り付けられる。このため、この防水カバーは、ターミナルや、ターミナルカバーの形状が異なる圧縮機には、用いることができない。
また、この防水カバーの弾性防水部は、防水カバーの本体の形状に合わせて形成されるため、ターミナルや、ターミナルカバーの形状が異なる圧縮機には、用いることができない。
【0010】
さらに、この防水カバーは、弾性防水部の弾力性によって、圧縮機に固定されるため、圧縮機の振動に伴って、剥離する虞があった。
発明者らは、以上のような課題を発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、より確実に端子を防水できる圧縮機を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態)
以下、
図1~
図8を用いて、実施の形態を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.圧縮機の構成]
図1及び
図2は、本実施の形態に係る圧縮機1を示す斜視図である。
図1は、圧縮機本体2のターミナル10が設けられた側面側から視た図であり、
図2は、圧縮機本体2のターミナルが設けられた側面とは反対が和から視た図である。
図1に示す圧縮機1は、例えば冷媒等の流体を圧縮するものである。この圧縮機1は、室外熱交換器、室外膨張弁等と、室内機に収められた室内熱交換器等と共に冷媒配管によって連結されることで、空気調和装置が備える冷凍サイクル(冷媒回路)を形成する。圧縮機1は、室外熱交換器等と共に、室外機に収められる。
【0013】
図1に示すように、圧縮機1は、圧縮機本体2を備える。圧縮機本体2は、上端と下端とが閉塞された縦長円筒状の密閉容器4を備える。
この密閉容器4の内部には、圧縮機構と、当該圧縮機構を駆動する駆動機構と、これらの機構を潤滑するオイルを貯留する貯油部等が収められる。
【0014】
図2に示すように、密閉容器4の側周面の所定箇所には、吐出管6が設けられる。この吐出管6は、密閉容器4の側周面を貫通して固定される。本実施の形態の吐出管6は、密閉容器4の側周面から外方に向かって水平に延びた後、上方に屈曲されて形成される。
密閉容器4の天面には、上方に向かって延びる吸入管8が設けられる。
【0015】
圧縮機1の圧縮機構や駆動機構等が駆動を開始すると、吸入管8から冷媒が圧縮機本体2の内部に吸入され、圧縮機1によって圧縮される。所定の圧力に到達した冷媒は、吐出管6から密閉容器4の外部に送り出される。
なお、本実施の形態では、密閉容器4の天面には、吸入管8と同様に上方に向かって延びるインジェクション管9が設けられる。
【0016】
図3は、防水カバー16を省略して示した圧縮機1の斜視図である。
図3に示すように、密閉容器4の側周面の所定箇所には、ターミナル10が設けられる。このターミナル10は、外部から信号を入力する信号線や駆動機構に給電する電源線等の各種の配線が接続される端子である。
【0017】
このターミナル10は、カバー部材であるターミナルカバー12によって覆われる。ターミナルカバー12は、一方の端部が閉塞された筒状の部材である。ターミナルカバー12は、開放端である他方の端部の周縁がターミナル10を囲むように密閉容器4の側周面に取り付けられる。
このターミナルカバー12は、難燃性と絶縁性とを有する材料によって形成される。
【0018】
本実施の形態では、ターミナルカバー12は、当該ターミナルカバー12の他方の端部と密閉容器4の側周面とが溶着されることで密閉容器4に取り付けられる。以下、ターミナルカバー12の他方の端部と密閉容器4の側周面とが溶着して連結された箇所を連結部14という。
本実施の形態では、密閉容器4の側周面において、連結部14の上縁は、吐出管6の水平に突出する箇所の上面と略同一の高さに配置される。
【0019】
密閉容器4に取り付けられたターミナルカバー12の下面、すなわち、ターミナルカバー12の側周面における圧縮機1の下方側に位置する箇所には、貫通孔が設けられる。この貫通孔には、ターミナルカバー12の外部から内部に収められたターミナル10に接続される各種の配線が挿通される。
【0020】
図1、
図2に示すように、圧縮機1は、防水カバー16を備える。防水カバー16は、ターミナル10、及びターミナルカバー12を被覆することで防水する部材である。
防水カバー16は、
図1、及び
図2に示すように、固定部20と、カバー部30とを備える。
【0021】
図4は、固定部20の斜視図である。
図4に示すように、固定部20は、長尺状に形成された板状部材を複数箇所で曲げることで枠状に形成された部材である。本実施形態では、固定部20は、長尺の板金の複数個所に曲げ加工を施すことによって形成される。これによって、防水カバー16を作成する場合には、固定部20を形成することが容易となる。
【0022】
固定部20の所定箇所には、調節部22が設けられる。この調節部22は、固定部20の材料である板金の両端が所定の距離で離間しつつ、互いに平面を対向させるように折り曲げられて形成される。換言すれば、調節部22は、枠体である固定部20が開放されることで形成される。
【0023】
調節部22は、調節ねじ孔23と調節貫通孔24とを備える。調節ねじ孔23は、固定部20の材料である板金の一方の端部付近に位置する平面に設けられ、調節貫通孔24は、当該板金の他方の端部付近に位置する平面に設けられる。調節部22は、調節ねじ孔23と調節貫通孔24とが互いに対向するように板金の両端が曲げられることで形成される。
【0024】
図2に示すように、調節ねじ孔23と調節貫通孔24とには、調節ねじ部材29が挿通される。この調節ねじ部材29が回転されると、固定部20の材料である板金の両端が接近または離間し、調節部22が締め付け、または、緩められる。
調節部22が締め付け、または、緩められると、固定部20の周方向全体の長さ寸法が延長、または、短縮される。すなわち、固定部20は、調節部22によって、主方向全体の長さ寸法が調節される。
なお、調節ねじ部材29には、緩み防止のために、ばね座金等に挿通されてもよい。
【0025】
固定部20には、係合部26が設けられる。係合部26は、固定部20の周方向において、調節部22の反対側に位置する箇所に設けられる。
係合部26は、所定の長さ寸法で直線状に形成される。また、この係合部26の長手方向を形成する一方の縁部は、略U字状に切り欠かれる切り欠き部27が設けられる。この切り欠き部27は、連結部14の上縁と略同一形状に形成される。
また、固定部20の平面視で、係合部26は、固定部20から外方に向かって突出するように形成される。
【0026】
固定部20の周方向おいて、係合部26の両端よりも外側に位置する箇所には、いずれも固定ねじ孔28が設けられる。各固定ねじ孔28は、固定部20の平面に設けられたねじ孔である。
上述の通り、係合部26は、固定部20から外方に向かって突出する。このため、固定部20において、各固定ねじ孔28が設けられた平面と、係合部26との間には、段差が設けられる。
また、固定部20は、平面視で、調節部22と係合部26の長手方向の略中央を通る仮想線を対称線として、略線対称となるように形成される。
【0027】
図5、及び
図6は、カバー部30を示す斜視図である。
図5は、カバー部30の前面側から視た図であり、
図6は、カバー部30の開放端31側から視た図である。
図5、
図6に示すように、カバー部30は、一つの面が開放された箱状に形成された部材である。このカバー部30は、金属板を曲げ加工直方体状に成型することで形成される。
以下、カバー部30において、開放された箇所を開放端31とし、当該開放端31の反対側に位置する平面を前面とする。
また、カバー部30の開放端31の上下方向における上方側に位置する面を天面とする。この天面は、カバー部30が圧縮機本体2に取り付けられた場合に、圧縮機1の上方側に位置する面である。
【0028】
開放端31の水平方向に位置する両縁において、上端には、いずれも平板状の固定片32が設けられる。各固定片32は、開放端31の水平方向に位置する両縁からカバー部30の外方に向かって延び平板である。これらの固定片32には、貫通孔である固定貫通孔33が設けられる。各固定貫通孔33は、いずれも長孔状に形成される。
【0029】
開放端31の水平方向に位置する両縁において、各固定片32よりも下方には、いずれも舌片34が設けられる。各舌片34は、各固定片32と同様に、開放端31の水平方向に位置する両縁からカバー部30の外方に向かって延びる平板である。
【0030】
カバー部30において、開放端31の上下方向に位置する天面、及び底面には、開放端31を形成する縁部から前面側にU字状に切り欠かれることで形成されるカバー切り欠き部35がいずれも設けられる。各カバー切り欠き部35は、密閉容器4の周面と略同一の曲率をいずれも有する。
また、カバー部30の底面には、カバー切り欠き部35からさらに前面側に向かってU字状に切りかかれることで形成される挿通部36が設けられる。
【0031】
カバー部30において、開放端31の各縁部には、ゴム等の樹脂材が設けられる。同様に、各固定片32、及び各舌片34において、カバー部30の外方に面する平面には、ゴム等の樹脂材が設けられる。
【0032】
[1-2.作用]
以上のように構成された圧縮機1について、その作用を以下説明する。
[1-2-1.防水カバーの取り付け手順]
防水カバー16を圧縮機本体2に取り付ける手順について説明する。
図7は、カバー部30を省略して示した圧縮機1の斜視図である。
まず、圧縮機本体2が固定部20の枠内に挿通されるように、固定部20が圧縮機本体2に取り付けられる。具体的には、切り欠き部27に連結部14の上縁が勘合することで、係合部26が圧縮機本体2に係合する。さらに、固定部20の所定箇所が吐出管6の水平に突出する箇所の上面に載置される。これによって、固定部20は、圧縮機本体2に支持される。
【0033】
次いで、調節ねじ部材29をねじ回し等によって回転させることで、調節部22が締め付けられる。そして、固定部20の周方向全体の長さ寸法が短縮される。周方向全体の長さ寸法が短縮された固定部20は、複数の直線状に延びる箇所のそれぞれが密閉容器4の周面の対応する箇所に当接する。これによって、固定部20は、圧縮機本体2に固定される。
【0034】
次いで、カバー部30が固定部20に固定される。
まず、カバー部30の開放端31の内側に係合部26が挿通されるように、当該カバー部30を圧縮機本体2に向かってスライドさせることで、カバー部30が固定部20に係合される。この場合において、カバー部30の上方に位置する面である天面の開放端31側の縁部が係合部26の上縁に当接して支持される。
このように固定部20に係合されたカバー部30は、ターミナル10、及びターミナルカバー12全体を内部に収める。
【0035】
この後、
図1に示すように、一対の固定ねじ部材39が各固定貫通孔33に挿通され、固定ねじ孔28に螺合することで、カバー部30が固定部20に固定される。
これによって、防水カバー16が圧縮機本体2に取り付けられる。
【0036】
固定部20にカバー部30が固定されると、開放端31の縁部と、各固定片32と、各舌片34とが樹脂材を介して密閉容器4の周面の所定箇所に圧着されて当接する。このように、開放端31の縁部と、各固定片32と、各舌片34とに設けられた樹脂材は、圧縮機本体2の密閉容器4とカバー部30とを封止する所謂パッキンのような封止部材として機能する。
【0037】
また、圧縮機1の下方側、換言すればカバー部30の底面側から視て、挿通部36は、ターミナルカバー12に設けられた貫通孔に重なる位置に配置される。これによって、ターミナル10には、挿通部36、及びターミナルカバー12に設けられた貫通孔を介して各種の配線が接続可能である。
また、カバー部30に挿通部36が設けられることで、防水カバー16が圧縮機本体2に取り付けられた場合であっても、カバー部30の内外の温度差によって、当該カバー部30の内部に結露等が生じることが抑制される。
【0038】
[1-2-2.空気調和装置における圧縮機の作用]
上述の通り、圧縮機1は、空気調和装置の室外機に収められる。一般的に、室外機には、ファンによって外気を取り込むための開口が設けられる。このため、屋外に配置された室内機の内部には、雨水等の水分が入り込む場合がある。
また、室外機には、室外熱交換器が収められるため、当該室外熱交換器の表面等で生じた結露水等が室外機内部に飛び散る虞がある。
【0039】
本実施の形態の圧縮機1は、ターミナル10、及びターミナルカバー12を覆う防水カバー16が設けられる。これによって、室外機内部の水分が圧縮機1に向かった場合でああっても、防水カバー16によって、ターミナル10に水が到達することが抑制される。
さらに、カバー部30の内部と外部とを連通させる挿通部36は、カバー部30の底面、すなわち圧縮機1の下方に向かって開口するため、当該挿通部36から水が入り込むことが抑制される。
【0040】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、圧縮機1は、圧縮機本体2と、圧縮機本体2の側面に設けられるターミナル10と、ターミナル10を覆うターミナルカバー12と、ターミナルカバー12を覆う防水カバー16とを備える。防水カバー16は、圧縮機本体2の側面に接して固定される固定部20と、ターミナルカバー12を覆うカバー部30とを備える。
【0041】
これにより、ターミナル10、およびターミナルカバー12が防水カバー16によって防水される。そのため、圧縮機1は、防水性を向上させることができる。
【0042】
本実施の形態のように、カバー部30は、固定部20から着脱可能にしてもよい。
これにより、防水カバー16は、カバー部30と、固定部20とが別体として形成される。そのため、圧縮機本体2に固定された防水カバー16の安定性を向上させると共に、固定部20を取り外すことなくカバー部30のみを取り外すことで、圧縮機1の配線作業を行うことができる。
【0043】
本実施の形態のように、カバー部30は、固定部20から着脱可能にしてもよい。
これにより、防水カバー16は、カバー部30と、固定部20とが別体として形成され、カバー部30の着脱を容易に実現できる。そのため、圧縮機本体2に固定された防水カバー16の安定性を向上させると共に、固定部20を取り外すことなくカバー部30のみを取り外すことで、圧縮機1の配線作業を行うことができる。
【0044】
本実施の形態のように、圧縮機本体2は、柱状に形成され、固定部20は、圧縮機本体2の周方向に沿って、圧縮機本体2の周面全体に亘って延びる長尺状に形成され、固定部20には、固定部20の長さ寸法を調節可能な調節部22が設けられてもよい。
これにより、防水カバー16は、調節部22で固定部20の長さ寸法を調節することで圧縮機本体2に固定される。そのため、圧縮機1では、防水カバー16の着脱を容易に実現できる。
【0045】
本実施の形態のように、調節部22は、圧縮機本体2を挟んで、ターミナル10の反対側に配置されてもよい。
これにより、固定部20は、平面視で調節部22を挟んで略対称形状に形成される。そのため、固定部20は、調節部22の調節ねじ部材29を締め付けた場合に、当該調節部22を挟んで固定部20の枠形状の両側に均等に締め付け力がかかる形状となるように、容易に形成される。
【0046】
本実施の形態のように、固定部20は、平板が複数個所で曲げられることで枠状に形成され、直線状に延びる箇所で圧縮機本体2の側面に接するように形成されてもよい。
これにより、固定部20は、簡易な作成方法で形成される。そのため、防水カバー16は、簡易な構成で形成された固定部20を用いて圧縮機本体2に固定できる。
【0047】
本実施の形態のように、固定部20は、圧縮機本体2と、ターミナルカバー12とが連結される連結部14に係合されることで、圧縮機本体2に支持されてもよい。
これにより、固定部20は、周方向全体に亘って、直線状に延びる箇所で圧縮機本体2の側面に当接すると共に、連結部14に支持されることで圧縮機本体2に固定される。そのため、防水カバー16は、調節部22に緩みが生じた場合であっても、固定部20が連結部14に支持されることで、圧縮機本体2から脱落することが抑制される。
【0048】
本実施の形態のように、固定部20は、圧縮機本体2の側面に設けられる吐出管6に支持されてもよい。
これにより、固定部20は、周方向全体に亘って、直線状に延びる箇所で圧縮機本体2の側面に当接すると共に、吐出管6に支持されることで圧縮機本体2に固定される。そのため、防水カバー16は、調節部22に緩みが生じた場合であっても、固定部20が吐出管6に支持されることで、圧縮機本体2から脱落することが抑制される。
【0049】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0050】
図8は、本開示の変形例におけるカバー部30の側面図である。
上述した実施の形態では、カバー部30の天面は、密閉容器4の側周面から略水平に突出するように設けられるとした。しかしながら、これに限らず、
図8に示すように、カバー部30の天面は、密閉容器4の側周面に対して傾斜面となるように形成されていてもよい。
【0051】
これにより、カバー部30の天面に付着した水を当該天面の傾斜面に沿って防水カバー16から排水することができる。なお、
図8では、カバー部30の天面は、圧縮機本体2から遠ざかるにつれて下方に傾斜する傾斜面としたが、これに限らず下方に傾斜する面であれば、どの方向に亘って形成されてもよい。
また、カバー部30の天面は、一方向に向かう傾斜面に限らず、例えば切妻型やピラミッド型等、複数方向に向かって傾斜する面を有してもよい。
【0052】
また例えば、上述した実施の形態では、防水カバー16の各部は、いずれも金属材で形成されるとしたが、これに限らず、防水性を有する材料であればどの材料で形成されてもよい。
また例えば、固定部20は、圧縮機本体2の周面と略同一の曲率を有した環状に形成されてもよい。
【0053】
上述した実施の形態では、固定部20は、吐出管6に支持されるとしたが、これに限らず、他の配管やポート等、密閉容器4の周面から突出する各種の部材に支持されてもよい。
また、固定部20は、このような部材に支持されていなくてもよい。
【0054】
上述した実施の形態では、圧縮機1は、空気調和装置に設けられるとしたが、これに限らず、例えば冷蔵庫やショーケース等の冷凍サイクルを備える各種の冷蔵・冷凍機器に設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本開示は、冷凍サイクルを備える冷凍・冷蔵機器が備える圧縮機に適用可能である。具体的には、空気調和装置や冷凍装置が備える圧縮機等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 圧縮機
2 圧縮機本体
4 密閉容器
6 吐出管(配管)
8 吸入管
10 ターミナル
12 ターミナルカバー(カバー部材)
14 連結部
16 防水カバー
20 固定部
22 調節部
30 カバー部