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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057499
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】プレート椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 4/02 20060101AFI20230414BHJP
   A47C 4/03 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A47C4/02
A47C4/02 A
A47C4/02 B
A47C4/02 C
A47C4/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167077
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】519198454
【氏名又は名称】株式会社Techno-idea
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】安岡 裕介
(72)【発明者】
【氏名】田窪 政博
(72)【発明者】
【氏名】村松 康至
(72)【発明者】
【氏名】池田 治
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大克
(72)【発明者】
【氏名】田窪 政博
(72)【発明者】
【氏名】田窪 優子
(72)【発明者】
【氏名】山本 英彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】収納時の厚さが薄い組立式の椅子、または椅子の状態で移動させようとするとき部材が簡単に外れてしまわない組立式の椅子を提供する。
【解決手段】平板組立椅子は、平板状の第1の側面脚部材と、平板状の第2の側面脚部材と、平板状の座面部材と、平板状の背面部材とを含み、椅子を分解した状態で、前記座面部材が第1の平面部材を形成し、前記背面部材が第2の平面部材を形成し、第1の側面脚部材と第2の側面脚部材とを組み合わせて第3の平板を形成し、第1の平面部材と第2の平面部材と第3の平面部材とを積層して収納できる。また、前記座面部材は前記第1の側面脚部材の前記座面受部および前記第2の側面脚部材に対して回転させることにより固定され、前記背面部材は前記第1の側面脚部材の前記背面受部および前記第2の側面脚部材に対して回転させることにより固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の部材からなる平板組立椅子であって、
平板状の第1の側面脚部材と、平板状の第2の側面脚部材と、平板状の座面部材と、平板状の背面部材とを含み、
椅子に組み立てられた状態で、
前記第1の側面脚部材と前記第2の側脚部材とは椅子の脚となり、
前記座面部材は、椅子の座面となり、
前記背面部材は、椅子の背もたれとなり、
椅子を分解した状態で、
前記座面部材が第1の平面部材を形成し、
前記背面部材が第2の平面部材を形成し、
第1の側面脚部材と第2の側面脚部材とを組み合わせて第3の平板を形成し、
第1の平面部材と第2の平面部材と第3の平面部材とを積層して収納できる、平板組立椅子。
【請求項2】
平板状の部材からなる平板組立椅子であって、
第1の側面脚部材と、第2の側面脚部材と、座面部材と、背面部材とを含み、
前記第1の側面脚部材および第2の側面脚部材とは、それぞれ、前記座面部材の一部を受け入れる座面受部と、前記背面部材の一部を受け入れる背面受部とを有し、
前記座面部材は前記第1の側面脚部材の前記座面受部および前記第2の側面脚部材の前記座面受部に受け入れられたのち、前記座面部材を回転させることにより固定され、
前記背面部材は前記第1の側面脚部材の前記背面受部および前記第2の側面脚部材の前記背面受部に受け入れられたのち、前記背面部材を回転させることにより固定される、平板組立椅子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状のパーツ(部材)から組み立てられる平板組立椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯性や収納面を考慮した組立式の椅子がある。例えば、特許文献1に記載の組立椅子は、金属フレームや金具を使用することなく、木製の4枚の平板をスライド式に組合せてなる組立椅子が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-17463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の組立椅子は、各パーツが1枚のプレートを構成し、収納時に4枚の平板(プレート)を重ねるもので、収納時の厚さが厚くなってしまうという課題があった。また、スライドのみにより組み立てられているため、椅子の状態で移動させようとするとき部材が簡単に外れてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決すべく本発明の発明者は鋭意検討したところ、本発明に係る平板組立椅子は以下の構成を有する。
【0006】
(1)本発明に係る平板組立椅子は、平板状の部材からなる平板組立椅子であって、平板状の第1の側面脚部材と、平板状の第2の側面脚部材と、平板状の座面部材と、平板状の背面部材とを含み、椅子に組み立てられた状態で、前記第1の側面脚部材と前記第2の側脚部材とは椅子の脚となり、前記座面部材は、椅子の座面となり、前記背面部材は、椅子の背もたれとなり、椅子を分解した状態で、前記座面部材が第1の平面部材を形成し、前記背面部材が第2の平面部材を形成し、第1の側面脚部材と第2の側面脚部材とを組み合わせて第3の平板を形成し、第1の平面部材と第2の平面部材と第3の平面部材とを積層して収納できる。これにより、平板組立椅子は、収納時に3枚の平板(プレート)を重ねるもので、収納時の厚さを薄くできる。
【0007】
(2)本発明に係る他の平板組立椅子は、平板状の部材からなる平板組立椅子であって、第1の側面脚部材と、第2の側面脚部材と、座面部材と、背面部材とを含み、前記第1の側面脚部材および第2の側面脚部材とは、それぞれ、前記座面部材の一部を受け入れる座面受部と、前記背面部材の一部を受け入れる背面受部とを有し、前記座面部材は前記第1の側面脚部材の前記座面受部および前記第2の側面脚部材の前記座面受部に受け入れられたのち、前記座面部材を回転させることにより固定され、前記背面部材は前記第1の側面脚部材の前記背面受部および前記第2の側面脚部材の前記背面受部に受け入れられたのち、前記背面部材を回転させることにより固定される。これにより、椅子が回転により固定されるため、椅子の状態で移動させようとするときも部材が簡単に外れてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収納時の厚さが薄い組立式の椅子、または椅子の状態で移動させようとするとき部材が簡単に外れてしまわない組立式の椅子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る平板組立椅子を示す斜視図である。
図2図1に示す平板組立椅子の第1の側面脚部材の側面図を示し、(A)は全体側面図を示し、(B)は(A)の領域Bの拡大図を示す。
図3図1に示す平板組立椅子の背面部材の正面図を示す。
図4図1に示す平板組立椅子の座面部材の平面図を示す。
図5図1に示す平板組立椅子の補強部材の正面図を示す。
図6図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材を組み込む際の斜視図である。
図7図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材を組み込んだ状態の斜視図である。
図8図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材を組み込んだ後に背面部材を組み込む際の斜視図である。
図9図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材を組み込んだ後に背面部材を組み込んだ状態の斜視図である。
図10図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、図8の状態から図9の状態へ移行する際の側面図である。
図11図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材および背面部材を組み込んだ後に、座面部材を組み込む際の斜視図である。
図12図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、第1の側面部材および第2の側面部材に補強部材および背面部材を組み込んだ後に、座面部材を組み込んだ状態の斜視図である。
図13図1に示す平板組立椅子の組立方法を示す図であり、図11の状態から図12の状態へ移行する際の側面図である。
図14図1に示す平板組立椅子を分解して収納する際の状態を示す斜視図である。
図15図14に示す平板組立椅子の第1のプレートを示す斜視図である。
図16図14に示す平板組立椅子の第2のプレートを示す斜視図である。
図17図14に示す平板組立椅子の第3のプレートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る平板組立椅子Cについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明において、前方(前側)、後方(後側)、左方(左側)、右方(右側)、上方(上側)、下方(下側)の用語は、それぞれ、椅子として組み立てられた状態の前方(前側)、後方(後側)、左方(左側)、右方(右側)、上方(上側)、下方(下側)を意味する。
【0011】
図1に示すように、平板組立椅子Cは、第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、背面部材3と、座面部材4と、補強部材5との5つの部材を組み立てて構成される。本実施形態において、第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、座面部材4と、背面部材3と、補強部材5とは、レーザ加工により平板状の板状部材を切断して形成される。
【0012】
第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、背面部材3と、座面部材4と、補強部材5とは同じ厚さである。また、第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、背面部材3と、座面部材4と、補強部材5とは、1枚の平板状の板状部材を切断して形成されてもよく、複数の平板状の板状部材を切断して形成されてもよい。
【0013】
なお、切断方法は、レーザ加工に限定されず、CNC等の工作機械を用いて刃物やドリルにより切断されてもよい。本実施形態において、板状部材は、いわゆる中密度繊維版(MDF:Medium-Density Fiberboard)であるが、木製合板や集成材などの木板であってもよい。
【0014】
図2(a)に示すように、第1の側面脚部材1は、座面を支持する座面支持部1aと、背面を支持する背面支持部1bとを備え、座面支持部1aと背面支持部1bとから概略L字形状に形成されている。
【0015】
第1の側面脚部材1の座面支持部1aは、平面視で直線状に延びる、第1の脚直線部11と、第2の脚直線部12と、第3の脚直線部13とを備える。第1の脚直線部11は、後述する座面部材4を支持する。第2の脚直線部12は、地面と接する。第3の脚直線部13は、第1の脚直線部11と第2の脚直線部12をつなぐように略上下方向に延びる。
【0016】
また、第1の側面脚部材1の座面支持部1aは、第1の脚直線部11から矩形に突出する第1の脚凸部11aと、第1の脚凸部11aの後側の端部から矩形に凹む第1の脚凹部11bと、第1の脚直線部11から矩形に凹む第2の脚凹部11cと、第1の脚直線部11の背面支持部1b側の端に形成された第1の脚切欠部11dとを有する。
【0017】
また、座面支持部1aは、第2の脚直線部12から台形に凹む第3の脚凹部12aを備える。第3の脚凹部12aは、上方ほど狭い台形の上辺の中央に上方に凹む脚凹所12bを有する。また、座面支持部1aは、第3の脚直線部13から矩形に凹む第4の脚凹部13aとを備える。
【0018】
第1の側面脚部材1の背面支持部1bは、平面視で直線状に延びる、第4の脚直線部14と、第5の脚直線部15と、第6の脚直線部16とを備える。第4の脚直線部14は、後述する背面部材3を支持する。第5の脚直線部15は、椅子の後側となる。第6の脚直線部16は、第4の脚直線部14と第5の脚直線部15をつなぐように前後方向に延びる。
【0019】
また、背面支持部1bは、第4の脚直線部14から矩形に突出する第2の脚凸部14aと、第4の脚直線部14の前面側に形成された第2の脚切欠部14bとを有する。なお、第1の脚直線部11の後端と第4の脚直線部14の下端とが接続する位置関係で、第2の脚直線部12と第5の脚直線部15とは、概略直角の位置関係になっている。
【0020】
図2(b)に示すように、第1の脚切欠部11dは、座面支持部1aが背面支持部1bに接続する付近に設けられており、第1の脚直線部11から斜め後方に直線状に切り欠かれる第1の脚切欠孔11eと、第1の脚切欠孔11eから連続して前方に向けて弧状に切り欠かれる第2の脚切欠孔11fとを有する。また、第1の脚切欠孔11eと、第2の脚切欠孔11fとから第1の脚切欠凸部11gが形成される。
【0021】
また、第2の脚切欠部14bは、背面支持部1bが座面支持部1aに接続する付近に設けられており、第4の脚直線部14から後方に直線状に切り欠かれる第3の脚切欠孔14cと、第3の脚切欠孔14cから連続して上方に向けて弧状に切り欠かれる第4の脚切欠孔14dとを有する。また、第3の脚切欠孔14cと、第4の脚切欠孔14dとから第2の脚切欠凸部14eが形成される。
【0022】
第2の側面脚部材2は、第1の側面脚部材1と同様の形状とされているため、図を用いた説明を省略する。なお、第2の側面脚部材2は、第1の側面脚部材1と同一形状、同一構成の座面支持部1aと、背面支持部1bとを備え、第1の側面脚部材1と同様に、座面支持部1aと背面支持部1bから概略L字形状に形成されている。
【0023】
図3に示すように、背面部材3は、平面視で直線状に延びる第1の背面直線部31と、第2の背面直線部32と、第3の背面直線部33と、第4の背面直線部34とから、概略矩形に形成されている。第1の背面直線部31は、第2の背面直線部32と第3の背面直線部33とをつなぐように左右方向に直線状に延びる。
【0024】
背面部材3は、第2の背面直線部において、第3の背面直線部33側に設けられた第1の背面下凹部32aと、第4の背面直線部34側に設けられた第2の背面下凹部32bと、第1の背面下凹部32aの右側に設けられた第3の背面下凹部32cと、第2の背面下凹部32bの左側に設けられた第4の背面下凹部32dとを備える。第1の背面下凹部32aおよび第2の背面下凹部32bは、第2の背面直線部32から矩形に凹み、第3の背面左凹部32cおよび第4の背面右凹部32dは、上方ほど広がる台形に凹む。
【0025】
また、背面部材3は、第3の背面直線部33から矩形に凹む第1の背面左凹部33aと、第4の背面直線部34から矩形に凹む第1の背面右凹部34aとを有する。第1の背面左凹部33aには、上側の左右中央に下側に突出する背面左側凸所33bが形成され、第1の背面右凹部34aには、上側の左右中央に下側に突出する背面右側凸所34bが形成されている。
【0026】
背面部材3は、左右中央の上側(第1の背面直線部31側)に設けられた概略トラック形状の第1の背面中央貫通孔30aと、左右中央の下側(第2の背面直線部32側)に設けられた長い矩形の第2の背面中央貫通孔30fと、第2の背面中央貫通孔30fのさらに下側に設けられた矩形の第3の背面中央貫通孔30gとを有する。
【0027】
また、背面部材3は、上下中央の左側(第3の背面直線部33側)に設けられた長い矩形の第1の背面左貫通孔30bと、第1の背面左貫通孔30bの下方に設けられた矩形の第2の背面左貫通孔30cと、上下中央の右側(第4の背面直線部34側)に設けられた長い矩形の第1の背面右貫通孔30dと、右側の下方に設けられた矩形の第2の背面右貫通孔30eとを有する。
【0028】
また、第1の背面中央貫通孔30aには、下側の左右中央に背面中央凹所30hが形成され、第2の背面中央貫通孔30fには、上側の左右中央に背面中央凸所30iが形成されている。さらに、第1の背面左凹部33aと第2の背面左貫通孔30cとにより第1の背面左架橋部30jが形成され、第2の背面左貫通孔30cと第1の背面下凹部32aとにより第2の背面左架橋部30kが形成され、第1の背面右凹部34aと第2の背面右貫通孔30eとにより第1の背面右架橋部30lが形成され、第2の背面右貫通孔30eと第2の背面下凹部32bとにより第2の背面左架橋部30mが形成されている。
【0029】
図4に示すように、座面部材4は、平面視で直線状に延びる第1の座面直線部41と、第2の座面直線部42と、第3の座面直線部43と、第4の座面直線部44とから、概略矩形に形成されている。座面部材4は、第2の座面直線部42から前方に矩形に凹む第1の座面左凹部42aと第1の座面右凹部42bと、第1の座面直線部41から後方に矩形に僅かに凹む座面中央凹部41aとを備える。第1の座面左凹部42aと第1の座面右凹部42bにより、座面部材4は、座面左凸部42cと、座面右凸部42dと、中央座面凸部42eとが形成されることになる。
【0030】
座面部材4は、左右の中央の前側(第1の座面直線部41側)に設けられた概略トラック形状の第1の座面中央貫通孔40aと、左側(第3の座面直線部43側)の前方に設けられた矩形の第1の座面左貫通孔40bと、左側の後方に設けられた矩形の第2の座面左貫通孔40cと、右側(第4の座面直線部44側)の前方に設けられた矩形の第1の座面右貫通孔40dと、右側の後方に設けられた矩形の第2の座面右貫通孔40eと、左右の中央の後方(第2の座面直線部42側)に設けられた概略矩形の第2の座面中央貫通孔40fとを有する。
【0031】
さらに、座面部材4において、第1の座面中央貫通孔40aは、左右中央の後方に矩形に凹む第1の座面中央凹所40gを有する。また、第2の座面中央貫通孔40fは、左右中央の前方に矩形に凹む第2の座面中央凹所40hを有する。
【0032】
また、座面部材4において、座面左凸部42cの先端には、矩形に凹む座面左凹所42fが形成され、座面右凸部42dの先端には、矩形に凹む座面右凹所42gが形成されている。さらに、座面左凹所42fと第2の座面左貫通孔40cとから座面左架橋部40jが形成され、座面右凹所42gと第2の座面右貫通孔40eとから座面右架橋部40kが形成されている。
【0033】
図5に示すように、補強部材5は、概略細長い棒状に形成されており、下側端部51の左側に補強左凸部51aと、下側端部51の右側に補強右凸部51bと、補強左凸部51aの左側に矩形の補強左凹部51cと、補強右凸部51bの右側に矩形の補強右凹部51dとを備える。補強左凸部51aと補強右凸部51bとは上方ほど広がる台形に形成されている。補強部材5の上側端部52は直線状に延びる。
【0034】
図2図5に示す各部、各所、各孔は、板状の第1の側面脚部材1、板状の第2の側面脚部材2、板状の背面部材3、板状の座面部材4を切断、切抜により形成される。すなわち、各部、各所は、板状の第1の側面脚部材1、板状の第2の側面脚部材2、板状の背面部材3、板状の座面部材4に対して厚さ方向に貫通する。
【0035】
次いで、本発明の実施形態に係る平板組立椅子Cの組み立てについて図6~13を用いて説明する。
【0036】
まず、図6に示すように、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とを対向するように平行に配置する。本実施形態において、第1の側脚部が左側、第2の側脚部が右側となるように配置される。しかし、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とは、対向するように平行に配置されていれば、左右の位置が逆であってもよい。また、補強部材5は、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2との間を渡るように準備される。
【0037】
次に、図6および図7に示すように、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2との間を渡るように補強部材5を嵌め込む。具体的には、第1の側面脚部材1の第1の脚凹部11bと補強部材5の補強左凹部51cとが嵌め込まれ、かつ、第2の側面脚部材2の第1の脚凹部11bと補強部材5の補強右凹部51dとが噛み合うように嵌め込まれる。なお、補強部材5は前後が逆となり、第1の側面脚部材1の第1の脚凹部11bと補強部材5の補強右凹部51dとが嵌め込まれ、第2の側面脚部材2の第1の脚凹部11bと補強部材5の補強左凹部51cとが嵌め込まれてもよい。
【0038】
次に、図8に示すように、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2との間を渡るように背面部材3の一部を第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とに嵌め込む。具体的には、第1の側面脚部材1の第1の脚切欠部11dに背面部材3の第1の背面下凹部32aが侵入し、第2の側面脚部材2の第2の脚切欠部14bに背面部材3の第2の背面下凹部32bが侵入するように第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とに背面部材3が挿入される。
【0039】
次に、図9に示すように、背面部材3と、第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2とが組み合わされる。具体的には、背面部材3の第1の背面下凹部32aが第1の側面脚部材1の第1の脚切欠孔11eの終端に到達し、かつ、背面部材3の第2の背面下凹部32bが第2の側面脚部材2の第1の脚切欠部11eの終端に到達した状態で、背面部材3が、第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2に対して後方に向けて回転される。
【0040】
図8の状態から図9の状態に移行するときは、図10に示すように、背面部材3の第1の背面左架橋部30jが第1の側面脚部材1の第2の脚切欠孔11fに侵入し、背面部材3の第1の背面右架橋部が第2の側面脚部材2の第2の脚切欠孔11fに侵入するように、背面部材3が第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2に対して回転される。
【0041】
さらに、背面部材3の第2の背面左貫通孔30cは、第1の側面脚部材1の第1の脚切欠凸部11gを受け入れ、背面部材3の第2の背面右貫通孔30eは、第2の側面脚部材2の第1の脚切欠凸部11gを受け入れる。さらに、このとき、背面部材3の第1の背面左貫通孔30bは、第1の側面脚部材1の第1の脚凸部11aを受入れ、背面部材3の第1の背面右貫通孔30dは、第2の側面脚部材2の第1の脚凸部11aを受入れる。
【0042】
次に、図11に示すように、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2との間を渡るように座面部材4を第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とに嵌め込む。具体的には、座面部材4の座面左凸部42cが第1の側面脚部材1の第2の脚切欠部14bに侵入し、座面部材4の座面右凸部42dが第2の側面脚部材2の第2の脚切欠部14bに侵入するように、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とに座面部材4が挿入される。
【0043】
次に、図12に示すように、座面部材4と、第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2とが組み合わされる。具体的には、座面左凸部42cの先端に設けられた座面左凹所42fが、第1の側面脚部材1の第2の脚切欠部14bの第3の脚切欠孔14cの終端に到達し、かつ、座面右凸部42dの先端に設けられた座面右凹所42gが、第2の側面脚部材2の第2の脚切欠部14bの第3の脚切欠孔14cの終端に到達した状態で、座面部材4が、第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2に対して下方に向けて回転される。
【0044】
図11の状態から図12の状態に移行するときは、図13に示すように、座面左凸部42cの先端に設けられた座面左凹所42fが、第1の側面脚部材1の第2の脚切欠部14bの第3の脚切欠孔14cの終端に到達し、かつ、座面右凸部42dの先端に設けられた座面右凹所42gが、第2の側面脚部材2の第2の脚切欠部14bの第3の脚切欠孔14cの終端に到達した状態で、座面部材4が後方に回転されて座面左架橋部40jが第1の側面脚部材1の第4の脚切欠孔14dに侵入し、座面右架橋部40kが第2の側面脚部材2の第4の脚切欠孔14dに侵入するように座面部材4が第1の側面脚部材1および第2の側面脚部材2に対して下方に回転される。
【0045】
このとき、座面部材4の第2の座面左貫通孔40cは第1の側面脚部材1の第2の脚切欠凸部14eを受入れ、座面部材4の第2の座面右貫通孔40eは第2の側面脚部材2の第2の脚切欠凸部14eを受入れる。さらに、このとき、座面部材4の第1の座面左貫通孔40bは、第1の側面脚部材1の第1の脚凸部11aを受け入れ、座面部材4の第1の座面右貫通孔40dは、第2の側面脚部材2の第1の脚凸部11aを受け入れる。
【0046】
このように、本実施形態に係る平板組立椅子Cは、補強部材5が、対向して配置された第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とに渡るように組み込まれ、背面部材3の一部が第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2との一部に挿入された後、回転されて組み込まれ、座面部材4が第1の側脚部と第2の側脚部との一部に挿入された後、回転されて組み込まれ、椅子として組み立てられる。
【0047】
組み立てられた平板組立椅子Cにおいて、第1の側面脚部材1と第2の側脚部材2とは椅子の脚となり、座面部材4は椅子の座面となり、背面部材3は、椅子の背もたれとなる。
【0048】
次いで、本発明の実施形態に係る平板組立椅子Cの収容状態について図14図17を用いて説明する。
【0049】
図14に示すように、平板組立椅子Cは、第1のプレートP1プレート(第1の平板部材)P1と、第2のプレート(第1の平板部材)P2と、第3のプレート(第3の平板部材)P3とからなる3枚のプレート(平板部材)を積層して収納することができる。
【0050】
図15に示すように、第1のプレートP1は座面部材4から構成される。座面部材4は左右に線対称となっており、第1のプレートは、線対称の軸線に対してひっくり返せば、裏表が関係しない。
【0051】
図16に示すように、第2のプレートP2は、背面部材3と補強部材5とが組み合わされて構成される。具体的には、背面部材3の第3の背面下凹部32cに補強部材の補強左凸部51aが嵌合し、背面部材3の第4の背面下凹部32dに補強部材の補強右凸部51bが嵌合することで、背面部材3と補強部材5とが組み合わされる。
【0052】
なお、背面部材3および補強部材5は、左右に線対称となっており、背面部材3および補強部材5いずれかを線対称の軸線に対してひっくり返すことにより、背面部材3の第3の背面下凹部32cに補強部材の補強右凸部51bを嵌合させ、第4の背面下凹部32dに補強部材の補強左凸部51aを嵌合させることもできる。
【0053】
図17に示すように、第3のプレートP3は、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とが組み合わされて構成される。具体的には、第1の側面脚部材1の第4の脚凹部13aに第2の側面脚部材2の第2の脚凸部14aが嵌合し、かつ、第1の側面脚部材1の第2の脚凸部14aに第2の側面脚部材2の第4の脚凹部13aが嵌合することにより、第1の側面脚部材1と第2の側面脚部材2とが組み合わされる。
【0054】
なお、平板組立椅子Cの収容時には、帯状のベルトにより結束される。このとき、第1の側面脚部材1の脚凹所12b、第2の側面脚部材の脚凹所12b、は、背面部材3の背面中央凹所30h、第3の背面中央貫通孔30g、座面部材4の座面中央凹所41a、第1の座面中央凹所40gおよび第2の座面中央凹所40hは、ベルトが通され左右方向にずれないように機能する。これにより、第1のプレートP1、第2のプレートP2および第3のプレートP3は結束されて持ち運び容易となる。
【0055】
また、背面部材3の第1の背面中央貫通孔30aと、座面部材40の第1の座面中央貫通孔40aとは、第1のプレートP1、第2のプレートP2および第3のプレートP3が結束された状態で、手により把持する把持部として機能する。
【0056】
本発明の実施形態において、平板組立椅子Cは、第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、背面部材3と、座面部材4と、補強部材5との5つの部材を組み立てる構成される形態について説明した。しかし、平板組立椅子Cは、第1の側面脚部材1と、第2の側面脚部材2と、背面部材3と、座面部材4との4つの部材を組み立てる構成であってもよい。この場合、第2のプレートP2は、背面部材3のみから構成される。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、平板パーツから組み立てられる平板組立椅子などに好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0059】
C 平板組立椅子
P1 第1のプレート
P2 第2のプレート
P3 第3のプレート
1 第1の側面脚部材
2 第2の側面脚部材
3 背面部材
4 座面部材
5 補強部材
1a 座面支持部
1b 背面支持部
11 第1の脚直線部
11a 第1の脚凸部
11b 第1の脚凹部
11c 第2の脚凹部
11d 第1の脚切欠部
11e 第1の脚切欠孔
11f 第2の脚切欠孔
11g 第1の脚切欠凸部
12 第2の脚直線部
12a 第3の脚凹部
12b 脚凹所
13 第3の脚直線部
13a 第4の脚凹部
14 第4の脚直線部
14a 第2の脚凸部
14b 第2の脚切欠部
14c 第3の脚切欠孔
14d 第4の脚切欠孔
14e 第2の脚切欠凸部
15 第5の脚直線部
16 第6の脚直線部
30a 第1の背面中央貫通孔
30b 第1の背面左貫通孔
30c 第2の背面左貫通孔
30d 第1の背面右貫通孔
30e 第2の背面右貫通孔
30f 第2の背面中央貫通孔
30g 第3の背面中央貫通孔
30h 背面中央凹所
30i 背面中央凸所
31 第1の背面直線部
32 第2の背面直線部
32a 第1の背面下凹部
32b 第2の背面下凹部
32c 第3の背面下凹部
32d 第4の背面下凹部
33 第3の背面直線部
33a 第1の背面左凹部
33b 背面左側凸所
34 第4の背面直線部
34a 第1の背面右凹部
34b 背面右側凸所
40a 第1の座面中央貫通孔
40b 第1の座面左貫通孔
40c 第2の座面左貫通孔
40d 第1の座面右貫通孔
40e 第2の座面右貫通孔
40f 第2の座面中央貫通孔
40g 第1の座面中央凹所
40h 第2の座面中央凹所
40j 座面左架橋部
40k 座面右架橋部
41 第1の座面直線部
41a 座面中央凹部
42 第2の座面直線部
42a 第1の座面左凹部
42b 第1の座面右凹部
42c 座面左凸部
42d 座面右凸部
42e 中央座面凸部
42f 座面左凹所
42g 座面右凹所
43 第3の座面直線部
44 第4の座面直線部
51 下側端部
51a 補強左凸部
51b 補強右凸部
51c 補強左凹部
51d 補強右凹部
52 上側端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17