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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023060907
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】フェイスガード
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/20 20060101AFI20230421BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20230421BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A42B3/20
A62B18/02 Z
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170574
(22)【出願日】2021-10-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2020年10月24日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月13日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月24日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月16日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月17日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月17日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2020年11月18日に販売の公開 [刊行物等] 2020年11月18日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月19日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2020年11月18日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2020年11月21日に販売先紹介依頼の公開 [刊行物等] 2020年11月24日に販売の公開 [刊行物等] 2020年11月24日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年11月26日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年11月28日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年11月28日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月1日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月3日にダイレクトメール発送の公開 [刊行物等] 2020年12月7日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月7日に販売の公開 [刊行物等] 2020年12月7日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月11日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月12日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月15日に刊行物の公開 [刊行物等] 2020年12月16日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月19日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月25日に寄贈の公開 [刊行物等] 2020年12月23日に刊行物の公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] 2021年1月7日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年1月7日に販売の公開 [刊行物等] 2021年1月9日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年1月9日に販売の公開 [刊行物等] 2021年1月12日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年1月12日に販売の公開 [刊行物等] 2021年1月12日に販売の公開 [刊行物等] 2021年1月13日に販売の公開 [刊行物等] 2021年1月16日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年2月4日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2021年3月1日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年3月10日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年3月11日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年3月15日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年3月16日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年3月16日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年3月18日に販売の公開 [刊行物等] 2021年3月22日に販売の公開 [刊行物等] 2021年3月31日に販売の公開 [刊行物等] 2021年4月23日に販売の公開 [刊行物等] 2021年5月6日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年5月28日に紹介の公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] 2021年6月9日に販売の公開 [刊行物等] 2021年6月15日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2021年8月25日に販売の公開 [刊行物等] 2021年7月13日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2020年11月18日にウェブサイトの公開 [刊行物等] 2021年7月23日に寄贈の公開 [刊行物等] 2021年8月31日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年9月3日にポスター広告の公開 [刊行物等] 2021年9月3日にポスター広告の公開 [刊行物等] 2021年9月13日にポスター広告の公開 [刊行物等] 2021年9月13日にポスター広告の公開 [刊行物等] 2021年9月27日に刊行物の公開 [刊行物等] 2021年10月8日にウェブサイトの公開
(71)【出願人】
【識別番号】515000834
【氏名又は名称】株式会社雀宮産業
(74)【代理人】
【識別番号】100144358
【弁理士】
【氏名又は名称】藤掛 宗則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英行
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 尚美
【テーマコード(参考)】
2E185
3B107
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185AA07
2E185CC36
3B107DA07
3B107DA17
(57)【要約】
【課題】着用者の首で保持され、当該着用者の顔面からシールドまでの距離を任意に調整可能なフェイスガードを提供する。
【解決手段】着用者の首で保持され、当該着用者の顔面から所定の間隔を空けて口及び鼻を覆うフェイスガード100は、着用者の首に装着される略環状に形成されたフレーム20、フレームに取り付けられ当該着用者の胸元から立ち上がる透明なシールド10を有する。フレームは、シールドが取り付けられる略半環状の第1のフレーム部201、着用者の首に接する略半環状の第2のフレーム部202を有し、第1のフレーム部と第2のフレーム部を接続する部位が、第2のフレーム部を基準に第1のフレーム部に取り付けられたシールドを着用者の顔面から任意の角度に傾斜移動させることが可能な調整機構として構成される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の首で保持され、当該着用者の顔面から所定の間隔を空けて口及び鼻を覆うフェイスガードであって、
前記フェイスガードは、
前記着用者の首に装着される略環状に形成されたフレームと、当該フレームに取り付けられ当該着用者の胸元から立ち上がる透明なシールドとを有し、
前記フレームは、前記シールドが取り付けられる略半環状の第1のフレーム部と、前記着用者の首に接する略半環状の第2のフレーム部とを有し、当該第1のフレーム部と第2のフレーム部を接続する部位が、当該第2のフレーム部を基準に前記第1のフレーム部に取り付けられたシールドを当該着用者の顔面から任意の角度に傾斜移動させることが可能な調整機構として構成されることを特徴とする、
フェイスガード。
【請求項2】
前記調整機構は、前記第2のフレーム部を基準に当該第1のフレームに取り付けられたシールドを前記着用者の顔面から前後自在に移動させることが可能な調整機構として機能することを特徴とする、
請求項1に記載のフェイスガード。
【請求項3】
前記調整機構は、ネジ構成により前記第1のフレーム部の端部と前記第2のフレーム部の端部をそれぞれ圧接させて前記シールドの移動を規制し、又は圧接を解除することで当該シールドの移動を可能にすることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のフェイスガード。
【請求項4】
前記第2のフレーム部は、その中心方向に向けて所定の2か所の部位を突出させて形成されることを特徴とする、
請求項1、2又は3に記載のフェイスガード。
【請求項5】
前記第2のフレーム部は、その幅方向で対向する位置のそれぞれの部位から外方に向けて延出する一対の突起体が形成されることを特徴とする、
請求項1乃至4いずれか一項に記載のフェイスガード。
【請求項6】
前記突起体が形成される部位は、前記第2のフレーム部の突出部位であることを特徴とする、
請求項5に記載のフェイスガード。
【請求項7】
前記第2のフレーム部は、当該第2のフレーム部を二つに分割する分割機構を有することを特徴とする、
請求項1乃至6いずれか一項に記載のフェイスガード。
【請求項8】
前記シールドは、前記第1のフレーム部に取り付けられた状態の正面視の幅サイズが下方から上方に向けて幅広になる形状に形成されることを特徴とする、
請求項1乃至7いずれか一項に記載のフェイスガード。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の顔面を保護するフェイスガードに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水や油などの飛散物から装着者の顔面を保護するフェイスガードがある。
特許文献1に開示されたフェイスガードは、着用者の首に装着される湾曲体と、湾曲体に取り付けられる係止体と顔面を覆う面材とを備える。面材は、係止体により湾曲体と接続されている。
このフェイスガードでは、面材が着用者の顔から首元まで延びているため、例えば、食品工場や家庭内において揚げ物を調理する場合等の油を使用する際に、跳ねた油が首に付着することを防ぐことができる、というものである。
【0003】
また、特許文献2に開示されたフェイスガードは、着用者の顔面を覆うシート状の本体部、シート状の本体部を着用者の顔面を覆うように支持する基台部、この基台部に設けられ着用者に装着するための装着部を備えている。また基台部は、前面と後面とを備える板状に形成されてこの後面が着用者の胸部の前面に当接するよう構成された当接部、当接部の前面に設けられシート状の本体部の下端部を支持する支持部を備えている。この支持部は、シート状の本体部が当接部の前面に対して鋭角な向きで上向き傾斜するようにシート状の本体部を支持するように構成されていている、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-189543号公報
【特許文献2】実用新案登録第3230719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたフェイスガードは、着用者がフェイスガードを装着すると、フェイスガードの下部と着用者の顔面との間に隙間が生じる。そのため、このフェイスガードを飛沫防止のために装着しても、着用者が咳やくしゃみをすると、飛沫はフェイスガードの下部からフェイスガードの外側に出るおそれがある。また、着用者の周囲にいる人が咳やくしゃみをすると、その飛沫がフェイスガードの下部からフェイスガードの内側に侵入してしまう恐れがある、という課題が残る。
【0006】
また、特許文献2に開示されたフェイスガードは、基台部に設けられた支持部により、シート状の本体部が当接部の前面に対して鋭角な向きで上向き傾斜するようにシート状の本体部を支持させて、シート状の本体部が着用者の顔面に確実に近づけるというものである。
【0007】
しかしながら、例えば歯科医療行為において歯科医師は額に医療機器(例えば、額帯鏡や額帯顕微鏡など)を装着し、さらにフェイスガードを装着して治療を行う場合がある。
この場合、シート状の本体部と歯科医師である着用者の顔面との間隔が少ないと額に装着した医療機器等が干渉したり、医療機器のサイズによってはフェイスガードが装着不可となったりする場合が生じる、という課題が残る。
【0008】
本発明は、着用者の首で保持され、当該着用者の顔面からシールドまでの距離を任意に調整可能なフェイスガードを提供することを、主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着用者の首で保持され、当該着用者の顔面から所定の間隔を空けて口及び鼻を覆うフェイスガードであって、前記フェイスガードは、前記着用者の首に装着される略環状に形成されたフレームと、当該フレームに取り付けられ当該着用者の胸元から立ち上がる透明なシールドとを有し、前記フレームは、前記シールドが取り付けられる略半環状の第1のフレーム部と、前記着用者の首に接する略半環状の第2のフレーム部とを有し、当該第1のフレーム部と第2のフレーム部を接続する部位が、当該第2のフレーム部を基準に前記第1のフレーム部に取り付けられたシールドを当該着用者の顔面から任意の角度に傾斜移動させることが可能な調整機構として構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着用者の顔面からシールドまでの距離を任意に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るフェイスガードの構成の一例を説明するための概略図。
図2】フェイスガードが有するフレームの構成の一例を説明するための図。
図3】(a)、(b)、(c)は、図2とは異なる、フェイスガードが有するフレームの構成の一例を説明するための図。
図4】フレームの傾斜動作の一例を説明するための図。
図5】(a)、(b)、(c)は、フレームの伸縮(前後)動作の一例を説明するための図。
図6】(a)、(b)は、フェイスガードが有するシールドの構成の一例を説明するための図。
図7】フェイスガードの傾斜動作と伸縮(前後)動作の一例を説明するための図。
図8図7とは異なる、フェイスガードの傾斜動作と伸縮(前後)動作の一例を説明するための図。
図9】着用者がフェイスガードを装着した状態の一例を説明するための図。
図10図9とは異なる、着用者がフェイスガードを装着した状態の一例を説明するための図。
図11図9図10とは異なる、着用者がフェイスガードを装着した状態の一例を説明するための図。
図12】(a)、(b)は、フレームに設けられた一対の突起体の構成の一例を説明するための概略図。
図13】(a)、(b)は、第2のフレーム部を二つに分割する分割機構の構成の一例を説明するための概略図。
図14】フェイスガードの使用例を示す参考図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態例を説明する。
【0013】
[実施形態例]
図1は、本実施形態に係るフェイスガードの構成の一例を説明するための概略図である。
フェイスガード100は、着用者(図9等参照)の首で保持され、当該着用者の顔面から所定の間隔を空けて口及び鼻を覆うフェイスガードである。
フェイスガード100は、図1に示すように、着用者の首に装着される略環状に形成されたフレーム20、フレーム20に取り付けられ、着用者の胸元から立ち上がる透明なシールド10を有する。
例えば、シールド10はポリエチレンテレフタレート(PET)製のものであり、フレーム20は抗菌剤入りのABS樹脂製のものである。これらの使用材料は一例であり、フェイスガード100の使用目的、その他の事情に応じて任意に組わせることが可能である。
【0014】
図2図3(a)、(b)、(c)は、フェイスガード100が有するフレーム20の構成の一例を説明するための図である。
図2は、フレーム20の全体外観を示す斜視図である。図3(a)は、フレーム20の上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は背面図である。
【0015】
フレーム20は、シールド10が取り付けられる略半環状に形成された第1のフレーム部201、着用者の首に接する略半環状に形成された第2のフレーム部202を有する。
第1のフレーム部201は、図2に示すように、シールド10を第1のフレーム部201に取り付ける際の位置決めとなる凸部201aが形成されている。位置決めの詳細については後述する。
【0016】
第1のフレーム部201と第2のフレーム部202が接する部位(接続する部位)は、第2のフレーム部202を基準に、第1のフレーム部201に取り付けられたシールド10を着用者の顔面から任意の角度に傾斜移動させることが可能な調整機構として構成される(後述する図4図8図9参照)。
【0017】
本実施形態に係るフェイスガードの調整機構は、ネジ構成204、第2のフレーム部202の2つの端部それぞれに形成された板状部位202a、この板状部位202aに形成された溝部202bにより構成される。
【0018】
調整機構は、例えば雄ネジ・雌ネジの組み合わせであるネジ構成204により、第1のフレーム部201の端部と第2のフレーム部202の板状部位202aを圧接させる。これにより、フレーム20(第2のフレーム部202)に対してシールド10の相対的な移動を規制し、又は、その圧接を解除することでシールド10の移動を可能にする。
このようにネジを「締める」「緩める」という簡便な動作でフレーム20(第2のフレーム部202)に対してシールド10の相対的な移動を規制し、又はその規制を解除することが可能になる。
【0019】
なお、ネジ構成204は第1のフレーム部201の端部と第2のフレーム部202の板状部位202aを圧接させるための構成の一例であり、同様の効果をもたらすものであればこれ以外の構成を採用することもできる。また、フレーム20(第2のフレーム部202)に対してシールド10の相対的な移動を規制し、又はその規制を解除することが可能な構成であれば良い。
【0020】
また、調整機構は、第2のフレーム部202を基準に、第1のフレーム部201に取り付けられたシールド10を着用者の顔面から前後自在に移動させることが可能な機構として機能する(後述する図5図8図9参照)。詳細は後述する。
【0021】
第2のフレーム部202は、図3(a)に示すように、その中心方向に向けて所定の2か所(図中の位置D)の部位を突出させて形成される。例えば、図3(a)に示す破線円は、着用者の首のサイズ(直径)の一例を模式的に示したものである。着用者の首のサイズ(直径)は、男性の場合であったり、女性の場合であったり、大人であったり、子供であったりなど体格差に応じてフィット感は異なる。そのため、突出部位を設けることによりフィット感を損なわずに使用できる対象者の幅を増やすことが可能になる。
【0022】
なお、突出部位を設ける第2のフレーム部202の部位(例えば、図中の位置D)は、任意に設定することができ、また、突出させる量(サイズ)も使用予定者に応じて任意に設定することができる。
【0023】
図4は、フレーム20の傾斜動作の一例を説明するための側面図である。
前述したように調整機構は、第1のフレーム部201と第2のフレーム部202が接する部位(接続する部位)は、第2のフレーム部202を基準に、第1のフレーム部201に取り付けられたシールド10を着用者の顔面から任意の角度に傾斜移動させることが可能な機構である。
【0024】
図4に示すように、ネジ構成204を回転軸として第1のフレーム部201を揺動させることができる。これにより、第1のフレーム部201を揺動に応じてシールド10が傾斜し、着用者は第2のフレーム部202のフィット感はそのままに、自身の好みや使用状況に応じて、任意の角度にシールド10を傾斜させることが可能になる。
【0025】
図5は、フレーム20の伸縮(前後)動作の一例を説明するための側面図である。
前述したように調整機構はまた、第2のフレーム部202を基準に、第1のフレーム部201に取り付けられたシールド10を着用者の顔面から前後自在に移動させることが可能な機構な機構である。
【0026】
図5(a)から図5(b)の状態に、さらに図5(b)の状態から図5(c)の状態へなどと第1のフレーム部201を前進移動させることができる。また、図5(c)から図5(b)の状態に、さらに図5(b)の状態から図5(a)の状態へなどと第1のフレーム部201を後退移動させることができる。
【0027】
これにより、第1のフレーム部201の前後移動に応じてシールド10が移動し、着用者は第2のフレーム部202のフィット感はそのままに、自身の好みや使用状況に応じてシールド10と着用者の顔面との間隔を任意に調整することが可能になる。
【0028】
図6(a)、(b)は、フェイスガード100が有するシールド10の構成の一例を説明するための図である。図6(a)はシールド10を平面視したときの図であり、図6(b)はシールド10の厚みを示す図である。
例えば後述する歯科医療における飛沫感染防止の目的においては、シールドの形状が、下方から上方に向けた幅広形状が重視される場合は、シールドの厚みは0.2[mm]以上から1.0[mm]以下に設定されることが好ましい。
シールド10は、第1のフレーム部201に取り付ける際の位置決めとなる凸部201aに対応する孔部101a、ネジ構成204を介して第1のフレーム部201と連通する孔部101bを有する。
なお、シールド10の平面視サイズやその形状、厚みt(図6(b))はフェイスガード100の使用目的、その他の事情に応じて任意に設定することができる。
【0029】
例えばシールド10は、第1のフレーム部201に取り付けられた状態の正面視の幅サイズが下方から上方に向けて幅広になる形状に形成することができる。具体的には、図6(a)に示す幅Lに対して幅Fの領域を大きくすることで正面視の幅サイズが下方から上方に向けた幅広形状になる。
【0030】
これは、孔部101b、ネジ構成204、及び、第1のフレーム部201の幅によりシールド10の幅Lにおける正面視の幅サイズが規定され、いわゆるシールド10の復元力(板状に戻ろうとする力)が規制されその形状が維持される。
これに対して、幅Fの領域ではシールド10の復元力(板状に戻ろうとする力)が作用して、幅Fの領域の大きさに応じて広がり、シールド10の正面視の幅サイズが下方から上方に向けた幅広形状になる。
【0031】
また、図6(a)に示すように、孔部101aと孔部101bは、第1のフレーム部201の凸部201a、ネジ構成204に対応する孔部(不図示)に応じて設定することができる。本実施形態においては、第1のフレーム部201に対応させるため、シールド10を平面視したときに高さHの間隔を設けて形成される。
【0032】
本実施形態のように、孔部101aを基準に孔部101bを相対的に高い位置に形成することで、シールド10を第1のフレーム部201に取り付ける際の取り付けやすさ、フェイスガード100を着用者が装着したときの安定感、いわゆるすわりの良さを向上させることができる。
また、この第1のフレーム部201の形状は正面視において概略V字形状に形成されている領域を有している。この領域を含む第1のフレーム部201の所定の部位がシールド10と接することになる。
このように、上記したような概略V字形状に形成されている領域を第1のフレーム部201が有することは、シールド10を下方から上方に向けた幅広形状を安定して保持させるために大きな意味をもつものである。
【0033】
図7図8は、フェイスガード100の傾斜動作と伸縮(前後)動作の一例を説明するための側面図である。
着用者は第2のフレーム部202のフィット感はそのままに、自身の好みや使用状況に応じて、任意の角度にシールド10を傾斜させたり、シールド10と着用者の顔面との間隔を任意に調整したりすることができる。傾斜移動と前後移動を組み合わせることでより着用者の好みや使用状況に応じたフェイスガード100のポジション決めを行うことができる。
【0034】
図9図10図11は、それぞれ着用者がフェイスガードを装着した状態の一例を説明するための側面図である。
各図に示す網掛け矢印は、着用者の周囲にいる人が咳やくしゃみをした場合の飛沫を模式的に示している。本実施形態に係るフェイスガード100では、前述したように傾斜移動と前後移動を組み合わせることで着用者の使用状況に応じたフェイスガード100のポジション決めを行うことができる。そのため、より効果的にフェイスガード100の下部から飛沫が当該フェイスガード100の内側に侵入してしまうことを防ぐことができる。
【0035】
例えば、歯科医療行為において歯科医師は、診察台に寝た状態の患者に対して目線を下げた状態(俯いた状態)で治療を行うことが多い。本実施形態に係るフェイスガード100であれば、このような状況で患者が咳やくしゃみをした場合であっても飛沫の侵入を効果的に防ぐことができる。
【0036】
また例えば、歯科医療行為において歯科医師は額に医療機器(例えば、顕微鏡装置)を装着し、さらにフェイスガードを装着して治療を行う場合がある。本実施形態に係るフェイスガード100であれば、このような状況であっても、シールド10の内面と歯科医師が額に装着した医療機器等が干渉したりすることを効果的に防ぐことができる。もちろん、歯科医師が額に装着可能な医療機器のサイズも大幅に自由度が増すことになり、また、機器の着脱も容易に行うことができる。
【0037】
図12は、第2のフレーム部202に設けられた一対の突起体202cの構成の一例を説明するための概略図である。図12(a)は上面図であり、図12(b)は背面図である。
図12に示すように、第2のフレーム部202は、その幅方向で対向する位置のそれぞれの部位から外方に向けて延出する一対の突起体202cを形成することもできる。
また、突起体202cが形成される第2のフレーム部202上の部位は、当該第2のフレーム部の突出部位とすることもできる。
【0038】
この突起体202cは、図12(a)に示すように、弾性体(例えばゴム紐)300を第2のフレーム部202に取り付ける際の位置決め(脱落防止)として機能する。
弾性体300を第2のフレーム部202に取り付けることで、前述した第2のフレーム部202のフィット感を損なわずに使用できる対象者の幅をより増加させることが可能になる。さらに、弾性体300の弾性力により第2のフレーム部202の幅サイズの調整が可能になる(図12中の矢印方向など)。このように、第2のフレーム部202(フェイスガード100)を好みに応じたフィット感で装着することが可能になる。
【0039】
図13(a)、(b)は、第2のフレーム部202を二つに分割する分割機構の構成の一例を説明するための概略図である。図13(a)は上面図であり、図13(b)は背面図である。
図13に示すように、第2のフレーム部202を二つに分割する分割機構202dを設けることもできる。例えば、分割機構202dは磁石を用いて構成したり、凹凸のはめ合わせにより構成したりすることができる。これにより、フェイスガード100の着脱がより容易になる。
【0040】
図14は、フェイスガード100の使用例を示す参考図である。
図14では、歯科医師が額帯鏡や額帯顕微鏡などの医療機器を額に装着しており、このような状況でフェイスガード100を装着している様子が見て取れる。
【0041】
このように、本実施形態に係るフェイスガード100では、着用者の顔面からシールド10までの距離を任意に調整することが可能となる。
具体的には、着用者は第2のフレーム部202のフィット感はそのままに、自身の好みや使用状況に応じて、任意の角度にシールド10を傾斜させることが可能になる。また、着用者は第2のフレーム部202のフィット感はそのままに、自身の好みや使用状況に応じてシールド10と着用者の顔面との間隔を任意に調整することが可能になる。さらに、傾斜移動と前後移動を組み合わせることで、着用者の使用状況に応じたフェイスガード100のポジション決めを行うことができる。
【0042】
そのため、フェイスガード100を使用する状況に応じてシールドと顔(額)との距離を調整することにより、例えばフェイスガード100を装着した医師が額帯鏡や額帯顕微鏡などを使用する際のこれら機器の着脱が容易にできると共に、使用時に機器をガードすることができる。
【0043】
上記説明した実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲が、これらの例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
10・・・シールド、20・・・フレーム、100・・・フェイスガード、201・・・第1のフレーム部、202・・・第2のフレーム部。

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