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特開2023-6100情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006100
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20230111BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20230111BHJP
【FI】
G06Q10/00
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108504
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】北村 常弘
(72)【発明者】
【氏名】井藤 好克
【テーマコード(参考)】
5J062
5L049
【Fターム(参考)】
5J062CC18
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】設置が容易で、空間内の情報を簡単に取得することができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、空間の天井10に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末100と、情報処理装置200と、を備える。情報処理装置200は、複数の情報取得端末100と通信することで、複数の情報取得端末100の少なくとも1つから物情報を取得する通信部210と、物情報から得られる出力情報を出力する出力部230と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と、
情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得する通信部と、
前記物情報から得られる出力情報を出力する出力部と、を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、さらに、前記複数の情報取得端末と前記複数の給電口との対応関係、及び、前記複数の給電口の各々の位置を示す端末関連情報を記憶する記憶部から前記端末関連情報を取得し、取得した端末関連情報と前記物情報とに基づいて、前記空間内における前記1以上の物の位置を示す前記出力情報を生成する情報処理部を備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記複数の情報取得端末の各々は、前記所定の範囲を撮像する撮像部を含み、
前記物情報は、前記撮像部によって得られた画像情報を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力情報は、前記空間の平面レイアウトを表す地図情報を含み、
前記情報処理部は、前記端末関連情報が示す前記情報取得端末毎の位置に基づいて、前記情報取得端末毎に得られた画像情報を合成することで、前記地図情報を生成する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1以上の物は、前記空間内に配置された什器を含み、
前記情報処理部は、
前記什器に関する前記物情報に基づいて前記什器の形状及び向きを表す什器画像を生成し、
BIM(Building Information Modeling)データから前記空間の平面レイアウトを表す地図情報を抽出し、
抽出した地図情報の前記什器の位置に前記什器画像を重畳し、
前記出力部は、前記什器画像が重畳された前記地図情報を前記出力情報として出力する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1以上の物の1つは、前記空間内を移動可能な移動端末であり、
前記複数の情報取得端末の各々は、前記移動端末と無線通信を行う無線通信部を含み、
前記物情報は、前記無線通信部による前記移動端末との通信状態を示す通信情報を含み、
前記情報処理部は、さらに、
前記端末関連情報が示す前記情報取得端末毎の位置と、前記情報取得端末毎に得られた通信情報とに基づいて、前記地図情報上での前記移動端末の位置を特定し、
前記地図情報上の特定した位置に、前記移動端末を表す端末画像を重畳する、
請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記移動端末は、人が所持する携帯端末であり、
前記情報処理部は、前記通信情報及び前記画像情報の少なくとも一方に基づいて、前記携帯端末を所持する人の個人情報を特定し、特定した個人情報を含む前記端末画像を生成する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1以上の物は、前記空間内に配置された什器を含み、
前記情報処理部は、前記什器を含む前記画像情報に基づいて前記什器の種類及び位置を特定し、特定結果に基づいてBIM(Building Information Modeling)データを更新する、
請求項3~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記什器には、前記撮像部によって撮像可能な二次元コードが付与されており、
前記情報処理部は、前記二次元コードを含む前記画像情報に基づいて、前記什器の種類を特定する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記出力部は、前記出力情報を表示する表示部を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記出力部は、前記出力情報を外部サーバに送信する送信部を含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記天井は、格子状に配置された支持部材と、前記支持部材に支持された複数の天井パネルとを含むシステム天井であり、
前記複数の給電口は、前記支持部材、及び、前記複数の天井パネルのいずれか一方に配置されている、
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得する通信部と、
前記物情報から得られる出力情報を出力する出力部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項14】
空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得するステップと、
前記物情報から得られる出力情報を出力するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリッド天井の天井板に設けられた検知手段によって、検知対象者又は検知対象物の位置検知を段階的な精度で行う技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-108137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、フロア内でのレイアウト又はゾーンの変更に合わせて検知手段の増設又は移設が必要になる。検知手段の増設又は移設を行わない場合、正確な位置検知を行うことができなくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、設置が容易で、空間内の情報を簡単に取得することができる情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と、情報処理装置と、を備える。前記情報処理装置は、前記複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得する通信部と、前記物情報から得られる出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得する通信部と、前記物情報から得られる出力情報を出力する出力部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、空間の天井に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末と通信することで、前記複数の情報取得端末の少なくとも1つから前記物情報を取得するステップと、前記物情報から得られる出力情報を出力するステップと、を含む。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る情報処理システムなどによれば、設置が容易で、空間内の情報を簡単に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図2図2は、システム天井の一例を示す斜視図である。
図3A図3Aは、システム天井への情報取得端末の配置の一例を示す斜視図である。
図3B図3Bは、システム天井への情報取得端末の配置の別の一例を示す斜視図である。
図4図4は、端末関連情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る情報処理システムによるフロアマップの生成処理を示すフローチャートである。
図6図6は、フロアマップの生成処理を説明するための図である。
図7図7は、実施の形態1に係る情報処理システムによる検知物の位置表示処理を示すフローチャートである。
図8図8は、端末画像が重畳されたフロアマップの一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態2に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図10図10は、実施の形態2に係る情報処理システムによるBIMデータとの連携処理を示すフローチャートである。
図11図11は、検出された什器を表す画像が重畳されたフロアマップの一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態1又は2に係る情報処理システムの応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の実施の形態に係る情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
(実施の形態1)
[構成]
まず、本実施の形態に係る情報処理システムの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
【0015】
図1に示されるように、情報処理システム1は、複数の情報取得端末100と、情報処理装置200と、を備える。複数の情報取得端末100は、天井10に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられる。天井10は、システム天井である。
【0016】
図2は、天井10の一例を示す斜視図であり、天井10の直下の空間から斜め上方を見上げたときの天井10を表している。図2に示されるように、天井10は、格子状に配置された支持部材11と、支持部材11に支持された複数の天井パネル12と、を含む。
【0017】
支持部材11は、断面逆T字状の部材であり、Tバーとも称される。逆さにしたT字の上端が建物の構造材に固定される。支持部材11は、平面視において、格子状、すなわち、互いに直交する2つの方向に延びている。格子状の支持部材11は、複数の開口を形成しており、当該開口に天井パネル12が配置される。格子の間隔は等間隔であり、複数の開口は、同じ大きさの正方形又は長方形である。
【0018】
天井パネル12は、支持部材11のT字の横棒部分に載置されることによって、支持部材11に支持される。天井パネル12には、所定の機能を発揮する機能部が設けられている。機能部は、例えば、照明器具、火災報知器、スピーカー、空調の吹出口などである。
【0019】
天井10には、複数の給電口が規則的に配置されている。「規則的に配置」とは、一定の規則に基づいて配置することであり、一例として等間隔に配置することである。例えば、複数の給電口は、天井面に対して平面格子パターンで配列されている。平面格子パターンは、正方格子、矩形格子、六角格子、斜法格子、平行体格子などである。給電口の間隔は、一方向における間隔と、当該一方向とは異なる他の方向における間隔とで異なっていてもよい。
【0020】
具体的には、複数の給電口は、支持部材11、及び、複数の天井パネル12のいずれか一方に配置されている。例えば、複数の給電口は、複数の天井パネル12の各々の中央に配置されている。あるいは、複数の給電口は、支持部材11の交差部、若しくは、支持部材11の各辺の中央、又は、これらの両方に配置されている。
【0021】
給電口は、例えば、USB(Universal Serial Bus)の差込口である。給電口は、差し込まれる端末に対する電力の供給を行う。なお、給電口は、商用電源を供給するための、端末のプラグが差し込まれるプラグ受けであってもよい。
【0022】
複数の給電口の各々には、情報取得端末100が取り付けられる。つまり、情報取得端末100は、天井10に規則的に配置される。なお、情報取得端末100は、天井10に設けられた全ての給電口に取り付けられていなくてもよい。例えば、情報取得端末100は、全ての給電口のうち、等間隔になるように間引いて選択された複数の給電口にのみ配置されていてもよい。
【0023】
図3A及び図3Bではそれぞれ、天井10への情報取得端末100の配置の一例を示す斜視図である。図3Aに示される例では、複数の天井パネル12に設けられた給電口に等間隔に情報取得端末100が配置されている。図3Bに示される例では、支持部材11に設けられた給電口に等間隔に情報取得端末100が配置されている。
【0024】
情報取得端末100は、取り付けられた給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する装置である。情報取得端末100は、例えばUSBドングルであり、所定の情報取得機能を有する。
【0025】
1以上の物は、例えば、図1に示されるような机、椅子などの什器21を含む。物は、例えば静止物であるが、移動体であってもよい。例えば、1以上の物は、人23が所持する携帯端末22、又は、人23そのものを含んでもよい。つまり、物は、無生物だけでなく、生物であってもよい。携帯端末22は、天井10の下方の空間を移動可能な移動端末の一例である。携帯端末22は、例えばスマートフォン又はタブレット端末などである。なお、移動端末は、ロボット掃除機などの自律走行型の移動体であってもよい。
【0026】
図1に示されるように、情報取得端末100は、通信部110と、撮像部120と、を含む。図1には示されていないが、情報取得端末100は、給電口に接続される接続端子を備える。
【0027】
通信部110は、情報処理装置200と通信を行う。情報処理装置200との通信は、有線通信及び/又は無線通信である。例えば、有線通信は、USBを介したシリアル通信であるが、電力線通信(PLC:Power Line Communication)であってもよい。また、無線通信は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又は移動体通信などである。通信部110は、通信アダプタ、又は、アンテナを含む無線通信回路などで構成される。
【0028】
また、通信部110は、無線通信部の一例であり、携帯端末22との無線通信を行ってもよい。通信部110は、ビーコン信号を定期的に送信し、送信したビーコン信号を受信した携帯端末22からの応答信号を受信する。このときの応答信号の受信強度を利用することで、携帯端末22の位置を算出することができる。応答信号の受信強度は、携帯端末22との通信状態を示す通信情報の一例である。
【0029】
撮像部120は、所定の範囲を撮像する。図1では、撮像部120による撮像範囲121を表している。撮像範囲121は、例えば、情報取得端末100の鉛直下方を中心とする範囲である。隣り合う情報取得端末100間で撮像範囲121の一部が重複している。撮像部120は、例えば、可視光又は赤外光に受光感度を有するイメージセンサである。
【0030】
撮像部120によって得られた画像情報、及び/又は、通信部110によって得られた通信情報は、物情報として情報処理装置200に送信される。
【0031】
情報処理装置200は、複数の情報取得端末100の少なくとも1つから物情報を取得する。情報処理装置200は、例えばコンピュータ機器である。情報処理装置200は、クラウドサーバ又は物理サーバであってもよい。情報処理装置200と複数の情報取得端末100との通信は、例えば無線ゲートウェイ(図示せず)を介して行われる。図1に示されるように、情報処理装置200は、通信部210と、情報処理部220と、出力部230と、記憶部240と、を備える。
【0032】
通信部210は、複数の情報取得端末100と通信することで、複数の情報取得端末100の少なくとも1つから物情報を取得する。物情報には、画像情報及び/又は通信情報が含まれる。通信部210は、通信アダプタ、又は、アンテナを含む無線通信回路などで構成される。
【0033】
情報処理部220は、記憶部240から端末関連情報241を取得し、取得した端末関連情報241と通信部210によって取得された物情報とに基づいて、空間内における物の位置を示す出力情報を生成する。本実施の形態では、出力情報は、空間の平面レイアウトを表す地図情報を含んでいる。情報処理部220は、端末関連情報241が示す情報取得端末100毎の位置に基づいて、情報取得端末100毎に得られた画像情報を合成することで、地図情報(例えば、フロアマップ)を生成する。
【0034】
また、情報処理部220は、端末関連情報241が示す情報取得端末100毎の位置と、情報取得端末100毎に得られた通信情報とに基づいて、地図情報上での携帯端末22の位置を特定する。情報処理部220は、地図情報上の特定した位置に携帯端末22を表す端末画像を重畳する。
【0035】
端末画像は、例えば、携帯端末22を所持する人23の個人情報を含む。個人情報は、例えば、人23の名前、所属、IDなどである。情報処理部220は、通信情報及び画像情報の少なくとも一方に基づいて、携帯端末22を所持する人23の個人情報を特定する。情報処理部220は、特定した個人情報を含む端末画像を生成して、地図情報に重畳する。
【0036】
情報処理部220は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、及び、プログラムを実行するプロセッサなどで構成される。情報処理部220が実行する機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。例えば、情報処理部220は、専用の演算回路で構成されてもよい。
【0037】
出力部230は、物情報から得られる出力情報を出力する。図1に示されるように、出力部230は、表示部231と、送信部232と、を含む。
【0038】
表示部231は、出力情報を表示する。具体的には、表示部231は、地図情報を表示する。表示部231は、例えば、液晶表示装置又は有機EL(Electroluminescence)装置などである。
【0039】
送信部232は、出力情報を外部サーバに送信する。送信部232は、通信アダプタ、又は、アンテナを含む無線通信回路などで構成される。なお、送信部232と通信部210とは、共通のハードウェア資源によって構成されてもよい。
【0040】
記憶部240は、端末関連情報241を記憶する。記憶部240は、HDD(Hard Disk Drive)又はSDD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置である。なお、記憶部240は、情報処理装置200に備えられていなくてもよい。例えば、記憶部240は、情報処理装置200と通信可能に接続された外部サーバに備えられてもよい。
【0041】
端末関連情報241は、複数の情報取得端末100と複数の給電口との対応関係、及び、複数の給電口の各々の位置を示す情報である。端末関連情報241は、情報取得端末100が給電口に取り付けられた際に生成されて記憶部240に記憶される。情報取得端末100の生成は、情報処理部220によって行われるが、情報処理装置200とは異なる他の機器によって行われてもよい。
【0042】
図4は、端末関連情報241の一例を示す図である。図4は、天井面を平面視した場合における複数の情報取得端末100を表している。情報処理部220は、天井面に対して二次元座標を設定することにより、天井面内における位置を特定可能にしている。また、複数の情報取得端末100の各々には、固有の識別情報(図4に示される“C11”など)が割り当てられている。情報処理部220は、情報取得端末100の識別情報と、天井面内の座標とを対応付けることで、端末関連情報241を生成する。
【0043】
情報取得端末100が取り付けられる給電口は、上述した通り、規則的に配置されている。このため、1つの給電口の座標が特定された場合、残りの座標も容易に特定することができる。例えば、給電口が縦方向及び横方向の各々に間隔“100”で配置されている場合、図4に示されるように、左上端の給電口の座標(100,100)を基準として、各給電口の座標を決定することができる。
【0044】
情報取得端末100は、給電口に取り付けられた後、情報処理装置200の情報処理部220からの登録要求に応じて、自身の識別情報を情報処理装置200に送信する。このとき、情報取得端末100は、マルチホップを利用して識別情報(例えば、図4に示される“C11”、“C21”など)を情報処理装置200に送信する。つまり、情報取得端末100は、他の情報取得端末100を中継器としてリレー式に識別情報を送信する。これにより、情報処理装置200は、複数の情報取得端末100から識別情報を順次受け取ることができる。情報取得端末100が規則的に配置されているため、情報処理部220は、受け取った順序に基づいて、識別情報の送信元である情報取得端末100の設置位置を特定することができる。情報処理部220は、複数の情報取得端末100の各々の識別情報と座標とを対応付けて、端末関連情報241として記憶部240に記憶する。
【0045】
[動作]
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム1の動作について説明する。
【0046】
情報処理システム1の動作は主に、フロアマップ(地図情報)の生成処理と、検知物の位置表示処理と、を含む。以下ではまず、フロアマップの生成処理について、図5を用いて説明する。
【0047】
[フロアマップの生成]
図5は、本実施の形態に係る情報処理システム1によるフロアマップの生成処理を示すフローチャートである。
【0048】
図5に示されるように、情報処理装置200は、複数の情報取得端末100の識別情報と位置とを登録する(S10)。具体的には、情報処理部220は、各給電口に取り付けられた情報取得端末100から送信される識別情報を取得し、取り付けられた給電口の位置(座標)を特定し、識別情報と位置(座標)とを対応付けて、記憶部240に記憶する。
【0049】
次に、情報処理部220は、複数の情報取得端末100の各々から画像情報を取得する(S12)。各情報取得端末100では、撮像部120が常時、又は、定期的に撮像範囲121の撮像を行っている。あるいは、撮像部120による撮像は、情報処理部220からの要求があった場合に行われてもよい。
【0050】
各情報取得端末100の通信部110は、撮像により得られた画像情報と自身の識別情報とを対応付けて情報処理装置200に送信する。情報処理部220は、通信部210を介して、画像情報と識別情報とを取得する。画像情報には識別情報が対応付けられているので、情報処理部220は、取得された画像情報がどの情報取得端末100で得られたものかを判別することができる。
【0051】
次に、情報処理部220は、得られた画像情報を合成することで、フロアマップを生成する(S14)。図6は、フロアマップの生成処理を説明するための図である。
【0052】
図6に示されるように、情報取得端末100毎に画像情報311、312、321及び322が得られる。本実施の形態では、隣り合う情報取得端末100の撮像範囲121同士が一部重なるので、各画像情報の端部には共通する部分が含まれる。情報処理部220は、この共通する部分が一致するように、各画像情報の大きさ及び向きなどを調整して合成することにより、フロアマップ300が生成される。このとき、各画像情報の位置は、情報取得端末100の位置に対応しているので、調整を容易に行うことができる。情報処理部220は、生成したフロアマップ300を記憶部240に記憶する。
【0053】
次に、図5に示されるように、出力部230は、生成されたフロアマップ300を表示又は出力する(S16)。例えば、表示部231がフロアマップ300を表示する。あるいは、送信部232がフロアマップ300を外部サーバに送信してもよい。
【0054】
このように、実際の撮像により得られた画像情報を利用するので、現実の状態を表したフロアマップ300を生成することができる。例えば、机及び椅子などの什器21の位置などをフロアマップ300に反映させることができる。
【0055】
[検知物の位置表示]
続いて、検知物の位置表示処理について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る情報処理システム1による検知物の位置表示処理を示すフローチャートである。以下では、検知物として、人23を例に説明する。
【0056】
図7に示されるように、情報処理装置200は、複数の情報取得端末100から携帯端末22の通信情報を取得する(S20)。具体的には、情報処理部220は、通信部210を介して、複数の情報取得端末100のうち、携帯端末22との通信が行われた情報取得端末100から、応答信号の受信強度を示す通信情報を取得する。
【0057】
次に、情報処理部220は、取得した通信情報に基づいて携帯端末22の位置を特定する(S22)。例えば、情報処理部220は、少なくとも3つの情報取得端末100から通信情報を取得し、各通信情報が示す受信強度に基づいて三点測量の原理により、携帯端末22の位置(人23の位置)を特定する。あるいは、情報処理部220は、最も強い受信強度を得た情報取得端末100の位置を携帯端末22の位置として特定してもよい。
【0058】
次に、情報処理部220は、複数の情報取得端末100の各々から画像情報を取得する(S24)。情報処理部220は、携帯端末22の位置の近傍の情報取得端末100のみから画像情報を取得してもよい。なお、情報処理部220は、取得された画像情報を解析することで、携帯端末22を所持する人23の位置を特定してもよい。
【0059】
次に、情報処理部220は、携帯端末22を所持する人23を特定する(S26)。具体的には、情報処理部220は、通信情報及び画像情報の少なくとも一方に基づいて人23の個人情報を特定する。
【0060】
例えば、記憶部240には、人23の顔、名前、所属などの個人情報が記憶されている。情報処理部220は、画像情報を解析することで人23の顔を検出し、検出した顔に基づいて人23の名前及び所属などを特定する。あるいは、携帯端末22の識別情報とその所持者の個人情報とが対応付けられて記憶されていてもよい。通信情報には携帯端末22の識別情報が含まれていてもよく、情報処理部220は、通信情報に含まれる識別情報から所持者の個人情報を特定してもよい。
【0061】
次に、情報処理部220は、特定した個人情報を含む端末画像をフロアマップ300に重畳し、表示部231が、フロアマップ300を表示する(S28)。図8は、端末画像400が重畳されたフロアマップ300の一例を示す図である。端末画像400は、フロアマップ300上の携帯端末22又は人23が特定された位置に重畳される。また、端末画像400は、特定された人23の個人情報(例えば、「A」さんという個人名)を含んでいる。
【0062】
このように、人23の位置をフロアマップ300上に表すことができる。端末画像400の重畳表示を繰り返し行うことにより、人23の行動履歴を生成し記録することができる。また、人23の代わりに、ロボット掃除機のような移動端末の位置を特定し、特定した位置に端末画像を重畳表示してもよい。
【0063】
なお、画像情報の取得(S24)は行われなくてもよい。あるいは、通信情報の取得(S20)が行われずに、情報処理部220は、画像情報に基づいて携帯端末22及び人23の位置を特定してもよい。また、情報処理部220は、個人情報の特定(S26)を行わなくてもよい。
【0064】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る情報処理システム1は、空間の天井10に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末100と、情報処理装置200と、を備える。情報処理装置200は、複数の情報取得端末100と通信することで、複数の情報取得端末100の少なくとも1つから物情報を取得する通信部210と、物情報から得られる出力情報を出力する出力部230と、を備える。
【0065】
これにより、複数の給電口が規則的に配置されているので、情報取得端末100を各給電口に取り付けるだけでよく、設置が容易である。また、情報取得端末100を取り付けた後は、その配置の規則性を利用することがで、空間内の情報を簡単に取得することができる。
【0066】
また、例えば、情報処理装置200は、さらに、複数の情報取得端末100と複数の給電口との対応関係、及び、複数の給電口の各々の位置を示す端末関連情報241を記憶する記憶部240から端末関連情報241を取得し、取得した端末関連情報241と物情報とに基づいて、空間内における1以上の物の位置を示す出力情報を生成する情報処理部220を備える。
【0067】
これにより、複数の給電口が規則的に配置されているので、各給電口の位置を容易に特定することができる。つまり、複数の情報取得端末100の位置も簡単に特定することができるので、物情報から物の位置の特定も容易になる。
【0068】
また、例えば、複数の情報取得端末100の各々は、撮像範囲121を撮像する撮像部120を含む。物情報は、撮像部120によって得られた画像情報を含む。
【0069】
これにより、撮像範囲121内の画像情報を得ることができるので、画像情報を用いてフロアマップ300の生成、並びに、什器21及び人23の位置の特定などを行うことができる。
【0070】
また、例えば、出力情報は、空間の平面レイアウトを表す地図情報を含む。情報処理部220は、端末関連情報241が示す情報取得端末100毎の位置に基づいて、情報取得端末100毎に得られた画像情報を合成することで、地図情報(例えば、フロアマップ300)を生成する。
【0071】
これにより、什器21の実際の配置などを反映させたフロアマップ300を生成することができる。什器21の配置の変更などが合った場合にも、フロアマップ300を更新することができる。
【0072】
また、例えば、1以上の物の1つは、空間内を移動可能な移動端末である。複数の情報取得端末100の各々は、移動端末と無線通信を行う通信部110を含む。物情報は、通信部110による移動端末との通信状態を示す通信情報を含む。情報処理部220は、さらに、端末関連情報241が示す情報取得端末100毎の位置と、情報取得端末100毎に得られた通信情報とに基づいて、地図情報上での移動端末の位置を特定し、地図情報上の特定した位置に、移動端末を表す端末画像400を重畳する。
【0073】
これにより、通信情報を利用して、移動端末の位置を特定し、フロアマップ300に重畳表示させることができる。
【0074】
また、例えば、移動端末は、例えば、人23が所持する携帯端末22である。情報処理部220は、通信情報及び画像情報の少なくとも一方に基づいて、携帯端末22を所持する人23の個人情報を特定し、特定した個人情報を含む端末画像400を生成する。
【0075】
これにより、携帯端末22を所持する人23の行動履歴などを生成することができる。
【0076】
また、例えば、出力部230は、出力情報を表示する表示部231を含む。
【0077】
これにより、例えば、フロアマップ300を表示することができ、情報処理システム1のユーザ又は管理者などに視覚的に分かりやすく情報を提示することができる。
【0078】
また、例えば、出力部230は、出力情報を外部サーバに送信する送信部232を含む。
【0079】
これにより、例えば、所定の出力情報を外部サーバに送信することで、様々な場面に応用することができる。具体的な応用例については、後で説明する。
【0080】
また、例えば、天井10は、格子状に配置された支持部材11と、支持部材11に支持された複数の天井パネル12とを含むシステム天井である。複数の給電口は、支持部材11、及び、複数の天井パネル12のいずれか一方に配置されている。
【0081】
これにより、複数の給電口を簡単に規則的に配置することができる。
【0082】
また、例えば、本実施の形態に係る情報処理方法は、空間の天井10に規則的に配置された複数の給電口に取り付けられ、各々が、対応する給電口の周囲の所定の範囲内に存在する1以上の物に関する物情報を取得する複数の情報取得端末100と通信することで、複数の情報取得端末100の少なくとも1つから物情報を取得するステップと、物情報から得られる出力情報を出力するステップと、を含む。また、例えば、本実施の形態に係るプログラムは、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0083】
これにより、本実施の形態に係る情報処理方法又はプログラムによれば、情報処理システム1と同様の効果を奏することができる。
【0084】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
【0085】
実施の形態2に係る情報処理システムでは、実施の形態1と比較して、BIM(Building Information Modeling)データを利用する点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0086】
[構成]
まず、本実施の形態に係る情報処理システムの構成について、図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態に係る情報処理システム2の構成を示す図である。
【0087】
図9に示されるように、情報処理システム2は、図1に示される情報処理システム1と比較して、情報処理装置200の代わりに情報処理装置500を備える点が相違する。情報処理装置500は、情報処理部220の代わりに情報処理部520を備える。また、情報処理装置500の記憶部240には、BIMデータ542が記憶されている。
【0088】
BIMデータ542は、建築物に関連する様々なデータの総体である。具体的には、BIMデータ542には、三次元CAD(Computer Aided Design)図面のような建築物のレイアウト、形状及び寸法を示すデータだけでなく、建築物を構成する個々の部材(例えば、天井10)を示すデータ、建築物に設置された複数の設備(例えば、什器21)を示すデータなどが統合されている。BIMデータ542は、建築物についての意匠設計、構造設計、設備設計が終了することで作成され、建築物の意匠、構造、設備に関する様々な情報を含んでいる。
【0089】
情報処理部520は、BIMデータ542から空間の平面レイアウトを表す地図情報を抽出する。つまり、本実施の形態では、情報処理部520は、BIMデータ542を利用してフロアマップを生成する。
【0090】
また、情報処理部520は、什器21に関する物情報に基づいて什器21の形状及び向きを表す什器画像を生成する。具体的には、情報処理部520は、情報取得端末100から得られた画像情報に対してエッジ検出などの画像処理を行うことで、什器21の形状及び向きを特定する。あるいは、情報処理部520は、什器21に付された二次元コード30を読み取ることで、什器21の形状及び向きを特定してもよい。例えば、情報処理部520は、撮像部120による撮像によって得られた画像情報に含まれる二次元コード30の大きさ及び向きによって、什器21の形状、位置及び向きを特定してもよい。
【0091】
図9に示されるように、什器21には、撮像部120によって撮像可能な二次元コード30が付与されている。二次元コード30は、いわゆるQRコード(登録商標)である。二次元コード30は、什器21の種類(例えば型番)及び管理番号などを表すWebページ、又は、管理者用のファイルへのアクセス情報を含んでもよい。
【0092】
什器画像は、什器21の平面視形状(例えば、輪郭のみ)を含む画像である。情報処理部520は、生成した什器画像を、フロアマップ上の什器21の位置に、什器21の向きに合わせて重畳する。
【0093】
また、本実施の形態では、情報処理部520は、什器21の種類及び位置に基づいてBIMデータ542を更新してもよい。例えば、情報処理部520は、什器21の配置が変更された場合にBIMデータ542を更新する。これにより、什器21の実際の配置などをBIMデータ542に反映させることができ、BIMデータ542を最新の状態に保つことができる。
【0094】
[動作]
続いて、本実施の形態に係る情報処理システム2の動作について、図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態に係る情報処理システム2の動作を示すフローチャートである。
【0095】
図10に示されるように、情報処理部520は、複数の情報取得端末100の各々から什器21に関する情報を取得する(S30)。具体的には、情報処理部520は、各情報取得端末100から、什器21を撮像することで得られた画像情報を取得する。
【0096】
次に、情報処理部520は、BIMデータ542からフロアマップを取得する(S32)。
【0097】
次に、情報処理部520は、取得された画像情報を解析することで、什器21の位置、形状、向き及び種類などを特定する(S34)。例えば、情報処理部520は、画像情報に対するエッジ検出などの画像処理を行うことで、什器21の位置、形状、向き及び種類を特定する。また、画像情報に二次元コード30が含まれている場合、情報処理部520は、二次元コード30からアクセス可能なWebページ又はファイルなどを参照することで、什器21の種類を特定してもよい。
【0098】
次に、情報処理部520は、フロアマップに什器画像を重畳する。表示部231は、什器画像が重畳されたフロアマップを表示する(S36)。図11は、検出された什器21を表す什器画像610が重畳されたフロアマップ600の一例を示す図である。フロアマップ600は、BIMデータ542から得られる。什器画像610は、什器21が特定された位置に、特定された向きで什器21の形状を表す画像である。また、什器画像610は、什器21の種類(例えば、型番又は管理番号)を含んでいる。
【0099】
次に、図10に示されるように、情報処理部520は、BIMデータ542を更新する(S38)。例えば、情報処理部520は、什器21の配置位置を、特定された位置に変更する。これにより、BIMデータ542を最新の状態にすることができる。
【0100】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る情報処理システム2では、1以上の物は、空間内に配置された什器21を含む。情報処理部520は、什器21に関する物情報に基づいて什器21の形状及び向きを表す什器画像610を生成し、BIMデータ542から空間の平面レイアウトを表す地図情報を抽出し、抽出した地図情報の什器21の位置に什器画像610を重畳する。出力部230は、什器画像610が重畳された地図情報(例えば、フロアマップ600)を出力情報として出力する。
【0101】
これにより、BIMデータ542と連携することで、空間内の詳細なレイアウト及び什器21の詳細な情報を利用することができる。
【0102】
また、例えば、情報処理部520は、什器21を含む画像情報に基づいて什器21の種類及び位置を特定し、特定結果に基づいてBIMデータ542を更新する。
【0103】
例えば、建築物の利用開始時(BIMデータ542の生成時)とは異なる位置に什器21が移動された場合、あるいは、新たな什器21が配置された場合に、情報処理部520は、什器21の位置を更新又は新規に登録する。これにより、BIMデータ542を最新の状態にすることができる。
【0104】
また、例えば、什器21には、撮像部120によって撮像可能な二次元コード30が付与されている。情報処理部520は、二次元コード30を含む画像情報に基づいて、什器21の種類を特定する。
【0105】
これにより、二次元コード30からアクセスできるWebサイトなどに什器21に関する具体的な情報をより多く登録しておくことで、什器21に関する多くの情報を簡単に取得することができる。
【0106】
なお、情報処理部520は、実施の形態1と同様に、予め作成されたBIMデータ542から抽出したフロアマップ600に、端末画像400を重畳してもよい。あるいは、情報処理部520は、画像情報を合成することで得られるフロアマップに什器画像610を重畳してもよい。
【0107】
(応用例)
続いて、上述した各実施の形態に係る情報処理システム1又は2の応用例について、図12を用いて説明する。図12は、実施の形態1又は2に係る情報処理システムの応用例を示す図である。
【0108】
図12では、情報処理システム1又は2が適用された複数の建物711、712及び713が示されている。各建物711~713には、複数の情報取得端末100が配置されている。情報処理装置200又は500は、複数の情報取得端末100の各々から物情報を取得し、フロアマップの生成、移動端末の検出、什器の特定などを行う。情報処理装置200又は500は、物情報に基づいて出力情報を生成し、生成した出力情報を外部サーバ700に送信する。情報処理装置200又は500と外部サーバ700との通信は、例えば、API(Application Programming Interface)通信である。
【0109】
外部サーバ700は、ユーザに所定のサービスを提供するためのサーバである。例えば、外部サーバ700は、フロアマップ、什器の配置及び/又は人の検知結果などの情報を利用して、建物の利用者721に対して、使用可能な什器(例えば、机、椅子、作業スペース)の提示、及び/又は、特定の人の位置の提示を行うサービスを提供する。
【0110】
あるいは、外部サーバ700は、建物の管理者722に対して、什器の配備計画及び什器の利用率の分析などを補助するサービスを提供してもよい。あるいは、外部サーバ700は、自律走行型ロボット723の制御を行うサービスを提供してもよい。自律走行型ロボット723は、フロア清掃、物品の配達又は警備などを行う。
【0111】
フロアマップだけでなく、人及び/又は什器の配置情報を利用することができるので、質の高いサービスの提供を行うことができる。
【0112】
(その他)
以上、本発明に係る情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法について、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0113】
例えば、複数の給電口の規則的な配置は、等間隔の配置に限定されない。例えば、複数の給電口は、所定の規則に沿って周期的に配置されていてもよい。具体的には、第1の方向に沿って第1の間隔で等間隔に配置された複数の給電口からなる第1の給電口列と、上記第1の方向に沿って第2の間隔(第1の間隔とは異なる)で等間隔に配置された複数の給電口からなる第2の給電口列とが、第2の方向(第1の方向に交差又は直交する方向)に交互に繰り返し並んで配置されていてもよい。また、例えば、複数の給電口は、第1の間隔と第2の間隔とを交互に繰り返しながら並んで配置されていてもよい。複数の情報取得端末100の配置についても同様である。
【0114】
また、例えば、隣り合う情報取得端末100において、撮像部120による撮像範囲121は互いに重複していなくてもよい。隣り合う撮像範囲121は、互いの境界が一致していてもよく、あるいは、所定の間隔が空いていてもよい。撮像範囲121の重複がなくても、情報処理装置200は、情報取得端末100の配置の規則性に基づいて画像情報の合成を容易に行うことができる。例えば、情報処理装置200は、撮像範囲121に含まれなかった部分を補完してフロアマップを生成してもよい。
【0115】
また、例えば、天井10は、システム天井でなくてもよく、ボード張り天井又はさお縁天井などであってもよい。
【0116】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、情報処理システム1又は2が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。
【0117】
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0118】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0119】
また、情報処理部220又は520などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0120】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0121】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0122】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1、2 情報処理システム
10 天井
11 支持部材
12 天井パネル
21 什器
22 携帯端末
23 人
30 二次元コード
100 情報取得端末
110 通信部(無線通信部)
120 撮像部
121 撮像範囲(所定の範囲)
200、500 情報処理装置
210 通信部
220、520 情報処理部
230 出力部
231 表示部
232 送信部
240 記憶部
241 端末関連情報
300、600 フロアマップ
311、312、321、322 画像情報
400 端末画像
542 BIMデータ
610 什器画像
700 外部サーバ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12