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特開2023-61354食品に添加物を注入するための装置、及びこれを利用した食品に添加物を注入する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023061354
(43)【公開日】2023-05-01
(54)【発明の名称】食品に添加物を注入するための装置、及びこれを利用した食品に添加物を注入する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/00 20160101AFI20230424BHJP
   A23L 19/00 20160101ALI20230424BHJP
【FI】
A23L29/00
A23L19/00 A
A23L19/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116388
(22)【出願日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0139146
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522292404
【氏名又は名称】エスエヌピー システム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 根 壹
【テーマコード(参考)】
4B016
4B035
【Fターム(参考)】
4B016LC02
4B016LC07
4B016LG01
4B016LG05
4B016LK02
4B016LK20
4B016LP13
4B016LT08
4B035LC16
4B035LG32
4B035LK03
4B035LP25
4B035LP55
4B035LP59
4B035LT20
(57)【要約】
【課題】果物、野菜などの多様な食品に糖度強化成分、栄養強化成分などの多様な添加物を注入することができる食品に添加物を注入するための装置及びこれを利用した食品に添加物を注入する方法を提供する。
【解決手段】食品に添加物を注入するための装置は、食品に注入する添加物を貯蔵する貯蔵部と、食品が盛られた貯蔵容器が置かれ、食品に添加物の注入がなされる注入部と、注入タンク内の空気を吸入して真空圧力にする真空吸入部と、注入タンクの内部に空気を供給して圧力を上昇させる圧縮部と、貯蔵タンク内の添加物Sを注入タンクに供給する供給部と、注入タンク内の添加物を貯蔵タンクに復帰させる復帰部と、貯蔵タンクと注入タンク内の添加物を回収する回収部と、これらを制御するための制御部と、を含んで構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品Fに添加物Sを注入するための装置において、
前記食品Fに注入する前記添加物Sを貯蔵する貯蔵部100と、
前記食品Fが盛られた貯蔵容器113が置かれ、前記食品Fに前記添加物Sの注入がなされる注入部110と、
注入タンク111の内の空気を吸入して真空圧力にする真空吸入部120と、
前記注入タンク111の内部に空気を供給して圧力を上昇させる圧縮部130と、
貯蔵タンク101の内の前記添加物Sを前記注入タンク111に供給する供給部140と、
前記注入タンク111の内の前記添加物Sを前記貯蔵タンク101に復帰させる復帰部150と、
前記貯蔵タンク101と前記注入タンク111の内の前記添加物Sを回収する回収部160と、
前記貯蔵部100、前記注入部110、前記真空吸入部120、前記圧縮部130、前記供給部140、前記復帰部150、及び前記回収部160を制御するための制御部と、を含み、
前記復帰部150は、
前記注入タンク111の前記添加物Sが前記貯蔵タンク101に復帰されるように動力を提供する第2循環ポンプ151と、
前記注入タンク111の下部と前記貯蔵タンク101の上部に連結され、前記注入タンク111の前記添加物Sが前記貯蔵タンク101に復帰されるように案内する復帰流路152と、
前記復帰流路152を選択的に開放または閉鎖する第4開閉バルブ153と、を含むことを特徴とする食品に添加物を注入するための装置。
【請求項2】
前記貯蔵部100は、
前記添加物Sを貯蔵し前記添加物Sを注入するように補助する前記貯蔵タンク101と、
前記貯蔵タンク101を開放または閉鎖するように設けられた第1遮断バルブ102と、
前記貯蔵タンク101に前記添加物Sを満たす時、最大貯蔵位置を感知する第1水位センサー103と、
前記添加物Sの注入作業に必要な前記添加物Sの最小貯蔵位置を感知する第2水位センサー104と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項3】
前記注入部110は、
前記添加物Sの注入作業がなされるように空間を提供する前記注入タンク111と、
前記注入タンク111を開放または閉鎖するように設けられたカバー112と、
前記添加物Sが注入される前記食品Fが盛られるように設けられた前記貯蔵容器113と、
前記食品Fが盛られた前記貯蔵容器113を置くように設けられた支持台114と、
前記食品Fが前記添加物Sに浸されない時の最小水位を感知する第3水位センサー115と、
前記食品Fが前記添加物Sに浸されない時の最大水位を感知する第4水位センサー116と、
前記食品Fが前記添加物Sに完全に浸された時の水位を感知する第5水位センサー117と、
前記注入タンク111の内部の圧力を大気圧にする時に選択的に開放する第2遮断バルブ118と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項4】
前記真空吸入部120は、
前記注入タンク111の内部の空気を吸入するために動力を提供する真空ポンプ121と、
前記注入タンク111と前記真空ポンプ121との間に連結され、前記注入タンク111の内部の空気が吸入されるように案内する吸入流路122と、
空気を貯蔵し、空気吸入を始める瞬間に発生する衝撃を緩和する第1空気貯蔵タンク123と、
選択的に前記吸入流路122を開放または閉鎖する第1開閉バルブ124と、
前記注入タンク111の内部の圧力を設定された真空圧力で維持させる真空レギュレータ125と、
前記注入タンク111の内部の圧力状態を表す真空ゲージ126と、
前記第1空気貯蔵タンク123の内に溜まった水分を排出する排水バルブ127と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項5】
前記圧縮部130は、
前記注入タンク111の内部に空気を供給するために動力を提供する空気圧縮機131と、
前記注入タンク111と前記空気圧縮機131との間を連結して前記注入タンク111の内部に空気が供給されるように案内する圧縮流路132と、
空気を貯蔵し、空気供給を始める瞬間に発生する衝撃を緩和する第2空気貯蔵タンク133と、
選択的に前記圧縮流路132を開放または閉鎖する第2開閉バルブ134と、
前記注入タンク111の内部の圧力を設定された圧力で維持させる圧力レギュレータ135と、
前記注入タンク111の内部の圧力状態を表す圧力ゲージ136と、
前記第2空気貯蔵タンク133の内に溜まった水分を排出する排水バルブ137と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項6】
前記供給部140は、
前記貯蔵タンク101の前記添加物Sが前記注入タンク111に供給されるように動力を提供する第1循環ポンプ141と、
前記貯蔵タンク101の下部と前記注入タンク111の上部との間に連結され、前記貯蔵タンク101の前記添加物Sが前記注入タンク111に供給されるように案内する供給流路142と、
前記供給流路142を選択的に開放または閉鎖する第3開閉バルブ143と、
前記供給流路142の一端に連結され、前記注入タンク111の内の上部に位置し前記食品Fに前記添加物Sを供給する噴射ノズル144と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項7】
前記回収部160は、
回収される前記添加物Sを貯蔵する回収タンク162と、
前記貯蔵タンク101と前記注入タンク111の内部の前記添加物Sを前記回収タンク162に回収するように動力を提供する第3循環ポンプ161と、
前記貯蔵タンク101の下部に連結され、前記添加物Sを前記回収タンク162に回収するように案内する第1回収流路163と、
前記注入タンク111の下部に連結され、前記添加物Sを前記回収タンク162に回収するように前記第1回収流路163の合流点Zまで案内する第2回収流路164と、
前記第1回収流路163を選択的に開放または閉鎖する第5開閉バルブ165と、
前記第2回収流路164を選択的に開放または閉鎖する第6開閉バルブ166と、
前記回収タンク162を開放または閉鎖する第3遮断バルブ167と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の食品に添加物を注入するための装置。
【請求項8】
請求項3の食品に添加物を注入するための装置を利用した食品に添加物を注入する方法であって、
前記添加物Sを前記貯蔵タンク101に貯蔵する添加物貯蔵段階(202)と、
前記第2循環ポンプ151の吸入側流路が前記添加物Sに浸されるように前記注入タンク111に第3水位センサー115の位置まで前記添加物Sを満たす注入準備段階(204)と、
前記食品Fを前記貯蔵容器113に盛り前記注入タンク111の内部の前記支持台114に置く食品準備段階(206)と、
前記注入タンク111の内部の圧力を真空圧力状態にする真空吸入段階(208)と、
前記貯蔵タンク101の下部と前記注入タンク111の上部との間に連結され、前記貯蔵タンク101の前記添加物Sが前記注入タンク111に供給されるように案内する供給流路142、及び前記供給流路142の一端に連結され、前記注入タンク111の内の上部に位置し前記食品Fに前記添加物Sを供給する噴射ノズル144とを具備し、前記噴射ノズル144を通じて設定された真空圧力を維持しながら前記添加物Sを前記食品Fに噴射して注入する噴射真空注入段階(210)と、
設定された加圧圧力を維持しながら前記噴射ノズル144を通じて前記添加物Sを前記食品Fに噴射して注入する噴射加圧注入段階(212)と、
前記注入タンク111の内の前記食品Fが前記添加物Sに完全に浸されるように前記注入タンク111に前記添加物Sを供給する食品浸し段階(214)と、
前記食品Fが前記添加物Sに完全に浸された状態を維持しながら加圧で前記添加物Sを前記食品Fに注入する浸し加圧注入段階(216)と、
前記注入タンク111の内部の前記添加物Sを前記貯蔵タンク101に復帰させる添加物復帰段階(218)と、
前記注入タンク111の内部圧力を大気圧にした後、前記食品Fを取り出す注入完了段階(220)と、
前記貯蔵タンク101と前記注入タンク111の内の前記添加物Sを回収する添加物回収段階(222)と、を含むことを特徴とする、食品に添加物を注入するための装置を利用した食品に添加物を注入する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果物、野菜などの食品の内部に糖度の向上といった特定の目的を達成するために、ステビオシド等の添加物を注入するのに利用されることができる食品に添加物を注入するための装置、及びこれを利用した食品に添加物を注入する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養の充足、健康増進関連の機能、成分の安全性などと共に、味が食品摂取に重要な項目として考慮されている。栄養などは豊かであってもまずい場合には、味をつける方法が研究されており、味は良くても栄養などが充分でない場合には、栄養などを高めるために多大な努力を払っている。
一例として、トマトは、栄養成分は多いが、糖度が低く幼児が好まない食品の代表的な例であるといえる。
【0003】
かかる理由により、従来は、果物の糖度を高めるために砂糖などの成分を利用して、果物を収穫する前に、または収穫した後に処理する方法を提示しているが、果実生成が抑制されるか、糖と熱量が高く人体に適合しないといった様々な問題点がある。
【0004】
これを解決するために、砂糖より300倍以上の甘味を有するが、熱量がほとんどないことが知られているステビオシド成分を果物に注入して糖度を高める注入方法がなされている。
しかし、従来技術による注入方法は、真空状態で添加物を注入するか加圧状態で添加物を注入する方法でなされ、また、トマト、リンゴなどの特定の果物を対象とした添加物注入方法が提示されている。
【0005】
従って、従来技術による方法は、特定の果物または野菜に対して特定の方法を利用した添加物注入方式であり、多様な果物及び野菜の特性に適合した多様な添加物の注入には限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-033889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するためのもので、果物、野菜などの多様な食品に糖度強化成分、栄養強化成分などの多様な添加物を注入することができる食品に添加物を注入するための装置及びこれを利用した食品に添加物を注入する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る好ましい食品に添加物を注入するための装置は、食品Fに注入する添加物Sを貯蔵する貯蔵部100と、前記食品Fが盛られた貯蔵容器113が置かれ、前記食品Fに前記添加物Sの注入がなされる注入部110と、注入タンク111の内の空気を吸入して真空圧力にする真空吸入部120と、前記注入タンク111の内部に空気を供給して圧力を上昇させる圧縮部130と、貯蔵タンク101の内の前記添加物Sを注入タンク111に供給する供給部140と、前記注入タンク111の内の前記添加物Sを前記貯蔵タンク101に復帰させる復帰部150と、前記貯蔵タンク101と前記注入タンク111の内の前記添加物Sを回収する回収部160と、これらを制御するための制御部とを含んで構成される。
【0009】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記貯蔵部は、前記添加物Sを貯蔵し前記添加物Sを注入するように補助する貯蔵タンク101と、貯蔵タンク101を開放または閉鎖するように設けられた第1遮断バルブ102と、貯蔵タンク101に前記添加物Sを満たす時、最大貯蔵位置を感知する第1水位センサー103と、前記添加物Sの注入作業に必要な前記添加物Sの最小貯蔵位置を感知する第2水位センサー104とを含んで前記添加物Sを貯蔵するための手段を提供する。
【0010】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記注入部は、前記添加物Sの注入作業がなされるように空間を提供する注入タンク111と、注入タンク111を開放または閉鎖するように設けられたカバー112と、前記添加物Sが注入される前記食品Fが盛られるように設けられた貯蔵容器113と、前記食品Fが盛られた貯蔵容器113を置くように設けられた支持台114と、前記食品Fが前記添加物Sに浸されない時の最小水位を感知する第3水位センサー115と、前記食品Fが前記添加物Sに浸されない時の最大水位を感知する第4水位センサー116と、前記食品Fが前記添加物Sに完全に浸された時の水位を感知する第5水位センサー117と、注入タンク111の内部の圧力を大気圧にする時に選択的に開放する第2遮断バルブ118とを含んで前記食品Fに前記添加物Sを注入するための手段を提供する。
【0011】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記真空吸入部は、注入タンク111の内部の空気を吸入するために動力を提供する真空ポンプ121と、注入タンク111と真空ポンプ121との間に連結され、注入タンク111の内部の空気が吸入されるように案内する吸入流路122と、空気を貯蔵し、空気吸入を始める瞬間に発生する衝撃を緩和する第1空気貯蔵タンク123と、選択的に吸入流路122を開放または閉鎖する第1開閉バルブ124と、注入タンク111の内部の圧力を設定された真空圧力で維持させる真空レギュレータ125と、注入タンク111の内部の圧力状態を表す真空ゲージ126と、第1空気貯蔵タンク123の内に溜まった水分を排出する排水バルブ127とを含んで注入タンク111の内の圧力を真空圧力にするための手段を提供する。
【0012】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記圧縮部は、注入タンク111の内部に空気を供給するために動力を提供する空気圧縮機131と、注入タンク111と空気圧縮機131との間を連結して注入タンク111の内部に空気が供給されるように案内する圧縮流路132と、空気を貯蔵し、空気供給を始める瞬間に発生する衝撃を緩和する第2空気貯蔵タンク133と、選択的に圧縮流路132を開放または閉鎖する第2開閉バルブ134と、注入タンク111の内部の圧力を設定された圧力で維持させる圧力レギュレータ135と、注入タンク111の内部の圧力状態を表す圧力ゲージ136と、第2空気貯蔵タンク133の内に溜まった水分を排出する排水バルブ137とを含んで注入タンク111の内の圧力を上昇させるための手段を提供する。
【0013】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記供給部は、貯蔵タンク101の前記添加物Sが注入タンク111に供給されるように動力を提供する第1循環ポンプ141と、貯蔵タンク101の下部と注入タンク111の上部との間に連結され、貯蔵タンク101の前記添加物Sが注入タンク111に供給されるように案内する供給流路142と、供給流路142を選択的に開放または閉鎖する第3開閉バルブ143と、供給流路142の一端に連結され、注入タンク111の内の上部に位置し前記食品Fに前記添加物Sを供給する噴射ノズル144を含んで貯蔵タンク101の前記添加物Sを注入タンク111に供給するための手段を提供する。
【0014】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記復帰部は、注入タンク111の前記添加物Sが貯蔵タンク101に復帰されるように動力を提供する第2循環ポンプ151と、注入タンク111の下部と貯蔵タンク101の上部に連結され、注入タンク111の前記添加物Sが貯蔵タンク101に復帰されるように案内する復帰流路152と、前記復帰流路152を選択的に開放または閉鎖する第4開閉バルブ153とを含んで注入タンク111の内の前記添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させるための手段を提供する。
【0015】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記回収部は、回収される前記添加物Sを貯蔵する回収タンク162と、貯蔵タンク101と注入タンク111の内部の前記添加物Sを回収タンク162に回収するように動力を提供する第3循環ポンプ161と、貯蔵タンク101の下部に連結され、前記添加物Sを回収タンク162に回収するように案内する第1回収流路163と、注入タンク111の下部に連結され、前記添加物Sを回収タンク162に回収するように前記第1回収流路163の合流点Zまで案内する第2回収流路164と、前記第1回収流路163を選択的に開放または閉鎖する第5開閉バルブ165と、前記第2回収流路164を選択的に開放または閉鎖する第6開閉バルブ166と、前記回収タンク162を開放または閉鎖する第3遮断バルブ167とを含んで前記添加物Sの交替または注入作業の終了後に貯蔵タンク101及び注入タンク11の内の前記添加物Sを回収するための手段を提供する。
【0016】
本発明の食品に添加物を注入するための装置において、前記制御部(図示せず)は、貯蔵部100、注入部110、真空吸入部120、圧縮部130、供給部140、復帰部150、及び回収部160を制御するための制御手段を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る食品に添加物を注入するための装置によると、食品に添加物を注入する時に噴射真空注入方法と、噴射加圧注入方法と、浸し加圧注入方法をそれぞれ独立して適用するか、これらの注入方法を混合して適用することができ、また、貯蔵タンクと注入タンク間の添加物の供給と、繰り返しの添加物注入がなされることができる構造となっており、多様な食品に多様な添加物が注入可能なことはもちろん、生産性を大幅に高めることができるなどの大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る添加物注入装置の構成を示した図面である。
図2】本発明に係る添加物注入装置の添加物貯蔵段階を示した図面である。
図3】本発明に係る添加物注入装置の注入準備段階を示した図面である。
図4】本発明に係る添加物注入装置の食品準備段階を示した図面である。
図5】本発明に係る添加物注入装置の真空吸入段階を示した図面である。
図6】本発明に係る添加物注入装置の噴射真空注入段階を示した図面である。
図7】本発明に係る添加物注入装置の噴射加圧注入段階を示した図面である。
図8】本発明に係る添加物注入装置の食品浸し段階を示した図面である。
図9】本発明に係る添加物注入装置の浸し加圧注入段階を示した図面である。
図10】本発明に係る添加物注入装置の添加物復帰段階を示した図面である。
図11】本発明に係る添加物注入装置の注入完了段階を示した図面である。
図12】本発明に係る添加物注入装置の添加物回収段階を示した図面である。
図13】本発明に係る添加物注入装置の注入段階フローチャートを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に記載した実施例と図面に示した構成は、開示する発明の好ましい例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面に代替可能な多様な変形例があることができる。本発明は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0020】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を含むとすると、これは特にこれを否定する記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
本発明に係る食品に添加物を注入するための装置は、果物、野菜、肉類のような食品に添加物を注入して糖度を高めるか機能性成分を有するようにするための装置及び方法を提供するためのものであり、本発明の対象食品は、農産物、畜産物、林産物であってもよく、幅広くは人間が摂取可能な全てのものを含み、また、本発明の対象添加物は、糖度を高めるためのステビオシド成分はもちろん、健康補助成分、香り成分などの食品に注入する価値のある全ての成分を含む。
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳しく説明すると、以下の通りである。
【0022】
図1は、本発明に係る添加物注入装置の構成を示した図面であり、図2は、本発明に係る添加物注入装置の添加物貯蔵段階を示した図面であり、図3は、本発明に係る添加物注入装置の注入準備段階を示した図面であり、図4は、本発明に係る添加物注入装置の食品準備段階を示した図面であり、図5は、本発明に係る添加物注入装置の真空吸入段階を示した図面であり、図6は、本発明に係る添加物注入装置の噴射真空注入段階を示した図面であり、図7は、本発明に係る添加物注入装置の噴射加圧注入段階を示した図面であり、図8は、本発明に係る添加物注入装置の食品浸し段階を示した図面であり、図9は、本発明に係る添加物注入装置の浸し加圧注入段階を示した図面であり、図10は、本発明に係る添加物注入装置の添加物復帰段階を示した図面であり、図11は、本発明に係る添加物注入装置の注入完了段階を示した図面であり、図12は、本発明に係る添加物注入装置の添加物回収段階を示した図面であり、図13は、本発明に係る添加物注入装置の注入段階フローチャートを示した図面である。
【0023】
本発明に係る食品に添加物を注入するための装置は、食品Fに注入する添加物Sを貯蔵する貯蔵部100と、食品Fが盛られた貯蔵容器113が置かれ、食品Fに添加物Sの注入がなされる注入部110と、注入タンク111内の空気を吸入して真空圧力にする真空吸入部120と、注入タンク111の内部に空気を供給して圧力を上昇させる圧縮部130と、貯蔵タンク101内の添加物Sを注入タンク111に供給する供給部140と、注入タンク111内の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させる復帰部150と、貯蔵タンク101と注入タンク111内の添加物Sを回収する回収部160と、これらを制御するための制御部(図示せず)とを含んで構成される。
【0024】
貯蔵部100は、食品Fに注入する添加物Sを貯蔵し、貯蔵された添加物Sが注入タンク111に供給されて注入がなされるように補助し、注入が完了した後、残った注入タンク111内の添加物Sは再び復帰して貯蔵されるようにする。
【0025】
先ず、第1遮断バルブ102を開放して第1水位センサー103の位置まで貯蔵タンク101に添加物Sが満たされるようにする。この時、第1水位センサー103の位置は、貯蔵タンク101に添加物Sを満たす時の貯蔵量の上限値を表す。
【0026】
第1水位センサー103の位置は、注入タンク111の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させるために取り付けられた第2循環ポンプ151の吐出側復帰流路152と貯蔵タンク101との連結位置より下側に位置させる。
これは、ポンプの吸入側流路は流体に浸されるようにし、ポンプの吐出側流路は流体に浸されないようにすることが好ましいためである。
【0027】
第2水位センサー104は、添加物Sの注入作業に必要な添加物Sの最小貯蔵位置を感知するためのもので、貯蔵タンク101から注入タンク111に添加物Sを最も多く供給した時に第1循環ポンプ141の吸入側供給流路142が添加物Sに浸されるようにする最低水位感知用センサーである。
【0028】
すなわち、貯蔵タンク101から注入タンク111に添加物Sを最も多く供給する場合は、注入タンク111内の食品Fが添加物Sに完全に浸されるように第5水位センサー117の位置まで供給する時であるため、この時、貯蔵タンク101内の添加物Sの水位は、第1循環ポンプ141の吸入側供給流路142が添加物Sに浸されるようにすべきであり、図示した参照水位Lの上側に位置させる必要がある。
【0029】
一方、初期添加物Sを貯蔵した後、添加物Sの注入作業が繰り返されることにより添加物Sの量が減少しても、添加物Sを回収するまで添加物Sの補充が不要であるように貯蔵タンク101が十分な大きさで設けられることが好ましい。
【0030】
本発明の一実施例により示した第1水位センサー103と第1水位センサー103位置は単に説明のためのものであり、センサーの種類によって貯蔵タンク101の上部または下部に設置されてもよい。
【0031】
第1水位センサー103と第2水位センサー104は、水位を感知するためのもので、電極棒を付けて水位をチェックするか、超音波により水面から反射して戻ってくる超音波をチェックして水位を測定する水位センサー、半導体型水位センサー、水の圧力により水位を測定する水位センサー、静電容量式水位センサーなどの多様な種類の水位センサーが利用されることができる。
【0032】
注入部110は、食品Fを置き、食品Fに添加物Sを注入する手段を提供する。
注入タンク111は、添加物Sの注入作業がなされるように空間を提供し、注入タンク111を開放または閉鎖するように上部にはカバー112が設けられる。
注入のために注入タンク111内の食品Fが添加物Sに浸される場合を考慮すると、カバー112は注入タンク111の上部に設置することが好ましいが、側面に設置してもよい。
【0033】
貯蔵容器113には、添加物S注入対象物である食品Fが盛られ、貯蔵容器113は内部に食品が盛られることができ、食品Fに添加物Sが注入可能に添加物Sの出入りが自由な形態で製作されることが好ましい。貯蔵容器113が板材で製作される場合、上部は開放され、側面と底面は十分な個数の孔を有するように加工されるなど、添加物Sの出入りの自由な形状にする。もちろん貯蔵容器113は、鉄網などの他の構造物で製作されることができる。
【0034】
支持台114は、貯蔵容器113を支持する役割をし、支持台114の上面は貯蔵容器113の底面と接触し、支持台114の上面を通じて貯蔵容器113の底面に添加物Sが出入り可能に形成されることが好ましく、支持台114の他の側面も添加物Sの出入りが自由な構造で形成されることが良い。
【0035】
第3水位センサー115と第4水位センサー116と第5水位センサー117は、注入タンク111内の添加物Sの水位を感知するための手段として使用される。第3水位センサー115は、貯蔵容器113に盛られた食品Fが添加物Sに浸されないようにする時の最低水位を感知するのに利用され、第4水位センサー116は、貯蔵容器113に盛られた食品Fが添加物Sに浸されないようにする時の最大水位を感知するのに利用される。一方、第5水位センサー117は、貯蔵容器113に盛られた食品Fが添加物Sに完全に浸されるようにする時の水位を感知するのに利用される。
【0036】
第3水位センサー115と第4水位センサー116は、添加物Sを噴射して注入する時、すなわち、噴射真空注入段階(210)と噴射加圧注入段階(212)において食品Fが添加物Sに浸されないようにする時の水位情報を提供するためのものである。
【0037】
また、第5水位センサー117は、食品Fを添加物Sに浸されるようにした後に添加物Sを注入する時、すなわち、浸し加圧注入段階(216)において食品Fが添加物Sに浸される時の水位情報を提供するためのものである。
【0038】
第3水位センサー115と第4水位センサー116と第5水位センサー117は、第1水位センサー103と第2水位センサー104のように多様なセンサーが利用されることができ、注入タンク111の側面に設置することが好ましいが、注入タンク111の上部または下部に設置されてもよい。
【0039】
第2遮断バルブ118は、注入タンク111内部の真空圧力または上昇した圧力を大気圧にする時に選択的に開放されることができ、これは食品Fに添加物S注入が完了した後、すなわち、添加物Sが注入された食品Fが盛られた貯蔵容器113を注入タンク111から取り出す前になされることができる。
【0040】
真空吸入部120は、注入タンク111内部の空気を吸入して注入タンク111内部を真空圧力にするための手段を提供する。
吸入部120の真空ポンプ121は、注入タンク111の上部と連結された吸入流路122を通じて注入タンク111内部の空気を吸入可能な動力を提供する。
【0041】
真空ポンプ121の吸入流路122には第1空気貯蔵タンク123が設置され、第1空気貯蔵タンク123は真空ポンプ121を稼動して注入タンク111内部の空気を吸入する時に空気を貯蔵し、空気吸入を始める瞬間に発生する衝撃を減少させる役割をする。第1空気貯蔵タンク123には排水のための排水バルブ127が設置される。
【0042】
第1開閉バルブ124は、注入タンク111と真空ゲージ126間の吸入流路122に取り付けられることができ、真空ポンプ121の稼動時のみに選択的に開放される。
【0043】
真空レギュレータ125は、吸入流路122に取り付けられ注入タンク111内の圧力を設定された真空圧力で一定に維持させ、真空ゲージ126と第1空気貯蔵タンク123との間に設置されることができる。
【0044】
真空ゲージ126は、第1開閉バルブ124と真空レギュレータ125との間に取り付けられることができ、注入タンク111内部の真空圧力を確認可能にする。
【0045】
圧縮部130は、注入タンク111の内部に空気を供給して注入タンク111の内部圧力を上昇させるための手段を提供する。
圧縮部130の空気圧縮機131は、注入タンク111と連結された圧縮流路132を通じて注入タンク111の内部に空気を供給可能な動力を提供する。
【0046】
空気圧縮機131の圧縮流路132には第2空気貯蔵タンク133が設置され、第2空気貯蔵タンク133は空気圧縮機131を稼動して注入タンク111の内部に空気を供給する時に空気を貯蔵し、空気供給を始める瞬間に発生する衝撃を減少させる役割をする。第2空気貯蔵タンク133には排水のための排水バルブ137が設置される。
【0047】
第2開閉バルブ134は、注入タンク111と圧力ゲージ136との間の圧縮流路132に取り付けられることができ、空気圧縮機131の稼動時のみに選択的に開放される。
【0048】
圧力レギュレータ135は、圧縮流路132に取り付けられ、注入タンク111内の圧力を設定された圧力で一定に維持させ、圧力ゲージ136と第2空気貯蔵タンク133との間に設置されることができる。
圧力ゲージ136は、第2開閉バルブ134と圧力レギュレータ135との間に取り付けられることができ、注入タンク111内部の圧力を確認可能にする。
【0049】
供給部140は、貯蔵タンク101の添加物Sを注入タンク111に供給するための手段を提供する。
供給部140の供給流路142は、貯蔵タンク101の下部と注入タンク111の上部との間に連結される。
供給部140の第1循環ポンプ141は、貯蔵タンク101の下部に位置し、貯蔵タンク101と連結された供給流路142に取り付けられ、貯蔵タンク101内の添加物Sを注入タンク111に供給可能な動力を提供する。
【0050】
第3開閉バルブ143は、貯蔵タンク101内の添加物Sを注入タンク111に供給するために第1循環ポンプ141が稼動される時のみに選択的に開放される。
注入タンク111で連結される前記供給流路142の末端は、注入タンク111内部に位置した噴射ノズル144と連結される。
【0051】
第3開閉バルブ143が開放された状態で第1循環ポンプ141を稼動すると、貯蔵タンク101内の添加物Sが供給流路142を通じて注入タンク111内の噴射ノズル144に供給され、貯蔵容器113に盛られている食品Fの上部に添加物Sが噴射される。
噴射ノズル144は、食品Fが盛られた貯蔵容器113を注入タンク111の内部に入れるか外部に取り出す時に干渉が起こらないようにカバー112に一体で結合する構造が好ましい。
【0052】
復帰部150は、注入タンク111内の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させるための手段を提供する。
復帰部150の復帰流路152は、注入タンク111の下部と貯蔵タンク101の上部との間に連結される。
復帰部150の第2循環ポンプ151は、注入タンク111の下部に位置し、注入タンク111と連結された復帰流路152に取り付けられ、注入後に注入タンク111内に残っている添加物Sが貯蔵タンク101に復帰できるように動力を提供する。
【0053】
第4開閉バルブ153は、注入タンク111内の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させるために第2循環ポンプ151が稼動される時のみに選択的に開放される。
第2循環ポンプ151の吸入側流路は、添加物Sに浸されるようにすることが好ましく、そのために第3水位センサー115が最低水位を感知するように設けられる。
【0054】
回収部160は、添加物Sの交替または注入作業の終了後に貯蔵タンク101及び注入タンク111内の添加物Sを回収するための手段を提供する。
第1回収流路163は、貯蔵タンク101の下部と回収タンク162との間に連結され、第2回収流路164は、注入タンク111の下部と第1回収流路163の合流点Zとの間に連結される。
【0055】
回収部160の第3循環ポンプ161は、第1回収流路163と第2回収流路164が会う合流点Zと回収タンク162との間に取り付けられ、貯蔵タンク101と注入タンク111内の添加物Sが第1回収流路163と第2回収流路164を通じて回収タンク162に回収可能な動力を提供する。
【0056】
第5開閉バルブ165は、第3循環ポンプ161と回収タンク162との間の第1回収流路163に取り付けられ、第6開閉バルブ166は、注入タンク111の下部と第1回収流路163と第2回収流路164が会う合流点Zの間に取り付けられ、添加物Sを回収するために第3循環ポンプ161が稼動される時のみに選択的に開放される。
【0057】
回収タンク162に回収された添加物Sは、第3遮断バルブ167を開放して除去されることができる。
前記制御部(図示せず)は、本発明の食品に添加物を注入するための装置が自動で制御可能にする。
【0058】
そのため、第1開閉バルブ124~第6開閉バルブ166と第2遮断バルブ118と真空レギュレータ125と圧力レギュレータ135は、ソレノイドバルブなどのような電子式バルブが利用され、排水バルブ127、137は自動排水バルブが利用されることが好ましい。
【0059】
第1遮断バルブ102と第3遮断バルブ167は、本発明に含まない添加物自動供給装置と添加物自動除去装置が備えられた場合、ソレノイドバルブなどのような電子式バルブが利用されることができる。
【0060】
前記制御部(図示せず)は、第1水位センサー103~第5水位センサー117のセンサー信号と注入方式及び真空吸入段階と噴射真空注入段階と噴射加圧注入段階と浸し加圧注入段階における設定された圧力と時間などによって制御することで、添加物Sの注入作業が自動でなされるように制御手段を提供可能になる。
【0061】
本発明の好ましい実施例による食品に添加物を注入するための装置を利用した食品に添加物を注入する方法は、添加物Sを貯蔵タンク101に貯蔵する添加物貯蔵段階(202)と、第2循環ポンプ151の吸入側流路が添加物Sに浸されるように注入タンク111に第3水位センサー115の位置まで添加物Sを満たす注入準備段階(204)と、食品Fを貯蔵容器113に盛り注入タンク111内部の支持台114に置く食品準備段階(206)と、注入タンク111内部の圧力を真空圧力状態にする真空吸入段階(208)と、設定された真空圧力を維持しながら噴射ノズル144を通じて添加物Sを食品Fに噴射して注入する噴射真空注入段階(210)と、設定された加圧圧力を維持しながら噴射ノズル144を通じて添加物Sを食品Fに噴射して注入する噴射加圧注入段階(212)と、注入タンク111内の食品Fが添加物Sに完全に浸されるように注入タンク111に添加物Sを供給する食品浸し段階(214)と、食品Fが添加物Sに完全に浸された状態を維持しながら加圧で添加物Sを食品Fに注入する浸し加圧注入段階(216)と、注入タンク111内部の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させる添加物復帰段階(218)と、注入タンク111の内部圧力を大気圧にした後、食品Fを取り出す注入完了段階(220)と、貯蔵タンク101と注入タンク111内の添加物Sを回収する添加物回収段階(222)とを含んでなることを特徴とする。
【0062】
以下、図2図12を参照してさらに詳しく説明すると、以下の通りである。添加物貯蔵段階(202)では、図2に示すように、第1遮断バルブ102を開放し添加物Sを第1水位センサー103が位置した水位まで満たす。
添加物Sを貯蔵タンク101に満たす時に手作業によるか、本発明に含まない添加物自動供給装置が備えられた場合、添加物Sの自動供給が可能なように第1遮断バルブ102が自動で開放されるように制御することもできる。
【0063】
次の注入準備段階(204)は、図3に示すように、貯蔵タンク101に添加物Sを満たした後、第一の注入作業をする前に一度なされる作動過程であり、これは、第2循環ポンプ151の吸入側流路が添加物Sに浸されるようにするためのものである。
以後、添加物Sを回収するまでは第2循環ポンプ151の吸入側流路が添加物Sに浸されるように作動するため、注入準備段階(204)が不要になる。
【0064】
注入準備段階(204)は、図3に示すように、初期に第2循環ポンプ151の吸入側流路が添加物Sに浸されるようにするためのものであるが、厳密には、以後、噴射真空注入段階(210)と噴射加圧注入段階(212)と食品浸し段階(214)において第2循環ポンプ151の吸入側流路が添加物Sに浸されるため、注入準備段階(204)が省略されても構わない。
【0065】
一方、第3循環ポンプ161の吸入側第1回収流路163は、添加物貯蔵段階(202)において添加物Sに浸されるため、別途の事前作業が不要になる。
【0066】
次の食品準備段階(206)では、図4に示すように、注入タンク111のカバー112を開放した後、添加物Sが注入される食品Fを貯蔵容器113に盛り、注入タンク111内の支持台114上に貯蔵容器113を置く。置き作業は、別途備えられた自動置き用装置を利用することが好ましく、自動置き用装置が備えられた場合、注入タンク111のカバー112が自動で制御されることができる。
【0067】
次の真空吸入段階(208)では、図5に示すように、注入タンク111内部の圧力を真空圧力にする作動過程がなされる。
真空吸入段階(208)では、第1開閉バルブ124を開放した状態で、真空ポンプ121を稼動して注入タンク111と連結された吸入流路122を通じて注入タンク111内部の空気を吸入し、注入タンク111内部の圧力を設定された真空圧力にする。
【0068】
この時、注入タンク111内部の圧力が設定された真空圧力で一定に維持されるように吸入流路122に設置された真空レギュレータ125で圧力が調節されることができ、注入タンク内部の真空圧力の大きさは、吸入流路122に設置された真空ゲージ126で観察することができる。
【0069】
次の噴射真空注入段階(210)では、図6に示すように、第3開閉バルブ143を開放した状態で供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動し、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と供給流路142に連結された噴射ノズル144を通じて貯蔵容器113に盛られた食品Fの上部に噴射させ、真空状態で食品Fに添加物Sの注入がなされるようにする。
【0070】
この時、真空圧力は、真空吸入段階(208)における真空圧力を維持するか、真空吸入段階(208)における真空圧力よりさらに低い真空圧力にして維持させることができる。
【0071】
次の噴射加圧注入段階(212)では、図7に示すように、第3開閉バルブ143を開放した状態で、供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動して、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と供給流路142に連結された噴射ノズル144を通じて貯蔵容器113に盛られた食品Fの上部に噴射させ、加圧で食品Fに添加物Sの注入がなされるようにする。
【0072】
この時、圧縮流路132に設置された第2開閉バルブ134を開放し空気圧縮機131を稼動して注入タンク111の内部に空気を供給することで圧力を上昇させ、注入タンク111内部の圧力が設定された圧力で一定に維持されるように圧縮流路132に設置された圧力レギュレータ135で圧力を調節する。
【0073】
前記注入タンク111内の圧力の大きさは、圧縮流路132に装着された圧力ゲージ136で観察することができる。
【0074】
次の食品浸し段階(214)では、図8に示すように、供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動して、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と供給流路142と連結された噴射ノズル144を通じて注入タンク111に供給して食品Fが添加物Sに完全に浸されるように第5水位センサー117が位置した水位までなされるようにする。
【0075】
次の浸し加圧注入段階(216)は、図9に示すように、食品浸し段階(214)が完了した後になされる。食品Fが添加物Sに浸された状態で、圧縮流路132に設置された第2開閉バルブ134を開放し、圧縮流路132に設置された空気圧縮機131を稼動して注入タンク111の内部に空気を供給することで圧力を上昇させ、上昇した圧力によって食品Fに添加物Sの注入がなされる。
【0076】
この時、注入タンク111内部の圧力が設定された圧力で一定に維持されるように圧縮流路132に設置された圧力レギュレータ135で圧力を調節することができ、注入タンク111内の圧力の大きさは、圧縮流路132に装着された圧力ゲージ136で観察することができる。
【0077】
次は添加物復帰段階(218)であって、図10に示すように、復帰流路152に装着された第4開閉バルブ153が開放された状態で第2循環ポンプ151を稼動して、復帰流路152を通じて注入タンク111内の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させる。添加物Sの復帰は、注入タンク111内の添加物Sの位置が第3水位センサー115の位置に至るまでなされる。添加物復帰段階(218)は、浸し加圧注入段階(216)が完了した時になされる。
【0078】
一方、噴射真空注入段階(210)と噴射加圧注入段階(212)が作動する途中に添加物Sが第4水位センサー116の位置まで上昇した時も添加物Sの復帰がなされるようにする。
【0079】
次は注入完了段階(220)であって、図11に示すように、注入タンク111から食品Fに添加物Sを注入する過程が完了すると、注入タンク111に装着された第2遮断バルブ118を開放して注入タンク111内部の圧力を大気圧にした後、カバー112を開放し食品Fが盛られた貯蔵容器113を取り出す過程である。
【0080】
次は添加物回収段階(222)であって、図12に示すように、添加物Sの注入作業が数回繰り返された後、添加物Sの交換の必要な時点になると、第1回収流路163に設置された第5開閉バルブ165と第2回収流路164に設置された第6開閉バルブ166を開放した状態で、第1回収流路163に設置された第3循環ポンプ161を稼動して、貯蔵タンク101と注入タンク111内部の添加物Sを第1回収流路163及び第2回収流路164を通じて回収タンク162に回収する。
回収タンク162に回収された添加物Sは、第3遮断バルブ167を開放して外部に除去可能になる。
【0081】
図13は、本発明の一実施例による好ましい食品に添加物を注入する方法を段階別に表したもので、図面を参照して詳しく説明する。
【0082】
図示のように、先ず、添加物貯蔵段階(202)において、第1遮断バルブ102を開放し、貯蔵タンク101に添加物Sを投入して貯蔵する。
【0083】
次に、注入準備段階(204)において、供給流路142に設置された第3開閉バルブ143を開放した状態で、供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動して、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と噴射ノズル144を通じて注入タンク111に、第3水位センサー115が位置した水位まで供給する。
【0084】
次に、食品準備段階(206)において、注入タンク111のカバー112を開放した後、添加物Sが注入される食品Fを貯蔵容器113に盛り、注入タンク111内の支持台114上に置く。
【0085】
次に、真空吸入段階(208)では、第1開閉バルブ124を開放した状態で、真空ポンプ121を稼動して注入タンク111と連結された吸入流路122を通じて注入タンク111内部の空気を吸入して、注入タンク111内部の圧力を設定された真空圧力にする。この時、希望する真空圧力と真空吸入時間を設定する。
【0086】
次に、噴射真空注入をする場合、噴射真空注入段階(210)において、第3開閉バルブ143を開放した状態で供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動して、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と供給流路142に連結された噴射ノズル144を通じて貯蔵容器113に盛られた食品F上部に噴射させて、真空状態で添加物Sが食品Fに注入されるようにする。この時、希望する真空圧力と真空注入時間を設定する。
【0087】
一方、真空吸入段階(208)の実施後に噴射加圧注入をする場合、噴射加圧注入段階(212)において、第3開閉バルブ143を開放した状態で供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動して、貯蔵タンク101内の添加物Sを前記供給流路142と供給流路142に連結された噴射ノズル144を通じて貯蔵容器113に盛られた食品Fの上部に噴射させて、加圧状態で添加物Sが食品Fに注入されるようにする。この時、希望する加圧圧力と加圧注入時間を設定する。
【0088】
一方、真空吸入段階(208)の実施後に浸し加圧注入をする場合、食品浸し段階(214)がなされて、供給流路142に装着された第1循環ポンプ141を稼動し、貯蔵タンク101内の添加物Sを供給流路142と噴射ノズル144を通じて注入タンク111に供給する。この時、添加物Sの供給は、食品Fが添加物Sに完全に浸されるように第5水位センサー117が位置した水位まで供給する。
【0089】
次に、食品Fが添加物Sに浸された状態で、浸し加圧注入段階(216)がなされて、圧縮流路132に設置された第2開閉バルブ134を開放し圧縮流路132に設置された空気圧縮機131を稼動して、注入タンク111の内部に空気を供給することで圧力を上昇させて食品Fに添加物Sの注入がなされる。この時、希望する加圧圧力と加圧注入時間を設定する。
【0090】
次に、添加物復帰段階(218)において、復帰流路152に装着された第4開閉バルブ153を開放した状態で第2循環ポンプ151を稼動して、復帰流路152を通じて注入タンク111内の添加物Sを貯蔵タンク101に復帰させる。この時、注入タンク111内の添加物Sが第3水位センサー115の位置に至るまで復帰がなされる。
【0091】
次に、注入完了段階(220)では、注入タンク111に装着された第2遮断バルブ118を開放して注入タンク111内部の圧力を大気圧にした後、カバー112を開放し食品Fが盛られた貯蔵容器113を取り出す。
【0092】
添加物注入過程が繰り返される間に、添加物Sの交換時点になると、第1回収流路163に設置された第5開閉バルブ165と第2回収流路164に設置された第6開閉バルブ166を開放した状態で第1回収流路163に設置された第3循環ポンプ161を稼動して、貯蔵タンク101及び注入タンク111内部の添加物Sを第1回収流路163及び第2回収流路164を通じて回収タンク162に回収する。
【0093】
真空吸入段階(208)において、食品Fがチェリートマトであり、添加物Sがステビオシドの場合、一般的に真空ゲージ圧で0.05bar程度維持しながら30秒~60秒間真空吸入がなされるが、これは一実施例に過ぎず、食品Fと添加物Sの種類及び特性に合わせて設定されるべきである。
【0094】
前記真空吸入は、注入タンク111内の圧力を真空にすることで、食品F内部の空気が外部に排出されて、食品F内部に添加物Sの注入が容易になされるようにするためのものである。
【0095】
食品Fがチェリートマトで添加物Sがステビオシドの場合、一般的に噴射真空注入段階(210)では、真空ゲージ圧で圧力0.05bar~0.15bar程度に維持し、5分~15分間真空注入がなされ、噴射加圧注入段階(212)では、圧力を0.10bar~0.30bar程度に維持し、浸し加圧注入段階(216)では、圧力を1.5bar~3.0bar程度に維持し、5分~15分間加圧注入がなされているが、これは一実施例に過ぎず、食品Fと添加物Sの種類及び特性に合わせて設定されるべきである。
【0096】
同じ食品Fに同じ添加物Sを注入しても、圧力の大きさと注入時間によって添加物Sの注入状態が変わるため、希望する糖度に合わせて設定されるべきであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
100 貯蔵部
101 貯蔵タンク
102 第1遮断バルブ
103 第1水位センサー
104 第2水位センサー
110 注入部
111 注入タンク
112 カバー
113 貯蔵容器
114 支持台
115 第3水位センサー
116 第4水位センサー
117 第5水位センサー
118 第2遮断バルブ
120 真空吸入部
121 真空ポンプ
122 吸入流路
123 第1空気貯蔵タンク
124 第1開閉バルブ
125 真空レギュレータ
126 真空ゲージ
127 排水バルブ
130 圧縮部
131 空気圧縮機
132 圧縮流路
133 第2空気貯蔵タンク
134 第2開閉バルブ
135 圧力レギュレータ
136 圧力ゲージ
137 排水バルブ
140 供給部
141 第1循環ポンプ
142 供給流路
143 第3開閉バルブ
144 噴射ノズル
150 復帰部
151 第2循環ポンプ
152 復帰流路
153 第4開閉バルブ
160 回収部
161 第3循環ポンプ
162 回収タンク
163 第1回収流路
164 第2回収流路
165 第5開閉バルブ
166 第6開閉バルブ
167 第3遮断バルブ

図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図12
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