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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006271
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】機能ユニットの取付構造
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/02 20060101AFI20230111BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20230111BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A47K3/02
A47K4/00
A47K3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108788
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】平松 泰成
(72)【発明者】
【氏名】柏田 敬一
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132AA21
2D132GA04
(57)【要約】
【課題】機能ユニットを、浴槽下部空間の内部の任意の位置に容易に取り付けできるようにすること。
【解決手段】浴槽下部空間に配置される機能ユニットの取付構造であって、機能ユニットを支持する支持部と、支持部を固定する固定部と、を備え、機能ユニットが、支持部及び固定部を介して浴槽下部空間の内部に取り付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽下部空間に配置される機能ユニットの取付構造であって、
前記機能ユニットを支持する支持部と、
前記支持部を固定する固定部と、を備え、
前記機能ユニットが、前記支持部及び前記固定部を介して前記浴槽下部空間の内部に取り付けられる、機能ユニットの取付構造。
【請求項2】
前記機能ユニットは、前記浴槽下部空間に面する内側壁面に取り付けられる、請求項1に記載の機能ユニットの取付構造。
【請求項3】
前記固定部は、前記内側壁面の形状に対して、前記機能ユニットが所定の向き及び姿勢を維持して配置可能な形状を有する、請求項2に記載の機能ユニットの取付構造。
【請求項4】
前記固定部は、前記支持部を固定する第1固定板部と、前記内側壁面に取り付けられる第2固定板部と、前記第1固定板部と前記第2固定板部との間の段差と、を有し、
前記第1固定板部は、前記段差を介して前記第2固定板部よりも浴槽側に配置される、請求項3に記載の機能ユニットの取付構造。
【請求項5】
前記機能ユニットは、前記支持部に対して着脱可能に取り付けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の機能ユニットの取付構造。
【請求項6】
前記支持部は、前記機能ユニットを掛止する掛止部を有する、請求項5に記載の機能ユニットの取付構造。
【請求項7】
前記機能ユニットの底面は、前記浴槽下部空間の底面に対して離隔して配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の機能ユニットの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機能ユニットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湯水と洗剤液とを混合して生成した洗浄水を、浴槽の底面に設置した洗浄ノズルから浴槽内面に噴出させることによって、浴槽を清掃する機能を有する浴槽洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
浴槽洗浄装置は、洗浄水を洗浄ノズルに供給するための機器が直方体形状のケースの内部に組み込まれた機能ユニットを有する。機能ユニットは、ケースの側面のうちの面積の小さい一側面に取り付けた固定金具によって、浴槽下部空間の内部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-307160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
浴槽下部空間の内部には、例えば、ジェットバスの湯を噴出させるポンプ等の他の設備装置が設置される場合がある。そのため、機能ユニットは、浴槽下部空間の内部の限られたスペースに、他の設備機器との干渉を避けて設置される必要がある。
【0006】
しかしながら、浴槽下部空間の内部に面する壁面は、必ずしも平面且つ垂直な面であるとは限らない。壁面が傾斜面あるいは凸部あるいは段差を有する面である場合、機能ユニットを、固定金具によって適切な向き及び姿勢で設置することは困難である。
【0007】
したがって、本発明者は、機能ユニットを、浴槽下部空間の内部の任意の位置に容易に取り付けできるようにする、という課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、浴槽下部空間に配置される機能ユニットの取付構造であって、前記機能ユニットを支持する支持部と、前記支持部を固定する固定部と、を備え、前記機能ユニットが、前記支持部及び前記固定部を介して前記浴槽下部空間の内部に取り付けられる、機能ユニットの取付構造である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】浴室ユニットの平面図である。
図2】浴槽下部空間に取り付けられた機能ユニットを示す斜視図である。
図3】機能ユニットと支持部と固定部とが一体に組み付けられた状態を示す斜視図である。
図4】機能ユニットと支持部と固定部とを分解した状態を示す斜視図である。
図5図3のA-A線に沿う断面図である。
図6】機能ユニットの取り付け部位を示す防水パンの斜視図である。
図7】機能ユニットの取り付け部位を示す平面図である。
図8】機能ユニットの取り付け部位の背面側を示す斜視図である。
図9】機能ユニットの他の取り付け部位の例を示す平面図である。
図10】機能ユニットの他の取り付け部位の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、機能ユニットの取付構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、機能ユニット1は、浴室ユニット100に設置される。
【0011】
浴室ユニット100は、建物の躯体内に、洗い場床110、防水パン120、浴槽130、壁パネル(図示せず)及び天井パネル(図示せず)等を組み立てることによって設置される。浴槽130は、防水パン120の内側に設置される。以下では、浴室ユニット100を例に挙げて機能ユニット1の取付構造について説明する。機能ユニット1は浴室ユニット100に限らず、在来工法によって施工された浴室においても適用可能である。
【0012】
浴室ユニット100において、防水パン120及び浴槽130は、平面視で一方向に長い略長方形状である。図中に示す方向において、X1-X2方向は、平面視したときの防水パン120及び浴槽130の長手方向である。長手方向は、防水パン120及び浴槽130の長辺の延び方向である。Y1-Y2方向は、平面視したときの防水パン120及び浴槽130の短手方向である。短手方向は、防水パン120及び浴槽130の短辺の延び方向である。
【0013】
図2及び図6に示すように、防水パン120は、浴槽130を載置する底面121と、底面121の周囲の三辺から立ち上がる3つの立壁部122A,122B,122Bと、を有する。立壁部122Aは、防水パン120の長辺側に配置される。2つの立壁部122B,122Bは、防水パン120の短辺側に、互いに対向して配置される。長辺側の立壁部122Aは、浴室ユニット100の洗い場床110から遠い側に配置される。防水パン120において、洗い場床110に隣接する長辺には、エプロン本体123(図8参照)が設けられる。
【0014】
防水パン120と浴槽130との間に、浴槽下部空間Sが形成される。浴槽下部空間Sは、防水パン120の底面121、立壁部122A,122B,122B、エプロン本体123及び浴槽130によって囲まれる空間である。浴槽下部空間Sの上方は、浴槽130のフランジ部131によって塞がれている。
【0015】
機能ユニット1は、浴槽130に対する各種の機能を実行するための機器を、直方体形状のケース11の内部に組み付けることによって構成される。本実施形態の機能ユニット1は、浴槽洗浄装置の構成要素の一部を構成する。すなわち、機能ユニット1は、給水路(図示せず)から供給される湯水と、洗浄タンク(図示せず)から供給される洗剤液とを混合して洗浄水を生成し、ホース(図示せず)を介して、浴槽130に設置した洗浄ノズル(図示せず)に送り出す機能を有する。機能ユニット1は、ケース11の一側面として、小さい面積の側面1aを有する。この側面1aは、ホース(図示せず)等の各種の機能部品が取り付けられる機能部品取付面である。このような機能ユニット1の構成は、例えば、特許文献1に記載されたものと同様である。
【0016】
機能ユニット1は、浴槽下部空間Sの内部に設置される。本実施形態の機能ユニット1は、浴槽下部空間Sにおける防水パン120の短辺側の一方の立壁部122Bに配置される。詳しくは、本実施形態の機能ユニット1は、浴槽下部空間Sに面する立壁部122Bの内側壁面124に取り付けられる。
【0017】
機能ユニット1は、浴槽下部空間Sの内部に、適切な向き及び姿勢で設置される。本実施形態の機能ユニット1の適切な向きとは、図中のY1-Y2方向に沿う機能ユニット1の奥行方向が立壁部122BのY1-Y2方向の延び方向に沿い、且つ側面1aが洗い場床110側に向くように機能ユニット1が配置されることである。本実施形態の機能ユニット1の適切な姿勢とは、機能ユニット1の上下方向が略垂直方向に沿うように配置されることである。
【0018】
機能ユニット1は、内側壁面124に取り付けられるため、洗い場床110側からアクセス可能な浴槽下部空間Sの余白スペースが広くなる。そのため、浴槽下部空間Sの有効利用が可能である。機能ユニット1は、内側壁面124に取り付けられた状態で、上下方向の高さ及びY1-Y2方向の奥行よりもX1-X2方向の幅の方が十分に小さい。そのため、図1及び図2に示す本実施形態の機能ユニット1の向き及び姿勢によれば、浴槽下部空間Sの内部における内側壁面124から浴槽130側に向けた機能ユニット1の突出量が抑えられる。
【0019】
機能ユニット1は、図3及び図4に示すように、取付部材2によって内側壁面124に取り付けられる。取付部材2は、機能ユニット1を支持する支持部20と、支持部20を固定する固定部30と、を有する。取付部材2は、支持部20及び固定部30の2部材が一体に組み付けられることによって構成される。支持部20及び固定部30は、それぞれ金属板を折り曲げ成形することによって形成される。
【0020】
取付部材2の支持部20は、図4に示すように、支持板部21と、一対の側板部22,22と、を有する。支持部20は、X1-X2方向に沿う幅方向に対称な構造を有する。
【0021】
支持板部21は、上下方向に長い矩形板状に形成される。支持板部21の板面は、Y1-Y2方向を向いている。支持板部21の上下方向の長さは、機能ユニット1の側面1bの上下方向の長さと略同一である。機能ユニット1の側面1bは、機能部品取付面である側面1aと反対側の側面である。支持板部21のX1-X2方向の幅は、機能ユニット1の側面1bの幅よりもやや大きい。
【0022】
支持板部21の上端部には、第1掛止部23が設けられる。第1掛止部23は、機能ユニット1の上端部を支持部20に着脱可能に掛止する掛止部である。第1掛止部23は、延出壁部23aと、下向き壁部23bと、を有する。
【0023】
延出壁部23aは、支持板部21の上端部から機能ユニット1側に向けて、支持板部21の板面に対して略直角に延びている。下向き壁部23bは、延出壁部23aの延出端部から下方に向けて、支持板部21の板面に対して略平行に延びている。これによって、第1掛止部23は、下向きに開放する爪形状をなしている。
【0024】
支持板部21の下端部には、第2掛止部24が設けられる。第2掛止部24は、機能ユニット1の下端部を支持部20に着脱可能に掛止する掛止部である。第2掛止部24は、支持板部21の下端部から機能ユニット1側に向けて、支持板部21の板面に対して略直角に延びている。第2掛止部24には、上下方向に貫通する横長矩形状の掛止孔24aが形成されている。
【0025】
側板部22,22は、支持板部21の幅方向の両端部から機能ユニット1と反対側に向けて、支持板部21の板面に対して略直角に延びている。側板部22,22の板面は、X1-X2方向を向いている。側板部22,22の上下方向の長さは、支持板部21の上下方向の長さと同一である。側板部22,22には、板厚方向に貫通するねじ孔22aが、上下方向に離れてそれぞれ複数形成されている。ねじ孔22aの内周面には、雌ねじが設けられている。
【0026】
図4に示すように、支持板部21と側板部22,22とのそれぞれの境界部には、幅方向に突出する2つずつの位置決め突部25が、上下方向に離れて形成されている。位置決め突部25は、側板部22,22の一部が支持板部21の板面に対して略平行に切り起されることによって形成される。
【0027】
機能ユニット1は、支持部20によって支持されるために、支持部20の第1掛止部23に掛止される上部突部12と、支持部20の第2掛止部24に掛止される下部突部13と、を有する。
【0028】
上部突部12は、機能ユニット1の側面1bの上端部から上方に向けて突出している。上部突部12は、側面1bと平行な平板状である。上部突部12の上下方向の高さは、支持部20の第1掛止部23の上下方向の長さよりもやや小さい。上部突部12の幅方向の両端部には、補強板12a,12aがそれぞれ設けられる。補強板12a,12aは、上部突部12の倒れ方向の変形を防止する。
【0029】
下部突部13は、機能ユニット1の側面1bの下端部から下方に向けて突出している。下部突部13は、側面1bと平行な平板状である。
【0030】
機能ユニット1は、図4及び図5に示すように、けんどん方式によって支持部20に取り付けられる。詳しくは、まず、機能ユニット1の上部突部12が、支持部20の第1掛止部23に対して斜め下方から挿入される。上部突部12は、支持板部21と第1掛止部23の下向き壁部23bとの間に収容される。次に、機能ユニット1の側面1bが支持板部21に対して平行になるように、機能ユニット1の姿勢が支持板部21に沿うように戻される。その後、機能ユニット1が自重によって下降し、機能ユニット1の下部突部13が、支持部20の第2掛止部24の掛止孔24aに挿入される。
【0031】
図5に示すように、機能ユニット1は、支持部20の第2掛止部24に掛止された状態で、第2掛止部24上に自重によって載置される。このとき、機能ユニット1の上部突部12は、第1掛止部23に掛止された状態に維持されるため、機能ユニット1は、支持部20に支持される。機能ユニット1は、上記と逆の操作によって、支持部20から取り外される。したがって、機能ユニット1は、支持部20に対して着脱可能に設けられる。そのため、機能ユニット1の設置後であっても、機能ユニット1の交換作業等を行うことができる。支持部20は、機能ユニット1を上端部及び下端部をそれぞれ掛止する第1掛止部23及び第2掛止部24を有するため、機能ユニット1の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0032】
取付部材2の固定部30は、図4に示すように、第1固定板部31と、第2固定板部32と、接続板部33と、を有する。固定部30は、上下方向に対称な構造を有する。固定部30のY方向の幅は、機能ユニット1のY方向の奥行よりもやや小さい。
【0033】
第1固定板部31は、支持部20を固定する部位である。第1固定板部31は、Y1-Y2方向の幅よりも上下方向に長い矩形状に形成される。第1固定板部31の板面は、X1-X2方向を向いている。第1固定板部31の上下方向の長さは、支持部20の上下方向の長さよりもやや短く、且つ機能ユニット1の上下方向の高さよりもやや短い。
【0034】
第1固定板部31には、板厚方向に貫通する複数のねじ挿通孔31aが形成される。複数のねじ挿通孔31aは、支持部20の側板部22に形成される複数のねじ孔22aの位置に対応して配置される。さらに、第1固定板部31には、板厚方向に貫通する2つの位置決め孔31b,31bが形成される。位置決め孔31b,31bは、支持部20の側板部22から突出する2つの位置決め突部25,25の位置に対応して配置される。
【0035】
第2固定板部32は、立壁部122Bの内側壁面124に固定される部位である。第2固定板部32は、Y1-Y2方向の幅よりも上下方向に長い矩形状に形成される。第2固定板部32の板面は、第1固定板部31の板面と平行であり、X1-X2方向を向いている。第2固定板部32の上下方向の長さは、第1固定板部31と同一である。
【0036】
第2固定板部32には、板厚方向に貫通する複数のねじ挿通孔32aが形成される。複数のねじ挿通孔32aは、第2固定板部32の上端部と下端部とに、それぞれY1-Y2方向に離れて2つずつ配置される。
【0037】
接続板部33は、第1固定板部31と第2固定板部32とを接続する。本実施形態の固定部30の接続板部33は、第1固定板部31の洗い場床110側の端部と、第2固定板部32の洗い場床110と反対側の端部とを、それぞれ略直角に交差するように接続している。接続板部33の板面は、Y1-Y2方向を向いている。
【0038】
接続板部33は、第1固定板部31の位置と第2固定板部32との間に段差を形成する。これによって、第1固定板部31の位置と第2固定板部32の位置とは、接続板部33によってX1-X2方向にずれて配置されている。すなわち、第1固定板部31は、第2固定板部32よりも浴槽130側に配置される。換言すれば、第2固定板部32は、第1固定板部31よりも浴槽130から離れて配置される。この接続板部33は、後述するように固定部30を内側壁面124に取り付ける際に、支持部20を介して固定部30に固定される機能ユニット1の位置を、内側壁面124に対して適切な向き及び姿勢に維持するための位置調整部として機能する。
【0039】
取付部材2の固定部30は、図3及び図4に示すように、固定ねじ34によって支持部20の側板部22に固定される。支持部20の位置決め突部25が、固定部30の第1固定板部31の位置決め孔31b,31bに挿入され、支持部20と固定部30とが位置決めされる。このとき、側板部22のねじ孔22aと第1固定板部31のねじ挿通孔31aとが一致する。固定ねじ34がねじ挿通孔31a側から挿入され、ねじ孔22aに螺合される。これによって、固定部30が支持部20の一方の側板部22に固定され、支持部20と固定部30とが一体に組み付けられる。
【0040】
機能ユニット1を支持する前の支持部20と固定部30とが一体化された取付部材2は、図2及び図7に示すように、防水パン120の立壁部122Bの内側壁面124に取り付けられる。図6及び図7に示すように、内側壁面124は、略垂直に立ち上がる壁面本体124aと、底面121に向かうに従って浴槽下部空間Sの内側に向けて傾斜する傾斜面124bと、を有している。図6には、機能ユニット1を内側壁面124に取り付けるための矩形の取付領域Rが示されている。この取付領域Rは、内側壁面124の壁面本体124aと傾斜面124bとに跨っている。取付領域R内において、壁面本体124aは、傾斜面124bに対して長辺側の立壁部122Aから遠い側(洗い場床110に近い側)に配置されている。
【0041】
取付部材2は、固定部30の第2固定板部32によって、内側壁面124上の取付領域Rに取り付けられる。詳しくは、第2固定板部32が、取付領域Rにおける壁面本体124aに装着される。第2固定板部32は、浴槽下部空間Sの内側からねじ挿通孔32aに挿通される固定ねじ35によって、内側壁面124に取り付けられる。固定ねじ35は、立壁部122Bを貫通する。図7及び図8に示すように、立壁部122Bの背面側には、例えば、木製の矩形平板等からなる補助固定板36が配置される。立壁部122Bを貫通する固定ねじ35は、さらに補助固定板36を貫通している。これによって、固定部30の第2固定板部32と補助固定板36との間で立壁部122Bが挟着され、取付部材2が立壁部122Bの内側壁面124に安定的に固定される。
【0042】
固定部30の接続板部33のX1-X2方向の幅は、取付領域Rにおける壁面本体124aと傾斜面124bとの段差の最大値よりも大きく形成されている。そのため、第2固定板部32が壁面本体124aに固定されたとき、第1固定板部31は、接続板部33によって、傾斜面124bよりも浴槽下部空間Sの内側に位置調整されて配置される。したがって、支持部20及び機能ユニット1が、傾斜面124bと干渉することはない。第1固定板部31は、第2固定板部32に対して平行であり、浴槽下部空間Sの内部で略垂直面を形成するため、機能ユニット1は、浴槽下部空間Sの内部に適切な向き及び姿勢で設置される。
【0043】
取付部材2の支持部20は、X1-X2方向の幅方向に対称な構造を有するとともに、固定部30は、上下方向に対称な構造を有するため、一対の側板部22,22のうちのいずれにも固定部30を固定することができる。そのため、機能ユニット1は、例えば、防水パン120の他方の立壁部122B側にも同様に取り付け可能であり、浴槽下部空間Sの内部の取り付け自由度がさらに向上する。
【0044】
図2に示すように、内側壁面124に取り付けられた機能ユニット1の底面1cは、浴槽下部空間Sの内部に配置される防水パン120の底面121よりも上方に配置される。本実施形態の防水パン120は、機能ユニット1の下方に、底面121の一部が上方に突出した突出面121aを有する。機能ユニット1の底面1cは、突出面121aに対して上方に離隔して配置される。これによって、機能ユニット1の底面1cから突出する排水弁(図示せず)等の部品と突出面121aとの干渉が避けられる。
【0045】
取付部材2は、機能ユニット1を支持する支持部20と、支持部20を固定する固定部30とで構成されるため、固定部30のみを任意の形状のものに変更することが可能である。そのため、機能ユニット1を取り付ける壁面の形状に応じて、具体的には、傾斜面の有無、傾斜面の角度、凸部あるいは段差の大きさ等に応じて、機能ユニット1が適切な向き及び姿勢となるような最適な形状を有する固定部を選択して使用することができる。
【0046】
本実施形態の固定部30は、図2及び図4に示すように、接続板部33によって、第1固定板部31と第2固定板部32との間に段差が形成されている。これによって、第1固定板部31は、第2固定板部32よりも浴槽130側に配置されている。そのため、本実施形態の固定部30は、内側壁面124に形成される壁面本体124aと傾斜面124bとの間の段差による凸部を容易に逃がすことができる。しかも、能ユニット1と第2固定板部32との間に段差分の隙間が形成されるため、第2固定板部32を内側壁面124に固定する固定ねじ35と機能ユニット1との干渉も回避することができる。
【0047】
図9は、Y1-Y2方向に沿って傾斜する傾斜面124cを有する内側壁面124に、取付部材2を使用して機能ユニット1を取り付ける例を示している。この場合、取付部材2の固定部のみが固定部30Aに変更される。固定部30Aの接続板部33は、第1固定板部31と第2固定板部32とを、傾斜面124cに沿うように傾斜状に接続している。このように、取付部材2は、機能ユニット1を取り付ける取付領域の壁面形状に応じて、固定部30の接続板部33を様々な形状に形成することによって、機能ユニット1を浴槽下部空間Sの内部に適切な向き及び姿勢を維持して設置すること可能である。
【0048】
固定部30の第2固定板部32は、図10に示すように、必要に応じて、適宜の形状に形成されたスペーサ200を介して、内側壁面124に取り付けられてもよい。
【0049】
以上のように、本実施形態の機能ユニット1の取付構造は、浴槽下部空間Sに配置される機能ユニット1の取付構造であって、機能ユニット1を支持する支持部20と、支持部20を固定する固定部30と、を備え、機能ユニット1が、支持部20及び固定部30を介して浴槽下部空間Sの内部に取り付けられる。これによれば、機能ユニット1を取り付ける壁面の形状に応じて、最適な形状を有する固定部を選択して使用することができる。そのため、機能ユニット1を、浴槽下部空間Sの内部の任意の位置に容易に取り付け可能である。取付部材2のうちの固定部30が変更されるだけであるため、最小限の設計変更で、機能ユニット1を様々な壁面に取り付けることができる。
【0050】
本実施形態の機能ユニット1は、浴槽下部空間Sに面する内側壁面124に取り付けられる。これによれば、洗い場床110側からアクセス可能な浴槽下部空間Sの余白スペースが広くなる。そのため、浴槽下部空間Sの有効利用が可能である。
【0051】
本実施形態の固定部30は、内側壁面124の形状に対して、機能ユニット1が所定の向き及び姿勢を維持して配置可能な形状を有する。これによれば、機能ユニット1を設置する壁面がどのような形状であっても、機能ユニット1を適切な向き及び姿勢でしっかりと固定することができる。
【0052】
本実施形態の固定部30は、支持部20を固定する第1固定板部31と、内側壁面124に取り付けられる第2固定板部32と、第1固定板部31と第2固定板部32との間の接続板部33によって形成される段差と、を有する。第1固定板部31は、段差を介して第2固定板部32よりも浴槽130側に配置される。これによれば、機能ユニット1を設置する壁面に凸部があっても、固定部30は、段差によって凸部を容易に逃がすことができる。機能ユニット1と第2固定板部32との間に段差分の隙間が形成されるため、第2固定板部32を内側壁面124に固定する固定ねじ35と機能ユニット1との干渉も回避することができる。
【0053】
本実施形態の機能ユニット1は、支持部20に対して着脱可能に取り付けられる。これによれば、機能ユニット1の設置後であっても、交換作業等を容易に行うことができる。
【0054】
本実施形態の支持部20は、機能ユニット1を掛止する掛止部である第1掛止部23及び第2掛止部24を有する。これによれば、支持部20は、機能ユニット1の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0055】
本実施形態の機能ユニット1の底面1cは、浴槽下部空間Sの底面である突出面121aに対して離隔して配置される。これによれば、機能ユニット1の底面1cから下方に突出する部品があっても、浴槽下部空間Sの底面との干渉を回避することができる。
【0056】
以上の実施形態において、機能ユニット1は、防水パン120の短辺側の立壁部122Bの内側壁面124に取り付けられる。機能ユニット1の取り付け位置はこれに限定されず、浴室構造に応じて、浴槽下部空間の内部の様々な位置に取り付けることができる。例えば、機能ユニット1は、防水パン120の長辺側の立壁部122Aの内側壁面に取り付けられもよい。機能ユニット1は、エプロン本体123の内側壁面に取り付けられてもよい。機能ユニット1は、浴槽130の外側壁面に取り付けられてもよい。
【0057】
機能ユニットは、浴槽洗浄装置の構成要素に限らない。機能ユニットは、例えば、ジェットバスのポンプ制御のための機器を内部に組み付けたユニットであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 機能ユニット、 20 支持部、 23 第1掛止部、 24 第2掛止部、 30 固定部、31 第1固定板部、 32 第2固定板部、 33 接続板部(段差)、 124 内側壁面、 121a 突出面(底面)、 S 浴槽下部空間
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