IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特開2023-64083車両に関するマップ表示を生成するための方法
<>
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図1
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図2
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図3
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図4
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図5
  • 特開-車両に関するマップ表示を生成するための方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064083
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】車両に関するマップ表示を生成するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230428BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169572
(22)【出願日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】10 2021 211 988.3
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ユング
(72)【発明者】
【氏名】ティモ・ナハシュテット
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・シュトラウス
(72)【発明者】
【氏名】ウラジーミル・ガーツ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB20
2F129BB23
2F129BB33
2F129CC14
2F129CC15
2F129CC19
2F129EE02
2F129EE78
2F129EE85
2F129GG17
2F129GG18
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両に関するマップ表示を生成するための改良された方法を提供すること。
【解決手段】車両センサデータを受信するステップと、車両センサデータに基づいて車両の姿勢(201)を決定し、走行ルートの同じ部分区間で実行された走行動作の姿勢(201)を統合することによって、複数の姿勢(201)の部分集合(211)を生成するステップであって、各部分集合(211)に関してサブセグメントが生成され、部分集合(211)の姿勢(201)に基づいて、部分集合(211)に対応するサブセグメント内の車線の進路が決定され、サブセグメントをマップ表示のグラフ表現のノードとして解釈し、かつエッジを介して接続される部分集合(211)がそれぞれ走行動作の姿勢(201)に基づくように、グラフ表現のエッジを介してサブセグメントを接続する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(300)に関するマップ表示(200)を生成するための方法(100)であって、
車両センサデータを受信するステップ(101)であって、前記車両センサデータが、1つの車両(300)または複数の車両(300)の複数の走行動作(F)中に取得されており、前記複数の走行動作(F)が、少なくとも部分的に同じ走行ルート(305)に沿って進行し、車両(300)の前記車両センサデータが、前記車両(300)の車両オドメトリ(303)のオドメトリデータおよび周囲環境センサ(301)の周囲環境センサデータを含む、ステップ(101)と、
前記車両センサデータに基づいて前記車両の姿勢(201)を決定するステップ(103)であって、車両(300)の決定された各姿勢(201)が、前記複数の走行動作(F)のうちのそれぞれ1つに割り当てられており、前記走行動作中に前記車両(300)が走行する走行ルート(305)での前記車両(300)の位置および向きを表す、ステップ(103)と、
前記走行ルート(305)の同じ部分区間で実行された前記走行動作(F)の姿勢(201)を統合することによって、前記複数の姿勢(201)の部分集合(211)を生成するステップ(105)と、
前記姿勢(201)の前記部分集合(211)に基づいて前記マップ表示(200)のサブセグメント(214)を生成するステップ(107)であって、各部分集合(211)に関してサブセグメント(214)が生成され、各部分集合(211)の前記姿勢(201)に基づいて、前記部分集合(211)に対応するサブセグメント(214)内の前記車線(305)の進路が決定される、ステップ(107)と、
前記サブセグメント(214)を前記マップ表示(200)のグラフ表現のノードとして解釈し、かつエッジを介して接続される部分集合(211)がそれぞれ走行動作の姿勢(201)に基づくように、前記グラフ表現のエッジを介してサブセグメント(214)を接続する、ステップ(109)と、
を含む方法(100)。
【請求項2】
前記部分集合(211)を生成する前記ステップ(105)が、
前記複数の姿勢(201)に基づいてハイパーエッジ(203)を生成するサブステップ(111)であって、各ハイパーエッジ(203)が、複数の走行動作(F)の姿勢(201)の集合を表し、各ハイパーエッジ(203)が、各走行動作について最大で1つの姿勢を含み、ハイパーエッジ(203)の各姿勢(201)が、前記ハイパーエッジ(203)のさらなる各姿勢(201)に対し、事前定義された最大距離よりも小さい距離(A)を有する、サブステップ(111)と、
前記複数の走行動作(F)の複数の姿勢(201)を、前記ハイパーエッジ(203)に基づいて部分集合(211)に統合するサブステップ(113)であって、前記部分集合(211)の第1のハイパーエッジ(203)および前記部分集合(211)の前記姿勢(201)の前記走行動作(F)の進行方向(D)における前記第1のハイパーエッジ(203)の後に配置された第2のハイパーエッジ(203)のすべての姿勢に関して、成り立つサブステップ(113)とを含み、
前記第2のハイパーエッジ(203)の各姿勢(201)に関して、
同じ走行動作において前記進行方向(D)で前記第2のハイパーエッジ(203)の前記それぞれの姿勢(201)の直前に配置された姿勢(201)が前記部分集合(211)のハイパーエッジ(203)に含まれていない、または
同じ走行動作(F)において前記進行方向(D)で前記第2のハイパーエッジ(203)の前記それぞれの姿勢(201)の直前に配置された姿勢(201)が前記第1のハイパーエッジ(203)に含まれている、ことが成り立ち、
前記第1のハイパーエッジ(203)の各姿勢(201)に関して、
同じ走行動作(F)において前記進行方向(D)で前記第1のハイパーエッジ(203)の前記それぞれの姿勢(201)の直後に配置された姿勢(201)が前記部分集合(211)のハイパーエッジ(203)に含まれていない、または
同じ走行動作(F)において前記進行方向(D)で前記第1のハイパーエッジ(203)の前記それぞれの姿勢(201)の直後に配置された姿勢(201)が前記第2のハイパーエッジ(203)に含まれている、ことが成り立つ、
請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
ハイパーエッジ(203)を生成する前記サブステップ(111)が、
走行動作の姿勢(201)から開始して近傍探索を実行するサブステップ(115)と、
前記開始姿勢から所定の最大距離よりも小さい距離(A)を有する、前記複数の走行動作(F)の姿勢(201)を特定するサブステップ(117)と、
前記開始姿勢(201)のヨー角から所定の閾値よりも大きく逸脱するヨー角を有する、前記開始姿勢に対し前記所定の最大距離よりも小さい距離(A)をもつ姿勢(201)を除去するサブステップ(119)と、
前記所定の最大距離よりも小さい距離(A)と、前記所定の閾値よりも小さいヨー角とをもつ姿勢(201)が既に特定されている走行動作の姿勢(201)を除去するサブステップ(121)と、
を含む、請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
ハイパーエッジ(203)を生成する前記サブステップ(111)が、
姿勢(201)が複数のハイパーエッジ(203)に含まれている場合に、
前記複数のハイパーエッジ(203)をマージして、マージされたハイパーエッジ(209)にするサブステップ(123)と、
前記マージされたハイパーエッジ(209)の前記姿勢(201)を減少するサブステップ(125)であって、前記それぞれの走行動作(F)ごとにただ1つの姿勢(201)が前記マージされたハイパーエッジ(209)に含まれるようにする、サブステップ(125)と、
をさらに含む請求項2または3に記載の方法(100)。
【請求項5】
各走行動作(F)の各姿勢(201)ごとに前記近傍探索が実行される、請求項3または4に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記近傍探索が、kd木を実行することによって行われる、請求項3、4、または5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記距離(A)がユークリッド距離である、請求項3から6のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項8】
部分集合(211)を生成する前記ステップ(105)が、
所定の最大長を超える長さ(L)を有する部分集合(211)を複数の部分集合(211)に分割するサブステップであって、部分集合(211)の前記長さ(L)が、前記部分集合(211)の前記姿勢(201)の前記走行動作(F)の進行方向(D)に沿った、前記部分集合(211)の第1の姿勢(201)と最後の姿勢(208)との間のユークリッド距離によって与えられる、サブステップ(127)
を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項9】
エッジを介するサブセグメント(214)の前記接続が、Union-Findデータ構造を使用して実行される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法(100)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の車両(300)に関するマップ表示(200)を生成するための方法(100)を実施するように設計されている計算ユニット(302)。
【請求項11】
プログラムがデータ処理ユニットによって実行されるとき、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両(300)に関するマップ表示(200)を生成するための方法(100)を前記データ処理ユニットに実施させる命令を含む、コンピュータプログラム製品(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関するマップ表示を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
将来のアシストおよび自動走行機能の実現において、マップおよびそこに含まれる環境に関するデータは、車両センサ構成のオンライン知覚の中心的な問題を解決することができるので重要な役割を果たす。上記問題の例としては、限られたセンサ範囲、重要な情報の遮蔽、車両での限られた計算能力、および短い観測間隔などがある。そのような場合にマップデータを活用できるようにするために、マップに対する車両の正確な位置特定が必要である。これには、車両の場所を特定するために使用することができるデータを含む特別なローカリゼーションマップが必要とされる。例えばフリートデータからマップを生成するための先行技術は、グラフ最適化に基づく方法である。文献では、これらの方法はGraph-SLAMと呼ばれ、SLAMは、Simultaneous Localization and Mappingを意味する。Graph-SLAMでは、車両の姿勢(位置および向き)が、各走行において一連の時点で明示的にモデル化される。モデル化される各時点は、ここでは、最適化の基礎となるグラフ内のノードに対応する。同じ走行での連続する時点のノードは、いわゆるオドメトリエッジによって接続され、オドメトリエッジは、車両センサ構成から導出された、対応する姿勢の相対変位を表す。次いで、同じ道路の異なる走行が互いに位置合わせされ、異なる走行時に車両のセンサ構成によって観測されたランドマークが一致するように車両姿勢を最適化することによって行われる。このために、最適化の基礎となるグラフにおいて、同じランドマークが観測されたことにより、ノード間にエッジが挿入される。対応エッジと呼ばれるこれらのエッジは、ランドマークを最適に一致させるために、接続されたノードに割り当てられた姿勢を互いに対してどのようにシフトさせなければならないかに関する情報を含む。しかし、先行技術から知られている方法、特にランドマークの考慮は複雑であり、高い計算能力を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、車両に関するマップ表示を生成するための改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項1の車両に関するマップ表示を生成するための方法によって解決される。有利な形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一態様によれば、車両に関するマップ表示を生成するための方法であって、
車両センサデータを受信するステップであって、車両センサデータが、1つの車両または複数の車両の複数の走行動作中に取得されており、複数の走行動作が、少なくとも部分的に同じ走行ルートに沿って進行し、車両の車両センサデータが、車両の車両オドメトリのオドメトリデータおよび周囲環境センサデータを含む、ステップと、
車両センサデータに基づいて車両の姿勢を決定するステップであって、車両の決定された各姿勢が、複数の走行動作のうちのそれぞれ1つに割り当てられており、走行動作中に車両が走行する走行ルートでの車両の位置および向きを表す、ステップと、
走行ルートの同じ部分区間で実行された走行動作の姿勢を統合することによって、複数の姿勢の部分集合を生成するステップであって、各部分集合の姿勢に割り当てられた車両センサデータによって、走行ルートのそれぞれの部分区間の進路が表される、ステップと、
姿勢の部分集合に基づいてマップ表示のサブセグメントを生成するステップであって、各部分集合に関してサブセグメントが生成され、各部分集合の姿勢に基づいて、部分集合に対応するサブセグメント内の車線の進路が決定される、ステップと、
サブセグメントをマップ表示のグラフ表現のノードとして解釈し、かつエッジを介して接続される部分集合がそれぞれ走行動作の姿勢に基づくように、グラフ表現のエッジを介してサブセグメントを接続するステップと、
を含む方法が提供される。
【0005】
これにより、車両に関するマップ表示を生成するための改良された方法を提供することができるという技術的利点を得ることができる。このために、1つの車両または複数の車両の複数の走行動作に関して、車両のセンサデータに基づいて、走行される走行ルートに沿って車両の姿勢が決定される。関連する部分集合に姿勢をグループ化することによって、マップ表示のサブセグメントが生成され、部分集合の姿勢はそれぞれ、マップ表示のそれぞれのサブセグメント内の走行ルートの進路を表す。生成されたサブセグメントは、マップ表示のグラフ表現のノードとしてさらに解釈され、エッジを介して互いに接続され、サブセグメントの接続により、走行ルートの関連する進路が生成されている。マップ表示のグラフ表現により、先行技術から知られているGraph-SLAM法など、道路網をマッピングする際にフリートデータを組み合わせる目的でのグラフ最適化のための先行技術から知られている最適化法に近い向き設定を可能にすることを実現することができる。さらに、マップ表示のグラフ表現は、選択された道路セグメントの効率的な更新を可能にし、グラフ表現によりマップ表示の個々のセグメントを個別に更新することができ、それにより完全なマップ表示の全体的な更新は必要とされない。さらに、グラフ表現により、車両でのマップ表示のためにマップサーバから車両に伝送されるデータ量を最低限に抑えることができる。さらに、マップ表示内でのランドマークの選択が可能であり、ランドマークを車両の現在の向きおよび位置に対して観測することができる。
【0006】
一実施形態によれば、部分集合を生成するステップが、
複数の姿勢に基づいてハイパーエッジを生成するサブステップであって、各ハイパーエッジが、複数の走行動作の姿勢の集合を表し、各ハイパーエッジが、各走行動作について最大で1つの姿勢を含み、ハイパーエッジの各姿勢が、ハイパーエッジのさらなる各姿勢に対し、事前定義された最大距離よりも小さい距離を有する、サブステップと、
複数の走行動作の複数の姿勢を、ハイパーエッジに基づいて部分集合に統合するサブステップであって、部分集合の第1のハイパーエッジおよび部分集合の姿勢の走行動作の進行方向における第1のハイパーエッジの後に配置された第2のハイパーエッジのすべての姿勢に関して、成り立つサブステップとを含み、
第2のハイパーエッジの各姿勢に関して、
同じ走行動作において進行方向で第2のハイパーエッジのそれぞれの姿勢の直前に配置された姿勢が部分集合のハイパーエッジに含まれていない、または
同じ走行動作において進行方向で第2のハイパーエッジのそれぞれの姿勢の直前に配置された姿勢が第1のハイパーエッジに含まれている、ことが成り立ち、
第1のハイパーエッジの各姿勢に関して、
同じ走行動作において進行方向で第1のハイパーエッジのそれぞれの姿勢の直後に配置された姿勢が部分集合のハイパーエッジに含まれていない、または
同じ走行動作において進行方向で第1のハイパーエッジのそれぞれの姿勢の直後に配置された姿勢が第2のハイパーエッジに含まれている、ことが成り立つ。
【0007】
これにより、マップ表示を個々のサブセグメントにおいて正確にセグメント化し、それに基づいたマップ表示のグラフ表現が可能であるという技術的利点を得ることができる。特に、提示されるセグメント化では、ランドマークの考慮を最低限に抑える、または完全になくすことができる。このために、セグメント化、特に複数の姿勢の部分集合の生成は、個々の姿勢間のユークリッド距離のみに基づいて互いに実行される。このために、複数の決定された姿勢に基づいて、姿勢のハイパーエッジが生成される。ここで、本明細書において、ハイパーエッジは、姿勢の集合である。ハイパーエッジの姿勢は、ここでは、事前定義された最大距離よりも小さい距離を互いに有する。生成されたハイパーエッジを考慮して、走行動作の進行方向で前後に配置された2つのハイパーエッジの各姿勢に関して、それぞれの姿勢の直前もしくは直後に配置された姿勢がさらなるハイパーエッジに配置されていない、またはそれぞれ直前もしくは直後のハイパーエッジに配置されていることが成り立つように、生成される部分集合内に姿勢が統合される。このようにして定義された部分集合により、共通の走行ルートの進路に属する部分集合内の姿勢のみが統合されることを実現することができる。交差点や高速道路の出口など、異なる車線が一部異なる進行方向に進められる分岐点を有する道路進路において、部分集合内の姿勢のセグメント化に関する上記の条件下で、マップ表示の異なる部分集合、特に異なるサブセグメントで異なる車線の進路を表現することができる。これにより、1つの車両または複数の車両の複数の走行動作の異なる姿勢のユークリッド距離のみに基づいて、異なるサブセグメントへのマップ表示の正確なセグメント化または区画化を実現することができる。
【0008】
一実施形態によれば、ハイパーエッジを生成するサブステップが、
走行動作の姿勢から開始して近傍探索を実行するサブステップと、
開始姿勢から所定の最大距離よりも小さい距離を有する、複数の走行動作の姿勢を特定するサブステップと、
開始姿勢のヨー角から所定の閾値よりも大きく逸脱するヨー角を有する、開始姿勢に対し所定の最大距離よりも小さい距離をもつ姿勢を除去するサブステップと、
所定の最大距離よりも小さい距離と、所定の閾値よりも小さいヨー角とを有する姿勢が既に特定されている走行動作の姿勢を除去するサブステップと、
を含む。
【0009】
これにより、個々の姿勢間のユークリッド距離に基づいてハイパーエッジの正確な特定を実現することができるという技術的利点を得ることができる。開始姿勢のヨー角から所定の閾値よりも大きく逸脱するヨー角を有する姿勢を除去することにより、同じ車道に沿っているが異なる方向または逆方向に実行された走行動作に起因する姿勢を選別することができる。ハイパーエッジを生成するための個々の姿勢間の距離の提示された特定は、少ない計算量で、技術的に容易に実施可能な方法である。
【0010】
一実施形態によれば、ハイパーエッジを生成するサブステップが、
姿勢が複数のハイパーエッジに含まれている場合に、
複数のハイパーエッジをマージして、マージされたハイパーエッジにするサブステップと、
マージされたハイパーエッジの姿勢を減少するサブステップであって、それぞれの走行動作ごとにただ1つの姿勢がマージされたハイパーエッジに含まれるようにする、サブステップと、
をさらに含む。
【0011】
これにより、ハイパーエッジへの姿勢の一意の割当てが可能であるという技術的利点を得ることができる。一意の割当てにより、部分集合への姿勢の正確な分割、およびそれに関連して個々のサブセグメントへのマップ表示の正確な区画化が可能である。
【0012】
一実施形態によれば、各走行動作の各姿勢ごとに近傍探索が実行される。
それにより、ハイパーエッジの正確な特定、およびそれに関連して部分集合への姿勢の正確な分割、およびそれに関連してサブセグメントへのマップ表示の正確な区画化が可能であるという技術的利点を得ることができる。
【0013】
一実施形態によれば、近傍探索は、kd木を実行することによって行われる。
これにより、確実であり高速の近傍探索が可能であるという技術的利点を得ることができる。
【0014】
一実施形態によれば、距離はユークリッド距離である。
これにより、正確であり容易に実行可能な距離特定が可能であるという技術的利点を得ることができる。
【0015】
一実施形態によれば、部分集合を生成するステップが、
所定の最大長を超える長さを有する部分集合を複数の部分集合に分割するサブステップであって、部分集合の長さが、部分集合の姿勢の走行動作の進行方向に沿った、部分集合の第1の姿勢と最後の姿勢との間のユークリッド距離によって与えられる、サブステップ
を含む。
【0016】
これにより、例えば長いルート区間にわたって直線状に進む道路進路において生じ得る、マップ表示の区画化における大きすぎるサブセグメントをなくすことができるという技術的利点を得ることができる。マップ表示の個々のサブセグメントの長さが制限されることで、マップ表示の直接関連するサブセグメントのみを表示することができることにより、マップ表示の表示に必要な計算能力が減少される。さらに、サブセグメントのサイズが小さいので、車両での表現のためにマップサーバから伝送すべきデータ量を減少させることができる。
【0017】
一実施形態によれば、エッジを介するサブセグメントの接続は、Union-Findデータ構造を使用して実行される。
これにより、グラフ表現内でエッジを介してサブセグメントを接続するための、できるだけ容易に実施可能であり正確な方法が可能であるという技術的利点を得ることができる。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、前述した実施形態のうちの1つによる車両に関するマップ表示を生成するための方法を実施するように設計されている計算ユニットが提供される。
【0019】
本発明の第3の態様によれば、プログラムがデータ処理ユニットによって実行されるときに、前述した実施形態のうちの1つによる車両に関するマップ表示を生成するための方法をデータ処理ユニットに実施させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
以下の図面に基づいて、本発明の例示的実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】車線を走行する車両の概略図である。
図2】複数の走行動作の複数の姿勢の概略図である。
図3】複数の走行動作の複数の姿勢のさらなる概略図である。
図4】マップ表示の概略図である。
図5】車両に関するマップ表示を生成するための方法のフローチャートである。
図6】コンピュータプログラム製品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、車線305を走行する車両300の概略図を示す。
図1は、車線305に沿って進行方向Dに走行動作Fを行っている車両300を示す。異なる時点t1、t2、t3で、車両の周囲環境に関する周囲環境センサ301からの周囲環境センサデータが車両によって取得される。周囲環境センサ301は、例えば、LiDARセンサ、レーダセンサ、カメラセンサ、または先行技術から知られている任意の他の周囲環境センサとして構成されていてもよい。周囲環境センサデータによって、車両300の周囲環境に関する情報の獲得が可能である。周囲環境センサデータに加えて、車両オドメトリ303によって、車両300のオドメトリデータが取得される。これは、例えば、ヨー角、ホイール回転数、または車両300の運転状態を特定するために有意な他の情報を含んでもよい。オドメトリデータおよび周囲環境センサデータは、データ伝送手段を介して計算ユニット302に伝送され得る。計算ユニット302は、例えばマップサーバとして構成されていてもよく、マップ表示を生成するための本発明による方法を実施するように設計されていてもよい。このために、計算ユニット302は、まず、周囲環境センサデータおよびオドメトリデータに基づいて様々な時点t1、t2、t3に関して車両の姿勢を計算するように構成されている。ここで、車両300の姿勢は、車両の周囲環境および/または車両が走行している車線305に対する車両300の位置および向きを表す。本発明による方法を実施するために、車線305を走行する1つの車両300または異なる車線305を走行する複数の車両300の任意の数の走行動作Fに関するオドメトリデータおよび周囲環境センサデータが、上記1つの車両もしくは異なる車両によって取得される、または評価のために提供される。本発明による方法の個々の方法ステップの詳細な説明については、図2および図3での説明を参照されたい。
【0022】
図2は、複数の走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の複数の姿勢201、208の概略図を示す。
図2は、複数の姿勢201を示し、これらは、少なくとも1つの部分区間にわたって同じ車線305に沿って進行する異なる走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6に関する、少なくとも1つの車両300の複数の周囲環境センサデータおよびオドメトリデータに基づく。ここで、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6は、単一の車両300または複数の車両300によって実行されることがある。図1での説明と同様に、1つの車両300または複数の車両300によって、異なる時点に関してオドメトリデータおよび周囲環境センサデータが取得される。次いで、異なる時点に関して取得されたオドメトリデータおよび周囲環境センサデータに基づいて、計算ユニット302は、車両300の周囲環境または走行車線305に対する1つの車両300または複数の車両300の対応する姿勢201を計算することができる。図示される表現は純粋に概略的なものであり、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の平行な配置または表現は、車両300の実際の走行動作が絶対的に平行に進行することを表すものではない。しかし、平行に表現されている走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6は、車両300の実際の走行動作の少なくとも部分的に平行な進路を表しており、図2または図3では、それぞれの走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6が同じ車線305で実行されたものとして示唆されている。ここでは、個々の姿勢201は、それぞれの走行中の車道または車線305上での異なる時点での車両300の位置または向きを表す。走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6は、図2の表現では、それぞれ進行方向Dまたは進行方向Dとは逆の進行方向で実行することができる。
【0023】
車両300に関するマップ表示200を生成するための本発明による方法100を実施するために、まず、計算された姿勢201に基づいて姿勢201のハイパーエッジ203が計算される。ここで、ハイパーエッジ203は姿勢201の集合を表し、各ハイパーエッジ203には、それぞれ走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6ごとに最大1つの姿勢201が含まれる。ハイパーエッジ203を決定するために、開始姿勢202から始めて、所定の閾値未満である開始姿勢202からの距離Aを有する姿勢201が決定される。そのような近傍探索は、図2では例として走行動作F1の姿勢202に関して表されている。しかし、ここに示される例とは異なり、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6のすべての姿勢201を開始姿勢として、そのような近傍探索を実行することができる。
【0024】
近傍探索の実行によって特定された、それぞれの開始姿勢202に対する様々な姿勢201の距離Aに基づいて、それぞれ開始姿勢202からの所定の閾値または最大距離よりもさらに小さい、姿勢202からの最小距離Aを有する姿勢201が選別される。ハイパーエッジ203を決定するために、事前定義された最大距離よりも小さい開始姿勢202からの距離Aを有する姿勢201は、同じ走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6において開始姿勢202からの距離Aがより小さい姿勢201が既に決定されているときには、すべて選別される。図2に示されるように、すべてのハイパーエッジ203はそれぞれ、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6ごとにただ1つの姿勢201を有する。さらに、事前定義された最大距離よりも小さい距離Aを有する決定された姿勢201のうち、開始姿勢202のヨー角から事前定義された閾値よりも大きく逸脱するヨー角を有する姿勢201が選別される。これにより、同じ車線305上であるが逆方向に実行されている走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6に基づく姿勢201を選別することができる。
【0025】
このようにして実行される近傍探索は、上述したように走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の各姿勢201ごとに実行することができ、一実施形態によれば、最近傍探索の形式でkd木を実行することによって行うことができる。
【0026】
ここで、それぞれ選択された開始姿勢202からの個々の姿勢201の距離Aは、ユークリッド距離として特定することができる。
【0027】
したがって、上述した近傍探索に従ってそれぞれ選択された開始姿勢202から特定されたハイパーエッジ203は、各走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6ごとにそれぞれ最大で1つの姿勢201を有し、ハイパーエッジ203の姿勢201はそれぞれ、互いに対して所定の最大距離以下である。図2の例では、それぞれ進行方向Dで走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の1つおきの姿勢201に対してのみ、対応するハイパーエッジ203が計算され、これは、図2では塗りつぶした円によって表される。2つの計算されたハイパーエッジ203の間にそれぞれ配置された白抜きの円として示される姿勢201は、図示される例では、ハイパーエッジ203の計算に関して考慮に入れられない。これに対する代替として、各姿勢201ごとに対応するハイパーエッジ203を計算することができる。これに対する代替として、より大きい距離でも本発明による方法を実施することができ、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6ごとにいくつかの連続する姿勢201に関してハイパーエッジ203が計算されない。特に長く真っ直ぐに進むルート進行を有するルートに関して、本発明による方法を高速化および単純化することができる。これは、より低密度で、したがって個々に計算されるハイパーエッジ203間で考慮に入れられない姿勢201の数をより大きくして、対応するハイパーエッジ203を計算することによって行われる。
【0028】
開始姿勢202に関する近傍探索の実行の結果、姿勢201が2つのハイパーエッジ204、205に含まれることが分かった場合(これは、図2でハイパーエッジ204、205に含まれる走行動作F6の姿勢201によって表されている)、それぞれのハイパーエッジ204、205の姿勢201が合わされて、マージされたハイパーエッジ209が生成され、ハイパーエッジ209には、走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6ごとにそれぞれ1つの姿勢201のみが含まれ、ここで、それぞれの姿勢201に関して、マージされたハイパーエッジ209の各姿勢201が、それぞれ他の姿勢201から所定の最大距離よりも小さい距離Aを有することが引き続き成り立つ。対応してマージされたハイパーエッジ209が図3に例として示されている。
【0029】
図2に示される例では、姿勢201の走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6が平行に進行している。しかし、参照番号208を付された姿勢から、走行動作F1~F3は、走行動作F4~F6に対して角度を成している。これにより、車両300が走行する車線の分岐が示されており、そのような分岐は、例えば交差点または高速道路の出口で生じ得る。走行動作F4~F6に対する走行動作F1~F3の分岐により、ここで、進行方向Dで姿勢208に続く姿勢201に関するハイパーエッジの計算から、走行動作F1、F2、F3の姿勢201がハイパーエッジ206に統合され、走行動作F4、F5、F6の姿勢201がさらなるハイパーエッジ207に統合されることになる。これは、それぞれ平行に進行する走行動作F4、F5、F6に対する平行に進行する走行動作F1、F2、F3の分岐により、走行動作F4~F6の姿勢201が、走行動作F1、F2、F3の姿勢201から、事前定義された最大距離よりも大きい距離Aを有するからである。ハイパーエッジ206の姿勢201またはハイパーエッジ207の姿勢201は、引き続き距離規定を満たし、それぞれ所定の最大距離よりも小さい距離Aを有する。
【0030】
図3は、複数の走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の複数の姿勢201、208のさらなる概略図を示す。
図3は、図2の表現に基づき、図2に記載されているすべての特徴を含む。
図3では、図2とは異なり、姿勢208がさらに、さらなるハイパーエッジ210に統合されている。
【0031】
本発明によれば、マップ表示200を生成するために、複数の走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の姿勢201が、前に計算されたハイパーエッジ203を考慮して部分集合211、212、213に分割される。ここで、共通の部分集合211、212、213の姿勢201は、同じ車線305で実行される走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6を表す。
【0032】
ここで、個々の部分集合211、212、213は、対応する部分集合の姿勢201が以下の条件を満たすように決定される。
部分集合211のハイパーエッジ209の姿勢201とハイパーエッジ210の姿勢208とに基づいて、その条件を以下に説明する。
【0033】
少なくとも1つの第1のハイパーエッジ209と、進行方向Dで第1のハイパーエッジ209の後に配置された第2のハイパーエッジ210とを含む部分集合211では、第1のハイパーエッジ209の各姿勢201に関して、以下のことが成り立つ。
【0034】
-同じ走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6において進行方向Dでそれぞれの姿勢201の後に配置された姿勢は、ハイパーエッジに割り当てられていない、または第2のハイパーエッジ210の一部である。さらに、第2のハイパーエッジ210の各姿勢208に関して以下が成り立たなければならない。
【0035】
-進行方向Dで第2のハイパーエッジ210の姿勢208の直前に配置された姿勢201は、ハイパーエッジに割り当てられていない、または第1のハイパーエッジ209の一部である。
【0036】
図3から分かるように、上記の条件は、部分集合211のすべてのハイパーエッジ203、209、210について成り立つ。第1のハイパーエッジ209において、ハイパーエッジ209の各姿勢201に関して、ハイパーエッジ209の姿勢201の左側に配置された姿勢はハイパーエッジに割り当てられておらず、ハイパーエッジ209の各姿勢201に関して、すぐ右に続く姿勢208はハイパーエッジ210に完全に含まれていることが成り立つ。一方、第2のハイパーエッジ210では、ハイパーエッジ210のすべての姿勢208に関して、すぐ左に配置された姿勢201が第1のハイパーエッジ209に完全に含まれていることが成り立つ。
【0037】
それに対し、第2のハイパーエッジ210の右に配置された姿勢201に関しては、上記の条件が満たされていない。ここでは、代わりに、部分集合211の第2のハイパーエッジ210の走行動作F1、F2、F3の姿勢208に関して、進行方向Dで直接、したがって姿勢208の右に配置された姿勢201がハイパーエッジ206に含まれていることが成り立つ。一方、第2のハイパーエッジ210の走行動作F4、F5、F6の姿勢208に関しては、進行方向Dで直接、走行動作F4、F5、F6の姿勢208の後に配置された姿勢201がハイパーエッジ207に配置されていることが成り立つ。したがって、第2のハイパーエッジ210の姿勢208に関して、進行方向Dで直に続く姿勢201は、ハイパーエッジに配置されているが、これらは2つの異なるハイパーエッジ206、207に配置されている。
【0038】
部分集合211に姿勢201を統合するための上述した条件に従って、進行方向Dにおいて第2のハイパーエッジ210の姿勢208に続いて配置されている走行動作F1、F2、F3の姿勢201は、進行方向Dで前に配置された姿勢201のように部分集合211には統合されない。同じことが、進行方向Dで姿勢208に続く走行動作F4、F5、F6の姿勢201にも当てはまり、これらも上述した条件に違反するため、部分集合211には統合されない。代わりに、それらの姿勢は、ハイパーエッジ206、207から始まって、独立した部分集合212、213に統合される。
【0039】
このようにして生成された部分集合211、212、213は、さらに、それぞれの部分集合の長さLで制限され得る。ここでは、部分集合211の長さLは、部分集合211の第1の姿勢201と、部分集合211の同じ走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の最後の姿勢208との間のユークリッド距離によって与えられる。部分集合211の長さLが、部分集合に関して予め定められた最大長を超える場合、対応する部分集合は複数の部分集合に分割され得る。
【0040】
したがって、上述した方法により、道路進路に従って、それぞれの姿勢を、対応する部分集合211、212、213に統合され得る。ここで、それぞれの部分集合211、212、213は、走行車線のそれぞれの部分区間を表し、対応する道路進路に対応して適合されている。図3に示されているように分岐が生じるとき、姿勢は、異なる部分集合211、212、213に統合される。これにより、個々の道路進路に対応する異なる走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の姿勢201のユークリッド距離のみに基づいて、マップ表示200の明確に構造化された区画化が実現され得る。図3に示される各部分集合211、212、213は、本発明によれば、マップ表示200のサブセグメント214として解釈され得る。本発明によれば、このようにして決定されたマップ表示200のサブセグメント214は、マップ表示200のグラフ表現のノードとして解釈され、グラフ表現のエッジを介して接続され、互いに接続されたサブセグメント214は、関連する道路進路を形成し、したがって個々の走行動作に対応する姿勢を含む。そのようなマップ表示200が図4に示されている。グラフ表現のエッジを介した個々のサブセグメント214の接続により、個々のサブセグメント214を呼び出してマップ表示200を表示することが可能になり、エッジを介して互いに接続された2つのサブセグメント214は、それぞれの車両300によるサブセグメント214の対応する車線の走行時に、時間的に順次に呼び出され、マップ表示200を表すために表示される。
【0041】
図4は、マップ表示200の概略図を示す。マップ表示200は、複数の車線を有する道路網を示す。個々の車線305はそれぞれ、マップ表示200の複数のサブセグメント214に分割されている。ここで、サブセグメント214は、部分集合211、212、213および対応する姿勢201、208に基づいており、マップ表示200の車線305の部分区間を表す。
【0042】
本発明によれば、サブセグメント214はそれぞれ、マップ表示200のグラフ表現のノードとして解釈され得る。この文脈で、個々のサブセグメントは、グラフ表現の対応するエッジを介して接続されていてもよい。エッジを介した接続により、例えば車両300でマップ表示200を表示するとき、サブセグメント214を順次に呼び出されることもあり、呼び出された各サブセグメント214ごとに、そのサブセグメントとのエッジを介した接続に基づくそれぞれ後続のサブセグメント214が決定され、それに対応して呼び出され得る。
【0043】
図5は、車両300のマップ表示200を生成するための方法100のフローチャートを示す。
本発明によれば、本発明による方法100に従ってマップ表示200を生成するために、方法ステップ101で、1つの車両300または複数の車両300(それぞれが車線305に沿って複数の走行動作Fを行う)の車両センサデータが受信される。ここで、車両センサデータは、それぞれの車両300の周囲環境センサからの周囲環境センサデータと、車両オドメトリ303のオドメトリデータとを含み得る。
【0044】
さらなる方法ステップ103で、受信された車両センサデータに基づいて姿勢201が決定される。姿勢201は、車両300の周囲環境または車両300が走行する車線305に対する、車両センサデータの取得の時点t1~t3でのそれぞれの車両300の位置および向きを表す。
【0045】
さらなる方法ステップ105で、それぞれ決定された姿勢201が部分集合211に統合され、共通の部分集合の姿勢201は、それぞれ走行ルートの共通の部分区間の進路を表す。
【0046】
このために、方法ステップ111で、姿勢201はハイパーエッジ203に統合され、共通のハイパーエッジ203の姿勢201は、所定の最大距離よりも小さい互いからの距離Aをそれぞれ有する。
【0047】
このために、さらなる方法ステップ115で、各走行動作Fの各姿勢201に関して、開始姿勢としてそれぞれ選択された姿勢201から開始して近傍探索が実行される。
さらなる方法ステップ117で、近傍探索の過程で、開始姿勢から所定の最大距離よりも小さい距離Aをそれぞれ有する姿勢201が決定される。
【0048】
さらなる方法ステップ119で、開始姿勢から所定の最大距離よりも小さい距離Aを有する決定された姿勢201から、開始姿勢のヨー角から所定の閾値よりも大きく逸脱するヨー角を有する姿勢201が除去される。
【0049】
さらなる方法ステップ121で、開始姿勢からより小さい距離Aおよびより小さいヨー角の逸脱を有する決定された姿勢201のうち、それより小さいもしくは同じ距離Aおよび/またはそれより小さいもしくは同じヨー角の逸脱を有する同じ走行動作Fにおける姿勢201が既に決定されている姿勢201が除去される。
【0050】
次いで、個々の姿勢201が複数のハイパーエッジ203に統合されているかどうかがチェックされる。
姿勢201が複数のハイパーエッジ204、205に統合されている場合、さらなる方法ステップ123で、複数のハイパーエッジ204、205が統合されて、マージされたハイパーエッジ209となる。
【0051】
後続の方法ステップ125で、マージされたハイパーエッジ209の姿勢201は、マージされたハイパーエッジ209が各走行動作F1、F2、F3、F4、F5に関して最大で1つの姿勢201を含むように減少される。
【0052】
次いで、方法ステップ113で、そのようにして決定された姿勢201が部分集合211、212、213に統合され、それぞれ走行動作Fの進行方向Dで前後に配置されている少なくとも第1のハイパーエッジ209および第2のハイパーエッジ210を有する部分集合211、212、213に関して、以下の条件が成り立つ。
【0053】
第2のハイパーエッジ210の各姿勢208に関して、同じ走行動作において進行方向Dで第2のハイパーエッジ210のそれぞれの姿勢201の直前に配置された姿勢201が部分集合211のハイパーエッジ203に含まれていないことが成り立ち、または、同じ走行動作Fにおいて進行方向Dで第2のハイパーエッジ210のそれぞれの姿勢201の直前に配置された姿勢201が第1のハイパーエッジ209に含まれていることが成り立つ。第1のハイパーエッジ209の各姿勢201に関して、進行方向Dで直に続く各姿勢208が1つのハイパーエッジまたは第2のハイパーエッジ210のいずれかに割り当てられることが成り立つ。さらに、第2のハイパーエッジ210の各姿勢208に関して、進行方向Dで直前に配置された各姿勢がどのハイパーエッジにも割り当てられない、または第1のハイパーエッジ209に割り当てられていることが成り立つ。
【0054】
さらに、さらなるステップ127で、部分集合に関する所定の最大長を超える長さLを有する部分集合211が、複数の部分集合211に分割され、部分集合211の長さLは、部分集合211の走行動作F1、F2、F3、F4、F5、F6の進行方向Dに沿った、部分集合211の第1の姿勢201と最後の姿勢208との間のユークリッド距離によって与えられている。
【0055】
さらなる方法ステップ107で、そのようにして生成された部分集合211、212、213に基づいて、各部分集合211、212、213に関して、マップ表示200の対応するサブセグメント214が生成される。
【0056】
後続の方法ステップ109で、そのようにして生成されたマップ表示200のサブセグメント214が、マップ表示200のグラフ表現のノードとして解釈され、グラフ表現の対応するエッジによって接続される。
【0057】
図6は、プログラムが計算ユニットによって実行されるとき、車両300に関するマップ表示200を生成するための方法100を計算ユニットに実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品400の概略図を示す。
【0058】
コンピュータプログラム製品400は、図示される実施形態では記憶媒体401に記憶されている。ここで、記憶媒体401は、先行技術から知られている任意の記憶媒体でよい。
【符号の説明】
【0059】
100 方法
200 マップ表示
201 姿勢
203 ハイパーエッジ
208 姿勢
211 部分集合
214 サブセグメント
300 車両
301 周囲環境センサ
302 計算ユニット
303 車両オドメトリ
305 走行ルート、車線
400 コンピュータプログラム製品
A 距離
D 進行方向
F 走行動作
L 長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】