(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064086
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】即時使用可能な容器のための保持構造体
(51)【国際特許分類】
B65D 1/36 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
B65D1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169625
(22)【出願日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】21204557
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】323001797
【氏名又は名称】ショット ファーマ シュヴァイツ アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT Pharma Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】St. Josefen-Strasse 20, 9000 St. Gallen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン コマン
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ フィルト
(72)【発明者】
【氏名】ウグリェサ バビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヤニック デーラー
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA21
3E033BA22
3E033EA02
3E033FA02
3E033GA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、医薬、医療または美容組成物のための複数の一次包装容器を同時に保持する保持構造体を提供する。
【解決手段】保持構造体(100)は、一次包装容器を収容するためのn個の収容部(101)を有し、nは、少なくとも10の値を有する整数であり、収容部(101)は、周縁状に形成された側壁(102)により形成されており、最大長さL
xおよび最大幅L
yを有する平坦な基底枠(104)であって、平坦な基底枠(104)は、第1の側および第2の側を有しており、かつ長さL’
xおよび幅L’
yを有する中央凹部を有している、平坦な基底枠(104)と、複数の第1のウェブ(106)と、複数の第2のウェブ(107)とを有しており、第1および第2のウェブ(106,107)は、側壁(102)を形成し、各第1および第2のウェブ(106,107)は、4.0mmの最大うねりw
maxを有する連続したはり部材の形状である
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬、医療または美容組成物のための複数の一次包装容器(200)を同時に保持する保持構造体(100)であって、
前記保持構造体(100)は、前記一次包装容器(200)を収容するためのn個の収容部(101)を有しており、nは、少なくとも10の値を有する整数であり、前記収容部(101)は、周縁状に形成された側壁(102)により形成されており、
前記保持構造体(100)は、
最大長さLxおよび最大幅Lyを有する平坦な基底枠(104)であって、該平坦な基底枠(104)は、第1の側(104a)および第2の側(104b)を有しておりかつ長さL’xおよび幅L’yを有する中央凹部(105)を有している、平坦な基底枠(104)と、
前記中央凹部(105)にわたり第1の方向に互いに平行に延びている複数の第1のウェブ(106)と、
前記中央凹部(105)にわたり第2の方向に互いに平行に延びている複数の第2のウェブ(107)と
を有しており、
前記第1および第2のウェブ(106,107)は、該第1および第2のウェブ(106,107)が前記収容部(101)の前記側壁(102)を形成するように配置されており、
各前記第1および第2のウェブ(106,107)は、4.0mmの最大うねりwmaxを有する連続したはり部材の形状である、
保持構造体(100)。
【請求項2】
前記保持構造体(100)はさらに、
前記第1の側(104a)、前記第2の側(104b)または両方の前記側(104a,104b)において前記平坦な基底枠(104)から突出しており、前記基底枠(104)の前記中央凹部(105)を取り囲むように前記平坦な基底枠(104)に結合された外枠(108)を有しており、
各前記第1および第2のウェブ(106,107)は、該ウェブの各端部において前記外枠(108)に結合されている、請求項1記載の保持構造体(100)。
【請求項3】
前記保持構造体(100)は、少なくとも100mm4の断面二次モーメントIを有している、請求項1または2記載の保持構造体(100)。
【請求項4】
前記保持構造体(100)は、最大400gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた前記収容部(101)が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された、0.25mm未満の撓みDを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項5】
前記保持構造体(100)は、最大800gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた前記収容部(101)が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された、0.4mm未満の撓みD’を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項6】
前記保持構造体(100)は、最大1100gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた前記収容部(101)が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された、0.5mm未満の撓みD’’を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項7】
前記Lxは、200~260mmの範囲内、好適には220~240mmの範囲内であり、前記Lyは、170~230mmの範囲内、好適には190~210mmの範囲内である、請求項1から6までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項8】
空の状態の前記保持構造体(100)は、0.5g/cm2未満の単位面積当たりの質量を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項9】
前記一次包装容器(200)は、ガラスシリンジ本体またはポリマーシリンジ本体である、請求項1から8までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項10】
前記nは、20,30,42,64,100および160から成る群から選択されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項11】
前記収容部(101)内の前記一次包装容器(200)をセンタリングするための位置決めリブ(103)が、前記収容部(101)の前記側壁(102)に設けられており、前記位置決めリブ(103)は、前記収容部(101)内へ半径方向内向きに突出しておりかつ前記収容部(101)の長手方向に延びている、請求項1から10までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項12】
n個の前記収容部(102)のうちのm個は、前記保持構造体(100)の平面図において平行四辺形の形状を有しており、m≦nの最も密集した詰込み密度で配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の保持構造体(100)。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の保持構造体(100)を複数含む、複数の保持構造体(100)であって、空の状態の各前記保持構造体(100)は、本明細書に開示された方法により特定された撓みD0を有しており、前記複数の保持構造体における前記撓みD0の分散Var[D0]は、0.1未満である、複数の保持構造体(100)。
【請求項14】
医薬、医療または美容用途のための物質用の複数の一次包装容器(200)が収容された輸送または包装用コンテナであって、前記輸送または包装用コンテナは箱形構成であり、前記複数の一次包装容器(200)を保持している請求項1から12までのいずれか1項記載の保持構造体(100)が、箱形の前記輸送または包装用コンテナ内に収容されており、これにより、前記複数の一次包装容器(200)は、前記輸送または包装用コンテナ内に保持されている、輸送または包装用コンテナ。
【請求項15】
医薬、医療または美容組成物用の複数の一次包装容器(200)を保持する、請求項1から12までのいずれか1項に規定したような保持構造体(100)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、医療または美容組成物のための複数の一次包装容器を同時に保持する保持構造体に関し、保持構造体は、一次包装容器を収容するための複数の収容部を有しており、収容部は、周縁状に形成された側壁により形成されている。本発明はまた、輸送または包装用コンテナ、保持構造体の使用、および複数の保持構造体に関する。
【0002】
例えば、シリンジ、バイアル、アンプルまたはカートリッジ等の薬剤容器は、液状で投与するための医療、医薬または美容調剤を、特に事前に調量された量で保管するための容器として広く使用されている。これらの薬剤容器は、一般に円筒形状を有しており、プラスチックまたはガラスから製造され得、費用対効果の高い方法で大量に獲得可能である。この点において、これらの容器は、保持構造体内に予め規定されたように幾何学的に配置されて、医薬品製造業者または後続の処理作業に届けられることが増えており、容器は、保持構造体内に保持されまたは収容されながら、引き続き処理される。このために、コンテナが最小限のスペースを占める配置で保持または収容される、費用対効果の高い丈夫な保持構造体が必要とされている。
【0003】
事前充填されたカートリッジを保持するのに適した保持構造体の一例が、国際公開第2016/166769号に開示されている。保持構造体は、複数のカートリッジを収容する、同一の規則的な配置で配置された複数の管状の収容部を有しており、内部に突出している収容部の下端部には保持突起が形成されており、封止されたカートリッジが収容部内に逆さに収容されており、これにより、封止されたカートリッジの肩部が、収容部の保持突起に支持されている。
【0004】
国際公開第2012/126582号に開示された、シリンジ本体用の別の保持構造体は、プレート状のキャリアを有しており、キャリアには、周縁状に形成された側壁を有する複数の円筒形の収容部が形成されている。シリンジ本体は、その保持フランジでもって、円筒形の収容部の上端部に載置される。キャリアを補強するために、円筒形の収容部は、キャリアの下側の接続ウェブを介して互いに接続されている。
【0005】
滅菌条件下での容器の充填を可能な限り経済的にするために、これらの容器は、容器の製造業者により滅菌包装された状態で医薬品充填会社に届けられることが増えているため、医薬品充填会社が容器を洗浄して滅菌する必要はない。この目的のために、容器は、医薬品充填会社、例えば製薬会社において滅菌条件下で開封される必要があり、次いで引き続き処理される。充填プロセスの間、容器は上述した滅菌包装の保持構造体内に留まり、滅菌包装の一部である保持構造体内に配置されている間に容器が充填される製造コンセプトが使用されることも増えている。実際の充填プロセスに加えて、容器が保持構造体内で支持されている間に、計量、ストッパの配置、凍結乾燥およびストッパによる容器の最終的な封止等の別のサブプロセスが行われてもよい。その結果、特に保持構造体内の容器の位置の精度に関して、保持構造体に多くの追加的な要求が生じる。
【0006】
細長い容器(例えばシリンジまたはカートリッジ)を高い詰込み密度で収容するために従来技術から公知の上述した保持構造体を使用した場合には、医薬組成物の充填またはストッパを用いた閉鎖等の特定の処理ステップが、自動システムにおいて所望の精度で同時に高いサイクル頻度で実行され得ないことが多い、ということが観察された。特に、充填されたガラスシリンジまたは充填されたガラスカートリッジ等の、比較的高い死重量を有する容器の場合には、充填プロセス後に高いサイクル頻度で(すなわち、自動充填装置において単位時間毎に充填・閉鎖されるべき容器が装填された多数の保持構造体において)容器を閉鎖するためのストッパの正確な設定を特に改善する必要がある、ということが観察された。このことは特に、蒸気により、ひいては熱応力下で予め滅菌された熱可塑性ポリマーから成る保持構造体に当てはまる。
【0007】
したがって、上述した形式の保持構造体の生産をさらに改善する必要がある。
【0008】
本発明の目的は、医薬、医療または美容用途のための物質用の複数の容器を同時に保持するために改善された保持構造体であって、簡単かつ費用対効果の高い方法で生産され得ると共に、容器、特に、ガラスシリンジまたはガラスカートリッジ等の高い死重量を有する容器の有利には高詰込み密度を可能にする保持構造体を提供することにある。さらに保持構造体は、このような容器が可能な限り高密度で収容され、-これらの容器が保持構造体内に収容されている間に-充填され、次いで、容器の開放端部にストッパを挿入することにより可能な限り高いサイクル頻度で可能な限り均等に閉鎖されることを可能にすることが望ましい。このことは特に、熱可塑性ポリマーを基礎としており、上昇させられた温度、特に少なくとも蒸気を使用する約121℃の温度で事前に滅菌された保持構造体に有効なはずである。さらに保持構造体は-上述した有利な特性により特徴付けられる一方で-同時に、好適には最低限の死重によっても特徴付けられることが望ましい。
【0009】
前記目的のうちの少なくとも1つ、好適には2つ以上の少なくとも部分的な解決には、独立請求項において規定された主題が寄与する。従属請求項は、前記目的の少なくとも1つの少なくとも部分的な解決に寄与する好適な実施形態を提供する。
【0010】
|1| 本発明に基づき、前記目的のうちの少なくとも1つの解決には、医薬、医療または美容組成物のための複数の一次包装容器を同時に保持する保持構造体1の第1の実施形態が寄与し、
保持構造体は、一次包装容器を収容するためのn個の収容部を有しており、nは、少なくとも10の値を有する整数であり、収容部は、周縁状に形成された側壁により形成されており、
保持構造体は、
-最大長さLxおよび最大幅Lyを有する平坦な基底枠であって、平坦な基底枠は、第1の側および第2の側を有しておりかつ長さL’xおよび幅L’yを有する中央凹部を有している、平坦な基底枠と、
-中央凹部にわたり第1の方向に互いに平行に延びている複数の第1のウェブと、
-中央凹部にわたり第2の方向に互いに平行に延びている複数の第2のウェブと
を有しており、
第1および第2のウェブは、これらが収容部の側壁を形成するように配置されており、
各第1および第2のウェブは、4.0mm未満、好適には3.8mm未満、より好適には3.6mm未満、さらに好適には3.4mm未満、さらに好適には3.2mm未満、さらに好適には3.0mm未満、さらに好適には2.8mm未満、さらに好適には2.6mm未満、さらに好適には2.4mm未満、さらに好適には2.2mm未満、さらに好適には2.0mm未満、さらに好適には1.8mm未満、さらに好適には1.6mm未満、さらに好適には1.4mm未満、さらに好適には1.2mm未満、さらに好適には1.0mm未満、さらに好適には0.8mm未満、さらに好適には0.6mm未満、さらに好適には0.4mm未満、さらに好適には0.2mm未満の最大うねりwmaxを有する連続したはり部材の形状であり、この場合、0mmの最大うねりwmaxが最も好適である(すなわち、第1および第2のウェブは実質的に直線状のはり部材の形状である、ということが最も好適である)。
【0011】
本発明の意味での「一次包装容器」とは、医薬、医療または美容組成物を充填することができる容器、例えばシリンジ本体、バイアル、アンプルまたはカートリッジであり、好適にはシリンジ本体またはカートリッジであり、最も好適にはシリンジ本体、特にガラスシリンジ本体またはポリマーシリンジ本体である。これらの容器は、好適には、第1の端部および第2の端部を有する回転対称の本体を有しており、これらの端部のうちの一方、好適には下端部は、容器が保持構造体に挿入されているときには閉鎖されており、他方の端部、好適には上端部は開放しており、これにより、容器が保持構造体内に保持されている間に、容器に好適には上端部を介して、医薬、医療または美容組成物を充填することができる。
【0012】
|2| 本発明による保持構造体1の1つの好適な実施形態では、保持構造体はさらに、
-第1の側、第2の側または両方の側において平坦な基底枠から突出しており、基底枠の中央凹部を取り囲むように平坦な基底枠に結合された外枠を有しており、
各第1および第2のウェブは、ウェブの各端部において外枠に結合されている。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第2の実施形態であり、好適には本発明の第1の実施形態に依存する。
【0013】
本発明による保持構造体1の上述した第2の実施形態の特別な実施形態によれば、外枠は、上縁部、下縁部、第1の側縁部および第2の側縁部を有しており、これらの縁部は、これらが連続した外枠を形成するように互いに結合されており、各第1および第2のウェブは、外枠の縁部と角度αを成しており、αは、0~90°の範囲内、好適には20~80°の範囲内、好適には30~70°の範囲内、より好適には40~60°の範囲内であり、最も好適には45~55°の範囲内である。
【0014】
本発明による保持構造体1の上述した第2の実施形態の1つの別の特別な実施形態によれば、外枠のバーは、0.5~4.0mmの範囲内、好適には0.8~3.5mmの範囲内、より好適には1.2~3.0mmの範囲内、最も好適には1.5~2.5mmの範囲内の壁厚さを有している。外枠のバーの高さは、好適には5~35mmの範囲内、より好適には10~30mmの範囲内、さらに好適には12~28mmの範囲内、最も好適には15~25mmの範囲内である。
【0015】
本発明による保持構造体1の上述した第2の実施形態の1つの別の特別な実施形態によれば、平坦な基底枠により張設される最大面積は、外枠により張設される面積よりも大きい。これに関して特に好適には、保持構造体はさらに、
-外枠を平坦な基底枠に結合する安定化部材
を有している。
【0016】
好適には、これらの安定化部材は翼の形状であり、安定化部材の一方の側において外枠の縁部に結合されておりかつ、安定化部材の隣の側において平坦な基底枠に結合されている。これに関して、外枠の各縁部が、少なくとも2つのこのような安定化部材を介して平坦な基底枠に結合されていることも好適である。これに関して、保持装置がさらに、保持構造体を把持または案内することを可能にするアクセス開口を含んでいることも好適である。好適には、保持装置は、保持装置の互いに反対の側において平坦な基底枠に凹設されたこのようなアクセス開口を2つ有している。
【0017】
|3| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、第1および第2のウェブは、0.1~4.0mmの範囲内、好適には0.2~3.5mmの範囲内、より好適には0.3~2.0mmの範囲内、最も好適には0.5~1.0mmの範囲内の壁厚さを有している。第1および第2のウェブの高さは、好適には5~35mmの範囲内、より好適には10~30mmの範囲内、さらに好適には12~28mmの範囲内、最も好適には15~25mmの範囲内である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第3の実施形態であり、好適には本発明の第1または第2の実施形態に依存する。
【0018】
|4| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、平坦な基底枠は、0.5~3.0mmの範囲内、好適には0.8~2.5mmの範囲内、より好適には1.0~2.0mmの範囲内、最も好適には1.2~1.6mmの範囲内の厚さを有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第4の実施形態であり、好適には本発明の第1から第3の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0019】
|5| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、少なくとも100mm4、好適には少なくとも200mm4、より好適には少なくとも300mm4、さらに好適には少なくとも400mm4の断面二次モーメントIを有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第5の実施形態であり、好適には本発明の第1から第4の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0020】
|6| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、n個の一次包装容器、好適にはシリンジ本体、バイアル、アンプルまたはカートリッジから成る群から選択されたn個の一次包装容器、より好適にはn個のシリンジ本体またはカートリッジ、最も好適にはn個のシリンジ本体、特にn個のガラスシリンジ本体またはn個のポリマーシリンジ本体を収容している。n個の一次包装容器は空であってもよく(すなわち、これらは如何なる医薬、医療または美容組成物も含んでいない)、またはこれらには少なくとも部分的に医薬、医療または美容組成物が充填されていてもよい。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第6の実施形態であり、好適には本発明の第1から第5の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0021】
|7| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、最大400gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた収容部が装備されている場合、本明細書に開示した試験方法により測定されたような0.25mm未満、好適には0.22mm未満、より好適には0.18mm未満の撓みDを有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体の第7の実施形態であり、好適には本発明の第1から第6の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0022】
|8| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、最大800gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた収容部が装備されている場合、本明細書に開示した試験方法により測定されたような0.4mm未満、好適には0.37mm未満、より好適には0.34mm未満の撓みD’を有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体の第8の実施形態であり、好適には本発明の第1から第7の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0023】
|9| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、最大1100gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた収容部が装備されている場合、本明細書に開示した試験方法により測定されたような0.5mm未満、好適には0.47mm未満、より好適には0.44mm未満の撓みD’’を有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第9の実施形態であり、好適には本発明の第1から第8の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0024】
|10| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、外枠と、第1および第2のウェブとは、15~25mmの範囲内、好適には16.5~22.5mmの範囲内、より好適には17~20mmの範囲内の高さを有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第10の実施形態であり、好適には本発明の第2から第9の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0025】
|11| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、Lxは、200~260mmの範囲内、好適には220~240mmの範囲内であり、Lyは、170~230mmの範囲内、より好適には190~210mmの範囲内である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第11の実施形態であり、好適には本発明の第1から第10の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0026】
|12| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、L’xは、170~230mmの範囲内、好適には190~210mmの範囲内であり、L’yは、140~200mmの範囲内、好適には160~180mmの範囲内である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第12の実施形態であり、好適には本発明の第1から第11の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0027】
|13| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、空の状態の保持構造体は、0.5g/cm2未満、好適には0.4g/cm2未満、より好適には0.3g/cm2未満の単位面積当たりの質量を有している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第13の実施形態であり、好適には本発明の第1から第12の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0028】
|14| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、熱可塑性ポリマー、好適には100~300°の範囲内の融点を有する熱可塑性ポリマーを基礎としており、好適にはこれから製造されている。これに関連して、特に好適には、熱可塑性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアセタールのホモポリマーまたはコポリマー(POM-HまたはPOM-C)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、またはこれらのポリマーのうちの少なくとも2つの混合物から成る群から選択されており、これらのポリマーには、炭酸カルシウム、カオリン、カーボンブラック、炭素繊維、水酸化アルミニウム、アルミナ三水和物、タルク、ドロマイト、バリウムフェライト、ウォラストナイト、木粉、ガラス繊維、ナノクレイ、デンプン(結晶質および非晶質)、硫酸カルシウム、ガラス球、マイカ、シリカ、長石、ネフェリン、グラファイト、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の充填材、またはこれらの充填剤のうちの少なくとも2つの混合物が充填されていてもよい。特に好適なのは、ポリプロピレンまたは上述した充填剤のうちの1つが充填されたポリプロピレンの使用である。また、オレフィンコポリマー、環状オレフィンポリマーまたはこれらの混合物から成る群から選択されたポリマーも適している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第14の実施形態であり、好適には本発明の第1から第13の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0029】
|15| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、射出成形、3D印刷またはこれらのアプローチの組合せにより一体に成形されている。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第15の実施形態であり、好適には本発明の第1から第14の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0030】
|16| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、
-保持構造体に、それぞれ重量moを有するn個の空の一次包装容器が装填されている場合に、
-m1が、空の保持構造体の重量である場合、
m1/(n×mo)は、0.24未満、好適には0.22未満、より好適には0.20未満、より好適には0.18未満、さらに好適には0.15未満、最も好適には0.12未満である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第16の実施形態であり、好適には本発明の第1から第15の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0031】
|17| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、蒸気滅菌前に本明細書に開示された方法により特定された2.0mm未満、好適には1.0mm未満、より好適には0.5mm未満の反りを特徴とする。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第17の実施形態であり、好適には本発明の第1から第16の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。この反りは、例えば3D印刷、射出成形またはこれらのアプローチの組合せにより準備された後の(空の)保持構造体の曲げに相当する。
【0032】
|18| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、122℃で22分間蒸気滅菌された後に本明細書に開示された方法により特定された4.0mm未満、好適には2.0mm未満、より好適には1.0mm未満の反りを特徴とする。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第18の実施形態であり、好適には本発明の第1から第17の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0033】
|19| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、本明細書に開示された方法により特定された1%未満、好適には0.5%未満、最も好適には0.1%未満の膨張限界を特徴とする。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第19の実施形態であり、好適には本発明の第1から第18の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0034】
|20| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持構造体は、蒸気により120~130℃、好適には121~128℃、より好適には122~125℃の範囲内の温度で10~60分間、好適には15~40分間、より好適には20~30分間滅菌された滅菌保持構造体である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第20の実施形態であり、好適には本発明の第1から第19の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0035】
|21| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、保持され得る(または第6の好適な実施形態の場合には保持構造体により保持される)一次包装容器は、シリンジ本体、バイアル、アンプルおよびカートリッジから成る群から選択された容器であり、この場合、シリンジ本体が特に好適である。これに関連して、一次包装容器、好適にはシリンジ本体は、ガラスまたはポリマーを基礎としており、好適にはガラスまたはポリマーから製造されている(したがってガラスシリンジ本体である)ことも好適である。より好適には、一次包装容器はガラスシリンジ本体であり、その遠位端部には、放出開口が形成されており、反対側の端部には、充填後にプランジャまたはストッパを収容するための充填開口が形成されており、この反対側の端部には、拡張されたフランジが設けられている。これに関連して、シリンジ本体、好適にはガラスシリンジ体またはポリマーシリンジ本体は、本発明による保持構造体の収容部内に逆さに収容されていることも好適であり、この場合、拡張されたフランジが、側壁の上端部の上に位置している。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第21の実施形態であり、好適には本発明の第1から第20の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0036】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第1の特別な実施形態では、一次包装容器は、ガラスシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、0.3~0.7mlの範囲内、好適には0.4~0.6mlの範囲内、より好適には0.45~0.55mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、64~84mmの範囲内、好適には68~80mmの範囲内、より好適には72~76mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、5~9mmの範囲内、好適には6~8mmの範囲内、より好適には6.5~7.5mmの範囲内の外径ODを有している。
【0037】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第2の特別な実施形態では、一次包装容器は、ガラスシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、0.9~1.1mlの範囲内、好適には0.95~1.05mlの範囲内、より好適には0.99~1.01mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、70~90mmの範囲内、好適には75~85mmの範囲内、より好適には78~82mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、7~9mmの範囲内、好適には7.5~8.5mmの範囲内、より好適には7.8~8.2mmの範囲内の外径ODを有している。
【0038】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第3の特別な実施形態では、一次包装容器は、ガラスシリンジ本体またはポリマーシリンジ本体、特にTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、0.3~1.5mlの範囲内、好適には0.4~1.3mlの範囲内、より好適には0.5~1.0mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、40~85mmの範囲内、好適には50~80mmの範囲内、より好適には54~73mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、8~12mmの範囲内、好適には9~11.5mmの範囲内、より好適には9.4~11mmの範囲内の外径ODを有している。
【0039】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第4の特別な実施形態では、一次包装容器は、ポリマーシリンジ本体、特にTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、1.8~3.5mlの範囲内、好適には2~3.3mlの範囲内、より好適には2.2~3mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、63~83mmの範囲内、好適には68~78mmの範囲内、より好適には72~74mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、10.5~12.5mmの範囲内、好適には11~12mmの範囲内、より好適には11.4~11.6mmの範囲内の外径ODを有している。
【0040】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第5の特別な実施形態では、一次包装容器は、ガラスシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、2.5~3.5mlの範囲内、好適には2.8~3.2mlの範囲内、より好適には2.9~3.1mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、75~95mmの範囲内、好適には80~90mmの範囲内、より好適には83~87mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、13~16mmの範囲内、好適には14~15mmの範囲内、より好適には14.4~14.6mmの範囲内の外径ODを有している。
【0041】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第6の特別な実施形態では、一次包装容器は、ポリマーシリンジ本体、好適にはTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、3~12mlの範囲内、好適には4~11mlの範囲内、より好適には5~10mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、95~115mmの範囲内、好適には100~112mmの範囲内、より好適には104~108mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、13~17mmの範囲内、好適には14~16mmの範囲内、より好適には14.8~15.2mmの範囲内の外径ODを有している。
【0042】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第7の特別な実施形態では、一次包装容器は、ポリマーシリンジ本体、好適にはTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、15~25mlの範囲内、好適には15.5~22.5mlの範囲内、より好適には19~21mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、95~115mmの範囲内、好適には100~112mmの範囲内、より好適には104~108mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、16~20mmの範囲内、好適には17~19mmの範囲内、より好適には17.8~18.2mmの範囲内の外径ODを有している。
【0043】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第8の特別な実施形態では、一次包装容器は、ポリマーシリンジ本体、好適にはTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、15~25mlの範囲内、好適には15.5~22.5mlの範囲内、より好適には19~21mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、115~140mmの範囲内、好適には120~135mmの範囲内、より好適には125~130mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、19~23mmの範囲内、好適には20~22mmの範囲内、より好適には21.4~21.8mmの範囲内の外径ODを有している。
【0044】
本発明による保持構造体1の上述した第21の実施形態の第9の特別な実施形態では、一次包装容器は、ポリマーシリンジ本体、好適にはTopPac(登録商標)(Schott,Germany)等の環状オレフィンコポリマー(COC)から製造されたシリンジ本体であり、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)シリンジ本体は、40~60mlの範囲内、好適には45~55mlの範囲内、より好適には48~52mlの範囲内の公称容量を有している、
ii)シリンジ本体は、125~150mmの範囲内、好適には130~145mmの範囲内、より好適には134~140mmの範囲内の胴長GLを有している、
iii)シリンジ本体は、28~35mmの範囲内、好適には30~33mmの範囲内、より好適には31~32mmの範囲内の外径ODを有している。
【0045】
|22| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、nは少なくとも20である。これに関連して、特に好適には、nは、20、30、42、64、100および160から成る群から選択されている。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第22の実施形態であり、好適には本発明の第1から第21の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0046】
|23| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、収容部内の一次包装容器をセンタリングするための位置決めリブが、収容部の側壁に設けられており、これらの位置決めリブは、収容部内へ半径方向内向きに突出しておりかつ収容部の長手方向に延びている。好適には、これらの位置決めリブは便宜上、側壁の周に沿って互いに同一の角度間隔で、つまり特に点対称の配置で配分されている。位置決めリブにより形成される内部の最大幅w1は、収容される容器の最大幅または最大外径よりもやや大きくなっており、これにより容器は、これらが上方から収容部内へ垂直に挿入される間に摩擦無しで、または任意の速度で最小限の摩擦を伴って収容部内へ滑り込み、このようにしてセンタリング位置に案内される。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第23の実施形態であり、好適には本発明の第1から第22の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0047】
|24| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態では、n個の収容部のうちのm個は、保持構造体の平面図において平行四辺形の形状、好適には正方形の形状または菱形の形状、より好適には菱形の形状を有しており、m≦nの最も密集した詰込み密度で配置されている。これに関連して、特に好適には、収容部は、ひし形の形状を有しており、横または縦に相並んで配置された収容部がひし形の共通の角隅部を共有しており、かつ対角線上に相並んで配置された収容部が共通の辺を共有しているように配置されている。対角線上に相並んで配置された収容部の側壁は、好適には外枠内に所定の(第1または第2の)方向に延びている同一のウェブにより形成されている。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第24の実施形態であり、好適には本発明の第1から第23の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0048】
本発明による保持構造体1の上述した第24の実施形態の第1の特別な実施形態では、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)n個の収容部のうちのm個は、正方形の形状を有している、
ii)n=42である、
iii)m=20である、
iv)m1(空の保持構造体の重量)は、60~80gの範囲内、好適には64~75gの範囲内、より好適には67~71gの範囲内である。
【0049】
本発明による保持構造体1の上述した第24の実施形態の第2の特別な実施形態では、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)n個の収容部のうちのm個は、ひし形の形状を有している、
ii)n=64である、
iii)m=42である、
iv)m1は、60~80gの範囲内、好適には63~75gの範囲内、より好適には66~70gの範囲内である。
【0050】
本発明による保持構造体1の上述した第24の実施形態の第3の特別な実施形態では、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)n個の収容部のうちのm個は、ひし形の形状を有している、
ii)n=100である、
iii)m=80である、
iv)m1は、60~100gの範囲内、好適には70~90gの範囲内、より好適には80~86gの範囲内である。
【0051】
本発明による保持構造体1の上述した第24の実施形態の第4の特別な実施形態では、以下の条件が満たされている。すなわち:
i)n個の収容部のうちのm個は、ひし形の形状を有している、
ii)n=160である、
iii)m=140である、
iv)m1は、70~110gの範囲内、好適には80~100gの範囲内、より好適には85~91gの範囲内である。
【0052】
|25| 本発明による保持構造体1の1つの別の好適な実施形態によれば、保持構造体はさらに、基底枠の複数の位置に貫通孔として形成された開口を有しており、これらの開口は特に、対応する位置決めペグまたは突起を有する保持構造体受け器の上で保持構造体を位置的に正確に配向し得る手段を可能にするための位置決め孔として用いることができ、このことは例えば、保持構造体に収容される一次包装容器の挿入(入れ子)、充填、閉鎖または除去(脱入れ子)中に有用である。この好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第25の実施形態であり、好適には本発明の第1から第24の実施形態のうちのいずれか1つに依存する。
【0053】
本発明に基づき、前記目的のうちの少なくとも1つの解決には、医薬、医療または美容組成物のための複数の一次包装容器を同時に保持する保持構造体2が寄与し、
保持構造体は、一次包装容器を収容するためのn個の収容部を有しており、nは、少なくとも10の値を有する整数であり、収容部は、周縁状に形成された側壁により形成されており、
保持構造体は、
-最大長さLxおよび最大幅Lyを有する平坦な基底枠であって、平坦な基底枠は、第1の側および第2の側を有しておりかつ長さL’xおよび幅L’yを有する中央凹部を有している、平坦な基底枠と、
-中央凹部にわたり第1の方向に互いに平行に延びている複数の第1のウェブと、
-中央凹部にわたり第2の方向に互いに平行に延びている複数の第2のウェブと
を有しており、
第1および第2のウェブは、これらが収容部の側壁を形成するように配置されており、n個の収容部のうちのm個は、保持構造体の平面図において平行四辺形の形状、好適には正方形の形状またはひし形の形状、より好適にはひし形の形状を有しており、m≦nの最も密集した詰込み密度で配置されている。これに関連して、特に好適には、収容部は、ひし形の形状を有しており、横または縦に相並んで配置された収容部がひし形の共通の角隅部を共有しており、かつ対角線上に相並んで配置された収容部が共通の辺を共有しているように配置されている。対角線上に相並んで配置された収容部の側壁は、好適には外枠内に所定の(第1または第2の)方向に延びている同一のウェブにより形成されている。
【0054】
この保持構造体の好適な実施形態は、本発明による保持構造体1の第1から第25の実施形態のいずれか1つに関連して上述した各特徴を特徴とする。
【0055】
本発明に基づき、前記目的のうちの少なくとも1つの解決には、本発明による複数の保持構造体1または2、好適には上述した第1から第25の実施形態のいずれか1つによる複数の保持構造体1も寄与し、空の状態の各保持構造体は、本明細書に開示された方法により特定された撓みD0を有しており、複数の保持構造体における撓みD0の分散Var[D0]は、0.1未満、好適には0.05未満、より好適には0.01未満である。
【0056】
撓みD
0の分散Var[D
0]は、好適には、
【数1】
と定義され、この場合、
-Nは、複数の保持構造体における保持構造体の数であり、
-D
0iは、複数の保持構造体における1つの所定の保持構造体の撓みであり、
【数2】
は、複数の保持構造体における撓みD
0の算術平均(アベレージ)値である。
【0057】
本発明の意味における「複数の保持構造体」には、好適には少なくとも10の保持構造体、好適には少なくとも25の保持構造体、より好適には少なくとも50の保持構造体、さらに好適には少なくとも75の保持構造体、最も好適には少なくとも100の保持構造体が含まれる。さらに、複数の保持構造体は、好適には任意に集められたものであり、特に何らかの特性に関して選択されてはいない。
【0058】
複数の保持構造体の1つの好適な実施形態では、各保持構造体は、最大400gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に埋められた収容部が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された撓みDを有しており、この場合、複数の保持構造体における撓みDの分散Var[D]は、0.1未満、好適には0.05未満、より好適には0.01未満である。
【0059】
複数の保持構造体の1つの別の好適な実施形態では、各保持構造体は、最大800gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に充填された受容体が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された撓みD’を有しており、この場合、複数の保持構造体における撓みD’の分散Var[D’]は、0.1未満、好適には0.05未満、より好適には0.01未満である。
【0060】
複数の保持構造体の1つの別の好適な実施形態では、各保持構造体は、最大1100gの総重量を有するn個の空のまたは少なくとも部分的に充填された受容体が装備されている場合、本明細書に開示された方法により特定された撓みD’’を有しており、この場合、複数の保持構造体における撓みD’’の分散Var[D’’]は、0.1未満、好適には0.05未満、より好適には0.01未満である。
【0061】
本発明に基づき、前記目的のうちの少なくとも1つの解決には、医薬、医療または美容用途のための物質用の複数の一次包装容器が収容された輸送または包装用コンテナも寄与し、この場合、輸送または包装用コンテナは箱形構成であり、複数の一次包装容器を保持している本発明による保持構造体1または2、好適には上述した第1から第25の実施形態のいずれか1つによる保持構造体1が、箱形の輸送または包装用コンテナ内に収容されており、これにより、複数の一次包装容器は、輸送または包装用コンテナ内に保持されている。これに関連して特に好適には、輸送または包装用コンテナは、特にガス透過性のプラスチックフィルムにより、特にガス透過性のプラスチック繊維編物から形成された、特にTyvek(登録商標)フィルムであるプラスチックフィルムにより閉鎖または封止されており、これにより、ガス透過性のプラスチックフィルムを介したガスの流入による一次包装容器の滅菌が可能になる。
【0062】
滅菌輸送および保管のためにはさらに、上述したような少なくとも1つの輸送ユニット、または上述したような少なくとも1つの輸送または包装用コンテナを有しておりかつその中に容器または器具が収容された無菌包装構造体を提供することができ、この場合、少なくとも1つの輸送ユニットまたは少なくとも1つの輸送または包装用コンテナは、少なくとも1つの滅菌外装袋に収容されておりかつ周囲に関して滅菌されて包装されている。この場合、少なくとも1つの滅菌外装袋は、特に例えばポリプロピレン繊維(PP)等のプラスチック繊維編物により形成されたガス透過性の部分を有していてもよい。
【0063】
本発明に基づき、前記目的のうちの少なくとも1つの解決には、医薬、医療または美容組成物用の複数の一次包装容器を保持する、本発明による保持構造体1または2、好適には上述した第1から第25の実施形態のいずれか1つによる保持構造体1の使用も寄与する。
【0064】
測定方法
以下の測定方法は、本発明に関連して使用され得る。特に明記しない限り、測定は、周囲温度23℃、周囲空気圧100kPa(0.986atm)、および相対大気湿度50%で行わなければならない。
【0065】
撓みの測定
撓みD0,D,D’およびD’’は、ISO 11040-7の附属書B(第1版;2015-04-01)に記載されたように測定された。
【0066】
測定のために、保持構造体は、保持構造体をそれぞれの角において支持するホルダに配置された(
図11Aおよび
図11B参照)。
【0067】
ホルダは、プレート114の角隅部に配置された4本の直径1.5cmの支柱115を有している。支柱115は、(空のまたは収容部で埋められた)保持構造体100が角隅部でもって4本の支柱115の上に配置されている場合に各支柱115が1.7cmのより長い外縁に対して横方向の距離yを有しておりかつ1.35cmのより短い外縁に対して縦方向の距離xを有するように離隔されている(
図11B参照)。まず、支柱115に載置された保持構造体100の角隅部における高さh1が、
図11Bに示すように円に十字で表された点において深さゲージにより測定される(h1は4つの測定点の平均値に相当する)。次いで、支持構造体100の第2の側104bの幾何中心における高さh2が深さゲージで測定され、これによりこの測定点も、
図11Bでは円に十字で表されている。歪みは、|h1-h2|として求められた、高さの差に相当する。高さが測定され得る保持構造体の幾何中心にウェブの部分が存在しない場合には、h2を測定するために、支持構造体100の第2の側104bの幾何中心に最も近いウェブの点が選択される。
【0068】
反りの測定
反りは、撓みを測定するために使用される設定により測定された。
【0069】
以下に、別の特徴、利点および達成すべき目的を示す添付の図面を参照すると共に例を用いて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本発明による保持構造体100の1つの好適な実施形態を示す立体平面図である。
【
図2】20個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を用いた最大うねりw
maxの測定を示す図である。
【
図3】本発明による保持構造体100により保持され得るシリンジ200を示す側面図である。
【
図4】シリンジ本体200を保持している本発明による保持構造体100を示す側面図である。
【
図5】20個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図6】30個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図7】42個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図8】64個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図9】100個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図10】160個の一次包装容器を保持する本発明による保持構造体100を示す平面図である。
【
図11】
図11Aおよび
図11Bは、本発明による保持構造体100の撓みD’およびD’’を測定するための試験的な設定を示す図である。
【
図12】本発明による保持構造体100の撓みD’およびD’’の測定をさらに示す側面図である。
【0071】
図面において、同一の参照番号は、同一のまたは実質的に同一に作用する要素または要素群を表す。
【0072】
図1には、本発明による保持構造体100の1つの好適な実施形態が立体平面図で示されている。
図1に示すような保持構造体100は、一次包装容器200を収容するための64個の収容部101(そのうち42個はひし形の形状を有している)を有しており、収容部101は、周縁状に形成された側壁102により形成されている。
図1に示す好適な実施形態では、収容部101内の一次包装容器200をセンタリングするための位置決めリブ110が、収容部101の側壁102に設けられており、位置決めリブ110は、半径方向内向きに収容部101内へ突出しており、収容部101の長手方向に延びている。
図1に示す保持構造体100の好適な実施形態では、保持構造体100はさらに、平坦な基底枠104を有しており、基底枠104は、第1の側104aと第2の側(104b;
図1に示す図では見えていない)とを有しておりかつ中央凹部105を有している(この中央凹部は、平坦な基底枠内の白色の領域に相当し、外枠108にわたり延在している第1および第2のウェブ106,107により部分的に覆われているため、完全には見えていない。ただし中央凹部105は、
図5に示すような保持構造体ではより良く見えている)。保持構造体100はさらに、外枠108を有しており、外枠108は、第1の側104a、第2の側104bまたは両方の側104a,104bにおいて平坦な基底枠104から突出しており(
図1において基底枠は、平坦な基底枠の第1の側104aから突出しているだけに過ぎない)、かつ平坦な基底枠104に結合されており、これにより外枠108は、基底枠104の中央凹部を取り囲んでいる。保持構造体はさらに、外枠108内で第1の方向に互いに平行に延びる複数の第1のウェブ106であって、各第1のウェブ106は、それぞれの端部において外枠108に結合されている、複数の第1のウェブ106と、外枠108内で第2の方向に互いに平行に延びる複数の第2のウェブ107であって、各第2のウェブ107も、それぞれの端部において外枠108に結合されている、複数の第2のウェブ107とを有している。
図1に見られるように、第1および第2のウェブ106,107は、収容部101の側壁102を形成するように配置されており、この場合、64個の収容部101のうち42個は、保持構造体100の平面図で見ると、ひし形の形状を有しており、最も密集した詰込み密度で配置されている。このような最も密集した詰込み密度は、縦方向(または横方向)に相並んで配置された各収容部101aが平行四辺形(
図1に示す保持構造体の場合はひし形)の共通の角隅部109を共有しており、かつ対角線上に相並んで配置された収容部101bが平行四辺形の共通の辺110を共有していることを特徴とする。
【0073】
図1にも示すように、本発明による保持構造体はさらに、安定化部材111を有していてもよく、安定化部材111を介して、外枠108は平坦な基底枠104に結合されている。好適には、これらの安定化部材111は翼の形状であり、安定化部材111の一方の側において外枠108の縁部108a,108b,108cおよび108dに結合されておりかつ、安定化部材111の隣の側において平坦な基底枠に結合されている。これに関して、外枠108の各縁部108a,108b,108c,108dが、少なくとも2つのこのような安定化部材111を介して平坦な基底枠104に結合されていることも好適である。
図1にも見られるように、保持構造体100はさらに、保持構造体100を把持または案内することを可能にするアクセス開口112を含んでいてもよい。好適には、保持構造体は、保持装置100の互いに反対の側において平坦な基底枠104に凹設されたこのようなアクセス開口112を2つ有している。
【0074】
図2には、(
図5に示すような)20個の一次包装容器200を保持する本発明による保持構造体100を用いた最大うねりw
maxの測定が示されている。
図2に見られるように、w
maxを測定するために、互いに平行な2つの直線が、波状であってもよいウェブ(106,107)に当てられており、これにより、一方の直線は波の山においてウェブに接触しておりかつ他方の直線は波の谷においてウェブに接触している。「うねり」は、これら2つの直線の間の距離の1/2に相当する。
【0075】
図3には、本発明による保持構造体100により保持され得るシリンジ200が側面図で示されている。シリンジは、好適にはガラスシリンジ本体またはポリマーシリンジ本体201を有しており、その遠位端部には、放出開口202が形成されており、反対側の端部には、充填後にプランジャまたはストッパを収容するための充填開口203が形成されており、この反対側の端部には、拡張されたフランジ204が設けられている。
図2に示すシリンジにおいて、放出開口202はキャップ205により閉鎖されている。このようなシリンジは、Schott AG,Germanyで入手可能である(「syriQ(登録商標)Luer Lock SRC(登録商標)Syringe」または「syriQ(登録商標) Luer Lock OVS(登録商標)Syringe」または「syriQ(登録商標) Luer Cone Syringe」またはTopPac(登録商標)syringe)。ただし本発明による保持構造体100は、放出開口202に針を有するシリンジ(例えばSchott AG,Germanyで入手可能な「syriQ(登録商標)Staked Needle Syringe」または「syriQ(登録商標) BioPure(登録商標) Syringe」)を保持するためにも適しており、この場合、この針は、好適には適切なニードルキャップにより保護されている。
図3に見られるように、シリンジは、全長TL、胴長GL、内径ID、外径ODおよびフランジ厚さFTを特徴とする。
【0076】
図4には、シリンジ200を保持している本発明による保持構造体100が側面図で示されている。この図に見られるように、好適には、シリンジ200は、本発明による保持構造体100の収容部101内に逆さに収容されており、この場合、拡張されたフランジ204が、第1および第2のウェブ106,107により形成された側壁102の上端部の上に位置している。
【0077】
図5には、20個の一次包装容器200、好適には20本のシリンジを保持している本発明による保持構造体100が平面図で示されている。(収容部101の側壁102がうねりを全く(またはほぼ)有さない連続する直線的なウェブ106,107により形成された)
図7、
図8、
図9および
図10に示す保持構造体とは対照的に、ここでは側壁102が、中央がやや膨らんで湾曲したウェブの形状で設計されており、ウェブは、チェスのように中央凹部105内に延びた安定化リブ113の内側に約45°の角度で延びている。
【0078】
図6には、30個の一次包装容器200、好適には30本のシリンジを保持している本発明による保持構造体100が平面図で示されている。
図5に示した保持構造体100のように、側壁102も、中央がやや膨らんで湾曲したウェブの形状で設計されている。ただし、収容部101の側壁102を形成しているウェブ106,107のうねりは、
図5に示した保持構造体と比較してそれほど顕著ではない。しかしながら、
図5に示した設計とは対照的に、ウェブ106,107は、外枠108の内側に延びている。
図1、
図8、
図9および
図10に示す保持構造体100に対するさらなる相違点として、
図6に示す保持構造体100内の収容部101は、最も密集した詰込み密度では配置されていない。
【0079】
図7には、42個の容器を保持する本発明による保持構造体100が示されている。
図5および
図6に示した設計とは対照的に、収容部101の側壁102は、外枠108の内側に延びていて全く(またはほぼ)うねりを有さない連続する直線的なウェブ106,107により形成されている。
図7に示す実施形態では、収容部は正方形の形状を有しており、この場合も-
図6と同様に-保持構造体100内の収容部101は、最も密集した詰込み密度では配置されていない(なぜならば、保持構造体は、内側に位置決めリブ103が配置されていない、一次包装容器200を収容することを意図していない正方形の凹部を含んでいるからである)。
【0080】
図8、
図9および
図10には、64個(
図8)、100個(
図9)および160個(
図10)の一次包装容器200を保持する本発明による特に好適な保持構造体100が平面図で示されている。これらの図に見られるように、保持構造体100は、外枠108内で第1の方向に(すなわち左下から右上に向かって)互いに平行に延びている複数の第1のウェブ106を有しており、この場合、第1のウェブ106はそれぞれ、その各端部において外枠108に結合されている。保持構造体100はさらに、外枠108内で第2の方向に(すなわち右下から左上に向かって)互いに平行に延びている複数の第2のウェブ107を有しており、この場合、第2のウェブ107もそれぞれ、その各端部において外枠108に結合されている(
図8、
図9および
図10では、これらの第1および第2のウェブのうちの-太線で示した-1つだけが、その参照番号により識別される)。
図8、
図9および
図10に見られるように、第1および第2のウェブ106,107は、これらが収容部101の側壁102を形成するように配置されており、この場合、収容部101のうちの少なくともいくつかは、保持構造体100の平面図においてひし形の形状を有しており、最も密集した詰込み密度で配置されている。
【0081】
図11A、
図11Bおよび
図12には、本発明による保持構造体100の撓みD,D’およびD’’を測定するための試験的な設定が示されている。看取されるように、保持構造体100の撓みを測定するための装置は、ベースプレート114と、4本の支柱115とを有するホルダであり、支柱115の上に保持構造体100が4つの角隅部のところで配置されている。測定のために、保持構造体100はホルダの上に配置されている。深さゲージを用いて、保持構造体100の中央と4つの角隅部との間の高さの差が測定された。
【0082】
図13Aには、従来技術から周知の保持構造体(
図13Bに図示)の撓みD,D’およびD’’が示されており、この保持構造体は、所定の最大うねりw
maxを有する連続したはり部材の形状の第1および第2のウェブを有してはおらず、この場合、第1および第2のウェブは、これらが収容部(
図13Aの左側;n=30)の側壁および
図6に示したような本発明による保持構造体100(n=30;w
max=2mm)の側壁を形成するように配置されている。両ネストには、30本の空シリンジ(追加シリンジ重量=413g)、半充填シリンジ(追加シリンジ重量=800g)または完全充填シリンジ(追加シリンジ重量=1100g)が充填される。使用されるシリンジは、syriQ(登録商標) Luer Lock TC Sylinge、20ml(Schott AG,Germany)である。
図13Aに見られるように、うねりの低減は、ネストに空シリンジ、半充填シリンジまたは完全充填シリンジが充填されている場合に、ネストの撓みを大幅に低下させるために役立つ。
【符号の説明】
【0083】
100 保持構造体
101 収容部
101a 縦または横に相並んで配置された収容部
101b 対角線上に相並んで配置された収容部
102 収容部を形成する側壁
103 位置決めリブ
104 第1の側104aおよび第2の側104bを有する平坦な基底枠
104a 基底枠104の第1の側
104b 基底枠104の第2の側
105 中央凹部
106 第1のウェブ
107 第2のウェブ
108 外枠
108a 外枠108の上縁部
108b 外枠108の下縁部
108c 外枠108の第1の側縁部
108d 外枠108の第2の側縁部
109 共通の角隅部
110 共通の辺
111 安定化部材
112 アクセス開口
113 安定化リブ
114 ベースプレート
115 保持構造体が角隅部において配置される支柱
116 保持構造体の高さを測定するための測定点
200 保持構造体により保持され得る容器、好適にはシリンジ、より好適には即時使用可能なプレフィルドシリンジ
201 シリンジ本体
202 放出開口
203 充填開口
204 フランジ
205 閉鎖システム、好適にはキャップ
【外国語明細書】