(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065414
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】神経への治療用薬剤の投与のための流体コンテインメントフィールドを生成させるデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
A61M37/00 560
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023017539
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2020504404の分割
【原出願日】2018-07-24
(31)【優先権主張番号】62/537,388
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520028807
【氏名又は名称】ニューラプティブ・セラピューティクス,インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】Two Logan Square,100 N.18th St.,Suite 1930,Philadelphia,PA 19103,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【復代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・エム.・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・トレビノ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・エー.・ホフマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】神経治療デバイスを提供する。
【解決手段】治療デバイス100は、吻合部の周りに流体コンテインメントフィールドを生成させるためのコンテインメントチャンバ106を含むことが可能である。デバイスは、神経を受け入れるように設計されたデバイスの対向する端壁の中に、スリット128、スロット、および/またはアパーチャを有することが可能である。デバイスは、オープンバス構成を有することが可能であり、または、クローズドバス構成を生成させるために、分離可能な下側本体部および上側本体部を含むことが可能である。デバイスは、流体を導入および/または除去するために、コンテインメントチャンバと流体連通している1つまたは複数の流体ポートを含むことが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの前記第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記第1の端壁は、前記第1の端壁を通って前記上部表面から前記第1のアパーチャへ延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記第2の端壁を通って前記上部表面から前記第2のアパーチャへ延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して前記第1のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して前記第2のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
【請求項2】
前記第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを備え、前記第1のフランジは、前記第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第1のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されている、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項3】
前記第1の端壁の前記可撓性の部分は、第2のフランジを備え、前記第2のフランジは、前記第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第2のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されており、前記第1および第2のフランジの前記遠位縁部が、前記第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている、請求項2に記載の神経治療デバイス。
【請求項4】
前記第1および第2のアパーチャは、前記第1および第2の端壁の中に位置決めされており、前記上部表面とは反対側の前記第1および第2のアパーチャの底部が、前記コンテインメントチャンバのフロアの上方に高くされるようになっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項5】
前記コンテインメントチャンバは、前記第1および第2のアパーチャの前記底部を前記コンテインメントチャンバの前記フロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を備え、前記ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、前記神経の前記隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成されている、請求項4に記載の神経治療デバイス。
【請求項6】
前記コンテインメントチャンバは、前記体積の流体を保つように構成されており、前記流体が、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って前記神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項7】
前記アクセスエリアの幅は、前記第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、前記第2のアパーチャの幅よりも大きくなっている、請求項1から6のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項8】
前記第1および第2のアパーチャは、円形になっている、請求項1から7のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項9】
前記第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において前記神経の直径よりもわずかに小さい直径を備え、前記第1および第2のアパーチャが、前記第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの前記神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている、請求項1から8のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項10】
前記第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項11】
前記細長い本体部の底部表面は、概して丸みを帯びている、請求項1から10のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項12】
前記細長い本体部の底部表面の少なくとも一部分は平坦化されており、前記神経治療デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている、請求項1から11のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項13】
前記第1の端壁は、卵形の一部分に対応するプロファイル形状を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項14】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加しており、前記前方端部および前記後方端部は、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在している、請求項1から13のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項15】
前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていない、請求項1から14のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項16】
前記細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作される、請求項1から15のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項17】
前記細長い本体部は、シリコーンを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項18】
前記シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備える、請求項17に記載の神経治療デバイス。
【請求項19】
前記細長い本体部から横方向に延在するハンドルをさらに備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項20】
前記ハンドルは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間の前記神経治療デバイスの後方側部から延在している、請求項19に記載の神経治療デバイス。
【請求項21】
前記ハンドルは、細長い本体部を備える、請求項19または20に記載の神経治療デバイス。
【請求項22】
前記ハンドルは、テクスチャ加工された表面を備える、請求項19から21のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項23】
前記ハンドルは、前記細長い本体部の前記上部表面と同一平面になっている上部表面を備える、請求項19から22のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項24】
前記ハンドルは、後方方向に水平方向に延在している、請求項19から23のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項25】
前記ハンドルは、上向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、請求項19から24のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項26】
前記ハンドルは、下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、請求項19から25のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項27】
前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の上方に位置決めされている、請求項19から26のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項28】
前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の下方に位置決めされている、請求項19から26のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項29】
前記ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を備える、請求項19から28のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項30】
前記第1のスリットは、前記第1のアパーチャを二分しており、前記第2のスリットは、前記第2のアパーチャを二分している、請求項19から29のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項31】
前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、それぞれ、前記細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、前記第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされている、請求項19から30のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項32】
前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、前記細長い本体部の前方端部の方に水平方向に配設されている、請求項19から30のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項33】
前記第1のスリットは、前記コンテインメントチャンバの内側前方表面を前記第1の端壁の内側表面から分割しており、前記第2のスリットは、前記コンテインメントチャンバの前記内側前方表面を前記第2の端壁の内側表面から分割しており、前記第1のスリットと前記第2のスリットとの間に形成された前記細長い本体部の前方壁部が、前記第1の幅および前記第2の幅を増加させるように前方方向に付勢されるように構成されるようになっている、請求項32に記載の神経治療デバイス。
【請求項34】
前記第1のスリットは、前記第1のアパーチャの前方縁部に交差しており、前記第2のスリットは、前記第2のアパーチャの前方縁部に交差している、請求項32または33に記載の神経治療デバイス。
【請求項35】
前記細長い本体部の前方壁部は、前記コンテインメントチャンバに向けて下向きに傾斜する前記上部表面の上に角度付きの縁部を備える、請求項1から34のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項36】
前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを備え、流体は、前記流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、請求項1から35のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項37】
前記第2の開口部は、前記細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成されている、請求項36に記載の神経治療デバイス。
【請求項38】
流体ポートが、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを備える、請求項36または37に記載の神経治療デバイス。
【請求項39】
流体ポートが、前記細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在している、請求項36から38のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項40】
前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを備え、流体は、前記第2の流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、請求項36から39のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項41】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記コンテインメントチャンバの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの前記第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の長さに延在するスプリットによって少なくとも部分的に分割されており、前記スプリットは、前記細長い本体部の前方側部から内向きに前記第1および第2のアパーチャへ延在しており、前記スプリットは、前記下側本体部の上部表面と、前記下側本体部の底部表面とを画定しており、
前記下側本体部と前記上側本体部との間の分離距離は、前記スプリットに沿って増加され得、前記細長い本体部が、前記スプリットを通して前記第1および第2のアパーチャの中へ前記神経を受け入れるように構成されるようになっており、
前記下側本体部および上側本体部は、閉構成において、前記神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている、神経治療デバイス。
【請求項42】
前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の後方側部において一緒に接合されている、請求項41に記載の神経治療デバイス。
【請求項43】
前記下側本体部および前記上側本体部は、可撓性のヒンジによって一緒に接合されている、請求項42に記載の神経治療デバイス。
【請求項44】
前記可撓性のヒンジは、リビングヒンジである、請求項43に記載の神経治療デバイス。
【請求項45】
前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の前記後方側部において一体になっている、請求項42に記載の神経治療デバイス。
【請求項46】
前記細長い本体部は、周囲部を画定する側壁部を備える概してチューブ状の本体部を備え、前記スプリットは、前記前方側部に沿って前記側壁部を通って延在しており、前記周囲部は、前記スプリットの長さに沿って開けることができ、前記側壁部は、前記後方側部に沿って中断されていない、請求項45に記載の神経治療デバイス。
【請求項47】
前記スプリットは、前記第1のアパーチャまたは前記第2のアパーチャの後方に延在していない、請求項42または45に記載の神経治療デバイス。
【請求項48】
前記上側本体部は、前記下側本体部から完全に分離可能である、請求項41に記載の神経治療デバイス。
【請求項49】
前記コンテインメントチャンバの前記空隙容積は、前記下側本体部および前記上側本体部の中に形成されている、請求項41から48のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項50】
前記コンテインメントチャンバの前記空隙容積は、完全に前記下側本体部の中に形成されており、前記上側本体部は、前記空隙容積の中へ開口する前記下側本体部の前記上部表面の中に形成されたアクセスエリアを封止するように構成されている、請求項41から48のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項51】
前記第1の端壁は、平坦になっている、請求項41から50のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項52】
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、切頭円錐状の形状を備え、前記第1のアパーチャは、前記切頭円錐状の形状の頂点を形成している、請求項41から50のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項53】
前記第1の端壁は、側壁部を備え、前記側壁部は、前記側壁部が前記切頭円錐状の形状の前記頂点に向けて延在するにつれて減少する厚さを有する、請求項52に記載の神経治療デバイス。
【請求項54】
前記下側本体部は、第1のロッキング特徴を備え、前記上側本体部は、第2のロッキング特徴を備え、前記第2のロッキング特徴は、前記第1のロッキング特徴に係合し、前記閉構成において、前記下側本体部および前記上側本体部を一緒にロックするように構成されている、請求項41から53のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項55】
前記第1および第2のロッキング特徴は、締まり嵌めを形成するために一緒に嵌合するように構成されているリッジおよびトレンチを備える、請求項54に記載の神経治療デバイス。
【請求項56】
前記神経治療デバイスは、下側リップと、上側リップとをさらに備え、前記スプリットは、前記下側リップと前記上側リップとの間に延在しており、前記下側リップおよび前記上側リップは、固定メカニズムを受け入れ、前記下側本体部および前記上側本体部を閉構成に維持するように構成されている、請求項41から55のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項57】
前記下側リップおよび/または前記上側リップは、溝部を備え、前記溝部は、前記リップの少なくとも部分的な長さに沿って延在し、前記固定メカニズムを保つ、請求項56に記載の神経治療デバイス。
【請求項58】
前記細長い本体部は、概して円筒状の形状を備える、請求項41から57のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項59】
前記コンテインメントチャンバは、前記第1および第2のアパーチャの底部を前記コンテインメントチャンバのフロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を備え、前記ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、前記神経の前記隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成されている、請求項41から58のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項60】
前記コンテインメントチャンバは、前記体積の流体を保つように構成されており、前記流体が、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って前記神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている、請求項41から59のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項61】
アクセスエリアの幅が、前記第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、前記第2のアパーチャの幅よりも大きくなっている、請求項41から60のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項62】
前記第1および第2のアパーチャは、円形になっている、請求項41から61のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項63】
前記第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において前記神経の直径よりもわずかに小さい直径を備え、前記第1および第2のアパーチャが、前記第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの前記神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている、請求項41から62のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項64】
前記第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合されている、請求項41から63のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項65】
前記細長い本体部の前記底部表面の少なくとも一部分は平坦化されており、前記神経治療デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている、請求項41から64のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項66】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加しており、前記前方端部および前記後方端部は、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在している、請求項41から65のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項67】
前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていない、請求項41から66のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項68】
前記細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作される、請求項41から67のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項69】
前記細長い本体部は、シリコーンを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項70】
前記シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備える、請求項69に記載の神経治療デバイス。
【請求項71】
前記細長い本体部から横方向に延在するハンドルをさらに備える、請求項41から70のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項72】
前記ハンドルは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間の前記神経治療デバイスの後方側部から延在している、請求項71に記載の神経治療デバイス。
【請求項73】
前記ハンドルは、細長い本体部を備える、請求項71または72に記載の神経治療デバイス。
【請求項74】
前記ハンドルは、テクスチャ加工された表面を備える、請求項71から73のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項75】
前記ハンドルは、前記細長い本体部の前記上部表面と同一平面になっている上部表面を備える、請求項71から74のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項76】
前記ハンドルは、後方方向に水平方向に延在している、請求項71から75のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項77】
前記ハンドルは、上向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、請求項71から76のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項78】
前記ハンドルは、下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、請求項71から77のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項79】
前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の上方に位置決めされている、請求項71から78のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項80】
前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の下方に位置決めされている、請求項71から78のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項81】
前記ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を備える、請求項71から80のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項82】
前記上側本体部は、接続アームを介して前記ハンドルに間接的に連結されており、前記接続アームは、閉構成と開構成との間で前記下側本体部および上側本体部を移動させるように操作され得る、請求項71から81のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項83】
前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、それぞれ、前記細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、前記第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされている、請求項41から82のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項84】
前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを備え、流体は、前記流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、請求項41から83のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項85】
前記第2の開口部は、前記細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成されている、請求項84に記載の神経治療デバイス。
【請求項86】
前記流体ポートは、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを備える、請求項84または85に記載の神経治療デバイス。
【請求項87】
前記流体ポートは、前記細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在している、請求項84から86のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項88】
前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを備え、流体は、前記第2の流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、請求項84から87のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項89】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第1のスロットを備え、前記第1のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第2のスロットを備え、前記第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第2の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第1および第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されている、神経治療デバイス。
【請求項90】
前記第1の端壁は、前記細長い本体部の前方側部、後方側部、および底部側部を形成する側壁部の縁部によって形成されており、前記端壁のいずれの部分も、前記コンテインメントチャンバの内側表面を形成しないようになっている、請求項90に記載の神経治療デバイス。
【請求項91】
前記長手方向軸線に対して横断方向の前記コンテインメントチャンバの幅は、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、請求項89または90に記載の神経治療デバイス。
【請求項92】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大深さを有する、請求項89から91のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項93】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの幅を横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記コンテインメントチャンバの前方側部と後方側部との間に最大深さを有する、請求項89から92のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項94】
前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦な表面を備えていない、請求項89から93のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項95】
前記長手方向軸線に対して横断方向の前記細長い本体部の幅は、前記細長い本体部の長さを横切って連続的に変化しており、前記細長い本体部は、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、請求項89から94のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項96】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第1の端壁を通って延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第2の端壁を通って延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
【請求項97】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの部分の底部へ延在している、請求項96に記載の神経治療デバイス。
【請求項98】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁を二分している、請求項96または97に記載の神経治療デバイス。
【請求項99】
前記第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを備え、前記第1のフランジは、前記第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第1のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されている、請求項96から98のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項100】
前記第1の端壁の前記可撓性の部分は、第2のフランジを備え、前記第2のフランジは、前記第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第2のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されており、前記第1および第2のフランジの前記遠位縁部が、前記第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている、請求項96から99のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項101】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁と前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの底部部分との間の交差部の少なくとも一部分に沿って延在している、請求項96から100のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項102】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記下側本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記下側本体部の上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記第1および第2の端部の底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記上側本体部は、前記コンテインメントチャンバの中に受け入れられ、前記コンテインメントチャンバの上側部分と流体封止を形成するように構成されており、前記上部表面のアクセスエリア全体が閉塞されるようになっており、
前記下側本体部および上側本体部は、閉構成において、前記神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている、神経治療デバイス。
【請求項103】
前記下側本体部は、前記神経治療デバイスが開構成になっているときに、前記上側本体部に接合されており、前記開構成では、前記コンテインメントチャンバは封止されていない、請求項102に記載の神経治療デバイス。
【請求項104】
前記下側本体部は、ヒンジによって前記上側本体部に接合されている、請求項103に記載の神経治療デバイス。
【請求項105】
前記ヒンジは、リビングヒンジである、請求項104に記載の神経治療デバイス。
【請求項106】
前記上側本体部は、下向きの第1のエクステンションを備え、前記第1のエクステンションは、前記神経の前記第1の端部の上方に前記第1のアパーチャの中に受け入れられるように構成されており、前記第1のエクステンションは、前記神経の前記第1の端部の上部部分の周りで前記第1のアパーチャを封止するように構成されており、前記第1のエクステンションは、前記コンテインメントチャンバの内側横方向表面を形成する、請求項102から105のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項107】
前記第1のエクステンションは、前記神経の形状に一致するように構成された凹形底部縁部を備える、請求項106に記載の神経治療デバイス。
【請求項108】
前記コンテインメントチャンバは、前記コンテインメントチャンバの深さに沿って垂直方向に延在する複数のサポートリブを備える、請求項102から107のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
【請求項109】
2つのサポートリブが、前記コンテインメントチャンバの前方内側表面および後方内側表面の上に互いに反対側に位置決めされており、前記サポートリブは、前記コンテインメントチャンバのフロアの上方に前記神経の前記隔離されたセグメントを支持するために間隔を置いて配置されている、請求項108に記載の神経治療デバイス。
【請求項110】
神経修復手順を実施するための送達デバイスであって、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
前記コンテインメントチャンバと流体連通しており、前記コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成されているポートと、
神経の周りへの前記送達デバイスの設置を容易にするように構成されている、前記細長い本体部から延在するハンドルと
を備える、送達デバイス。
【請求項111】
切断された神経を修復する方法であって、前記方法は、
軸索と軸索との接触が回復されるように、前記切断された神経を物理的に再接合することと、
前記再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することと、ここで、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
前記再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、を備え、
前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
ここにおいて、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置することは、前記再接合された神経を前記長手方向の開口部を通して前記コンテインメントチャンバの中へ導入することと、
融合溶液を前記コンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、前記再接合された神経を前記融合溶液の中で培養することによって、前記再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることと
を備える、方法。
【請求項112】
前記切断された神経を物理的に再接合する前に、Ca2+フリーの生理食塩水を備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートまたは培養することをさらに備える、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記プライミング溶液は、メチレンブルーを備える、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記プライミング溶液は、おおよそ1%(w/V)メチレンブルーを備える、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
Ca2+を含有する生理食塩水を備えるシーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することをさらに備える、請求項111から114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することは、前記コンテインメントチャンバの中で実施される、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することは、前記コンテインメントチャンバの外側で実施される、請求項115または116に記載の方法。
【請求項118】
前記シーリング溶液は、おおよそ0.02%(w/V)塩化カルシウム(CaCl2)を備える、請求項115から117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記切断された神経を物理的に再接合することは、前記切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することを備える、請求項111から118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記切断された神経を物理的に再接合することは、プライミング溶液の存在下で実施される、請求項111から119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
吸引によって前記コンテインメントチャンバから前記融合溶液を除去することをさらに備える、請求項111から120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記神経の周りから前記送達デバイスを除去することをさらに備える、請求項111から121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記融合溶液は、低分子量ポリエチレングリコール(PEG)を備える、請求項111から122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)以下である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)である、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記PEGは、5,000Da以下の平均分子量を有する低分子量PEGである、請求項123または124に記載の方法。
【請求項127】
前記PEGは、3,500Da以下の平均分子量を有する、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記PEGは、おおよそ3,350Daの平均分子量を有する、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記軸索を融合させる前に、前記再接合された神経の吻合部をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することをさらに備える、請求項111から128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記再接合された神経をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することは、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置した後に実施される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記送達デバイスは、前記コンテインメントチャンバと流体連通しているポートを備え、前記融合溶液を導入することは、前記ポートを通して前記コンテインメントチャンバの中へ前記融合溶液を導入することを備える、請求項111から130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記ポートは、前記コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成されている、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記神経は、2分以下にわたって前記融合溶液に露出される、請求項111から132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記神経は、2分以下にわたってプライミング溶液に露出される、請求項111から133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記神経は、2分以下にわたってシーリング溶液に露出される、請求項111から134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
切断された神経を修復する方法であって、前記方法は、
低張性のCa2+フリーの生理食塩水の中に1%(w/V)メチレンブルーを備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートすることと、
軸索と軸索との接触が回復されるように、前記プライミング溶液の存在下で、前記切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することによって、前記切断された神経を物理的に再接合することと、
前記再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することと、ここで、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
前記再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、を備え、
前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
ここにおいて、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置することは、前記再接合された神経を前記長手方向の開口部を通して前記コンテインメントチャンバの中へ導入することと、
融合溶液を前記コンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、前記再接合された神経を前記融合溶液の中で培養することによって、前記再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることと、ここで、前記融合溶液は、約50%(w/w)低分子量PEGを備えるものであり、
吸引によって前記コンテインメントチャンバから前記融合溶液を除去することと、
前記神経の周りから前記送達デバイスを除去することと、
等張性のCa2+を含有する生理食塩水を備える生理食塩水シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスすることによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することと
を備える、方法。
【請求項137】
請求項1から136のいずれか一項に記載の、神経治療デバイスおよび溶液のうちの1つまたは複数を備えるキット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]公知のデバイスは、1)神経の焦点領域への医薬品溶液の局所の(神経の上の)送達のための隔離された流体コンテインメントフィールド(fluid containment field)を生成させる機能;2)医薬品溶液への露出から、治療されるべき神経以外の組織を保護する機能;および、3)吻合部への損傷なしに神経に設置され得るおよび神経から引き出され得る設計を提供する機能を果たしていない。また、PEG融合法を使用して神経を修復するために、送達デバイスを順番に使用する方法を提供するものもない。
【0002】
[0002]以下の特許および公開された出願は、本分野に関係のあるものである可能性があり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている:米国特許出願公開第2005/0028828号明細書;米国特許出願公開第2003/0055414号明細書;米国特許出願公開第201/0035618号明細書;米国特許出願公開第2004/0172045号明細書;米国特許出願公開第2006/0259102号明細書;米国特許出願公開第2011/0257588号明細書;米国特許出願公開第2002/0107527号明細書;米国特許出願公開第2014/0107590号明細書;および、米国特許第3,628,524号明細書。
【発明の概要】
【0003】
[0003]ポリエチレングリコール融合法(PEG融合法)は、負傷した末梢神経および中枢神経の急性の修復に関する新たな技術である。負傷した末梢神経の修復は、カットされた端部を一緒に縫合して戻し、ブリッジングデバイスを挿入し、および、提供された神経のセグメントを植え付けることによって行われる。現在の修復のいずれも、機能および感覚を実際に回復させるものではなく、その代わりに、単に自然な神経の再生を容易にするに過ぎない。それとは対照的に、PEG融合法は、機能および感覚を即座に回復させるだけでなく、変性を防止し、遠位標的組織萎縮を阻止し、劇的に早く著しく改善された感覚および機能の回復をもたらす。
【0004】
[0004]PEG融合法は、神経束の中の切断された軸索を融合させて軸索の完全性を再構成する一連の医薬品の順次の投与から構成される。理論によって限定されることなく、PEG融合法は、脱水剤としてPEG(それは、高度に親水性である)を使用し、脱水剤は、細胞原形質膜の細胞外表面からの結合水の除去を引き起こし、露出されている細胞の原形質膜が一緒に融合することを推進する。これは、手術室の中で実施され、標準的治療(神経上膜を通した近位端部および遠位端部のマイクロ縫合(神経縫合術))に対する追加である。
【0005】
[0005]この方法の中のPEG投与ステップの間に使用されるPEGの濃度は、約50%(w/w)である可能性があり、修復されている神経に隣接する無関係の神経および組織への露出のリスクをもたらす可能性がある。高い濃度のPEGへの露出は、1)神経の電気生理学的な機能を破壊すること、および、2)他の軟部組織を壊死した状態にすることが示された。
【0006】
[0006]したがって、本明細書で企図されているデバイスは、有利には、1)たとえば、最近縫合された神経を妨害しないように、デバイスの設置を提供すること;2)縫合された神経を取り囲む流体コンテインメントフィールドを生成させること;3)負傷した縫合された神経セグメントの持続したおよび一貫した露出を提供すること;4)負傷していない神経のセグメントのPEGへの不必要な露出を防止すること;5)隣接する組織のPEGへの不必要な露出を防止すること;6)投与ステップの後に、PEGの便利で効率的な除去を提供すること;および/または、7)たとえば、最近融合された神経の中の最近融合された軸索を妨害しないように、デバイスの除去を提供することが可能である。
【0007】
[0007]本明細書で開示されている送達デバイスは、切断され、縫合され、およびPEG融合された神経の吻合部を横切る複合活動電位(CAP)を測定することによって、回復された神経を横切る電気生理学的な活動の回復の定性的なおよび/または定量的な評価を可能にすることができる。複合活動電位(CAP)は、たとえば、神経の中など、軸索の集団から細胞外で記録された累積的な電気信号を測定する。また、デバイスは、切断され、縫合され、およびPEG融合された神経の吻合部を横切る複合活動電位(CAP)を測定することによって、PEGの過度の露出(時間および/または濃度に関する)によって引き起こされる電気生理学的な活動の破壊の実証を可能にすることができる。たとえば、20分以上にわたって連続的な50%(w/w)PEGに露出された神経は、有害作用を示す可能性がある。デバイスの設計は、デバイス設置、PEGの投与、およびデバイス除去の間に、最小限の影響を神経に提供するように構成され得る。
【0008】
[0008]送達デバイスによるPEG融合の方法の他の用途は、負傷した脊柱神経の修復;同種移植、自家移植、および異種移植を含む、外傷によって切除されたセグメントの中への末梢神経のセグメントの植え付け;および、任意の他の適切な用途を含むことが可能である。
【0009】
[0009]本明細書で開示されているのは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスである。神経治療デバイスは、細長い本体部と、細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバとを含む。細長い本体部は、第1の端壁から第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在している。細長い本体部は、上部表面と、第1の端壁から第2の端壁へ延在する長手方向軸線とを有する。コンテインメントチャンバは、第1の端壁から第2の端壁へ延在しており、アクセスエリアを形成するために上部表面に交差する空隙容積を有する。アクセスエリアは、神経の隔離されたセグメントをコンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、コンテインメントチャンバは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されている。第1の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを含み、第2の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを含む。第1および第2のアパーチャは、それぞれ、神経の隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、神経の隔離されたセグメントの第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されている。第1の端壁は、第1の端壁を通って上部表面から第1のアパーチャへ延在する第1のスリットを含み、第2の端壁は、第2の端壁を通って上部表面から第2のアパーチャへ延在する第2のスリットを含む。第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、神経が第1のスリットを通して第1のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっている。第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、神経が第2のスリットを通して第2のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっている。
【0010】
[0010]第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを含むことが可能であり、第1のフランジは、第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有する。第1のフランジの遠位縁部は、第1のスリットによって画定され得る。第1の端壁の可撓性の部分は、第2のフランジを含むことが可能であり、第2のフランジは、第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有する。第2のフランジの遠位縁部は、第1のスリットによって画定され得、第1および第2のフランジの遠位縁部が、第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている。第1および第2のアパーチャは、第1および第2の端壁の中に位置決めされ得、上部表面とは反対側の第1および第2のアパーチャの底部が、コンテインメントチャンバのフロアの上方に高くされるようになっている。コンテインメントチャンバは、第1および第2のアパーチャの底部をコンテインメントチャンバのフロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を有することが可能である。ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、神経の隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成され得る。
【0011】
[0011]コンテインメントチャンバは、体積の流体を保つように構成され得、流体が、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている。アクセスエリアの幅は、第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、第2のアパーチャの幅よりも大きくなっていることが可能である。第1および第2のアパーチャは、円形になっていることが可能である。第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において神経の直径よりもわずかに小さい直径を有することが可能であり、第1および第2のアパーチャが、第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている。第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合され得る。
【0012】
[0012]細長い本体部の底部表面は、概して丸みを帯びていることが可能である。細長い本体部の底部表面の少なくとも一部分は平坦化され得、デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている。第1の端壁は、卵形の一部分に対応するプロファイル形状を有することが可能である。コンテインメントチャンバの深さは、コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加することが可能である。前方端部および後方端部は、第1の端壁から第2の端壁へ延在することが可能である。コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていなくてもよい。細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作され得る。細長い本体部は、シリコーンを備えることが可能である。シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備えることが可能である。
【0013】
[0013]神経治療デバイスは、細長い本体部から横方向に延在するハンドルを含むことが可能である。ハンドルは、第1の端壁と第2の端壁との間のデバイスの後方側部から延在することが可能である。ハンドルは、細長い本体部を有することが可能である。ハンドルは、テクスチャ加工された表面を有することが可能である。ハンドルは、細長い本体部の上部表面と同一平面になっている上部表面を有することが可能である。ハンドルは、後方方向に水平方向に延在することが可能である。ハンドルは、上向き方向におよび/または下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっていることが可能である。ハンドルは、細長い本体部に接合されている近位端部と、近位端部の反対側の遠位端部とを有することが可能である。遠位端部は、細長い本体部の上部表面の上方にまたは下方に位置決めされ得る。ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を含むことが可能である。
【0014】
[0014]第1のスリットは、第1のアパーチャを二分することが可能であり、第2のスリットは、第2のアパーチャを二分することが可能である。第1のアパーチャおよび第2のアパーチャは、それぞれ、細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされ得る。
【0015】
[0015]第1のアパーチャおよび第2のアパーチャは、細長い本体部の前方端部の方に水平方向に配設され得る。第1のスリットは、コンテインメントチャンバの内側前方表面を第1の端壁の内側表面から分割することが可能であり、第2のスリットは、コンテインメントチャンバの内側前方表面を第2の端壁の内側表面から分割することが可能であり、第1のスリットと第2のスリットとの間に形成された細長い本体部の前方壁部が、第1の幅および第2の幅を増加させるように前方方向に付勢されるように構成されるようになっている。第1のスリットは、第1のアパーチャの前方縁部に交差することが可能であり、第2のスリットは、第2のアパーチャの前方縁部に交差することが可能である。細長い本体部の前方壁部は、コンテインメントチャンバに向けて下向きに傾斜する上部表面の上に角度付きの縁部を有することが可能である。
【0016】
[0016]神経治療デバイスは、細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルを含むことが可能である。流体チャネルは、コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを有することが可能である。流体は、流体チャネルを介して、コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、コンテインメントチャンバから除去され得る。第2の開口部は、細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成され得る。流体ポートは、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを含むことが可能である。流体ポートは、細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在することが可能である。神経治療デバイスは、細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルを含むことが可能であり、流体チャネルは、コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを有する。流体は、第2の流体チャネルを介して、コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、コンテインメントチャンバから除去され得る。
【0017】
[0017]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスである。神経治療デバイスは、細長い本体部と、細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバとを有する。細長い本体部は、第1の端壁から第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在している。細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを含み、第1の端壁から第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有する。コンテインメントチャンバは、第1の端壁から第2の端壁へ延在している。コンテインメントチャンバは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りのコンテインメントチャンバの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されている。第1の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを含み、第2の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを含む。第1および第2のアパーチャは、それぞれ、神経の隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、神経の隔離されたセグメントの第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されている。下側本体部および上側本体部は、細長い本体部の長さに延在するスプリットによって少なくとも部分的に分割され得る。スプリットは、細長い本体部の前方側部から内向きに第1および第2のアパーチャへ延在している。スプリットは、下側本体部の上部表面と、下側本体部の底部表面とを画定している。下側本体部と上側本体部との間の分離距離は、スプリットに沿って増加され得、細長い本体部が、スプリットを通して第1および第2のアパーチャの中へ神経を受け入れるように構成されるようになっている。下側本体部および上側本体部は、閉構成において、神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている。
【0018】
[0018]下側本体部および上側本体部は、細長い本体部の後方側部において一緒に接合され得る。下側本体部および上側本体部は、可撓性のヒンジによって一緒に接合され得る。可撓性のヒンジは、リビングヒンジであることが可能である。下側本体部および上側本体部は、細長い本体部の後方側部において一体になっていることが可能である。細長い本体部は、周囲部を画定する側壁部を備える概してチューブ状の本体部を有することが可能である。スプリットは、前方側部に沿って側壁部を通って延在することが可能であり、周囲部は、スプリットの長さに沿って開けることができ、側壁部は、後方側部に沿って中断されていない。スプリットは、第1のアパーチャまたは第2のアパーチャの後方に延在していなくてもよい。上側本体部は、下側本体部から完全に分離可能であり得る。コンテインメントチャンバの空隙容積は、下側本体部および上側本体部の中に形成され得る。コンテインメントチャンバの空隙容積は、完全に下側本体部の中に形成され得、上側本体部は、空隙容積の中へ開口する下側本体部の上部表面の中に形成されたアクセスエリアを封止するように構成され得る。
【0019】
[0019]第1の端壁は、平坦になっていることが可能である。第1の端壁の少なくとも一部分は、切頭円錐状の形状を有することが可能であり、第1のアパーチャは、切頭円錐状の形状の頂点を形成している。第1の端壁は、側壁部を含むことが可能であり、側壁部は、側壁部が切頭円錐状の形状の頂点に向けて延在するにつれて減少する厚さを有する。
【0020】
[0020]下側本体部は、第1のロッキング特徴を含むことが可能であり、上側本体部は、第2のロッキング特徴を有することが可能であり、第2のロッキング特徴は、第1のロッキング特徴に係合し、閉構成において、下側本体部および上側本体部を一緒にロックするように構成されている。第1および第2のロッキング特徴は、締まり嵌めを形成するために一緒に嵌合するように構成されているリッジおよびトレンチを含むことが可能である。神経治療デバイスは、下側リップと、上側リップとを含むことが可能であり、スプリットは、下側リップと上側リップとの間に延在している。下側リップおよび上側リップは、固定メカニズムを受け入れ、下側本体部および上側本体部を閉構成に維持するように構成され得る。下側リップおよび/または上側リップは、溝部を含むことが可能であり、溝部は、リップの少なくとも部分的な長さに沿って延在し、固定メカニズムを保つ。
【0021】
[0021]細長い本体部は、概して円筒状の形状を有することが可能である。コンテインメントチャンバは、第1および第2のアパーチャの底部をコンテインメントチャンバのフロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を含むことが可能である。ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、神経の隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成され得る。コンテインメントチャンバは、体積の流体を保つように構成され得、流体が、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている。アクセスエリアの幅は、第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、第2のアパーチャの幅よりも大きくなっていることが可能である。第1および第2のアパーチャは、円形になっていることが可能である。第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において神経の直径よりもわずかに小さい直径を有することが可能であり、第1および第2のアパーチャが、第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている。第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合され得る。第1のアパーチャおよび第2のアパーチャは、それぞれ、細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされ得る。
【0022】
[0022]細長い本体部の底部表面の少なくとも一部分は平坦化され得、デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている。コンテインメントチャンバの深さは、コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加することが可能であり、前方端部および後方端部は、第1の端壁から第2の端壁へ延在している。コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていないことが可能である。細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作され得る。細長い本体部は、シリコーンを備えることが可能である。シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備えることが可能である。
【0023】
[0023]神経治療デバイスは、細長い本体部から横方向に延在するハンドルを含むことが可能である。ハンドルは、第1の端壁と第2の端壁との間のデバイスの後方側部から延在することが可能である。ハンドルは、細長い本体部を有することが可能である。ハンドルは、テクスチャ加工された表面を有することが可能である。ハンドルは、細長い本体部の上部表面と同一平面になっている上部表面を有することが可能である。ハンドルは、後方方向に水平方向に延在することが可能である。ハンドルは、上向き方向におよび/または下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっていることが可能である。ハンドルは、細長い本体部に接合されている近位端部と、近位端部の反対側の遠位端部とを有することが可能である。遠位端部は、細長い本体部の上部表面の上方にまたは下方に位置決めされ得る。ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を含むことが可能である。上側本体部は、接続アームを介してハンドルに間接的に連結され得る。接続アームは、閉構成と開構成との間で下側本体部および上側本体部を移動させるように操作され得る。
【0024】
[0024]神経治療デバイスは、細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルを含むことが可能である。流体チャネルは、コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを有することが可能である。流体は、流体チャネルを介して、コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、コンテインメントチャンバから除去され得る。第2の開口部は、細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成され得る。流体ポートは、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを含むことが可能である。流体ポートは、細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在することが可能である。神経治療デバイスは、細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルを含むことが可能であり、流体チャネルは、コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを有する。流体は、第2の流体チャネルを介して、コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、コンテインメントチャンバから除去され得る。
【0025】
[0025]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスである。神経治療デバイスは、細長い本体部と、細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバとを有する。細長い本体部は、第1の端壁から第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在している。細長い本体部は、上部表面と、第1の端壁から第2の端壁へ延在する長手方向軸線とを有する。コンテインメントチャンバは、第1の端壁から第2の端壁へ延在している。コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために上部表面に交差する空隙容積を有する。アクセスエリアは、神経の隔離されたセグメントをコンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されている。コンテインメントチャンバは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されている。第1の端壁は、上部表面から下向きに延在する第1のスロットを含み、第1のスロットは、神経の隔離されたセグメントの第1の端部を受け入れて保つように構成されており、第2の端壁は、上部表面から下向きに延在する第2のスロットを含み、第2のスロットは、神経の隔離されたセグメントの第2の端部を受け入れて保つように構成されている。第1および第2のスロットは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されている。
【0026】
[0026]第1の端壁は、細長い本体部の前方側部、後方側部、および底部側部を形成する側壁部の縁部によって形成され得、端壁のいずれの部分も、コンテインメントチャンバの内側表面を形成しないようになっている。長手方向軸線に対して横断方向のコンテインメントチャンバの幅は、コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化することが可能である。コンテインメントチャンバは、第1の端壁と第2の端壁との間に最大幅を有することが可能である。コンテインメントチャンバの深さは、コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化することが可能である。コンテインメントチャンバは、第1の端壁と第2の端壁との間に最大深さを有することが可能である。コンテインメントチャンバの深さは、コンテインメントチャンバの幅を横切って連続的に変化することが可能である。コンテインメントチャンバは、コンテインメントチャンバの前方側部と後方側部との間に最大深さを有することが可能である。コンテインメントチャンバのフロアは、平坦な表面を含まなくてもよい。長手方向軸線に対して横断方向の細長い本体部の幅は、細長い本体部の長さを横切って連続的に変化することが可能である。細長い本体部は、第1の端壁と第2の端壁との間に最大幅を有することが可能である。
【0027】
[0027]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスである。神経治療デバイスは、細長い本体部と、細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバとを有する。細長い本体部は、第1の端壁から第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在している。細長い本体部は、上部表面と、第1の端壁から第2の端壁へ延在する長手方向軸線とを有する。コンテインメントチャンバは、第1の端壁から第2の端壁へ延在している。コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために上部表面に交差する空隙容積を有する。アクセスエリアは、神経の隔離されたセグメントをコンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、コンテインメントチャンバは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されている。第1の端壁は、上部表面から下向きに第1の端壁を通って延在する第1のスリットを含み、第2の端壁は、上部表面から下向きに第2の端壁を通って延在する第2のスリットを含む。第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、神経が第1のスリットを通して受け入れられ得るようになっている。第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、神経が第2のスリットを通して受け入れられ得るようになっている。
【0028】
[0028]第1のスリットは、第1の端壁に隣接するコンテインメントチャンバの部分の底部へ延在することが可能である。第1のスリットは、第1の端壁を二分することが可能である。第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを含むことが可能であり、第1のフランジは、第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有する。第1のフランジの遠位縁部は、第1のスリットによって画定され得る。第1の端壁の可撓性の部分は、第2のフランジを含むことが可能であり、第2のフランジは、第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有する。第2のフランジの遠位縁部は、第1のスリットによって画定され得、第1および第2のフランジの遠位縁部が、第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている。第1のスリットは、第1の端壁と第1の端壁に隣接するコンテインメントチャンバの底部部分との間の交差部の少なくとも一部分に沿って延在することが可能である。
【0029】
[0029]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスである。神経治療デバイスは、第1の端壁から第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部を有する。細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを有しており、また、第1の端壁から第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有する。神経治療デバイスは、コンテインメントチャンバを含み、コンテインメントチャンバは、下側本体部の中に形成されており、第1の端壁から第2の端壁へ延在している。コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために下側本体部の上部表面に交差する空隙容積を有する。アクセスエリアは、神経の隔離されたセグメントをコンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、コンテインメントチャンバは、神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されている。第1の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを含み、第2の端壁は、コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを含む。第1および第2のアパーチャは、それぞれ、神経の隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、第1および第2の端部の底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されている。上側本体部は、コンテインメントチャンバの中に受け入れられコンテインメントチャンバの上側部分と流体封止を形成するように構成されており、上部表面のアクセスエリア全体が閉塞されるようになっている。下側本体部および上側本体部は、閉構成において、神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている。
【0030】
[0030]下側本体部は、デバイスが開構成になっているときに、上側本体部に接合され得、開構成では、コンテインメントチャンバは封止されていない。下側本体部は、ヒンジによって上側本体部に接合され得る。ヒンジは、リビングヒンジであることが可能である。上側本体部は、下向きの第1のエクステンションを含むことが可能であり、第1のエクステンションは、神経の第1の端部の上方に第1のアパーチャの中に受け入れられるように構成されている。第1のエクステンションは、神経の第1の端部の上部部分の周りで第1のアパーチャを封止するように構成され得る。第1のエクステンションは、コンテインメントチャンバの内側横方向表面を形成することが可能である。第1のエクステンションは、神経の形状に一致するように構成された凹形底部縁部を有することが可能である。
【0031】
[0031]コンテインメントチャンバは、コンテインメントチャンバの深さに沿って垂直方向に延在する複数のサポートリブを含むことが可能である。2つのサポートリブが、コンテインメントチャンバの前方内側表面および後方内側表面の上に互いに反対側に位置決めされ得る。サポートリブは、コンテインメントチャンバのフロアの上方に神経の隔離されたセグメントを支持するために間隔を置いて配置され得る。
【0032】
[0032]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経修復手順を実施するための送達デバイスである。送達デバイスは、第1の端部から第2の端部へ延在する細長い本体部と、長手方向軸線とを有する。送達デバイスは、再接合された神経を受け入れるための細長い本体部の中のコンテインメントチャンバを含む。コンテインメントチャンバは、細長い本体部の第1の端部において第1の開口部を有しており、細長い本体部の第2の端部において第2の開口部を有しており、再接合された神経をコンテインメントチャンバの中へ導入するために、第1の開口部から第2の開口部へ長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有する。送達デバイスは、ポートを含み、ポートは、コンテインメントチャンバと流体連通しており、コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成されている。送達デバイスは、ハンドルを含み、ハンドルは、細長い本体部から延在しており、神経の周りへの送達デバイスの設置を容易にするように構成されている。
【0033】
[0033]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、切断された神経を修復する方法である。方法は、軸索と軸索との接触が回復されるように、切断された神経を物理的に再接合することと;再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することと;融合溶液を送達デバイスのコンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、再接合された神経を融合溶液の中で培養することによって、再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることとを含む。送達デバイスは、細長い本体部を有しており、コンテインメントチャンバが、細長い本体部の中に形成されている。細長い本体部は、送達デバイスの第1の端部から第2の端部へ延在しており、長手方向軸線を有する。コンテインメントチャンバは、再接合された神経を受け入れるように構成されている。コンテインメントチャンバは、細長い本体部の第1の端部において第1の開口部を有しており、細長い本体部の第2の端部において第2の開口部を有しており、再接合された神経をコンテインメントチャンバの中へ導入するために、第1の開口部から第2の開口部へ長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有する。再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することは、再接合された神経を長手方向の開口部を通してコンテインメントチャンバの中へ導入することを含む。
【0034】
[0034]方法は、切断された神経を物理的に再接合する前に、Ca2+フリーの生理食塩水を備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートまたは培養することを含むことが可能である。プライミング溶液は、メチレンブルーを備えることが可能であり、メチレンブルーは、いくつかの実施形態では、おおよそ1%(w/V)にあることが可能である。方法は、Ca2+を含有する生理食塩水を備えるシーリング溶液によって再接合された神経をリンスまたは培養することによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することを含むことが可能である。シーリング溶液によって再接合された神経をリンスまたは培養することは、コンテインメントチャンバの中で、および/または、コンテインメントチャンバの外側で実施され得る。シーリング溶液は、塩化カルシウム(CaCl2)を備えることが可能であり、それは、いくつかの実施形態では、おおよそ0.02%(w/V)にあることが可能である。
【0035】
[0035]切断された神経を物理的に再接合することは、切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することを含むことが可能である。切断された神経を物理的に再接合することは、プライミング溶液の存在下で実施され得る。
【0036】
[0036]方法は、吸引によってコンテインメントチャンバから融合溶液を除去することを含むことが可能である。方法は、神経の周りから送達デバイスを除去することを含むことが可能である。融合溶液は、低分子量ポリエチレングリコール(PEG)を備えることが可能である。PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)以下であることが可能である。PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)であることが可能である。PEGは、5,000Da以下または3,500Da以下の平均分子量を有する低分子量PEGであることが可能である。PEGは、おおよそ3,350Daの平均分子量を有することが可能である。
【0037】
[0037]方法は、軸索を融合させる前に、再接合された神経の吻合部をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することを含むことが可能である。再接合された神経をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することは、再接合された神経の周りに送達デバイスを設置した後に実施され得る。
【0038】
[0038]送達デバイスは、コンテインメントチャンバと流体連通しているポートを含むことが可能である。融合溶液を導入することは、ポートを通してコンテインメントチャンバの中へ融合溶液を導入することを備えることが可能である。ポートは、コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成され得る。
【0039】
[0039]神経は、2分以下にわたって融合溶液に露出され得る。神経は、2分以下にわたってプライミング溶液に露出され得る。神経は、2分以下にわたってシーリング溶液に露出され得る。
【0040】
[0040]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、切断された神経を修復する方法である。方法は、低張性のCa2+フリーの生理食塩水の中に1%(w/V)メチレンブルーを備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートすることと、軸索と軸索との接触が回復されるように、プライミング溶液の存在下で、切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することによって、切断された神経を物理的に再接合することとを含む。方法は、再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することをさらに含む。送達デバイスは、第1の端部から第2の端部へ延在する細長い本体部と、長手方向軸線とを有する。送達デバイスは、再接合された神経を受け入れるための細長い本体部の中のコンテインメントチャンバを有する。コンテインメントチャンバは、細長い本体部の第1の端部において第1の開口部を有しており、細長い本体部の第2の端部において第2の開口部を有しており、再接合された神経をコンテインメントチャンバの中へ導入するために、第1の開口部から第2の開口部へ長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有する。再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することは、再接合された神経を長手方向の開口部を通してコンテインメントチャンバの中へ導入することを備える。方法は、融合溶液をコンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、再接合された神経を融合溶液の中で培養することによって、再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることをさらに含む。融合溶液は、約50%(w/w)低分子量PEGを備える。方法は、吸引によってコンテインメントチャンバから融合溶液を除去することと、神経の周りから送達デバイスを除去することとをさらに含む。方法は、等張性のCa2+を含有する生理食塩水を備える生理食塩水シーリング溶液によって再接合された神経をリンスすることによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することをさらに含む。
【0041】
[0041]本開示の別の態様において、本明細書で開示されているのは、神経治療デバイスと、上記に説明されている溶液のうちのいずれか1つからの溶液のうちの1つまたは複数とを含むキットである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】[0042]神経修復のために神経の隔離されたセグメントに治療用溶液を送達するために使用され得る神経治療デバイスの例の斜視図。治療デバイスは、神経を受け入れて保つように構成された対向する側壁部の中に開構成ならびにスリットおよびアパーチャを備える。
【
図2】[0043]分離可能な下側本体部および上側本体部および流体イリゲーション孔部を有する、神経治療デバイスの別の例を概略的に図示する図。
【
図3A】[0044]神経を受け入れるためのスプリットによって分離されている一体型の上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図3Aは、治療デバイスの右断面図を示している。
【
図3B】神経を受け入れるためのスプリットによって分離されている一体型の上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図3Bは、治療デバイスの左断面図を示している。
【
図3C】神経を受け入れるためのスプリットによって分離されている一体型の上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図3Cは、治療デバイスの背面図を示している。
【
図3D】神経を受け入れるためのスプリットによって分離されている一体型の上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図3Dは、治療デバイスの正面図を示している。
【
図3E】神経を受け入れるためのスプリットによって分離されている一体型の上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図3Eは、治療デバイスの斜視図を示している。
【
図4A】[0045]
図3A~
図3Eに示されているものと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図4Aは、治療デバイスの斜視図を示している。
【
図4B】
図3A~
図3Eに示されているものと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図4Bは、治療デバイスの正面図を示している。
【
図4C】
図3A~
図3Eに示されているものと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図4Cは、
図4Bに示されている断面A-Aの断面図を示している。
【
図4D】
図3A~
図3Eに示されているものと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図4Dは、治療デバイスの左側の図を示している。
【
図5A】[0046]神経を受け入れるように構成された開構成およびスロットを有する、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図5Aは、治療デバイスの斜視図を示している。
【
図5B】神経を受け入れるように構成された開構成およびスロットを有する、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図5Bは、治療デバイスの上面図を示している。
【
図5C】神経を受け入れるように構成された開構成およびスロットを有する、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図5Cは、治療デバイスの左側面図を示している。
【
図6A】[0047]開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Aは、治療デバイスの斜視図を示している。
【
図6B】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Bは、治療デバイスの上面図を示している。
【
図6C】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Cは、治療デバイスの正面図を示している。
【
図6D】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Dは、
図6Cに示されている断面B-Bの断面図を示している。
【
図6E】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Eは、治療デバイスの右側面図を示している。
【
図6F】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Fは、
図6Eに示されている差し込み
図Aのクローズアップ図を示している。
【
図6G】開構成で示されているヒンジ接続された上側本体部および下側本体部を備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図6Gは、
図6Aに図示されている治療デバイスのバリエーションの斜視図を示している。
【
図7】[0048]
図7は、神経を受け入れるように構成された可変の幅およびオープンスロットを有する開構成および湾曲した本体部を備える治療デバイスの別の例の斜視図を示している。
【
図8A】[0049]神経を受け入れて保つように構成された対向する端壁の中に開構成およびスリットを備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図8Aは、治療デバイス800の斜視図を示している。
【
図8B】神経を受け入れて保つように構成された対向する端壁の中に開構成およびスリットを備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図8Bは、治療デバイスの上面図を示している。
【
図8C】神経を受け入れて保つように構成された対向する端壁の中に開構成およびスリットを備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図8Cは、治療デバイスの左側面図または右側面図を示している。
【
図8D】神経を受け入れて保つように構成された対向する端壁の中に開構成およびスリットを備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図8Dは、治療デバイスの正面図または背面図を示している。
【
図8E】神経を受け入れて保つように構成された対向する端壁の中に開構成およびスリットを備える、治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。
図8Eは、
図8Dに示されている断面A-Aの断面図を示している。
【
図9】[0050]治療デバイスの別の例の斜視図。治療デバイスは、上側本体部を備え、上側本体部は、下側本体部にヒンジ接続されており、チャンバを流体封止するためにコンテインメントチャンバの中へ挿入されるように構成されている。
【
図10】[0051]治療デバイスの別の例の斜視図。治療デバイスは、
図1に図示されている治療デバイスと同様であるが、レイドルタイプハンドルを備える。
【
図11A】[0052]
図1に図示されている治療デバイスと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。治療デバイスは、フランジ付きの端壁を生成させるために前方壁部との交差部に沿って位置決めされた対向するスリットを有する。
図11Aは、治療デバイスの斜視図を示している。
【
図11B】
図1に図示されている治療デバイスと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。治療デバイスは、フランジ付きの端壁を生成させるために前方壁部との交差部に沿って位置決めされた対向するスリットを有する。
図11Bは、治療デバイスの上面図を示している。
【
図11C】
図1に図示されている治療デバイスと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。治療デバイスは、フランジ付きの端壁を生成させるために前方壁部との交差部に沿って位置決めされた対向するスリットを有する。
図11Cは、治療デバイスの右側面図を示している。
【
図11D】
図1に図示されている治療デバイスと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。治療デバイスは、フランジ付きの端壁を生成させるために前方壁部との交差部に沿って位置決めされた対向するスリットを有する。
図11Dは、治療デバイスのハンドルの一部分を見下ろす背面図を示している。
【
図11E】
図1に図示されている治療デバイスと同様の治療デバイスの別の例の多視点図を概略的に図示する図。治療デバイスは、フランジ付きの端壁を生成させるために前方壁部との交差部に沿って位置決めされた対向するスリットを有する。
図11Eは、長手方向軸線に対して横断方向の、治療デバイスの左側部と右側部との間の正中線に沿ってとられた断面の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[0053]本明細書で企図されているデバイス、方法、およびキットは、急性の外科手術的な環境において、負傷した末梢神経の回復を急速に修復および改善するように設計されている。いくつかの実施形態では、神経治療(たとえば、末梢神経治療)のためのキットは、3つの無菌溶液と、随意的に、(直接的に、影響を与えられる神経への)溶液の焦点的な局所の適用のためのデバイスとを備えることが可能である。使用説明書にしたがって順次適用されるときには、溶液は、急性末梢神経障害(PNI)を患う患者のための外科手術的な修復に対する治療用添加物を備えることが可能である。デバイスは、神経への他の治療用薬剤の送達のための、および/または、他の療法的な治療のために神経を隔離するための、本明細書で説明されているキットおよび/または溶液および方法から独立して使用され得る。溶液は、デバイスから独立して使用され得、また、本明細書で説明されているもの以外の方法および/またはシーケンスにしたがって、神経障害の治療のために使用され得る。本明細書で説明されている方法および/またはシーケンスは、本明細書で説明されている溶液のバリエーションとともに使用され得、および/または、本明細書で説明されているデバイスから独立して使用され得る。
【0044】
コンポーネント
デバイス
[0054]神経治療デバイスは、外科手術的な環境において使用され、治療のために神経のセグメントを効果的に隔離することが可能である。治療デバイスは、神経修復部位(たとえば、神経が一緒に縫合され、吻合部を形成する場所)において、神経の隔離されたセグメントにPEG融合溶液を均一におよび正確に適用するために用いられ得る。したがって、治療デバイスは、送達デバイスであることが可能である。治療デバイスは、神経修復のためのキット(たとえば、本明細書の他のどこかで説明されている、たとえば、神経融合などのための溶液のキット)の中に含まれ得、または、スタンドアロンのデバイスとして提供され得る。治療デバイスは、本明細書のどこかで説明されているように、再現可能な方式で、PEG融合プロトコルの適用を可能にすることができる。
【0045】
[0055]治療デバイスは、ポリマー、プラスチック、および/またはゴムを含む、任意の適切な材料から作製され得る。たとえば、治療デバイスは、1つまたは複数のシリコーン(たとえば、ポリジメチルシロキサン(PDMS))および/またはプラスチック、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエーテルブロックアミドなどから製作され得る。使用される材料は、医療用グレードのプラスチックおよび/またはシリコーンであることが可能である。いくつかの実施形態では、デバイスまたはその一部分は、透明になっているかまたは部分的に透明になっており、デバイスの中の治療されている神経の目視検査を可能にすることができる。デバイスは、使い捨てのものであることが可能であり(たとえば、単回使用のために構成されている)、または、再使用可能なものであることが可能である。デバイスは、従来の手段(たとえば、オゾン、UV、オートクレービングなど)によって殺菌可能であり得る。デバイスは、射出成形または圧縮成形などのような、任意の適切な手段によって製作され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、単一の一体ユニットとして製作され得る。他の実施形態では、デバイスは、別個に製作されたコンポーネントを備えることが可能であり、別個に製作されたコンポーネントは、その後に一緒に連結される(たとえば、一緒に糊付けされる、一緒に成形される、および/または、一緒に機械的に固定される)。いくつかの実施形態では、コンポーネントのうちのいくつかは、可逆的に取り付け可能/取り外し可能であることが可能である。コンポーネントのうちのいくつかは、再使用可能なものであることが可能であり、他のコンポーネントは、使い捨てのものであることが可能である。
【0046】
[0056]さまざまな実施形態では、デバイス、または、デバイスの部分は、おおよそ20~40Dの間のデュロメータを有することが可能である。デュロメータは、治療されている神経への損傷を防止するために比較的に低くなっていることが可能である。いくつかの実施形態では、デュロメータは、デバイスの異なる部分を横切って変化することが可能である。たとえば、神経と物理的な接触をした状態になりおよび/または神経を保持するデバイスの部分は、デバイスの他の部分よりも軟質になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、デバイスのデュロメータは、製作の間のポリマーおよび/または架橋剤の濃度を変更することによって変調され得る。いくつかの実施形態では、濃度は、可変のデュロメータを作り出すために、デバイスの異なる部分を横切って可変であることが可能である。さまざまな部分におけるデバイスのフレキシビリティは、材料のデュロメータおよび部分の寸法の組み合わせに依存することが可能である。
【0047】
[0057]さまざまな実施形態では、治療デバイスは、縫合した後に神経の近位端部と遠位端部との間の吻合部の周りに一時的な流体コンテインメントフィールドを生成させる中実の非関節運動デバイスであることが可能である。治療デバイスは、神経への薬剤の投与の間に、PEG溶液などのような治療用薬剤への周囲の組織の不必要な露出を防止するように構成され得、デバイスが局所的な薬物送達を可能にするようになっている。いくつかの実施形態では、治療デバイスは、治療的な作用を行わないように構成され得、神経の周りに治療用溶液を一時的に含有するためだけに機能的であることが可能である。治療デバイスは、投与のシーケンスにしたがって一連の治療用溶液の制御された送達および除去を可能にすることができる。治療デバイスは、治療されている組織(神経)と排他的に接触していることが可能である。デバイスは、短期間(たとえば、1~10分)のみにわたって、治療されている組織と接触して設置され得る。デバイスは、外科手術的なまたは治療用手順の一部分だけのために使用され得る。デバイスは、身体の中に埋め込まれたまま残される必要はない。デバイスは、融合手順の間に、負傷していない神経セグメントおよび周囲の組織をPEGへの露出から保護するために使用され得る。デバイス設計は、使用しやすさを提供することが可能であり、また、外科手術の間に、PEG融合前および後の神経を妨害することを最小化することが可能である。
【0048】
[0058]
図1は、神経治療デバイス100の例の斜視図を図示しており、それは、治療用溶液(たとえば、PEG融合溶液)を神経に送達するための送達デバイスとして構成され得る。
図1は、治療デバイス100のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。治療デバイス100は、一般的に、側壁部104を有する本体部102を備えることが可能である。側壁部104は、本体部102の全体を通して一体的であることが可能であり、または、互いに連結される(たとえば、取り付けられる)複数のコンポーネントを備えることが可能である。側壁部104は、コンテインメントチャンバ106を画定することが可能であり、コンテインメントチャンバ106は、本体部102の中に形成された空隙容積を有する。コンテインメントチャンバ106は、神経50の長さまたはセグメントを囲むかまたは部分的に囲むように構成され得る(「囲む」は、任意の程度の囲み方を参照するために本明細書で使用され得る)。たとえば、コンテインメントチャンバは、おおよそ180度、270度、360度、または、それらの間に定義される範囲の中の任意の度数だけ、神経を円周方向に取り囲むことが可能である。コンテインメントチャンバ106は、囲まれた神経50のセグメントの周りに、または、その部分的に周りに、所定の体積の溶液(たとえば、治療用溶液)を含有するように構成され得る。本体部102は、神経50のセグメントを取り囲むかまたは部分的に取り囲むように構成され得、また、所望の量の溶液を含有するのに十分なまたは精密な体積を有するコンテインメントチャンバ106を生成させるように構成され得る。本体部102およびコンテインメントチャンバ106は、特定の長さの神経50を囲むように構成された寸法を備えることが可能であり、および/または、特定の直径を有する神経50を囲むように構成され得る。本体部102の形状、寸法、および/または材料特性は、一般的に本体部102の外側プロファイルを最小化しながら、所望の長さおよびサイズの神経を安定して囲むように構成され得、身体の生体内スペースの中でのデバイス100の容易な挿入、除去、および/または操作を容易にするようになっている。たとえば、本体部102は、周囲の結合組織から神経50の標的セグメントを分離することを助けるように構成され得る。いくつかの実装形態では、ユーザ(たとえば、医師)は、治療されるべき特定の神経に応じて、さまざまにサイズ決めされたデバイス100から選択することが可能である。いくつかの実施形態では、キットが、そこから選択するべき複数のデバイス100を提供することが可能であり、それは、サイズがさまざまであることが可能であり、および/または、特定の神経の治療に関して指定され得る。
【0049】
[0059]本体部102は、一般的に、左側端壁108と、右側端壁110と、左側端壁108と右側端壁110との間に延在する中間本体部112とを備えることが可能である。本体部102は、一般的に、治療されるべき神経50が整合されることになる方向に、左側端壁108から右側端壁110へ延在する長手方向軸線を画定することが可能である。本体部102は、上部表面116を有する下側本体部114を備えることが可能である。上部表面116は、アクセスエリア118を備え、アクセスエリア118を通して、神経50のセグメントまたは少なくともその一部分が、コンテインメントチャンバ106の中へ受け入れられ得る。アクセスエリア118は、長手方向軸線に対して横断方向の幅と、長手方向軸線に対して平行の長さとを備えることが可能である。コンテインメントチャンバ106の幅および/または長さは、アクセスエリア124において、最大になっているかまたは最大化され得、コンテインメントチャンバ106の深さがアクセスエリア124から下向きに増加するにつれて、幅および/または長さが一定のままとなるようにおよび/または減少するようになっている。いくつかの実施形態では、
図1に示されているものなどのように、本体部102は、オープンバスとして構成され得、そこでは、上部表面116が上向きに面するように、および、重力がコンテインメントチャンバの中に溶液を実質的に保つように、下側本体部114が実質的に配向されるように、治療デバイス100が使用されるように構成されている。コンテインメントチャンバ106は、神経50のセグメントがコンテインメントチャンバ106の空隙容積の中に完全に配設され得る(たとえば、セグメントが、溶液の中に完全に沈められ得る)ように構成され得、または、セグメントは、コンテインメントチャンバ106の中に部分的にだけ配設されるように構成され得、神経50の上部部分が上部表面116を越えて上向きに延在するようになっている。コンテインメントチャンバ106の中の体積は、上部表面116まで充填されることなく、神経50のセグメントを沈めるように構成され得る。オープンバス構成は、治療デバイスからの神経50の容易な設置および引き抜きのために、特に有利であることが可能である。
【0050】
[0060]他の実施形態では、本体部102は、本明細書のどこかで説明されているように、クローズドバスとして構成され得、下側本体部114と、上側本体部120とを備える。下側本体部114および上側本体部120は、コンテインメントチャンバ106を形成するように協働することが可能であり、コンテインメントチャンバ106は、神経50のセグメントの周囲部全体を実質的に囲む。いくつかの実装形態では、クローズドバス実施形態は、使用の間に任意の方向に配向され得る(たとえば、下側本体部114は、上側本体部120の上方に部分的にまたは全体的に配向され得る)。下側本体部114および上側本体部120は、流体封止を形成することが可能であり、流体封止は、コンテインメントチャンバ106の中に溶液を保つ。
【0051】
[0061]本体部102の左側端壁108および/または右側端壁110は、
図1に示されているように、実質的に平坦な外側表面を備えることが可能である。左側端壁108および右側端壁110は、アパーチャ126をそれぞれ備えることが可能であり、アパーチャ126は、側壁部104を通って本体部102の外側表面から本体部102の内側表面へ延在しており、本体部102は、コンテインメントチャンバ106を画定している。アパーチャ126は、概して円形の断面または任意の適切な形状の断面を備えることが可能である。アパーチャ126は、コンテインメントチャンバ106の中へ神経50を受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ126は、側壁部104の中に配設され得、アパーチャ126の周囲部または周辺部が、上部表面116に交差しないようになっている。左側端壁108および右側端壁110は、細いスリット128をそれぞれ備えることが可能であり、細いスリット128は、アパーチャ126の周囲部から上部表面116へ延在している。スリット128は、実質的に垂直方向に延在することが可能である。スリット128は、スリット128の両側に沿って本体部102の側壁部104が互いから離れる(たとえば、屈曲して離れる)ように付勢されることを可能にすることができ、神経50が上部表面116からスリット128を通してアパーチャ126の中へ受け入れられ得るようになっている。
【0052】
[0062]いくつかの実施形態では、側壁部104は、スリット128に向けてテーパ付きのまたは減少する厚さを備えることが可能である。たとえば、側壁部104の厚さは、側壁部104が中間本体部112の前方側部からスリット128へ延在するにつれて減少することが可能であり、および/または、側壁部104の厚さは、
図1に示されているように、側壁部104が中間本体部112の後方側部からスリット128へ延在するにつれて減少することが可能であり、ここで、スリット128の前方側部と後方側部の両方が、テーパ付きの直径を有する側壁部104の部分を備える。コンテインメントチャンバ106の端壁108、110は、コンビーニングブレード(convening blade)またはフランジ130とともに設計され得、コンビーニングブレードまたはフランジ130は、所定の範囲の直径の神経がデバイスの中に設置されることを可能にする。1つまたは複数のフランジ130が、側壁部104から形成され得る。フランジ130は、コンテインメントチャンバ106に向けて内向きに、および/または、コンテインメントチャンバ106から離れるように外向きに、屈曲されるように構成され得る。それぞれのフランジ130は、スリット128の縁部を形成する遠位縁部を有することが可能であり、側壁部104が曲がり始める場所の近くに近位端部を有することが可能である。存在するときには、テーパのレートは、一定であることが可能であり、
図1に示されているように、実質的に三角形のフランジ130を形成しており、または、近位端部の近くにおいて、より高くなっていることが可能である。いくつかの実施形態では、側壁部104は、フランジ130の近位端部において、可撓性のヒンジ(図示せず)へと形状決めされ得、それは、側壁部104の中へ形成されたディボットなどのようなものであり、それは、フランジ130の曲げを容易にする。フランジ130は、ヒンジの遠位において一定の直径または減少する直径を有することが可能である。いくつかの実施形態では、フランジ130は、1つの方向だけに曲がるように、または、反対側方向よりも1つの方向に容易に曲がるように構成され得る。たとえば、フランジ130は、コンテインメントチャンバ106に向けて内向きに曲がるように構成され得るが、コンテインメントチャンバ106から離れるように外向きに曲がらないようにまたは曲がりにくいように構成され得る。
【0053】
[0063]いくつかの実施形態では、アパーチャ126は、ヒンジとしての役割を果たすことが可能であり、ヒンジの第1の側部(たとえば、前方部分)の上の本体部102の一部分は、ヒンジの第2の対向する側部(たとえば、後方部分)の上の本体部102の一部分から離れるように曲がるように構成され得る。たとえば、
図1を参照すると、前方部分は、後方部分から離れるように曲げられ得、スリット128の幅が、それが上部表面116に交差する場所で最大に増加するようになっており、スリット128がアパーチャ126に交差する場所で最小に増加するようになっている。歪みは、側壁部104の全体を通して分配され得るが、上部表面116の実質的に反対側の本体部102の底部部分に沿って集中され得る。いくつかの実施形態では、本体部102は、本明細書で説明されている運動のいずれかを含む、1つまたは複数の方向に曲がるように構成され得る。
【0054】
[0064]スリット128は、対向する縁部(たとえば、前方縁部および後方縁部)を備えることが可能であり、対向する縁部が離れるように付勢されているときに、神経50は、対向する縁部の間を通過するように構成されている。対向するフランジ130の遠位縁部は、スリット128の対向する縁部を形成することが可能である。いくつかの実施形態では、スリット128の対向する縁部は、付勢されていない構成で互いに接触しているかまたは触れていることが可能であり、スリット128が、付勢されていない構成でおおよそ0mmの幅を有するようになっている。いくつかの実施形態では、スリット128は、おおよそ0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、または3.0mm以下の、対向する縁部間の幅を有することが可能である。コンテインメントチャンバ106の中に含有されている溶液の表面張力が、付勢されていない構成のスリット128を通って溶液が漏出することを防止するように、または、漏出が最小になりおよび/または無視できるようになるように、スリット128の幅は寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、スリット128の対向する縁部は、付勢されていない構成で重なり合うことが可能である。たとえば、後方フランジ130は、前方フランジ130の内向きに座っていることが可能であり、または、その逆も同様である。縁部は、少なくとも約0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、または3.0mmだけ、重なり合っていることが可能である。重なり合いは、コンテインメントチャンバ106からの流体の漏出を防止または抑制することが可能である。スリット128は、少なくとも約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.25mm、1.5mm、1.75mm、2.0mm、2.5mm、または3.0mmである長さを備えることが可能である。
【0055】
[0065]いくつかの実装形態では、ユーザは、本明細書のどこかで説明されているようにスリット128の対向する縁部を離れるように付勢するために、ツール(たとえば、ピンセット、鉗子、または他の外科手術用器具)および/または指を使用することによって、神経50の標的セグメントを治療デバイス100の中へ(アパーチャ126の中へ)挿入することが可能である。いくつかの実装形態では、スリット128は、十分なギャップまたはスペースが確立され得るように十分に付勢され得、スリット128の縁部に接触することなく、または、非偶発的な接触のみを伴って、神経50がスリット128を通して受け入れられることを可能にし、縁部が、挿入の間に神経50の上に任意のかなりの摩擦または他の力を働かせないようになっている。いくつかの実装形態では、本体部102は、とりわけ、スリット128の縁部に沿って、十分に軟質および可撓性になっていることが可能であり、神経50と接触することによってスリット128に付与される力が、損傷もしくは障害を神経に与えることなく、および/または、神経50の中の吻合部を元へ戻すかもしくはそれと干渉することなく、付勢するか、または、縁部を離すように付勢する際に容易にするようになっている。神経50は、挿入の間に、ツール(たとえば、ピンセット、鉗子、または他の外科手術用器具)および/または指を使用して把持され得る。いくつかの実装形態では、神経50は、任意の順序で、左側アパーチャおよび右側アパーチャ126の中へ順次挿入され得る。いくつかの実装形態では、神経50は、左側アパーチャおよび右側アパーチャ126の中へ実質的に同時に挿入され得る。さまざまな実施形態では、治療デバイス100は、
図1に図示されているデバイス100の中にあるように、任意の関節運動コンポーネントなしに設計され得る。関節運動コンポーネントの欠如または最小化は、神経または他の感受性組織が動作の間にパーツ間に挟まれ得る(それは、組織に障害または損傷を与える可能性がある)任意のエリアを回避する。可撓性の本体部102(たとえば、より低いデュロメータのシリコーンから製作される)の使用は、有利には、関節運動なしに、治療デバイス100に動的特性を提供することが可能である。
【0056】
[0066]アパーチャ126は、直径が標的神経50の直径におおよそ等しい直径を備えることが可能である。アパーチャ126は、神経50の周囲部の周りに流体封止を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ126の直径は、神経50の直径よりもわずかに小さくなっていることが可能である。たとえば、直径は、神経50の直径の少なくともおおよそ90%、95%、96%、97%、98%、または99%であることが可能である。側壁部104は、少なくともアパーチャ126の周りにおいて、十分に柔軟になっていることが可能であり、アパーチャ126が、わずかに大きい神経50を収容するように構成されるようになっている。スリット128の対向する縁部を離すように付勢することは、アパーチャ126の有効直径を増加させることが可能である。いくつかの実装形態では、フランジ130は、アパーチャ126の有効直径を増加させるために、内向きにまたは外向きに付勢され得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ126またはその一部分(たとえば、スリット128に近い部分)は、可撓性のフランジ130の上に配設され得、アパーチャ126の直径のより大きい膨張を可能にする。本体部102は、十分に軟質および可撓性であることが可能であり、アパーチャ126が、損傷または障害を神経50に与えるのに、または、神経50の中の吻合部を元へ戻すかもしくはそれと干渉するのに、十分に高い圧力を神経50の上に働かせないようになっている。フランジ130は、穏やかな圧縮性圧力を神経50に対して働かせ、神経50の周囲部の周りに部分的に圧縮性流体封止を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ126の直径は、標的神経50のものよりもわずかに大きくなっていることが可能である。たとえば、直径は、標的神経の直径のおおよそ101%、102%、103%、104%、105%、または110%以下になっていることが可能である。コンテインメントチャンバ106の中に含有されている溶液の表面張力は、付勢されていない構成のアパーチャ126を通って溶液が漏出することを防止することが可能であり、または、漏出を禁止することが可能であり、それが最小になりおよび/または無視できるようになるようになっている。
【0057】
[0067]いくつかの実施形態では、神経直径の範囲は、1~4mmの間、4~8mmの間、8~12mmの間、または、重なり合う範囲、または、それらの間の範囲であることが可能である。治療デバイス100は、異なる範囲の神経直径を収容するために、いくつかの異なるサイズで製造され得る。治療デバイス100は、任意の適切な神経に適用され得る。たとえば、治療デバイス100は、指神経(約1~2mm)に適用され得る。別の例では、デバイスは、手首の中の正中神経(約5~7mm)に適用され得る。
【0058】
[0068]いくつかの実施形態では、本体部102、または、さらには、治療デバイス100全体は、本体部102またはデバイス100の左半分および右半分を分離する正中線に関して対称になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、左側端壁108は、右側端壁110の鏡像であることが可能である。たとえば、アパーチャ126は、左側端壁108から右側端壁110へ延在するデバイス100の長手方向軸線に沿って整合され得、神経50がアパーチャ126の中に位置決めされ得るようになっており、神経50のセグメントの周りのコンテインメントチャンバ106の空隙容積の分配が、神経50が左側端壁108から右側端壁110へ延在するときに、均一になるようになっている。スリット128は、デバイス100の長手方向軸線に沿って整合され得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ126は、神経50の上の任意のかなりの引張力を付与しないことが可能であり、アパーチャ126の中に配設されているときに、神経50が自由に移動可能である(たとえば、左方向または右方向に並進可能であり、および/または、回転可能である)ようになっている。アパーチャ126は、一般的に、コンテインメントチャンバ106の中に神経50の隔離されたセグメントを維持することが可能である。いくつかの実施形態では、アパーチャ126は、付勢されていない構成で、コンテインメントチャンバ106の中に位置決めされている神経50のセグメントの上に所定の公称量の引張力を働かせるように構成され得る。引張力は、治療デバイス100の中に神経50を保持または固定するのに十分に大きくなっていることが可能である。たとえば、引張力は、神経50がデバイスのアパーチャ126を通して右方向または左方向にスライドすることを防止または禁止するように構成され得る。引張力は、コンテインメントチャンバ106の中に配設されている神経50のセグメントから任意の弛みを除去するように構成され得る。引張力は、神経50がアパーチャ126の中で自由に回転することを防止することが可能である。
【0059】
[0069]いくつかの実施形態では、治療デバイス100は、コンテインメントチャンバ106の中に神経50を位置決めするように構成され得、神経50が右側アパーチャ126と左側アパーチャ126との間に吊り下げられるようになっており、また、含有されている溶液が、コンテインメントチャンバ106の底部表面と神経50の隔離されたセグメントとの間の空隙容積の一部分を充填することができるようになっている。いくつかの実施形態では、含有されている溶液は、コンテインメントチャンバ106の中の所定のレベルまで充填され得、それが、左側アパーチャ126と右側アパーチャ126との間で、神経50の隔離されたセグメントの周囲部全体を取り囲むようになっている。他の実施形態では、アパーチャ126は、左側および右側端壁108、110の側壁部104の中に位置決めされ得、アパーチャ126の縁部または周囲部の一部分が、コンテインメントチャンバ106の表面の一部分と同一平面上にあるようになっている。そのような実施形態では、神経50の隔離されたセグメントは、中間本体部112の長さに沿って、(たとえば、コンテインメントチャンバ106の底部表面に沿って)コンテインメントチャンバ106の表面に対抗して座るように位置決めされ得る。そのような実施形態では、本体部102は、右側アパーチャ126と左側アパーチャ126との間に神経50の重量を支持するために使用され得、それは、本体部102がアパーチャ126を介して神経50により少ない摩擦を働かせるように構成されることを可能にすることができる。いくつかの実装形態では、含有されている溶液は、コンテインメントチャンバ106の内側表面に対抗して配設されるように構成されている神経50の表面を濡らすことが可能であり、または、濡らさないことが可能である。
【0060】
[0070]いくつかの実施形態では、アパーチャ126は、コンテインメントチャンバ106の底部表面またはフロアよりも上方に(上部表面116の近くに)位置決めされ得、アパーチャ126の最も低いポイントが、フロアの最も低いポイントよりも上方にあるようになっている。コンテインメントチャンバ106の内部フロアは、ベベル付きになっているかまたは湾曲していることが可能であり、神経50が、治療デバイス100の中に設置されているときに、引張力下にならないようになっている。フロアは、アパーチャ126に出会うように上昇することが可能であり、神経50が、コンテインメントチャンバ106のフロアに対抗して置かれたときに、いくらか湾曲した配向(たとえば、微妙にU字形状の配向)で配設され得るようになっている。可変の深さのフロアは、中間本体部112の長さに沿って、神経50の隔離されたセグメントを完全に支持することが可能であるが、コンテインメントチャンバ106の下側部分の中に神経50の中間部分(たとえば、吻合部)を位置決めするように構成され得る。可変の深さは、含有されている溶液をアパーチャ126および/もしくはスリット128から離して維持しながら、または、アパーチャ126および/もしくはスリット128に隣接して配設されている溶液の量を最小化しながら、含有されている溶液が中間部分の近くにカバーし、沈み、および/または、より集中されることを可能にすることができる。そのような構成は、アパーチャ126および/またはスリット128がより大きい寸法を構成することを可能にすることができ、より大きい寸法は、流体コンテインメントが大して心配ではない可能性があるので、より少ない摩擦、引張力、または他の力を神経50に働かせる。いくつかの実施形態では、中間本体部112および/または内部チャンバ106は、長手方向軸線に沿って、少なくともおおよそ5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、または50mmである長さを備えることが可能である。
【0061】
[0071]いくつかの実施形態では、本体部102は、円形、半円形、丸形、長方形、正方形、もしくは多角形の形状、または、任意の他の適切な形状を有する、長手方向軸線を横断する断面プロファイルを備えることが可能である。いくつかの実施形態では、形状は、
図1に示されているように、部分的なスタジアムまたは卵形の形状であることが可能である。いくつかの実施形態では、断面の外周部は、内周部の形状に実質的にマッチすることが可能であり、内周部は、コンテインメントチャンバ106を画定している。側壁部104は、少なくとも中間本体部112の長さに沿って、概して均一な厚さを有することが可能である。コンテインメントチャンバ106の断面形状は、コンテインメントチャンバの表面積と体積との比を最小化するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コンテインメントチャンバの底部表面またはフロアは、横断方向の軸線に沿って丸形になっていることが可能である。フロアは、横断方向にフロアの中間に向けて下がるかまたは深くなっていることが可能であり、それは、神経50の隔離されたセグメントを位置付けることを助けることが可能であり、および/または、少なくとも部分的に神経50を包み込み、追加的なサポートを提供することが可能である。本体部102の外側表面のプロファイルは、概して丸形になっているか、または、丸みを帯びた縁部を有することが可能であり、治療デバイス100を身体組織とインターフェース接続するために比較的に非外傷性のものにする。いくつかの実施形態では、本体部102の外側底部表面は、平坦であることが可能であり、または、安定性を提供するために平坦化された表面を有することが可能である。たとえば、平坦な表面は、本体部が別の平坦な表面の上に安定して置かれることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、本体部102は、本体部102の前方部分と後方部分との間に延在する正中線に関して対称であることが可能である。
【0062】
[0072]さまざまな実施形態では、治療デバイス100は、デバイス100をハンドリングおよび/または設置するためのハンドル132を備えることが可能である。ハンドル132は、本体部102から延在することが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、
図1に示されているように、中間本体部112から延在することが可能である。ハンドル132は、本体部102を二分することが可能である。ハンドル132は、近位端部と遠位端部とを有する概して細長い本体部を備えることが可能である。ハンドル132の近位端部は、本体部102に接続されているか、または、本体部102と一体になっていることが可能である。ハンドル132の遠位端部は、
図1に示されているように、近位端部と垂直方向に整合され得、または、本明細書のどこかで説明されているように、近位端部の上方または下方に位置決めされ得る。ハンドル132の遠位端部は、
図1に示されているように、近位端部と水平方向に整合され得、または、近位端部の左側もしくは右側に位置決めされ得る。ハンドル132の細長い本体部の長さは、本体部102の長手方向軸線に対して横断方向になっていることが可能である。ハンドル132の上部表面は、本体部の上部表面116と同一平面になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドルの長さは、少なくとも約5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、または30mmであることが可能である。設置ハンドル132は、標準的な鉗子、ピンセット、または他の外科手術用ツールによってグリップするように設計され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、ユーザの指および/または手によってグリップするように構成されている。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、グリップすることを容易にするテクスチャ加工された表面を備える。ハンドル132の表面は、その表面のうちの任意の1つまたは複数(たとえば、上側、下側、左側、右側)の上をテクスチャ加工され得る。たとえば、ハンドル132は、
図1に示されているようなリッジ、溝部、バンプ、ギザギザのある表面などを備えることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、具体的に特定の外科手術用ツールに対応するように構成されている窪みまたは陥凹部を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、本体部102と一体的に形成されている。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、本体部102に連結されている(たとえば、糊付けされているかまたは機械的に取り付けられている)。ハンドル132は、本体部102と同じかまたは異なる材料を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、よりリジッドであることが可能であり、および/または、本体部102よりもリジッドの材料を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、2つ以上のハンドル132(たとえば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のハンドル)が存在していることが可能である。本明細書で説明されている治療デバイスのさまざまな実施形態の上に開示されているハンドルは、一般的に、互いと相互交換され得、および/または、説明されているハンドルのさまざまな特徴が相互交換され得る。
【0063】
[0073]
図2~
図11Eは、治療デバイス100のさまざまな実施形態のさらなる例を図示している。治療デバイス100の開示されている例のさまざまな特徴は、そうすることが不可能でない限り、組み合わされるかまたは切り替えられ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、治療デバイス100は、
図1を参照して説明されているものなど、それぞれの端部の上のワイパースタイルシールによって、吻合部の部位において神経を包むことが可能である。いくつかの実施形態では、ワイパースタイルシールは、本明細書のどこかで説明されているような1つまたは複数のフランジ130または可撓性のワイパーブレードから形成され得る。対応する数字(たとえば、130、230、および330)は、別の図または実施形態を参照して他のどこかで説明されている対応する特徴を参照することが可能である。
【0064】
[0074]さまざまな実施形態では、本体部は、本明細書のどこかで説明されているように、下側本体部と上側本体部とを備えることが可能である。
図2は、下側本体部214と上側本体部220とを備える治療デバイス200の例を概略的に図示している。下側本体部214および上側本体部220は、
図2に示されているように、神経50の隔離されたセグメントの周囲部全体を囲むように協働することが可能である。下側本体部214および上側本体部220は、コンテインメントチャンバ206の周囲部のおおよそ半分および体積の半分をそれぞれ備えることが可能である。いくつかの実施形態では、上側本体部220は、コンテインメントチャンバ206の空隙容積の任意の部分を備えることはできないが、コンテインメントチャンバ206を完全に囲むように、下側本体部214の上部表面216を封止する役割を果たすことが可能である。いくつかの実施形態では、
図2に示されているように、上側本体部220は、接続アーム234によって下側本体部214に間接的に連結され得る。接続アーム234は、ヒンジ236においてハンドル232に連結され得る。ヒンジ236は、本体部232から著しく離れるように位置決めされており、神経または任意の周囲の組織を挟むことを回避することが可能である。レバー238が、ヒンジ236から延在することが可能であり、また、ユーザが閉構成(たとえば、封止された構成)と開構成との間で上側本体部220を関節運動させることを可能にする。いくつかの実施形態では、レバー238は、接続アーム234のエクステンションであることが可能である。レバー238は、ハンドル232の概して遠位方向に延在することが可能である。レバー232は、ユーザの1つまたは複数の指によって、または、ツールによって作動され得る。
【0065】
[0075]さまざまな実施形態では、治療デバイス200の本体部202は、とりわけ、クローズドバス設計を備える実施形態では、コンテインメントチャンバ206の中へ流体(たとえば、治療用溶液)を送達するように構成され得る。治療デバイス200は、1つまたは複数の内部流体チャネルを備えることが可能であり、1つまたは複数の内部流体チャネルは、本体部202および随意的にハンドル232を通って延在している。デバイス200は、1つまたは複数の流体ポート240を備えることが可能であり、1つまたは複数の流体ポート240は、本体部202またはハンドル232から延在しており、それは、コンテインメントチャンバ206の中への流体の導入、および/または、コンテインメントチャンバ206からの流体の引き抜きのために構成されている。いくつかの実施形態では、流体ポート240は、ルアーロックコネクタを備えることが可能であり、または、ルアーロックコネクタに連結され得る。ルアーロックコネクタは、シリンジを容易に係合および解除するように構成され得る。
【0066】
[0076]
図2に概略的に図示されている治療デバイス200は、ハンドル232の遠位端部から延在する流体ポート240を備える。
図2に図示されている流体ポート240は、ルアーロックコネクタを備え、ルアーロックコネクタは、本明細書の他のどこかで説明されているように、たとえば、PEG融合プロトコルなどにしたがって、適当な溶液がロードされた連続的シリンジに容易に取り付けられ得る。したがって、治療デバイス200は、コンテインメントチャンバへの溶液の送達において(たとえば、体積における)可変性を最小化するかまたは除去することが可能である。
図2に図示されている治療デバイス200は、流体ポート240からハンドル232を通って下側本体部214の中へ延在する流体チャネルを備える。いくつかの実施形態では、下側本体部214および/または上側本体部220は、中空であることが可能であり、内部は、流体チャネルを形成することが可能である。下側本体部214は、流体チャネルおよびコンテインメントチャンバ206を流体接続する1つまたは複数のイリゲーション孔部242を備える。いくつかの実施形態では、上側本体部220は、内部流体チャネルと、1つまたは複数のイリゲーション孔部242とを備えることが可能であり、1つまたは複数のイリゲーション孔部242は、少なくとも閉構成になっているときに、流体チャネルおよびコンテインメントチャンバ206を流体接続している。上側本体部220の流体チャネルは、上側本体部220が閉構成で位置決めされているときに、下側本体部214および/またはハンドル232の中の流体チャネルと流体連通した状態に設置され得、流体が、下側本体部214および/またはハンドル232から上側本体部220の中へ流れることができるようになっている。
【0067】
[0077]いくつかの実施形態では、治療デバイスは、それを通して、中間本体部の長さに沿って延在するリップまたはフランジの縁部から、本体部の円筒形状の部分または他の形状の中間部分の中心へ(たとえば、コンテインメントチャンバへ)、スプリットを有することが可能であり、神経50の設置を容易にする(たとえば、
図4Aを参照されたい)。スプリットは、スリット128によって形成され得、または、スリット128と同様であることが可能であり、下側本体部および上側本体部に対応する部分へと本体部を効果的に分割することが可能である。神経50が設置されると、治療デバイスは、スプリングクリップ(たとえば、カスタム製作されたスプリングクリップ)によって一緒に保持され得、スプリングクリップは、リップと円筒形状の本体部との間のチャネルの中へ落ち着くことが可能である。デバイスは、コンテインメントチャンバを画定する中心キャビティの中へ直接的に延在する1つの、2つの、またはそれ以上のポートを有することが可能である。ポートは、ルアーロックシリンジとインターフェース接続することを容易にするように設計され得、本明細書のどこかで説明されているように、溶液(たとえば、融合溶液)の中への神経の浸漬を可能にし、また、治療の完了の後に生理食塩水の急速な吸引を可能にする。
【0068】
[0078]
図3A~
図3Eは、治療デバイス300の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図3A~
図3Eは、治療デバイス300のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図3Aは、治療デバイス300の右断面図を示す。
図3Bは、治療デバイス300の左断面図を示す。
図3Cは、治療デバイス300の背面図を示す。
図3Dは、治療デバイス300の正面図を示す。
図3Eは、治療デバイス300の斜視図を示す。治療デバイス300は、概して円筒形状の本体部302を備えることが可能であり、概して円筒形状の本体部302は、概して円形の左側端壁308と、概して円形の右側端壁310とを有しており、概して円形の左側端壁308および概して円形の右側端壁310は、概して円筒形状の中間本体部312によって接続されている。本体部302は、概して円筒形状のコンテインメントチャンバ306を囲むことが可能である。左側端壁308および右側端壁310は、コンテインメントチャンバ306の中へ開口している概して円形のアパーチャ326をそれぞれ備えることが可能である。アパーチャ326は、端壁308、310の中に実質的に中心を合わされ得る。本体部302は、中間本体部312に沿って長手方向に延在するスプリット329を備えることが可能である。スプリット329は、長手方向軸線と同一平面上にあることが可能である(それは、中間本体部312に沿って円周方向に延在していないことが可能である)。スプリットは、本体部302の外側表面からコンテインメントチャンバ306へ延在することが可能であり、本体部302を下側本体部314および上側本体部320へと効果的に分割または配分することが可能である。下側本体部314および上側本体部320は、スプリット329の円周方向反対側の本体部302のポイントにおいて接合され得る(たとえば、互いに一体的になっている)。上側本体部314および下側本体部は、このポイントの周りで互いから離れるように付勢され得る。スプリット329は、端壁308、310のそれぞれを通って(たとえば、半径方向に)延在し、アパーチャ326と融合することが可能である。スプリット329は、端壁308、310の中にスリット328を形成することが可能である。下側本体部314の縁部と上側本体部320の対向する縁部との間のスプリット329の幅を増加させることは、治療デバイス300を開構成に置くことが可能であり、開構成は、スプリットを通して標的神経50をコンテインメントチャンバ306の中へ受け入れるように構成されており、神経50が右側アパーチャおよび左側アパーチャ326を通って延在するようになっている。いくつかの実施形態では、スプリット329の長さに沿って対向する縁部(たとえば、上側縁部および下側縁部)は、互いに接触した状態に持って行かれ、治療デバイス300を閉構成に置くことが可能であり、閉構成では、本体部302は、コンテインメントチャンバ306の中に神経50の隔離されたセグメントの周囲部全体を囲むように構成されている。他の実施形態では、スプリット329の対向する縁部は、縁部間に物理的な接触を確立することなく(たとえば、おおよそ1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm以内など)、互いにごく近くに持って行かれ、閉構成を生成させることが可能であり、閉構成では、神経50の実質的に周囲部全体が囲まれている。
【0069】
[0079]いくつかの実施形態では、治療デバイス300は、1つまたは複数のインサート344を備えることが可能であり、インサート344は、コンテインメントチャンバ306の左側端部および右側端部において、コンテインメントチャンバ306の中に位置決めされるように構成されている。インサート344は、一般的に、中央アパーチャを備えるリング形状またはワッシャー形状になっていることが可能である。インサート344は、一般的に、実質的に平坦な左側表面および右側表面を備えることが可能である。インサート344の厚さは、外側周囲部から内側周囲部へ環状の平坦な表面の幅よりも小さくなっていることが可能である。インサート344は、本体部302と同じ材料および/または異なる材料を備えることが可能である。インサート344は、本体部302の剛性と同じであるかまたはそれよりも小さい剛性を備えることが可能である。インサート344は、ペアにグループ化され得、それぞれのペアは、コンテインメントチャンバ306の右側端部および左側端部に位置決めされるように構成されている同一のインサート344を備える。インサート344のうちの少なくとも1つは、左側端壁308の少なくとも一部分を形成するように構成され得る。インサート344のうちの少なくとも1つは、右側端壁310の少なくとも一部分を形成するように構成され得る。インサート344は、その周囲部を通して、隣接する端壁308、310の中のスリット328と整合するように構成されているスリットをそれぞれ備えることが可能である。インサート344のそれぞれのペアは、コンテインメントチャンバ306の直径におおよそ等しい外径と、異なるサイズ(たとえば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mmなど)の神経200を収容するように構成されている内径とを備えることが可能である。
【0070】
[0080]いくつかの実装形態では、適当にサイズ決めされたインサート344の選択は、異なる神経(たとえば、異なる直径の神経)の治療のために、治療デバイス300を適合させることが可能である。いくつかの実施形態では、インサート344は、コンテインメントチャンバ306の内径の中へ挿入され、(たとえば、接着剤を介して)それに連結され得る。いくつかの実施形態では、インサート344は、本体部302とともに製作され得る。インサート344は、外側から内側へ(端壁308、310から内向きに)、インサート344の中央アパーチャの直径が増加する順序で配置され得る。いくつかの実施形態では、すべてのインサート344(たとえば、2ペア、3ペア、4ペア、5ペアなど)は、コンテインメントチャンバ306の中に留まることが可能であり、隔離された神経50よりも小さい直径を備えるインサート344が神経50のサイズに一致することが可能である(たとえば、その周りに外向きに曲がる)。より小さい神経は、より大きい神経よりも小さい抵抗に遭遇することになる。その理由は、神経が小さければ小さいほど、神経がより少ない数のインサート344を変形させる傾向があるからである。神経50の周囲部の周りで重なり合うインサート344の数が増加することは、神経50の周りの流体封止を強くすることが可能である。いくつかの実施形態では、インサート344は、コンテインメントチャンバ306から独立して除去可能であることが可能である。たとえば、インサート344は、コンテインメントチャンバ306への壊れやすい接続を備えることが可能であり、または、外科手術用器具によって切り離され得る。いくつかの実装形態では、ユーザは、標的神経50を受け入れるには小さ過ぎるアパーチャを備えるインサート344を選択的に除去し、神経50を受け入れるために十分にサイズ決めされているインサート344だけを残すことが可能である。
【0071】
[0081]いくつかの実施形態では、治療デバイス300は、1つまたは複数のリップ346を備えることが可能であり、1つまたは複数のリップ346は、中間本体部312の全体的なまたは部分的な長さに沿って長手方向に延在している。リップ346は、長手方向軸線と同一平面上にあることが可能である(中間本体部312に沿って円周方向に延在していないことが可能である)。リップ346は、スプリット329に隣接して円周方向に位置決めされ得る。たとえば、スプリット329は、
図3A~
図3Eに示されているように、上側リップ346を下側リップ346から分離することが可能である。1つまたは複数のリップ346は、溝部348をそれぞれ備えることが可能であり、溝部348は、リップ346の全体的なまたは部分的な長さに沿って長手方向に延在している。いくつかの実施形態では、溝部348は、
図3A~
図3Eに示されているように、半円形断面を備えることが可能である。上側リップ346の上の溝部348は、下側リップ346の上の溝部348の上方で長手方向に整合され得る。溝部348は、上側および下側リップ346を一緒に固定するように構成されている固定デバイス(たとえば、スプリングクリップ)の一部分を受け入れ、保ち、および/または摩擦係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、溝部は、中間本体部312の円筒形状の外側表面に当接することが可能である。上側および下側リップ346を一緒に固定することは、以前に説明されているような閉構成に本体部302を置くことが可能であり、閉構成では、スプリット329の対向する縁部が一緒にされ、または、少なくとも閉構成では、スプリット329の幅が最小化されている。いくつかの実施形態では、本体部302は、下側本体部314および上側本体部320が付勢されていない構成で閉位置になるように構成され得る。下側本体部314および上側本体部320は、(たとえば、リップ346を介して)引き離され、神経50の挿入のための開構成へと本体部302を置くことが可能である。他の実施形態では、下側本体部314および上側本体部320は、開構成へ自然に付勢され得、固定デバイスが、本体部302を閉位置に保持することが可能である。本体部302は、最大に分離されている状態、最小に分離されている状態、または、その間のどこかに、下側本体部314および上側本体部320を位置決めするように、自然に付勢され得る。
【0072】
[0082]治療デバイス300は、1つまたは複数の流体ポート340を備えることが可能であり、1つまたは複数の流体ポート340は、本明細書のどこかで説明されているように、コンテインメントチャンバ306の中への流体の送達、および/または、コンテインメントチャンバ306からの流体の除去のために構成されている。流体ポート340は、形状が概して円筒状になっていることが可能である。流体ポート340は、流体ルーメン341を備えることが可能であり、流体ルーメン341は、
図3A~
図3Eに示されているように、コンテインメントチャンバ306の中へ直接的に延在している。流体ルーメン341は、実質的に線形になっていることが可能である。流体ルーメン341は、形状が概して円筒状になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、
図3A~
図3Eに示されているように、治療デバイス300は、2つの流体ポート340を備えることが可能である。流体ポート340は、同一もしくは類似の特徴を備えることが可能であり、または、異なる特徴(たとえば、形状、寸法、材料特性)を備えることが可能である。いくつかの実装形態では、一方の流体ポート340は、(たとえば、シリンジを介して)コンテインメントチャンバ306の中への流体の送達のために使用され得、他方の流体ポート340は、(たとえば、シリンジまたは真空ラインを介して)コンテインメントチャンバ306からの流体の除去または吸引のために使用され得る。送達および除去は、順次および/または同時に起こることが可能である。いくつかの実装形態では、両方の流体ポート340は、送達および/または除去のために使用され得る。たとえば、治療用溶液の2つのコンポーネントは、順次および/または同時に、流体ポート340を通してコンテインメントチャンバ306の中へ別個に送達され得る。流体ポート340のうちの1つまたは複数は、中間本体部312の外側周囲部に沿って円周方向に整合され得、または、円周方向にオフセットされ得る。流体ポート340は、0度から360度の間の任意の度数(たとえば、30度、45度、60度、90度、120度、135度、165度、180度など)だけ、リップ346から円周方向にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、流体ポート340は、1つもしくは複数のリップ346の中に形成され得、および/または、1つもしくは複数のリップ346から延在することが可能である。
【0073】
[0083]いくつかの実施形態では、治療デバイス300は、
図1および
図2を参照してそれぞれ説明されているようなハンドル132または232と同様の1つまたは複数のハンドルを備えることが可能である。いくつかの実装形態では、1つもしくは複数のリップ346、および/または、1つもしくは複数の流体ポート340は、ハンドルとして効果的に使用され得、本明細書のどこかで説明されているように、外科手術用ツールおよび/または指によって把持されるように構成され得る。
【0074】
[0084]
図4A~
図4Dは、治療デバイス400の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図4A~
図4Dは、治療デバイス400のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図4Aは、治療デバイス400の斜視図を示している。
図4Bは、治療デバイス400の正面図を示している。
図4Cは、
図4Bに示されている断面A-Aの断面図を示している。
図4Dは、治療デバイス400の左側の図を示している。治療デバイス400は、治療デバイス300と同じまたは類似の特徴を備えることが可能である。
【0075】
[0085]
図5A~
図5Cは、治療デバイス500の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図5A~
図5Cは、治療デバイス500のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図5Aは、治療デバイス500の斜視図を示している。
図5Bは、治療デバイス500の上面図を示している。
図5Cは、治療デバイス500の左側面図を示している。治療デバイス500は、治療デバイス100と同様のオープンバス設計を備えることが可能である。治療デバイス500は、概して長方形の本体部502を備えることが可能である。長方形の本体部502の1つまたは複数の縁部および/または角部は、ベベル付きになっており、および/または、丸みを帯びていることが可能である。本体部502は、長方形の中間本体部512によって相互接続された左側および右側端壁508、510を備えることが可能である。本体部502は、コンテインメントチャンバ506の中へ開口するアクセスエリア525を有する上部表面516を備えることが可能である。コンテインメントチャンバ106への流体の導入および/または除去(たとえば、イリゲーションおよび/または吸引)は、オープンバス構成を備えるデバイスの中のアクセスエリア525を通して容易に達成され得る。コンテインメントチャンバ506は、概して長方形の構成を有することが可能である。いくつかの実施形態では、コンテインメントチャンバ506のフロアに沿った底部縁部(たとえば、前方縁部、後方縁部、左側縁部、右側縁部)のうちの1つまたは複数は、
図5Cに示されているように、ベベル付きのおよび/または丸みを帯びた表面550を備えることが可能である。左側および右側端壁508、510は、形状が概して長方形になっていることが可能である。それぞれの端壁508、510は、上部表面516から下向きに延在するスロット528を備えることが可能である。スロット528は、コンテインメントチャンバ506の中へ開口していることが可能であり、また、神経50を受け入れて保持するように構成され得る。スロット528は、上部表面516から、神経50が座るように構成されているスロット528の底部へ、スロットの高さ全体に沿って、実質的に均一な幅を有することが可能である。スロット516の底部は、神経50を支持するように構成されている丸みを帯びた(たとえば、半円形の)縁部を備えることが可能である。スロット528の幅は、標的神経50の直径におおよそ等しいかまたはそれよりも大きくなっていることが可能である。スロット528は、治療デバイス100のアパーチャ126およびスリット128によって果たされる組み合わされた機能を効果的に果たすことが可能である。治療デバイス500の本体部502は、神経50を受け入れるために曲がるように構成されている任意の柔軟なフランジを備えなくてもよい。
【0076】
[0086]いくつかの実施形態では、スロット528の底部は、コンテインメントチャンバ506のフロア、または、フロアの底部ポイントの上方の高さに位置決めされ得る。本明細書のどこかで説明されているように、治療デバイス500は、わずかに曲がったまたは湾曲した配向で、神経50の隔離されたセグメントを受け入れるように構成され得、神経がスロット528間に下向きに垂れるようになっている。神経50の吻合部52は、コンテインメントチャンバ506の概して中央に位置決めされ得る。本明細書のどこかで説明されているように、スロット528の底部縁部とコンテインメントチャンバ506のフロアとを相互接続するベベル付きのまたは丸みを帯びた表面550は、神経50を支持すること、および、本体部502の長さを横切って神経の重量をより均一に分配することを助けることが可能であり、神経50がスロット528の内側底部縁部を横断するポイントにおいて、神経50が過度に応力を受けないようになっている。いくつかの実施形態では、スロット528の底部とコンテインメントチャンバ506のフロアの底部との間の高さの差は、十分に大きくなっていることが可能であり、含有されている溶液の高さがスロット528の底部の上方に上昇することなく、神経50がコンテインメントチャンバ506の中央部分の中に完全に沈められ得るようになっている。いくつかの実施形態では、スロット528の底部とコンテインメントチャンバ506のフロアの底部との間の高さの差は、十分に大きくなっていることが可能であり、神経50がスロット528の中に座っている場合に、含有されている溶液の高さが神経50の上部の上方に上昇することなく、または、神経50がスロット528の中に座っている場合に、含有されている溶液の高さが神経50の下側部分の上方に上昇することなく(たとえば、神経50の下側4分の1、3分の1、半分、3分の2、または4分の3)、神経50がコンテインメントチャンバ506の中央部分の中に完全に沈められ得るようになっている。このように、神経50は、神経50がスロット528の中に座っているときに、スロット528の底部部分を少なくとも部分的に流体封止する役割を果たすことが可能であり、また、神経50がスロット528と実質的にスナグフィットを形成する場合には、追加される体積に応じて、コンテインメントチャンバ506の中に含有されている溶液の保有を容易にすることが可能である。たとえば、高さの差は、少なくとも約0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、または10mmであることが可能である。
【0077】
[0087]治療デバイス500のハンドル532は、フィンガディテント533を備えることが可能であり、ユーザは、フィンガディテント533の上に指(たとえば、親指)を置くことが可能であり、ユーザが自分の指によって治療デバイス500をハンドリングすることを容易にする。フィンガディテント533は、概して円形の形状を備えることが可能である。フィンガディテントの直径は、
図5Bに示されているように、治療デバイス500の本体部502の長さに等しいかまたはそれよりも大きくなっていることが可能である。フィンガディテント533は、細いリムによって取り囲まれ得る。いくつかの実施形態では、ハンドル532の上側表面と下側表面の両方が、フィンガディテント533を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、フィンガディテント533は、ハンドル532の残りの部分と同じ材料または異なる材料を備えることが可能である。たとえば、フィンガディテント533は、より軟質の材料を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、フィンガディテント533は、ハンドル532の上部表面から底部表面へ延在する空隙スペースであることが可能である。
【0078】
[0088]さまざまな実施形態では、ハンドルは、1つまたは複数の曲線および/または角度を備えることが可能である。ハンドル532は、ハンドル532が遠位に延在するにつれて上向きの角度を備える。ハンドル532の近位端部は、本体部502の上部表面516において、または、その近くにおいて、本体部502と相互接続することが可能である。ハンドル532は、本体部502の底部よりも、本体部502の上部の方に配設され得る。本体部502の上にハンドル532を位置決めすること、および/または、ハンドル532の上向き角度は、有利には、外科手術視野から外へハンドル532の大部分を高くすることが可能である。いくつかの実施形態では、ハンドル532は、本体部502の底部の方に配設され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル532は、本体部502の左側部または右側部の方に配設され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル532は、本体部502の後方側部の4つの一般的な角部のうちの1つの方に配設され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル532は、下向きに、右側に、および/または左側に角度を付けられ得る。
【0079】
[0089]
図6A~
図6Gは、神経50を受け入れるように構成された開構成になっている治療デバイス600の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図6A~
図6Gは、治療デバイス600のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図6Aは、治療デバイス600の斜視図を示している。
図6Bは、治療デバイス600の上面図を示している。
図6Cは、治療デバイス600の正面図を示している。
図6Dは、
図6Cに示されている断面B-Bの断面図を示している。
図6Eは、治療デバイス600の右側面図を示している。
図6Fは、
図6Eに示されている差し込み
図Aのクローズアップ図を示している。
図6Gは、
図6Aに図示されている治療デバイス600のバリエーションの斜視図を示している。治療デバイス600は、治療デバイス300と類似のまたは同一の多くの特徴を備えることが可能である。治療デバイス600は、下側本体部614と上側本体部620とを備えることが可能であり、下側本体部614および上側本体部620は、開構成および閉構成(図示せず)で位置決めされるように構成されており、開構成は、コンテインメントチャンバ606の中へ神経50を受け入れるように構成されており、閉構成では、神経50の隔離されたセグメントが、治療デバイス600の本体部602によって完全に円周方向に囲まれている。本体部602は、閉構成において、下側本体部614と上側本体部620との間にスプリット629を備えることが可能である。本体部602は、リップ646を備えることが可能であり、リップ646は、本明細書のどこかで説明されているように、溝部648を備えることが可能である。溝部348は、固定デバイスを保つように構成され得、固定デバイスは、閉構成で本体部602を固定するように構成されている。治療デバイス600の本体部602は、形状が概して円筒状になっていることが可能である。本体部602は、
図6Dおよび
図6Eに示されているように、部分的に平坦化された下側外側表面、および/または、部分的に平坦化された上側外側表面を備えることが可能であり、それは、平坦な表面の上に安定してデバイス600を置くことを容易にすることが可能である。コンテインメントチャンバ606は、少なくとも中間本体部612の長さに沿って、形状が概して円筒状になっていることが可能である。
【0080】
[0090]下側本体部614および上側本体部620は、ヒンジ652において一緒に接合され得る。ヒンジ652は、閉構成において、リップ646の円周方向反対側に位置決めされ得る。ヒンジ652は、フランジ653を形成することが可能であり、または、フランジ653の一部であることが可能であり、フランジ653は、少なくとも中間本体部612の部分的な長さに沿って中間本体部612から横方向に延在している。フランジ653は、閉構成においてハンドルと同様に使用され、治療デバイス600をハンドリングすることを容易にすることが可能である。フランジは、下側本体部614を上側本体部620に接合することが可能である。
図3A~
図3Eに示されている例とは異なり(
図3A~
図3Eでは、上側本体部および下側本体部314、320を離すように付勢する際に、本体部302によって経験される変形または歪みは、一般的に、本体部302の周りで円周方向に分配され得る)、本体部602は、ヒンジ652に対する変形を隔離するように構成され得る。ヒンジ652は、
図6A~
図6Fに図示されているように、リビングヒンジであることが可能である。リビングヒンジ652は、本体部602の薄くなった部分であることが可能であり、それは、ヒンジ652が本体部602の残りと同じ材料を備える場合にも、その低減された寸法に起因して、本体部602の残りよりも本質的に可撓性になっている。他の実施形態では、ヒンジ652は、分離可能な関節運動コンポーネントを備える機械的なヒンジであることが可能である。
【0081】
[0091]本体部602は、リッジ654と、対応するトレンチ656とを備えることが可能であり、リッジ654は、上側本体部620の底部表面622から中間本体部612の長さの少なくとも一部分に沿って延在しており、対応するトレンチ656は、下側本体部614の上部表面616から、リッジ654と同じ中間本体部612の長さに沿って延在している。リッジ654は、締まり嵌めでトレンチ656と嵌合するように構成され得る。締まり嵌めは、閉構成においてコンテインメントチャンバ606を流体封止することを助けることが可能であり、および/または、下側本体部614を上側本体部620に固定することを助けることが可能である。いくつかの実施形態では、リッジ654は、下側本体部614の上に配設され得、トレンチ656は、上側本体部620の上に配設され得る。リッジ654およびトレンチ656は、中間本体部612の上に、リップ346の上に、または、中間本体部612とリップ346との間に配設され得る(たとえば、両方の中に配設されている部分を有する)。いくつかの実施形態では、本体部602は、複数の嵌合干渉特徴を備えることが可能である(たとえば、リッジ654およびトレンチ656の2つ以上の列)。
【0082】
[0092]治療デバイスの本体部602は、非平坦な左側および右側端壁608、610を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、端壁608、610は、
図6A~
図6Cに示されているように、閉構成において、概して円錐状の形状を備えることが可能である。端壁608、610は、閉構成において、形状が概して切頭円錐状になっていることが可能であり、概して円形のアパーチャ626が円錐形状の構造体の頂点を形成した状態になっている。下側本体部614と上側本体部620との間のスプリット629は、切頭円錐状の端壁608、610を均一に半分に分割することが可能である。切頭円錐状の端壁608、610の内側表面は、本明細書の他のどこかで説明されているベベル付きの表面と同様のベベル付きの表面650として機能することが可能であり、それは、アパーチャ526からコンテインメントチャンバ606の下側フロアへの移行部を横切って神経50の隔離されたセグメントを支持することを容易にする。いくつかの実施形態では、切頭円錐状の端壁608、610は、中間本体部612からアパーチャ626へ延在する所定の長さを備えることが可能であり、それは、長さが少なくとも約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mmである。
図6Aおよび
図6Bに示されているように、切頭円錐状の端壁608、610は、端壁608、610が中間本体部612から離れるように延在するにつれて、厚さが減少するかまたはテーパ付きになることが可能である。端壁は、一般的に柔軟であることが可能であり、本明細書の他のどこかで説明されているフランジ130と同様に機能することが可能である。端壁608、610は、中間本体部612の近くよりも、アパーチャ626に向けておよびその近くにおいて、より柔軟になっていることが可能である。端壁608、610は、いくらか変形可能であることが可能であり、アパーチャの周囲部が、異なる直径の神経50を収容するように効果的に膨張可能となり得るようになっている。少なくとも部分的に(半径方向とは対照的に)長手方向にフランジ状の構造体を延在させる切頭円錐状の構成は、端壁フランジ608、610の円周方向の曲げを容易にすることが可能であり、それは、アパーチャ626の付勢されていない直径よりも大きい直径を有する神経50の収容を可能にする。同様に、構成は、アパーチャ626の中の神経50の周りの円周方向への圧縮性封止の形成を推進することが可能である。
【0083】
[0093]
図6Gに示されているバリエーションに示されているように、治療デバイス600は、本体部602から延在する(たとえば、横方向に延在する)1つまたは複数の操作タブ658を備えることが可能である。操作タブ658は、ユーザが治療デバイス600をハンドリングおよび/または操作することを可能にすることができる(たとえば、閉位置と開位置との間で下側本体部614および/または上側本体部620を移動させる)。操作タブ658は、形状が概して長方形になっていることが可能である。操作タブ658は、長さがおおよそ1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mm以下になっていることが可能である。いくつかの実施形態では、操作タブ658は、端壁608、610から横方向に延在することが可能である。たとえば、
図6Gに示されているように、4つの操作タブ658が、本体部602から延在することが可能である。2つの操作タブ658が、本体部602の前方部分から延在することが可能であり、また、2つの操作タブ658が、本体部602の後方部分から延在することが可能である。2つの操作タブ658が、左側端壁608から延在することが可能であり、また、2つの操作タブ658が、右側端壁610から延在することが可能である。操作タブ658は、互いからおおよそ90度だけオフセットされている方向に延在することが可能である。
【0084】
[0094]
図7は、治療デバイス700の別の例の斜視図を示している。治療デバイス700は、本明細書のどこかで説明されているようなオープンバス構成を備える。治療デバイス700は、本体部702の長さを横切って不均一な幅を備えることが可能である。コンテインメントチャンバ706は、本体部702の長さを横切って不均一な幅を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、本体部702の幅プロファイルは、コンテインメントチャンバ706の幅プロファイルを正確に映し出すことが可能である。いくつかの実施形態では、本体部702の高さプロファイルは、コンテインメントチャンバ706の深さプロファイルを正確に映し出すことが可能である。幅は、本体部702の左側端部および右側端部において最小になっており、長さの中央部分において(たとえば、中心において)最大になっていることが可能である。本体部702は、治療デバイス700の左側部および右側部を分割する正中線に関して対称になっていることが可能である。いくつかの実装形態では、本体部702の左側端部および/または右側端部は、十分に狭い幅を備えることが可能であり、それらがハンドリングすること(たとえば、ユーザの指またはツールによって把持すること)を容易にするようになっている。本体部702は、治療デバイス700の前方側部および後方側部を分割する正中線に関して対称になっていることが可能である。本体部702は、概して湾曲した前方表面と、概して湾曲した後方表面とを備えることが可能である。本体部702は、概して丸形の底部を備えることが可能である。治療デバイス700は、概して非平坦なフロアを備えるコンテインメントチャンバ702を備えることが可能である。コンテインメントチャンバ702のフロアは、連続的に滑らかな表面を備えることが可能である。コンテインメントチャンバ702のフロアは、コンテインメントチャンバ702の中央ポイントにおいて最も深くなっていることが可能であり、それは、吻合部52を受け入れるように構成され得る。フロアは、治療デバイス700の左側部および右側部から中心に向けて深さが増加することが可能である。連続的に滑らかなフロアは、それが左側部および右側部から中心に向けて降下するときに、本明細書の他のどこかで説明されているベベル付きの表面550と同じ機能を果たすことが可能である。フロアは、治療デバイス700の前方側部および後方側部から中心に向けて深さが増加することが可能である。左側および右側端壁708、710は、本体部702の左側端部から右側端部へ延在する中間本体部712を形成する側壁部704の左側縁部および右側縁部の厚さだけを備えることが可能である。側壁部704は、左側および右側端壁708、710において、本明細書の他のどこかで説明されているスロット528と同様に、神経50を受け入れるように構成されたスロット728を画定するように形状決めされ得る。治療デバイス700は、神経50を受け入れるように構成され得、神経50が、本明細書のどこかで説明されているように、スロット728の中に着座されているときに、スロット528を少なくとも部分的に封止するようになっている。フロアは、コンテインメントチャンバ706の前方中心において、および/または、コンテインメントチャンバ706の後方中心において、スロット728に隣接して到達された高さよりも低いか、おおよそそれと同じであるか、または、それよりも高い高さに到達することが可能である。コンテインメントチャンバ706のフロアは、治療デバイス700の中央部分の近くにおいて、たとえば、神経50の吻合部52の周りなどにおいて、含有されている溶液の体積を実質的に隔離するように設計され得る。
【0085】
[0095]
図8A~
図8Eは、治療デバイス800の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図8A~
図8Eは、治療デバイス800のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図8Aは、治療デバイス800の斜視図を示している。
図8Bは、治療デバイス800の上面図を示している。
図8Cは、治療デバイス800の左側面図または右側面図を示している。
図8Dは、治療デバイス800の正面図または背面図を示している。
図8Eは、
図8Dに示されている断面A-Aの断面図を示している。治療デバイスの本体部802は、
図7を参照して説明されている本体部702と形状が同じまたは類似の構成を備えることが可能である。治療デバイス800は、左側および右側端壁808、810を備えることが可能であり、左側および右側端壁808、810は、中間本体部812の左側縁部および右側縁部から概して半径方向に内向きに延在し、コンテインメントチャンバ806の左側表面および右側表面を形成している。左側および右側端壁808、810は、本明細書の他のどこかで説明されているスリット128と同様のスリット828を備えることが可能である。スリット828は、本体部808の上側表面816から延在することが可能である。スリット828は、実質的に垂直方向に延在することが可能である。スリットは、
図8Eにおいて見られるように、左側および右側端壁808、810の底部縁部までずっと延在することが可能である。スリット828は、端壁808、810を1つまたは2つのフランジ830へと分割することが可能である。フランジ830は、本明細書の他のどこかで説明されているフランジ130と同じまたは同様であることが可能である。フランジ830の遠位縁部は、スリット828の対向する縁部を形成することが可能である。治療デバイス100とは異なり、端壁808、810は、任意のアパーチャを備えていなくてもよい。治療デバイス800は、フランジ830の対向する縁部間に、神経50を受け入れるように、および、神経50を保持するかまたは保つように構成され得、それは、本明細書のどこかで説明されているように、神経50の直径を収容するように、内向きにおよび/または外向きに付勢され得る。いくつかの実施形態では、スリットは、側壁部804の中に単一の垂直方向の分離部だけを備え、フランジ830を別のフランジ830から分割し、または、フランジ830を側壁部804の柔軟性の低い部分から分割している。いくつかの実施形態では、スリット828を形成する分離部は、1つまたは2つのフランジ830の底部の近くにおいて、少なくともいくらか水平方向に延在することが可能であり、スリット828が、1つまたは2つのフランジ830の少なくとも一部分の下方に延在し、フランジ830のより大きいフレキシビリティを可能にするようになっている。2つのフランジ830のケースでは、スプリットは、反対側方向に発散し、両方のフランジ830の下に延在することが可能である。たとえば、スリット829は、
図8Eに図示されているコンテインメントチャンバ806のフロアとの、端壁808、810の左側および/または右側の半円形の交差部に少なくとも部分的に沿って延在することが可能である。
【0086】
[0096]治療デバイス800は、1つまたは複数の操作タブ858を備えることが可能であり、1つまたは複数の操作タブ858は、本明細書の他のどこかで説明されている操作タブ658と同様の特徴を備えることが可能である。操作タブ858は、治療デバイス800の本体部802から横方向に延在する概して薄い平坦な表面を備えることが可能である。操作タブ858の平坦な表面は、より大きい表面積を備えることが可能であり、より大きい表面積は、ユーザの指によってまたは外科手術用ツールによって把持することを容易にする。いくつかの実施形態では、操作タブ858は、
図8A~
図8Eに図示されているように、上側表面と下側表面との間に実質的に均一な厚さを有する概して三角形の形状を備えることが可能である。操作タブ858は、本体部802の上部表面816の他の部分と同一平面上にあることが可能である。操作タブの左側縁部および右側縁部は、デバイスの左側および右側端壁808、810よりも遠くに長手方向には延在しないことが可能である。治療デバイス800は、
図8A~
図8Eにおいて見られるように、4つの操作タブ858を備えることが可能である。操作タブ858は、一般的に、本体部802の前方左側角部、前方右側角部、後方左側角部、および後方右側角部に位置決めされ得る。
【0087】
[0097]
図9は、治療デバイス900の別の例の斜視図を図示している。治療デバイス900は、下側本体部914を備えることが可能であり、下側本体部914は、治療デバイス600の下側本体部614と概して同様の特徴を備える。
図9において見られるように、左側および右側端壁908、910は、切頭円錐状のシェルの底部半分をそれぞれ備えることが可能であり、それは、いくらかの高さにわたって線形に垂直方向上向きに延在し続けている。左側および右側端壁は、本明細書の他のどこかで説明されているスロット528と同様のスロット928を画定することが可能である。端壁908、910の構成は、スロット928の中に受け入れられている神経50に対して圧縮力を働かせるように構成され得、また、本明細書のどこかで説明されているように、神経50とともに圧縮性封止を形成するように構成され得る。
【0088】
[0098]治療デバイス900の本体部902は、上側本体部920を備えることが可能であり、上側本体部920は、本明細書のどこかで説明されているように、ヒンジ952(たとえば、リビングヒンジ)によって、下側本体部914に接合されている。上側本体部920、または、その少なくとも一部分は、コンテインメントチャンバ906の中に少なくとも部分的に受け入れられるように構成され、下側本体部914の上部表面916の中に形成されたアクセスエリア924を流体封止し、および/または、治療デバイス900が閉構成で設置されているときに、スロット928の少なくとも一部分(たとえば、上側部分)を流体封止することが可能である。
図9に示されているように、上側本体部920の挿入される部分921は、コンテインメントチャンバ906の内周部と概して嵌合するように構成された形状または外周部を備えることが可能である。上側本体部920は、ヒンジ952以外の一部分を備えていてもまたは備えていなくてもよく、それは、コンテインメントチャンバ906のアクセスエリア924の外側の下側本体部914の上部表面916の上方に延在しているかまたはそれをカバーしている。コンテインメントチャンバ906の中に受け入れられるように構成されている挿入される部分921は、左側および/または右側のスロット928を少なくとも部分的に充填するように構成されている左側および/または右側の垂直方向のエクステンション927を備えることが可能である。左側および右側の垂直方向のエクステンション927は、左側および右側端壁908、910をそれぞれ越えて外向きに長手方向に延在するように構成され得る。左側および右側の垂直方向のエクステンション927は、左側および右側のスロット928をそれぞれ越えて内向きに長手方向に延在するように構成され得る。垂直方向のエクステンション927は、閉位置において、挿入される部分921の残りの部分の底部の下方に延在するように構成され得、垂直方向のエクステンション927の内側表面が、コンテインメントチャンバ1106の左側および右側の内側表面を少なくとも部分的に形成することができるようになっている。垂直方向のエクステンション927の底部は、凹形表面を備えることが可能であり、凹形表面は、概して丸形の神経50と接触した状態に押され、スロット928の中の神経50の上部の周りに流体封止を形成するように構成されている。凹形表面は、概して半円形になっており(たとえば、円形の上部半分またはそれよりも小さい)、概して円形の断面を有する神経50に一致することが可能である。いくつかの実施形態では、垂直方向のエクステンション927は、上側本体部920の残りと同じ、および/または、下側本体部914と同じ材料を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、垂直方向のエクステンション927は、上側本体部920および/または下側本体部914の残りとは異なる(たとえば、より軟質のまたはより柔軟な)材料を備えることが可能である。
【0089】
[0099]治療デバイス900の下側本体部914は、コンテインメントチャンバ906の中に配設されている1つまたは複数のサポートリブ960を備えることが可能である。サポートリブ960は、概して垂直方向に延在することが可能であり、また、下側本体部914の上部表面916からコンテインメントチャンバ906のフロアへ延在することが可能である。サポートリブ960は、概して丸形の(たとえば、半円形の)断面形状を有することが可能である。サポートリブ960は、下側本体部914の残りと同じ材料、または、異なる材料(たとえば、より軟質の材料)を備えることが可能である。サポートリブは、たとえば、とりわけ横断方向に、コンテインメントチャンバ906のリジッド性を増加させることなどによって、コンテインメントチャンバ906に構造的な支持を提供することが可能である。サポートリブ960は、左側および右側のスロット928の間に延在する神経50の隔離されたセグメントに摩擦係合するように構成され得る。サポートリブ960は、コンテインメントチャンバ906のフロアから離して、神経50を高くするかまたは吊り下げることを容易にすることが可能であり、それは、有利には、とりわけ、中央部分(たとえば、吻合部が位置決めされ得る場所)の周りにおいて、神経50のより徹底的な流体カプセル化を可能にすることができる。いくつかの実装形態では、神経50は、前方および後方の対向するサポートリブ960の間に位置決めされ得る。サポートリブ960を離すように付勢することによって(たとえば、スロット928によって分離されているときに、下側本体部914の後方部分から離れるように前方部分を付勢することによって)、および、サポートリブ960を分離している力を緩和する前に、神経50が重力下において適正な位置へとスライドまたは落下することを可能にすることによって、神経50は、適当な高さにおいて、サポートリブ960間に配設され得る。サポートリブ960は、本明細書のどこかで説明されているように、ユーザの指を介して、および/または、適当な外科手術用ツールを使用して、離れるように付勢され得る。
【0090】
[0100]
図10は、治療デバイス1000の別の例の斜視図を図示している。治療デバイス1000は、治療デバイス100と同様の特徴を備えることが可能である。ハンドル1032は、レイドルタイプ構成を備えることが可能である。ハンドル1032は、上向き方向に曲線を備えることが可能である。曲線は、少なくともハンドル1032の長さの大部分にわたって、徐々に間隔を置いて配置され得る。曲線は、変曲ポイントを備えることが可能であり、変曲ポイントにおいて、
図10に示されているように、湾曲の方向が変化している。ハンドルの遠位端部は、治療デバイス1000の本体部1002の上部表面1016の上方に位置決めされ得る。ハンドル1032の遠位端部は、実質的に水平方向に配向され得る。
【0091】
[0101]
図11A~
図11Eは、治療デバイス1100の別の例の多視点図を概略的に図示している。
図11A~
図11Eは、治療デバイス1100のさまざまな部分に関して、適切であるが非限定的な寸法(mm)の例を含む。
図11Aは、治療デバイス1100の斜視図を示している。
図11Bは、治療デバイス1100の上面図を示している。
図11Cは、治療デバイス1100の右側面図を示している。
図11Dは、治療デバイス1100のハンドル1132の一部分を見下ろす背面図を示している。
図11Eは、長手方向軸線に対して横断方向に、治療デバイス1100の左側部と右側部との間の正中線に沿ってとられた断面の断面図を示している。治療デバイス1100は、治療デバイス100および/または治療デバイス1000と同様の特徴を備えることが可能である。スリット1128は、コンテインメントチャンバ1106の前方内側表面を形成する側壁部1104の前方部分1105と、コンテインメントチャンバ1106の左側および右側の内側表面を形成する側壁部1104の左側部分および右側部分1109、1111との間の交差部に沿って、右側および左側端壁1108、1110に沿って配設され得る。スリット1128は、それぞれの端壁1108、1110の上に単一のフランジ1130を画定することが可能である。フランジ1130は、端壁1108、1110の表面積の大部分を形成することが可能であり、また、コンテインメントチャンバ1106の内側表面全体を形成することが可能である。フランジ1130の遠位縁部は、前方側壁部1105に対向することが可能であり、前方側壁部1105は、治療デバイス1100の前方表面に沿って中間本体部1112を形成している。フランジ1130の遠位縁部は、付勢されていない構成のときに、前方側壁部1105のごく近くに位置決めされ得るか、前方側壁部1105と接触して位置決めされ得るか、または、本明細書の他のどこかで説明されているフランジ130の遠位縁部と同様に、前方側壁部1105の左側縁部および右側縁部に部分的に重なることが可能である。前方側壁部1105と左側および右側の側壁部1109、1111との間で側壁部1104をより決定的に配分する、説明されているようなスリット1128の位置決めは、前方側壁部1105を相対的により柔軟にすることが可能である。前方側壁部1105は、フランジ1130の遠位端部から離れるように前方向に容易に曲げ可能であり得、それは、有利には、アパーチャ1136の中に受け入れられることになる、スリット1128を通した神経50の挿入を容易にすることが可能である。前方側壁部1105の上部縁部は、コンテインメントチャンバ1106の方向に下向きに角度付きまたはベベル付きになっていることが可能であり、それは、有利には、治療デバイス1100の中への神経50の導入の間に、スリット1128の中に神経50をガイドすることを助けることが可能である。
【0092】
[0102]治療デバイス1100のアパーチャ1136は、端壁1108、1110の上で長手方向軸線に対して横断する方向に中心を外れて配設され得る。たとえば、アパーチャ1136は、前方側壁部1105と左側および右側の側壁部1109、1111との間の交差部に沿って配設され得る。スリット1128は、
図11Aおよび
図11Cに示されているように、周囲部の最も前方のポイントに沿って、アパーチャ1126の周囲部に交差することが可能である。前方壁部1105は、一般的にアパーチャ1126の周囲部の底部および/または後方部分に沿って、左側および右側の側壁部1109、1111と融合することが可能である。単一のフランジ1130の下のアパーチャ1136全体の位置決めは、有利には、フランジ1130をより可撓性にすることが可能である。その理由は、フランジ1130のより長い水平方向の長さが、端壁1108、1110の残りの部分から分離可能であり得るからである。
【0093】
[0103]
図11Cに示されているように、コンテインメントチャンバ1106は、本明細書のどこかで説明されているように、ベベル付きの表面1150を備えることが可能であり、ベベル付きの表面1150は、コンテインメントチャンバ1106の前方内側表面、後方内側表面、左側内側表面、および/または右側内側表面を、コンテインメントチャンバ1106のフロアに相互接続している。スリット1128およびアパーチャ1126を前方壁部1105の方に位置決めすることは、コンテインメントチャンバ1106のフロアを治療デバイス1100の本体部1102の前方の方にシフトさせることが可能である。
【0094】
[0104]治療デバイス1100は、
図11Cに示されているように、下向き角度を有するハンドル1132を備えることが可能である。ハンドル1132は、治療デバイス1100の本体部1102から(たとえば、治療デバイス1100の上部から)横方向に延在し、次いで、下向き方向に向けて曲がることが可能である。ハンドル1132の遠位端部は、本体部1102の底部の上方の、(
図11Cに示されているように)本体部1102の底部とおおよそ同じレベルにおける、または、本体部1102の底部の下方の、所定の垂直方向の位置へ延在することが可能である。
【0095】
[0105]さまざまな実施形態では、治療デバイスは、活動電位(たとえば、複合活動電位)を測定することを容易にするように構成され得、および/または、神経50の隔離されたセグメントを横切って電気刺激を印加するように構成され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、電極を受け入れるように構成され得、神経と接触した状態に電極を位置決めするように構成され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、針状の電極は、治療デバイス300の流体ポート340を通して受け入れられ得る。電極は、吻合部52の両側の神経50の左側端部および右側端部に位置決めされ得る。他の実施形態では、治療デバイスは、特定のアクセスポートまたはウィンドウを備えることが可能であり、特定のアクセスポートまたはウィンドウは、電極を受け入れるように、および/または、電極をデバイスに固定するように構成されている。いくつかの実施形態では、電極は、デバイスの中へ組み込まれ得る。たとえば、電極は、コンテインメントチャンバの内側表面の中に配設され得、(たとえば、デバイスの左側部および/または右側部において)神経50と接触した状態へと設置されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ポジティブターミナルとしての役割を果たすように構成された電極、および、ネガティブターミナルとしての役割を果たすように構成された電極が、存在することが可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、グランドターミナルを含むことが可能であり、および/または、ネガティブターミナルは、接地され得る。いくつかの実施形態では、電極は、ポリマーデバイスの中に埋め込まれ得る。電極は、デバイスの外部表面の上に配設されている電気接点に導電体を介して接続され得る。治療デバイスの本体部は、概して非伝導性の材料から製作され得る。
【0096】
[0106]いくつかの実装形態では、治療デバイスは、臨床目的および/または学術研究目的のために使用され得る。治療デバイスは、薬理学的な研究および/または電気生理学的な研究などのような、インサイチュ研究または実験のために神経を隔離するためだけの役割を果たすことが可能である。いくつかの実装形態では、治療デバイスは、本明細書の他のどこかで説明されているもの以外のプロトコルによる細胞融合を実施するために使用され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、デバイスは、PEG以外のフソゲンとともに使用され得る。いくつかの実装形態では、治療デバイスは、電気融合(e-融合)プロトコルの間に使用され得、電気融合プロトコルでは、(エレクトロポレーションプロトコルと同様に、)電気ショックが、神経に印加され、細胞融合を刺激する。本明細書の他のどこかで説明されている電極は、電気融合プロトコルを実施するために有用であることが可能である。いくつかの方法では、神経治療デバイスは、切断された神経端部の物理的な再取り付け(たとえば、縫合)の間に、切断された神経の端部を並列位置に保つおよび安定して保持するために使用され得る。
【0097】
溶液
[0107]さまざまな実施形態では、神経に適用される溶液は、一般に使用されているUSPグレードの薬剤を備えることが可能である。溶液は、新規化学物質を含有しなくてもよく、および/または非USP成分を含有してもよい。適当なシーケンスで適用されるときに、溶液の中の薬剤は、本明細書で開示されているコンポーネントおよび方法の主要な作用メカニズム(PMOA)の原因となる。いくつかの実施形態では、治療手順の間の本明細書で説明されている溶液のいずれかまたはすべてへの露出は、それぞれ、おおよそ1分、2分、3分、4分、または5分以下であることが可能である。好適な実施形態では、露出は、2分以下であることが可能である。
【0098】
[0108]いくつかの実施形態では、キットのコンポーネントは、3つの溶液と、本明細書の他のどこかで説明されている治療デバイスとを備えることが可能である。プライミング溶液(溶液1)は、メチレンブルーを備えることが可能であり、メチレンブルーは、活性剤であることが可能である。プライミング溶液は、低張性であることが可能である。プライミング溶液は、カルシウムフリーであることが可能である(たとえば、2価カルシウムカチオンCa2+がない)。カルシウムの存在は、細胞の生化学的なプロセスと干渉する可能性があり、および/または、巨大細胞集合体を誘発させる可能性があり、潜在的には、時期尚早の融合を誘発させる可能性がある。プライミング溶液は、生理食塩水を備えることが可能である。プライミング溶液は、無菌であることが可能である。プライミング溶液は、非発熱性であることが可能である。いくつかの実施形態では、プライミング溶液は、メチレンブルーを備えることが可能である。理論によって限定されることなく、メチレンブルーは、細胞に予防効果を提供する抗酸化剤として機能することが可能であり、負傷した軸索のワーラー変性を抑制するかもしくは遅延させることが可能であり、および/または、損傷した細胞膜のシーリングを防止することが可能である。
【0099】
[0109]いくつかの実施形態では、100mL体積のプライミング溶液は、おおよそ:526mgの塩化ナトリウム、USP(NaCl);502mgのグルコン酸ナトリウムUSP、(C6H11NaO7);368mgの酢酸ナトリウム三水和物、USP(C2H3NaO2・3H2O);37mgの塩化カリウム、USP(KCl);30mgの塩化マグネシウム、USP(MgCl2・6H2O);および1mgのメチレンブルー、USP(C16H18ClN3S)を含有することが可能である。プライミング溶液は、おおよそ7.4のpHにおいてddi-H2Oの中で作製され得る。いくつかの実施形態では、pHは、おおよそ6.5から8.0の間であることが可能である。いくつかの実装形態では、プライミング溶液は、Plasma-Lyte(商標登録)(Baxter International Inc.、Deerfield、IL)であることが可能であり、または、それを備えることが可能である。
【0100】
[0110]融合溶液(溶液2)は、ポリエチレングリコール(PEG)を備えることが可能である。PEGは、低分子量PEGであることが可能である。いくつかの実施形態では、PEGは、1,000Da、1,500Da、2,000Da、2,500Da、3,000Da、3,500Da、4,000Da、4,500Da、または5,000Da以下の分子量(たとえば、多分散性のサンプルに関して数平均または重量平均分子量)を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、PEGは、直鎖分子を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、鎖は、枝分かれした分子(たとえば、4アーム、6アーム、または8アームの星形分子)を備えることが可能である。融合溶液は、無菌であることが可能である。融合溶液は、非発熱性であることが可能である。いくつかの実施形態では、100mL体積の融合溶液は、おおよそ100mgPEG 3350(たとえば、USP PEG-3350)を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、PEGの濃度は、おおよそ30%から60%の間、おおよそ40%から55%の間、または、おおよそ45%から50%(w/w)の間にあることが可能である。いくつかの実施形態では、PEGは、おおよそ50%(w/w)である。融合溶液は、おおよそ7.4のpHにおいて、ddi-H2Oの中で作製され得る。いくつかの実施形態では、pHは、おおよそ7.0から7.9の間にあることが可能である。
【0101】
[0111]シーリング溶液(溶液3)は、生理食塩水を備えることが可能である。シーリング溶液は、等張性であることが可能である。シーリング溶液は、カルシウムを備えることが可能である。シーリング溶液は、無菌であることが可能である。シーリング溶液は、非発熱性であることが可能である。いくつかの実施形態では、100mL体積のシーリング溶液は、おおよそ:600mg塩化ナトリウム、USP(NaCl);310mg乳酸ナトリウム、USP(C3H5NaO3);30mg塩化カリウム、USP(KCl);および20mg塩化カルシウム、USP(CaCl2・2H20)を備えることが可能である。シーリング溶液は、おおよそ5.0のpHにおいて、ddi-H2Oの中で作製され得る。いくつかの実施形態では、pHは、おおよそ4.0から6.5の間にあることが可能である。いくつかの実施形態では、シーリング溶液は、ラクトリンゲル溶液であることが可能であり、または、ラクトリンゲル溶液を備えることが可能である。
【0102】
PEG融合プロトコル
[0112]本明細書の他のどこかで説明されている、キットおよび/または溶液を使用する方法は、溶液の中の医薬品の順次の送達を備えることが可能である。好適な実施形態では、治療用PEG融合溶液の送達は、神経縫合術と組み合わされ、切断された神経を修復することが可能である。方法は、本明細書で説明されているようなマルチステッププロセスを備えることが可能である。さまざまな実施形態では、1つまたは複数のステップは、アウトカムに対して必須でない場合に除去されるかまたは変更され得る。さまざまな実施形態では、1つまたは複数のステップが、方法に追加され得る。
【0103】
[0113]切断された末梢神経の現代の外科手術的な修復は、微小縫合糸によって、切断された神経の近位端部および遠位端部を再接合すること(神経縫合術)から構成される、観血的な外科手術手順として実行されている。本明細書の他のどこかで開示されている治療デバイスは、切断された末梢神経の外科手術的な修復の中で、神経縫合術とともに使用されるように構成され得る。
【0104】
[0114]第1のステップにおいて、神経修復のための手術野が準備され得る。神経障害のメカニズムは、重要である可能性がある。治療デバイスおよび/またはプロトコルは、障害の狭いゾーンまたはインディケーションを治療するように構成され得る。ほとんどのケースでは、神経剥離手順が、ほぼ引張力のない修復を可能にするために使用され得る。神経剥離術は、神経線維を一時的に退化させ、および/または、患者の痛みを軽減することが可能である。いくつかの実装形態では、クリーンカットされた神経断端が、望ましい可能性がある。準備は、必要に応じてトリミングを備えることが可能である。カルシウムフリーの低張性の生理食塩水が、イリゲーションのために使用され得る。
【0105】
[0115]第2のステップにおいて、切断された軸索の端部が、イリゲートされ得る。端部は、本明細書のどこかで説明されているようなプライミング溶液(溶液1)の中でイリゲートされ得る。プライミング溶液は、低張性のCa2+フリーの生理食塩水の中に1%メチレンブルーを備えることが可能である。いくつかの実装形態では、端部は、おおよそ1~2分にわたってイリゲートされ得る。イリゲーションは、有利には、軸索原形質体積を増加させ、カットされた軸索端部を開き、細胞内膜結合小胞を吐き出させ、および/または、新しい細胞内小胞の形成を防止することが可能である。プライミング溶液のこれらのさまざまな効果は、たとえば、細胞の集合および/または融合のための細胞膜の最適な構成で、軸索と軸索との接触を推進することなどによって、細胞融合のために軸索の切断された端部を準備することが可能である。
【0106】
[0116]第3のステップにおいて、切断された神経は、物理的に再接合され、吻合部をもたらすことが可能である。再接合は、手術用顕微鏡によって実施され得る。再接合は、神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することを備えることが可能である(「神経縫合術」、切断された神経の臨床的な修復におけるケアの標準)。再接合は、プライミング溶液の存在下において実施され得る。プライミング溶液は、第2のステップの中で使用されているもの(溶液1)と同じであることが可能である。再接合は、神経上膜シースの中に軸索と軸索との接触を確立することが可能である。いくつかの場合では、軸索が修復部位を横切って直接的に接触していない場合には、融合が起こらない可能性がある。いくつかの実施形態では、神経は、8-0ナイロン縫合糸または別の適当な縫合糸を使用して縫合され得る。
【0107】
[0117]第4のステップにおいて、本明細書のどこかで説明されているように、縫合された神経がデバイスのコンテインメントチャンバの中に置かれるように、治療デバイスが設置され得る(たとえば、穏やかに位置決めされる)。さまざまな実施形態では、神経の吻合部52は、治療デバイスのコンテインメントチャンバの中のおおよそ中央に位置決めされ得、および/または、適用される溶液への吻合部の露出を最大化するように構成されたコンテインメントチャンバの最も深い部分に位置決めされ得る。送達デバイスは、融合溶液の隔離された投与および融合溶液の効率的な除去のための流体コンテインメントフィールドを提供することが可能である。いくつかの実施形態では、再接合された神経は、より前のプライミングステップに加えてまたは代替的に、治療デバイスの中に位置決めされた後に、プライミング溶液の中でリンスされ得る。プライミング溶液は、第2のステップからのものと同じ溶液であることが可能である(溶液1)。
【0108】
[0118]第5のステップにおいて、近くに並置された切断された軸索の軸索膜の融合が誘発され得る。融合は、融合溶液(溶液2)への露出によって誘発され得る。いくつかの実施形態では、融合溶液は、約50%w/wPEG/蒸留水を備えることが可能である。露出は、約1~2分であることが可能である。融合溶液は、結合した細胞水の除去を引き起こすことが可能であり、それによって、膜融合を誘発させる。さまざまな実施形態では、PEG濃度は、50%を下回って減少されるか、または50%を上回って増加され得る。露出時間は、PEG濃度が減少されるときに増加され得、または、PEG濃度が増加されるときに減少され得る。いくつかの実装形態では、PEG溶液は、治療されているニューロンに対するPEGの任意の有害作用を防止するかまたは最小化するために、おおよそ50%(w/w)よりも多く備えなくてもよい。
【0109】
[0119]第6のステップにおいて、融合溶液が除去され得る。融合溶液は、吸引によって送達デバイスコンテインメントチャンバから除去され得る。吸引は、ピペット、真空、シリンジ、または、任意の他の適切な流体除去技法によって実施され得る。
【0110】
[0120]第7のステップにおいて、送達デバイスが、神経の周りから(たとえば、穏やかに)除去され得る。
【0111】
[0121]第8のステップにおいて、融合された軸索膜の任意の残っている膜不連続部が封止され得る。不連続部は、過剰な体積のシーリング溶液(溶液3)によってリンスすることによって封止され得る。シーリング溶液は、本明細書のどこかで説明されているように、等張性のCa2+を含有する生理食塩水を備えることが可能である。シーリング溶液は、約1~2分にわたって適用され得る。シーリング溶液は、任意の残っている軸索膜孔部を封止する小胞の形成を誘発させることが可能である。いくつかの実施形態では、治療デバイスが除去された後にシーリング溶液を適用することに加えてまたは代替的に、神経から治療デバイスを除去する前に、シーリング溶液が神経に適用され得る。
【0112】
[0122]第9のステップにおいて、日常的な創傷部閉鎖および切開部ケアが、必要に応じて実施され得る。
【0113】
[0123]いくつかの実装形態では、これらのステップのシーケンスは、結果有効的であることが可能である。いくつかの実施形態では、溶液適用ステップのうちの1つまたは複数が、1回よりも多く繰り返され得る(たとえば、2回、3回など)。溶液は、以前の体積の溶液が除去された後に、順次適用され得る。いくつかの実施形態では、ステップ間で、および/または、繰り返される溶液の適用間で、神経はリンスされ得る。リンシング溶液は、低張性のCa2+フリーの生理食塩水溶液などのような生理食塩水溶液、または、任意の他の適切な溶液であることが可能である。いくつかの実施形態では、手順は、治療デバイスの使用なしに実施され得、または、本明細書で説明されているデバイス以外のデバイスを使用することが可能である。
【0114】
[0124]神経PEG融合法における動物研究は、従来の神経修復技法と比較して、優れた回復の速度、および、優れた機能の復帰を実証した。PEG融合プロトコルは、明確に特定された生物工学によって作られた化学物質のシーケンスを含むことが可能であり、それは、容易に取得可能な既製品(たとえば、PEG 3,350kD)でなくてもよい。溶液のキット(および、いくつかの実施形態では、治療デバイス)は、外科医の大きな利便性を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1~2年の貯蔵寿命(たとえば、PEG融合溶液の貯蔵寿命)を有することが可能である。さまざまな実施形態では、1つまたは複数の溶液が、酸化を防止するために、真空下においてまたは不活性ガス(たとえば、窒素またはアルゴン)下において、コンテナの中に貯蔵され得る。溶液は、放射線から溶液を保護するコンテナの中に含有され得る。キットは、使用説明書および/または推奨体積を備えることが可能である。キットは、複数の外科手術のための十分な試薬を備えることが可能であり、または、単回使用の手術のために構成され得る。キットは、随意的に、1つもしくは複数の外科手術用ツールまたは他のツール、たとえば、本明細書のどこかで説明されているように、治療デバイスをハンドリングおよび/または操作するように構成されたツールなどを備えることが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの前記第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記第1の端壁は、前記第1の端壁を通って前記上部表面から前記第1のアパーチャへ延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記第2の端壁を通って前記上部表面から前記第2のアパーチャへ延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して前記第1のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して前記第2のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0114】
[0124]神経PEG融合法における動物研究は、従来の神経修復技法と比較して、優れた回復の速度、および、優れた機能の復帰を実証した。PEG融合プロトコルは、明確に特定された生物工学によって作られた化学物質のシーケンスを含むことが可能であり、それは、容易に取得可能な既製品(たとえば、PEG 3,350kD)でなくてもよい。溶液のキット(および、いくつかの実施形態では、治療デバイス)は、外科医の大きな利便性を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1~2年の貯蔵寿命(たとえば、PEG融合溶液の貯蔵寿命)を有することが可能である。さまざまな実施形態では、1つまたは複数の溶液が、酸化を防止するために、真空下においてまたは不活性ガス(たとえば、窒素またはアルゴン)下において、コンテナの中に貯蔵され得る。溶液は、放射線から溶液を保護するコンテナの中に含有され得る。キットは、使用説明書および/または推奨体積を備えることが可能である。キットは、複数の外科手術のための十分な試薬を備えることが可能であり、または、単回使用の手術のために構成され得る。キットは、随意的に、1つもしくは複数の外科手術用ツールまたは他のツール、たとえば、本明細書のどこかで説明されているように、治療デバイスをハンドリングおよび/または操作するように構成されたツールなどを備えることが可能である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの前記第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記第1の端壁は、前記第1の端壁を通って前記上部表面から前記第1のアパーチャへ延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記第2の端壁を通って前記上部表面から前記第2のアパーチャへ延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して前記第1のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して前記第2のアパーチャの中へ受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
[2] 前記第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを備え、前記第1のフランジは、前記第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第1のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されている、[1]に記載の神経治療デバイス。
[3] 前記第1の端壁の前記可撓性の部分は、第2のフランジを備え、前記第2のフランジは、前記第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第2のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されており、前記第1および第2のフランジの前記遠位縁部が、前記第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている、[2]に記載の神経治療デバイス。
[4] 前記第1および第2のアパーチャは、前記第1および第2の端壁の中に位置決めされており、前記上部表面とは反対側の前記第1および第2のアパーチャの底部が、前記コンテインメントチャンバのフロアの上方に高くされるようになっている、[1]から[3]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[5] 前記コンテインメントチャンバは、前記第1および第2のアパーチャの前記底部を前記コンテインメントチャンバの前記フロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を備え、前記ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、前記神経の前記隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成されている、[4]に記載の神経治療デバイス。
[6] 前記コンテインメントチャンバは、前記体積の流体を保つように構成されており、前記流体が、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って前記神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている、[1]から[5]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[7] 前記アクセスエリアの幅は、前記第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、前記第2のアパーチャの幅よりも大きくなっている、[1]から[6]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[8] 前記第1および第2のアパーチャは、円形になっている、[1]から[7]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[9] 前記第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において前記神経の直径よりもわずかに小さい直径を備え、前記第1および第2のアパーチャが、前記第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの前記神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている、[1]から[8]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[10] 前記第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合されている、[1]から[9]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[11] 前記細長い本体部の底部表面は、概して丸みを帯びている、[1]から[10]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[12] 前記細長い本体部の底部表面の少なくとも一部分は平坦化されており、前記神経治療デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている、[1]から[11]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[13] 前記第1の端壁は、卵形の一部分に対応するプロファイル形状を備える、[1]から[12]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[14] 前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加しており、前記前方端部および前記後方端部は、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在している、[1]から[13]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[15] 前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていない、[1]から[14]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[16] 前記細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作される、[1]から[15]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[17] 前記細長い本体部は、シリコーンを備える、[1]から[16]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[18] 前記シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備える、[17]に記載の神経治療デバイス。
[19] 前記細長い本体部から横方向に延在するハンドルをさらに備える、[1]から[18]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[20] 前記ハンドルは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間の前記神経治療デバイスの後方側部から延在している、[19]に記載の神経治療デバイス。
[21] 前記ハンドルは、細長い本体部を備える、[19]または[20]に記載の神経治療デバイス。
[22] 前記ハンドルは、テクスチャ加工された表面を備える、[19]から[21]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[23] 前記ハンドルは、前記細長い本体部の前記上部表面と同一平面になっている上部表面を備える、[19]から[22]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [24] 前記ハンドルは、後方方向に水平方向に延在している、[19]から[23]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[25] 前記ハンドルは、上向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、[19]から[24]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[26] 前記ハンドルは、下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、[19]から[25]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[27] 前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の上方に位置決めされている、[19]から[26]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[28] 前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の下方に位置決めされている、[19]から[26]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[29] 前記ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を備える、[19]から[28]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[30] 前記第1のスリットは、前記第1のアパーチャを二分しており、前記第2のスリットは、前記第2のアパーチャを二分している、[19]から[29]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[31] 前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、それぞれ、前記細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、前記第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされている、[19]から[30]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [32] 前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、前記細長い本体部の前方端部の方に水平方向に配設されている、[19]から[30]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[33] 前記第1のスリットは、前記コンテインメントチャンバの内側前方表面を前記第1の端壁の内側表面から分割しており、前記第2のスリットは、前記コンテインメントチャンバの前記内側前方表面を前記第2の端壁の内側表面から分割しており、前記第1のスリットと前記第2のスリットとの間に形成された前記細長い本体部の前方壁部が、前記第1の幅および前記第2の幅を増加させるように前方方向に付勢されるように構成されるようになっている、[32]に記載の神経治療デバイス。
[34] 前記第1のスリットは、前記第1のアパーチャの前方縁部に交差しており、前記第2のスリットは、前記第2のアパーチャの前方縁部に交差している、[32]または[33]に記載の神経治療デバイス。
[35] 前記細長い本体部の前方壁部は、前記コンテインメントチャンバに向けて下向きに傾斜する前記上部表面の上に角度付きの縁部を備える、[1]から[34]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[36] 前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを備え、流体は、前記流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、[1]から[35]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[37] 前記第2の開口部は、前記細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成されている、[36]に記載の神経治療デバイス。
[38] 流体ポートが、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを備える、[36]または[37]に記載の神経治療デバイス。
[39] 流体ポートが、前記細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在している、[36]から[38]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[40] 前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを備え、流体は、前記第2の流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、[36]から[39]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[41] 神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記コンテインメントチャンバの空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの前記第1および第2の端部の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の長さに延在するスプリットによって少なくとも部分的に分割されており、前記スプリットは、前記細長い本体部の前方側部から内向きに前記第1および第2のアパーチャへ延在しており、前記スプリットは、前記下側本体部の上部表面と、前記下側本体部の底部表面とを画定しており、
前記下側本体部と前記上側本体部との間の分離距離は、前記スプリットに沿って増加され得、前記細長い本体部が、前記スプリットを通して前記第1および第2のアパーチャの中へ前記神経を受け入れるように構成されるようになっており、
前記下側本体部および上側本体部は、閉構成において、前記神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている、神経治療デバイス。
[42] 前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の後方側部において一緒に接合されている、[41]に記載の神経治療デバイス。
[43] 前記下側本体部および前記上側本体部は、可撓性のヒンジによって一緒に接合されている、[42]に記載の神経治療デバイス。
[44] 前記可撓性のヒンジは、リビングヒンジである、[43]に記載の神経治療デバイス。
[45] 前記下側本体部および前記上側本体部は、前記細長い本体部の前記後方側部において一体になっている、[42]に記載の神経治療デバイス。
[46] 前記細長い本体部は、周囲部を画定する側壁部を備える概してチューブ状の本体部を備え、前記スプリットは、前記前方側部に沿って前記側壁部を通って延在しており、前記周囲部は、前記スプリットの長さに沿って開けることができ、前記側壁部は、前記後方側部に沿って中断されていない、[45]に記載の神経治療デバイス。
[47] 前記スプリットは、前記第1のアパーチャまたは前記第2のアパーチャの後方に延在していない、[42]または[45]に記載の神経治療デバイス。
[48] 前記上側本体部は、前記下側本体部から完全に分離可能である、[41]に記載の神経治療デバイス。
[49] 前記コンテインメントチャンバの前記空隙容積は、前記下側本体部および前記上側本体部の中に形成されている、[41]から[48]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[50] 前記コンテインメントチャンバの前記空隙容積は、完全に前記下側本体部の中に形成されており、前記上側本体部は、前記空隙容積の中へ開口する前記下側本体部の前記上部表面の中に形成されたアクセスエリアを封止するように構成されている、[41]から[48]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[51] 前記第1の端壁は、平坦になっている、[41]から[50]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[52] 前記第1の端壁の少なくとも一部分は、切頭円錐状の形状を備え、前記第1のアパーチャは、前記切頭円錐状の形状の頂点を形成している、[41]から[50]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[53] 前記第1の端壁は、側壁部を備え、前記側壁部は、前記側壁部が前記切頭円錐状の形状の前記頂点に向けて延在するにつれて減少する厚さを有する、[52]に記載の神経治療デバイス。
[54] 前記下側本体部は、第1のロッキング特徴を備え、前記上側本体部は、第2のロッキング特徴を備え、前記第2のロッキング特徴は、前記第1のロッキング特徴に係合し、前記閉構成において、前記下側本体部および前記上側本体部を一緒にロックするように構成されている、[41]から[53]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [55] 前記第1および第2のロッキング特徴は、締まり嵌めを形成するために一緒に嵌合するように構成されているリッジおよびトレンチを備える、[54]に記載の神経治療デバイス。
[56] 前記神経治療デバイスは、下側リップと、上側リップとをさらに備え、前記スプリットは、前記下側リップと前記上側リップとの間に延在しており、前記下側リップおよび前記上側リップは、固定メカニズムを受け入れ、前記下側本体部および前記上側本体部を閉構成に維持するように構成されている、[41]から[55]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[57] 前記下側リップおよび/または前記上側リップは、溝部を備え、前記溝部は、前記リップの少なくとも部分的な長さに沿って延在し、前記固定メカニズムを保つ、[56]に記載の神経治療デバイス。
[58] 前記細長い本体部は、概して円筒状の形状を備える、[41]から[57]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[59] 前記コンテインメントチャンバは、前記第1および第2のアパーチャの底部を前記コンテインメントチャンバのフロアに相互接続するベベル付きのおよび/または湾曲した表面を備え、前記ベベル付きのおよび/または湾曲した表面は、前記神経の前記隔離されたセグメントの重量を支持することを助けるように構成されている、[41]から[58]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[60] 前記コンテインメントチャンバは、前記体積の流体を保つように構成されており、前記流体が、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分に沿って前記神経の周囲部を全体的に取り囲むようになっている、[41]から[59]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[61] アクセスエリアの幅が、前記第1のアパーチャの幅よりも大きくなっており、また、前記第2のアパーチャの幅よりも大きくなっている、[41]から[60]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[62] 前記第1および第2のアパーチャは、円形になっている、[41]から[61]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[63] 前記第1および第2のアパーチャは、付勢されていない構成において前記神経の直径よりもわずかに小さい直径を備え、前記第1および第2のアパーチャが、前記第1および第2のアパーチャの中に受け入れられているときの前記神経の周りに圧縮性封止を形成するように構成されるようになっている、[41]から[62]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[64] 前記第1および第2のアパーチャは、長手方向に整合されている、[41]から[63]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[65] 前記細長い本体部の前記底部表面の少なくとも一部分は平坦化されており、前記神経治療デバイスが平坦な表面の上に安定して置かれることができるようになっている、[41]から[64]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[66] 前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの前方端部と後方端部との間で増加しており、前記前方端部および前記後方端部は、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在している、[41]から[65]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[67] 前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦になっていない、[41]から[66]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[68] 前記細長い本体部および端壁は、同じ材料から一体的に製作される、[41]から[67]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[69] 前記細長い本体部は、シリコーンを備える、[1]から[16]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[70] 前記シリコーンは、医療用グレードのポリジメチルシロキサン(PDMS)を備える、[69]に記載の神経治療デバイス。
[71] 前記細長い本体部から横方向に延在するハンドルをさらに備える、[41]から[70]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[72] 前記ハンドルは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間の前記神経治療デバイスの後方側部から延在している、[71]に記載の神経治療デバイス。
[73] 前記ハンドルは、細長い本体部を備える、[71]または[72]に記載の神経治療デバイス。
[74] 前記ハンドルは、テクスチャ加工された表面を備える、[71]から[73]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[75] 前記ハンドルは、前記細長い本体部の前記上部表面と同一平面になっている上部表面を備える、[71]から[74]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [76] 前記ハンドルは、後方方向に水平方向に延在している、[71]から[75]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[77] 前記ハンドルは、上向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、[71]から[76]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[78] 前記ハンドルは、下向き方向に湾曲しているかまたは角度付きになっている、[71]から[77]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[79] 前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の上方に位置決めされている、[71]から[78]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[80] 前記ハンドルは、前記細長い本体部に接合されている近位端部と、前記近位端部の反対側の遠位端部とを備え、前記遠位端部は、前記細長い本体部の前記上部表面の下方に位置決めされている、[71]から[78]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[81] 前記ハンドルは、変曲ポイントを有する湾曲を備える、[71]から[80]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[82] 前記上側本体部は、接続アームを介して前記ハンドルに間接的に連結されており、前記接続アームは、閉構成と開構成との間で前記下側本体部および上側本体部を移動させるように操作され得る、[71]から[81]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[83] 前記第1のアパーチャおよび前記第2のアパーチャは、それぞれ、前記細長い本体部の前方端部と後方端部との間で、前記第1および第2の端壁の中で水平方向に中心を合わされている、[41]から[82]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [84] 前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成されている囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第1の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第2の開口部とを備え、流体は、前記流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、[41]から[83]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[85] 前記第2の開口部は、前記細長い本体部から延在する流体ポートの上に形成されている、[84]に記載の神経治療デバイス。
[86] 前記流体ポートは、シリンジに連結するように構成されたルアーコネクタを備える、[84]または[85]に記載の神経治療デバイス。
[87] 前記流体ポートは、前記細長い本体部から延在するハンドルの遠位端部から延在している、[84]から[86]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[88] 前記神経治療デバイスは、前記細長い本体部の中に形成された第2の囲まれた流体チャネルをさらに備え、前記流体チャネルは、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続する第3の開口部と、前記コンテインメントチャンバにインターフェース接続しない、前記神経治療デバイスの外部表面の上の第4の開口部とを備え、流体は、前記第2の流体チャネルを介して、前記コンテインメントチャンバの中へ導入され得、および/または、前記コンテインメントチャンバから除去され得る、[84]から[87]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[89] 神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第1のスロットを備え、前記第1のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第2のスロットを備え、前記第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第2の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第1および第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されている、神経治療デバイス。
[90] 前記第1の端壁は、前記細長い本体部の前方側部、後方側部、および底部側部を形成する側壁部の縁部によって形成されており、前記端壁のいずれの部分も、前記コンテインメントチャンバの内側表面を形成しないようになっている、[90]に記載の神経治療デバイス。
[91] 前記長手方向軸線に対して横断方向の前記コンテインメントチャンバの幅は、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、[89]または[90]に記載の神経治療デバイス。
[92] 前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大深さを有する、[89]から[91]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[93] 前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの幅を横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記コンテインメントチャンバの前方側部と後方側部との間に最大深さを有する、[89]から[92]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[94] 前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦な表面を備えていない、[89]から[93]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[95] 前記長手方向軸線に対して横断方向の前記細長い本体部の幅は、前記細長い本体部の長さを横切って連続的に変化しており、前記細長い本体部は、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、[89]から[94]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[96] 神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第1の端壁を通って延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第2の端壁を通って延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるように付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
[97] 前記第1のスリットは、前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの部分の底部へ延在している、[96]に記載の神経治療デバイス。
[98] 前記第1のスリットは、前記第1の端壁を二分している、[96]または[97]に記載の神経治療デバイス。
[99] 前記第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを備え、前記第1のフランジは、前記第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第1のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されている、[96]から[98]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[100] 前記第1の端壁の前記可撓性の部分は、第2のフランジを備え、前記第2のフランジは、前記第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第2のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されており、前記第1および第2のフランジの前記遠位縁部が、前記第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている、[96]から[99]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。 [101] 前記第1のスリットは、前記第1の端壁と前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの底部部分との間の交差部の少なくとも一部分に沿って延在している、[96]から[100]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[102] 神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、下側本体部と、上側本体部とを備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記下側本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記下側本体部の上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第1のアパーチャを備え、前記第2の端壁は、前記コンテインメントチャンバの中へ開口する第2のアパーチャを備え、前記第1および第2のアパーチャは、それぞれ、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1および第2の端部を保つように構成されており、また、それぞれ、前記第1および第2の端部の底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されており、
前記上側本体部は、前記コンテインメントチャンバの中に受け入れられ、前記コンテインメントチャンバの上側部分と流体封止を形成するように構成されており、前記上部表面のアクセスエリア全体が閉塞されるようになっており、
前記下側本体部および上側本体部は、閉構成において、前記神経の周囲部全体を実質的に囲むように構成されている、神経治療デバイス。
[103] 前記下側本体部は、前記神経治療デバイスが開構成になっているときに、前記上側本体部に接合されており、前記開構成では、前記コンテインメントチャンバは封止されていない、[102]に記載の神経治療デバイス。
[104] 前記下側本体部は、ヒンジによって前記上側本体部に接合されている、[103]に記載の神経治療デバイス。
[105] 前記ヒンジは、リビングヒンジである、[104]に記載の神経治療デバイス。
[106] 前記上側本体部は、下向きの第1のエクステンションを備え、前記第1のエクステンションは、前記神経の前記第1の端部の上方に前記第1のアパーチャの中に受け入れられるように構成されており、前記第1のエクステンションは、前記神経の前記第1の端部の上部部分の周りで前記第1のアパーチャを封止するように構成されており、前記第1のエクステンションは、前記コンテインメントチャンバの内側横方向表面を形成する、[102]から[105]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[107] 前記第1のエクステンションは、前記神経の形状に一致するように構成された凹形底部縁部を備える、[106]に記載の神経治療デバイス。
[108] 前記コンテインメントチャンバは、前記コンテインメントチャンバの深さに沿って垂直方向に延在する複数のサポートリブを備える、[102]から[107]のいずれか一項に記載の神経治療デバイス。
[109] 2つのサポートリブが、前記コンテインメントチャンバの前方内側表面および後方内側表面の上に互いに反対側に位置決めされており、前記サポートリブは、前記コンテインメントチャンバのフロアの上方に前記神経の前記隔離されたセグメントを支持するために間隔を置いて配置されている、[108]に記載の神経治療デバイス。
[110] 神経修復手順を実施するための送達デバイスであって、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
前記コンテインメントチャンバと流体連通しており、前記コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成されているポートと、
神経の周りへの前記送達デバイスの設置を容易にするように構成されている、前記細長い本体部から延在するハンドルと
を備える、送達デバイス。
[111] 切断された神経を修復する方法であって、前記方法は、
軸索と軸索との接触が回復されるように、前記切断された神経を物理的に再接合することと、
前記再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することと、ここで、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
前記再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、を備え、
前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
ここにおいて、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置することは、前記再接合された神経を前記長手方向の開口部を通して前記コンテインメントチャンバの中へ導入することと、
融合溶液を前記コンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、前記再接合された神経を前記融合溶液の中で培養することによって、前記再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることと
を備える、方法。
[112] 前記切断された神経を物理的に再接合する前に、Ca
2+
フリーの生理食塩水を備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートまたは培養することをさらに備える、[111]に記載の方法。
[113] 前記プライミング溶液は、メチレンブルーを備える、[112]に記載の方法。
[114] 前記プライミング溶液は、おおよそ1%(w/V)メチレンブルーを備える、[113]に記載の方法。
[115] Ca
2+
を含有する生理食塩水を備えるシーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することをさらに備える、[111]から[114]のいずれか一項に記載の方法。
[116] 前記シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することは、前記コンテインメントチャンバの中で実施される、[115]に記載の方法。 [117] 前記シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスまたは培養することは、前記コンテインメントチャンバの外側で実施される、[115]または[116]に記載の方法。
[118] 前記シーリング溶液は、おおよそ0.02%(w/V)塩化カルシウム(CaCl
2
)を備える、[115]から[117]のいずれか一項に記載の方法。
[119] 前記切断された神経を物理的に再接合することは、前記切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することを備える、[111]から[118]のいずれか一項に記載の方法。
[120] 前記切断された神経を物理的に再接合することは、プライミング溶液の存在下で実施される、[111]から[119]のいずれか一項に記載の方法。
[121] 吸引によって前記コンテインメントチャンバから前記融合溶液を除去することをさらに備える、[111]から[120]のいずれか一項に記載の方法。
[122] 前記神経の周りから前記送達デバイスを除去することをさらに備える、[111]から[121]のいずれか一項に記載の方法。
[123] 前記融合溶液は、低分子量ポリエチレングリコール(PEG)を備える、[111]から[122]のいずれか一項に記載の方法。
[124] 前記PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)以下である、[123]に記載の方法。
[125] 前記PEGの濃度は、おおよそ50%(w/w)である、[124]に記載の方法。
[126] 前記PEGは、5,000Da以下の平均分子量を有する低分子量PEGである、[123]または[124]に記載の方法。
[127] 前記PEGは、3,500Da以下の平均分子量を有する、[126]に記載の方法。
[128] 前記PEGは、おおよそ3,350Daの平均分子量を有する、[127]に記載の方法。
[129] 前記軸索を融合させる前に、前記再接合された神経の吻合部をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することをさらに備える、[111]から[128]のいずれか一項に記載の方法。
[130] 前記再接合された神経をプライミング溶液の中でイリゲートまたは培養することは、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置した後に実施される、[129]に記載の方法。
[131] 前記送達デバイスは、前記コンテインメントチャンバと流体連通しているポートを備え、前記融合溶液を導入することは、前記ポートを通して前記コンテインメントチャンバの中へ前記融合溶液を導入することを備える、[111]から[130]のいずれか一項に記載の方法。
[132] 前記ポートは、前記コンテインメントチャンバの中への溶液の注入のためにシリンジと連結するように構成されている、[131]に記載の方法。
[133] 前記神経は、2分以下にわたって前記融合溶液に露出される、[111]から[132]のいずれか一項に記載の方法。
[134] 前記神経は、2分以下にわたってプライミング溶液に露出される、[111]から[133]のいずれか一項に記載の方法。
[135] 前記神経は、2分以下にわたってシーリング溶液に露出される、[111]から[134]のいずれか一項に記載の方法。
[136] 切断された神経を修復する方法であって、前記方法は、
低張性のCa
2+
フリーの生理食塩水の中に1%(w/V)メチレンブルーを備えるプライミング溶液の中で、切断された軸索の端部をイリゲートすることと、
軸索と軸索との接触が回復されるように、前記プライミング溶液の存在下で、前記切断された神経の近位端部および遠位端部を一緒に縫合することによって、前記切断された神経を物理的に再接合することと、
前記再接合された神経の周りに送達デバイスを設置することと、ここで、前記送達デバイスは、
第1の端部から第2の端部へ延在し、長手方向軸線を有する細長い本体部と、
前記再接合された神経を受け入れるための前記細長い本体部の中のコンテインメントチャンバと、を備え、
前記コンテインメントチャンバは、前記細長い本体部の前記第1の端部において第1の開口部を有しており、前記細長い本体部の前記第2の端部において第2の開口部を有しており、前記再接合された神経を前記コンテインメントチャンバの中へ導入するために、前記第1の開口部から前記第2の開口部へ前記長手方向軸線に対して平行に延在する細長い開口部を有するものであり、
ここにおいて、前記再接合された神経の周りに前記送達デバイスを設置することは、前記再接合された神経を前記長手方向の開口部を通して前記コンテインメントチャンバの中へ導入することと、
融合溶液を前記コンテインメントチャンバの中へ導入することによって、および、前記再接合された神経を前記融合溶液の中で培養することによって、前記再接合された神経の中の切断された軸索の融合を誘発させることと、ここで、前記融合溶液は、約50%(w/w)低分子量PEGを備えるものであり、
吸引によって前記コンテインメントチャンバから前記融合溶液を除去することと、
前記神経の周りから前記送達デバイスを除去することと、
等張性のCa
2+
を含有する生理食塩水を備える生理食塩水シーリング溶液によって前記再接合された神経をリンスすることによって、融合された軸索膜の任意の残りの膜不連続部を封止することと
を備える、方法。
[137] [1]から[136]のいずれか一項に記載の、神経治療デバイスおよび溶液のうちの1つまたは複数を備えるキット。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第1のスロットを備え、前記第1のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第1の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに延在する第2のスロットを備え、前記第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの第2の端部を受け入れて保つように構成されており、前記第1および第2のスロットは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも底部部分の周りに流体封止を形成するように構成されている、神経治療デバイス。
【請求項2】
前記第1の端壁は、前記細長い本体部の前方側部、後方側部、および底部側部を形成する側壁部の縁部によって形成されており、前記端壁のいずれの部分も、前記コンテインメントチャンバの内側表面を形成しないようになっている、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項3】
前記長手方向軸線に対して横断方向の前記コンテインメントチャンバの幅は、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項4】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの長さを横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大深さを有する、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項5】
前記コンテインメントチャンバの深さは、前記コンテインメントチャンバの幅を横切って連続的に変化しており、前記コンテインメントチャンバは、前記コンテインメントチャンバの前方側部と後方側部との間に最大深さを有する、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項6】
前記コンテインメントチャンバのフロアは、平坦な表面を備えていない、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項7】
前記長手方向軸線に対して横断方向の前記細長い本体部の幅は、前記細長い本体部の長さを横切って連続的に変化しており、前記細長い本体部は、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に最大幅を有する、請求項1に記載の神経治療デバイス。
【請求項8】
神経の隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りに流体コンテインメントフィールドを形成するための神経治療デバイスであって、前記神経治療デバイスは、
第1の端壁から前記第1の端壁とは実質的に反対側の第2の端壁へ延在する細長い本体部と、ここで、前記細長い本体部は、上部表面を備え、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在する長手方向軸線を有するものであり、
前記細長い本体部の中に形成されたコンテインメントチャンバと、ここで、前記コンテインメントチャンバは、前記第1の端壁から前記第2の端壁へ延在しており、前記コンテインメントチャンバは、アクセスエリアを形成するために前記上部表面に交差する空隙容積を備え、前記アクセスエリアは、前記神経の前記隔離されたセグメントを前記コンテインメントチャンバの中へ受け入れるように構成されており、前記コンテインメントチャンバは、前記神経の前記隔離されたセグメントの少なくとも一部分の周りの前記空隙容積の中に所定の体積の流体を実質的に保つように構成されているものであり、
を備え、
前記第1の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第1の端壁を通って延在する第1のスリットを備え、前記第2の端壁は、前記上部表面から下向きに前記第2の端壁を通って延在する第2のスリットを備え、
前記第1の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第1のスリットの対向する縁部間の第1の幅を増加させるべく付勢されるように構成されており、前記神経が前記第1のスリットを通して受け入れられ得るようになっており、また、前記第2の端壁の少なくとも一部分は、可撓性になっており、前記第2のスリットの対向する縁部間の第2の幅を増加させるべく付勢されるように構成されており、前記神経が前記第2のスリットを通して受け入れられ得るようになっている、神経治療デバイス。
【請求項9】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの部分の底部へ延在している、請求項8に記載の神経治療デバイス。
【請求項10】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁を二分している、請求項8に記載の神経治療デバイス。
【請求項11】
前記第1の端壁の可撓性の部分は、第1のフランジを備え、前記第1のフランジは、前記第1のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第1のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されている、請求項8に記載の神経治療デバイス。
【請求項12】
前記第1の端壁の前記可撓性の部分は、第2のフランジを備え、前記第2のフランジは、前記第2のフランジの遠位方向にテーパの付いている厚さを有しており、前記第2のフランジの遠位縁部は、前記第1のスリットによって画定されており、第1および第2のフランジの前記遠位縁部が、前記第1のスリットの対向する縁部を形成するようになっている、請求項8に記載の神経治療デバイス。
【請求項13】
前記第1のスリットは、前記第1の端壁と前記第1の端壁に隣接する前記コンテインメントチャンバの底部部分との間の交差部の少なくとも一部分に沿って延在している、請求項8に記載の神経治療デバイス。
【外国語明細書】