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特開2023-65479関節運動角度に基づく外科用ステープル留め及び切断器具のモータ速度の制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065479
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】関節運動角度に基づく外科用ステープル留め及び切断器具のモータ速度の制御
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230502BHJP
   A61B 17/285 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023022286
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2019570418の分割
【原出願日】2018-05-21
(31)【優先権主張番号】15/628,168
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらのステープルカートリッジを含めた電動式外科用器具を提供する。
【解決手段】外科用器具10は、エンドエフェクタ300の動きを制御するように構成された制御回路を含む。エンドエフェクタ300が所定の所望の位置の外側に移動した場合、制御回路は、モータの通電状態を起動して、エンドエフェクタ300を所望の位置に戻すことができる。エンドエフェクタ300が所望の位置にあるとき、制御回路は、モータの通電解除状態に係合し、電磁ロックに係合する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタであって、
近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータであって、前記関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタに対して並進可能であり、前記関節運動部材の前記並進によって関節継手が関節運動する、モータと、
前記モータに連結された制御回路と、
前記制御回路に連結された位置センサであって、前記距離の少なくとも一部に沿って前記関節運動部材の位置を検出するように構成されている、位置センサと、を備え、
前記制御回路は、
前記関節運動部材の現在の関節運動位置を示す前記位置センサからの位置入力を受信し、
前記関節運動部材の前記関節運動位置に対応する前記現在の関節運動位置を特定し、
前記エンドエフェクタが所望の位置に配置された場合に、
前記現在の関節運動位置が所定の閾値を超える場合、前記エンドエフェクタの移動を制限し、前記関節運動位置が所定の閾値内にある場合、前記エンドエフェクタの動作を続けるように構成されており、
前記移動を制限することは、前記モータに電磁ロックをかけることによって、前記関節運動部材の前記現在の関節運動位置を維持するように構成されている、
エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記モータを短絡させることによって前記電磁ロックが引き起こされる、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記モータがブラシ付きDCモータを含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記制御回路が、前進状態、逆転状態、及びブレーキ状態を含む、請求項3に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記制御回路が、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを備え、前記制御回路が前記前進状態にあるとき、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチが閉鎖構成にあり、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチが開放構成にある、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記制御回路が前記ブレーキ状態にあるとき、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが開放構成にあり、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチが閉鎖構成にある、請求項5に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記制御回路が前記逆転状態にあるとき、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチが閉鎖構成にあり、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチが開放構成にある、請求項5に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらのステープルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電動式外科用ステープル留め及び切断器具では、切断部材の速度を制御するか、又はエンドエフェクタの関節運動速度を制御することが有用であり得る。変位部材の速度は、変位部材の所定の位置間隔で経過時間を測定するか、又は所定の時間間隔で変位部材の位置を測定することによって決定することができる。制御は、開ループ又は閉ループであってもよい。このような測定は、組織厚さなどの組織状態を評価し、組織状態を考慮するように発射ストローク中の切断部材の速度を調節するのに有用であり得る。組織厚さは、切断部材の予測される速度を切断部材の実際の速度と比較することによって決定され得る。いくつかの状況では、エンドエフェクタを一定の関節運動速度で関節運動させることが有用であり得る。他の状況では、エンドエフェクタのスイープ範囲内の1つ以上の領域において、デフォルトの関節運動速度とは異なる関節運動速度でエンドエフェクタを駆動することが有用であり得る。
【0003】
電動式外科用ステープル留め及び切断器具の使用中、エンドエフェクタが関節運動し、更に不必要に関節運動し得る可能性がある。したがって、エンドエフェクタが関節運動していないが、エンドエフェクタの顎部が開放され、モータを関節運動部材に同期させるときに、動的ブレーキを生成して保持するための保持荷重を提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、外科用器具が提供される。外科用器具は、エンドエフェクタと、関節継手と、関節運動部材と、を含み得る。関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタに対して並進可能であってよく、関節運動部材の並進によって関節継手が関節運動する。外科用器具はまた、近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータを含んでもよい。モータは、通電状態及び通電解除状態を含んでもよい。外科用器具は、モータに連結された制御回路と、制御回路に連結された位置センサと、を更に含んでもよい。位置センサは、距離の少なくとも一部分に沿って関節運動部材の位置を検出するように構成されてもよい。制御回路は、関節運動部材の関節運動位置を示す位置センサからの位置入力を受信するように構成されてもよい。制御回路はまた、関節運動部材の関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定してもよい。制御回路は、所望の位置に対応しない関節運動部材の現在位置に応じて、モータの制御動作を更に決定してもよい。制御回路は、現在位置が所望の位置に対応するときに関節運動部材の動きを制御することができ、関節運動部材の動きを制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む。
【0005】
別の態様では、外科用器具は、エンドエフェクタと、回転可能なシャフトアセンブリと、を含み得る。回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸を中心に回転するように構成されてもよい。回転可能なシャフトアセンブリは、回転位置センサと、ギヤアセンブリと、を含み得る。回転位置センサは、長手方向軸の周りの回転可能なシャフトアセンブリの回転を監視するように構成されてもよい。外科用器具は、回転可能なシャフトアセンブリのギヤアセンブリに動作可能に接続されたモータを更に含んでもよい。モータは、ギヤアセンブリを回転させる回転力を印加するように構成されてもよい。ギヤアセンブリの回転は、回転可能なシャフトアセンブリを長手方向軸の周りで回転させる。外科用器具は、モータに連結された制御回路を更に含んでもよい。制御回路は、回転位置センサからの信号に基づいて回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を監視するように構成されてもよい。制御回路はまた、回転可能なシャフトアセンブリの回転位置に対応する所定の所望の位置を特定してもよい。制御回路は、所望の位置に対応しない回転可能なシャフトアセンブリの現在位置に応じて、モータの制御動作を更に決定してもよい。制御回路はまた、現在位置が所望の位置に対応するときに回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することもでき、回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含んでもよい。
【0006】
別の態様では、外科用器具は、長手方向シャフトアセンブリを含んでもよい。長手方向シャフトアセンブリは、長手方向軸に沿って延在する回転可能なシャフト部分を含んでもよい。長手方向シャフトアセンブリは、駆動ギヤと、関節継手と、を更に備えてもよい。駆動ギヤは、回転可能なシャフト部分を長手方向軸の周りで回転させるように構成されてもよい。関節継手は、関節運動ギヤを含んでもよい。外科用器具は、駆動アセンブリを更に含み得る。駆動アセンブリは、モータと、制御回路と、駆動部材と、を含み得る。モータは、駆動出力部を含んでもよい。制御回路は、モータを制御するように構成されてもよい。駆動部材は、駆動出力部に動作可能に接続されてもよい。制御回路が回転状態にあるとき、駆動部材は、回転可能なシャフト部分の駆動ギヤに動作可能に接続される。制御回路が関節運動状態にあるとき、駆動部材は、関節継手の関節運動ギヤに動作可能に接続される。外科用器具は、電源を更に含み得る。モータは、通電状態及び通電解除状態を含んでもよい。モータが通電状態にあるとき、制御回路は、直列回路構成で電源をモータに供給する。制御回路が非係合状態にあるとき、制御回路は、電源をモータから切断する。
【0007】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び下記の記載で述べられる。他の特徴及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に記載される態様の新規特徴は、添付の「特許請求の範囲」に具体的に記載される。しかし、これらの態様は、構成及び操作の方法のいずれに関しても、以下の説明文を添付の図面と共に参照することによってより深い理解を得ることができる。
図1】本開示の一態様による、動作可能に結合された交換式シャフトアセンブリを有する、外科用器具の斜視図である。
図2】本開示の一態様による、図1の外科用器具の一部の分解組立図である。
図3】本開示の一態様による、交換式シャフトアセンブリの一部の分解組立図である。
図4】本開示の一態様による、図1の外科用器具のエンドエフェクタの分解組立図である。
図5A】本開示の一態様による、2枚の図面にわたる図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
図5B】本開示の一態様による、2枚の図面にわたる図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
図6】本開示の一態様による、ハンドルアセンブリ、電源アセンブリ、及びハンドルアセンブリと交換式シャフトアセンブリとの間のインターフェースを示す、図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
図7】本開示の一態様による、図1の外科用器具の態様を制御するように構成された制御回路を示す。
図8】本開示の一態様による、図1の外科用器具の態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路を示す。
図9】本開示の一態様による、図1の外科用器具の態様を制御するように構成された順序論理回路を示す。
図10】絶対位置決めシステムが、本開示の一態様によるセンサ装置を備える制御モータ駆動回路装置を備える、図1の外科用器具の絶対位置決めシステムの図である。
図11】本開示の一態様による、制御回路基板アセンブリ及びセンサ装置の各要素の相対的な整合を示す、絶対位置決めシステム用のセンサ装置の分解斜視図である。
図12】本開示の一態様による、磁気回転絶対位置決めシステムを備える位置センサの図である。
図13】本開示の一態様による、エンドエフェクタ内に把持された組織に対する発射部材のストロークを示す、図1の外科用器具のエンドエフェクタの断面図である。
図14】本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
図15】本開示の一態様によって実行される、2つの例示的な変位部材ストロークをプロットした図を示す。
図16】本開示の一態様による、明確にするためにその一部分が省略された、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリを示す、外科用器具のエンドエフェクタの一部分の部分斜視図である。
図17】本開示の一態様による、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリを示す、図16のエンドエフェクタの別の斜視図である。
図18】本開示の一態様による、細長いシャフトアセンブリ態様を示す、図16のエンドエフェクタの分解組立斜視図である。
図19】本開示の一態様による、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリを示す、図16のエンドエフェクタの上面図である。
図20】本開示の一態様による、第1の関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリを示す、図16のエンドエフェクタの別の上面図である。
図21】本開示の一態様による、第2の関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリを示す、図16のエンドエフェクタの別の上面図である。
図22】本開示の一態様による、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるための関節運動機構の例を示す。
図23】本開示の一態様による、エンドエフェクタの関節運動角度の関数としての発射ロッド角度及びモータデューティサイクルのグラフである。
図24】本開示の一態様による、エンドエフェクタのシャフト回転の関数としてのモータデューティサイクルのグラフである。
図25】本開示の一態様による、外科用器具のモータシステムの回路構成を示す回路図である。
図26】本開示の一態様による、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるための関節運動機構の例を示す。
図27】本開示の一態様による、動的関節運動制御プログラムを表す制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図28】本開示の一態様による、動的回転制御プログラムを表す制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図29】本開示の一態様による、受動関節運動制御プログラムを表す制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図30】本開示の一態様による、受動回転制御プログラムを表す制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願の出願人は、本出願と同時に出願された以下の特許出願を所有しており、これらの各々は、参照によりそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる。
【0010】
代理人整理番号END8191USNP/170054、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON ANGLE OF ARTICULATION」。
【0011】
代理人整理番号END8192USNP/170055、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SURGICAL INSTRUMENT WITH VARIABLE DURATION TRIGGER ARRANGEMENT」。
【0012】
代理人整理番号END8193USNP/170056、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING DISPLACEMENT MEMBER MOTION OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」。
【0013】
代理人整理番号END8194USNP/170057、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT ACCORDING TO ARTICULATION ANGLE OF END EFFECTOR」。
【0014】
代理人整理番号END8195USNP/170058、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」。
【0015】
代理人整理番号END8196USNP/170059、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SURGICAL INSTRUMENT HAVING CONTROLLABLE ARTICULATION VELOCITY」。
【0016】
代理人整理番号END8197USNP/170060、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING VELOCITY OF A DISPLACEMENT MEMBER OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」。
【0017】
代理人整理番号END8198USNP/170061、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING DISPLACEMENT MEMBER VELOCITY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」。
【0018】
代理人整理番号END8199USNP/170062M、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」。
【0019】
代理人整理番号END8275USNP/170185M、2017年6月20日出願の発明者Raymond E.Parfett et al.による「TECHNIQUES FOR CLOSED LOOP CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」。
【0020】
代理人整理番号END8268USNP/170186、2017年6月20日出願の発明者Raymond E.Parfett et al.による「CLOSED LOOP FEEDBACK CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON MAGNITUDE OF VELOCITY ERROR MEASUREMENTS」。
【0021】
代理人整理番号END8276USNP/170187、2017年6月20日出願の発明者Jason L.Harris et al.による「CLOSED LOOP FEEDBACK CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON MEASURED TIME OVER A SPECIFIED DISPLACEMENT DISTANCE」。
【0022】
代理人整理番号END8266USNP/170188、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「CLOSED LOOP FEEDBACK CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON MEASURED DISPLACEMENT DISTANCE TRAVELED OVER A SPECIFIED TIME INTERVAL」。
【0023】
代理人整理番号END8267USNP/170189、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「CLOSED LOOP FEEDBACK CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON MEASURED TIME OVER A SPECIFIED NUMBER OF SHAFT ROTATIONS」。
【0024】
代理人整理番号END8269USNP/170190、2017年6月20日出願の発明者Jason L.Harris et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING DISPLAYING MOTOR VELOCITY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」。
【0025】
代理人整理番号END8270USNP/170191、2017年6月20日出願の発明者Jason L.Harris et al.による「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING MOTOR SPEED ACCORDING TO USER INPUT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」。
【0026】
代理人整理番号END8271USNP/170192、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「CLOSED LOOP FEEDBACK CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT BASED ON SYSTEM CONDITIONS」。
【0027】
代理人整理番号END8274USDP/170193D、2017年6月20日出願の発明者Jason L.Harris et al.による「GRAPHICAL USER INTERFACE FOR A DISPLAY OR PORTION THEREOF」。
【0028】
代理人整理番号END8273USDP/170194D、2017年6月20日出願の発明者Jason L.Harris et al.による「GRAPHICAL USER INTERFACE FOR A DISPLAY OR PORTION THEREOF」。
【0029】
代理人整理番号END8272USDP/170195D、2017年6月20日出願の発明者Frederick E.Shelton,IV et al.による「GRAPHICAL USER INTERFACE FOR A DISPLAY OR PORTION THEREOF」。
【0030】
開示される装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の理解を提供するために、特定の態様が示され、説明される。一例で示される又は説明される特徴は、他の例の特徴と組み合わされてもよく、修正及び変形は、本開示の範囲内である。
【0031】
用語「近位」及び「遠位」は、外科用器具のハンドルを操作する臨床医に対して、「近位」は臨床医に近い部分を指し、「遠位」は、臨床医から遠くに位置する部分を指す。外科用器具は多くの向き及び位置で使用され得るため、便宜上、図面に関して使用される「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」といった空間的用語は、限定及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
【0032】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うため、例示的な装置及び方法が提供されている。しかしながら、そのような装置及び方法は、例えば、観血的手術を含む他の外科的処置及び用途に使用することができる。外科用器具は、自然開口部を通して、又は組織内に形成された切開若しくは穿刺穴を通して挿入することができる。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、体内に直接、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通して、挿入することができる。
【0033】
図1図4は、再使用されてもされなくてもよい、切断及び締結用のモータ駆動の外科用器具10を示す。図示の例では、外科用器具10は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されているハンドルアセンブリ14を備えるハウジング12を含む。ハウジング12は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成されている外科用エンドエフェクタ300が動作可能に結合されている、交換式シャフトアセンブリ200に動作可能に取り付けるように構成されている。本開示によれば、様々な形態の交換式シャフトアセンブリが、ロボット制御された外科用システムと接続して効果的に使用され得る。「ハウジング」という用語は、交換式シャフトアセンブリを作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成及び加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含することができる。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表す場合もある。交換式シャフトアセンブリは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
【0034】
図1は、本開示の一態様による、動作可能に結合された交換式シャフトアセンブリ200を有する、外科用器具10の斜視図である。ハウジング12は、外科用ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成されている、外科用切断及び締結デバイスを含む、エンドエフェクタ300を備える。ハウジング12は、様々な大きさ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、様々なシャフト長さ、大きさ、及びタイプを有する、交換式シャフトアセンブリと接続して使用するために、構成されてよい。ハウジング12は、高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又はモーションなどの他のモーション及び形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置と関連させて用いられるように適合されたエンドエフェクタ装置に印加するように構成されたアセンブリなどの、様々な交換式シャフトアセンブリと共に効果的に用いられてよい。エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具を利用して組織を締結することができる。例えば、中に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。
【0035】
ハンドルアセンブリ14は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結される1対の交換式ハンドルハウジングセグメント16及び18を備えてよい。ハンドルハウジングセグメント16、18は、一体となって、臨床医に把持及び操作され得るピストルグリップ部分19を形成する。ハンドルアセンブリ14は、複数の駆動システムを動作可能に支持し、それら駆動システムは、ハンドルアセンブリに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に、制御運動を生成及び適用するように構成されている。ディスプレイはカバー45の下に提供されてもよい。
【0036】
図2は、本開示の一態様による、図1の外科用器具10の一部の分解組立図である。ハンドルアセンブリ14は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム20を含んでもよい。フレーム20は、交換式シャフトアセンブリ200に閉鎖運動及び開放運動を加えることができる「第1の」つまり「閉鎖駆動システム30」を動作可能に支持することができる。閉鎖駆動システム30は、フレーム20によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ32などのアクチュエータを含んでもよい。閉鎖トリガ32は、枢動ピン33によってハンドルアセンブリ14に枢動可能に連結され、閉鎖トリガ32が臨床医によって操作されることを可能にする。臨床医がハンドルアセンブリ14のピストルグリップ部分19を把持するとき、閉鎖トリガ32は、開始つまり「非作動」位置から「作動」位置へ、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと枢動できる。
【0037】
ハンドルアセンブリ14及びフレーム20は、発射駆動システム80を動作可能に支持でき、この発射駆動システムは、ハンドルアセンブリに取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に発射運動を加えるように構成されている。発射駆動システム80は、ハンドルアセンブリ14のピストルグリップ部分19に設置された電動モータ82を用いてもよい。電動モータ82は、例えば約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDCモータであってよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。電動モータ82は、取り外し可能なパワーパック92を備え得る、電源90によって給電されてよい。パワーパック92は、遠位ハウジング部分96に装着するように構成された、近位ハウジング部分94を備えてもよい。近位ハウジング部分94及び遠位ハウジング部分96は、複数の電池98を中に動作可能に支持するように構成されている。電池98はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分96は、電動モータ82に動作可能に結合されている、制御回路基板100に取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるために構成されている。直列に接続されたいくつかの電池98は、外科用器具10に電力を供給することができる。電源90は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。カバー45の下方に位置するディスプレイ43は、制御回路基板100に電気的に結合されている。ディスプレイ43が現れるように、カバー45を取り外しできる。
【0038】
電動モータ82は、回転可能なシャフト(図示せず)を備えてもよく、この回転可能なシャフトは、長手方向に移動可能な駆動部材120上の駆動歯122の組又はラックとの噛合い係合をなして取り付けられるギヤ減速機アセンブリ84と動作可能にインターフェースをとる。長手方向に移動可能な駆動部材120は、ギヤ減速機アセンブリ84の対応する駆動ギヤ86と噛合い係合するために、その上に形成された駆動歯122のラックを有する。
【0039】
使用の際、電源90によって提供される電圧極性によって電気モータ82を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ82を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電動モータ82が一方向に回転されると、長手方向に移動可能な駆動部材120は、遠位方向「DD」に軸方向駆動されることになる。電動モータ82が反対の回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材120は、近位方向「PD」に軸方向駆動されることになる。ハンドルアセンブリ14は、電源90によって電動モータ82に付与される極性を反転させるように構成され得るスイッチを含むことができる。ハンドルアセンブリ14は、長手方向に移動可能な駆動部材120の位置及び/又は長手方向に移動可能な駆動部材120が移動している方向を検出するように構成されたセンサを備えてよい。
【0040】
電動モータ82の作動は、ハンドルアセンブリ14上に枢動可能に支持される発射トリガ130によって制御され得る。発射トリガ130は、非作動位置と作動位置との間で枢動させられてもよい。
【0041】
図1に戻ると、交換式シャフトアセンブリ200は、外科用ステープルカートリッジ304を中で動作可能に支持するように構成されている細長いチャネル302を備える、エンドエフェクタ300を含む。エンドエフェクタ300は、細長いチャネル302に対して枢動可能に支持されるアンビル306を含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ200は、関節継手270を備えてよい。エンドエフェクタ300及び関節継手270の構造と動作は、米国特許出願公開第2014/0263541号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に説明されおり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。交換式シャフトアセンブリ200は、ノズル部分202、203で構成される近位ハウジング又はノズル201を含んでよい。交換式シャフトアセンブリ200は、エンドエフェクタ300のアンビル306を開閉するために利用することができる、シャフト軸SAに沿って延在する閉鎖管260を含んでよい。
【0042】
図1に戻ると、閉鎖管260は、例えば、前述の参考文献米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている方法で閉鎖トリガ32の作動に応答して、アンビル306を閉鎖するために遠位方向(方向「DD」)に並進される。アンビル306は、閉鎖管260を近位に並進させることによって開放される。アンビル開放位置において、閉鎖管260は、その近位位置へと移動させられる。
【0043】
図3は、本開示の一態様による、交換式シャフトアセンブリ200の一部の別の分解組立図である。交換式シャフトアセンブリ200は、スパイン210内で軸方向移動するように支持される発射部材220を含んでよい。発射部材220は、遠位側切断部分、つまりナイフバー280に取り付けるように構成されている中間発射シャフト222を含む。発射部材220は、「第2のシャフト」又は「第2のシャフトアセンブリ」と呼ばれることもある。中間発射シャフト222は、その遠位端に、ナイフバー280の近位端282にあるタブ284を受け入れるように構成されている、長手方向スロット223を含んでもよい。長手方向スロット223及び近位端部282は、それらの間の相対運動を可能にするように構成することができ、かつスリップ継手286を備えることができる。スリップ継手286は、ナイフバー280を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射部材220の中間発射シャフト222が、関節継手270を中心としたエンドエフェクタ300の関節運動させることを可能にすることができる。エンドエフェクタ300が好適に方向付けられた後は、ナイフバー280を進め、チャネル302内に位置するステープルカートリッジを発射するため、長手方向スロット223の近位側の側壁がタブ284に接触するまで、中間発射シャフト222を遠位側に進めることができる。スパイン210は細長い開口部、つまり窓213を有して、スパイン210への中間発射シャフト222の組み付け及び挿入を容易にしている。中間発射シャフト222が挿入されると、頂部フレームセグメント215がシャフトフレーム212と係合されて、中間発射シャフト222及びナイフバー280を中に封入してもよい。発射部材220の動作に関しては、米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。スパイン210は、発射部材220と、スパイン210の周りに延在する閉鎖管260とを摺動可能に支持するように構成することができる。スパイン210は、関節運動ドライバ230を摺動可能に支持できる。
【0044】
交換式シャフトアセンブリ200は、関節運動ドライバ230を発射部材220に選択的かつ解除可能に結合するように構成されている、クラッチアセンブリ400を含むことができる。クラッチアセンブリ400は、発射部材220の周りに位置付けられるロックカラー、つまりロックスリーブ402を含み、ロックスリーブ402は、ロックスリーブ402が関節運動ドライバ230を発射部材220に結合する係合位置と、関節運動ドライバ230が発射部材220に動作可能に結合されない係合解除位置との間で回転され得る。ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、発射部材220の遠位方向移動によって、関節運動ドライバ230を遠位側に移動させることができ、それに対応して、発射部材220の近位方向移動によって、関節運動ドライバ230を近位側に移動させることができる。ロックスリーブ402がその係合解除位置にあるとき、発射部材220の移動は、関節運動ドライバ230に伝達されず、その結果、発射部材220は、関節運動ドライバ230とは独立して移動することができる。ノズル201は、米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている様々な方式で、関節駆動システムと発射駆動システムとを動作可能に係合及び係合解除するために用いることができる。
【0045】
交換式シャフトアセンブリ200は、例えば、エンドエフェクタ300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリングアセンブリ600を備えることができる。スリップリングアセンブリ600は、近位コネクタフランジ604と、ノズル部分202、203に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジ601とを備えることができる。近位コネクタフランジ604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジ601は、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジ601は、シャフト軸SA-SAを中心にして、近位コネクタフランジ604に対して回転することができる(図1)。近位コネクタフランジ604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備えることができる。コネクタ607は、遠位コネクタフランジ601の近位側に装着することができ、複数の接点を有してもよく、各接点は、導体602のうち1つに対応してそれと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ604と遠位コネクタフランジ601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ604は、例えば、シャフト回路基板と信号連通して導体602を配置することができる、電気コネクタ606を含むことができる。少なくとも一事例では、複数の伝導体を含むワイヤハーネスが、電気コネクタ606とシャフト回路基板との間に延在し得る。電気コネクタ606は、シャーシ取り付けフランジに画定されたコネクタ開口部を通って近位に延在してもよい。米国特許出願公開第2014/0263551号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願公開第2014/0263552号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。スリップリングアセンブリ600に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。
【0046】
交換式シャフトアセンブリ200は、ハンドルアセンブリ14に固定可能に取り付けられる近位部分と、長手方向軸を中心に回転可能である遠位部分とを含み得る。回転可能な遠位シャフト部分は、スリップリングアセンブリ600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ600の遠位コネクタフランジ601は、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。
【0047】
図4は、本開示の一態様による、図1の外科用器具10のエンドエフェクタ300の一態様の分解組立図である。エンドエフェクタ300は、アンビル306と、外科用ステープルカートリッジ304と、を含んでよい。アンビル306は、細長いチャネル302に連結されてよい。アパーチャ199を、アンビル306から延在するピン152を受け入れる細長いチャネル302内に画定することができ、アパーチャ199によって、細長いチャネル302及び外科用ステープルカートリッジ304に対してアンビル306を開放位置から閉鎖位置まで枢動させることができる。発射バー172は、エンドエフェクタ300内へと長手方向で並進するように構成されている。発射バー172は、1つの中実部分から構築されてもよく、又は、鋼板のスタックを含む、積層材料を含んでもよい。発射バー172は、Iビーム178と、その遠位端に切刃182とを備える。発射バー172の遠位側に突出する端部をIビーム178に取り付け、アンビル306が閉鎖位置にあるとき、細長いチャネル302内に位置付けられた外科用ステープルカートリッジ304からアンビル306を離すことを支援することができる。Iビーム178は、Iビーム178を発射バー172によって遠位側に前進させながら組織を切るための、鋭利な切刃182を含むことができる。動作の際、Iビーム178は、外科用ステープルカートリッジ304を、すなわち発射することができる。外科用ステープルカートリッジ304は、ステープルドライバ192上に載置された複数のステープル191を、それぞれの上向きに開いたステープルキャビティ195内で保持する、成型カートリッジ本体194を含むことができる。楔形スレッド190は、Iビーム178によって遠位側に駆動されて、外科用ステープルカートリッジ304のカートリッジトレイ196上を摺動する。楔形スレッド190は、Iビーム178の切刃182がクランプされた組織を切る間、ステープルドライバ192を上向きにカム駆動して、ステープル191を追い出してアンビル306と変形接触させる。
【0048】
Iビーム178は、発射の間、アンビル306に係合する上部ピン180を含むことができる。Iビーム178は、カートリッジ本体194、カートリッジトレイ196、及び細長いチャネル302の部分に係合する、中央ピン184と下部フット186とを含んでよい。外科用ステープルカートリッジ304が細長いチャネル302内に位置付けられると、カートリッジ本体194に画定されたスロット193を、カートリッジトレイ196に画定された長手方向スロット197及び細長いチャネル302に画定されたスロット189と整列させることができる。使用の際、Iビーム178は、整列された細長いスロット193、197、及び189を通って摺動することができ、図4に示されるように、Iビーム178の下部フット186は、スロット189の長さに沿って細長いチャネル302の底面に沿って通っている溝に係合することができ、中央ピン184は、長手方向スロット197の長さに沿ってカートリッジトレイ196の上面に係合することができ、上部ピン180は、アンビル306に係合することができる。発射バー172が遠位側へと前進して、ステープルを外科用ステープルカートリッジ304から発射し、かつ/又はアンビル306と外科用ステープルカートリッジ304との間に捕捉された組織を切開するにつれて、Iビーム178は、アンビル306と外科用ステープルカートリッジ304とを離すか、又はこれらの相対移動を制限することができる。発射バー172及びIビーム178を近位側へと後退させることができ、それによってアンビル306を開いて、ステープル留めされ切られた2つの組織部分を解放することができる。
【0049】
図5A図5Bは、本開示の一態様による、2枚の図面にわたる図1の外科用器具10の制御回路700のブロック図である。主として図5A図5Bを参照すると、ハンドルアセンブリ702はモータ714を含んでよく、このモータは、モータ駆動器715によって制御され得、外科用器具10の発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モータ714は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成では、モータ714としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステップモータ、又は任意の他の好適な電動モータが挙げられ得る。モータ駆動器715は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジ駆動器719を備えてもよい。モータ714は、外科用器具10に制御電力を供給するために解放可能にハンドルアセンブリ200に取り付けられる電源アセンブリ706によって電力供給され得る。電源アセンブリ706は、外科用器具10に給電するための電源として使用され得る、直列に接続された複数の電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源アセンブリ706の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリ706に別個に連結され得るリチウムイオン電池であってよい。
【0050】
シャフトアセンブリ704はシャフトアセンブリコントローラ722を含んでよく、これは、インターフェースを介して安全コントローラ及び電力管理コントローラ716と通信でき、一方、シャフトアセンブリ704及び電源アセンブリ706はハンドルアセンブリ702に結合されている。例えば、インターフェースは、シャフトアセンブリ704及び電力アセンブリ706がハンドルアセンブリ702に結合されている間にシャフトアセンブリコントローラ722と電力管理コントローラ716との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフトアセンブリ電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインターフェース部分725、及び、対応する電力アセンブリ電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインターフェース部分727を含み得る。インターフェースを介して1つ以上の通信信号を送信して、装着された交換式シャフトアセンブリ704の1つ以上の電力要件を電力管理コントローラ716に伝達することができる。それに応じて、電源管理コントローラは、装着されたシャフトアセンブリ704の電力要件に従って、以下により詳細に記載されているように、電源アセンブリ706の電池の電力出力を変調し得る。電気コネクタは、シャフトアセンブリ704、及び/又は電源アセンブリ706とのハンドルアセンブリ702の機械的連結係合後に起動され得るスイッチを備えてよく、それにより、シャフトアセンブリコントローラ722と電力管理コントローラ716との間の電気通信が可能になる。
【0051】
インターフェースは、例えば、ハンドルアセンブリ702に存在するメインコントローラ717を介してかかる通信信号を経路指定することにより、電源管理コントローラ716とシャフトアセンブリコントローラ722との間の1つ以上の通信信号の伝送を容易にし得る。他の状況下では、シャフトアセンブリ704及び電源アセンブリ706がハンドルアセンブリ702に連結されている一方で、インターフェースは、ハンドルアセンブリ702を介して電源管理コントローラ716とシャフトアセンブリコントローラ722との間の直接線の通信を容易にし得る。
【0052】
メインコントローラ717は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、メインコントローラ717は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0053】
安全コントローラは、やはりTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのコントローラベースファミリを備える安全コントローラプラットフォームであってよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0054】
電源アセンブリ706は、電力管理回路を含んでよく、電力管理回路は、電源管理コントローラ716、電力変調器738、及び電流検出回路736を含み得る。シャフトアセンブリ704及び電源アセンブリ706がハンドルアセンブリ702に連結されている一方で、電源管理回路は、シャフトアセンブリ704の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。電源管理コントローラ716は、電源アセンブリ706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流検出回路736は、電池の電力出力に関するフィードバックを電源管理コントローラ716に提供するため、電源アセンブリ706の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、電源管理コントローラ716は、電源アセンブリ706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。電源管理コントローラ716及び/又はシャフトアセンブリコントローラ722はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶し得る1つ以上のプロセッサ及び/又はメモリ装置を備え得る。
【0055】
外科用器具10(図1図4)は、ユーザに感覚フィードバックを提供するための装置を含み得る、出力装置742を備えてよい。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドルアセンブリ702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフトアセンブリコントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェースは、シャフトアセンブリコントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成され得る。出力装置742は、代わりに電源アセンブリ706と統合され得る。このような状況下では、シャフトアセンブリ704がハンドルアセンブリ702に連結されている一方で、出力装置742とシャフトアセンブリコントローラ722との間の通信はインターフェースを介して成し遂げられ得る。
【0056】
制御回路700は、電動式外科用器具10の動作を制御するように構成された回路セグメントを備える。安全コントローラセグメント(セグメント1)は、安全コントローラ及びメインコントローラ717セグメント(セグメント2)を備える。安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717は、加速度セグメント、ディスプレイセグメント、シャフトセグメント、エンコーダセグメント、モータセグメント、及び電力セグメントなどの1つ以上の追加の回路セグメントと相互作用するように構成されている。回路セグメントのそれぞれは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されてもよい。メインコントローラ717はまた、フラッシュメモリにも結合されている。メインコントローラ717はまた、シリアル通信インターフェースも備える。メインコントローラ717は、例えば、1つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに結合された、複数の入力を備える。セグメント化回路は、例えば、電動式外科用器具10内のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラ、又はコンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むことが理解されるべきである。メインコントローラ717は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。制御回路700は、本明細書に記載される1つ以上のプロセスを実行するように構成することができる。
【0057】
加速度セグメント(セグメント3)は加速度計を含む。加速度センサは、電動式外科用器具10の移動又は加速度を検出するように構成されている。加速度センサからの入力は、スリープモードとの間での遷移、電動式外科用器具の向きの特定、及び/又は外科用器具が落下したときの特定に使用することができる。いくつかの例では、加速度セグメントは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に結合されている。
【0058】
ディスプレイセグメント(セグメント4)は、メインコントローラ717に連結されたディスプレイコネクタを備える。ディスプレイコネクタは、1つ以上のディスプレイの集積回路ドライバを通して、メインコントローラ717をディスプレイに結合する。ディスプレイの集積回路ドライバは、ディスプレイと一体化されてもよく、かつ/又はディスプレイとは別個に配置されてもよい。ディスプレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの例では、ディスプレイセグメントは、安全コントローラに結合されている。
【0059】
シャフトセグメント(セグメント5)は、外科用器具10(図1図4)に結合された交換式シャフトアセンブリ200(図1及び図3)に対する制御機器、及び/又は、交換式シャフトアセンブリ200に結合されたエンドエフェクタ300に対する1つ以上の制御機器を備える。シャフトセグメントは、メインコントローラ717をシャフトPCBAに結合するように構成された、シャフトコネクタを備える。シャフトPCBAは、強誘電体メモリ(FRAM)、関節運動スイッチ、シャフト解放ホール効果スイッチ、及びPCBA EEPROMを有する、低出力マイクロコントローラを備える。シャフトPCBA EEPROMは、交換式シャフトアセンブリ200及び/又はシャフトPCBA固有の1つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBAは、交換式シャフトアセンブリ200に結合され、及び/又は、外科用器具10と一体であってもよい。いくつかの例では、シャフトセグメントは、第2のシャフトEEPROMを備える。第2のシャフトEEPROMは、電動式外科用器具10と接続され得る1つ以上のシャフトアセンブリ200及び/又はエンドエフェクタ300に対応する複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
【0060】
位置エンコーダセグメント(セグメント6)は、1つ以上の磁気角度回転位置エンコーダを備える。1つ以上の磁気角度回転位置エンコーダは、外科用器具10(図1図4)のモータ714、交換式シャフトアセンブリ200(図1及び図3)、及び/又はエンドエフェクタ300の回転位置を特定するように構成されている。いくつかの例では、磁気角度回転位置エンコーダは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に結合されてもよい。
【0061】
モータ回路セグメント(セグメント7)は、電動式外科用器具10(図1図4)の動作を制御するように構成されたモータ714を備える。モータ714は、1つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)及びモータコントローラを含むHブリッジドライバによって、メインマイクロコントローラプロセッサ717に結合されている。Hブリッジドライバはまた、安全コントローラにも結合されている。モータ電流センサは、モータの電流引き出しを測定するため、モータと直列に結合されている。モータ電流センサは、メインコントローラ717及び/又は安全コントローラと信号連通している。いくつかの例では、モータ714は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタに結合されている。
【0062】
モータコントローラは、第1のモータフラグ及び第2のモータフラグを、モータ714の状態及び位置をメインコントローラ717に示すように制御する。メインコントローラ717は、パルス幅変調(PWM)高信号、PWM低信号、方向信号、同期信号及びモータリセット信号をモータコントローラにバッファを介して供給する。電源セグメントは、回路セグメントのそれぞれに部分電圧を提供するように構成されている。
【0063】
電源セグメント(セグメント8)は、安全コントローラ、メインコントローラ717、追加の回路セグメントに連結された電池を含む。電池は、電池コネクタ及び電流センサによってセグメント化回路に結合されている。電流センサは、セグメント化回路の合計電流引き出しを測定するように構成されている。いくつかの例では、1つ以上の電圧変換器が、既定の電圧値を1つ以上の回路セグメントに提供するように構成されている。例えば、いくつかの例では、セグメント化回路は、3.3V電圧変換器及び/又は5V電圧変換器を備えてもよい。ブースト変換器は、例えば13V以下など、既定量以下のブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
【0064】
複数のスイッチは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されている。スイッチは、外科用器具10(図1図4)の動作を制御し、セグメント化回路の動作を制御し、かつ/又は外科用器具10の状態を示すように構成されてもよい。緊急離脱のための緊急離脱ドアスイッチ及びホール効果スイッチは、緊急離脱ドアの状態を示すように構成されている。例えば、左側関節左スイッチ、左側関節右スイッチ、左側関節中央スイッチ、右側関節左スイッチ、右側関節右スイッチ、及び右側関節中央スイッチなど、複数の関節運動スイッチは、交換式シャフトアセンブリ200(図1及び図3)及び/又はエンドエフェクタ300(図1及び図4)の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ及び右側反転スイッチは、メインコントローラ717に結合されている。左側関節左スイッチ、左側関節右スイッチ、左側関節中央スイッチ、及び左側反転スイッチを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタによってメインコントローラ717に結合されている。右側関節左スイッチ、右側関節右スイッチ、右側関節中央スイッチ、及び右側反転スイッチを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタによってメインコントローラ717に結合されている。発射スイッチ、掴持解除スイッチ、及びシャフト係合スイッチは、メインコントローラ717に結合されている。
【0065】
任意の好適な機械的、電気機械的、又はソリッドステートスイッチが用いられて、任意の組み合わせで複数のスイッチを実行してよい。例えば、スイッチは、外科用器具10(図1図4)に関連付けられる構成要素の移動又は物体の存在によって操作されるスイッチを限定してよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具10に関連付けられる様々な機能を制御してよい。リミットスイッチは、一連の接点に機械的に連結されたアクチュエータからなる電気機械装置である。物体がアクチュエータと接触すると、この装置は、接点を動作させて、電気的接続を行う、又は切断する。リミットスイッチは、その耐久性、取り付けやすさ、及び動作の信頼性のために様々な用途及び環境で使用される。リミットスイッチは、物体の有無、通過、位置付け、及び移動の終了を測定できる。他の実施形態において、スイッチは、とりわけ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計など磁場の影響下で動作するソリッドステートスイッチであってよい。他の実施形態において、スイッチは、とりわけ、光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなど光の影響下で動作するソリッドステートスイッチであってよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合型FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、双極など)などソリッドステート装置であってよい。他のスイッチには、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサが挙げられてよい。
【0066】
図6は、本開示の一態様による、ハンドルアセンブリ702と電源アセンブリ706との間、及びハンドルアセンブリ702と交換式シャフトアセンブリ704との間のインターフェースを示す、図1の外科用器具の制御回路700の別のブロック図である。ハンドルアセンブリ702は、メインコントローラ717、シャフトアセンブリコネクタ726、及び電源アセンブリコネクタ730を備えてもよい。電源アセンブリ706は、電源アセンブリコネクタ732、電力管理回路734を含んでよく、電力管理回路は、電源管理コントローラ716、電力変調器738、及び電流検出回路736を含み得る。シャフトアセンブリコネクタ730、732は、インターフェース727を形成する。交換式シャフトアセンブリ704及び電源アセンブリ706がハンドルアセンブリ702に連結されている一方で、電源管理回路734は、交換式シャフトアセンブリ704の電力要件に基づいて電池707の電力出力を変調するように構成され得る。電源管理コントローラ716は、電源アセンブリ706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流検出回路736は、電池707の電力出力に関するフィードバックを電源管理コントローラ716に提供するため、電源アセンブリ706の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、電源管理コントローラ716は、電源アセンブリ706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。シャフトアセンブリ704は、シャフトアセンブリ704をハンドルアセンブリ702に電気的に結合するために、不揮発性メモリ721及びシャフトアセンブリコネクタ728に連結されたシャフトプロセッサ719を備える。シャフトアセンブリコネクタ726、728は、インターフェース725を形成する。メインコントローラ717、シャフトプロセッサ719及び/又は電力管理コントローラ716は、本明細書に記載されるプロセスのうちの1つ以上を実行するように構成され得る。
【0067】
外科用器具10(図1図4)は、ユーザに感覚フィードバックを行うための出力装置742を備えてよい。かかる装置は、視覚的フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイ画面、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドルアセンブリ702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフトアセンブリコントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェース727は、シャフトアセンブリコントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成され得る。出力装置742は、電源アセンブリ706と統合され得る。交換式シャフトアセンブリ704がハンドルアセンブリ702に連結されている一方で、出力装置742とシャフトアセンブリコントローラ722との間の通信はインターフェース725を介して成し遂げられ得る。外科用器具10(図1図4)の動作を制御するための制御回路700(図5A図5B及び図6)を説明してきたが、ここで本開示は、外科用器具10(図1図4)及び制御回路700の様々な構成について説明する。
【0068】
図7は、本開示の一態様による、外科用器具10(図1図4)の態様を制御するように構成された制御回路800を示す。制御回路800は、本明細書に記載される様々なプロセスを実行するように構成することができる。制御回路800は、少なくとも1つのメモリ回路804に連結された1つ以上のプロセッサ802(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるコントローラを備えることができる。メモリ回路804は、プロセッサ802によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実行するための機械命令をプロセッサ802に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ802は、当該技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってよい。メモリ回路804は、揮発性及び不揮発性のストレージ媒体を含むことができる。プロセッサ802は、命令処理ユニット806及び演算ユニット808を含んでもよい。命令処理ユニットは、メモリ回路804から命令を受信するように構成されてよい。
【0069】
図8は、本開示の一態様による、外科用器具10(図1図4)の態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路810を示す。組み合わせ論理回路810は、本明細書に記載される様々なプロセスを実行するように構成することができる。回路810は、入力814で外科用器具10と関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理812によってデータを処理し、出力816を提供するように構成された組み合わせ論理回路812を含む有限状態マシンを含み得る。
【0070】
図9は、本開示の一態様による、外科用器具10(図1図4)の態様を制御するように構成された順序論理回路820を示す。順序論理回路820又は組み合わせ論理回路822は、本明細書に記載される様々なプロセスを実行するように構成することができる。回路820は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路820は、例えば、組み合わせ論理回路822、少なくとも1つのメモリ回路824、及びクロック829を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路820は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の場合では、順序論理回路820は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理回路822は、入力826で外科用器具10と関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理回路822によってデータを処理し、出力828を提供するように構成されている。他の態様では、回路は、プロセッサ802と、本明細書の様々なプロセスを実行する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路810及び順序論理回路820の組み合わせを含むことができる。
【0071】
態様は、製造物品として実施されてもよい。製造物品は、1つ以上の態様の様々な動作を行うための論理、命令、及び/又はデータを格納するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。例えば、製造物品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行するのに好適なコンピュータプログラム命令を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又はファームウェアを含んでもよい。
【0072】
図10は、絶対位置決めシステム1100が、本開示の一態様によるセンサ装置1102を備える制御モータ駆動回路装置を備える、外科用器具10(図1図4)の絶対位置決めシステム1100の図である。絶対位置決めシステム1100用のセンサ装置1102は、変位部材1111の位置に対応する固有の位置信号を提供する。簡単に図2図4に戻ると、一態様では、変位部材1111は、ギヤ減速機アセンブリ84の対応する駆動ギヤ86と噛合い係合するための駆動歯のラック122を備える長手方向に移動可能な駆動部材120(図2)を表す。他の態様では、変位部材1111は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材220(図3)を表す。更に別の態様では、変位部材1111は、それぞれが駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る、発射部材172(図4)又はIビーム178(図4)を表す。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材120、発射部材220、発射バー172、Iビーム178、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具10の任意の可動部材を指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材120は、発射部材220、発射バー172、及びIビーム178に連結される。したがって、絶対位置決めシステム1100は、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材120の直線変位を追跡することによって、Iビーム178の直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材1111は、直線変位を測定するのに好適な任意のセンサに連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材120、発射部材220、発射バー172、若しくはIビーム178、又は組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0073】
電動モータ1120は、変位部材1111上の駆動歯の組又はラックと噛合い係合で装着されるギヤアセンブリ1114と動作可能にインターフェースする回転式シャフト1116を含んでもよい。センサ素子1126は、センサ素子1126の1回転が、変位部材1111のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギヤアセンブリ1114に動作可能に連結されてもよい。ギヤリング及びセンサ1118の装置を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギヤ若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源1129は、絶対位置決めシステム1100に電力を供給し、出力インジケータ1128は、絶対位置決めシステム1100の出力を表示することができる。図2では、変位部材1111は、ギヤ減速機アセンブリ84の対応する駆動ギヤ86と噛合い係合するために、その上に形成された駆動歯のラック122を備える長手方向に移動可能な駆動部材120を表す。変位部材1111は、長手方向に移動可能な発射部材220、発射バー172、Iビーム178又はこれらの組み合わせを表す。
【0074】
位置センサ1112に付随するセンサ素子1126の1回転は、変位部材1111の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材1111に連結したセンサ素子1126の1回転した後で、変位部材1111が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ装置1102は、位置センサ1112が変位部材1111のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギヤの減速を介して接続されてもよい。位置センサ1112は、変位部材1111のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0075】
位置センサ1112の複数の回転に対する固有の位置信号を与えるために、一連のスイッチ1122a~1122n(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、減速装置と共に用いられてもよい。スイッチ1122a~1122nの状態はコントローラ1104にフィードバックされ、コントローラはロジックを適用して、変位部材1111の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を決定する。位置センサ1112の出力1124はコントローラ1104に提供される。センサ装置1102の位置センサ1112は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、アナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0076】
絶対位置決めシステム1100は、モータ1120が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材1111をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材1111の絶対位置を提供する。
【0077】
コントローラ1104は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、コントローラ1104は、プロセッサ1108及びメモリ1106を含む。電動モータ1120は、関節運動又はナイフシステムへのギヤボックス及び機械的リンクを備えたブラシ付きDCモータであってもよい。一態様では、モータ駆動器1110は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。絶対位置決めシステム1100で使用するために、他のモータ駆動器が容易に代用されることができる。絶対位置決めシステム1100のより詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2016年4月15日出願の米国特許出願第15/130,590号に記載されている。
【0078】
コントローラ1104は、変位部材1111及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。コントローラ1104は、コントローラ1104のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質を、測定による応答と釣り合わせる好適な同調された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検知することができる。
【0079】
絶対位置決めシステム1100は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源1129が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のパルス幅変調(PWM)が挙げられる。位置センサ1112で測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他の(単数又は複数の)センサ(1118)が設けられてもよい。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステム1100はデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステム1100の出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステム1100は、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。コントローラ1104は、制御回路700であってもよい(図5A図5B)。
【0080】
モータ駆動器1110は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941駆動器1110は、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷に合わせて特別に設計された外部のNチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するフルブリッジコントローラである。駆動器1110は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、フル(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧にもたらし、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。ブートストラップコンデンサは、NチャネルのMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を提供するために使用されてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。絶対位置決めシステム1100で使用するために、他のモータ駆動器が容易に代用されることができる。
【0081】
センサ装置1102用の絶対位置決めシステム1100の態様を実装するための一般的なアーキテクチャについて説明してきたが、ここで本開示は、絶対位置決めシステム1100のセンサ装置1102の一態様について説明するために、図11図12を参照する。図11は、一態様による、回路1205及びセンサ装置1102の各要素の相対的な整合を示す、絶対位置決めシステム1100のセンサ装置1102の分解斜視図である。絶対位置決めシステム1100用のセンサ装置1102は、磁気位置センサ1200と、磁石1202のセンサ要素と、変位部材1111のフルストローク毎に1回転する磁石ホルダ1204と、ギヤを減速させるギヤアセンブリ1206とを備えている。簡単に図2を参照すると、変位部材1111は、ギヤ減速機アセンブリ84の対応する駆動ギヤ86と噛合い係合するために、駆動歯のラック122を備える長手方向に移動可能な駆動部材120を表してよい。図11に戻ると、ギヤアセンブリ1206、磁石ホルダ1204、及び磁石1202を支持するために、ブラケット1216などの構造要素が設けられている。位置センサ1200は、ホール素子などの磁気検出素子を備え、磁石1202に近接して定置されている。磁石1202が回転すると、位置センサ1200の磁気感知素子は、1回転にわたって磁石1202の絶対角度位置を判定する。
【0082】
センサ装置1102は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁場検出に用いられる技術として、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
【0083】
ギヤアセンブリは、3:1のギヤ比接続を提供する噛合い係合の第1のギヤ1208と第2のギヤ1210とを備えている。第3のギヤ1212は、シャフト1214の周りを回転する。第3のギヤ1212は、変位部材1111(又は図2に示されるような120)と噛合い係合し、変位部材1111が遠位方向Dに前進すると、第1の方向に回転し、変位部材1111が近位方向Pに後退すると、第2の方向に回転する。第2のギヤ1210はまた、シャフト1214の周りを回転し、したがって、シャフト1214の周りでの第2のギヤ1210の回転は、変位部材1111の長手方向移動に対応する。したがって、遠位方向D又は近位方向Pのいずれかにおける変位部材1111の1フルストロークは、第2のギヤ1210の3回転、及び第1のギヤ1208の1回転に対応する。磁石ホルダ1204は、第1のギヤ1208に結合されているので、磁石ホルダ1204は、変位部材1111のフルストローク毎に完全に1回転する。
【0084】
位置センサ1200は、アパーチャ1220を画定する位置センサホルダ1218によって支持されており、このアパーチャは、磁石ホルダ1204内の下方で回転する磁石1202と正確に整列する位置センサ1200を収容するのに好適なものである。固定具が、ブラケット1216に、及び回路1205に結合されており、磁石1202が磁石ホルダ1204と共に回転する間、依然として静止している。ハブ1222が、第1のギヤ1208及び磁石ホルダ1204と嵌合するように設けられている。シャフト1214に連結された第2のギヤ1210及び第3のギヤ1212も示されている。
【0085】
図12は、本開示の一態様による、磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステム1100用の位置センサ1200の図である。位置センサ1200は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ1200は、コントローラ1104と連係して絶対位置決めシステム1100を設けている。位置センサ1200は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石1202(図15及び16)の上方に位置する位置センサ1200の領域1230に、4つのホール効果素子1228A、1228B、1228C、1228Dを有している。また、高解像度ADC1232及びスマート電力管理コントローラ1238がチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、1桁毎の方法とボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)でも知られる、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータの略)プロセッサ1236が設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁場情報が、SPIインターフェース1234など標準的なシリアル通信インターフェースを介してコントローラ1104に伝送される。位置センサ1200は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ1200は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0086】
ホール効果素子1228A、1228B、1228C、1228Dは、直接回転磁石1202の上方に設置されている(図11)。ホール効果は周知の効果であり、便宜上、本明細書では詳細に説明しないが、一般に、ホール効果は、電気導体に流れる電流と、その電流に垂直な磁場に直交して、電気導体にかかる電位差(ホール電圧)を発生する。ホール係数は、誘導電場と、電流密度に印加磁場を掛けたものとの比として定義される。その値は、電流を構成する電荷キャリアの種類、個数、及び特性に依存するので、ホール係数は、導体を作る材料の特徴を示す。AS5055位置センサ1200において、ホール効果素子1228A、1228B、1228C、1228Dは、磁石1202の絶対位置を磁石1202の1回転にわたって角度で示す電圧信号を発生させることが可能である。この角度値は固有の位置信号であり、CORDICプロセッサ1236によって算出され、AS5055位置センサ1200にオンボードでレジスタ又はメモリ内に格納される。1回転にわたる磁石1202の位置を示す角度値は、様々な技術で、例えば電源投入時に、又はコントローラ1104によって要求されたときに、コントローラ1104に与えられる。
【0087】
AS5055位置センサ1200は、コントローラ1104に接続されているとき、動作するために少数の外部構成要素のみを必要とする。単一電源を使用する単純な用途には6本の導線を必要とし、電力用に2本の導線、コントローラ1104とのSPIインターフェース1234用に4本の導線1240を必要とする。割り込みをコントローラ1104に送信して、新たな有効な角度が読み込まれ得ることを知らせるために、7番目の接続が加えられてもよい。電源投入時に、AS5055位置センサ1200は、1回の角度測定を含む全ての電源投入シーケンスを実施する。このサイクルの完了は、INT出力1242として示され、角度値は内部レジスタに記憶される。この出力が設定されると、AS5055位置センサ1200は、一時停止してスリープモードに移る。コントローラ1104は、SPIインターフェース1234を介してAS5055位置センサ1200から角度値を読み取ることによって、INT出力1242におけるINT要求に応答することができる。角度値がコントローラ1104によって読み取られると、INT出力1242が再びクリアされる。また、コントローラ1104によってSPIインターフェース1234で「角度読み取り」コマンドを位置センサ1200に送信すると、自動的にチップに給電され、別の角度測定が開始される。コントローラ1104が角度値の読み取りを完了すると、直ちに、INT出力1242がクリアされ、新たな結果が角度レジスタに記憶される。角度測定の完了は、再び、INT出力1242及びステータスレジスタの対応するフラグを設定することによって示される。
【0088】
AS5055位置センサ1200の測定原理に基づいて、単一の角度測定のみが、各電源投入シーケンス後のごく短い時間で(~600μs)実施される。1つの角度の測定が完了すると、直ちに、AS5055位置センサ1200は一時停止して電源オフ状態に移る。デジタル平均化による角度値のオンチップフィルタリングは、複数回の角度測定を必要とし、その結果、電源投入時間がより長くなり、低電力用途には望ましくないので、このオンチップフィルタリングは実施されない。角度のジッターは、コントローラ1104で複数の角度サンプルを平均化することによって低減され得る。例えば、4つのサンプルを平均化すると、ジッターは6dB(50%)低減する。
【0089】
図13は、本開示の一態様による、エンドエフェクタ2502内に把持された組織2526に対するIビーム2514の発射ストロークを示す、外科用器具10(図1図4)のエンドエフェクタ2502の断面図である。エンドエフェクタ2502は、図1図4に示される外科用器具10と共に動作するように構成されている。エンドエフェクタ2502は、アンビル2516と、細長いチャネル2503内に位置決めされたステープルカートリッジ2518を備える細長いチャネル2503と、を含む。発射バー2520は、エンドエフェクタ2502の長手方向軸2515に沿って遠位及び近位に並進可能である。エンドエフェクタ2502が関節運動していないとき、エンドエフェクタ2502は器具のシャフトと一直線になっている。切刃2509を含むIビーム2514は、発射バー2520の遠位部分に図示されている。楔形スレッド2513は、ステープルカートリッジ2518内に位置付けられている。Iビーム2514が遠位方向に並進すると、切刃2509は、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に位置付けられた組織2526と接触し、切断することができる。また、Iビーム2514は楔形スレッド2513に接触して、これを遠位方向に押し、楔形スレッド2513をステープルドライバ2511に接触させる。ステープルドライバ2511は、ステープル2505内に打ち込まれて、ステープル2505が組織を通って、ステープル2505を成形するアンビル2516内に画定されたポケット2507内へ前進させることができる。
【0090】
例示的なIビーム2514の発射ストロークは、エンドエフェクタ2502と整列されたチャート2529によって例示される。例示的な組織2526もまた、エンドエフェクタ2502と整列して示されている。発射部材のストロークは、ストローク開始位置2527及びストローク終了位置2528を含み得る。Iビーム2514の発射ストロークの間、Iビーム2514は、ストローク開始位置2527からストローク終了位置2528まで遠位に前進できる。Iビーム2514は、ストローク開始位置2527の一例の位置で示されている。Iビーム2514の発射部材ストロークチャート2529は、5つの発射部材ストローク領域2517、2519、2521、2523、2525を示す。第1の発射ストローク領域2517では、Iビーム2514は遠位に前進し始めることができる。第1の発射ストローク領域2517では、Iビーム2514は、楔形スレッド2513に接触し、それを遠位方向に移動させ始めることができる。しかしながら、第1の領域では、切刃2509は組織に接触しなくてもよく、楔形スレッド2513はステープルドライバ2511と接触しなくてもよい。静止摩擦力を超えた後、第1の領域2517内のIビーム2514を駆動する力は、実質的に一定であってもよい。
【0091】
第2の発射部材ストローク領域2519では、切刃2509は、組織2526と接触して切断し始めることができる。また、楔形スレッド2513は、ステープル2505を駆動するためにステープルドライバ2511に接触し始めることができる。Iビーム2514を駆動する力は、上昇し始め得る。示されるように、最初に遭遇する組織は、アンビル2516がステープルカートリッジ2518に対して枢動するように圧縮され、及び/又はより薄くなり得る。第3の発射部材ストローク領域2521では、切刃2509は、組織2526と連続的に接触して切断でき、楔形スレッド2513は、ステープルドライバ2511と繰り返し接触できる。Iビーム2514を駆動する力は、第3の領域2521内でプラトーであり得る。第4の発射ストローク領域2523によって、Iビーム2514を駆動する力は低下し始め得る。例えば、第4の発射領域2523に対応するエンドエフェクタ2502の部分の組織は、切断する力が少なくて済むように、アンビル2516の枢動点により近い組織よりも圧縮されない場合がある。また、切刃2509及び楔形スレッド2513は、第4の領域2523にある間に組織2526の端部に到達できる。Iビーム2514が第5の領域2525に到達すると、組織2526を完全に切断できる。楔形スレッド2513は、組織の端部又はその近くで1つ以上のステープルドライバ2511に接触してもよい。Iビーム2514を第5の領域2525を通して前進させる力は低減され得、いくつかの例では、Iビーム2514を第1領域2517内で駆動する力と同様であってもよい。発射部材のストロークの終わりに、Iビーム2514はストローク終了位置2528に到達し得る。図18の発射部材ストローク領域2517、2519、2521、2523、2525の位置は、単なる一例である。いくつかの例では、例えば、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間の組織の位置決めに基づいて、エンドエフェクタ長手方向軸2515に沿った異なる位置で異なる領域が開始されてもよい。
【0092】
上述したように、かつここで図10~13を参照して、エンドエフェクタ2502内に捕捉された組織をステープル留め及び/又は切開するために、外科用器具10(図1図4)のハンドルアセンブリ内に配置された電動モータ1122を利用することで、Iビーム2514を含めて、シャフトアセンブリの発射システムを、エンドエフェクタ2502に対して前進及び/又は後退させることができる。Iビーム2514は、所望の速度で、又は所望の速度の範囲内で前進又は後退させることができる。コントローラ1104は、Iビーム2514の速度を制御するように構成されてもよい。コントローラ1104は例えば、電圧及び/若しくは電流など、電動モータ1122に供給される電源の様々なパラメータ、並びに/又は電動モータ1122若しくは外的影響の他の動作パラメータに基づいて、Iビーム2514の速度を予測するように構成されてもよい。コントローラ1104は、電動モータ1122に供給される電流及び/若しくは電圧の以前の値、並びに/又は、速度、加速度、及び/若しくは位置など、システムの以前の状態に基づいて、Iビーム2514の現在の速度を予測するように構成されてもよい。コントローラ1104は、本明細書に記載される絶対位置決めセンサシステムを利用して、Iビーム2514の速度を感知するように構成されてもよい。コントローラは、Iビーム2514の予測速度と、Iビーム2514の感知速度とを比較して、電動モータ1122への電力を、Iビーム2514の速度を増加させるために増加させ、かつ/又はIビーム2514の速度を低下させるために減少させるべきか否かを判断するように構成されてもよい。米国特許第8210411号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」の全ての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。米国特許第7,845,537号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」の全ての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0093】
Iビーム2514に作用する力は、様々な技術を用いて決定することができる。Iビーム2514の力は、モータ2504の電流を測定することによって決定することができ、モータ2504の電流は、遠位に前進する際にIビーム2514によって経験される負荷に基づく。Iビーム2514の力は、駆動部材120(図2)、発射部材220(図2)、Iビーム2514(Iビーム178、図20)、発射バー172(図2)、及び/又は切刃2509の近位端上に歪みゲージを配置することによって決定されてもよい。Iビーム2514の力は、所定の経過期間T後にモータ2504の現在の設定速度に基づいて予測速度で移動するIビーム2514の実際の位置を監視し、Iビーム2514の実際の位置を、期間T終了時のモータ2504の現在の設定速度に基づくIビーム2514の予測位置に対して比較することによって決定されてもよい。このとき、Iビーム2514の実際の位置が、Iビーム2514の予測位置よりも小さい場合、Iビーム2514上の力は、公称力よりも大きい。逆に、Iビーム2514の実際の位置が、Iビーム2514の予測位置よりも大きい場合、Iビーム2514上の力は、公称力よりも小さい。Iビーム2514の実際の位置と予測される位置との差は、公称力からのIビーム2514上の力の偏差に比例する。そのような技術は、代理人整理番号END8195USNPに記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
図14は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具2500のブロック図を示す。一態様では、外科用器具2500は、Iビーム2514などの変位部材1111の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具2500は、アンビル2516と、Iビーム2514(鋭い刃先2509を含む)と、取り外し可能なステープルカートリッジ2518と、を備え得る、エンドエフェクタ2502を備える。エンドエフェクタ2502、アンビル2516、Iビーム2514及びステープルカートリッジ2518は、例えば、図1~13に関して本明細書に記載されるように構成されてもよい。
【0095】
Iビーム2514などの長手方向変位部材1111の位置、移動、変位、及び/又は並進は、図10図12に示され、図14の位置センサ2534として表されるように、絶対位置決めシステム1100、センサ装置1102及び位置センサ1200によって測定することができる。Iビーム2514が長手方向に移動可能な駆動部材120に連結されているため、Iビーム2514の位置は、位置センサ2534を使用する長手方向に移動可能な駆動部材120の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム2514の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ2534によって達成され得る。図5A及び5Bで説明される制御回路700などの制御回路2510は、図10~12に関連して記載されるように、Iビーム2514などの変位部材1111の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路2510は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム2514を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ回路2531は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路2510に提供して、位置センサ2534によって判定されたIビーム2514の位置をタイマー/カウンタ回路2531の出力と相関させ、その結果、制御回路2510は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム2514の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ回路2531は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0096】
制御回路2510は、モータ設定点信号2522を生成してもよい。モータ設定点信号2522は、モータコントローラ2508に提供されてもよい。モータコントローラ2508は、本明細書で説明するように、モータ2504にモータ駆動信号2524を提供してモータ2504を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの例では、モータ2504は、図1図5B図10に示されるモータ82、714、1120などのブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ2504の速度は、モータ駆動信号2524に比例してもよい。いくつかの例では、モータ2504はブラシレス直流(DC)電動モータであってもよく、モータ駆動信号2524は、モータ2504の1つ以上の固定子巻線に提供されるパルス幅変調(PWM)信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ2508は省略されてもよく、制御回路2510がモータ駆動信号2524を直接生成してもよい。
【0097】
モータ2504は、エネルギー源2512から電力を受け取ることができる。エネルギー源2512は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源2512であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ2504は、伝達装置2506を介してIビーム2514に機械的に連結され得る。伝達装置2506は、モータ2504をIビーム2514に連結するための1つ以上のギヤ又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ2534は、Iビーム2514の位置を感知し得る。位置センサ2534は、Iビーム2514の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ2534は、Iビーム2514が遠位方向及び近位方向に並進すると一連のパルスを制御回路2510に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路2510は、パルスを追跡してIビーム2514の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム2514の動きを示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ2534は省略されてもよい。モータ2504がステップモータである場合、制御回路2510は、モータ2504が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム2514の位置を追跡することができる。位置センサ2534は、エンドエフェクタ2502内、又は器具の任意の他の部分に位置してもよい。
【0098】
制御回路2510は、1つ以上のセンサ2538と通信してもよい。センサ2538は、エンドエフェクタ2502上に位置付けられ、外科用器具2500と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ2538は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ2502の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ2538は、1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0099】
1つ以上のセンサ2538は、クランプ状態の間のアンビル2516における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ2538は、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ2538は、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織厚さ及び/又は充満度を示す。
【0100】
センサ2538は、閉鎖駆動システム30によってアンビル2516に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ2538は、閉鎖管260(図3)によってアンビル2516に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管260とアンビル2516との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル2516に対して及ぼされる力は、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に捕捉された組織切片によって経験される組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ2538は、閉鎖駆動システム30(図2)に沿った様々な相互作用点に配置されて、閉鎖駆動システム30によってアンビル2516に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ2538は、図5A図5Bで説明されるプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路2510は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル2516に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0101】
モータ2504によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ2536を用いることができる。Iビーム2514を前進させるのに必要な力は、モータ2504によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路2510に提供される。
【0102】
図1図14に関連し、かつ図14を参照して本明細書で開示される器具の物理的性質を用いて、制御回路2510が、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ2502内のIビーム2514を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具2500は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具2500は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、パルス幅変調(PWM)電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
【0103】
外科用器具2500の実際の駆動システムは、ギヤボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム2514を駆動するように構成されている。別の例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば、変位部材及び関節運動ドライバを操作する電動モータ2504である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ2504に反して作用する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0104】
外科用器具2500の態様を詳細に説明する前に、例示的態様が、適用又は使用において、添付の図面及び明細書で例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示的な態様は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な態様を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0105】
様々な例示的態様が、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断器具を有するエンドエフェクタ2502を備える外科用器具2500に関する。例えば、モータ2504は、エンドエフェクタ2502の長手方向軸に沿って遠位及び近位に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ2502は、枢動可能なアンビル2516と、使用のために構成されるときは、アンビル2516の反対側に位置付けられたステープルカートリッジ2518と、を備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に組織を把持してもよい。器具2500を使用する準備が整うと、臨床医は、例えば器具2500のトリガを押すことによって発射信号を提供してもよい。発射信号に応答して、モータ2504は、変位部材をエンドエフェクタ2502の長手方向軸に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。変位部材が遠位方向に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるIビーム2514は、ステープルカートリッジ2518とアンビル2516との間の組織を切断することができる。
【0106】
様々な実施例で、外科用器具2500は、1つ以上の組織状態に基づいて、例えばIビーム2514などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路2510を備えてもよい。制御回路2510は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路2510は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路2510は、変位部材をより低い速度で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路2510は、変位部材をより速い速度で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
【0107】
いくつかの実施例では、制御回路2510は、最初に、モータ2504を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具2500の応答に基づいて、制御回路2510は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ2504に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路2510は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路2510は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ2504を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
【0108】
図15は、本開示の一態様によって実行される、2つの例示的な変位部材ストロークをプロットした図2580を示す。図2580は、2つの軸を含む。横軸2584は経過時間を示す。縦軸2582は、ストローク開始位置2586とストローク終了位置2588との間のIビーム2514の位置を示す。横軸2584上で、制御回路2510は発射信号を受信し、tで初期モータ設定を提供し始めることができる。変位部材ストロークの開ループ部分は、t~tで経過し得る初期期間である。
【0109】
第1の例2592は、厚い組織がアンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に位置付けられたときの外科用器具2500の応答を示す。変位部材ストロークの開ループ部分の間、例えば、t~tの初期期間中、Iビーム2514は、ストローク開始位置2586から位置2594まで横断できる。制御回路2510は、位置2594が、t(例えば、閉ループ部分内)の後の例2592の傾きによって示される、選択された一定速度(Vslow)でIビーム2514を前進させる発射制御プログラムに対応すると判定できる。制御回路2510は、Iビーム2514の位置を監視し、モータ設定点2522及び/又はモータ駆動信号2524を調節してVslowを維持することによって、Iビーム2514を速度Vslowまで駆動できる。第2の例2590は、薄い組織がアンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に位置付けられたときの外科用器具2500の応答を示す。
【0110】
~tの初期期間(例えば開ループ期間)中、Iビーム2514は、ストローク開始位置2586から位置2596まで横断できる。制御回路は、位置2596が、選択された一定速度(Vfast)で変位部材を前進させる発射制御プログラムに対応すると判定できる。例2590の組織は、例2592の組織よりも薄いため、Iビーム2514の動きに対する抵抗がより小さくなり得る。その結果、Iビーム2514は、初期期間中に、ストロークのより大きな部分を横断できる。また、いくつかの例では、より薄い組織(例えば、初期期間中に横断される変位部材ストロークのより大きい部分)は、初期期間後のより高い変位部材速度に対応し得る。
【0111】
図16~21は、本開示の一態様による、エンドエフェクタ2300が、どのように関節継手2270を中心に細長シャフトアセンブリ2200に対して関節運動させ得るのかを示す、外科用器具2010のエンドエフェクタ2300を示す。図16は、明確にするためにその一部分が省略された、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリ2200を示す、エンドエフェクタ2300の一部分の部分斜視図である。図17は、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリ2200を示す、図16のエンドエフェクタ2300の斜視図である。図18は、細長いシャフトアセンブリ2200を示す、図16のエンドエフェクタ2300の分解組立斜視図である。図19は、非関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリ2200を示す、図16のエンドエフェクタ2300の上面図である。図20は、第1の関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリ2200を示す、図16のエンドエフェクタ2300の上面図である。図21は、第2の関節運動方向にある細長いシャフトアセンブリ2200を示す、図16のエンドエフェクタ2300の上面図である。
【0112】
ここで図16~21を参照すると、外科用エンドエフェクタ2300は、組織を切断及びステープル留めするように適合されており、外科用ステープルカートリッジ2304を中に動作可能に支持するように構成された細長いチャネル2302の形態をなす第1の顎部を含んでいる。外科用エンドエフェクタ2300は、細長いチャネル2302上でそれに対して移動するように支持されるアンビル2310の形態をなす第2の顎部を更に含む。細長シャフトアセンブリ2200は、関節運動ロック2810を用いる関節運動システム2800を含む。関節運動ロック2810は、様々な関節運動位置に外科用エンドエフェクタ2300を選択的にロックするように構成されて、操作され得る。かかる構成は、関節運動ロック2810がそのロック解除状態にあるときに、外科用エンドエフェクタ2300がシャフト閉鎖スリーブ260に対して回転、すなわち関節運動することを可能にする。特に図18を参照すると、細長シャフトアセンブリ2200はスパイン210を含んでおり、このスパインは、(1)その中に発射部材220を摺動可能に支持し、(2)スパイン210の周りに延びる閉鎖スリーブ260(図16)を摺動可能に支持するように構成されている。シャフト閉鎖スリーブ260は、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ271によって閉鎖スリーブ260に枢動可能に取り付けられるエンドエフェクタ閉鎖スリーブ272に取り付けられている。
【0113】
スパイン210はまた、近位関節ドライバ230を摺動可能に支持する。近位関節運動ドライバ230は、関節運動ロック2810と動作可能に係合するように構成された遠位端231を有する。関節運動ロック2810は、本明細書に開示される様々な方式でスパイン210に取り付けられるシャフトフレーム2812を更に備えている。シャフトフレーム2812は、その中で遠位関節運動ドライバ2820の近位部分2821を移動可能に支持するように構成されている。遠位関節運動ドライバ2820は、それに加えられた関節運動制御モーションに応答して、シャフト軸SA-SAから横方向に偏位しかつシャフト軸SA-SAに対して平行である関節作動軸AAAに沿って、遠位方向DD及び近位方向PDに選択的に長手方向に移動するように、細長シャフトアセンブリ2200内で移動可能に支持されている。
【0114】
図17及び18では、シャフトフレーム2812は、枢動ピン2818をその上に形成された遠位端部分2814を含んでいる。枢動ピン2818は、エンドエフェクタ装着アセンブリ2390の枢動ベース部分2395に形成された枢動ホール2397内に枢動可能に受容されるように適合されている。エンドエフェクタ装着アセンブリ2390は、ばねピン2393又は同等のものにより、細長いチャネル2302の近位端部2303へと取り付けられている。枢動ピン2818は、シャフト軸SA-SAに対して横方向の関節運動軸B-Bを画定して、シャフトフレーム2812に対する関節運動軸B-Bを中心としたエンドエフェクタ2300の枢動移動(すなわち、関節運動)を容易にする。
【0115】
図18に示されるように、リンクピン2825が遠位関節リンク2820の遠位端部2823上に形成されており、クロスリンク2900の近位端部2902のホール2904内に受容されるように構成されている。クロスリンク2900は、シャフト軸SA-SAを横断して延びており、遠位端部分2906を含んでいる。遠位リンクホール2908がクロスリンク2900の遠位端部分2906を通して設けられており、エンドエフェクタ装着アセンブリ2390の枢動ベース部分2395の底部から延びるベースピン2398を中に枢動可能に受容するように構成されている。ベースピン2395は、関節運動軸B-Bに平行なリンク軸LAを画定する。図17及び20は、非関節運動位置にある外科用エンドエフェクタ2300を示す。細長いチャネル2302によって規定されるエンドエフェクタ軸EAは、シャフト軸SA-SAと整列される。「と整列される」という用語は、シャフト軸SA-SAと「同軸状に整列される」か又はシャフト軸SA-SAと平行であることを意味し得る。遠位関節運動ドライバ2820が近位方向PDへ移動することにより、クロスリンク2900が、図19に示すように関節運動軸B-Bを中心として時計回りのCW方向に外科用エンドエフェクタ2300を引き込むことになる。遠位関節運動ドライバ2820が遠位方向DDへ移動することにより、クロスリンク2900が、図21に示すように関節運動軸B-Bを中心として反時計回りのCCW方向に外科用エンドエフェクタ2300を移動させることになる。図21に示されるように、クロスリンク2900は湾曲形状を有しており、この湾曲形状は、外科用エンドエフェクタ2300がその方向に関節運動されるときに、クロスリンク2900を関節ピン2818の周りに湾曲させることを可能にするものである。外科用エンドエフェクタ2300がシャフト軸SA-SAの両側で完全関節運動位置にあるとき、エンドエフェクタ軸EAとシャフト軸SA-SAとの間の関節運動角度2700は約65度(65°)である。したがって、シャフト軸の当該いずれかの関節運動の範囲は、1度(1°)から65度(65°)である。
【0116】
図19は、一態様による、直線姿勢をなす、すなわちシャフト軸SAとして示す長手方向に対してゼロの角度θをなす関節継手2270を示している。図20は、一態様による、シャフト軸SAとエフェクタ軸EAとの間に規定される第1の角度θをなして一方向に関節運動した、図19の関節継手2270を示している。図21は、シャフト軸SAとエフェクタ軸EAとの間に規定される第2の角度θをなして別の方向に関節運動した、図19の関節継手2270を示している。
【0117】
図16~21の外科用エンドエフェクタ2300は、本明細書で説明した様々なタイプ及び構成の発射部材220を用いた外科用切断及びステープル留めデバイスを備えている。しかしながら、外科用エンドエフェクタ2300は、組織を切断及び/又はステープル留めしない他の形態の外科用エンドエフェクタを備えてもよい。中央支持部材2950がスパイン210に対して枢動可能にまた摺動可能に支持されている。図18では、中央支持部材2950はスロット2952を含んでおり、このスロットは、スパイン210から突出するピン2954をその中に受容するように適合されている。これにより、中央支持部材2950は、外科用エンドエフェクタ2300が関節運動されるときに、ピン2954に対して枢動及び並進することが可能となる。枢動ピン2958が中央支持部材2950の下側から突出しており、エンドエフェクタ装着アセンブリ2390のベース部分2395に設けられた対応する枢動ホール2399内に枢動可能に受容されるようになっている。中央支持部材2950は、それを通じて発射部材220を受容するためのスロット2960を更に含む。中央支持部材2950は、発射部材220が外科用エンドエフェクタ2300の関節運動に適応するように屈曲するときに、発射ビームに側方支持をもたらすように働く。
【0118】
外科用器具は、エンドエフェクタ2300が方向付けられる角度を決定するように更に構成され得る。様々な態様では、センサ装置1102の位置センサ1112は例えば、とりわけ、1つ以上の磁気センサ、アナログ回転センサ(電位差計など)、アナログホール効果センサの配列を備えてもよく、アナログホール効果センサは、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力するものである。一態様では、図16~21に示される態様の関節継手2270は、エンドエフェクタ2300の角度位置すなわち関節運動角度を決定し、それに対応する固有の位置信号を提供するように構成された関節運動センサ装置を更に備えることができる。
【0119】
関節運動センサ装置は、上記で説明し、図10~12に示されるセンサ装置1102と同様であり得る。この態様では、関節運動センサ装置は、位置センサと、関節継手2270に動作可能に結合された磁石と、を備えることができ、それにより、関節継手2270の回転と一致する様式で回転する。磁石は、例えば、ピボットピン2818に結合することができる。位置センサは、ホール効果センサなどの1つ以上の磁気感知素子を含み、関節継手2270内又はそれに隣接して磁石に近接して配置される。したがって、磁石が回転すると、位置センサの磁気感知素子は、磁石の絶対角度位置を決定する。磁石が関節継手2270に結合されると、位置センサに対する磁石の角度位置は、エンドエフェクタ2300の角度位置に対応する。したがって、関節運動センサ装置は、エンドエフェクタが関節運動するときのエンドエフェクタの角度位置を決定することができる。
【0120】
別の態様では、外科用器具は、関節運動ドライバ230(図3)の絶対位置を監視することによって、エンドエフェクタ2300が間接的に位置付けられる角度を決定するように構成される。関節運動ドライバ230の位置が、エンドエフェクタ2300が既知の方法で方向付けられる角度に対応するため、関節運動ドライバ230の絶対位置を追跡し、次いでエンドエフェクタ2300の角度位置に並進させることができる。この態様では、外科用器具は、関節運動ドライバ230の絶対直線位置を決定し、それに対応する固有の位置信号を提供するように構成された関節運動センサ装置を備える。いくつかの態様では、関節運動センサ装置又は関節運動センサ装置に動作可能に結合されたコントローラは、固有の位置信号からエンドエフェクタ2300の角度位置を並進又は計算するように更に構成される。
【0121】
この態様における関節運動センサ装置は、同じく、上記で説明し、図10~12に示されるセンサ装置1102と同様であり得る。変位部材1111に関して図10に示される態様と同様の一態様では、関節運動センサ装置は、位置センサと、長手方向に移動可能な関節運動ドライバ230の全ストローク毎に1回転する磁石と、を備える。位置センサは、ホール効果センサなどの1つ以上の磁気感知素子を備え、磁石に近接して定置されている。したがって、磁石が回転すると、位置センサの磁気感知素子は、1回転にわたって磁石の絶対角度位置を判定する。
【0122】
一態様では、位置センサに関連付けられたセンサ要素の1回転は、長手方向に移動可能な関節運動ドライバ230の長手方向の線形変位d1と等価である。換言すれば、d1は、長手方向に移動可能な関節運動ドライバ230に結合されたセンサ要素が1回転した後の、長手方向に移動可能な関節運動ドライバ230が点「a」から点「b」まで移動した長手方向の直線距離である。関節運動センサ装置は、ギヤ減速機を介して連結されてもよく、これにより、位置センサは、長手方向に移動可能な関節運動ドライバ230の全ストロークに対して1回転のみすることになる。換言すれば、d1は、関節運動ドライバ230の完全なストロークに等しくなり得る。位置センサは、次に、図10で説明した態様のように、関節運動ドライバ230の絶対位置に対応する固有の位置信号をコントローラ1104に送信するように構成されている。固有の位置信号を受信すると、コントローラ1104は、次いで、論理を実行して、例えば、エンドエフェクタ2300の予め計算された角度位置の値を返すルックアップ表を照会すること、アルゴリズムを介して入力値としての関節運動ドライバ230の直線位置を利用してエンドエフェクタ2300の角度位置を演算すること、又は、当該分野で既知であるそのような任意の他の方法を実行することにより、関節運動ドライバ230の直線位置に対応するエンドエフェクタの角度位置を決定するように構成されている。
【0123】
様々な態様において、例えば、全磁場を測定するか磁場のベクトル成分を測定するかによって分類される磁気センサなど、任意の個数の磁気感知素子が関節運動センサ装置に用いられてよい。利用される磁気感知素子の数は、関節運動センサ装置によって感知される所望の分解能に対応する。換言すれば、使用される磁気感知素子の数が多いほど、関節運動センサ装置によって感知することができる、関節運動の程度がより細かくなる。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁場検出に用いられる技術として、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
【0124】
一態様では、関節運動センサ装置の様々な態様の位置センサは、変位部材1111の位置を追跡するための図12に示す位置決めシステムと同様の方法で実装されてもよい。一態様では、関節運動センサ装置は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサは、コントローラと連係して、直接的又は間接的にエンドエフェクタ2300の絶対角度位置を決定するための絶対位置決めシステムを提供している。位置センサは、低電圧低電力の構成要素であり、磁石1202(図11)の上方に位置する位置センサ1200の領域1230に、4つのホール効果素子1228A、1228B、1228C、1228Dを有している。また、高解像度ADC1232及びスマート電力管理コントローラ1238がチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、1桁毎の方法とボルダーアルゴリズムでも知られる、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータの略)プロセッサ1236が設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁場情報が、SPIインターフェース1234など標準的なシリアル通信インターフェースを介してコントローラ1104に伝送される。位置センサ1200は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ1200は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0125】
図1図4及び図10図21を参照すると、関節継手2270の位置、及びIビーム178(図4)の位置は、絶対位置決めシステム1100から絶対位置フィードバック信号/値によって決定することができる。一態様において、関節運動角度θは、外科用器具10の駆動部材120に基づいて相当に正確に測定することができる。上で説明したように、長手方向に移動可能な駆動部材120(図2)の移動は、絶対位置決めシステム1100によって追跡されることができ、例えば、関節運動駆動部がクラッチアセンブリ400(図3)によって発射部材220(図3)に動作可能に結合されると、絶対位置決めシステム1100は実質的に、駆動部材120を介して関節運動システムの移動を追跡することができる。関節運動システムの移動を追跡した結果として、外科用器具のコントローラは、例えばエンドエフェクタ2300などのエンドエフェクタ2300の関節運動角度θを追跡することができる。様々な状況において、結果として、関節運動角度θは、駆動部材120の長手方向変位DLの関数として決定されることができる。駆動部材120の長手方向変位DLは、絶対位置決めシステム1100によって提供される絶対位置信号/値に基づいて正確に決定することができるため、関節運動角度θは、長手方向変位DLの関数として決定することができる。
【0126】
別の態様では、関節運動角度θは、関節継手2270上にセンサを配置することによって決定することができる。センサは、関節継手2270の絶対回転を測定するように適合された絶対位置決めシステム1100を使用して関節継手2270の回転を感知するように構成され得る。例えば、センサ装置1102は、位置センサ1200と、磁石1202と、関節継手2270の回転を感知するように適合された磁石ホルダ1204と、を備える。位置センサ1200は、ホール要素などの1つ以上の磁気検出要素を備え、磁石1202に近接して定置されている。図12に記載される位置センサ1200は、関節継手2270の回転角度を測定するように適合され得る。したがって、磁石1202が回転すると、位置センサ1200の磁気感知素子は、関節継手2270上に位置する磁石1202の絶対角度位置を判定する。この情報は、関節継手2270の関節運動角度を計算するためにマイクロコントローラ1104に提供される。したがって、エンドエフェクタ2300の関節運動角度は、関節継手2270の絶対回転を測定するように適合された絶対位置決めシステム1100によって決定され得る。
【0127】
一態様では、Iビーム178の発射率、つまり速度は、エンドエフェクタ2300の関節運動角度の関数として変化し、発射駆動システム80上の発射に対する力、具体的には、本明細書で論じられる発射駆動システム80の他の構成要素のなかでも、Iビーム178の発射に対する力を低下させることができる。エンドエフェクタ2300の関節運動角度の関数としてIビーム178の可変発射力に適合させるために、モータ82に可変モータ制御電圧を印加してモータ82の速度を制御することができる。モータ82の速度は、Iビーム178の発射力を、エンドエフェクタ2300の関節運動角度に基づく異なる最大閾値と比較することによって制御できる。電動モータ82の速度は、例えばモータ82に印加される電圧、電流、パルス幅変調(PWM)、又はデューティサイクル(0~100%)を調節することによって変化させることができる。
【0128】
本明細書に記載の様々な態様は、遠位に配置された回転可能かつ関節運動可能なジョーアセンブリを備える外科用器具に関する。ジョーアセンブリは、シャフトの関節運動に代えるか又はこれに加えて用いることができる。例えば、ジョーアセンブリは、組織を把持、ステープル留め、及び切断するために利用できる。
【0129】
図13及び14を参照すると、一態様では、外科用器具2500は、遠位端にステープルカートリッジ2518とアンビル2516とを備えるエンドエフェクタ2502と、組織を切断するための切刃2509を備えるIビーム2514と、を備え得る。ジョーアセンブリは、関節運動可能であってもよく、器具シャフトの長手方向軸を中心として旋回してもよい。ジョーアセンブリは、ジョーアセンブリがステープルカートリッジ2518とほぼ平行となる第1の位置からジョーアセンブリがステープルカートリッジ2518とほぼ平行とならない第2の位置へと手首旋回軸を中心として旋回することができる。更に、ジョーアセンブリは、第2の軸、すなわちジョー旋回軸を中心として旋回可能な第1及び第2のジョー部材を有することができる。ジョー旋回軸は、手首旋回軸に対してほぼ垂直であってもよい。いくつかの態様では、ジョー旋回軸自体は、ジョーアセンブリが手首旋回軸の周りに旋回するときに旋回することができる。第1及び第2のジョー部材は、第1及び第2のジョー部材が「開く」及び「閉じる」ことができるように、ジョー旋回軸の周りに互いに対して旋回可能であることができる。更に、いくつかの態様では、第1及び第2のジョー部材は、第1及び第2のジョー部材の方向が変化し得るように、ジョー旋回軸の周りに一緒に旋回可能でもある。
【0130】
一態様では、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502と、関節継手と、及び関節運動部材と、を含み得る。関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタ2502に対して並進可能であってよく、関節運動部材の並進によって関節継手が関節運動する。外科用器具2500は、近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータ2504を含んでもよい。モータ2504は、係合状態、係合解除状態、及び保持状態を含んでもよい。外科用器具2500は、モータ2504に連結された制御回路2510と、制御回路2510に連結された位置センサ2534と、を更に含んでもよい。位置センサ2534は、距離の少なくとも一部に沿って関節運動部材の位置を検出するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節運動部材の関節運動位置を示す位置センサ2534からの位置入力を受信するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節運動部材の関節運動位置に対応する所定の閾値を特定してもよい。制御回路2510は、モータ2504が係合解除状態にあるとき、所定の閾値を超える関節運動部材の動きに応じて、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、関節運動部材の移動を制御することができ、関節運動部材の移動を制御することは、モータ2504を保持状態に係合させることを含む。
【0131】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路2510は、所定の閾値を超える関節運動部材の移動に応答して関節運動位置を維持するように構成されてもよい。関節運動位置を維持する際、制御回路は、電流(例えば、モータ駆動信号2514)のパルス幅変調(PWM)を保持状態でモータ2504に供給して、関節運動部材の動きに抵抗できる。モータ2504は、ブラシ付きDCモータを含んでもよい。制御回路2510は、モータ2504が保持状態にあるときにブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されてもよい。制御回路2510は、前進状態、惰走状態、及びブレーキ状態を含んでもよい。制御回路2510が前進状態にあるとき、DCモータは係合状態にある。制御回路2510が惰走状態にあるとき、DCモータは非係合状態にある。制御回路2510がブレーキ状態にあるとき、DCモータは保持状態にある。制御回路2510は、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを含んでもよい。制御回路2510が前進状態にあるとき、第2のスイッチ及び第3のスイッチは閉鎖構成にあり、第1のスイッチ及び第4のスイッチは開放構成にある。制御回路がブレーキ状態にあるとき、第1のスイッチ及び第2のスイッチは閉鎖構成にあり、第3のスイッチ及び第4のスイッチは開放構成にある。制御回路2510が惰走状態にあるとき、第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、及び第4スイッチは開放構成にある。
【0132】
一態様では、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502と、回転可能なシャフトアセンブリと、を含み得る。回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸と、回転位置センサ2534と、ギヤアセンブリと、を含み得る。回転位置センサ2534は、長手方向軸の周りの回転可能なシャフトアセンブリの回転を測定するように構成されてもよい。外科用器具2500は、回転可能なシャフトアセンブリのギヤアセンブリに動作可能に接続されたモータ2504を含んでもよい。モータ2504は、ギヤアセンブリを回転させる回転力を印加するように構成されてもよい。ギヤアセンブリの回転は、回転可能なシャフトアセンブリを長手方向軸の周りで回転させる。外科用器具2500は、モータ2504に連結された制御回路2510を更に含んでもよい。制御回路2510は、回転位置センサ2534からの信号に基づいて回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510はまた、回転可能なシャフトアセンブリの回転位置に対応する所定の閾値を特定してもよい。制御回路2510は、所定の閾値を超える回転可能なシャフトアセンブリの回転運動に応答して、モータ2504の制御動作を更に決定してもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することができ、回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することは、長手方向軸の周りの回転可能なシャフトアセンブリの回転に抵抗することを含んでもよい。
【0133】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路は、所定の閾値を超える長手方向軸を中心とした回転可能なシャフトアセンブリの回転に応じて回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を維持するように構成されてもよい。回転位置を維持することは、回転可能なシャフトアセンブリの回転に抵抗するために、モータ2504に電流のPWMを供給することを含み得る。モータ2504は、ブラシ付きDCモータを含んでもよい。制御回路2510は、モータ2504が所定の閾値を超える回転可能なシャフトアセンブリの回転に抵抗するときに、ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されてもよい。
【0134】
一態様では、外科用器具2500は、長手方向シャフトアセンブリを含んでもよい。長手方向シャフトアセンブリは、長手方向軸と、駆動ギヤと、関節継手とを備える回転可能なシャフト部分を含んでもよい。駆動ギヤは、長手方向軸を中心に回転するように構成されてもよい。関節継手は、関節運動ギヤを含んでもよい。外科用器具2500は、駆動アセンブリを更に含み得る。駆動アセンブリは、モータ2504と、制御回路2510と、駆動部材と、を含み得る。モータ2504は、駆動出力部を含んでもよい。制御回路2510は、モータ2504を制御するように構成されてもよい。駆動部材は、駆動出力部に動作可能に接続されてもよい。制御回路2510が回転状態にあるとき、駆動部材は、回転可能なシャフト部分の駆動ギヤに動作可能に接続される。制御回路2510が関節運動状態にあるとき、駆動部材は、関節継手の関節運動ギヤに動作可能に接続される。外科用器具2500は、エネルギー源2512を更に含み得る。制御回路2510は、係合状態、係合解除状態、及び動的ブレーキ状態を含んでもよい。制御回路2510が係合状態にあるとき、制御回路2510は、直列回路構成でエネルギー源2512をモータ2504に供給する。制御回路2510が非係合状態にあるとき、制御回路2510は、モータ2504からエネルギー源2512を切断する。制御回路2510が動的ブレーキ状態にあるとき、制御回路2510は、モータ2504との並列回路状態にエネルギー源2512を配置する。
【0135】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路2510が回転状態及び動的ブレーキ状態にあるとき、制御回路2510は、回転位置センサ2534からの信号に基づいて回転可能なシャフト部分の回転位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフト部分の回転位置に対応する所定の閾値を特定してもよい。制御回路2510は、所定の閾値を超える回転可能なシャフト部分の回転運動に応答して、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフト部分の回転を制御することができ、回転可能なシャフト部分の回転を制御することは、長手方向軸の周りの回転可能なシャフト部分の回転に抵抗することを含む。制御回路2510が関節運動状態及び動的ブレーキ状態にあるとき、制御回路は、関節運動位置センサ2534からの信号に基づいて関節継手の関節運動位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節継手の関節運動位置に対応する所定の閾値を特定してもよい。制御回路2510は、所定の閾値を超える関節継手の関節運動に応答して、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、関節継手の関節運動を制御することができ、関節継手の関節運動を制御することは、関節継手の関節運動に抵抗することを含む。モータ2504はブラシ付きDCモータを含んでもよく、エネルギー源2512は電池を含んでもよい。
【0136】
一態様では、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502と、関節継手と、及び関節運動部材と、を含み得る。関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタ2502に対して並進可能であってよく、関節運動部材の並進によって関節継手が関節運動する。外科用器具2500は、近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータ2504を含んでもよい。モータ2504は、通電状態及び通電解除状態を含んでもよい。外科用器具2500は、モータ2504に連結された制御回路2510と、制御回路2510に連結された位置センサ2534と、を更に含んでもよい。ユーザは、エンドエフェクタ2502を所定の所望の位置に関節運動させることを望む場合がある。エンドエフェクタ2502を所望の位置に関節運動させるために、制御回路2510は、モータ2504を通電状態にできる。位置センサ2534は、距離の少なくとも一部分に沿って関節運動部材の現在位置を検出するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節運動部材の現在の関節運動位置を示す位置センサ2534からの位置入力を受信するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節運動部材の関節運動位置に対応する現在の関節運動位置を特定してもよい。制御回路2510は、所望の位置に対応しない現在位置に応じて、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、現在位置が所望の位置に対応するときに関節運動部材の動きを制御することができ、関節運動部材の動きを制御することは、モータ2504を通電解除状態にすることを含む。
【0137】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路2510は、所望の関節運動位置に対応する関節運動部材の現在位置に応じて、関節運動位置を維持するように構成されてもよい。関節運動位置を維持する際、制御回路は電磁ロックに係合してもよい。電磁ロックは、モータが通電解除状態に置かれたときにモータ2504を短絡させることによって作製されてもよい。モータ2504は、ブラシ付きDCモータを含んでもよい。モータ2504が通電解除されて、所望の位置を超えるエンドエフェクタ2502の関節運動に抵抗するとき、制御回路2510は、ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されてもよい。ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続することにより、モータ2504内に内部磁気抵抗が生じる。内部磁気抵抗は、エンドエフェクタ2502が動作しているときに、外部から印加された力によるモータ2504の偶発的な逆駆動を防止する。モータ2504の接点を短絡させることにより、機械的逆駆動が、現在の関節運動位置を受動的に保持するための短絡コイルを有するモータ2504の自然抵抗力と組み合わされると、エンドエフェクタ2502をその現在位置に保持するためのブレーキが生じる。
【0138】
一態様では、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502と、回転可能なシャフトアセンブリと、を含み得る。回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸を中心に回転するように構成されてもよい。回転可能なシャフトアセンブリは、回転位置センサ2534と、ギヤアセンブリと、を含み得る。回転位置センサ2534は、長手方向軸の周りの回転可能なシャフトアセンブリの回転を監視するように構成されてもよい。外科用器具2500は、回転可能なシャフトアセンブリのギヤアセンブリに動作可能に接続されたモータ2504を含んでもよい。モータ2504は、ギヤアセンブリを回転させる回転力を印加するように構成されてもよい。ギヤアセンブリの回転は、回転可能なシャフトアセンブリを長手方向軸の周りで回転させる。外科用器具2500は、モータ2504に連結された制御回路2510を更に含んでもよい。制御回路2510は、回転位置センサ2534からの信号に基づいて回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510はまた、回転可能なシャフトアセンブリの回転位置に対応する所定の所望の位置を特定してもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフトアセンブリの現在の回転位置を示す位置センサ2534からの位置入力を受信するように構成されてもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフトアセンブリの回転位置に対応する現在の回転位置を特定してもよい。制御回路2510は、所望の位置に対応しない現在位置に応じて、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、現在位置が所望の位置に対応するときに回転可能なシャフトアセンブリの移動を制御することができ、回転可能なシャフトアセンブリの移動を制御することは、モータ2504を通電解除状態にすることを含む。
【0139】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路2510は、所望の回転位置に対応する回転可能なシャフトアセンブリの現在位置に応じて、回転位置を維持するように構成されてもよい。回転運動位置を維持する際、制御回路は電磁ロックに係合してもよい。電磁ロックは、モータが通電解除状態に置かれたときにモータ2504を短絡させることによって作製されてもよい。モータ2504は、ブラシ付きDCモータを含んでもよい。モータ2504が通電解除されて、所望の位置を超えるエンドエフェクタ2502の関節運動に抵抗するとき、制御回路2510は、ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されてもよい。ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続することにより、モータ2504内に内部磁気抵抗が生じる。内部磁気抵抗は、外科用器具2500が動作しているときに、外部から印加された力によるモータ2504の偶発的な逆駆動を防止する。モータ2504の接点を短絡させることにより、機械的逆駆動が、現在の回転位置を受動的に保持するための短絡コイルを有するモータ2504の自然抵抗力と組み合わされると、シャフトアセンブリをその現在位置に保持するためのブレーキが生じる。
【0140】
一態様では、外科用器具2500は、長手方向シャフトアセンブリを含んでもよい。長手方向シャフトアセンブリは、長手方向軸に沿って延在する回転可能なシャフト部分を含んでもよい。長手方向シャフトアセンブリは、駆動ギヤと、関節継手と、を更に備えてもよい。駆動ギヤは、回転可能なシャフト部分を長手方向軸の周りで回転させるように構成されてもよい。関節継手は、関節運動ギヤを含んでもよい。外科用器具2500は、駆動アセンブリを更に含み得る。駆動アセンブリは、モータ2504と、制御回路2510と、駆動部材と、を含み得る。モータ2504は、駆動出力部を含んでもよい。制御回路2510は、モータ2504を制御するように構成されてもよい。駆動部材は、駆動出力部に動作可能に接続されてもよい。制御回路2510が回転状態にあるとき、駆動部材は、回転可能なシャフト部分の駆動ギヤに動作可能に接続される。制御回路2510が関節運動状態にあるとき、駆動部材は、関節継手の関節運動ギヤに動作可能に接続される。外科用器具2500は、エネルギー源2512を更に含み得る。モータ2504は、通電状態及び通電解除状態を含んでもよい。モータ2504が通電状態にあるとき、制御回路2510は、直列回路構成でエネルギー源2512をモータ2504に供給する。モータ2504が通電解除状態にあるとき、制御回路2510は、モータ2504からエネルギー源2512を切断する。
【0141】
以下の特徴のうちの1つ以上が含まれてもよい。制御回路2510が回転状態でモータ2504が通電状態にあるとき、制御回路2510は、回転位置センサ2534からの信号に基づいて回転可能なシャフト部分の現在の回転位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510は、回転可能なシャフト部分の回転位置に対応する所定の所望の位置を特定してもよい。制御回路2510は、所望の位置に対応しない回転可能なシャフト部分の現在位置に応じて、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、現在位置が所望の位置に対応するときに回転可能なシャフト部分の回転を制御することができ、回転可能なシャフト部分の回転を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む。制御回路2510が関節運動状態にあり、モータが通電状態にあるとき、制御回路は、関節運動位置センサ2534からの信号に基づいて関節継手の現在の関節運動位置を監視するように構成されてもよい。制御回路2510は、関節継手の関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定してもよい。制御回路2510は、所望の位置に対応しない現在位置に応じて、モータ2504の制御動作を決定してもよい。制御回路2510は、現在位置が所望の位置に対応するときに関節継手の関節運動を制御することができ、関節継手の関節運動を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む。制御回路2510は、所望の回転又は関節運動位置に対応する回転可能なシャフトアセンブリ又は関節運動部材の現在位置に応じて、回転又は関節運動位置を維持するように構成されてもよい。所望の位置を維持する際、制御回路は電磁ロックに係合してもよい。電磁ロックは、モータが通電解除状態に置かれたときにモータ2504を短絡させることによって作製されてもよい。モータ2504は、ブラシ付きDCモータを含んでもよい。モータ2504が通電解除されて、所望の位置を超える回転可能なシャフトアセンブリ又はエンドエフェクタ2502の移動に抵抗するとき、制御回路2510は、ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されてもよい。ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続することにより、モータ2504内に内部磁気抵抗が生じる。内部磁気抵抗は、外科用器具2500が動作しているときに、外部から印加された力によるモータ2504の偶発的な逆駆動を防止する。モータ2504の接点を短絡させることにより、機械的逆駆動が、現在の回転/関節運動位置を受動的に保持するための短絡コイルを有するモータ2504の自然抵抗力と組み合わされると、シャフトアセンブリ及びエンドエフェクタ2502をその現在位置に保持するためのブレーキが生じる。
【0142】
様々な態様では、外科用器具2500は、単一のモータ2504と、クラッチ又はギヤアセンブリと、を含み得る。単一のモータ2504は、エンドエフェクタ2502を関節運動させ、外科用器具2500のシャフトを回転させ、外科用器具2500の発射部材を並進させるように構成され得る。ギヤ又はクラッチシステムは、モータ2504がその電力を外科用器具2500の様々な機能に伝達することを可能にする。一態様では、モータ2504及びクラッチアセンブリは、複数の外科用器具2500の機能に同時に係合するように構成されてもよい。これにより、例えば、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502及びシャフトの関節運動又は回転に関して動的保持又は抵抗状態を維持する一方で、発射部材の発射を可能にすることができる。別の態様では、外科用器具2500は、エンドエフェクタ2502の関節運動、シャフトの回転、及びエンドエフェクタ2502の発射のための別個のモータ2504を含み得る。
【0143】
ここで、封止及び切断要素を備えるエンドエフェクタ2502を有する手動並びにロボット外科用器具2500の例示的実装を示す態様を含む、いくつかの態様を具体的に参照する。可能である場合は、類似又は同様の参照番号を図面で用いてもよく、これら参照番号は類似又は同様の機能性を示してもよい。図面は、開示される外科用器具及び/又はその使用方法の例示的な態様を、描写の目的のみのために示す。本明細書に示される構造及び方法の代替的な例示的態様は、本開示の範囲から逸脱することなく採用されてもよい。
【0144】
図22は、本開示の一態様による、外科用器具のエンドエフェクタを関節運動させるための関節運動機構3000の例を示す。図14も参照すると、関節運動機構3000は、外科用器具2500の遠位アーム3014が外科用器具2500の近位アーム3016に対して関節運動又は枢動することを可能にする、関節継手3006を含む。関節継手3006は、関節運動ロッド/部材3008の作動によって関節運動されてもよい。関節運動ロッド/部材3008は、変位の程度3012を有し得る。一態様では、全体的な変位の程度は、0.304インチであり得る。しかしながら、他の態様では、変位の程度3012は、より大きくても、より小さくてもよい。関節運動ロッド/部材3008は、制御回路2510によって制御されるモータ2504又はアクチュエータに動作可能に連結されてもよい。外科用器具2500の近位アーム3016に対する遠位アーム3014の所望の関節運動を制御する際、外科用器具2500は、関節運動を検出するためのセンサ2534を含んでもよい。一態様では、遠位アームセンサーは、外科用器具2500の近位アーム3016に対する遠位アーム3014の関節運動角度を検出してもよい。遠位アームセンサーは、外科用器具2500の近位アーム3016に対する遠位アーム3014の位置について、様々な通信手段、例えば、有線又は無線手段を介して制御回路2510に通信することができる。加えて、又は代替的に、外科用器具2500は、近位アーム3016に対する遠位アーム3014の関節運動した位置を検出し、制御回路2510に通信する関節継手センサ2534を含んでもよい。加えて、又は代替的に、外科用器具2500は、図16~21を参照して説明されるように、関節運動部材3008の変位を測定及び検出する関節運動ロッドセンサを含んでもよい。関節運動センサ2534によって測定される変位は、遠位アーム3014の関節運動変位に関連し、制御回路2510に伝達され得る。
【0145】
動作中、外科用器具2500の関節運動機構3000は、外科用器具2500のエンドエフェクタ2502が患者内の所望の位置に到達できるように、技術者によって関節運動され得る。所望の関節運動が達成されると、モータ2504は、制御回路2510によって非アクティブ化され通電解除状態に置かれ、関節運動機構3000がその関節運動位置を維持できるようにし得る。手術中、外側抵抗又は力3002は、外科用器具のエンドエフェクタ又は遠位アーム3014に作用し得る。モータが通電解除状態にある状態で、制御回路2510は、電磁ロックに通電して、エンドエフェクタ2502をその現在の関節運動位置に維持することができる。電磁ロックを生成するために、モータ2504が通電解除状態にあり、現在の位置を超えるエンドエフェクタ2502の関節運動に抵抗するとき、制御回路2510は、モータ2504にリード線を内側に接続するように構成されてもよい。モータ2504にリード線を内側に接続することにより、モータ2504内に内部磁気抵抗が生じる。内部磁気抵抗は、エンドエフェクタ2502が動作しているときに、外部から印加された力3010a~dによるモータ2504の偶発的な逆駆動を防止する。モータ2504の接点を短絡させることにより、機械的逆駆動が、現在の関節運動位置を受動的に保持するための短絡コイルを有するモータ2504の自然抵抗力と組み合わされると、エンドエフェクタ2502をその現在位置に保持するためのブレーキが生じる。モータが通電解除状態にある状態で、制御回路2510は、上記の様々なセンサを介してエンドエフェクタ2502及び遠位アーム3014の関節運動角度3004を監視し続けることができる。関節運動角度3004の変化がもはや所望の位置に対応しない場合、制御回路2510は、モータ2504の通電状態を起動して、エンドエフェクタ2502を再度所望の位置へと関節運動させることができる。モータ2504の通電状態を起動することにより、電磁ロックは無効にされる。エンドエフェクタ2502が所望の位置に再配置されると、制御回路2510は、再び、モータ2504の通電解除状態を起動し、それによって電磁ロックに通電して更なる移動を防止することができる。
【0146】
図23は、本開示の一態様による、エンドエフェクタの関節運動角度の関数としての発射ロッド角度及びモータデューティサイクルのグラフ3100を示す。上のグラフ3130は、横軸3120に沿った関節運動角度(°)の関数として、縦軸3122に沿った発射ロッド変位(δ)を示す。図14も参照すると、関節運動ロッド/部材3008が所定の変位範囲3108内にあるとき、制御回路2510は、モータ2504の非作動状態を引き起こす。関節運動ロッド3008の所定の変位範囲3108は、遠位アーム3014の関節運動のための関節運動角度3102の許容範囲に対応する。所定範囲3108及び/又は許容範囲3102を超えたとき、制御回路2510は、モータ2504の抵抗保持モードを起動して、遠位アーム3014に印加されている力に抵抗又は対抗し、遠位アーム3014及び関節運動ロッド3018を所定の/許容範囲3108、3102内に保持する。
【0147】
図23の下のグラフ3132は、横軸3120に沿った関節運動角度(°)の関数として、縦軸3126に沿ったモータのデューティサイクル(%)を示す。遠位アーム3104の関節運動角度の程度が、外部から印加される力によって、関節運動角度3102の所定の閾値から次第に外れると、モータ2504は、望まれない関節運動に抵抗する力を延長された持続時間にわたって加える。換言すれば、モータデューティサイクルは、関節運動角度が所定の閾値3102から次第に外れるにつれて増加する。例として、図23の下のグラフ3132は、-60°の所望の関節運動角度を有するエンドエフェクタ2502を表す。関節運動角度の許容範囲3102は、-55°まで広がる。エンドエフェクタ2502が許容範囲3102内に入る程度に関節運動されるとき、モータのデューティサイクルは最小である。しかしながら、関節運動角度が許容範囲3102の境界を超えると、制御回路2510は、モータ2504の抵抗保持モードを起動し、それによってモータのデューティサイクルを増加させることによって、より強く応答し始める。モータのデューティサイクルを増加させることに加えて、エンドエフェクタ2502を許容範囲3102から外れる程度に関節運動させることにより、モータ2504の駆動力又はトルクを増加させることができる。網掛け領域3112は、関節運動角度が許容範囲3102の境界を超え始めるときにモータ2504に必要とされる初期拘束を示す。網掛け領域3110は、関節運動角度が許容範囲3102の境界を超え続けるときにモータ2504に必要とされる漸進的拘束を示す。一態様では、外部から印加された力に抵抗するためにモータ2504に印加されるエネルギーは、エンドエフェクタ2502の更なる関節運動及び/又は運動を誘発しないが、所定の範囲3102の外側の任意の追加の望まれない動きを防止する。本開示の他の態様では、外部から印加された力に抵抗するためにモータ2504に印加されるエネルギーは、エンドエフェクタ2502を事前の設定位置に関節運動又は回転して戻すことができる。
【0148】
図24は、本開示の一態様による、本開示の一態様によるシャフト回転の関数としてのモータデューティサイクルのグラフ3200を示す。グラフ3200は、横軸3220に沿ったシャフト回転度(°)の関数として、縦軸3222に沿ったモータのデューティサイクルを示す。図14も参照すると、制御回路2510は、モータ2504の保持特徴部を起動する前に初期回転閾値3202を許可する。一態様では、保持特徴部は、シャフトの回転を限定又は制限するために必要とされる抵抗に比例する電流変調を含む。必要なモータ抵抗3208がシャフト回転の変位と共に増加するにつれて、電流3204を増加させることができる。したがって、モータ抵抗は段階的3206様式で増加させることができる。あるいは、モータ2504にリード線は、モータ2504が通電解除状態にあるときはいつでも、内側接続され得る。これにより、外部から印加された力によるモータの偶発的な逆駆動を全て防止するために、モータ2504内に内部磁気抵抗を生成する。機械的逆駆動は、回転を受動的に保持するための短絡コイルを有するモータの自然抵抗力と組み合わされる。
【0149】
一態様では、通電解除状態にあるとき、外科用器具2500のDCモータにリード線を内側接続してよい。DCモータのリード線の内側接続は、モータ内の内部磁気抵抗をもたらし、エンドエフェクタ2502に印加される外部から印加された力によってモータ2504の偶発的な逆駆動を防止することができる。動的及び再生ブレーキは、エンドエフェクタ2502の所望の位置の関節運動の部分を保持するために、PWM DCモータ(ブラシ付き、ブラシレス)、及び/又はステッパモータによって達成され得る。加えて、又は代替的に、様々な動的ブレーキ機構を機械的ロックと組み合わせて、エンドエフェクタの所望の関節運動又は回転位置を維持することができる。加えて、又は代替的に、短絡コイルを有するモータ2504の自然抵抗を、受動的方法として機械的ブレーキ又はロックと組み合わせて、関節運動又は回転システムの位置保持機能を実行することができる。
【0150】
図25は、本開示の一態様による、上述した様々な態様に従う制御回路3300を示す。回路3300は、電源3306と、モータ3308と、複数のスイッチ3301、3302、3303、3304と、を含む。回路は、代替スイッチ3305を更に含むことができる。スイッチ3301~3305はそれぞれ、回路3300が、モータ3308を前進モード、逆転モード、及び抵抗又はブレーキモードで動作させるように構成されることを可能にする。回路3300が前進モードにあるとき、スイッチ3301、3304及び3305は開放状態にある一方で、スイッチ3302及び3303が閉鎖状態にあってもよい。前進モードにより、モータ3308及び電源3306は、モータ3308が前進方向に動作する直列構成で動作することを可能にする。回路3300が逆転モードにあるとき、スイッチ3302、3303及び3305は開放状態にある一方で、スイッチ3301及び3304が閉鎖状態にあってもよい。逆転モードにより、モータ3308及び電源3306は、モータ3308が逆転方向に動作する直列構成で動作することを可能にする。以下の表1は、本明細書で論じられる様々な回路3300の構成を示す。
【0151】
【表1】
【0152】
一態様では、ブレーキモードは、静的保持負荷を使用して、外科用器具の遠位部分の関節運動又は回転における外力に対する抵抗を提供することができる。回路3300が静的保持負荷を提供するブレーキモードにあるとき、スイッチ3301、3302及び3305は開放状態にある一方で、スイッチ3303及び3304が閉鎖状態にあってもよい。このブレーキモードにより、モータ3308及び電源3306を、回路構成が静的保持を形成する静的構成で動作することを可能にする。別の態様では、ブレーキモードは、静的保持負荷を使用して、外科用器具の遠位部分の関節運動又は回転における外力に対する抵抗を提供することができる。回路3300が静的保持負荷を提供するブレーキモードにあるとき、スイッチ3301、3302、3303、3304は開放状態にある一方で、スイッチ3305が閉鎖状態にあってもよい。このブレーキモードにより、モータ3308が電源3306から分離されることを可能にする。このブレーキモードでは、モータ3308は、電源から隔離された閉ループ構成にあり、回路構成は静的保持を形成する。
【0153】
図26は、本開示の一態様による外科用器具の回転可能かつ関節運動可能なシャフトアセンブリ3400を示す。図25も参照すると、シャフトアセンブリ3400は、遠位エンドエフェクタ部分3416と、近位部分3420と、遠位エンドエフェクタ部分3416と近位部分3420とを接続する関節運動機構3406とを含む。近位部分3420は長手方向軸3422を画定する。近位部分3420は、長手方向軸3422を中心に回転するように構成されている。外科用器具のモータ3308の出力は、回転駆動シャフト3408を回転させるように構成されている。回転駆動シャフトは、近位部分3420の駆動ギヤ3418と動作可能に連動する駆動ギヤ3424を含む。図14を参照して論じたように、制御回路2510は、シャフトアセンブリ3400の回転を検出する回転センサ2534に接続することができる。しかしながら、外部の力3402がシャフトアセンブリ3400を所望の位置を超えて回転させると、制御回路2510は、図22~25に関して上述したように、モータ3308(2504)上の通電状態を起動させることができる。制御回路2510が通電状態を起動させると、モータ3308(2504)は、外部回転力3402に対抗する、かつ/又はシャフトアセンブリ3400を所望の位置に回転させる、力3410を印加することができる。モータ3308(2504)によって印加される力3410は、図22~25に関連して上述したような受動抵抗力又は能動抵抗力を含んでもよい。
【0154】
加えて又は代替的に、制御回路2510のアクティブなPWM及び電流ステップ抵抗及び制御回路構成の動的及び受動抵抗を介して、制御回路2510は、外力からのエンドエフェクタの望まれない回転又は関節運動に抵抗することができる。制御回路2510は、外科手術中にエンドエフェクタ及びシャフトアセンブリが所望の位置に留まることを可能にすることができる。
【0155】
図27は、外科用器具2500(例えば、制御回路2510)によって実行されて、外力からエンドエフェクタ2502の関節運動に抵抗し制御することができるプロセス3430の一例を示す論理フロー図を示す。制御回路2510は、初期関節運動信号を受信3432できる。エンドエフェクタ2502が所望の関節運動位置にあると、初期関節運動信号は、関節運動センサから受信3432され得る。例えば、臨床医は、エンドエフェクタ2502を所望の位置に配置し、次いでアンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に組織をクランプし、次いでトリガ32を作動させて発射ストロークを開始してもよい。トリガ32は、作動時に制御回路2510に発射信号を提供するように構成されてもよい。
【0156】
エンドエフェクタ2502が所望の位置に配置されると、初期関節運動信号に応答して制御回路2510は、関節運動信号からエンドエフェクタ2502の初期関節運動位置を決定3434できる。初期位置を決定3434すると、制御回路2510は、エンドエフェクタ2502の許容可能な変位のための所定の閾値を特定3436できる。例えば、外科用器具2500は、伝達機構2506を介して関節運動モードから発射モードに遷移してもよい。発射モードにあるとき、制御回路2510は、エンドエフェクタ2502の関節運動位置を監視できる。
【0157】
制御回路2510は、現在の関節運動信号を受信3438できる。エンドエフェクタ2502が発射モードになったら、現在の関節運動信号は、関節運動センサから受信3438され、発射モード中のエンドエフェクタ2502の位置を監視できる。現在の関節運動信号は、関節運動センサから受信3438されてもよい。現在の関節運動信号に応答して、制御回路2510は、現在の関節運動信号からエンドエフェクタ2502の現在の関節運動位置を決定3440できる。制御回路2510は、エンドエフェクタ2502の現在の関節運動位置を、エンドエフェクタ2502の許容可能な変位のための初期関節運動位置及び所定の閾値と比較3442できる。現在位置が所定の閾値3444を超える場合、制御回路2510は、モータ3308(2504)の保持状態を係合3452することによって、エンドエフェクタ2502の移動を制御3450する。例えば、制御回路が、エンドエフェクタ2502の現在位置を所定の閾値と比較3442し、現在位置が所定の閾値を超える場合、制御回路2510は、発射モードから制御モードに伝達機構2506を切り替えてもよい。制御回路2510が制御モードに切り替わると、制御回路2510は、モータ3308(2504)の保持状態を係合3452して、エンドエフェクタ2502の望まれない動きに抵抗する。保持状態は、図22~25に関連して上述したような保持状態のいずれかを含んでもよい。制御回路2502が、エンドエフェクタ2502の現在位置を所定の閾値と比較3442し、現在位置が所定の閾値3446内にあるとき、制御回路2510は、エンドエフェクタの機能の動作を続ける3448、例えば、発射モードで動作し続ける。
【0158】
別の態様では、外科用器具2500は第2のモータを有してもよい。元のモータ3308(2504)は、エンドエフェクタ2502の関節運動を動作させるように構成されてもよい。第2のモータは、エンドエフェクタ2502の発射駆動部を動作させるように構成されてもよい。外科用器具が2つのモータを備える場合、制御3450は、発射モードとは独立して完了することができる。
【0159】
別の態様では、外科用器具2500は手動発射駆動部を有してもよい。外科用器具が手動発射駆動部を有する場合、モータ3308(2504)は、発射モードの間、関節運動機構と係合したままであり得る。モータ3308(2504)は、エンドエフェクタ2502の関節運動を動作させるように構成されてもよい。外科用器具が手動発射駆動部を備える場合、制御3450は、発射モードとは独立して完了することができる。
【0160】
図28は、外科用器具2500(例えば、制御回路2510)によって実行されて、外力からシャフトアセンブリ200の回転に抵抗し制御することができるプロセス3460の一例を示す論理フロー図を示す。制御回路2510は、初期回転信号3462を受信できる。シャフトアセンブリ200が所望の回転位置にあると、初期回転信号は、回転センサから受信3462され得る。例えば、臨床医は、シャフトアセンブリ200を所望の回転位置に配置し、次いでアンビル2516とステープルカートリッジ2518との間に組織をクランプし、次いでトリガ32を作動させて発射ストロークを開始してもよい。トリガ32は、作動時に制御回路2510に発射信号を提供するように構成されてもよい。
【0161】
シャフトアセンブリ200が所望の回転位置に配置されると、初期回転信号に応答して制御回路2510は、回転信号からシャフトアセンブリ200の初期回転位置を決定3464できる。初期回転位置を決定3464すると、制御回路2510は、シャフトアセンブリ200の許容可能な変位のための所定の閾値を特定3466できる。例えば、外科用器具2500は、伝達機構2506を介して回転モードから発射モードに遷移してもよい。発射モードにあるとき、制御回路2510は、シャフトアセンブリ200の回転位置を監視できる。
【0162】
制御回路2510は、現在の回転信号を受信3468できる。シャフトアセンブリ200が発射モードになったら、現在の回転信号は、回転センサから受信3468され、発射モード中のシャフトアセンブリ200の位置を監視できる。現在の回転信号は、回転センサから受信3468されてもよい。現在の回転信号に応答して、制御回路2510は、現在の回転信号からシャフトアセンブリ200の現在の回転位置を決定3470できる。制御回路2510は、シャフトアセンブリ200の現在の回転位置を、シャフトアセンブリ200の許容可能な回転変位のための初期回転位置及び所定の閾値と比較3472できる。シャフトアセンブリ200の現在の回転位置が所定の閾値3474を超える場合、制御回路2510は、モータ3308(2504)の保持状態を係合3482することによって、シャフトアセンブリ200の回転を制御3480するであろう。例えば、制御回路が、シャフトアセンブリ200の現在位置を所定の閾値と比較3472し、現在位置が所定の閾値の境界を超える場合、制御回路2510は、発射モードから制御モードに伝達機構2506を切り替えてもよい。制御回路2510が制御モードに切り替わると、制御回路2510は、モータ3308(2504)の保持状態を係合3482して、シャフトアセンブリ200の望まれない回転に抵抗する。保持状態は、図22~25に関連して、かつエンドエフェクタ2502の関節運動について上述したような保持状態のいずれかを含んでもよい。制御回路2510が、シャフトアセンブリ200の現在の回転位置を所定の閾値と比較3472し、現在の回転位置が所定の閾値3476内にあるとき、制御回路2510は、エンドエフェクタの機能の動作を続ける3478、例えば、発射モードで動作し続ける。
【0163】
図29は、外科用器具2500(例えば、制御回路2510)によって実行されて、外力からエンドエフェクタ2502の関節運動に抵抗し制御することができるプロセス7000の一例を示す論理フロー図を示す。制御回路2510は、エンドエフェクタ7002の所望の関節運動位置を決定してもよい。制御回路2510は、モータを通電状態にして、エンドエフェクタの所望の位置7004への移動を制御してもよい。エンドエフェクタ2502が所望の関節運動位置にあると、初期関節運動位置は、関節運動センサから受信され得る。制御回路2510は、エンドエフェクタ7006の現在の関節運動位置を決定するように構成され得る。現在位置が所望の位置7010に対応しない場合、制御回路2510は、モータを通電状態にして、エンドエフェクタの所望の位置7004への移動を制御するように構成されてもよい。現在位置が所望の位置7008に対応すると、制御回路2510は、モータを通電解除状態7012にするように構成されてもよい。モータが通電解除状態7012にあるとき、制御回路2510は、電磁ロックに係合し、エンドエフェクタ7014の動きを防止するように構成されてもよい。
【0164】
図30は、外科用器具2500(例えば、制御回路2510)によって実行されて、外力からシャフトアセンブリの回転に抵抗し制御することができるプロセス7100の一例を示す論理フロー図を示す。制御回路2510は、エンドエフェクタ7102の所望の回転位置を決定してもよい。制御回路2510は、モータを通電状態にして、シャフトアセンブリの所望の位置7104への移動を制御してもよい。シャフトアセンブリが所望の回転位置にあると、回転位置センサから初期回転位置を受信することができる。制御回路2510は、シャフトアセンブリの現在の回転位置を決定7106するように構成され得る。現在位置が所望の位置7110に対応しない場合、制御回路2510は、モータを通電状態にして、シャフトアセンブリの所望の位置7104への移動を制御するように構成されてもよい。現在位置が所望の位置7108に対応すると、制御回路2510は、モータを通電解除状態7112にするように構成されてもよい。モータが通電解除状態7112にあるとき、制御回路2510は、電磁ロックに係合し、シャフトアセンブリ7114の動きを防止するように構成されてもよい。
【0165】
別の態様では、外科用器具2500は第2のモータを有してもよい。元のモータ3308(2504)は、シャフトアセンブリ200の回転を動作させるように構成されてもよい。第2のモータは、エンドエフェクタ2502の発射駆動部を動作させるように構成されてもよい。外科用器具が2つのモータを備える場合、制御3480は、発射モードとは独立して完了することができる。
【0166】
別の態様では、外科用器具2500は手動発射駆動部を有してもよい。外科用器具が手動発射駆動部を有する場合、モータ3308(2504)は、発射モードの間、伝達機構2506と係合したままであり得る。モータ3308(2504)は、シャフトアセンブリ200の回転を動作させるように構成されてもよい。外科用器具が手動発射駆動部を備える場合、制御3480は、発射モードとは独立して完了することができる。
【0167】
別の態様では、外科用器具2500の制御回路2510は、関節運動機構の関節運動に抵抗して制御し、シャフトアセンブリ200の回転に抵抗して制御するように構成されてもよい。関節運動制御部及び回転制御部の抵抗及び保持機能は、独立して、又は協働して動作させ、エンドエフェクタ2502の全体的な空間位置を制御してもよい。
【0168】
本明細書に記載される機能又はプロセス3430、3460、7000、7100は、図5~6に記載される制御回路700、図7図9に記載される回路800、810、820、図10及び図12に記載されるマイクロコントローラ1104、及び/又は、図14に記載される制御回路2510など、本明細書に記載される処理回路のいずれかによって実行されてもよい。
【0169】
電動式外科用器具の態様は、本明細書に開示される具体的な詳細を伴わずに実施され得る。一部の態様は、詳細ではなくブロック図として示されている。本開示の一部は、コンピュータメモリに格納されたデータに対して動作する命令という点で提示され得る。アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、記憶、伝達、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量の操作を指す。これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字と称されてもよい。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、またこれらの量に適用される好都合な標識であるに過ぎない。
【0170】
一般に、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる、本明細書で説明する態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができる。その結果として、「電気回路」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの専用集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されている汎用コンピュータ又はプロセッサを形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えばランダムアクセスメモリを形成する)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的-電気的設備)を形成する電気回路を含む。これらの態様は、アナログ若しくはデジタル形式、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。
【0171】
前述の説明は、1つ以上の機能及び/又は動作を含み得るブロック図、フロー図、及び/又は実施例の使用によるデバイス及び/又はプロセスの態様を記載している。このようなブロック図、フロー図、又は実施例内の各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。一態様では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラム可能論理回路(PLD)、回路、レジスタ、及び/又はソフトウェア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、論理、及び/又はハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせ、論理ゲート、又は他の集積型の形式で実装されてもよい。その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれる。
【0172】
開示される主題の機構は、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。信号搬送媒体の例としては、記録可能型の媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)が挙げられる。
【0173】
これらの態様の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。これらの態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、態様を修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0174】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【0175】
実施例1.外科用器具であって、近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータであって、関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタに対して並進可能であり、関節運動部材の並進によって関節継手が関節運動し、モータは、通電状態及び通電解除状態を含む、モータと、モータに連結された制御回路と、制御回路に連結された位置センサであって、距離の少なくとも一部に沿って関節運動部材の位置を検出するように構成されている、位置センサと、を備え、制御回路は、関節運動部材の関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定し、関節運動部材の現在の関節運動位置を示す位置センサからの位置入力を受信し、関節運動部材の関節運動位置に対応する現在の関節運動位置を特定し、所望の位置に対応しない関節運動部材の現在の関節運動位置に応じて、モータの制御動作を決定し、かつ、現在の関節運動位置が所望の位置に対応するときに関節運動部材の動きを制御するように構成されており、関節運動部材の動きを制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む、外科用器具。
【0176】
実施例2.制御回路は、モータが通電解除状態にあるときに電磁ロックをかけることによって、関節運動部材の現在位置を維持するように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0177】
実施例3.電磁ロックが、モータを短絡させることによって引き起こされる、実施例2に記載の外科用器具。
【0178】
実施例4.モータがブラシ付きDCモータを含む、実施例1~実施例3に記載の外科用器具。
【0179】
実施例5.制御回路は、モータが通電解除状態にあるときに、ブラシ付き直流(DC)モータにリード線を内側に接続するように構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
【0180】
実施例6.制御回路が、前進状態、逆転状態、及びブレーキ状態を含む、実施例4~実施例5に記載の外科用器具。
【0181】
実施例7.制御回路が、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを備え、制御回路が前進状態にあるとき、第2のスイッチ及び第3のスイッチが閉鎖構成にあり、第1のスイッチ及び第4のスイッチが開放構成にある、実施例6に記載の外科用器具。
【0182】
実施例8.制御回路がブレーキ状態にあるとき、第1のスイッチ及び第2のスイッチが開放構成にあり、第3のスイッチ及び第4のスイッチが閉鎖構成にある、実施例7に記載の外科用器具。
【0183】
実施例9.制御回路が逆転状態にあるとき、第1のスイッチ及び第4のスイッチが閉鎖構成にあり、第2のスイッチ及び第3のスイッチが開放構成にある、実施例7~実施例8に記載の外科用器具。
【0184】
実施例10.外科用器具であって、回転可能なシャフトアセンブリのギヤアセンブリに連結するように構成されたモータであって、回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸を中心に回転するように構成されており、回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸を中心とした回転可能なシャフトアセンブリの回転を測定するように構成された回転位置センサを備え、モータは、ギヤアセンブリを回転させるための回転力を印加するように構成されており、ギヤアセンブリの回転は、回転可能なシャフトアセンブリを長手方向軸を中心に回転させ、モータは、通電状態及び通電解除状態を含む、モータと、モータに連結された制御回路であって、回転位置センサからの信号に基づいて回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を監視し、回転可能なシャフトアセンブリの回転位置に対応する所定の所望の位置を特定し、回転可能なシャフトアセンブリの現在の回転位置を示す回転位置センサからの回転入力を受信し、所望の位置に対応しない回転可能なシャフトアセンブリの現在の回転位置に応じて、モータの制御動作を決定し、かつ、現在の回転位置が所望の位置に対応するときに回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御するように構成されている、制御回路と、を備え、回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む、外科用器具。
【0185】
実施例11.制御回路は、モータが通電解除状態にあるときに電磁ロックをかけることによって、回転可能なシャフトアセンブリの現在位置を維持するように構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
【0186】
実施例12.電磁ロックが、モータを短絡させることによって引き起こされる、実施例11に記載の外科用器具。
【0187】
実施例13.モータがブラシ付き直流(DC)モータを含む、実施例10~実施例12に記載の外科用器具。
【0188】
実施例14.制御回路は、モータが通電解除状態にあるときに、ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されている、実施例13に記載の外科用器具。
【0189】
実施例15.外科用器具であって、長手方向シャフトアセンブリであって、長手方向軸及び駆動ギヤを備える回転可能なシャフト部分であって、長手方向軸を中心に回転するように構成されている、回転可能なシャフト部分と、関節運動ギヤを備える関節継手と、を含む、長手方向シャフトアセンブリと、駆動アセンブリであって、駆動出力部を備えるモータと、モータを制御するように構成された制御回路と、駆動出力部に動作可能に接続された駆動部材と、を含み、制御回路が回転状態にあるとき、駆動部材が回転可能なシャフト部分の駆動ギヤに動作可能に接続され、制御回路が関節運動状態にあるとき、駆動部材が関節継手の関節運動ギヤに動作可能に接続されている、駆動アセンブリと、電源と、を備え、モータは、通電状態及び通電解除状態を含み、モータが係合状態にあるとき、制御回路は、電源を直列回路構成でモータに供給し、モータが通電解除状態にあるとき、制御回路は、モータから電源を切断し、モータが通電解除状態にあるとき、電磁ロックが係合される、外科用器具。
【0190】
実施例16.制御回路が回転状態にあるとき、制御回路が、回転位置センサからの信号に基づいて回転可能なシャフト部分の回転位置を監視し、回転可能なシャフト部分の回転位置に対応する所定の所望の位置を特定し、回転可能なシャフト部分の現在の回転位置を示す回転位置センサからの回転入力を受信し、所望の位置に対応しない回転可能なシャフト部分の現在の回転位置に応じて、モータの制御動作を決定し、現在の回転位置が所望の位置に対応するときに回転可能なシャフト部分の回転を制御するように構成されており、回転可能なシャフト部分の回転を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む、実施例15に記載の外科用器具。
【0191】
実施例17.制御回路が、モータが通電解除状態にあるときに電磁ロックをかけることによって、回転可能なシャフト部分の現在位置を維持するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
【0192】
実施例18.制御回路が関節運動状態にあるとき、制御回路が、関節運動位置センサからの信号に基づいて関節継手の関節運動位置を監視し、関節継手の関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定し、関節継手の現在の関節運動位置を示す関節運動位置センサからの位置入力を受信し、所望の位置に対応しない関節継手の現在の関節運動位置に応じて、モータの制御動作を決定し、現在の関節運動位置が所望の位置に対応するときに関節継手の関節運動を制御するように構成されており、関節継手の関節運動を制御することは、モータを通電解除状態にすることを含む、実施例15~実施例17に記載の外科用器具。
【0193】
実施例19.制御回路は、モータが通電解除状態にあるときに電磁ロックをかけることによって、回転可能なシャフトアセンブリの現在位置を維持するように構成されている、実施例18に記載の外科用器具。
【0194】
実施例20.モータがブラシ付きDCモータを含み、電源が電池を含む、実施例18~実施例19に記載の外科用器具。
【0195】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
近位位置から遠位位置までの距離に沿って関節運動部材を並進させるように動作可能なモータであって、前記関節運動部材は、近位位置から遠位位置までの距離をエンドエフェクタに対して並進可能であり、前記関節運動部材の前記並進によって関節継手が関節運動し、前記モータは、通電状態及び通電解除状態を含む、モータと、
前記モータに連結された制御回路と、
前記制御回路に連結された位置センサであって、前記距離の少なくとも一部に沿って前記関節運動部材の位置を検出するように構成されている、位置センサと、を備え、
前記制御回路は、
前記関節運動部材の前記関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定し、
前記関節運動部材の現在の関節運動位置を示す前記位置センサからの位置入力を受信し、
前記関節運動部材の前記関節運動位置に対応する前記現在の関節運動位置を特定し、
前記所望の位置に対応しない前記関節運動部材の現在の関節運動位置に応じて、前記モータの制御動作を決定し、かつ、
前記現在の関節運動位置が前記所望の位置に対応するときに前記関節運動部材の動きを制御するように構成されており、前記関節運動部材の動きを制御することは、前記モータを前記通電解除状態にすることを含む、外科用器具。
(2) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに電磁ロックを係合することによって、前記関節運動部材の前記現在位置を維持するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記電磁ロックが、前記モータを短絡させることによって作成される、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記モータがブラシ付きDCモータを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに、前記ブラシ付き直流(DC)モータにリード線を内側に接続するように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0196】
(6) 前記制御回路が、前進状態、逆転状態、及びブレーキ状態を含む、実施態様4に記載の外科用器具。
(7) 前記制御回路が、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを備え、前記制御回路が前記前進状態にあるとき、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチが閉鎖構成にあり、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチが開放構成にある、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記制御回路が前記ブレーキ状態にあるとき、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが開放構成にあり、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチが閉鎖構成にある、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記制御回路が前記逆転状態にあるとき、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチが閉鎖構成にあり、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチが開放構成にある、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 外科用器具であって、
回転可能なシャフトアセンブリのギヤアセンブリに連結するように構成されたモータであって、前記回転可能なシャフトアセンブリは、長手方向軸を中心に回転するように構成されており、前記回転可能なシャフトアセンブリは、前記長手方向軸を中心とした前記回転可能なシャフトアセンブリの回転を測定するように構成された回転位置センサを備え、前記モータは、前記ギヤアセンブリを回転させるための回転力を印加するように構成されており、前記ギヤアセンブリの回転は、前記回転可能なシャフトアセンブリを前記長手方向軸を中心に回転させ、前記モータは、通電状態及び通電解除状態を含む、モータと、
前記モータに連結された制御回路であって、
前記回転位置センサからの信号に基づいて前記回転可能なシャフトアセンブリの回転位置を監視し、
前記回転可能なシャフトアセンブリの前記回転位置に対応する所定の所望の位置を特定し、
前記回転可能なシャフトアセンブリの現在の回転位置を示す前記回転位置センサからの回転入力を受信し、
前記所望の位置に対応しない前記回転可能なシャフトアセンブリの現在の回転位置に応じて、前記モータの制御動作を決定し、かつ、
前記現在の回転位置が前記所望の位置に対応するときに前記回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御するように構成されている、制御回路と、を備え、前記回転可能なシャフトアセンブリの回転を制御することは、前記モータを前記通電解除状態にすることを含む、外科用器具。
【0197】
(11) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに電磁ロックを係合することによって、前記回転可能なシャフトアセンブリの前記現在位置を維持するように構成されている、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記電磁ロックが、前記モータを短絡させることによって作成される、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記モータがブラシ付き直流(DC)モータを含む、実施態様10に記載の外科用器具。
(14) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに、前記ブラシ付きDCモータにリード線を内側に接続するように構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 外科用器具であって、
長手方向シャフトアセンブリであって、
長手方向軸及び駆動ギヤを備える回転可能なシャフト部分であって、前記長手方向軸を中心に回転するように構成されている、回転可能なシャフト部分と、
関節運動ギヤを備える関節継手と、を含む、長手方向シャフトアセンブリと、
駆動アセンブリであって、
駆動出力部を備えるモータと、
前記モータを制御するように構成された制御回路と、
前記駆動出力部に動作可能に接続された駆動部材と、を含み、前記制御回路が回転状態にあるとき、前記駆動部材が前記回転可能なシャフト部分の前記駆動ギヤに動作可能に接続され、前記制御回路が関節運動状態にあるとき、前記駆動部材が前記関節継手の前記関節運動ギヤに動作可能に接続されている、駆動アセンブリと、
電源と、を備え、
前記モータは、通電状態及び通電解除状態を含み、前記モータが係合状態にあるとき、前記制御回路は、前記電源を直列回路構成で前記モータに供給し、前記モータが前記通電解除状態にあるとき、前記制御回路は、前記モータから前記電源を切断し、前記モータが前記通電解除状態にあるとき、電磁ロックが係合される、外科用器具。
【0198】
(16) 前記制御回路が前記回転状態にあるとき、前記制御回路が、
回転位置センサからの信号に基づいて前記回転可能なシャフト部分の回転位置を監視し、
前記回転可能なシャフト部分の回転位置に対応する所定の所望の位置を特定し、
前記回転可能なシャフト部分の現在の回転位置を示す前記回転位置センサからの回転入力を受信し、
前記所望の位置に対応しない前記回転可能なシャフト部分の現在の回転位置に応じて、前記モータの制御動作を決定し、
前記現在の回転位置が前記所望の位置に対応するときに前記回転可能なシャフト部分の回転を制御するように構成されており、前記回転可能なシャフト部分の回転を制御することは、前記モータを前記通電解除状態にすることを含む、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに電磁ロックを係合することによって、前記回転可能なシャフト部分の前記現在位置を維持するように構成されている、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記制御回路が前記関節運動状態にあるとき、前記制御回路が、
関節運動位置センサからの信号に基づいて前記関節継手の関節運動位置を監視し、
前記関節継手の関節運動位置に対応する所定の所望の位置を特定し、
前記関節継手の現在の関節運動位置を示す前記関節運動位置センサからの位置入力を受信し、
所望の位置に対応しない前記関節継手の現在の関節運動位置に応じて、前記モータの制御動作を決定し、
前記現在の関節運動位置が前記所望の位置に対応するときに前記関節継手の関節運動を制御するように構成されており、前記関節継手の関節運動を制御することは、前記モータを前記通電解除状態にすることを含む、実施態様15に記載の外科用器具。
(19) 前記制御回路は、前記モータが前記通電解除状態にあるときに電磁ロックを係合することによって、前記回転可能なシャフトアセンブリの前記現在位置を維持するように構成されている、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 前記モータがブラシ付きDCモータを含み、前記電源が電池を含む、実施態様18に記載の外科用器具。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【外国語明細書】