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特開2023-657所在地管理装置、所在地管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000657
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】所在地管理装置、所在地管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20221222BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101608
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 拓
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】所在地情報を適切に管理できる所在地管理装置を提供する。
【解決手段】ユーザ20または物件に対応するラベル情報112と、前記ラベル情報112に対応する所在地を表す所在地情報114と、前記ラベル情報112に対応するアクセス権を表すアクセス権情報116と、を記憶する所在地情報記憶部11に対して、受信した更新要求RUに基づいて、前記所在地情報114および/または前記アクセス権情報116を更新する第1の入出力部12と、前記ラベル情報112を指定して対応する前記所在地情報114を要求する参照要求RRを受信すると、前記アクセス権を有する参照者30または参照端末31から前記参照要求RRが出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する前記所在地情報114を伴う応答信号RSを前記参照者30または前記参照端末31に返信する第2の入出力部13と、を所在地管理装置10に設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザまたは物件に対応するラベル情報と、前記ラベル情報に対応する所在地を表す所在地情報と、前記ラベル情報に対応するアクセス権を表すアクセス権情報と、を記憶する所在地情報記憶部に対して、受信した更新要求に基づいて、前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を更新する第1の入出力部と、
前記ラベル情報を指定して対応する前記所在地情報を要求する参照要求を受信すると、前記アクセス権を有する参照者または参照端末から前記参照要求が出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する前記所在地情報を伴う応答信号を前記参照者または前記参照端末に返信する第2の入出力部と、を備え、
前記第1の入出力部は、前記ユーザによる前記更新要求に基づいて前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を任意の時点で更新可能であり、
前記第2の入出力部は、前記参照者による前記参照要求に基づいて、任意の時点で前記応答信号を出力可能である
ことを特徴とする所在地管理装置。
【請求項2】
前記所在地情報は、未来も含めた任意の時刻または時間帯と、前記時刻または前記時間帯における所在予定地と、を含む情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の所在地管理装置。
【請求項3】
前記第2の入出力部は、前記参照者による指示に基づいて物流拠点を表す物流拠点情報と、輸送手段を表す輸送手段情報と、を物流情報記憶部に記憶させる機能と、
前記所在地情報と、前記物流拠点情報と、前記輸送手段情報と、に基づいて、推奨する輸送経路を表す推奨輸送経路情報を前記参照端末に送信する機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の所在地管理装置。
【請求項4】
ユーザまたは物件に対応するラベル情報と、前記ラベル情報に対応する所在地を表す所在地情報と、前記ラベル情報に対応するアクセス権を表すアクセス権情報と、を記憶する所在地情報記憶部に対して、受信した更新要求に基づいて、前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を更新する更新過程と、
前記ラベル情報を指定して対応する前記所在地情報を要求する参照要求を受信すると、前記アクセス権を有する参照者または参照端末から前記参照要求が出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する前記所在地情報を伴う応答信号を前記参照者または前記参照端末に返信する応答過程と、を有し、
前記更新過程は、前記ユーザによる前記更新要求に基づいて前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を任意の時点で更新する過程であり、
前記応答過程は、前記参照者による前記参照要求に基づいて、任意の時点で前記応答信号を出力する過程である
ことを特徴とする所在地管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
ユーザまたは物件に対応するラベル情報と、前記ラベル情報に対応する所在地を表す所在地情報と、前記ラベル情報に対応するアクセス権を表すアクセス権情報と、を記憶する所在地情報記憶部に対して、受信した更新要求に基づいて、前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を更新する第1の入出力手段、
前記ラベル情報を指定して対応する前記所在地情報を要求する参照要求を受信すると、前記アクセス権を有する参照者または参照端末から前記参照要求が出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する前記所在地情報を伴う応答信号を前記参照者または前記参照端末に返信する第2の入出力手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記第1の入出力手段は、前記ユーザによる前記更新要求に基づいて前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を任意の時点で更新可能であり、
前記第2の入出力手段は、前記参照者による前記参照要求に基づいて、任意の時点で前記応答信号を出力可能である
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所在地管理装置、所在地管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「住所データ管理方法は、購入者から、その配送先となる住所データを取得する段階と、住所データに一義的に対応する住所IDを設定し、購入者に通知する段階と、住所データと住所IDとの対応を示す対応テーブルを管理する段階と、物品の販売者により生成された配送依頼データを受け付ける段階と、住所IDに対応する住所データを抽出する段階と、抽出した住所データに基づいて物品の配送処理を実行する段階とを含む。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-123004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した技術において、一層適切に所在地情報を管理したいという要望がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、所在地情報を適切に管理できる所在地管理装置、所在地管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の所在地管理装置は、ユーザまたは物件に対応するラベル情報と、前記ラベル情報に対応する所在地を表す所在地情報と、前記ラベル情報に対応するアクセス権を表すアクセス権情報と、を記憶する所在地情報記憶部に対して、受信した更新要求に基づいて、前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を更新する第1の入出力部と、前記ラベル情報を指定して対応する前記所在地情報を要求する参照要求を受信すると、前記アクセス権を有する参照者または参照端末から前記参照要求が出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する前記所在地情報を伴う応答信号を前記参照者または前記参照端末に返信する第2の入出力部と、を備え、前記第1の入出力部は、前記ユーザによる前記更新要求に基づいて前記所在地情報および/または前記アクセス権情報を任意の時点で更新可能であり、前記第2の入出力部は、前記参照者による前記参照要求に基づいて、任意の時点で前記応答信号を出力可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、所在地情報を適切に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による所在地管理システムのブロック図である。
図2】第2実施形態による所在地管理システムのブロック図である。
図3】第3実施形態による所在地管理システムのブロック図である。
図4】第4実施形態による所在地管理システムのブロック図である。
図5】ハードウエア構成を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態の概要]
上述した特許文献1の内容を応用すると、利用者は配送業者から発行された住所IDを取得できる。そして、利用者が通信販売業者から通信販売で物品を購入する際、利用者は住所IDを通信販売業者に通知することができる。これによって、利用者は、自身の個人情報である住所を、配送業者以外に知られることがなく通信販売を利用できると考えられる。
【0009】
しかし、人の所在地は移動によって変化し、物件の所在地は転居等により動的に変化する。なお、以下の説明において「物件」とは、飛行機、車両、船舶等の移動体および法人を含む概念である。このような変化する所在地に対して物品の輸送を行いたいという需要があるが、人や物件の所在地が固定であることを前提にしまうと、変化する所在地に対して、対応することが困難になる。そこで、後述する実施形態は、輸送を行う者および受取人の双方にとって労力を要することなく、人や物件の所在地に輸送を行うための情報を提供するものである。
【0010】
[第1実施形態]
以下、各種実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態による所在地管理システム101のブロック図である。
図1において所在地管理システム101は、所在地管理装置10(コンピュータ)と、入力端末21と、参照端末31と、を備えている。入力端末21および参照端末31は、所在地管理装置10との間で、有線または無線で双方向通信を行う。入力端末21は、例えば物品の購入者であるユーザ20によって操作され、参照端末31は、例えば物品の運送業者である参照者30によって操作される。入力端末21および参照端末31は、所在地管理装置10と情報を入出力できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば携帯情報端末を適用することができる。
【0011】
所在地管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエア(何れも図示略)を備えており、HDDまたはSSDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。所在地管理装置10は、1台のコンピュータによって実現してもよく、複数の地点に設置された複数のコンピュータによって実現してもよい。
【0012】
図1において、所在地管理装置10の内部は、アプリケーションプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。すなわち、所在地管理装置10は、所在地情報記憶部11と、第1の入出力部12(第1の入出力手段、更新過程)と、第2の入出力部13(第2の入出力手段、応答過程)と、を備えている。第1および第2の入出力部12,13は、それぞれ所在地情報記憶部11にアクセスし、情報の書込みおよび読取りが可能である。また、第1の入出力部12は入力端末21と通信し、第2の入出力部13は参照端末31と通信する。従って、ユーザ20は入力端末21を介して、第1の入出力部12と通信が可能であり、参照者30は参照端末31を介して、第2の入出力部13と通信が可能である。
【0013】
所在地情報記憶部11は、複数のレコード2を記憶している。そして、各レコード2は、ラベル情報112と、所在地情報114と、アクセス権情報116と、を含んでいる。ラベル情報112は、当該レコード2を一意に特定する情報であり、ユーザ20が定めた文字列等を採用することができる。所在地情報114は特定の位置を表す情報であり、例えば住所や緯度経度である。また、所在地情報114は、他のレコード2のラベル情報112であってもよい。
【0014】
アクセス権情報116は、以下の情報を含むとよい。
・所在地情報114の更新が可能なユーザ20または入力端末21を特定する情報。この情報は、例えばユーザ20の名称、入力端末21の識別番号、所在地管理装置10が定めた識別番号等を適用することができる。
・所在地情報114の参照を許可する参照者30または参照端末31を特定する情報。この情報は、例えば参照者30の名称、参照端末31の識別番号、所在地管理装置10が定めた識別番号等を適用することができる。
【0015】
レコード2は、ユーザ20や物件に対して一意である必要はない。すなわち、一人のユーザ20または一つの物件に対して、複数のレコード2を設けてもよい。例えば、特定のユーザ20に対応するレコード2であっても、業務中の所在地に対するレコード2と、プライベートにおける所在地に対するレコード2とを作成してもよい。
【0016】
ユーザ20は、所在地情報記憶部11に対して新たなレコード2の作成を希望する場合がある。この場合、ユーザ20は、入力端末21を介して、第1の入出力部12に対して、ラベル情報112と、所在地情報114と、アクセス権情報116と、を指定して、レコード作成要求RCを出力する。第1の入出力部12は、当該ユーザ20または入力端末21が新たなレコード2の作成が許可されているユーザまたは端末であるか否かを識別する。そして、第1の入出力部12は、識別結果が肯定である場合にのみ、このレコード作成要求RCに従って、所在地情報記憶部11において新たなレコード2を作成する。
【0017】
また、ユーザ20は、所在地情報記憶部11の既存のレコード2の更新を希望する場合、入力端末21を介して、第1の入出力部12に対して、更新要求RUを出力する。この更新要求RUには、当該レコード2のラベル情報112と、更新希望内容と、が含まれている。
【0018】
ここで、「更新希望内容」とは、更新後のラベル情報112、更新後の所在地情報114、および更新後のアクセス権情報116のうち何れか一つまたは複数の情報である。第1の入出力部12は、更新要求RUを受信すると、当該ユーザ20または入力端末21に対して、当該レコード2の更新が許可されているか否かを識別する。そして、第1の入出力部12は、識別結果が肯定である場合にのみ、当該更新要求RUに従って、対応するレコード2の内容を更新する。
【0019】
また、参照者30は、所在地情報記憶部11に含まれる何れかのレコード2における所在地情報114の参照を希望する場合、当該レコード2におけるラベル情報112を指定して、第2の入出力部13に参照要求RRを出力する。第2の入出力部13は、当該レコード2のアクセス権情報116に基づいて、参照者30または参照端末31に対して、当該所在地情報114の参照が許可されているか否かを識別する。そして、第2の入出力部13は、この識別結果が肯定である場合にのみ、当該レコードの所在地情報114の内容を、応答信号RSとして参照端末31に出力する。このように、参照者30は、参照が許可されている場合には、最新の所在地情報114を常に参照することができる。従って、参照者30は、個人情報であるユーザ20の所在地情報114を独自に保持しておく必要がない。このため、参照者30は、セキュリティ対策に要するコストを削減することが可能となる。
【0020】
また、参照者30が第2の入出力部13を介して所在地情報114を取得した場合、例えば部屋番号が欠落している等、所在地情報114が曖昧である場合も考えられる。そこで、参照者30は、所在地情報114が曖昧であると判断した場合には、参照端末31、第2の入出力部13、第1の入出力部12を介して、入力端末21に対して、所在地情報114の追加または更新を要求する更新要求を出力できるようにしてもよい。すなわち、この場合、第2の入出力部13は、参照端末31から受信した更新要求を第1の入出力部12を介して入力端末21に供給する機能を備えることになる。これにより、所在地情報114が曖昧である場合に、参照者30は、正確な所在地情報114を容易に確認することができる。
【0021】
また、第1の入出力部12は、入力端末21に対して、定期的に所在地情報114の確認を求める確認要求を出力する機能を備えていてもよい。これにより、所在地情報114が曖昧な場合に、ユーザ20が自ら気づいて所在地情報114を更新することができる。
【0022】
また、上述の例では、第2の入出力部13は、所在地情報114の参照が許可されている参照者30または参照端末31から参照要求RRを受信すると、特に他の条件を課すことなく、応答信号RSを参照端末31に送信した。しかし、参照が許可されている参照者30または参照端末31から参照要求RRが供給された場合であっても、ユーザ20に対して、改めて追加の参照許可を求めてもよい。すなわち、この場合、第2の入出力部13は参照要求RRを受信すると、第1の入出力部12を介して、入力端末21に対して、追加の参照許可を要求するメッセージを送信するとよい。そして、入力端末21から第1の入出力部12を介して参照を許可する旨のメッセージを受信した場合に、第2の入出力部13は応答信号RSを参照端末31に送信するとよい。これにより、参照者30によってユーザ20の意図しないタイミングで所在地情報が取得されることを防止でき、ユーザ20のプライバシーを一層強固に保護することができる。
【0023】
また、上述の例では、アクセス権情報116は入力端末21からの更新要求RUによって更新されたが、これに加えて、所在地管理装置10が自動的にアクセス権情報116を更新する機能を備えていてもよい。例えば、ユーザ20は、ある参照者30に対して所在地情報114の参照を許可するようアクセス権情報116を設定する際、有効期間を設定できるようにしてもよい。この場合、当該有効期間が経過すると、所在地管理装置10は、当該参照者30に対する参照許可を自動的に削除する。このように、有効期間を設定することにより、ユーザ20は、意図せず長期にわたって自身の所在地情報を参照者30または参照端末31に取得されることを防ぐことができる。
【0024】
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態による所在地管理システム102のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施形態の所在地管理システム102は、所在地管理装置10と、入力端末21と、参照端末31と、を備えている。これらの構成は第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。但し、本実施形態の所在地管理システム102は、無人運転によって物品36を配送する自動配送車両32を備えている。
【0025】
自動配送車両32は、参照端末31と同等の機能を備えている。これにより、自動配送車両32は、第2の入出力部13に対して参照要求RRを送信し、第2の入出力部13から応答信号RSを受信することができる。また、本実施形態において、所在地情報記憶部11には、第1実施形態と同様に、複数のレコード2が記憶される。但し、本実施形態においては、レコード2の所在地情報114は、ユーザ20の現在位置に応じて、比較的高い頻度で更新されることを想定している。所在地情報114を更新する方法としては、上述の第1実施形態のものと同様に、ユーザ20が入力端末21を用いて第1の入出力部12に更新要求RUを送信することが考えられる。
【0026】
また、入力端末21がGPS(Global Positioning System)の位置計測機能を備える場合には、入力端末21が自機の位置を所在地情報114に設定するように、更新要求RUを自動的に送信してもよい。なお、図示の例では一台の入力端末21がレコード作成要求RCおよび更新要求RUの双方を送信したが、レコード作成要求RCを送信する入力端末21と、更新要求RUを送信する入力端末21とは、別の端末であってもよい。
【0027】
以下、本実施形態の動作例を説明する。
・ステップS1:まず、ユーザ20は、自身の現在位置を示すためのレコード2を所在地管理装置10に作成させるように、入力端末21を用いて第1の入出力部12にレコード作成要求RCを送信する。これにより、第1の入出力部12は、所在地情報記憶部11において当該レコード2を作成する。
【0028】
・ステップS2:次に、ユーザ20は、配送業者等の参照者30に対して所在地情報114の参照を許可するように、第1の入出力部12に更新要求RUを送信する。これにより、第1の入出力部12は、更新要求RUに基づいて、参照者30に所在地情報114の参照を許可するように、アクセス権情報116の内容を更新する。
【0029】
・ステップS3:次に、ユーザ20は、レコード2のラベル情報112の内容を、参照者30に通知し、物品36の配送を依頼する。
・ステップS4:参照者30は、自動配送車両32に対して当該ラベル情報112の内容を登録し、自動配送車両32に対して物品36の配送を指令する。
【0030】
・ステップS5:自動配送車両32は、所定時間毎に、第2の入出力部13に対してユーザ20の所在地情報114を問い合わせる参照要求RRを送信する。
・ステップS6:第2の入出力部13は、参照要求RRに基づいて、所在地情報114の内容を応答信号RSとして自動配送車両32に出力する。
【0031】
ここで、ユーザ20が移動した際、ユーザ20は入力端末21を操作することにより、所在地情報114を更新させる更新要求RUを第1の入出力部12に送信することができる。また、入力端末21が更新要求RUを自動的に送信する機能を備える場合、入力端末21は自機の位置を所在地情報114に設定させる更新要求RUを自動的に送信する。自動配送車両32は、所定時間毎に上述のステップS5,S6の動作を繰り返すことによって、ユーザ20の現在位置を取得する。
【0032】
これにより、ユーザ20が移動した場合であっても、自動配送車両32はユーザ20に追従して移動し、物品36を配送することができる。
なお、上述した例では、自動配送車両32を用いて物品36をユーザ20に配送したが、自動配送車両32に代えて、飛翔体や船舶等、物品36を配送できる移動体であれば、陸海空の任意の移動体を適用できる。
【0033】
また、所在地管理装置10は、参照者30または参照端末31からの要求に応じて、入力端末21を介してユーザ20に配達予定時刻における所在地の提案を行ってもよい。また、所在地管理装置10は、この提案に対するユーザ20からの諾否および代替提案地点等の情報を参照者30または参照端末31に返答する機能を有してもよい。
【0034】
上述したように、所在地情報114は曖昧な場合があり、また、所在地情報114が建物の内部等を示す場合には自動配送車両32がその場所に進入できない場合も考えられる。このような場合に、所在地管理装置10が、ユーザ20に対して、自動配送車両32が到達可能であって、かつ明確な地点を提案することで、物品36をより確実に配達することが可能となる。
【0035】
上述した例において、所在地情報114は、ラベル情報112に対応する人や物件の現在の所在地を示すものであった。しかし、所在地情報114は、未来も含めた複数の時刻または時間帯と、各時刻または時間帯における所在予定地と、を合わせた情報であってもよい。これにより、参照者30、参照端末31または自動配送車両32は、物品36の配送に要する時間と、当該時間が経過した時点におけるユーザ20の所在予定地とを考慮した配送経路を計画することができ、使用エネルギーや所要時間を削減することが可能となる。
【0036】
ここで、ユーザ20による将来の時刻とその時刻における所在予定地点の登録方法としては、ユーザ20のマニュアル操作によって、入力端末21から更新要求RUを送信することが考えられる。さらに、以下に列挙するような情報のうち一つまたは複数の情報に基づいて、入力端末21が将来におけるユーザ20の所在地を推定し、その推定結果に基づいて自動的に更新要求RUを送信してもよい。
【0037】
・入力端末21がスケジュール管理機能を備えている場合、入力端末21においてユーザ20が登録しているスケジュール。
・入力端末21がナビゲーション機能を備えている場合、入力端末21においてユーザ20が登録している目的地。
・入力端末21が電車や飛行機等のチケットの購入履歴を管理している場合、これらチケットに基づく目的地および到着予定時刻や現在までの移動経路。
【0038】
[第3実施形態]
図3は、第3実施形態による所在地管理システム103のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施形態の所在地管理システム102は、所在地管理装置40(コンピュータ)と、入力端末21と、参照端末31と、を備えている。所在地管理装置40のハードウエア構成は、第1実施形態における所在地管理装置10(図1参照)のものと同様である。
【0039】
所在地管理装置40は、所在地情報記憶部41と、物流情報記憶部42と、第1の入出力部43(第1の入出力手段、更新過程)と、第2の入出力部44(第2の入出力手段、応答過程)と、を備えている。第1および第2の入出力部43,44は、それぞれ、上述した第1実施形態における第1および第2の入出力部12,13(図1参照)と同様の機能を備えている。
【0040】
すなわち、第1および第2の入出力部43,44は、それぞれ所在地情報記憶部41にアクセスし、情報の書込みおよび読取りが可能である。また、第1の入出力部43は入力端末21と通信し、第2の入出力部44は参照端末31と通信する。従って、ユーザ20は入力端末21を介して、第1の入出力部43と通信が可能であり、参照者30は参照端末31を介して、第2の入出力部44と通信が可能である。第1の入出力部43は、所在地情報記憶部41にアクセスし、情報の書込みが可能である。また、第2の入出力部44は、所在地情報記憶部41からの情報の読取りと、物流情報記憶部42に対する情報の書込みおよび読取りが可能である。
【0041】
所在地情報記憶部41は、複数のレコード4を記憶している。そして、各レコード4は、ラベル情報412と、所在地情報414と、アクセス権情報416と、を含んでいる。これらの内容は、それぞれ、第1実施形態(図1参照)におけるラベル情報112、所在地情報114、およびアクセス権情報116と同様である。
【0042】
物流情報記憶部42は、参照者30が利用可能な物流拠点を示す複数の物流拠点情報422と、各物流拠点間の輸送に利用可能な輸送手段に関する輸送手段情報424と、を記憶する。物流拠点情報422は、例えば空港、港湾、駅、集配所等の物流拠点を示す情報である。輸送手段情報424は、例えば航空機、船舶、鉄道車両、トラック等の輸送手段、これらの予想所要時間、定期便の運行スケジュール等を表す情報である。輸送手段情報424のうち、特に予想所要時間は、道路等の混雑状況によって変化する。参照者30は、参照端末31および第2の入出力部44を介して、物流情報記憶部42の記憶内容を参照でき、更新することも可能である。
【0043】
さらに、第2の入出力部44は、所在地情報記憶部41から取得した所在地情報414と、物流情報記憶部42から取得した物流拠点情報422および輸送手段情報424と、に基づいて、物品の最適な輸送経路を算出する。そして、第2の入出力部44は、算出した輸送経路の内容を、推奨輸送経路情報RIとして、参照端末31に送信する。このように、本実施形態によれば、参照者30は、道路の混雑状況の変化や、ユーザ20の所在地の変化に応じて、適切な輸送経路を選択することが可能になり、輸送時間の短縮や輸送コストの削減を実現することができる。
【0044】
[第4実施形態]
図4は、第4実施形態による所在地管理システム104のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施形態の所在地管理システム104は、所在地管理装置50と、所在地参照装置60と、を備えている。所在地管理装置50および所在地参照装置60のハードウエア構成は、第1実施形態における所在地管理装置10(図1参照)のものと同様である。なお、本実施形態における「所在地」の意義は第1実施形態のものと同様であるが、特に「所在地」が「住所」である場合が好ましい。
【0045】
所在地管理装置50は、所在地情報記憶部51と、第1の入出力部52と、第2の入出力部53と、を備えている。第1および第2の入出力部52,53は、それぞれ第1実施形態(図1参照)における第1および第2の入出力部12,13と同様の機能を備えている。所在地情報記憶部51は、複数のレコード5を記憶している。そして、各レコード5は、氏名情報512と、所在地情報514と、ラベル情報516と、を含んでいる。
【0046】
所在地情報514およびラベル情報516は、それぞれ、第1実施形態の所在地情報記憶部11(図1参照)における所在地情報114およびラベル情報112と同様である。また、氏名情報512は、当該レコード5に対応するユーザ20の氏名を表す情報である。これにより、所在地管理装置50は、ユーザ20の氏名情報512および所在地情報514を、ラベル情報516に対応付けて管理する。
【0047】
また、所在地参照装置60は、ユーザ情報記憶部61を備えている。ユーザ情報記憶部61は、複数のレコード6を記憶している。そして、レコード6は、氏名情報612と、所在地情報614と、ラベル情報616と、を含んでいる。
【0048】
氏名情報612、所在地情報614およびラベル情報616の内容は、それぞれ、所在地管理装置50における氏名情報512、所在地情報514およびラベル情報516のものと同様である。但し、所在地参照装置60においては、所在地情報614の内容は空欄である場合もある。所在地参照装置60は、例えばユーザ20の所在地情報614を必要とする、運送業者等の会員70に対して、所在地情報614等を提供する会員制サービスのための装置である。所在地参照装置60は、第1実施形態(図1参照)における参照端末31に対応する。
【0049】
以下、本実施形態の動作例を説明する。
・ステップS10:まず、ユーザ20は、所在地参照装置60に対して、自身の氏名情報612と、ラベル情報616とを登録する。これにより、所在地参照装置60においては、ユーザ20に対応するレコード6が作成される。但し、その際に所在地情報614は登録しないため、この時点では、所在地情報614は空欄になる。
【0050】
・ステップS11:次に、ユーザ20は、所在地管理装置50に対して、自身の氏名情報512と、ラベル情報516と、所在地情報514と、を登録する。これにより、所在地管理装置50においては、ユーザ20に対応するレコード5が作成される。また、転居等によってユーザ20の住所情報が変更された場合も、ユーザ20は、所在地管理装置50の対応するレコード5における所在地情報514を更新する。
なお、上述のステップS10,S11の順序は逆であってもよい。
【0051】
・ステップS12:次に、会員70が物品の搬送等のために所在地参照装置60に対して、氏名情報612およびラベル情報616を指定して、ユーザ20の所在地情報614を問い合わせたとする。すると、所在地参照装置60は、所在地管理装置50に対して、氏名情報512およびラベル情報516を指定してユーザ20の所在地情報514を問い合わせる。
【0052】
・ステップS13:所在地管理装置50は、ユーザ20の所在地情報514を参照する権限を所在地参照装置60が備えているか否かを判定する。なお、所在地情報記憶部51は、参照する権限を有する所在地参照装置60のリストを記憶している(図示せず)。そして、判定結果が肯定であれば、ユーザ20の所在地情報514を所在地参照装置60に送信する。所在地参照装置60は、受信した所在地情報514の内容を所在地情報614に書き込む。
【0053】
・ステップS14:会員70は、所在地参照装置60からユーザ20の所在地情報614を取得し、ユーザ20に対して物品等を搬送する。以上のように本実施例によれば、所在地参照装置60は、ユーザ20の所在地が変更された場合であっても郵便物配達などの業務を継続することが可能である。また、複数の所在地参照装置60に氏名およびラベルを登録しているユーザ20が住所変更した場合においても、ユーザは所在地管理装置50のみに対して住所変更手続きを行えばよい。これにより、各所在地参照装置60の会員70は、所在地管理装置50から、変更後の住所を取得できる。これにより、ユーザ20は、所在地参照装置60毎に住所変更手続きを行う手間から解放される。
【0054】
[所在地管理装置等のハードウエア構成]
図5は、所在地管理装置10,40,50、入力端末21、参照端末31、所在地参照装置60等のハードウエア構成を説明するブロック図である。
所在地管理装置10や入力端末21等は、CPU901と、RAM902と、ROM903と、HDD904と、通信I/F905と、入出力I/F906と、メディアI/F907とを備える。通信I/F905は、外部の通信装置915に接続される。入出力I/F906は、入出力装置916に接続される。メディアI/F907は、記録媒体917からデータを読み書きする。さらに、CPU901は、RAM902に読み込んだプログラム(アプリケーション、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、上記所在地管理装置10や入力端末21等が具現化される。
【0055】
[実施形態の効果]
以上のように上述した実施形態によれば、所在地管理装置10,40,50は、ユーザ20または物件に対応するラベル情報112,412,516と、ラベル情報112,412,516に対応する所在地を表す所在地情報114,414,514と、ラベル情報112,412,516に対応するアクセス権を表すアクセス権情報116,416と、を記憶する所在地情報記憶部11,41,51に対して、受信した更新要求RUに基づいて、所在地情報114,414,514および/またはアクセス権情報116,416を更新する第1の入出力部12,43,52と、ラベル情報112,412,516を指定して対応する所在地情報114,414,514を要求する参照要求RRを受信すると、アクセス権を有する参照者30または参照端末(31,60)から参照要求RRが出力されたか否かを判定し、判定結果が肯定である場合に、対応する所在地情報114,414,514を伴う応答信号RSを参照者30または参照端末(31,60)に返信する第2の入出力部13,44,53と、を備え、第1の入出力部12,43,52は、ユーザ20による更新要求RUに基づいて所在地情報114,414,514および/またはアクセス権情報116,416を任意の時点で更新可能であり、第2の入出力部13,44,53は、参照者30による参照要求RRに基づいて、任意の時点で応答信号RSを出力可能であることを特徴とする。
【0056】
これにより、ユーザ20は所在地情報114,414,514および/またはアクセス権情報116,416を任意の時点で更新可能することができ、参照者30は任意の時点で所在地情報114,414,514を取得できるため、所在地情報114,414,514を適切に管理できる。
【0057】
また、所在地情報114,414,514は、未来も含めた任意の時刻または時間帯と、時刻または時間帯における所在予定地と、を含む情報であると一層好ましい。これにより、参照者30は、未来も含めた任意の時刻または時間帯における所在予定地を知ることができ、その内容を考慮した配送経路を計画することができ、使用エネルギーや所要時間を削減することができる。
【0058】
また、第2の入出力部44は、参照者30による指示に基づいて物流拠点を表す物流拠点情報422と、輸送手段を表す輸送手段情報424と、を物流情報記憶部42に記憶させる機能と、所在地情報414と、物流拠点情報422と、輸送手段情報424と、に基づいて、推奨する輸送経路を表す推奨輸送経路情報RIを参照端末31に送信する機能と、をさらに備えると一層好ましい。これにより、参照者30は、推奨輸送経路情報RIに基づいて、適切な輸送経路を容易に立案できる。
【0059】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0060】
(1)上記実施形態における所在地管理装置10,40,50のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0061】
(2)上述した各処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0062】
(3)上記実施形態において実行される各種処理は、図示せぬネットワーク経由でサーバコンピュータが実行してもよく、上記実施形態において記憶される各種データも該サーバコンピュータに記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10,40,50 所在地管理装置(コンピュータ)
11,41,51 所在地情報記憶部
12,43,52 第1の入出力部(第1の入出力手段、更新過程)
13,44,53 第2の入出力部(第2の入出力手段、応答過程)
20 ユーザ
30 参照者
31 参照端末
42 物流情報記憶部
60 所在地参照装置(参照端末)
112,412,516 ラベル情報
114,414,514 所在地情報
116,416 アクセス権情報
422 物流拠点情報
424 輸送手段情報
RI 推奨輸送経路情報
RR 参照要求
RS 応答信号
RU 更新要求
図1
図2
図3
図4
図5