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特開2023-65710情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065710
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 19/018 20130101AFI20230508BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230508BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230508BHJP
【FI】
G10L19/018
H04M1/00 H
G10L15/00 200Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172631
(22)【出願日】2021-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】520185487
【氏名又は名称】株式会社アートクリフ
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】松尾 光浩
(72)【発明者】
【氏名】臼井 誠
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 佑
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 法利
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA16
5K127BA03
5K127GE03
5K127KA04
5K127KA16
5K127KA19
(57)【要約】
【課題】情報処理装置のリソースを効率的に使用し、消費電力を低減する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】音声取得部10において収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号格納部30に格納された基準信号とを照合し、基準信号の中からアナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部20と、アナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40と、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ抽出部40を起動させてデジタルデータを取得するデジタルデータ取得部50とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部と、
前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部と、
前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得するデジタルデータ取得部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記デジタルデータ取得部は、前記デジタルデータ抽出部から取得した前記デジタルデータと基準データとを照合し、取得した前記デジタルデータと前記基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記デジタルデータおよび前記基準データは、少なくとも前記アナログ音声が出力されている位置を示す位置情報を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記デジタルデータ取得部はサーバに接続され、少なくとも前記位置情報を前記サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
デジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、該アナログ音声を格納した音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、
受信した前記音声ファイルに格納された前記アナログ音声を出力する音声出力部と、
前記音声出力部から出力された前記アナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部と、
前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部と、
前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得するデジタルデータ取得部と、
を備えた第1の情報処理装置および第2の情報処理装置を接続し、前記デジタルデータの送受信を行うことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
前記デジタルデータ取得部は、前記デジタルデータ抽出部から取得した前記デジタルデータと基準データとを照合し、取得した前記デジタルデータと前記基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得することを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記デジタルデータおよび前記基準データは、少なくとも前記第1の情報処理装置と前記第2の情報処理装置とを接続するための認証情報を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
前記音声マッチング判定部が、収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する第1の工程と、
前記デジタルデータ抽出部が、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、
デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得する第3の工程と、を備えた情報処理方法。
【請求項9】
音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記音声マッチング判定部が、収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する第1の工程と、
前記デジタルデータ抽出部が、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、
デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得する第3の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アナログ音声信号にデジタルデータを重畳させて、データを送受信する技術や、アナログ音声信号に重畳させたデジタルデータを用いて複製防止を行う技術等が知られている。
ここで、アナログ音声信号に重畳されたデジタルデータを抽出する方法としては、アナログ音声信号をA/D変換し、時分割された音声データを演算処理することにより、デジタルデータを抽出する技術が開示されている(例えば、先行文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-104598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、アナログ音声信号からデジタルデータを抽出するために、非常に高負荷な演算処理を継続的に実行する必要があり、機器のCPUやメモリ等の占有率が常に高くなったり、機器の消費電力が非常に大きくなってしまうという課題があった。
また、二次電池を電源として動作する携帯端末等において、非常に高負荷な演算処理を継続的に実行すると、消費電力が増加するために、携帯端末の連続動作可能時間が短くなってしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、機器のリソースを効率的に使用し、消費電力を低減する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部と、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部と、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得するデジタルデータ取得部と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提案している。
【0007】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記デジタルデータ取得部は、前記デジタルデータ抽出部から取得した前記デジタルデータと基準データとを照合し、取得した前記デジタルデータと前記基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得することを特徴とする情報処理装置を提案している。
【0008】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記デジタルデータおよび前記基準データは、少なくとも前記アナログ音声が出力されている位置を示す位置情報を含んでいることを特徴とする情報処理装置を提案している。
【0009】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記デジタルデータ取得部はサーバに接続され、少なくとも前記位置情報を前記サーバに送信することを特徴とする情報処理装置を提案している。
【0010】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、デジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、該アナログ音声を格納した音声ファイルを生成する音声ファイル生成部と、受信した前記音声ファイルに格納された前記アナログ音声を出力する音声出力部と、前記音声出力部から出力された前記アナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部と、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部と、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得するデジタルデータ取得部と、を備えた第1の情報処理装置および第2の情報処理装置を接続し、前記デジタルデータの送受信を行うことを特徴とする情報処理システムを提案している。
【0011】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記デジタルデータ取得部は、前記デジタルデータ抽出部から取得した前記デジタルデータと基準データとを照合し、取得した前記デジタルデータと前記基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得することを特徴とする情報処理システムを提案している。
【0012】
形態7;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記デジタルデータおよび前記基準データは、少なくとも前記第1の情報処理装置と前記第2の情報処理装置とを接続するための認証情報を含んでいることを特徴とする情報処理システムを提案している。
【0013】
形態8;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、前記音声マッチング判定部が、収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する第1の工程と、前記デジタルデータ抽出部が、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得する第3の工程と、を備えた情報処理方法を提案している。
【0014】
形態9;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記音声マッチング判定部が、収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号とを照合し、前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたか否かを判定する第1の工程と、前記デジタルデータ抽出部が、前記アナログ音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において前記基準信号の中から前記アナログ音声が検出されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて前記デジタルデータを取得する第3の工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、情報処理装置のリソースを効率的に使用し、消費電力を低減することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を例示した図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の処理フローを例示した図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を例示した図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の処理フローを示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置のデジタルデータ取得処理のフローを示す図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムの構成を例示した図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る第1の情報処理装置および第2の情報処理装置の構成を例示した図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムの処理フローを示す図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムのデジタルデータ取得処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
図1および図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1について説明する。
【0019】
<情報処理装置1の構成>
図1に示すように、情報処理装置1は、音声取得部10と、音声マッチング判定部20と、基準信号格納部30と、デジタルデータ抽出部40と、デジタルデータ取得部50と、を含んで構成されている。
情報処理装置1は、デジタルデータが重畳されたアナログ音声を出力する音声出力装置100からの音声を収音し、デジタルデータを取得する。
音声出力装置100は、例えば、スペクトラム拡散したデジタルデータを、音声品質の劣化が最小限になるように、アナログ音声に重畳し、その音声を出力する。
なお、アナログ音声にデジタルデータを重畳する方法としては、上述した重畳方法に限定するのではなく、他の重畳方法を用いてアナログ音声にデジタルデータを重畳するようにしてもよい。
【0020】
音声取得部10は、例えば、マイクロフォンで構成され、音声出力装置100から出力された音声を収音し、収音した音声を後述する音声マッチング判定部20およびデジタルデータ抽出部40に送信する。
音声取得部10は、音声を収音できればよいため、例えば、スマートフォン等の携帯端末に内蔵されたマイクロフォンを用いて音声を収音するようにしてもよい。
ここで、音声出力装置100が出力する音声には、デジタルデータが重畳されていない音声が出力されているときもあるため、音声取得部10は、常に音声を収音し、収音した音声を、音声マッチング判定部20およびデジタルデータ抽出部40に送信する。
【0021】
音声マッチング判定部20は、音声取得部10において収音したアナログ音声と、基準信号とを照合し、基準信号の中から収音した音声が検出されたか否かを判定する。
具体的には、音声マッチング判定部20は、音声取得部10において収音した音と、後述する基準信号格納部30に格納された基準信号とを照合し、基準信号の中から収音した音声が検出されたか否かを判定し、その判定結果を後述するデジタルデータ取得部50に送信する。
【0022】
ここで、音声マッチング判定部20におけるマッチング処理の詳細について説明する。
音声マッチング判定部20は、音声取得部10において収音した音声および基準信号格納部30に格納されている音声データの特徴量を示す、例えば、MFCC(Mel-Frequency Cepstrum Coefficients)を算出する。
音声マッチング判定部20は、算出したMFCCに基づいて、2つの音声の合致度を判定し、合致していると判定した場合には、その判定情報をデジタルデータ取得部50に送信する。
なお、上述した音声マッチング判定部20のマッチング判定処理では、音声データからMFCCを算出し、マッチング判定する方法を例示したが、例えば、HMM(Hidden Markov Model)、DPマッチング(Dynamic Program Matching)、ビタビアルゴリズム(Viterbi algorithm)等の手法を用いて、音声データの照合を行い、マッチング判定するようにしてもよい。
【0023】
基準信号格納部30は、音声マッチング判定部20において、マッチング判定を行うときに参照する基準信号を格納する。
格納されている基準信号は、デジタルデータを重畳して音声を出力する音声出力装置100と連携する必要があるため、基準信号格納部30は、図示しない通信部を介して、サーバに接続し、基準信号のデータを取得する。
ここで、音声出力装置100から出力される、デジタルデータが重畳されたアナログ音声について説明する。
デジタルデータが重畳されたアナログ音声は、基準信号格納部30に格納さている音声の少なくとも一部を含んだ音声である。
つまり、音声出力装置100は、情報処理装置1と同様に、サーバから基準信号のデータを取得し、その基準信号の少なくとも一部を含んだ音声に、デジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、その音声を出力する。
このとき、音声出力装置100は、音声マッチング判定部20において、マッチング判定ができるように、基準信号の音声の劣化が最小限になるように、デジタルデータを重畳する。
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声は、所定時間繰り返し出力されている。
ここで、デジタルデータが重畳される基準信号の音声は、音声取得部10において収音できればよいため、人に聞こえる音楽であってもよいし、人に聞こえにくい若しくは聞こえない周波数帯域(18KHz以上の周波数の音声)の音声であってもよい。
【0024】
デジタルデータ抽出部40は、音声取得部10において収音されたアナログ音声から、デジタルデータを抽出する。
デジタルデータ抽出部40は、後述するデジタルデータ取得部50からの指示に従い、音声取得部10において収音されたアナログ音声からデジタルデータを抽出する処理を開始し、抽出したデジタルデータをデジタルデータ取得部50に送信する。
すなわち、デジタルデータ抽出部40は、後述するデジタルデータ取得部50からの指示がないときは、デジタルデータ抽出処理を停止している。
デジタルデータ抽出部40は、収音した音を高速な演算処理で分析を行い、アナログ音声から抽出したデータに対し、誤り訂正等の処理を実行し、デジタルデータを復元する。
【0025】
デジタルデータ取得部50は、音声マッチング判定部20において、基準信号格納部30に格納されている基準信号の中から、収音したアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ抽出部40を起動させて、デジタルデータを取得する。
なお、デジタルデータ取得部50の処理の詳細については、以下に説明する。
【0026】
<デジタルデータ取得部50の処理>
図2を用いて、デジタルデータ取得部50の処理について説明する。
【0027】
デジタルデータ取得部50は、情報処理装置1が休止状態であるか否かを判定する(ステップS100)。
情報処理装置1が休止状態であると判定した場合(ステップS100の「YES」)には、待機状態に移行させる。
一方で、情報処理装置1が休止状態でないと判定した場合(ステップS100の「NO」)には、処理をステップS110に移行させる。
【0028】
デジタルデータ取得部50は、音声マッチング判定部20にマッチング判定処理を開始させる旨の指示を送信する(ステップS110)。
音声マッチング判定部20は、音声取得部10において収音したアナログ音声と基準信号とを照合し、基準信号の中から収音した音声が検出されたか否かを判定する処理を開始する。
【0029】
デジタルデータ取得部50は、音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したか否かを判定する(ステップS120)。
音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したと判定した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行させる。
一方で、音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信していないと判定した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS160に移行させる。
【0030】
音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したと判定した場合(ステップS120の「YES」)には、デジタルデータを抽出する処理を開始させる旨の指示を、デジタルデータ抽出部40に送信する(ステップS130)。
つまり、デジタルデータ取得部50は、音声マッチング判定部20において、マッチング判定がされたことを確認したときに、デジタルデータ抽出部40を起動させ、収音した音声からデジタルデータを抽出する処理を開始させる。
【0031】
デジタルデータ取得部50は、デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたか否かを判定する(ステップS140)。
デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、処理をステップS150に移行させる。
一方で、デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できていないと判定した場合(ステップS140の「NO」)には、待機状態に移行させる。
【0032】
デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、デジタルデータを抽出する処理を停止させる旨の指示を、デジタルデータ抽出部40に送信する(ステップS150)。
つまり、デジタルデータ取得部50は、デジタルデータ抽出部40の処理を継続する必要がないため、直ちに、デジタルデータ抽出部40の処理を停止させる。
【0033】
デジタルデータ取得部50は、情報処理装置1が休止状態であるか否かを判定する(ステップS160)。
情報処理装置1が休止状態であると判定した場合(ステップS160の「YES」)には、処理を終了させる。
一方で、情報処理装置1が休止状態でないと判定した場合(ステップS160の「NO」)には、処理をステップS120に戻し、処理を継続させる。
【0034】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、音声取得部10において収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号格納部30に格納された基準信号とを照合し、基準信号の中からアナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部20と、アナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40と、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ抽出部40を起動させてデジタルデータを取得するデジタルデータ取得部50とを備えている。
すなわち、デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するとき、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータを抽出する処理を開始して、デジタルデータを取得する。
デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40の処理は、非常に高負荷な演算処理が必要となり、情報処理装置1のCPU、メモリの占有率が非常に高くなる。
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40の処理は、非常に高速な演算処理が実行されるために、情報処理装置1の消費電力が非常に大きくなる。
情報処理装置1の構成によれば、音声マッチング判定部20において音声のマッチングが判定されてから、デジタルデータ抽出部40の処理が起動されるため、情報処理装置1のリソース(CPU、メモリ等)を効率的に使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
また、情報処理装置1が二次電池を電源として動作する装置の場合には、消費電力が低減されるため、情報処理装置1の連続動作時間を長くすることができる。
また、デジタルデータ取得部50は、音声マッチング判定部20においてマッチングが判定され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されたときに、デジタルデータ抽出部40の動作を停止させる。
これにより、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されると、直ちに、デジタルデータ抽出部40の処理を停止させるため、情報処理装置1のリソース(CPU、メモリ等)を効率的に使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
【0035】
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声は、基準信号格納部30に格納さている音声の少なくとも一部を含んだ音声である。
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声は、継続的に所定時間繰り返し出力されている。
デジタルデータが重畳されたアナログ音声が、いつ出力されてくるかわからない状況において、デジタルデータを抽出するためには、常に、デジタルデータ抽出部40を稼動させて、デジタルデータの抽出処理を行う必要がある。
しかしながら、情報処理装置1は、音声取得部10において収音したアナログ音声の中から、基準信号格納部30に格納された基準信号の少なくとも一部を検出したときに、デジタルデータ抽出部40を起動させて、デジタルデータの抽出処理を開始させる。
これにより、音声マッチング判定部20において、音声のマッチングが判定されてから、デジタルデータ抽出部40の処理が起動されるため、情報処理装置1のリソースを効率よく使用することができる。
また、デジタルデータ抽出部40において、無駄なデジタルデータ抽出処理が実行されないため、消費電力を低減することができる。
【0036】
音声取得部10において収音した音声は、人に聞こえる音楽やナレーション、人に聞こえにくい、若しくは聞こえない周波数帯域(18KHz以上の周波数の音声)の音声等のアナログ音声にデジタルデータを重畳した音声である。
これにより、情報処理装置1を携帯したユーザは、違和感なくデジタルデータを取得することができる。
【0037】
<第2の実施形態>
図3から図5を用いて、本実施形態に係る情報処理装置1Aについて説明する。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0038】
情報処理装置1Aは、デジタルデータを重畳した音声を含むアナログ音声を出力する音声出力装置100Aからの音声を収音し、デジタルデータを取得する。
情報処理装置1Aは、複数の出力装置で構成された音声出力装置100Aの、各出力装置より出力されたアナログ音声からデジタルデータを取得する。
【0039】
<音声出力装置100Aの構成>
音声出力装置100Aは、出力装置110~130を含んで構成されている。
出力装置110~130はサーバ500と接続し、後述する基準信号格納部30Aに格納されている基準信号を取得し、その基準信号の少なくとも一部を含んだ音声にデジタルデータを重畳して、その音声を出力する。
出力装置110~130は、各出力装置から出力されている音声が、互いに干渉しないような位置に配置されている。
各出力装置は、各出力装置の音声が出力されている位置を示す位置情報、例えば、出力装置毎に付与されたID番号をデジタルデータとしてアナログ音声に重畳し、音声を出力する。
つまり、情報処理装置1Aが取得したデジタルデータ(ID番号)に基づいて、デジタルデータを取得したときに収音した音を出力している出力装置の位置を特定することができる。
換言すると、情報処理装置1Aが取得したデジタルデータ(ID番号)に基づいて、情報処理装置1Aを所有するユーザの位置を特定することができる。
ここで、図3では、3台の出力装置で構成された音声出力装置100Aを例示したが、音声出力装置100Aを構成する出力装置の台数は、限定しない。
【0040】
<情報処理装置1Aの構成>
図3に示すように、情報処理装置1Aは、音声取得部10と、音声マッチング判定部20と、基準信号格納部30Aと、デジタルデータ抽出部40と、デジタルデータ取得部50Aと、基準データ格納部60と、通信部70と、を含んで構成されている。
【0041】
基準信号格納部30Aは、音声マッチング判定部20において、マッチング判定を行うための基準信号を格納する。
格納されている基準信号のデータは、デジタルデータを重畳して音声を出力する音声出力装置100Aと連携する必要があるため、基準信号格納部30Aは、通信部70を介して、サーバ500に接続し、基準信号のデータを取得して、格納する。
【0042】
デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ抽出部40から取得したデジタルデータと後述する基準データ格納部60に格納されている基準データとを照合し、抽出されたデジタルデータと基準データとが合致したときに、デジタルデータを取得する。
具体的には、デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ抽出部40において抽出されたデジタルデータが、基準データ格納部60に格納された基準データの中にあるか否かを判定し、基準データの中にあると判定した場合には、抽出されたデジタルデータを取得する。
一方で、基準データの中に抽出されたデジタルデータがないと判定した場合には、抽出されたデジタルデータを破棄する。
つまり、デジタルデータ取得部50は、デジタルデータ抽出部40において抽出されたデジタルデータが、基準データ格納部60に格納された基準データの中にない場合には、そのデジタルデータは抽出すべきデータではないと判断し、抽出されたデジタルデータを破棄する。
【0043】
また、デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータを取得したとき、通信部70を介してサーバ500に接続し、少なくとも取得したデジタルデータ(位置情報を示す情報)を送信する。
ここで、サーバ500に送信する情報には、取得したデジタルデータ以外には、例えば、情報処理装置1Aがデジタルデータを取得した時間情報や、情報処理装置1Aの個体を識別できる情報等を同時に送信するようにしてもよい。
【0044】
基準データ格納部60は、上述したデジタルデータ取得部50Aが、デジタルデータを取得するときに参照する基準データを格納する。
具体的には、基準データ格納部60は、通信部70を介してサーバ500に接続し、基準データを取得し、格納する。
ここで、基準データには、少なくとも出力装置の音声が出力されている位置を示す位置情報が含まれており、例えば、位置情報として、出力装置毎に付与されたID番号を例示することができる。
つまり、サーバ500には、各出力装置のID番号と各出力装置が設置されている位置(住所、店舗、駅、建物等)とが登録されたデータベースが格納されており、基準データ格納部60は、データベースから各出力装置のID番号を取得し、格納する。
出力装置が新たに設置されると、上述したデータベースが更新されるため、基準データ格納部60は、定期的にサーバ500に接続して、基準データを更新する。
【0045】
通信部70は、例えば、インターネットに接続可能な通信モジュール等で構成されている。
通信部70は、サーバ500と接続し、データの送受信を行う。
【0046】
サーバ500は、音声出力装置100Aと情報処理装置1Aとにおいて共有する情報である、基準信号および基準データが格納されている。
また、サーバ500には、情報処理装置1Aから送信された、情報処理装置1Aにおいて取得されたデジタルデータの情報が格納されている。
ユーザが携帯する各情報処理装置1Aにおいて、デジタルデータが取得されたときに、サーバ500には、デジタルデータが取得された位置を示す位置情報(ID番号)が送信されてくる。
サーバ500は、各情報処理装置1Aから送信されてくる位置情報を集計することにより、情報処理装置1Aを携帯するユーザの流れ(人流)を取得する。
具体的には、サーバ500がID番号を受信した時刻および受信したID番号の情報に基づいて、各時間帯における、各出力装置の付近にいる人数に関する情報(全体の人流)を取得する。
また、情報処理装置1Aから受信したID番号の履歴を集計することにより、情報処理装置1Aを携帯するユーザが、どれだけの時間、その場所に滞在し、どのように移動したか等の移動履歴に関する情報(個人の人流)を取得する。
【0047】
<情報処理装置1Aの処理>
図4および図5を用いて、情報処理装置1Aの処理、接続されるサーバ500の処理およびデジタルデータが重畳された音声を出力する音声出力装置100Aの処理について、説明する。
【0048】
図4に示すように、音声出力装置100Aは基準信号の送信をサーバに要求する(ステップS200)。
音声出力装置100Aは、デジタルデータを重畳したアナログ音声を出力するために必要となる、基準信号の送信をサーバ500に要求する。
【0049】
基準信号の送信要求を受信したサーバ500は、音声出力装置100Aに基準信号を送信する(ステップS210)。
【0050】
音声出力装置100Aは、受信した基準信号の少なくとも一部を含んだ音声にデジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、その音声を出力する(ステップS220)。
なお、上述したステップS200およびステップS220の処理は、音声出力装置100Aを構成する出力装置毎(出力装置110~130)に実行される。
出力装置110~130は、予め出力装置毎に付与されているID番号を、デジタルデータとして重畳し、アナログ音声を出力する。
ここで、予め出力装置毎に付与されているID番号は、サーバ500から基準信号を受信するときに同時に受信し、出力装置毎のID番号が付与されるようにしてもよい。
【0051】
情報処理装置1Aは、デジタルデータを受信するときに参照する基準信号および基準データの送信を、サーバ500に要求する(ステップS230)。
【0052】
基準信号および基準データの送信要求を受信したサーバ500は、情報処理装置1Aに、基準信号および基準データを送信する(ステップS240)。
情報処理装置1Aは、受信した基準信号および基準データを、基準信号格納部30Aおよび基準データ格納部60に、それぞれ格納する。
【0053】
情報処理装置1Aは、デジタルデータ取得処理Aの実行を開始する(ステップS300)。
ここで、図5を用いて、デジタルデータ取得処理Aの詳細について説明する。
【0054】
図5に示すように、デジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20にマッチング判定処理を開始させる旨の指示を送信する(ステップS110)。
音声マッチング判定部20は、音声取得部10において収音したアナログ音声と基準信号とを照合し、基準信号の中から収音した音声が検出されたか否かを判定する。
【0055】
デジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したか否かを判定する(ステップS120)。
音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したと判定した場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行させる。
一方で、音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信していないと判定した場合(ステップS120の「NO」)には、待機状態に移行させる。
【0056】
音声マッチング判定部20から、基準信号の中から音声取得部10において収音した音声が検出された旨の情報を受信したと判定した場合(ステップS120の「YES」)には、デジタルデータを抽出する処理を開始させる旨の指示を、デジタルデータ抽出部40に送信する(ステップS130)。
つまり、デジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20において、マッチング判定がされたことを確認したときに、デジタルデータ抽出部40を起動させ、収音した音声からデジタルデータを抽出する処理を開始させる。
【0057】
デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたか否かを判定する(ステップS140)。
デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、処理をステップS150に移行させる。
一方で、デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できていないと判定した場合(ステップS140の「NO」)には、待機状態に移行させる。
【0058】
デジタルデータ抽出部40から抽出されたデジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、デジタルデータを抽出する処理を停止させる旨の指示を、デジタルデータ抽出部40に送信する(ステップS150)。
つまり、デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータの抽出が完了したときには、直ちに、デジタルデータ抽出部40の処理を停止させる。
【0059】
デジタルデータ取得部50Aは、抽出されたデジタルデータが、基準データ格納部60に格納されている基準データの中にあるか否かを判定する(ステップS400)。
抽出されたデジタルデータが、基準データ格納部60に格納されている基準データの中にあると判定した場合(ステップS400の「YES」)には、デジタルデータ取得処理Aの処理を終了させ、処理をステップS250に移行させる。
一方で、抽出されたデジタルデータが、基準データ格納部60に格納されている基準データにないと判定した場合(ステップS400の「NO」)には、ステップS140においてデジタルデータ抽出部40が抽出したデジタルデータを破棄し、処理をステップS120に戻し、処理を継続させる。
【0060】
図4に示すように、デジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ取得処理Aにおいて取得されたデジタルデータをサーバ500に送信する(ステップS250)。
具体的には、取得したデジタルデータである出力装置のID番号を、通信部70を介してサーバ500に送信する。
【0061】
サーバ500は、情報処理装置1Aから送信されたID番号を格納する(ステップS260)。
このとき、サーバは少なくとも情報処理装置1AからID番号を受信した時刻に関する情報を合わせて格納する。
【0062】
デジタルデータ取得部50Aは、情報処理装置1Aが休止状態であるか否かを判定する(ステップS270)。
情報処理装置1Aが休止状態であると判定した場合(ステップS270の「YES」)には、処理を終了させる。
一方で、情報処理装置1Aが休止状態でないと判定した場合(ステップS270の「NO」)には、処理をステップS300に戻し、処理を継続させる。
【0063】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1Aは、音声取得部10において収音したデジタルデータが重畳されたアナログ音声と基準信号格納部30に格納された基準信号とを照合し、基準信号の中からアナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部20と、アナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40と、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ抽出部40を起動させてデジタルデータを取得するデジタルデータ取得部50Aと、基準データ格納部60と、通信部70と、を備えている。
すなわち、デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するとき、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータを抽出する処理を開始して、デジタルデータを取得する。
デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40の処理は、非常に高負荷な演算処理が必要となり、情報処理装置1AのCPU、メモリの占有率が非常に高くなる。
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40の処理は、非常に高速な演算処理が実行されるために、情報処理装置1Aの消費電力が非常に大きくなる。
情報処理装置1Aの構成によれば、音声マッチング判定部20において音声のマッチングが判定されてから、デジタルデータ抽出部40の処理が起動されるため、情報処理装置1Aのリソース(CPU、メモリ等)を効率的に使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
また、情報処理装置1Aが、二次電池を電源として動作する装置の場合には、消費電力が低減されるため、情報処理装置1Aの連続動作時間を長くすることができる。
また、デジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20においてマッチングが判定され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されたときに、デジタルデータ抽出部40の動作を停止させる。
これにより、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されると、直ちに、デジタルデータ抽出部40の処理が停止されるため、情報処理装置1Aのリソース(CPU、メモリ等)を効率的に使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る情報処理装置1Aのデジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20においてマッチングが判定され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されたときに、デジタルデータ抽出部40の動作を停止させる。
これにより、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されると、直ちにデジタルデータ抽出部40の処理が停止されるため、情報処理装置1Aのリソース(CPU、メモリ等)を効率よく使用することができる。
また、無駄なデジタルデータ抽出処理が実行されないために、消費電力を低減することができる。
また、情報処理装置1Aが、二次電池を電源として動作する装置の場合には、消費電力が低減されるため、情報処理装置1Aの連続動作時間を長くすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る情報処理装置1Aのデジタルデータ取得部50Aは、デジタルデータ抽出部40から取得したデジタルデータと基準データ格納部60に格納されている基準データとを照合し、抽出されたデジタルデータと基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得する。
すなわち、デジタルデータ取得部50Aは、音声マッチング判定部20において音声マッチングが検出され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されても、抽出されたデジタルデータが基準データと一致しない場合には、当該デジタルデータを取得しない。
これにより、情報処理装置1Aが取得すべきデジタルデータのみを取得することができる。
【0066】
本実施形態に係る情報処理装置1Aのデジタルデータ取得部50Aにおいて取得されたデジタルデータ、および、基準データ格納部60に格納された基準データは、少なくともアナログ音声が出力されている位置を示す位置情報が含まれている。
また、デジタルデータ取得部50Aは、サーバ500に接続され、少なくともアナログ音声が出力されている位置を示す位置情報をサーバ500に送信する。
すなわち、デジタルデータ取得部50Aは、例えば、音声出力装置100A(出力装置110~130)の位置を示す位置情報である出力装置のID番号を、デジタルデータとして取得し、当該情報をサーバ500に送信する。
これにより、情報処理装置1Aから受信した位置情報と、その位置情報を受信した時刻情報とを集計することにより、情報処理装置1Aを携帯したユーザの移動履歴を取得することができる。
また、情報処理装置1Aを携帯する複数のユーザからの位置情報と時刻情報とを集計することにより、音声出力装置100A(出力装置110~130)が設置されている場所周辺の人の流れを把握することができる。
【0067】
人の移動状況を把握する方法としては、GPS信号、カメラ等を用いたシステムを例示することができるが、GPS信号を用いたシステムでは、屋内ではGPS信号を受信できないという課題があり、また、カメラを用いたシステムの場合には、カメラの死角がないようにカメラを配置するため、コストが高くなるという課題があった。
上述した情報処理装置1Aを用いた方法であれば、音声出力装置100Aから出力された音声を収音できれば位置情報が取得できるため、屋内であっても人の移動状況を把握することができる。
また、音声を用いた方法であるため、カメラのような死角を少なくすることができる。
【0068】
<第3の実施形態>
図6から図9を用いて、本実施形態に係る情報処理システム200について説明する。
【0069】
<情報処理システム200の構成>
図6に示すように、情報処理システム200は、第1の情報処理装置1Bと、第2の情報処理装置1Cと、を含んで構成されている。
情報処理システム200は、第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとが接続され、デジタルデータを送受信する情報処理システムであり、第1の情報処理装置1Bがサーバ、第2の情報処理装置1Cがパソコンやスマートフォン等のユーザ端末を例示することができる。
【0070】
<第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cの構成>
第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとは、後述する通信部70Bを介して相互に接続され、第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとの間で、データの送受信が行われる。
ここで、第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cの構成は、同じ構成であるため、図7には、第1の情報処理装置1Bの構成の詳細のみを記載して、各構成要素の詳細な説明を以下に述べる。
図7に示すように、第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cは、音声取得部10Bと、音声マッチング判定部20と、基準信号格納部30Bと、デジタルデータ抽出部40と、デジタルデータ取得部50Bと、基準データ格納部60Bと、通信部70Bと、音声ファイル生成部80と、音声出力部90と、を少なくとも含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0071】
音声取得部10Bは、例えば、マイクロフォンで構成され、後述する音声出力部90から出力された音声を収音し、収音した音声を音声マッチング判定部20およびデジタルデータ抽出部40に送信する。
【0072】
基準信号格納部30Bは、音声マッチング判定部20において、マッチング判定を行うための基準信号を格納する。
また、基準信号格納部30Bに格納された基準信号は、後述する音声ファイル生成部80が音声ファイルを生成するときに参照するデータである。
第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)の基準信号格納部30Bには、第1の情報処理装置1B(サーバ)の基準信号格納部30Bに格納されているデータと同じデータが格納されている。
第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)が、第1の情報処理装置1B(サーバ)に接続を行うための認証情報(ユーザID、証明書等)を、第1の情報処理装置1B(サーバ)に初期登録した際に、第1の情報処理装置1Bから基準信号のデータを受信し、当該データを第2の情報処理装置1Cの基準信号格納部30Bに格納する。
【0073】
デジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20において、基準信号格納部30Bに格納された基準信号の中から、音声取得部10Bにおいて収音した音声が検出されたとき、デジタルデータ抽出部40を起動させてデジタルデータを取得する。
デジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ抽出部40から取得したデジタルデータと基準データ格納部60Bに格納された基準データとを照合し、取得した前記デジタルデータと基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得する。
【0074】
基準データ格納部60Bは、上述したデジタルデータ取得部50Bがデジタルデータを取得するときに参照する基準データを格納する。
具体的には、基準データには、少なくとも第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとを接続するための認証情報が含まれており、例えば、認証情報としては、ユーザID、証明書(クライアント証明書、ルート証明書)等を例示することができる。
第1の情報処理装置1B(サーバ)に接続するために、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)を用いて、第1の情報処理装置1B(サーバ)に対して初期登録を行ったときに、第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cの基準データ格納部60Bは、初期登録時に設定された認証情報(ユーザID、証明書等)を、基準データとして、それぞれ格納する。
【0075】
通信部70Bは、例えば、インターネットに接続可能な通信モジュール等で構成されている。
第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとは、各情報処理装置の通信部70Bを介して接続され、デジタルデータの送受信が行われる。
【0076】
音声ファイル生成部80は、デジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、該アナログ音声を格納した音声ファイルを生成する。
具体的には、音声ファイル生成部80は、デジタルデータを送信するとき、そのデジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、そのアナログ音声を格納した音声ファイルを生成する。
より具体的には、音声ファイル生成部80は、基準信号格納部30Bに格納された基準信号の少なくとも一部を含んだ音声に、送信するデジタルデータを重畳したアナログ音声ファイルを生成し、通信部70Bを介して、そのアナログ音声ファイルを送信する。
ここで、送信するデジタルデータには、少なくとも第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとを接続するための認証情報が含まれており、例えば、認証情報としては、ユーザID、証明書等を例示することができる。
【0077】
音声出力部90は、受信した音声ファイルに格納された、アナログ音声を出力する。
具体的には、音声出力部90は、通信部70を介して受信した音声ファイルに基づいて、デジタルデータが重畳されたアナログ音声をスピーカ等から出力する。
【0078】
<情報処理システム200の処理>
図8および図9を用いて、第1の情報処理装置1B(サーバ)および第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)により構成された、情報処理システム200における、デジタルデータの送受信処理の詳細を説明する。
なお、以下には、第1の情報処理装置1B(サーバ)が、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)から接続要求されたときに実行される処理を例示して、説明する。
【0079】
図8に示すように、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)は、第1の情報処理装置1B(サーバ)に接続要求を送信する(ステップS500)。
【0080】
接続要求を受信した第1の情報処理装置1B(サーバ)は、接続するために必要な、ユーザIDおよび証明書の送信を要求する(ステップS510)。
【0081】
第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)の音声ファイル生成部80は、基準データ格納部60Bに格納されている、ユーザIDおよび証明書をデジタルデータとして重畳したアナログ音声ファイルを生成する(ステップS520)。
具体的には、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)の音声ファイル生成部80は、基準信号格納部30Bに格納された音声信号の少なくとも一部を用いたアナログ音声に、デジタルデータ(ユーザIDおよび証明書)を重畳した、音声ファイルを生成する。
【0082】
第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)は、音声ファイル生成部80において生成された音声ファイルを、通信部70を介して、第1の情報処理装置1B(サーバ)に送信する(ステップS530)。
【0083】
音声ファイルを受信した第1の情報処理装置1B(サーバ)は、デジタルデータ取得処理Bを実行する(ステップS600)。
【0084】
図9を用いて、第1の情報処理装置1B(サーバ)において実行される、デジタルデータ取得処理B(ステップS600)の処理の詳細について、説明する。
第1の情報処理装置1B(サーバ)の音声出力部90は、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)から受信した送信ファイルを再生し、音声を出力する(ステップS610)。
【0085】
第1の情報処理装置1B(サーバ)のデジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20の処理を起動させる(ステップS620)。
【0086】
音声マッチング判定部20は、音声取得部10Bにおいて収音された、音声出力部90から出力されている音声と、基準信号格納部30Bに格納されている基準信号とを照合し、マッチングしたか否かを判定する(ステップS630)。
音声出力部90から出力されている音声と、基準信号格納部30Bに格納されている基準信号とを照合し、マッチングしたと判定した場合(ステップS630の「YES」)には、処理をステップS640に移行させる。
一方で、音声出力部90から出力されている音声と、基準信号格納部30Bに格納されている基準信号とを照合し、マッチングしないと判定した場合(ステップS630の「NO」)には、処理をステップS670に移行させる。
【0087】
音声出力部90から出力されている音声と基準信号格納部30Bに格納されている基準信号とを照合し、マッチングしたと判定した場合(ステップS630の「YES」)には、音声マッチング判定部20の処理を停止させ、デジタルデータ抽出部40の処理を起動させる(ステップS640)。
つまり、デジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20において、マッチングが検出された後に、デジタルデータ抽出部40の処理を起動する。
さらに、マッチング判定が完了した後は、音声マッチング判定部20の処理を継続する必要がないため、デジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20の処理を直ちに停止させる。
【0088】
第1の情報処理装置1B(サーバ)のデジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ抽出部40から、抽出されたデジタルデータを取得できたか否かを判定する(ステップS650)。
デジタルデータ抽出部40から、デジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS650の「YES」)には、処理をステップS660に移行させる。
一方で、デジタルデータ抽出部40からデジタルデータを取得できていないと判定した場合(ステップS650の「NO」)には、待機状態に移行させる。
【0089】
デジタルデータ抽出部40から、デジタルデータを取得できたと判定した場合(ステップS650の「YES」)には、デジタルデータ抽出部40の処理および音声出力部90の処理を停止させ(ステップS660)、処理をステップS540に移行させる。
つまり、デジタルデータが取得できた後は、デジタルデータ抽出部40の処理を継続する必要がないため、デジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ抽出部40の処理を、直ちに停止させる。
さらに、デジタルデータが取得できた後は、音声出力部90からの音声出力は必要ないため、デジタルデータ取得部50Bは、音声出力部90の処理を、直ちに停止させる。
【0090】
音声出力部90から出力されている音声と基準信号格納部30Bに格納されている基準信号とを照合し、マッチングしないと判定した場合(ステップS630の「NO」)には、音声マッチング判定部20の処理および音声出力部90の処理を停止させ(ステップS670)、処理をステップS540に移行させる。
【0091】
第1の情報処理装置1B(サーバ)のデジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ取得処理Bにおいて取得されたデジタルデータと、基準データ格納部60Bに格納された基準データとが合致したか否かを判定する(ステップS540)。
つまり、第2の情報処理装置1Cから受信した認証情報(ユーザIDおよび証明書)が、第1の情報処理装置1B(サーバ)の基準データ格納部60Bに格納されている認証情報と一致するか否かを判定する。
デジタルデータ取得処理Bにおいて取得されたデジタルデータと、基準データ格納部60Bに格納された基準データとが合致しないと判定した場合(ステップS540の「NO」)には、処理をステップS550に移行させる。
一方で、デジタルデータ取得処理Bにおいて取得されたデジタルデータと、基準データ格納部60Bに格納された基準データとが合致したと判定した場合(ステップS540の「YES」)には、処理をステップS560に移行させる。
【0092】
デジタルデータ取得処理Bにおいて取得されたデジタルデータ(認証情報)と、基準データ格納部60Bに格納された基準データとが合致しないと判定した場合(ステップS540の「NO」)には、接続を許可しない旨の通知を、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)に送信し(ステップS550)、処理を終了させる。
【0093】
デジタルデータ取得処理Bにおいて取得されたデジタルデータ(認証情報)と、基準データ格納部60Bに格納された基準データとが合致したと判定した場合(ステップS540の「YES」)には、接続を許可する旨の通知を第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)に送信し(ステップS560)、処理を終了させる。
【0094】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理システム200は、デジタルデータを重畳したアナログ音声を生成し、該アナログ音声を格納した音声ファイルを生成する音声ファイル生成部80と、受信した音声ファイルに格納されたアナログ音声を出力する音声出力部90と、音声出力部90から出力されたアナログ音声と基準信号とを照合し、基準信号格納部30Bに格納された基準信号の中からアナログ音声が検出されたか否かを判定する音声マッチング判定部20と、アナログ音声からデジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部40と、音声マッチング判定部20において基準信号の中からアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ抽出部40を起動させてデジタルデータを取得するデジタルデータ取得部50Bと、を備えた第1の情報処理装置1B(サーバ)と第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)とが接続され、デジタルデータの送受信を行う。
すなわち、デジタルデータが重畳されたアナログ音声が格納された音声ファイルを受信したとき、その音声ファイルに格納されたアナログ音声を出力し、音声マッチング判定部20において、基準信号格納部30Bに格納されている基準信号と、そのアナログ音声とを照合する。
音声マッチング判定部20において、基準信号格納部30Bに格納されている基準信号の中から、そのアナログ音声が検出されたときに、デジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ抽出部40を起動し、デジタルデータの抽出処理を開始させて、デジタルデータを取得する。
これにより、音声マッチング判定部20において音声のマッチングが判定されてから、デジタルデータ抽出部40の処理が起動されるため、音声ファイルを受信した情報処理装置のリソース(CPU、メモリ等)を効率よく使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出する処理は、非常に高負荷な演算処理が必要となるため、音声ファイルを受信した情報処理装置のCPU、メモリの占有率が非常に高くなる。
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声からデジタルデータを抽出する処理は、高速な演算処理が実行されるために、情報処理装置の消費電力が非常に大きくなる。
また、情報処理システム200を構成する情報処理装置が、二次電池を電源として動作する端末の場合には、消費電力が低減されるため、情報処理装置の連続動作時間を長くすることができる。
【0095】
また、デジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20においてマッチングが判定され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されたときに、デジタルデータ抽出部40の処理および音声出力部90の処理を停止させる。
これにより、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータが抽出されると、直ちにデジタルデータ抽出部40の処理と、音声出力部90の処理とを停止させるため、デジタルデータを受信した情報処理装置のリソース(CPU、メモリ等)を効率よく使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
また、情報処理システム200を構成する情報処理装置が、二次電池を電源として動作する端末の場合には、消費電力が低減されるため、情報処理装置の連続動作時間を長くすることができる。
【0096】
また、デジタルデータが重畳されたアナログ音声が格納された音声ファイルを受信した情報処理装置は、音声出力部90が音声を出力してから、音声マッチング判定部20の処理を起動させる。
上述した、第2の実施形態に係る情報処理装置1Aでは、常に、音声マッチング判定部20よる、マッチング判定が起動されていたが、本実施形態に係る第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cでは、音声出力部90がアナログ音声を出力してから、音声マッチング判定部20の処理を起動させる。
これにより、音声マッチング判定部20は、無駄なマッチング判定処理を行う必要がなくなるため、さらに、リソース(CPU、メモリ等)を効率よく使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
さらに、音声マッチング判定部20おいて、マッチング判定がされたとき、音声マッチング判定部20の処理を直ちに停止させる。
これにより、音声マッチング判定部20は、無駄なマッチング判定処理を行う必要がなくなるため、さらに、リソース(CPU、メモリ等)を効率よく使用することができ、また、消費電力を低減することができる。
【0097】
本実施形態に係る情報処理システム200を構成する、第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cのデジタルデータ取得部50Bは、デジタルデータ抽出部40から取得したデジタルデータと、基準データ格納部60Bに格納されている基準データとを照合し、抽出されたデジタルデータと基準データとが合致したときに、該デジタルデータを取得する。
また、第1の情報処理装置1Bおよび第2の情報処理装置1Cの間で送受信するデジタルデータと、基準データ格納部60Bに格納された基準データとには、少なくとも第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとを接続するための認証情報を含んでいる。
すなわち、デジタルデータ取得部50Bは、音声マッチング判定部20において音声マッチングが検出され、デジタルデータ抽出部40においてデジタルデータ(認証情報)が抽出されても、抽出されたデジタルデータが基準データと一致しない場合には、当該デジタルデータを取得しない。
また、送受信されるデジタルデータには、少なくとも第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとを接続するための認証情報(例えば、ユーザID、証明書等の情報)が送受信され、デジタルデータを受信した情報処理装置のデジタルデータ取得部50Bは、基準データ格納部60Bに格納された基準データ(例えば、ユーザID、証明書等の情報)と、デジタルデータ抽出部40において抽出されたデジタルデータが合致するか否かを判定する。
例えば、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)から、第1の情報処理装置1B(サーバ)に対して接続要求が行われたときに、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)から送信された認証情報が、基準データ格納部60Bに格納された基準データと合致したと判定された場合には、第1の情報処理装置1B(サーバ)は、第2の情報処理装置1Cの接続を許可する。
ユーザID、証明書等の認証情報は、盗まれる可能性があり、情報処理システムによっては、その盗まれた情報を利用することにより、第3者が容易にサーバへアクセスすることができてしまう。
しかしながら、本実施形態に係る情報処理システム200では、音声ファイルを用いて認証情報の送受信が行われるため、仮にユーザIDや証明書が盗まれたとしても、第3者が容易にサーバにアクセスすることを防止することができる。
これにより、情報処理システムのセキュリティを向上させることができる。
【0098】
<応用例>
上述した第2の実施形態に係る情報処理装置1Aのデジタルデータ取得部50Bは、アナログ音声が出力されている位置を示す位置情報をデジタルデータとして取得し、そのデジタルデータ(位置情報)をサーバに送信していたが、情報処理装置1Aにインストールされたアプリケーションと連携して、取得したデジタルデータに基づいて、デジタルデータ取得部50Bが実行する処理を変更してもよい。
例えば、勤怠管理のアプリケーションでは、勤務先の建物内に設置された音声出力装置100Aから出力されているアナログ音声から、デジタルデータ(建物内の位置を示す情報)を取得したときに、デジタルデータ取得部50Bが、社員の勤怠を管理するサーバにアクセスし、社員IDや出社時刻等を送信することにより、社員の勤怠管理を行うことができる。
また、店舗向けアプリケーションでは、店舗に設置された音声出力装置100Aから出力されているアナログ音声から、デジタルデータ(例えば、WebサイトのURL等)を取得したときに、デジタルデータ取得部50Bが、取得したURLにアクセスし、クーポンの取得や、お買い得情報の表示等の処理を実行することにより、情報処理装置1Aを携帯するユーザを店舗に誘導することができる。
なお、情報処理装置1Aの基準信号格納部30Aに格納される基準信号および基準データ格納部60に格納される基準データは、上述した各アプリケーションを情報処理装置1Aにインストールするときに取得し、さらに、アプリケーションのアップデートにより、格納されているデータを更新する。
【0099】
また、アナログ音声に重畳するデジタルデータは、暗号化したデジタルデータであってもよい。
このとき、デジタルデータ抽出部40は、デジタルデータが重畳されたアナログ音声から暗号化されたデジタルデータを抽出した後、そのデジタルデータの暗号化を解除し、デジタルデータ取得部50に送信する。
また、音声ファイル生成部80は、送信するデジタルデータを暗号化して、アナログ音声に重畳した音声ファイルを生成する。
これにより、送信するデジタルデータが暗号化されているため、より情報のセキュリティを向上させることができる。
【0100】
また、上述した情報処理システム200では、デジタルデータを送信するとき、音声ファイル生成部80において生成した音声ファイルを送信していたが、直接アナログ音声を出力して、デジタルデータを送信するようにしてもよい。
例えば、第2の情報処理装置1Cから第1の情報処理装置1Bにデジタルデータを送信するとき、第2の情報処理装置1Cの音声ファイル生成部80において生成された音声ファイルに基づいたアナログ音声を、第2の情報処理装置1Cの音声出力部90から出力し、その音声を、第1の情報処理装置1Bの音声取得部10Bにおいて収音させて、デジタルデータを取得させる。
つまり、デジタルデータを送受信するためには、第1の情報処理装置1Bと第2の情報処理装置1Cとが、近い場所にある必要がある。
これにより、デジタルデータを送信するときには、デジタルデータを重畳させたアナログ音声を直接収音させて、デジタルデータを受信させるため、よりセキュリティを向上させることができる。
【0101】
上述した情報処理システム200において、第1の情報処理装置1B(サーバ)から、ユーザIDの送信を要求されたとき、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)の音声ファイル生成部80は、基準データ格納部60Bに格納されている基準データ(ユーザID)をデジタルデータとして重畳した音声ファイルを生成していたが、ユーザにユーザIDを入力させて、そのユーザIDをデジタルデータとして重畳した音声ファイルを生成するようにしてもよい。
これにより、第2の情報処理装置1C(ユーザ端末)が盗まれた場合には、ユーザIDを入力しないと、第1の情報処理装置1B(サーバ)には接続できないため、よりセキュリティを向上させることができる。
【0102】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1;情報処理装置
1A;情報処理装置
1B;第1の情報処理装置
1C;第2の情報処理装置
10;音声取得部
20;音声マッチング判定部
30;基準信号格納部
30A;基準信号格納部
30B;基準信号格納部
40;デジタルデータ抽出部
50;デジタルデータ取得部
50A;デジタルデータ取得部
50B;デジタルデータ取得部
60;基準データ格納部
60B;基準データ格納部
70;通信部
70B;通信部
80;音声ファイル生成部
100;音声出力装置
100A;音声出力装置
200;情報処理システム
500;サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号を格納する基準信号格納部と、
収音した前記基準信号の少なくとも一部を含んだアナログ音声にデジタルデータが重畳された音声と前記基準信号とを照合し、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する音声マッチング判定部と、
前記音声マッチング判定部が、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定した場合に、前記音声から前記デジタルデータを抽出するデジタルデータ抽出部と、
前記音声マッチング判定部において、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて、前記音声から前記デジタルデータを取得し、前記デジタルデータ抽出部においてデジタルデータが取得できたときに、前記デジタルデータ抽出部の処理を停止させるデジタルデータ取得部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記デジタルデータおよび前記基準信号は、少なくとも前記アナログ音声が出力されている位置を示す位置情報を含んでいることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記デジタルデータ取得部はサーバに接続され、少なくとも前記位置情報を前記サーバに送信することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
前記音声マッチング判定部が、収音した基準信号の少なくとも一部を含んだアナログ音声にデジタルデータが重畳された音声と前記基準信号とを照合し、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第1の工程と、
デジタルデータ抽出部が、前記音声マッチング判定部が、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定した場合に、前記音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、
前記デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて、前記音声から前記デジタルデータを取得し、前記デジタルデータ抽出部においてデジタルデータが取得できたときに、前記デジタルデータ抽出部の処理を停止させる第3の工程と、
を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
音声マッチング判定部と、デジタルデータ抽出部と、デジタルデータ取得部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記音声マッチング判定部が、収音した基準信号の少なくとも一部を含んだアナログ音声にデジタルデータが重畳された音声と前記基準信号とを照合し、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する第1の工程と、
デジタルデータ抽出部が、前記音声マッチング判定部が、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定した場合に、前記音声から前記デジタルデータを抽出する第2の工程と、
前記デジタルデータ取得部が、前記音声マッチング判定部において、前記アナログ音声に前記基準信号の少なくとも一部が含まれていると判定されたときに、前記デジタルデータ抽出部を起動させて、前記音声から前記デジタルデータを取得し、前記デジタルデータ抽出部においてデジタルデータが取得できたときに、前記デジタルデータ抽出部の処理を停止させる第3の工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。