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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067448
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】自立性包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/02 20060101AFI20230509BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65D30/02
B65D33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178691
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和貴
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB14
3E064AB25
3E064BA01
3E064BA07
3E064BA16
3E064BA21
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA38
3E064BA44
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064BC20
3E064EA07
3E064EA12
3E064FA04
3E064GA01
3E064HM01
3E064HN05
3E064HP02
3E064HS05
(57)【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、詰替作業において、容器を加圧した場合であっても注出口が閉塞することなく円滑に内容物を注出することができ、かつ、容器に振動や圧力が加わっても内容物が漏れることがない、十分な強度を有する自立性包装袋を提案するものである。
【解決手段】基材層11と、熱収縮性のシーラント層12を有する2枚の積層体A(2)のシーラント層同士を対向させ、この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体B(3)のシーラント層が外側になるように山折りした底テープを挿入し、周縁部を熱シールし、シール部の形状と切取りによって形成された注出口4を有する自立性包装袋1であって、前記積層体Aのシーラント層は熱収縮率が1.5~3.0%であり、前記積層体Aの注出口部に位置する部分は、クロスチェック法による測定において、カール高さ(h)が35mm以上であることを特徴とする自立性包装袋である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、熱収縮性のシーラント層を有する2枚の積層体Aのシーラント層同士を対向させ、
この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体Bのシーラント層が外側になるように山折りした底テープを挿入し、周縁部を熱シールし、
シール部の形状と切取りによって形成された注出口を有する自立性包装袋であって、
前記積層体Aのシーラント層は熱収縮率が1.5~3.0%であり、
前記積層体Aの注出口部に位置する部分は、クロスチェック法による測定において、カール高さが35mm以上であることを特徴とする自立性包装袋。
【請求項2】
前記2枚の積層体Aは、注出口から液体収納部に向かって直線状に形成された、容器外側に凸の第1のエンボス部と、
第1のエンボス部と離間して、第1のエンボス部の上方に設けられた、容器外側に凹の第2のエンボス部と、
第1のエンボス部と離間して、第1のエンボス部の下方に設けられた、容器外側に凹の第3のエンボス部とを、それぞれ有することを特徴とする請求項1に記載の自立性包装袋。
【請求項3】
注出口の先端部を開封するための、レーザー加工によるハーフカット線が、注出口の先端部を構成する前記2枚の積層体Aに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立性包装袋。
【請求項4】
基材層と、熱収縮性のシーラント層を有する2枚の積層体Aのシーラント層同士を対向させ、
この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体Bのシーラント層が外側になるように山折りした底テープを挿入し、周縁部を熱シールし、
シール部の形状と切取りによって形成された注出口を有する自立性包装袋の製造方法であって、
前記積層体Aのシーラント層は熱収縮率が1.5~3.0%であり、
前記注出口部を構成する積層体Aのカール高さが、クロスチェック法による測定において35mm以上となる条件で、前記注出口部に対して加熱処理を行うことを特徴とする自立性包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立性を有する包装袋に関し、特に内容物である液体を注出する際に、注出口が閉塞しにくい、注出性の改善された包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
熱シール可能なシーラント層を有する積層体を、そのシーラント層同士を対向させて周縁を熱シールして成形した包装袋が、さまざまな用途に使用されている。中でも積層体を折り込んだり、底テープ部材を追加したりして、底面にガセット構造を設け、広い底面部を形成して、自立性を持たせた所謂スタンディングパウチは、自立性包装袋として特に液体の内容物を収納する用途に広く用いられている。
【0003】
自立性包装袋を液体詰替え容器として使用する場合、内容物を本来の容器に詰替える作業において、包装袋の注出口が閉塞して詰替えに時間がかかるという問題を解決するために、従来よりさまざまな工夫が試みられてきた。
【0004】
特許文献1に記載された詰替え用液体収納容器は、注出口部にプラスチック製のパイプ状部材を取り付けた液体収納容器である。この容器は、プラスチック部材のコストに加えて、これを取り付けるための工程が増えるためコストアップが大きな問題となる。
【0005】
特許文献2に記載された自立型袋は、紙基材を用い、注出口部に閉塞防止のために1本の組立用罫線を施したものであるが、1本の罫線だけでは、十分な効果を得ることはできないものである。
【0006】
特許文献3に記載された収納容器は、注出口に1本の直線状の外側に凸のエンボス部を設け、これを取り囲むように3本の、くの字状ないしは直線状の、外側に凹のエンボス部を設けたものである。
【0007】
特許文献2または3に記載された容器において、自然落下に近い状態で内容物を注出する場合には大きな問題はないが、内容物の注出を急ぐために容器を加圧すると、狭い注出口に圧力が集中する結果、かえって注出口が閉塞してしまうという問題点があることが判明したのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9-240692号公報
【特許文献2】特開2009-57071号公報
【特許文献3】特許第6554920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、詰替作業において、容器を加圧した場合であっても注出口が閉塞することなく、円滑に内容物を注出することができ、かつ、容器に振動や圧力が加わっても内容物が漏れることがないように、十分な強度を有する自立性包装袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材層と、熱収縮
性のシーラント層を有する2枚の積層体Aのシーラント層同士を対向させ、この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体Bのシーラント層が外側になるように山折りした底テープを挿入し、周縁部を熱シールし、シール部の形状と切取りによって形成された注出口を有する自立性包装袋であって、前記積層体Aのシーラント層は熱収縮率が1.5~3.0%であり、前記積層体Aの注出口部に位置する部分は、クロスチェック法による測定において、カール高さが35mm以上であることを特徴とする自立性包装袋である。(クロスチェック法)
500mm×500mmの正方形にカットした積層体の中心に対角線状に長さ150mmの切れ目を2本、直角に交わるように入れ、4つの頂点の持ち上がり高さを測定して平均値を求める。
【0011】
本発明に係る自立性包装袋は、熱収縮性のシーラント層を有する積層体を用い、注出口に熱処理を施すことにより、注出口の開口を促進することができた。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記2枚の積層体Aが、注出口から液体収納部に向かって直線状に形成された、容器外側に凸の第1のエンボス部と、第1のエンボス部と離間して、第1のエンボス部の上方に設けられた、容器外側に凹の第2のエンボス部と、第1のエンボス部と離間して、第1のエンボス部の下方に設けられた、容器外側に凹の第3のエンボス部とを、それぞれ有することを特徴とする請求項1に記載の自立性包装袋である。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、注出口の先端部を開封するための、レーザー加工によるハーフカット線が、注出口の先端部を構成する前記2枚の積層体Aに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自立性包装袋である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、基材層と、熱収縮性のシーラント層を有する2枚の積層体Aのシーラント層同士を対向させ、この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体Bのシーラント層が外側になるように山折りした底テープを挿入し、周縁部を熱シールし、シール部の形状と切取りによって形成された注出口を有する自立性包装袋の製造方法であって、前記積層体Aのシーラント層は熱収縮率が1.5~3.0%であり、前記注出口部を構成する積層体Aのカール高さが、クロスチェック法による測定において35mm以上となる条件で、前記注出口部に対して加熱処理を行うことを特徴とする自立性包装袋の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る自立性包装袋は、熱収縮性のシーラント層を用いることにより、注出口の開口を促進することができた。注出口が開口しようとする力は、積層体の反ろうとする力に比例するので、クロスチェック法による評価で35mm以上であれば、注出性が良好であることが判明している。
【0016】
請求項2に記載の発明のように、注出口に凸エンボスと2本の凹エンボスを形成した場合においては、注出口の開口性はさらに安定的に向上する。
【0017】
請求項3に記載の発明のように、注出口の先端部に、開封するための、レーザー加工によるハーフカット線を形成した場合には、注出口の開封が容易になり、利便性が向上する。
【0018】
請求項4に記載の自立性包装袋の製造方法によれば、注出口部を構成する積層体Aのカール高さが、クロスチェック法による測定において35mm以上となる条件で、前記注出口部に対して加熱処理を施すことにより、安定した開口性を有する注出口を備えた自立性包装袋を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係る自立性包装袋の一実施態様を示した立面模式図である。
図2図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。
図3図3は、本発明に係る自立性包装袋の他の実施態様を示した立面模式図である。
図4図4は、図3のB-B´断面を示した断面模式図である。
図5図5は、本発明に係る自立性包装袋の他の実施態様を示した立面模式図である。
図6図6は、積層体Aの層構成を示した断面模式図である。
図7図7は、クロスチェック法に用いる試験片の平面説明図である。
図8図8は、クロスチェック法におけるカール高さhの断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明に係る自立性包装袋について詳細に説明する。図1は、本発明に係る自立性包装袋の最も基本的な実施態様を示した立面模式図である。図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。また、図6は、積層体Aの層構成を示した断面模式図である。
【0021】
本発明に係る自立性包装袋1は、基材層11と、熱収縮性のシーラント層12を有する2枚の積層体Aのシーラント層同士を対向させ、この間の下部に、基材層とシーラント層を有する積層体Bのシーラント層が外側になるように山折りした底テープ3を挿入し、周縁部を熱シールした自立性包装袋である。開口部10は、充填用の未シール部である。
【0022】
積層体Aおよび積層体Bの層構成としては、包装袋に必要とされる強度や腰の強さなどから、構成シートの厚さや材質が決定される。また基材層11、シーラント層12の中間に中間層を加えることもできる。
【0023】
本発明に係る自立性包装袋1は、シール部の形状と切取りによって形成された注出口4を有し、少なくとも注出口4は、クロスチェック法による測定において、カール高さhが35mm以上であることを特徴とする。
【0024】
ここで、クロスチェック法について説明する。クロスチェック法は、積層体の反りの程度を判定する試験法である。図7は、クロスチェック法に用いる試験片の平面説明図である。図8は、クロスチェック法におけるカール高さhの断面説明図である。図7に示したように、500mm×500mmの正方形にカットした積層体の中心に対角線状に長さ150mmの切れ目を2本、直角に交わるように入れ、4つの頂点の持ち上がり高さを測定して平均値を求める。
【0025】
自立性包装袋に用いる積層体として、クロスチェック法によるカール高さhが35mm以上である、例えば加熱によって反り易い積層体を用いることにより、注出部の閉塞が生じ難くなることが判明したのである。
【0026】
例えば、後述する熱収縮率が1.5%以上のシーラントフィルムを用いた積層体は、例えば80℃、24時間のオーブンによる加熱処理を行うことにより、クロスチェック法によるカール高さhを35mm以上とすることができる。
【0027】
注出部の閉塞現象については、自然落下では閉塞が生じないが、加圧することによって閉塞が生じることが問題となる。本発明に係る自立性包装袋においては、加圧時にも閉塞が生じ難いことが分かっている。
【0028】
図3は、本発明に係る自立性包装袋1の他の実施態様を示した立面模式図である。また、図4は、図3のB-B´断面を示した断面模式図である。この例では、前記2枚の積層体Aは、注出口4から液体収納部に向かって直線状に形成された、容器外側に凸の第1のエンボス部5と、第1のエンボス部5と離間して、第1のエンボス部の上方に設けられた、容器外側に凹の第2のエンボス部6と、第1のエンボス部5と離間して、第1のエンボス部の下方に設けられた、容器外側に凹の第3のエンボス部7とを、それぞれ有することを特徴とする。
【0029】
このように、注出口4に3本のエンボス部を設けることにより、注出口4の開口がさらに促進され、注出に要する時間は短縮されることが分かっている。この例では、第2のエンボス部6と第3のエンボス部7はいずれも直線ではなくカギ形に折れ曲がっているが、こうすることにより注出口の閉塞防止効果はさらに向上する。
【0030】
図5は、本発明に係る自立性包装袋1の他の実施態様を示した立面模式図である。この例では、注出口4の先端部を開封するための、レーザー加工によるハーフカット線8が、注出口4の先端部を構成する前記2枚の積層体Aに形成されていることを特徴とする。このようにすることで、カッターやハサミを用いることなく、手での開封が容易になる。
【0031】
本発明に係る自立性包装袋1に用いる積層体に使用する材料について説明する。基材層11としては、シーラント層よりも耐熱性の高い各種合成樹脂フィルムや紙、金属箔等が用いられる。合成樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルムである。
【0032】
シーラント層12としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂が一般的に用いられる。この他、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂等が用いられる。
【0033】
これらの合成樹脂フィルムは、いずれも多少の熱収縮性は備えているが、シーラント層にさらなる熱収縮性を付与するために、上記の合成樹脂フィルムに延伸処理を施すことができる。シーラント層の熱収縮率の測定方法としては、フィルム単体を1辺10cmの正方形に切取り、100℃のオーブンで15分加熱して、寸法の変化を測定する。
【0034】
ただし、シーラント層の熱収縮率が極端に大きい場合、シール強度が十分に発揮されない場合があるので、注意を要する。実験では、シーラント層の熱収縮率が4%以上である場合には、危険性が伴うことが分かっている。以下実施例および比較例に基づいて、本発明に係る自立性容器についてさらに具体的に説明する。
【0035】
<実施例1>
基材層として、厚さ50μmの延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)を用い、中間層として厚さ12μmのアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(VMPET)を用い、シーラント層として厚さ50μmの二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、1.6%である。これら3層をドライラミネート接着剤を用いて貼り合わせて積層体とした。積層体のカール高さhは、40mmであった。積層体を用いて図1に示したような注出口にエンボスの無い自立性包装袋を製袋し、製袋後に80℃のオーブンで24時間の加熱処理を施した。
【0036】
<注ぎ時間の評価>
包装袋に350mlの水を充填し、収納部を両手で加圧しながら水を注出口から注ぎ出し、注ぎ終わるまでの時間を測定する。
〇:20秒以内に注ぎきることができる
△:注ぎきるまでに20秒~60秒かかる
×:注出口が閉塞し、60秒かけても注ぎきれない
【0037】
<シール強度の評価>
シール部を幅15mmで切り出し、テンシロンを用いて引張強度を測定する。
〇:60N/15mm以上
×:60N/15mm未満
【0038】
<実施例2>
シーラント層として、厚さ50μmの二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、3.0%である。それ以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様に包装袋を製袋し、同様に評価した。積層体のカール高さは、43mmであった。
【0039】
<実施例3>
注出口に図3に示したようなエンボス加工を施した以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様に包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0040】
<実施例4>
基材層として厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム(ONY)を用い、中間層として厚さ12μmのアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(VMPET)を用い、シーラント層として厚さ100μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、2.0%であった。積層体のカール高さhは、35mmであった。それ以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様に包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0041】
<比較例1>
熱処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用い、同様に包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0042】
<比較例2>
注出口に図3のようなエンボス加工を施した以外は、比較例1と同様の材料を用い、同様に包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0043】
<比較例3>
シーラント層として厚さ50μmの弱延伸した二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フ
ィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、0.7%である。積層体のカール高さhは、27mmであった。それ以外は、実施例3と同様にして包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0044】
<比較例4>
シーラント層として厚さ100μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、1.2%である。積層体のカール高さhは、19mmであった。それ以外は、実施例3と同様にして包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0045】
<比較例5>
シーラント層として厚さ50μmの二軸延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)を用いた。シーラント層の熱収縮率は、4.0%である。積層体のカール高さhは、42mmであった。それ以外は、実施例1と同様にして包装袋を製袋し、同様に評価した。
【0046】
以上の結果を表1にまとめた。
【0047】
【表1】
【0048】
比較例5では、シーラント層の熱収縮率が4.0%と高いため、シール強度が十分でないことが分かる。以上の結果から、本発明に係る自立性包装袋は、いずれも注出口が閉塞し難く、注出時間が短くて済むことが分かる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・自立性包装袋
2・・・積層体A
3・・・積層体B(底テープ)
4・・・注出口
5・・・第1のエンボス部
6・・・第2のエンボス部
7・・・第3のエンボス部
8・・・ハーフカット線
9・・・シール部
10・・・開口部
11・・・基材層
12・・・シーラント層
h・・・カール高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8