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特開2023-67768計算機式断層写真法イメージング・システムにおいて二重エネルギ撮像を利用するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067768
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】計算機式断層写真法イメージング・システムにおいて二重エネルギ撮像を利用するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A61B6/03 373
A61B6/03 350R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022156587
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】17/514,201
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】チャファ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジェド・ダグラス・パック
(72)【発明者】
【氏名】マドハブ・プリティ
(72)【発明者】
【氏名】緒方 研太郎
(72)【発明者】
【氏名】荒井 謙
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093BA10
4C093BA20
4C093EA06
4C093EA07
4C093FA15
4C093FA43
4C093FE12
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得との間で切り換える。この方法は、第一のデータセット及び第二のデータセットについて撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足するステップを含んでいる。
【効果】低価格帯CTイメージング・システムに二重エネルギ能力を与えることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び前記第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得するステップであって、前記連続ビューの設定された数は1よりも大きい、取得するステップと、
前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットについてそれぞれ前記撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第一のデータセットを、また前記第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第二のデータセットを補足するステップと
を備えた計算機実装型の方法。
【請求項2】
前記第一のデータセットと前記第二のデータセットとで取得されるデータの量が同じである、請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項3】
前記第一のエネルギ・スペクトル及び前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方から導かれ、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致しており、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致している、請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項4】
補足の後に、前記第一のデータセットから第一の再構成画像を、また前記第二のデータセットから第二の再構成画像を、別個に形成するステップと、
基底物質画像を形成するために、前記第一の再構成画像及び前記第二の再構成画像に対して画像領域物質分解を実行するステップと
を含んでいる請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項5】
補足の後に、基底物質投影を生成するために、前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットに対して投影空間物質分解を実行するステップと、
前記基底物質投影から基底物質画像を再構成するステップと
を含んでいる請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項6】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、繰り返し生ずる、請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項7】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、前記第一のデータセットの取得で開始する1回目の全回転にわたり繰り返し生じ、次いで、前記第二のデータセットの取得で開始する2回目の全回転にわたり繰り返し生ずる、請求項6に記載の計算機実装型の方法。
【請求項8】
前記1回目の全回転中に取得される前記第一のデータセットは、前記2回目の全回転中に取得される前記第二のデータセットと投影角が一致している、請求項7に記載の計算機実装型の方法。
【請求項9】
前記第一のエネルギ・スペクトル及び前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、訓練済み深層ニューラル・ネットワークを用いて導かれる、請求項1に記載の計算機実装型の方法。
【請求項10】
プロセッサにより実行可能な1又は複数のルーチンを符号化した非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体であって、前記1又は複数のルーチンは、プロセッサにより実行されると、
撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び前記第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得する動作であって、前記連続ビューの設定された数は1よりも大きい、取得する動作と、
前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットについてそれぞれ前記撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第一のデータセットを、また前記第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第二のデータセットを補足する動作と
を含む動作が実行されるようにする、非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項11】
前記第一のデータセットと前記第二のデータセットとで取得されるデータの量が同じである、請求項10に記載の非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項12】
前記第一のエネルギ・スペクトル及び前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方から導かれ、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致しており、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致している、請求項10に記載の非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項13】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、繰り返し生ずる、請求項10に記載の非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項14】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、前記第一のデータセットの取得で開始する1回目の全回転にわたり繰り返し生じ、次いで、前記第二のデータセットの取得で開始する2回目の全回転にわたり繰り返し生ずる、請求項13に記載の非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項15】
前記1回目の全回転中に取得される前記第一のデータセットは、前記2回目の全回転中に取得される前記第二のデータセットと投影角が一致している、請求項14に記載の非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体。
【請求項16】
プロセッサにより実行可能なルーチンを符号化したメモリと、
該メモリにアクセスして、前記プロセッサにより実行可能なルーチンを実行するように構成されたプロセッサと
を備えたプロセッサ方式のシステムであって、前記ルーチンは、前記プロセッサにより実行されると、
撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び前記第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得する動作であって、前記連続ビューの設定された数は1よりも大きい、取得する動作と、
前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットについてそれぞれ前記撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第一のデータセットを、また前記第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定により前記第二のデータセットを補足する動作と
を前記プロセッサに行なわせる、プロセッサ方式のシステム。
【請求項17】
前記第一のデータセットと前記第二のデータセットとで取得されるデータの量が同じである、請求項16に記載のプロセッサ方式のシステム。
【請求項18】
前記第一のエネルギ・スペクトル及び前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方から導かれ、前記第一のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致しており、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける前記推定投影測定は、該推定投影測定が導かれた投影測定の前記第一のデータセット及び前記第二のデータセットの両方と投影角が一致している、請求項16に記載のプロセッサ方式のシステム。
【請求項19】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、繰り返し生ずる、請求項16に記載のプロセッサ方式のシステム。
【請求項20】
前記第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第一のデータセットの取得と、前記第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での前記設定された数の連続ビューについての前記第二のデータセットの取得との間の切り換えは、前記第一のデータセットの取得で開始する1回目の全回転にわたり繰り返し生じ、次いで、前記第二のデータセットの取得で開始する2回目の全回転にわたり繰り返し生ずる、請求項19に記載のプロセッサ方式のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に開示される主題は、ディジタルX線システムに関し、さらに具体的には、二重エネルギ計算機式断層写真法撮像を利用するための手法に関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲型撮像技術は、被検体(患者、製造品、手荷物、小荷物、又は旅客)の内部の構造又は特徴の画像を非侵襲的に得ることを可能にする。具体的には、かかる非侵襲型撮像技術は、目標容積を通過するX線の透過差又は音波の反射のような様々な物理学的原理を頼りにデータを取得して、被検体の画像を構築し又は他の方法で被検体の内部の特徴を表現する。
【0003】
例えば、X線方式の撮像技術では、X線が、患者のような着目する被検体に広がり、X線の部分が検出器に入射して、ここで強度データが収集される。ディジタルX線システムでは、検出器が、検出器表面の離散的なピクセル領域に入射した放射線の量又は強度を表わす信号を発生する。次いで、これらの信号を処理して画像を形成することができ、この画像を検討のために表示することができる。
【0004】
計算機式断層写真法(CT)として知られる一つのかかるX線方式の手法では、スキャナが、患者のような被撮像体を中心とした多数の視角位置においてX線源から扇形(ファン形)又は円錐形(コーン形)のX線ビームを投射する場合がある。X線ビームは被撮像体を横断するのに伴って減弱し、一組の検出器素子によって検出されて、検出器素子が、検出器での入射X線の強度を表わす信号を発生する。これらの信号は処理されて、X線経路に沿った被撮像体の線減弱係数の線積分を表わすデータを生成する。これらの信号は典型的には、「投影データ」又は単に「投影」と呼ばれる。フィルタ補正逆投影のような再構成手法を用いることにより、患者又は被撮像体の着目領域の容積又は容積測定のレンダリング(表現)を表わす画像を形成することができる。医学的な状況(コンテキスト)では、次いで、再構成された画像又はレンダリングされた容積から、着目する病状又は他の構造の位置を突き止めたり、これらの病状又は構造を特定したりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二重エネルギCT撮像(例えばスペクトルCT撮像)は、二つの異なるX線エネルギ・スペクトルにおいてCTデータセットを取得して、これらのデータセットに多重物質分解を実行し、多数の物質(水、ヨウ素、及びカルシウム等)を表わす二つ以上の物質の画像(例えば物質分解画像又は基底物質画像)を得るものである。二重エネルギ撮像のための主なハードウェアの解として、高速kVp切り換え、スプリット・フィルタ、二重X線源、及び二層検出器等が挙げられる。しかしながら、これらのハードウェアを利用すると、CTイメージング・システムはより高価になる。低価格帯のCTイメージング・システム(二重エネルギ撮像のための上述のハードウェアの解は備えていない)は、対費用効果の高いハードウェアから成っており相対的に低速のkVp切り換え能力を有するに留まる。加えて、低価格帯CTイメージング・システムの検出器は、比較的安価なシンチレータ物質を用いている場合があり、かかるシンチレータ物質が含む特性(例えば相対的に低速の一次速度、及び相対的に大きい残光)は、高速kVp切り換えによって走査される二重エネルギ画像における許容可能な撮像品質及び物質定量化の達成には望ましくなく、かかる達成は困難になる。二重エネルギ撮像の臨床的価値のため、多くのCT利用者は、多数の臨床応用(例えば腎結石、病変特徴評価、及び骨浮腫等)に二重エネルギを利用するために自分の標準的なプロトコルを変換している。低価格帯CTイメージング・システムに二重エネルギ能力を与えることができると望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本来請求される主題の範囲に沿った幾つかの実施形態を以下にまとめる。これらの実施形態は請求される主題の範囲を限定するためのものではなく、主題の可能な形態の簡単な概要を掲げるためのみのものである。実際に、主題は多様な形態を包含することができ、これらの形態は、以下に述べる実施形態と同様である場合も異なる場合もある。
【0007】
一実施形態では、計算機実装型の方法が提供される。この方法は、撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得するステップを含んでおり、連続ビューの設定された数は1よりも大きい。方法はまた、第一のデータセット及び第二のデータセットについてそれぞれ撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギにおける推定(される)投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足するステップを含んでいる。
【0008】
もう一つの実施形態では、非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体が提供される。非一過性で計算機可読の1又は複数の媒体は、プロセッサにより実行可能な1又は複数のルーチンを符号化しており、1又は複数のルーチンは、プロセッサによって実行されると、以下の動作が実行されるようにする。これらの動作は、撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得する動作を含んでおり、連続ビューの設定された数は1よりも大きい。これらの動作はまた、第一のデータセット及び第二のデータセットについてそれぞれ撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足する動作を含んでいる。
【0009】
さらにもう一つの実施形態では、プロセッサ方式のシステムが提供される。このシステムは、プロセッサにより実行可能なルーチンを符号化したメモリを含んでいる。このシステムはまた、メモリにアクセスして、プロセッサにより実行可能なルーチンを実行するように構成されたプロセッサを含んでおり、これらのルーチンは、プロセッサによって実行されると、次の動作をプロセッサに行なわせる。これらの動作は、撮像走査中に、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第一のデータセット、及び第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の第二のデータセットを、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより取得する動作を含んでおり、連続ビューの設定された数は1よりも大きい。これらの動作はまた、第一のデータセット及び第二のデータセットについてそれぞれ撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足する動作を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴、観点、及び長所は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めばさらに十分に理解されよう。全図面を通して、類似の文字は類似の部分を表わす。
【0011】
図1】本開示の観点による患者のCT画像を取得して該画像を処理するように構成された計算機式断層写真法(CT)システムの実施形態の模式図である。
図2】本開示の観点によるkVp切り換えアプローチ(例えば低ピッチ・ヘリカル・スキャン用)の実施形態の模式図である。
図3】本開示の観点による二重エネルギ撮像(例えば画像領域物質分解を用いるもの)のためにkVp切り換えを行なう方法の実施形態の流れ図である。
図4】本開示の観点による二重エネルギ撮像(例えば投影空間物質分解を用いるもの)のためにkVp切り換えを行なう方法の実施形態の流れ図である。
図5】本開示の観点による二重エネルギ撮像のためにkVp切り換えを行なう方法の実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、1又は複数の特定の実施形態について記載する。これらの実施形態の簡潔な記載を掲げる試みにおいて、実際の具現化形態の全ての特徴が明細書に記載されている訳ではない。このようなあらゆる実際の具現化形態の開発時には、どの工学的プロジェクト又は設計プロジェクトとも同じく、開発者特有の目標を達成するために、具現化形態毎に異なり得るシステム関連の制約事項及び業務関連の制約事項の遵守等のように、具現化形態特有の多くの決定を下さねばならないことを認められたい。また、かかる開発努力は複雑で時間が掛かるかもしれないが、それでも本開示の利益を得る当業者にとっては設計、製造、及び製品化の定型的業務であることを認められたい。
【0013】
本主題の様々な実施形態の要素について述べるに当たり、単数不定冠詞、定冠詞、「該」及び「前記」等の用語は、当該要素の1又は複数が存在することを意味するものとする。また「備えている(comprising)」「含んでいる(including)」及び「有している(having)」の各用語は包括的であるものとし、所載の要素以外に付加的な要素が存在し得ることを意味する。さらに、以下の議論でのあらゆる数値例は非限定的であるものとし、従って、付加的な数値、範囲、及び百分率が、開示される実施形態の範囲内にある。
【0014】
以下の議論は一般に医用撮像の状況において掲げられるが、本手法はかかる医学的な状況に限定されないことを認められたい。実際に、かかる医学的な状況での実例及び説明の記載は、実世界での具現化形態及び応用の例を挙げることにより説明を容易にするためだけのものである。しかしながら、本アプローチはまた、製造部品若しくは製造物品の非破壊検査(すなわち品質管理応用又は品質審査応用)、並びに/又は小荷物、箱、及び手荷物等の非侵襲検査(すなわちセキュリティ応用又はスクリーニング応用)のような他の状況でも利用され得る。一般的には、本アプローチは、光子計数検出器が利用されるような任意の撮像状況又はスクリーニング状況において望ましい場合がある。
【0015】
本開示は、対費用効果の高いハードウェアから成っており相対的に低速のkVp切り換え能力を有するに留まる低価格帯CTイメージング・システム(二重エネルギ撮像のための典型的なハードウェアの解は備えていない)において、二重エネルギ撮像のためのkVp切り換え技術の利用を可能にする方法及びシステムを提供する。具体的には、低価格帯CTイメージング・システムにおける検出器応答は低速であり、ビュー単位のkVp切り換えに十分なほど高速には応答することができない。開示される手法は、電圧変化に応答するのに十分な時間を検出器に与えるためにnビュー(nは1よりも大きい)毎に高エネルギと低エネルギとの間で管電圧を切り換えることにより、kVp切り換えを介した二重エネルギ撮像を可能にする。nの値及び回転当たりのビューの総数は、高kVp測定(例えば投影測定)と低kVp測定とが織り交ぜられて(インタレースして)該測定の各々が等価なデータを有することを保証するように構成される。次いで、高kVp測定及び低kVp測定は、撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定のために推定投影測定によって補足される。高kVp測定及び低kVp測定についての推定投影測定は、欠落した投影測定についての様々な投影角に対応する低kVp測定及び/又は高kVp測定から導かれる。次いで、補足された高kVp測定及び低kVp測定に投影空間分解又は画像空間分解を施すことができ、解析を二重エネルギの目的で適用することができる。開示される実施形態は、ハードウェアをアップグレードする必要なく、更新されたソフトウェア(例えばアルゴリズム)を介して、kVp切り換えを介した二重エネルギ撮像を可能にする。
【0016】
以上の議論を踏まえて、図1は、本開示の観点による画像データを取得して処理するイメージング・システム10の実施形態を示す。図示の実施形態では、システム10は、X線投影データを取得し、投影データを断層画像に再構成して、表示及び解析のために画像データを処理するように設計された計算機式断層写真法(CT)システムである。CTイメージング・システム10は、X線源12を含んでいる。本書で詳細に議論されるように、線源12は、X線管又は固体放出構造のような単一のX線源を含んでいる。X線源12は、本実施形態によれば、1又は複数のエネルギにあるX線ビーム20を放出するように構成されている。例えば、X線源12は、相対的に低エネルギの多色放出スペクトル(例えば約80kVpにある)と、相対的に高エネルギの多色放出スペクトル(例えば約140kVpにある)との間で切り換わるように構成され得る。本書で用いられる「高(い)」及び「低(い)」という用語は相対的であって、高エネルギは他のエネルギよりも高いエネルギを意味し、低エネルギは他のエネルギよりも低いエネルギを意味する。認められるように、X線源12はまた、二つよりも多い異なるエネルギにあるX線を放出するようにも動作し得るが、説明を簡単にするために本書では二重エネルギの実施形態について議論する。同様に、X線源12は、本書に列挙される以外のエネルギ・レベルを中心として局在化した多色スペクトルで放出を行なってもよい。実際に、放出のためのそれぞれのエネルギ・レベルの選択は、少なくとも部分的には、撮像されている解剖学的構造、及び組織特徴評価のために着目する化学物質又は分子に基づいていてよい。
【0017】
幾つかの具現化形態では、線源12は、被検体24(例えば患者)又は着目する被撮像体が配置された領域を通過する1又は複数のX線ビーム20の寸法及び形状を画定するのに用いられるコリメータ22の近傍に配置され得る。被検体24はX線の少なくとも部分を減弱させる。得られる減弱後のX線26は、複数の検出器素子によって形成される検出器又は検出器アレイ28に衝突する。システム10は単一の検出器28を含んでいる。各々の検出器素子が、ビームが検出器28に衝突するときに検出器素子の位置に入射するX線ビームの強度を表わす電気信号を発生する。電気信号を取得し処理して、1又は複数の走査データセットを生成する。
【0018】
システム制御器30は、検査及び/又は較正の各プロトコルを実行すると共に、取得されたデータを処理するようにイメージング・システム10の動作を指揮する。X線源12に関して、システム制御器30は、X線検査系列のために電力、焦点スポット位置、及び制御信号等を供給する。検出器28はシステム制御器30に結合されており、システム制御器30は、検出器28によって発生される信号の取得を指揮する。加えて、システム制御器30は、モータ制御器36を介して、イメージング・システム10の構成要素(例えばガントリ及びテーブル等)及び/又は被検体24を移動させるのに用いられる線形配置サブシステム32及び/又は回転サブシステム34の動作を制御することができる。システム制御器30は、信号処理回路と、付設されているメモリ回路とを含み得る。かかる実施形態では、メモリ回路は、本書で議論されるステップ及び工程に従って、X線源12を含めてイメージング・システム10を動作させるため、また検出器28によって取得されるデータを処理するために、システム制御器30によって実行されるプログラム、ルーチン、及び/又は符号化されたアルゴリズムを記憶することができる。一実施形態では、システム制御器30は、汎用計算機システム又は特定応用向け計算機システムのようなプロセッサ方式のシステムの全て又は部分として具現化され得る。
【0019】
線源12は、システム制御器30の内部に含まれるX線制御器38によって制御され得る。X線制御器38は、電力及びタイミング信号を線源12に与えるように構成され得る。幾つかの実施形態では、X線制御器38は、画像取得セッション中にそれぞれの多色エネルギ・スペクトルにあるX線を相次いで放出する(様々な角度での設定された数のビューが各々の多色エネルギ・スペクトル毎に取得された後に)ために線源12を切り換えるように、X線源12のkVp切り換えを提供するように構成され得る。例えば二重エネルギ撮像の状況では、X線制御器38は、X線源12が、着目する二つの多色エネルギ・スペクトルにあるX線を各々の多色エネルギ・スペクトルにおいて設定された数のビューについて交互に放出して、設定された数のビューについての投影の隣り合った組が様々なエネルギにおいて交互の態様で取得される(すなわち様々な角度でのn個のビュー[Nは1よりも大きい]にわたる投影の第一の組が高エネルギにおいて取得され、n個のビューにわたる投影の第二の組が低エネルギにおいて取得される等)ように、X線源12を動作させることができる。一つのかかる具現化形態では、X線制御器38によって行なわれるkVp切り換え動作は、時間的に位置揃えされた投影データを与える。データの収集は、低速切り換えヘリカル・スキャン(例えば低ピッチ・ヘリカル・スキャン)又はアキシャル・スキャン(例えばローテート/ローテート・モード)時に生じ得る。ローテート/ローテート・モードでは、患者テーブルは静止したままで、この間に二つのエネルギ走査が相次いで収集される。この走査は、二つのハーフ・スキャン(例えばハーフ・スキャン再構成を用いる場合)であっても二つのフル・スキャン(例えば2回の全回転)であってもよい。低速切り換えヘリカル・スキャンでは低ピッチの螺旋(例えば0.5:1ピッチ)が用いられ、X線スペクトルはハーフ・スキャン範囲(180度+ファン角度)又はフル・スキャン範囲(360度)、又はこれらの何らかの中間にわたり変化する。
【0020】
また、システム制御器30はデータ取得システム(DAS)40を含み得る。DAS40は、検出器28からの標本化されたアナログ信号のように検出器28の読み出し電子回路によって収集されたデータを受け取る。次いで、DAS40は、計算機42のようなプロセッサ方式のシステムによって後に行なわれる処理のためにデータをディジタル信号へ変換することができる。他の実施形態では、検出器28が、標本化されたアナログ信号をディジタル信号へ変換した後に、データ取得システム40へ伝送することができる。計算機42は処理回路44(例えば画像処理回路)を含み得る。計算機42は、計算機42によって処理されたデータ、計算機42によって処理されるべきデータ、又は計算機42のプロセッサ(例えば処理回路44)によって実行されるべき命令を記憶し得る1又は複数の非一過性のメモリ装置46を含んでいてもよいし、かかるメモリ装置46と連絡していてもよい。例えば、計算機42の処理回路44は、計算機42のメモリ、プロセッサのメモリ、ファームウェア、又は同様の実例であってよいメモリ46に記憶された1又は複数の組の命令を実行することができる。本実施形態によれば、メモリ46は、プロセッサによって実行されると、本書で議論されるような画像処理方法を実行する命令の組を記憶している。
【0021】
CTイメージング・システム10は低価格帯CTイメージング・システムである。具体的には、CTイメージング・システム10は、二重エネルギ撮像用のハードウェア(例えば高速kVp切り換え、二重X線源、及び二層検出器)を備えていない。加えて、低価格帯CTイメージング・システムの検出器は、比較的安価なシンチレータ物質を用いている場合があり、かかるシンチレータ物質が含む特性(例えば相対的に低速の一次速度、及び相対的に大きい残光)は、高速kVp切り換えによって走査される二重エネルギ画像における許容可能な撮像品質及び物質定量化の達成には望ましくなく、かかる達成は困難になる。以下で議論するように、メモリ46はまた、CTイメージング・システムでの二重エネルギ撮像の利用を可能にする命令(例えば1又は複数のアルゴリズム)を記憶し得る。例えば、メモリ47は、二つの異なるエネルギ・レベル又はスペクトル(例えば高kVp及び低kVp)での投影測定の取得を、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得との間で切り換えることにより可能にし、連続ビューの設定された数は1よりも大きい。メモリ47は、第一のデータセット及び第二のデータセットについてそれぞれ撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足することを可能にする。
【0022】
計算機42はまた、操作者ワークステーション48を介して操作者によって与えられた命令及び走査パラメータ等に応じて、システム制御器30によって実行可能にされる特徴(すなわち走査動作及びデータ取得)を制御するように構成され得る。システム10はまた、操作者ワークステーション48に結合された表示器50を含むことができ、表示器50は、関連システム・データ、撮像パラメータ、生の撮像データ、再構成されたデータ、及び本開示に従って形成される造影剤密度マップ等を操作者が観察することを可能にする。加えて、システム10は、操作者ワークステーション48に結合されて任意の望まれる測定結果を印刷するように構成されたプリンタ52を含み得る。表示器50及びプリンタ52はまた、計算機42に直接接続されていてもよいし、操作者ワークステーション48を介して接続されていてもよい。さらに、操作者ワークステーション48は、医用画像保管通信システム(PACS)54を含んでいてもよいしPACS54に接続されていてもよい。PACS54は、遠隔システム56、放射線科情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)、又は内外網に結合されることができ、異なる位置の第三者が画像データを入手し得るようにしている。
【0023】
図2は、kVp切り換えアプローチ(例えば低ピッチ・ヘリカル・スキャン用)の実施形態の模式図である。図示のkVp切り換えアプローチでは、切り換えはn(n>1)ビュー毎に行なわれ、管電圧はnビュー毎に変化して、次のn個のビューでは一定のままとなる。高kVp再構成及び低kVp再構成について十分なビューを形成するために、欠落した高kVpビュー及び低kVpビューは、アルゴリズムによって推定される必要がある。
【0024】
管kVpがnビュー毎に切り換わり、回転当たりm個のビューが存在すると仮定すると、m及びnは以下の必要条件を満たす必要がある。
m=2kn+n 式中、kは非負の整数である。 (1)
高(又は低)kVp測定の最初のビューは、開始角度βとなる。次いで、続く各々のビューについて、管はΔβ=2π/(2kn+n)ずつ回転する。毎nビューの後に、kVpは高から低へ又は低から高へ切り換わる。1回の全回転が完了した後に、管は、角度βにおいて低(又は高)kVpに切り換わる(すなわち最初の回転からは反対のkVp)。このようにして、高kVpビュー及び低kVpビューは各々、4πの範囲(例えば2回の全回転)から一つの2πサンプリング(例えば1回の全回転)を形成することができる。幾つかの実施形態では、データを取得するための回転回数は異なっていてもよい(例えば4回転及び6回転等)。ヘリカル・スキャンについて取得されるデータの実際の回転回数は、網羅される必要のあるz範囲によって決定される。図2に示すように、走査(例えば低ピッチ・ヘリカル・スキャン)のための螺旋経路58がテーブル60の周りに示されている(撮像されている患者が存在しない状態)。ヘリカル・スキャン中に、テーブル60は定速で移動する。螺旋経路58に沿って様々な投影角で集められた低kVp及び高kVpにおける投影測定のn個のビューの組を、それぞれ参照番号62及び64によって表わす。図示のように、1回目の全回転66が、n個のビューにおける一組の低kVp測定62で開始し、2回目の全回転68が、n個のビューにおける一組の高kVp測定62で開始する。1回目の回転66における低kVp測定62の各組は、2回目の回転68における高kVp測定64の各組と投影角が一致しており、1回目の回転66における高kVp測定64の各組は、2回目の回転68における低kVp測定62の各組と投影角が一致している。例えば、低kVp測定67の組は、高kVp測定69と投影角が一致している。低kVp測定で開始した1回目の回転は低kVp測定で終了する。高kVp測定で開始した2回目の回転は高kVp測定で終了して、投影角が一致する低kVp測定と高kVp測定とで同じ量のデータを取得することを保証する。
【0025】
この方式で、2回転の測定は、1回転分の高kVp測定及び1回転分の低kVp測定を形成する。低ピッチ・ヘリカル・スキャン・モード(例えば図2に示すようなもの)以外にもアキシャル・スキャン・モードをこの方式と共に用いることができる。アキシャル・スキャンの場合には、運動も造影変化も存在しなければ測定は再構成に十分であり、画質への影響も最小限である。アキシャル・スキャンは、痛風、腎結石解析、骨浮腫、非造影頭部出血/石灰化鑑別、及び頭部造影後出血検出に用いられ得る。
【0026】
比較的低費用のスキャナ(例えば比較的低費用のCTイメージング・システム)のための二重エネルギの解として、よりよいハードウェアに頼った現在の比較的高費用の二重エネルギ解に比較すると、時間分解能は依然限定され得る。しかしながら、この提案された方法を低価格帯CTスキャナに対して用いると二重エネルギCTA応用に有用となる。低ピッチ・ヘリカル・スキャン及び管kVp切り換え戦略を用いると、再構成に十分な高kVp回転測定及び低kVp回転測定の完全な組が得られる。走査は比較的高費用のCTよりも低速であるが、普及型CTとして通常の容積網羅能力を達成することができる。k(回転当たりのkVp切り換え頻度)を減少させ、nを増加させる(回転当たりのビューmがシステム定義の定数として保たれている場合)と、kVp切り換え能力が限定されていても、より高速の回転速度に対処することができる。
【0027】
また、幾つかの実施形態では、時間分解能を高める必要がある場合には、ハーフ・スキャン再構成を具現化することもでき、完全な4π範囲のデータは必要とされない。例えば、各々の管角度での同じkVpの投影ビューを用いて、ファン・ビームからパラレル・ビームへの再ビニング(仕分け)を介して平行投影を取得することができる。次いで、重み付きフィルタによる逆投影を用いて画像を再構成する。各々の投影射線(β,γ)について、該射線の共役射線は(π+β-γ,-γ)又は(3π+β-γ,-γ)である。投影射線(β,γ)が高kVp測定であるならば、共役射線の一つは高kVp測定となる。また重み付け方式を具現化して、時間的性能をさらに高めることもできる。重み関数は、投影射線の再構成平面に対する円錐角によって決定され得る。円錐角が大きいほど重みは小さくなる。
【0028】
一実施形態では、式(1)においてk=0であるときにはローテート/ローテート・モードとなり、CTスキャナは1回の回転において第一のエネルギ信号(例えば高kVp信号)を測定し、もう1回の回転において第二のエネルギ信号(例えば低kVp信号)を測定する。この方法は、アキシャル・モードであれば運動が少なく造影もないため最善に作用する。但し、一つのkVpにおいてハーフ・スキャンを行ない、もう一つのkVpにおいてもう一つのハーフ・スキャンを行なうこともできることを特記しておく。次いで、ハーフ・スキャン方式の再構成を用いて画像を形成することができる。この方法は、アキシャル・スキャン・モードでもヘリカル・スキャン・モードでも良好に作用する。
【0029】
式(1)を満たさないが依然二重エネルギ撮像を提供するためのよい候補と考えられ得る一つのkVp切り換えモードが存在する。kVpが約220度から240度(>ハーフ・スキャン+ファン角度)毎に1回しか切り換わらないようなハーフ・スキャン切り換え取得を用いることができる。ここでは、ハーフ・スキャン方式再構成を用いて高kVp画像及び低kVp画像を形成する。このモードはアキシャル取得でも低ピッチのヘリカル取得でも良好に作用する。
【0030】
図3は、二重エネルギ撮像(例えば画像領域物質分解を用いた)のためにkVp切り換えを行なう方法70の実施形態の流れ図である。方法70の1又は複数のステップが、図1のCTイメージング・システム10の構成要素(例えば処理回路及びメモリ)によって実行されてよい。方法70は、CT撮像走査を開始するステップを含んでいる(ブロック72)。撮像走査は、二つのハーフ・スキャン(例えばハーフ・スキャン再構成を用いるとき)を用いてもよいし、二つのフル・スキャン(例えば2回の全回転)を用いてもよい。
【0031】
方法70はまた、第一のエネルギ・スペクトル(例えば低kVp)における投影測定の第一のデータセット、及び第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトル(例えば高kVp)における投影測定の第二のデータセットを、第一のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビュー(例えばn個のビュー)についての第一のデータセットの取得と、第二のエネルギ・スペクトルにおける様々な投影角での設定された数の連続ビューについての第二のデータセットの取得の間で切り換えることにより取得するステップを含んでおり、連続ビューの設定された数は1よりも大きい(ブロック74)。設定された数の連続ビューの後の低kVpと高kVpとの間の切り換えは、望まれる総数のビュー(例えば式(1)ではm個のビュー)が各々のハーフ・スキャン又はフル・スキャンについて取得されるまで、繰り返し生じ得る。多数のハーフ・スキャン又はフル・スキャンが用いられるときには、第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンは第一のエネルギ(例えば低kVp)において投影測定を取得することで開始し、第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンは、第二のエネルギ(例えば高kVp)において投影測定を取得することで開始することができ、或いはこの反対でもよい。第一のデータセットと第二のデータセットとで取得されるデータの量は同じである。加えて、第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける低kVp投影のための投影角は、第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける高kVp投影のための投影角に対応している。同様に、第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける高kVp投影のための投影角は、第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける低kVp投影のための投影角に対応している。低kVp測定で開始した第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンは、低kVp測定で終了する。高kVp測定で開始した第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンは、高kVp測定で終了して、投影角が一致する低kVp測定と高kVp測定とで同じ量のデータを取得することを保証する。ハーフ・スキャン再構成をkVp切り換えと共に用いる場合には、開示される手法を行なうのに十分なデータを与えるために、追加のデータを生成することが必要な場合がある。例えば、幾つかの実施形態(ハーフ・スキャン再構成を用いるとき)では、追加の投影測定(例えば平行投影)を、前述のようにして取得し又は生成することができる。
【0032】
方法70はさらに、第一のデータセット及び第二のデータセットについてそれぞれ撮像走査中に取得されなかった様々な投影角での欠落した投影測定を与えるために、第一のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第一のデータセットを、また第二のエネルギ・スペクトルにおける推定投影測定によって第二のデータセットを補足するステップを含んでいる(ブロック76)。第一のデータセットに与えられる欠落した投影測定は、第一のデータセット、第二のデータセット、又は両方の何れから導かれてもよい。同様に、第二のデータセットに与えられる欠落した投影測定も、第一のデータセット、第二のデータセット、又は両方の何れから導かれてもよい。何れのシナリオにおいても、欠落した投影測定は、取得された投影測定から導かれる。
【0033】
投影測定の推定は幾つかの方法で生じ得る。一実施形態では、二次元再構成方法を用いることができる。この方法によれば、所定の再構成平面位置において、高kVp又は低kVpについて管角度β∈[β β]としてπのビュー範囲の平行単一横列投影データセットを形成することができる。投影射線(β,γ)における欠落した測定は、再構成平面までの管距離に基づく重み付き平均方法によって、低ピッチ・ヘリカル・スキャンにおける多数の測定から推定される。具体的には、高kVp測定であっても低kVp測定であってもよいが(β,γ)における欠落した測定は、(β+2π,γ)の測定及び(β-2π,γ)の測定から推定され得る。例えば、(β,γ)が低kVp測定であって高kVp測定を推定する必要があるならば、投影(β+2π,γ)及び(β-2π,γ)は高kVp測定である筈であり、これらの投影を用いて、再構成平面までの管距離に基づく重み付き平均方法によって、低ピッチ・ヘリカル・スキャンにおける高kVp測定を推定することができる。完全二次元データセットが形成された後に、フィルタ補正逆投影を用いて高kVp画像及び低kVp画像を再構成する。
【0034】
もう一つのアプローチでは、アルゴリズムは、二つの隣り合った2πデータ(例えば二つの隣り合った回転66、68からの投影データ)を用いて、ビューを充填する。例えば、第一の2π範囲からの第一の高kVpビュー(例えば図2の回転66における高kVpの組77)は、同じ管角度(例えば投影角)で取得された第二の隣り合った2π範囲からの低kVpビュー(例えば図2の回転68における低kVpの組79)をガイドとして用いることにより、低kVpビューへ変換されるように訓練されることができる。換言すると、図2の回転68における低kVpの組62を用いて、回転66における低kVpの組同士の間の欠落した投影データを充填することができ、また図2の回転66における高kVpの組64を用いて、回転68における高kVpの組同士の間の欠落した投影データを充填することができ、或いはこの反対でもよい。幾つかの実施形態では、第一のデータセット及び第二のデータセットの両方について推定投影測定を生成するように、深層ニューラル・ネットワーク(例えば畳み込みニューラル・ネットワーク)を訓練して用いることができる。例えば、欠落した低kVp測定を、隣の回転の対応する角度での高kVp測定から推定するように深層ニューラル・ネットワークを訓練することができ、或いはこの反対でもよい。また、欠落した低kVp測定を、同じ回転内の欠落した低kVp測定に接した隣の高kVp測定から推定するように深層ニューラル・ネットワークを訓練することができ、或いはこの反対でもよい。幾つかの実施形態では、欠落した測定と同じ回転内で欠落した測定のエネルギとは異なるエネルギにおける接した測定と、隣の回転の対応する角度での異なるエネルギにおける測定とを用いて、欠落した測定を推定するように深層ニューラル・ネットワークを訓練することができる。
【0035】
方法70に戻り、方法70は、再構成画像を形成するステップを含んでいる(ブロック78)。具体的には、第一のエネルギ(例えば低kVp)の再構成画像及び第二のエネルギ(例えば高kVp)の再構成画像が、補足された第一のデータセット及び第二のデータセットからそれぞれ形成される。方法70はまた、様々な二重撮像応用に用いられ得る物質画像(例えば物質分解画像又は基底物質画像)を形成するために、第一のエネルギ及び第二のエネルギでの再構成画像に画像領域物質分解を実行することを含んでいる(ブロック80)。
【0036】
図4は、二重エネルギ撮像(例えば投影空間物質分解を用いた)のためにkVp切り換えを行なう方法82の実施形態の流れ図である。方法70の1又は複数のステップが、図1のCTイメージング・システム10の構成要素(例えば処理回路及びメモリ)によって実行されてよい。方法82のブロック84、86、及び88は、方法70のブロック72、74、及び76と同じである。
【0037】
方法84は、基底物質投影を生成するように、補足された第一及び第二のデータセットに投影空間物質分解を実行するステップを含んでいる(ブロック90)。方法84はまた、基底物質投影から、様々な二重エネルギ撮像応用に用いられ得る物質画像(例えば物質分解画像又は基底物質画像)を再構成するステップを含んでいる(ブロック92)。
【0038】
図5は、二重エネルギ撮像のためにkVp切り換えを行なう方法94の実施形態の流れ図である。方法94の1又は複数のステップが、図1のCTイメージング・システム10の構成要素(例えば処理回路及びメモリ)によって実行されてよい。方法70は、CT撮像走査を開始するステップを含んでいる(ブロック96)。撮像走査は、二つのハーフ・スキャン(例えばハーフ・スキャン再構成を用いるとき)を用いてもよいし、二つのフル・スキャン(例えば2回の全回転)を用いてもよい。幾つかの実施形態では、回転の回数が異なっていてもよい(例えば4回転、及び6回転等)。
【0039】
方法94はまた、1回目の全回転又は部分回転中の様々な投影角での設定された数のビュー(例えば式(1)ではn個のビュー、但しnは1よりも大きい)についての第一のエネルギ・スペクトル(例えば低kVp)における投影測定の第一のデータセットの取得と、1回目の全回転又は部分回転中の様々な投影角での同じ設定された数のビューについての第一のエネルギ・スペクトルとは異なる第二のエネルギ・スペクトル(例えば高kVp)における投影測定の第二のデータセットの取得との間で切り換えるステップを含んでいる(ブロック98)。方法94は次いで、1回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数(例えば式(1)ではm個のビュー)が満たされたか否かを決定する(ブロック102)。1回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数が満たされていなければ、方法94はブロック98、100、及び102を繰り返す。尚、1回目の全回転又は部分回転は、第一のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の取得で開始し、また終了することを特記しておく。1回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数が満たされたら、方法94は、2回目の全回転又は部分回転中の様々な投影角での同じ設定された数のビューについての第二のエネルギ・スペクトル(例えば高kVp)における投影測定の第二のデータセットの取得と、2回目の全回転又は部分回転中の様々な投影角での同じ設定された数のビューについての第一のエネルギ・スペクトル(例えば低kVp)における投影測定の第一のデータセットの取得との間で切り換えるステップを含んでいる(ブロック104)。方法94は次いで、2回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数(例えば式(1)ではm個のビュー)が満たされたか否かを決定する(ブロック102)。2回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数が満たされていなければ、方法94はブロック104、106、及び108を繰り返す。尚、2回目の全回転又は部分回転は、第二のエネルギ・スペクトルにおける投影測定の取得で開始し、また終了することを特記しておく。ブロック108の後には、第一のデータセットと第二のデータセットとで取得されるデータの量は同じである。加えて、第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける低kVp投影についての投影角は、第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける高kVp投影についての投影角に対応している。同様に、第一のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける高kVp投影についての投影角は、第二のハーフ・スキャン又はフル・スキャンにおける低kVp投影についての投影角に対応している。
【0040】
2回目の全回転又は部分回転についてのビューの総数が満たされたら、方法94は次に進む。ハーフ・スキャン再構成をkVp切り換えと共に用いる幾つかの実施形態では、方法94は、前述のような開示される手法を実行するのに十分なデータを与えるために、追加のデータ(例えば平行投影)を生成するステップを含んでいる(ブロック110)。
【0041】
方法94はまた、第一のエネルギにおける第一のデータセット及び第二のエネルギにおける第二のデータセットの両方を補足するために、撮像走査中に取得されなかった欠落した投影角について投影測定を推定するステップを含んでいる(ブロック112)。第一のデータセットに与えられる欠落した投影測定は、第一のデータセット、第二のデータセット、又は両方の何れから導かれてもよい。同様に、第二のデータセットに与えられる欠落した投影測定も、第一のデータセット、第二のデータセット、又は両方の何れから導かれてもよい。何れのシナリオにおいても、欠落した投影測定は、取得された投影測定から導かれる。投影測定の推定は、図3に記載したようにして生じ得る。
【0042】
方法94はさらに、物質画像(例えば物質分解画像又は基底物質画像)を形成するために、物質分解及び再構成を実行するステップを含んでいる(ブロック114)。幾つかの実施形態では、基底物質投影を生成するために、補足された第一及び第二のデータセットに対して投影空間物質分解が実行され、続いて基底物質投影から物質画像を再構成する。幾つかの実施形態では、第一のエネルギにおける再構成画像及び第二のエネルギにおける再構成画像をそれぞれ形成するために、補足された第一及び第二のデータセットに対して画像空間分解が行なわれ、続いて物質画像を形成するために画像領域物質分解が行なわれる。
【0043】
開示される主題の技術的効果としては、対費用効果の高いハードウェアから成っており相対的に低速のkVp切り換え能力を有するに留まる低価格帯CTイメージング・システム(二重エネルギ撮像のための典型的なハードウェアの解は備えていない)において、二重エネルギ撮像のためのkVp切り換え技術の利用を可能にすることが挙げられる。二重エネルギ撮像応用のためのkVp切り換え技術の利用は、ソフトウェアの更新のみを介して(すなわち如何なるハードウェアの変更も行なわずに)生じ得る。このようにして、低価格帯CTイメージング・システムが、多数の臨床応用(例えば腎結石、病変特徴評価、及び骨浮腫等)に二重エネルギを利用することができる。
【0044】
本書に提示され請求される手法は、本技術分野を実証的に改善する実用性のある有形物及び具体例を参照して、かかる有形物及び具体例に適用されており、このようなものとして、抽象的ではなく、無形でもなく、単に理論的なものでもない。さらに、本明細書の末尾に添えられた任意の請求項が「然々の[作用を果たす]ための手段」又は「然々の[作用を果たす]ためのステップ」と指定された1又は複数の要素を含む場合には、かかる要素は合衆国法典第35巻第112条(f)の下で解釈されるものとする。但し、他の任意の態様で指定された要素を含む任意の請求項については、かかる要素は合衆国法典第35巻第112条(f)の下で解釈されるべきでないものとする。
【0045】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること、任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0046】
10 イメージング・システム
12 X線源
20 X線ビーム
22 コリメータ
24 被検体
26 減弱後のX線光子
28 検出器アレイ
30 システム制御器
32 線形配置サブシステム
34 回転サブシステム
58 螺旋経路
60 テーブル
62 低kVpにおける投影測定のn個のビューの組
64 高kVpにおける投影測定のn個のビューの組
66 1回目の全回転
67 低kVp測定
68 2回目の全回転
69 高kVp測定(低kVp測定67に対応)
70 二重エネルギ撮像(例えば画像領域物質分解を用いた)のためにkVp切り換えを行なう方法
77 回転66での高kVpの組
79 回転68での低kVpの組
82 二重エネルギ撮像(例えば投影空間物質分解を用いた)のためにkVp切り換えを行なう方法
94 二重エネルギ撮像のためにkVp切り換えを行なう方法

図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】