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特開2023-68321赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法
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  • 特開-赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068321
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20230510BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230510BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20230510BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
G02B5/22
G03F7/004 505
G03F7/004 502
G03F7/027 502
G03F7/031
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179306
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】廣田 徹也
(72)【発明者】
【氏名】前田 忠俊
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
【Fターム(参考)】
2H148CA04
2H148CA05
2H148CA09
2H148CA14
2H148CA17
2H148CA23
2H225AC33
2H225AC63
2H225AC75
2H225AD06
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AN22P
2H225AN29P
2H225AN39P
2H225BA09P
2H225BA16P
2H225BA35P
2H225CA15
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】赤外光パスフィルターにおける断面の矩形性と、線幅の制御性とを高めることを可能とした赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】赤外光パスフィルター用感光性着色組成物は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む。重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含む。光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。光重合開始剤の質量に対する重合開始剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む感光性着色組成物であって、
前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含み、前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下であり、
前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である
赤外光パスフィルター用感光性着色組成物。
【請求項2】
前記感光性着色組成物が含む固形分の総質量に対して、前記第1(メタ)アクリレートは、0.1質量%以上20質量%以下含まれる
請求項1に記載の赤外光パスフィルター用感光性着色組成物。
【請求項3】
前記重合性化合物は、アミノ基を含まない3官能以上の第2(メタ)アクリレートをさらに含む
請求項1または2に記載の赤外光パスフィルター用感光性着色組成物。
【請求項4】
前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤を含む
請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外光パスフィルター用感光性着色組成物。
【請求項5】
着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む赤外光パスフィルターであって、
前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含み、前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下であり、
前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である
赤外光パスフィルター。
【請求項6】
着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む感光性着色組成物の製造方法であって、
前記着色剤、前記重合性化合物、前記光重合開始剤、および、前記重合禁止剤を混合することを含み、
前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含み、前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下であり、
前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である
赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法によって感光性着色組成物を準備すること、
前記感光性着色組成物を含む塗液を塗布対象に塗布することによって塗膜を形成すること、および、
前記塗膜を硬化させること、を含む
赤外光パスフィルターの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSイメージセンサーおよびCCDイメージセンサーなどの固体撮像素子は、光の強度を電気信号に変換する光電変換素子を備えている。固体撮像素子は、複数の光電変換素子に加えて、各色用の光電変換素子上に位置するカラーフィルターと、赤外光用の光電変換素子上に位置する赤外線パスフィルターとを備えている。
【0003】
赤外光パスフィルターは、赤外光用の光電変換素子が検出し得る可視光を遮蔽し、これによって、赤外光用の光電変換素子による赤外光の検出精度を高める。赤外光パスフィルターは着色剤を含んでいる。赤外光パスフィルターが含む着色剤は、例えば、ビスベンゾフラノン系顔料、アゾメチン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系染料などである(例えば、特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-177273号公報
【特許文献2】特開2018-119077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、固体撮像素子は、各色用の光電変換素子と赤外光用の光電変換素子とを含む繰り返し単位を複数備えている。光電変換素子の繰り返し単位では、固体撮像素子に対する光の入射側から見て、赤外光用の光電変換素子が、各色用の光電変換素子と隣り合っている。これにより、固体撮像素子が備えるフィルターの繰り返し単位も、各色用のフィルターと赤外光パスフィルターとを含み、かつ、固体撮像素子に対する光の入射側から見て、赤外光パスフィルターは、各色用フィルターと隣り合っている。
【0006】
各色用のフィルターと赤外光パスフィルターとの間において混色が生じることを抑える観点から、赤外光パスフィルターが広がる平面と直交する断面には、高い矩形性を有することが求められる。また、赤外光パスフィルターが各色用フィルターに干渉すること、および、赤外光パスフィルターを透過する可視光の光量が減ることを抑える観点では、赤外光パスフィルターが広がる平面と対向する視点から見た線幅にも、高い精度が求められる。
【0007】
赤外光パスフィルターは、感光性着色組成物を含む塗液から形成された塗膜に対するフォトリソグラフィー法を用いて形成される。そのため、赤外光パスフィルター用の感光性組成物には、フォトリソグラフィー法を用いて赤外光パスフィルターが形成された場合に、赤外光パスフィルターの断面における高い矩形性と、線幅における高い制御性とを実現できることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための赤外光パスフィルター用感光性着色組成物は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む。前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含む。前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
上記課題を解決するための赤外光パスフィルターは、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む。前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含み、前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
【0009】
上記課題を解決するための赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む赤外光パスフィルター用感光性着色組成物を製造する方法である。当該製造方法は、前記着色剤、前記重合性化合物、前記光重合開始剤、および、前記重合禁止剤を混合することを含む。前記重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含む。前記光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。前記光重合開始剤の質量に対する前記重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
【0010】
光重合開始剤および重合性化合物を含む着色性組成物をフォトリソグラフィー法によってパターニングする際には、大気中および露光装置内に存在する酸素によって、重合性化合物の重合反応が阻害される。酸素による重合反応の阻害は、相対的に酸素が多く存在する塗膜の表面近傍で生じやすく、これによって、着色性組成物を含む塗膜の硬化不良、および、赤外光パスフィルターの断面における矩形性の低下が生じる。
【0011】
こうした課題は、感光性着色組成物における光重合開始剤の添加量を増やすことのみによっては解決されない。また、光重合開始剤の添加量を増やした場合には、露光に対する感光性着色組成物の感度が過剰に高くなり、これによって、赤外光カットフィルターの線幅における制御が困難になる。また、赤外光パスフィルターの線幅における制御性を高めるために、光重合開始剤と重合禁止剤との比を調整することが有用である一方で、赤外光パスフィルターの断面における矩形性と、線幅の制御性との両立には至らない。
【0012】
アミノ基を含む化合物は、重合反応を阻害する酸素を補足する作用を有する。感光性着色組成物が第1(メタ)アクリレートを含むことによって、重合反応の阻害を抑えることができる。さらに、重合性化合物がアミノ基を含む2官能以上の(メタ)アクリレートを含むことにより、(メタ)アクリレートが1官能である場合に比べて、重合反応を促進させることができる。これによって、感光性着色性組成物を含む塗膜の硬化が進み、結果として、赤外光パスフィルターの断面における矩形性が高められる。
【0013】
このように、上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、当該感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターによれば、以下の条件を満たすことにより、赤外光パスフィルターの断面における矩形性と、赤外光パスフィルターの線幅における制御性とを高めることが可能である。
【0014】
(条件1)光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
(条件2)光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。
【0015】
上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物において、前記感光性着色組成物が含む固形分の総質量に対して、前記第1(メタ)アクリレートは、0.1質量%以上20質量%以下含まれてもよい。
【0016】
上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物によれば、第1(メタ)アクリレートの含有量が0.1質量%以上であることによって、重合反応が促進され、これによって赤外光パスフィルターの断面における矩形性を高めることができる。第1(メタ)アクリレートの含有量が20質量%以下であることによって、感光性着色組成物における着色剤の密度における低下が抑えられ、これによって、赤外光パスフィルターの分光特性が悪化することが抑えられる。
【0017】
上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物において、前記重合性化合物は、アミノ基を含まない3官能以上の第2(メタ)アクリレートをさらに含んでもよい。この赤外光パスフィルターによれば、重合性化合物が第2(メタ)アクリレートを含むことによって、露光時における感光性着色組成物の感度を高めることができる。
【0018】
上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物において、前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤を含んでもよい。この赤外光パスフィルター用感光性組成物によれば、オキシムエステル系光重合開始剤の露光光に対する感度が高く、これによって、感光性着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。
【0019】
上記課題を解決するための赤外光パスフィルターの製造方法は、上記赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法によって感光性着色組成物を準備すること、前記感光性着色組成物を含む塗液を塗布対象に塗布することによって塗膜を形成すること、および、前記塗膜を硬化させること、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、赤外光パスフィルターの断面における矩形性と、赤外光パスフィルターの線幅における制御性とを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態の固体撮像素子における構造を示す分解斜視図である。
図2】赤外光パスフィルターの構造を示す断面図である。
図3】画素サイズが1.4μmである場合における差分値と第1比率との関係を示すグラフである。
図4】画素サイズが1.4μmである場合における矩形度と第1比率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図4を参照して、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法における一実施形態を説明する。なお、本実施形態において、赤外光は、0.7μm以上1mm以下の範囲に含まれる波長を有した光であり、近赤外光は、赤外光のなかで特に700nm以上1100nm以下の範囲に含まれる波長を有した光である。また、可視光は、400nm以上800nm以下の波長を有した光であり、紫外線は、280nm以上400nm未満の波長を有した光である。
【0023】
なお、本開示における赤外光パスフィルターは、400nm以上800nm以下の波長域における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の波長域における平均透過率が75%以上であるフィルターを意味する。
【0024】
また、本実施形態において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方を意味する。また、本実施形態において、C.I.はカラーインデックスを意味する。
【0025】
[固体撮像素子]
図1を参照して、固体撮像素子を説明する。図1は、固体撮像素子の一部における各層を分離して示す概略構成図である。
【0026】
図1が示すように、固体撮像素子10は、固体撮像素子用フィルター10F、および、複数の光電変換素子11を備える。複数の光電変換素子11は、赤色用光電変換素子11R、緑色用光電変換素子11G、青色用光電変換素子11B、および、赤外光用光電変換素子11Pを備える。各色用の光電変換素子11R,11G,11Bは、その光電変換素子11R,11G,11Bに対応付けられた特定の波長を有する可視光の強度を測定する。各赤外光用光電変換素子11Pは、赤外光の強度を測定する。
【0027】
固体撮像素子10は、複数の赤色用光電変換素子11R、複数の緑色用光電変換素子11G、複数の青色用光電変換素子11B、および、複数の赤外光用光電変換素子11Pを備える。なお、図1では、図示の便宜上、固体撮像素子10における光電変換素子11の繰り返し単位が示されている。
【0028】
固体撮像素子用フィルター10Fは、複数の可視光用フィルター、赤外光パスフィルター12P、赤外光カットフィルター13、複数の可視光用マイクロレンズ、および、赤外光用マイクロレンズ15Pを備える。
【0029】
可視光用カラーフィルターは、赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bから構成される。赤色用フィルター12Rは、赤色用光電変換素子11Rに対して光の入射側に位置する。緑色用フィルター12Gは、緑色用光電変換素子11Gに対して光の入射側に位置する。青色用フィルター12Bは、青色用光電変換素子11Bに対して光の入射側に位置する。
【0030】
なお、各色用フィルター12R,12G,12Bは、図1が示すように、光電変換素子11R,11G,11B上に直接形成されてもよいし、各色用フィルター12R,12G,12Bと光電変換素子11R,11G,11Bとの間に平坦化層が位置してもよい。これにより、光電変換素子11R,11G,11Bに対する各色用フィルター12R,12G,12Bの密着性を高めることが可能である。
【0031】
赤外光パスフィルター12Pは、赤外光用光電変換素子11Pに対して光の入射側に位置する。赤外光パスフィルター12Pは、赤外光用光電変換素子11Pが検出し得る可視光を赤外光用光電変換素子11Pに対して遮蔽する。これによって、赤外光用光電変換素子11Pによる赤外光の検出精度が高められる。赤外光用光電変換素子11Pが検出し得る赤外光は、例えば近赤外光である。
【0032】
赤外光パスフィルター12Pの厚さは、各色用フィルター12R,12G,12Bの厚さよりも厚くてもよい。この場合には、赤外光パスフィルター12Pにおいて可視光の非透過性を高めることができる。
【0033】
赤外光カットフィルター13は、各色用フィルター12R,12G,12Bに対して光の入射側に位置する。赤外光カットフィルター13は、貫通孔13Hを備える。赤外光カットフィルター13が広がる平面と対向する視点から見て、貫通孔13Hが区画する領域内には、赤外光パスフィルター12Pが位置する。一方で、赤外光カットフィルター13が広がる平面と対向する視点から見て、赤外光カットフィルター13は、赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12B上に位置する。
【0034】
赤外光カットフィルター13は、赤外光吸収色素を含む。赤外光吸収色素は、近赤外光に含まれるいずれかの波長において、赤外光の吸収率における最大値を有する。そのため、赤外光カットフィルター13によれば、赤外光カットフィルター13を通過する近赤外光を確実に吸収することが可能である。これにより、各色用の光電変換素子11で検出され得る近赤外光が、赤外光カットフィルター13によって十分にカットされる。赤外光カットフィルター13は、例えば、300nm以上3μm以下の厚さを有することが可能である。
【0035】
上述したマイクロレンズ15R,15G,15B,15Pの下地が段差を有する場合には、マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pの加工における精度が低下し得る。各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pの下地での平坦性が高められる観点から、各色用フィルター12R,12G,12Bの厚さと、赤外光カットフィルター13の厚さとの合計が、赤外光パスフィルター12Pの厚さとほぼ等しいことが好ましい。
【0036】
なお、赤外光カットフィルター13は貫通孔13Hを備えていなくてもよい。すなわち、赤外光カットフィルター13は、各色用フィルター12R,12G,12Bに加えて、赤外光パスフィルター12Pに対して光の入射側に位置してもよい。この場合には、赤外光カットフィルター13が各フィルターに対して遮断する赤外光の波長域が第1波長域であり、赤外光パスフィルター12Pを介して赤外光用光電変換素子11Pによって検出される赤外光の波長域が第2波長域であればよい。例えば、第1波長域が700nm以上900nm未満の範囲であり、かつ、第2波長域が900nm以上1100nm以下の範囲であってよい。これにより、赤外光用光電変換素子11Pは、近赤外光を効率的に検出することができる。
【0037】
バリア層14は、赤外光カットフィルター13の酸化源の透過を抑制する。酸化源は、酸素および水などである。バリア層14が有する酸素透過率は、例えば、5.0cc/m/day/atm以下であることが好ましい。酸素透過率は、JIS K7126:2006に準拠した値である。酸素透過率が5.0cc/m/day/atm以下に定められるから、バリア層14によって赤外光カットフィルター13に酸化源が到達することが抑制されるため、赤外光カットフィルター13が酸化源によって酸化されにくくなる。そのため、赤外光カットフィルター13の耐光性が向上可能である。
【0038】
バリア層14を形成する材料は、無機化合物である。バリア層14を形成する材料は、珪素化合物であることが好ましい。バリア層14を形成する材料は、例えば、窒化珪素、酸化珪素、および、酸窒化珪素からなる群から選択される少なくとも1つであってよい。
【0039】
マイクロレンズは、赤色用マイクロレンズ15R、緑色用マイクロレンズ15G、青色用マイクロレンズ15B、および、赤外光用マイクロレンズ15Pから構成される。赤色用マイクロレンズ15Rは、赤色用フィルター12Rに対して光の入射側に位置する。緑色用マイクロレンズ15Gは、緑色用フィルター12Gに対して光の入射側に位置する。青色用マイクロレンズ15Bは、青色用フィルター12Bに対して光の入射側に位置する。赤外光用マイクロレンズ15Pは、赤外光パスフィルター12Pに対して光の入射側に位置する。
【0040】
各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、外表面である入射面15Sを備える。各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、入射面15Sに入る光を各光電変換素子11R,11G,11B,11Pに向けて集めるための屈折率差を外気との間において有する。各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、透明樹脂を含む。
【0041】
[固体撮像素子用フィルターの製造方法]
固体撮像素子用フィルターの製造方法では、まず、各色用フィルター12R,12G,12Bが形成される。各色用フィルター12R,12G,12Bは、各色用フィルター12R,12G,12B用の感光性着色組成物を含む塗膜の形成、および、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニングによって形成される。例えば、赤色用感光性組成物を含む塗膜は、赤色用感光性組成物を含む塗液の塗布、および、塗膜の乾燥によって形成される。赤色用フィルター12Rは、赤色用感光性組成物を含む塗膜に対し、赤色用フィルター12Rに相当する領域に対する露光、および、現像を経て形成される。なお、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bも赤色用フィルター12Rと同様の方法によって形成される。
【0042】
赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bの感光性着色組成物に含有される着色剤は、有機顔料または無機顔料であってよい。有機顔料および無機顔料は、単独で用いられてもよいし、有機顔料および無機顔料の2種以上が混合されてもよい。着色剤として用いられる顔料は、発色性が高く、かつ、耐熱性が高い、特に耐熱分解性が高いことが好ましいから、有機顔料であることが好ましい。
【0043】
有機顔料は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などであってよい。
【0044】
赤色用フィルター12Rの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、赤色顔料であってよい。赤色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73などであってよい。
【0045】
なお、感光性着色組成物は、必要に応じて調色用の顔料を含んでもよい。調色用の顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214などであってよい。
【0046】
緑色用フィルター12Gの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、緑色顔料であってよい。緑色顔料は、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58、59などであってよい。感光性着色組成物は、必要に応じ調色用の顔料を含んでもよい。調色用の顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214などであってよい。
【0047】
青色用フィルター12Bの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、青色顔料であってよい。青色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、81などであってよい。青色顔料は、C.I.Pigment Blue 15:6であることが好ましい。
【0048】
赤外光パスフィルター12Pの製造方法は、感光性着色組成物を準備すること、塗膜を形成すること、および、塗膜を硬化させることを含む。感光性着色組成物を準備することは、後述する赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法によって感光性着色組成物を準備する。塗膜を形成することは、感光性着色組成物を含む塗液を塗布対象に塗布することによって塗膜を形成する。
【0049】
詳細には、上述した赤色用フィルター12Rと同様に、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物を含む塗膜の形成、および、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニングによって形成される。塗膜は、赤外光パスフィルター用感光性組成物を含む塗液の塗布、および、塗液の乾燥によって形成される。赤外光パスフィルター12Pは、塗膜に対して赤外光パスフィルター12Pに相当する領域に対する露光、および、現像を経て形成される。なお、塗膜の露光には、紫外線、例えば365nmの波長を有した光が用いられる。
【0050】
赤外光カットフィルター13は、塗布法などの液相成膜法を用いた成膜によって形成される。赤外光カットフィルター13は、赤外光吸収色素と透明樹脂とを含む組成物から形成される。赤外光吸収色素は、例えば、アントラキノン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素であってよい。透明樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂であってよい。
【0051】
なお、各色用の感光性着色組成物、赤外光カットフィルター13用の組成物は、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、重合性化合物、有機溶剤、および、レベリング剤などをさらに含んでよい。
【0052】
また、フォトリソグラフィー法によって塗膜のパターニングを行う際には、ステッパーなどの露光装置と、所定のパターンを有するフォトマスクを用いることが好ましい。フォトマスクを介して塗膜を露光した後に、現像液を用いて塗膜における未露光部を露光部から除くことによって、塗膜をパターニングすることができる。現像液は、アルカリ性を呈することが好ましい。アルカリ性の現像液は、無機アルカリ現像液または有機アルカリ現像液であってよい。無機アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどであってよい。有機アルカリ現像液は、例えばテトラヒドロキシアンモニウムなどであってよい。また、塗膜に対する現像液の濡れ性を高める観点では、現像液は、界面活性剤を含むことが好ましい。
【0053】
バリア層14は、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などの気相成膜法、あるいは、塗布法などの液相成膜法を用いた成膜によって形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、赤外光カットフィルター13が形成された基板に対し、酸化珪素からなるターゲットを用いたスパッタリングによる成膜を経て形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、赤外光カットフィルター13が形成された基板に対し、シランと酸素とを用いたCVDによる成膜を経て形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、ポリシラザンを含む塗液の塗布、改質、および、塗膜の乾燥によって形成される。バリア層14の層構造は、単一の化合物からなる単層構造でもよいし、単一の化合物からなる層の積層構造であってもよいし、相互に異なる化合物からなる層の積層構造であってもよい。
【0054】
各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、透明樹脂を含む塗膜の形成、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニング、および、熱処理によるリフローによって形成される。透明樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ノルボルネン系樹脂などである。
【0055】
[赤外光パスフィルター]
図2は、赤外光パスフィルター12Pの断面構造を示している。
図2が示すように、赤外光パスフィルター12Pの高さHにおいて、赤外光パスフィルター12Pが形成された基板Stの表面から赤外光パスフィルター12Pの高さHに対する50%の位置が、第1高さ0.5Hである。赤外光パスフィルター12Pの高さHにおいて、基板Stの表面から赤外光パスフィルター12Pの高さHに対する90%の位置が、第2高さ0.9Hである。第1高さ0.5Hにおける赤外光パスフィルター12Pの幅が、第1幅Sである。第2高さ0.9Hにおける赤外光パスフィルター12Pの幅が、第2幅Tである。
【0056】
第1幅Sに対する第2幅Tの比(T/S)は、0.75以上であることが好ましい。第1幅Sに対する第2幅Tの比が0.75以上であることによって、赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性が向上し、これによって赤外光パスフィルター12Pの感度が高まる。第1幅Sに対する第2幅Tの比は、1.0以下であることが好ましい。第1幅Sに対する第2幅Tの比が1.0以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pの断面が錐台状を有することが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの密着性が低下することが抑えられる。
【0057】
赤外光パスフィルター12Pは、2層以上の着色層を備えてもよい。赤外光パスフィルター12Pが2層以上の着色層を備えることによって、赤外光パスフィルター12Pの総厚が同一である前提では、1層当たりの厚さを薄くすることが可能であるから、着色の密着性を高めることが可能である。着色層の数は、例えば2層以上6層以下であってよく、2層以上4層以下であることが好ましい。
【0058】
赤外光パスフィルター12Pが2層以上の着色層を備える場合には、全ての着色層が同一の組成を有した感光性着色組成物から形成されてもよい。あるいは、2層以上の着色層には、第1の組成を有した感光性着色組成物から形成された第1層と、第2の組成を有した感光性着色組成物から形成された第2層とが含まれてもよい。第2の組成は、第1の組成とは異なる。赤外光パスフィルター12Pは、着色層間に位置する平坦化層を有してもよい。平坦化層は、着色剤を含まない。
【0059】
赤外光パスフィルター12Pの総厚、すなわち高さHは、0.3μm以上5μm以下であってよく、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。赤外光パスフィルター12Pは、基板Stの表面と対向する視点から見て、例えば正方形状を有している。基板Stの表面と対向する視点から見て、赤外光パスフィルター12Pにおける一辺の長さ、すなわち赤外光パスフィルター12Pの画素サイズは、0.7μm以上20μm以下であってよく、0.9μm以上5μm以下であることがより好ましい。
【0060】
[赤外光パスフィルター用感光性着色組成物]
赤外光パスフィルター用感光性着色組成物(以下、感光性着色組成物とも称する)は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含んでいる。重合性化合物は、アミノ基を含む3官能以上の第1(メタ)アクリレートを含んでいる。光重合開始剤の質量に対する前記第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。光重合開始剤の質量に対する重合開始剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。なお、感光性着色組成物は、バインダー樹脂を含んでもよい。以下、感光性着色組成物について詳しく説明する。
【0061】
着色剤は、黒色を呈する着色剤であってよい。黒色を呈する着色剤は、単独で黒色を呈する着色剤であってよい。あるいは、着色剤は、緑、青、赤、黄、紫、マゼンタ、シアン、オレンジなどを呈する着色剤を2種以上含んでよい。また、着色剤は、赤外光吸収色素を含んでもよい。着色剤が1種のみである場合であっても、着色剤が2種以上の着色剤を含む場合であっても、感光性着色組成物から形成された赤外光パスフィルターにおいて、400nm以上800nm以下の波長域における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の波長域における平均透過率が75%以上であるような透過特性を、着色剤が有していればよい。
【0062】
また、着色剤において、280nm以上400nm未満の波長域における平均透過率が、10%未満であってよい。感光性着色組成物の露光時には、紫外線、すなわち280nm以上400nm未満の波長に含まれる光が、感光性着色組成物を含む塗膜に照射される。この点、着色剤では紫外線に対する平均透過率が低いから、塗膜に紫外線が照射された場合に、光重合開始剤による重合性化合物の重合反応が生じにくい。これに対して、各色用のフィルターを製造するための感光性着色組成物、例えば、赤色用着色組成物、緑色用着色組成物、および、青色用着色組成物に含まれる着色剤では、280nm以上400n未満の波長域における平均透過率が、10%以上である。このように、各色用のフィルターを製造するための感光性組成物では、紫外線に対する透過率が高いから、赤外光パスフィルター用の感光性着色組成物に対して、光重合開始剤による重合性化合物の重合反応が生じやすい。
【0063】
単独で黒色を呈する色材は、例えば、ビスベンゾフラノン系顔料、アゾメチン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系染料などであってよい。
緑色を呈する着色剤は、緑色顔料、緑色染料、あるいは、これらの中間体であってよい。緑色顔料は、例えば、C.I.Pigment Green 7、36、37、58などであってよい。緑色染料は、例えば、C.I.Acid Green 25、41などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0064】
青色を呈する着色剤は、青色顔料または青色染料であってよい。青色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:3、15:4、15:6、6、22、60などであってよい。青色染料は、例えば、C.I.Acid Blue 41、83、90、113、129などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0065】
赤色を呈する着色剤は、赤色顔料または赤色染料であってよい。赤色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 123、155、168、177、180、217、220、254などであってよい。赤色染料は、例えば、C.I.Acid Red 37、50、111、114、257、266などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0066】
黄色を呈する着色剤は、黄色顔料または黄色染料であってよい。黄色顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、185などであってよい。黄色染料は、例えば、C.I.Acid Yellow 17、49、67、72、127、110などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0067】
紫色を呈する着色剤は、紫色顔料であってよい。紫色顔料は、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0068】
マゼンタ色を呈する着色剤は、マゼンダ色顔料であってよい。マゼンダ色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
【0069】
シアン色を呈する着色剤としては、シアン色顔料であってよい。シアン色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80などであってよい。
【0070】
オレンジ色を呈する着色剤は、オレンジ色顔料であってよい。オレンジ色顔料は、例えば、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73などであってよい。
【0071】
赤外光吸収色素は、例えば、アントラキノン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素などであってよい。
【0072】
上述したように、重合性化合物は、アミノ基を含む2官能以上の第1(メタ)アクリレートを含んでいる。
光重合開始剤および重合性化合物を含む着色性組成物をフォトリソグラフィー法によってパターニングする際には、大気中および露光装置内に存在する酸素によって、重合性化合物の重合反応が阻害される。酸素による重合反応の阻害は、相対的に酸素が多く存在する塗膜の表面近傍で生じやすく、これによって、着色性組成物を含む塗膜の硬化不良、および、赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性の低下が生じる。
【0073】
こうした課題は、感光性着色組成物における光重合開始剤の添加量を増やすことのみによっては解決されない。また、光重合開始剤の添加量を増やした場合には、露光に対する感光性着色組成物の感度が過剰に高くなり、これによって、赤外光パスフィルター12Pの線幅における制御が困難になる。また、赤外光パスフィルター12Pの線幅における制御性を高めるために、光重合開始剤と重合禁止剤との比を調整することが有用である一方で、赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性と、線幅の制御性との両立には至らない。
【0074】
アミノ基を含む化合物は、重合反応を阻害する酸素を補足する作用を有する。そのため、感光性着色組成物が第1(メタ)アクリレートを含むことによって、重合反応の阻害を抑えることができる。さらに、重合性化合物がアミノ基を含む2官能以上の(メタ)アクリレートを含むことにより、(メタ)アクリレートが1官能である場合に比べて、重合反応を促進させることができる。これによって、感光性着色性組成物を含む塗膜の硬化が進み、結果として、赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性が高められる。
【0075】
第1(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、150以上5000以下であることが好ましい。重量平均分子量が150以上であることによって、フォトリソグラフィー法による塗膜のパターニング時に、露光部の硬化が不十分であることが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度の低下が抑えられる。重量平均分子量が5000以下であることによって、現像液への溶解性の低下が抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度の低下が抑えられる。
【0076】
感光性着色組成物の固形分の総質量を100質量%に設定する場合に、第1(メタ)アクリレートの含有量は、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。第1(メタ)アクリレートの含有量は、0.3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
【0077】
第1(メタ)アクリレートの含有量が0.1質量%以上であることによって、重合反応が促進され、これによって赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性を高めることができる。第1(メタ)アクリレートの含有量が20質量%以下であることによって、感光性着色組成物における着色剤の密度における低下が抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの分光特性が悪化することが抑えられる。
【0078】
アミノ基を含む2官能以上の(メタ)アクリレートは、例えば、のEBECRYL80(ダイセル・オルネクス(株)製、EBECRYLは登録商標)、EBECRYL7100(ダイセル・オルネクス(株)製)、CN371 NS(アルケマ社製)、CN550(アルケマ社製)、CN551(アルケマ社製)、Laromer 83F(BASF社製、Laromerは登録商標)、Laromer 84F(BASF社製)などであってよい。これらの(メタ)アクリレートは、単独で用いられてもよいし、2種以上の(メタ)アクリレートが混合されてもよい。
【0079】
重合禁止剤は、メチルヒドロキノンであることが好ましい。重合禁止剤は、キノン系禁止剤、ヒンダードフェノール系禁止剤、ニトロソアミン系禁止剤、フェノチアジン系禁止剤などであってよい。これらの重合禁止剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を含む混合物の状態で用いられてもよい。
【0080】
光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤、α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤であることが好ましく、オキシムエステル系光重合開始剤であることがより好ましい。オキシムエステル系光重合開始剤は、露光光に対する感度が高く、これによって、感光性着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。オキシムエステル系光重合開始剤は、1,2‐オクタンジオン,1‐[4‐(フェニルチオ)フェニル‐2‐(O‐ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1‐[9‐エチル‐6‐(2‐メチルベンゾイル)‐9H‐カルバゾール‐3‐イル]‐,1‐(O‐アセチルオキシム)などであってよい。
【0081】
α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤は、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタノン‐1、2‐ジメチルアミノ‐2‐(4‐メチル-ベンジル)‐1‐(4‐モリフォリン‐4‐イル‐フェニル)‐ブタン‐1‐オンなどであってよい。
【0082】
光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤、および、α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤に加えて、これら以外の他の光重合開始剤を含んでもよい。他の光重合開始剤は、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤であってよい。
【0083】
アセトフェノン系光重合開始剤は、例えば、4‐フェノキシジクロロアセトフェノン、4‐t‐ブチル‐ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オンなどであってよい。
【0084】
ベンゾイン系光重合開始剤は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、および、ベンジルジメチルケタールなどであってよい。
【0085】
ベンゾフェノン系光重合開始剤は、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、および、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジフェニルサルファイドなどであってよい。
【0086】
チオキサンソン系光重合開始剤は、チオキサンソン、2‐クロルチオキサンソン、2‐メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、および、2、4‐ジイソプロピルチオキサンソンなどであってよい。
【0087】
トリアジン系光重合開始剤は、2,4,6‐トリクロロ‐s‐トリアジン、2‐フェニル4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐メトキシフェニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐トリル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐ピペロニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐スチリル‐クロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐スチリル‐s‐トリアジン、2‐(ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(4‐メトキシ‐ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル(ピペロニル)‐6‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル(4’‐メトキシスチリル)‐6‐トリアジンなどであってよい。
これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の光重合開始剤が混合されてもよい。
【0088】
本開示において、光重合開始剤の質量(MP1)に対する第1(メタ)アクリレート(MM1)の質量の百分率((MM1/MP1)×100)は、50以上500以下である。光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率は、100以上400以下であることがより好ましい。
【0089】
光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が50%以上であることによって、感光性着色組成物を用いて形成したパターンの硬化が不足することが抑えられ、これによって、パターンの断面形状における矩形性の低下が抑えられる。光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が500%以下であることによって、感度が過剰に高くなることが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルターの線幅における制御が困難になることが抑えられる。
【0090】
光重合開始剤の質量(MP1)に対する重合禁止剤の質量(MP2)の百分率((MP2/MP1)×100)は、3%以上30%以下であり、4%以上15%以下であることが好ましい。光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率が3%以上であることによって、感光性着色組成物の感度が過剰に高くなることが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの線幅における制御が困難になることが抑えられる。光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率が30質量%以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pの硬化が不足することが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの断面形状における矩形性の低下が抑えられる。
【0091】
このように、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物が以下の条件を満たすことにより、赤外光パスフィルターの断面における矩形性と、赤外光パスフィルターの線幅における制御性とを両立させることが可能である。
【0092】
(条件1)光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下である。
(条件2)光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下である。
【0093】
重合性化合物の質量(MPC)に対する光重合開始剤の質量(MP1)の比(MP1/MPC)は、0.01以上0.5以下であることが好ましく、0.05以上0.4以下であることがより好ましい。重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量の比が0.01以上であることによって、露光部の硬化が不十分であることが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度の低下が抑えられる。重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量の比が0.5以下であることによって、感光性着色組成物の感度が過剰に高くなることが抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度の低下が抑えられる。
【0094】
重合性化合物は、アミノ基を含まない3官能以上の第2(メタ)アクリレートをさらに含んでよい。重合性化合物が第2(メタ)アクリレートを含むことによって、露光時における感光性着色組成物の感度を高めることができる。アミノ基を含まない3官能以上の(メタ)アクリレートは、アミノ基を含まない3官能の(メタ)アクリレートであることが好ましい。重合性化合物が3官能の(メタ)アクリレートを含むことによって、感度が過剰に高くなることを抑えることができる。
【0095】
重合性化合物の総質量を100質量%に設定する場合に、第2(メタ)アクリレートの含有量は、20質量%以上95質量%であることが好ましい。感光性着色組成物が、第1(メタ)アクリレートと第2(メタ)アクリレートとを上述した割合で含むことによって、赤外光パスフィルタ-12Pの形状における精度を高めることが可能である。
【0096】
重合性化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=2)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=2)トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性シトリアクリレートなどであってよい。これらの重合性化合物は単独で用いられてもよいし、2種以上の重合性化合物が混合されてもよい。
【0097】
バインダー樹脂は、モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を共重合させることによって得られる。モノマーおよびオリゴマーは、バインダー樹脂の原料であり、バインダー樹脂は2種以上の原料を用いて形成されてよい。バインダー樹脂を生成するためのモノマー、および、バインダー樹脂を生成するためのオリゴマーを構成するモノマーは、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N‐ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐ビニルホルムアミド、アクリロニトリルなどであってよい。
【0098】
(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、アクリル酸メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β‐カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートなどであってよい。
【0099】
バインダー樹脂は、酸性基を有するモノマーの共重合によって生成されることが好ましい。これにより、バインダー樹脂は、アルカリ現像液に溶解することが可能である。酸性基は、カルボキシル基であってよい。カルボキシル基含有モノマーは、少なくとも1つのカルボキシル基を有していればよい。カルボキシル基含有モノマーは、不飽和モノカルボン酸、不飽和多価カルボン酸であってよい。不飽和多価カルボン酸は、例えば、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などであってよい。
【0100】
不飽和モノカルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α‐クロルアクリル酸、ケイ皮酸などであってよい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。不飽和多価カルボン酸の酸無水物は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2‐メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよい。不飽和多価カルボン酸のモノ(2‐メタクリロイロキシアルキル)エステルは、例えば、コハク酸モノ(2‐アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2‐メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2‐アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2‐メタクリロイロキシエチル)などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端に位置するジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよい。不飽和多価カルボン酸のジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートは、例えば、ω‐カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω‐カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってよい。これらのカルボキシル基含有モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上のカルボキシル基含有モノマーが混合されてもよい。
【0101】
バインダー樹脂の重量平均分子量は、5000以上20000以下であることが好ましい。重量平均分子量が5000以上であることによって、感光性着色組成物は、フォトリソグラフィー法による塗膜のパターニング時に、露光部が十分に硬化し、これによってパターンの形状における精度が高まる程度に大きい分子量を有した化合物を含むことができる。重量平均分子量が20000以下であることによって、フォトリソグラフィー法において用いられる現像液に対する現像性の低下が抑えられ、これによって、パターンの形状における精度の低下が抑えられる。
【0102】
バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、および、フェノール樹脂などであってよい。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上の熱硬化性樹脂が混合されてもよい。
【0103】
感光性着色組成物は、上述した材料を溶解または分散する溶剤をさらに含む。溶剤は、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ブチルセロソルブアセテート、1‐メトキシ‐2‐プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル‐nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、または、石油系溶剤であってよい。これらの溶剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の溶剤が混合されてもよい。
【0104】
着色性組成物は、上述した材料以外の添加剤を含んでもよい。添加剤は、例えば、界面活性剤、貯蔵安定剤の少なくとも1つであってよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤であってよい。ノニオン性界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどであってよい。
【0105】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、および、ポリエチレングリコールモノラウレートなどであってよい。カチオン性界面活性剤は、例えば、アルキル4級アンモニウム塩、および、そのエチレンオキサイド付加物などであってよい。両性界面活性剤は、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、および、アルキルイミダゾリンなどであってよい。これらの界面活性剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の界面活性剤が混合されてもよい。
【0106】
貯蔵安定剤としては、例えば、4級アンモニウムクロライド、有機酸、有機酸のメチルエーテル、t‐ブチルピロカテコール、有機ホスフィン、亜リン酸塩などであってよい。4級アンモニウムクロライドは、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどであってよい。有機酸は、乳酸、シュウ酸などであってよい。有機ホスフィンは、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどであってよい。これらの貯蔵安定剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の貯蔵安定剤が混合されてもよい。
【0107】
[感光性着色組成物の製造方法]
感光性着色組成物の製造方法は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を含む感光性着色組成物を製造する方法である。当該製造方法は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、および、重合禁止剤を混合することを含む。
【0108】
本開示の製造方法では、赤外光パスフィルターの透過特性が、400nm以上800nm以下の波長域における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の波長域における平均透過率が75%以上であるように構成された着色剤を用いる。また、本製造方法では、光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率が、50%以上500%以下であるように、光重合開始剤と重合性化合物を混合する。また、本製造方法では、光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率が、3%以上30%以下であるように、光重合開始剤と重合禁止剤とを混合する。
【0109】
例えば、感光性着色組成物を製造する際には、まず、着色剤を溶剤に分散させることによって、着色剤分散体を生成する。次いで、着色剤分散体に、重合性化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、および、溶剤を混合することによって、混合溶液を生成する。混合溶液を所定の時間にわたって攪拌した後に、混合溶液を濾過することによって、感光性着色組成物を得ることができる。
【0110】
[実施例]
[着色剤分散体の生成]
着色剤、分散剤、および、溶剤を以下に記載の割合で混合することによって、混合溶液を生成した。
【0111】
着色剤:BASF社製、Lumogen Black K0088:12.0部
(Lumogenは登録商標)
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製、Disperbyk-2001
(固形分46%):17.4部 (Disperbykは登録商標)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:70.6部
【0112】
その後、ディスパー分散機(英弘精機(株)製、DISPERMAT LC55)において、直径が0.1mmであるジルコニアビーズを用いて、混合溶液に対して1.5時間にわたって分散処理を行った。次いで、混合溶液を5μmのフィルターを用いて濾過し、これによって、着色剤分散体を得た。
【0113】
[バインダー樹脂の合成]
モノマーとして、60重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、32重量部のメタクリル酸ベンジルと、8重量部のメタクリル酸と、0.60重量部のベンゾイルペルオキシドとを準備した。これらのモノマーを攪拌装置と還流管とが設置された反応容器に入れ、反応容器に窒素ガスを導入しつつ、80℃に加熱しながら8時間にわたって攪拌および還流した。これにより、バインダー樹脂を得た。
【0114】
[感光性着色組成物の調液]
以下の表1から表3に示す割合で、着色剤分散体、重合性化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、および、溶剤を混合することによって混合溶液を得た。次いで、混合溶液を1時間にわたって攪拌し、その後、混合溶液を0.45μmのフィルターを用いて濾過することによって、各感光性着色組成物を得た。
【0115】
以下の表1から表3において、重合性化合物1から4、光重合開始剤、重合禁止剤、および、溶剤は、以下に記載の通りである。なお、重合性化合物のうち、重合性化合物1から3は第1(メタ)アクリレートの一例であり、重合性化合物4は第2(メタ)アクリレートの一例である。
【0116】
重合性化合物1:ダイセル・オルネクス(株)製、EBECRYL80
(4官能、重量平均分子量1000)
重合性化合物2:ダイセル・オルネクス(株)製、EBECRYL7100
(2官能、重量平均分子量400)
重合性化合物3:アルケマ社製、CN371 NS(2官能、重量平均分子量1600)
重合性化合物4:東亜合成(株)製、M350 (3官能、重量平均分子量428.5)
光重合開始剤:BASF社製、OXE-02
重合禁止剤:東京化成工業(株)製、メチルヒドロキノン
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0117】
また、第1比率から第3比率は、以下に記載の通りである。
第1比率:光重合開始剤の質量に対する重合禁止剤の質量の百分率
第2比率:光重合開始剤の質量に対する第1(メタ)アクリレートの質量の百分率
第3比率:感光性着色組成物の固形分の総質量に対する第1(メタ)アクリレートの
含有率
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
[分光特性の評価]
[試験用基板の作成]
スピンコーターを用いて、ベーク処理後の厚さが以下の表4に記載の厚さであるように、ガラス基板上に各感光性着色組成物を塗布し、これによって塗膜を形成した。次いで、100℃に設定したホットプレートを用いて、ガラス基板上の塗膜に対して2分間にわたってベーク処理を行った。なお、赤外光パスフィルターが複数の層から形成される場合には、各層を上述した方法によって形成した。これにより、試験例1‐1から試験例1‐16の試験用基板を得た。
【0122】
【表4】
【0123】
[評価方法]
各試験例の試験用基板が備える赤外光パスフィルターにおいて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ(株)製、U-4100)を用いて、400nm以上1100nm以下の波長域における透過率を測定した。透過率の測定結果は、表5が示す通りあった。なお、表5は、400nm以上800nm以下の波長域における平均透過率である第1透過率と、900nm以上1100nm以下の波長域における平均透過率である第2透過率を示している。
【0124】
[評価結果]
試験例1‐1から試験例1‐16の試験用基板が備える赤外光パスフィルターについて、第1透過率と第2透過率とを測定した結果は、以下の表5が示す通りであった。
【0125】
【表5】
【0126】
表5が示すように、試験例1‐1から試験例1‐16の試験用基板において、第1透過率が30%以下であり、かつ、第2透過率が75%以上であることが認められた。詳細には、試験例1‐1から試験例1‐16の試験用基板において、第1透過率は9%未満であり、第2透過率は87%以上であることが認められた。
【0127】
[形状に関する評価]
[試験用基板の作成]
まず、平坦化層を有するシリコンウエハーを準備した。次いで、スピンコーターを用いて、ベーク処理後における厚さが表6に記載の厚さであるように、平坦化層上に各感光性着色組成物を塗布し、これによって塗膜を形成した。次いで、100℃に設定したホットプレートを用いて、平坦化層上の塗膜に対して2分間にわたってベーク処理を行った。その後、正方形を有した画素を形成するためのフォトマスクを用いて、塗膜を露光した。なお、露光時には、塗膜に対して365nmの波長を有した紫外線を照射した。
【0128】
なお、フォトマスクとして、一辺の長さ、すなわち画素サイズが互いに異なる4種の赤外光パスフィルターを形成することが可能に構成されたフォトマスクを用いた。詳細には、フォトマスクは、画素サイズが2.0μmである赤外光パスフィルター、画素サイズが1.8μmである赤外光パスフィルター、画素サイズが1.6μmである赤外光パスフィルター、画素サイズが1.4μmである赤外光パスフィルターを一度の露光で形成することが可能に構成されていた。
【0129】
また、塗膜の露光には、露光機(キヤノン(株)製、FPA-5510iZ)を用いた。塗膜を露光する際には、100J/以上10000J/m以下の範囲において、露光量を500J/mずつ増加させ、かつ、露光量ごとに塗膜における露光領域を変更した。その後、0.2%の水酸化テトラアンモニウム水溶液を用いて、露光後の塗膜を現像した。次いで、水洗と乾燥とを順に行った。これにより、所定の画素サイズを有する赤外光パスフィルターを形成した。
【0130】
なお、赤外光パスフィルターが複数の層から形成される場合には、上述した方法によって赤外光パスフィルターの第1層を形成した。その後、塗膜の形成、露光、および、現像までの処理を層ごとに行うことによって、複数の層から形成される赤外光パスフィルターを得た。
【0131】
これにより、試験例2‐1から試験例2‐16の試験用基板を得た。
【0132】
【表6】
【0133】
[線幅における制御性の評価]
[評価方法]
走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製、S-7840)を用いて、シリコンウエハーの表面と対向する視点から見た赤外光パスフィルターの線幅を測定した。この際に、露光量が互いに異なる複数の露光領域のそれぞれにおいて、各画素サイズの赤外光パスフィルターの線幅を測定した。なお、各画素サイズについて、20個の赤外光パスフィルターにおける線幅を測定し、20個の赤外光パスフィルターにおける平均値を算出した。
【0134】
赤外光パスフィルターの線幅について、各画素サイズ-0.5μmから+0.05μmまでを適正な線幅に設定した。各露光領域において、各画素サイズを有した赤外光パスフィルターの線幅における平均値が、適正な線幅の範囲に含まれるか否かを確認した。そして、赤外光パスフィルターの線幅における制御性について、以下の評価基準によって評価した。
【0135】
○:1000J/m以上の露光量において適正な線幅を有する。
△:500J/m以上1000J/m未満の露光量において適正な線幅を有する。
×:500J/m未満の露光量において適正な線幅を有する。
【0136】
各試験例の評価用基板において、1.4μmの画素サイズを有する赤外光パスフィルターについて、赤外光パスフィルターの線幅と画素サイズとの差分値が最も小さくなる露光量である第1露光量を特定した。そして、第1露光量において、20個の赤外光パスフィルターについて、線幅と画素サイズとの差分値の絶対値である第1差分値を算出し、かつ、20個の赤外光パスフィルターにおける第1差分値の第1平均値を算出した。
【0137】
一方、第1露光量よりも500J/mだけ大きい露光量を第2露光量に特定した。そして、第2露光量において、1.4μmの画素サイズを有する20個の赤外光パスフィルターについて、線幅と画素サイズとの差分値の絶対値である第2差分値を算出し、かつ、20個の赤外光パスフィルターにおける第2差分値の第2平均値を算出した。さらに、第1平均値から第2平均値を減算した差分値の絶対値を算出した。
【0138】
[評価結果]
試験例2‐1から試験例2‐16について、赤外光パスフィルターの線幅の制御性を評価した結果、および、第1平均値から第2平均値を減算した差分値の絶対値は、表7が示す通りであった。
【0139】
【表7】
【0140】
表7が示すように、試験例2‐1から試験例2‐12、試験例2‐16では、画素サイズにかかわらず、赤外光パスフィルターの線幅における制御性が「○」であることが認められた。これに対して、試験例2‐13では、画素サイズにかかわらず、赤外光パスフィルターの線幅における制御性が「×」であることが認められた。また、試験例2‐14では、赤外光パスフィルターの線幅における制御性は「△」または「×」であり、かつ、画素サイズが小さくなるほど、赤外光パスフィルターの線幅における制御性が低下することが認められた。また、試験例2‐15では、画素サイズに関わらず、赤外光パスフィルターの線幅における制御性が「△」であることが認められた。
【0141】
また、図3が示すように、第1比率が3.42%以上である範囲では、第1平均値から第2平均値を減算した差分値の絶対値は、0.03μm以下に抑えられることが認められた。これに対して、第1比率が2.06%以下である範囲では、第1平均値から第2平均値を減算した差分値の絶対値が0.07以上であり、かつ、第1比率の変化に対する当該絶対値の変化量が大幅に大きくなることが認められた。こうした結果から、第1比率が3.0%以上であることによって、赤外光パスフィルターの線幅における制御性を高めることが可能であるといえる。
【0142】
[断面における矩形性の評価]
[評価方法]
試験例2‐1から試験例2‐16の試験用基板について、シリコンウエハーの表面に直交する断面が露出するように、各画素サイズの赤外光パスフィルターを切断した。この際に、赤外光パスフィルターの線幅が目標とする線幅に最も近くなる露光量で露光された赤外光パルフィルターを切断し、これによって、断面を露出させた。各画素サイズの赤外光パスフィルターについて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)製、S-4800)を用いて、赤外光パスフィルターの断面を観察した。断面において、第1高さ0.5Hにおける第1幅Sと、第2高さ0.9Hにおける第2幅Tとを測定した。次いで、第1幅Sに対する第2幅Tの比(T/S)である矩形度を算出した。なお、各画素サイズについて、20個の赤外光パスフィルターにおいて第1幅Sに対する第2幅Tの比を算出し、かつ、20個の赤外光パスフィルターでの第1幅Sに対する第2幅Tの比の平均値を各試験例における当該比の値に設定した。
【0143】
[評価結果]
矩形度の評価結果は、以下の表8に示す通りであった。なお、表8において、矩形度を以下の評価基準によって評価した。
○:矩形度T/Sが0.75以上である。
【0144】
△:矩形度T/Sが0.7以上0.75未満である。
×:矩形度T/Sが0.7未満である。
【0145】
また、各試験例について、画素サイズが1.4μmであるときの矩形度を記載した。また、第1比率と、画素サイズが1.4μmであるときの矩形度との関係を示すグラフを図4に示した。
【0146】
【表8】
【0147】
表8が示すように、試験例2‐1から試験例2‐10、試験例2‐13から試験例2‐15の試験用基板では、画素サイズに関わらず、矩形度の評価が「○」であることが認められた。これに対して、試験例2‐11および試験例2‐12では、画素サイズに関わらず、矩形度の評価が「△」もしくは「×」であることが認められた。試験例2‐11および試験例2‐12では、第1比率が上述した条件1を満たす一方で、第2比率が条件2を満たさないから、赤外光パスフィルターの矩形度が低下したといえる。また、試験例2‐16の試験用基板では、画素サイズが小さくなるほど赤外光パスフィルターの矩形度が低下することが認められた。特に、画素サイズが1.6μmである場合には矩形度が「△」であり、画素サイズが1.4μmである場合には矩形度が「×」であることが認められた。試験例2‐16では、第2比率が条件2を満たす一方で、第1比率が条件1を満たさないから、画素サイズが小さい場合において、赤外光パスフィルターの矩形度が低下したといえる。また、図4が示すように、第1比率が30%を超えた場合に、第1比率が30%以下である場合に比べて、矩形度の減少率が大幅に大きくなるといえる。
【0148】
以上説明したように、着色組成物、着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法における一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性と、赤外光パスフィルター12Pの線幅における制御性とを高めることが可能である。
【0149】
(2)第1(メタ)アクリレートの含有量が0.1質量%以上であることによって、重合反応が促進され、これによって赤外光パスフィルター12Pの断面における矩形性を高めることができる。第1(メタ)アクリレートの含有量が20質量%以下であることによって、感光性着色組成物における着色剤の密度における低下が抑えられ、これによって、赤外光パスフィルター12Pの分光特性が悪化することが抑えられる。
【0150】
(3)重合性化合物が第2(メタ)アクリレートを含むことによって、露光時における感光性着色組成物の感度を高めることができる。
(4)オキシムエステル系光重合開始剤は、露光光に対する感度が高く、これによって、感光性着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。
【符号の説明】
【0151】
10…固体撮像素子
11…光電変換素子
12R…赤色用フィルター
12G…緑色用フィルター
12B…青色用フィルター
12P…赤外光パスフィルター
13…赤外光カットフィルター
図1
図2
図3
図4