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特開2023-69578オンラインコミュニケーション管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069578
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】オンラインコミュニケーション管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230511BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181548
(22)【出願日】2021-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】521487421
【氏名又は名称】越田 敏巨
(74)【代理人】
【識別番号】100140006
【弁理士】
【氏名又は名称】渕上 宏二
(72)【発明者】
【氏名】越田 敏巨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】不特定多数のゲストとスタッフの円滑なオンラインコミュニケーションを実現する。
【解決手段】サービスの提供者と享受者との間におけるコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理システムであって、享受者がサービスの開始を待機する場となる第1のトークルームと、提供者が享受者にサービスを提供する場となる第2のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、提供者の操作に基づいて享受者を第1のトークルームから第2のトークルームに移動させる手段を備えるオンラインコミュニケーション管理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理システムであって、
コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、
新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる手段と、
既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる手段、を備える、
オンラインコミュニケーション管理システム。
【請求項2】
既にユーザが入室しているトークルームを2以上のトークルームに分割する手段を備える、
請求項1に記載のオンラインコミュニケーション管理システム。
【請求項3】
既にユーザが入室している2以上のトークルームを1つのトークルームに統合する手段を備える、
請求項1または2に記載のオンラインコミュニケーション管理システム。
【請求項4】
サービスの提供者と享受者との間におけるコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理システムであって、
享受者がサービスの開始を待機する場となる第1のトークルームと、提供者が享受者にサービスを提供する場となる第2のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、
提供者の操作に基づいて享受者を第1のトークルームから第2のトークルームに移動させる手段、を備える、
オンラインコミュニケーション管理システム。
【請求項5】
前記第1のトークルームおよび前記第2のトークルームを可視的に表示する手段と、
前記提供者および前記享受者のアバターを可視的に表示する手段、を備え、
前記アバターを移動させることにより前記享受者を前記第1のトークルームから前記第2のトークルームに移動させる、
請求項4に記載のオンラインコミュニケーション管理システム。
【請求項6】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理方法であって、
コンピューターが、
コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する工程と、
新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる工程と、
既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる工程、を実行する、
オンラインコミュニケーション管理方法。
【請求項7】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するために、
コンピューターを、
コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、
新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる手段と、
既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる手段、として機能させるための、
オンラインコミュニケーション管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインにおけるコミュニケーションの形態を管理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オンラインコミュニケーションは、従来の面談形式のコミュニケーションの代替という位置付けから脱却し、それ自体に価値のあるコミュニケーション手段としての地位を獲得しつつある。しかしながら、現実のコミュニケーションの場における会話には様々な形態があり、その全てをオンラインで実行する段階までには至っていない。
【0003】
現在のオンラインコミュニケーションは、ホストがトークルームを構築し、このトークルームへの入室を誘導するURLをゲストに通知し、トークルームに入室したゲストとホストの全員がコミュニケーションに参加するという形態のものが主流である。また特許文献1に開示されているように、参加者の一部を他のトークルームに案内して新たなコミュニケーションの場となるトークルームを構築するといったものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6929429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のオンラインコミュニケーションは、例えば同じ会社もしくは関連会社、さらには取引先など、参加者同志の関係性が既に構築されている状況下において行われているものがほとんどである。さらには参加者のICTに関する知見も比較的高い水準にあることが前提となっている。このように従来のオンラインコミュニケーションは閉じた関係性におけるコミュニケーションであって、未知のゲストの参加を想定しておらず、またそのゲストのICTに関する知見も様々なレベルにあることは考慮されていない。
【0006】
これからのオンラインコミュニケーションは、例えばオンライン診療やオンライン酒場、オンライン行政窓口のように不特定多数のゲストが参加する状況において、ゲストをどのようにハンドリングしていくのかという点に着目しなければならない。そのためにはゲストのICTに関する知見に頼ることなく円滑なオンラインコミュニケーションの実現が可能なシステムの構築が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0008】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理システムであって、コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる手段と、
既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる手段を備える、オンラインコミュニケーション管理システム。
【0009】
さらには、既にユーザが入室しているトークルームを2以上のトークルームに分割する手段を備える、オンラインコミュニケーション管理システム。
【0010】
さらには、既にユーザが入室している2以上のトークルームを1つのトークルームに統合する手段を備える、オンラインコミュニケーション管理システム。
【0011】
サービスの提供者と享受者との間におけるコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理システムであって、享受者がサービスの開始を待機する場となる第1のトークルームと、提供者が享受者にサービスを提供する場となる第2のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、提供者の操作に基づいて享受者を第1のトークルームから第2のトークルームに移動させる手段を備える、オンラインコミュニケーション管理システム。
【0012】
さらには、前記第1のトークルームおよび前記第2のトークルームを可視的に表示する手段と、前記提供者および前記享受者のアバターを可視的に表示する手段を備え、前記アバターを移動させることにより前記享受者を前記第1のトークルームから前記第2のトークルームに移動させる、オンラインコミュニケーション管理システム。
【0013】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するオンラインコミュニケーション管理方法であって、コンピューターが、コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する工程と、新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる工程と、既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる工程、を実行する、オンラインコミュニケーション管理方法。
【0014】
複数のユーザが参加するコミュニケーションの態様を管理するために、コンピューターを、コミュニケーションの場となる複数のトークルームをオンライン上の仮想空間に構築する手段と、新規に参加を申込むユーザを任意のトークルームに入室させる手段と、既に参加しているユーザを現在のトークルームから別のトークルームに移動させる手段、として機能させるための、オンラインコミュニケーション管理プログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、オンラインコミュニケーションに参加するユーザは能動的な働きをすることなく他者の働きかけによりオンラインコミュニケーションを享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】オンラインコミュニケーション管理システムの概略を示す図
図2】ゲスト端末の表示画面を示す図
図3】ゲスト端末の表示画面を示す図
図4】待機時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図5】ゲスト移動時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図6】ゲスト移動時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図7】ゲスト移動時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図8】トークルーム統合時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図9】トークルーム統合時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図10】トークルーム分割時のスタッフ端末の表示画面を示す図
図11】オンラインコミュニケーション管理システムの構成を示す図
図12】オンラインコミュニケーション管理システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔オンラインコミュニケーション管理システムの概略〕
図1は本発明のオンラインコミュニケーション管理システムの概略を示す図である。本発明のオンラインコミュニケーション管理システム(以下、管理システムと称する。)10は、インターネットに接続された端末を通じてゲストとスタッフとのオンラインコミュニケーションを実現するシステムである。
【0018】
ゲストは端末12の操作に基づいてオンラインコミュニケーションに参加する。端末12はスマートフォン、ダブレット、パーソナルコンピュータ等の音声および動画の送受信が可能な情報通信機器が該当する。
【0019】
スタッフは端末14の操作に基づいてオンラインコミュニケーションに参加する。端末14はスマートフォン、ダブレット、パーソナルコンピュータ等の音声および動画の送受信が可能な情報通信機器が該当する。
【0020】
管理者は端末16の操作に基づいてトークルームの構築や運営等の管理システム10におけるオンラインコミュニケーションの管理を行う。端末16はスマートフォン、ダブレット、パーソナルコンピュータ等の音声および動画の送受信が可能な情報通信機器が該当する。
【0021】
管理装置18は、端末12、14、16との間における情報の送受信に基づいてゲストとスタッフとの間で行われるオンラインコミュニケーションを実行する装置である。管理装置18は、通信手段、記憶手段、制御手段を備えたコンピューターが該当する。
【0022】
以下、旅行会社におけるオンラインオペレーションサービスを例に挙げながら管理システム10の実施形態の説明を行う。スタッフSは、オンラインオペレーションサービスを提供する側であり、ゲストの希望を聴取し、希望に合致した旅行プランを提案し、チケットを販売するなどの旅行サービスを提供する。ゲストGはオンラインオペレーションサービスを享受する側である。
【0023】
〔ゲスト端末の表示画面〕
図2は、ゲストG1の端末12の表示画面を示している。ゲストG1は端末12の操作により旅行会社のウェブサイトにアクセスして「ハワイへ行こう」と題された旅行プランのページを閲覧している。「相談する」と表示されたボタンH1を操作することにより閲覧中の旅行プランについて旅行会社のスタッフSに相談することができる。ボタンH1の操作に基づいて端末12のアクセス先が閲覧中のウェブサイトから管理システム10に移行する。これに伴い端末12の表示画面には管理システム10が提供する画面が表示される。
【0024】
図3は、管理システム10に移行したゲストG1の端末12の表示画面を示している。管理システム10には複数のトークルームが仮想空間に構築されている。本実施例では後述するように「待合席トークルーム」「受付トークルーム」「商談トークルーム」の3種類のトークルームが用意されている。各トークルームではそれぞれの目的に応じたオンラインコミュニケーションが実行される。ゲストG1はスタッフSの指示に従って、待合室トークルーム→受付トークルーム→商談トークルームの順に移動する。ボタンH1の操作に基づいて管理システム10に移行したゲストG1は最初に待合席トークルームに案内され、ここでスタッフSからの指示を待つことになる。
【0025】
端末12の領域A3にはゲストG1の撮像動画が表示される。カメラマークのアイコンA6の操作によりカメラの作動/非作動を切り替えることができる。カメラを非作動に設定した場合、領域A3にはゲストG1のアバターが表示される。またマイクマークのアイコンA7の操作によりマイクの作動/非作動を切り替えることができる。領域A2にはゲストG1の担当者となるスタッフSの撮像動画が表示される。スタッフSの空きがない場合は待機をお願いするメッセージ、例えば「まもなくご案内いたします。しばらくお待ちください。」などと表示される。「スタッフを呼ぶ」と表示されたボタンA4はスタッフSを呼ぶ際に操作することができる。例えば待機が長時間にわたって続いているとき、また緊急時などに優先的にスタッフSに繋ぐことができる。「退出する」と表示されたボタンA5はゲストG1がトークルームを退出する際に操作する。例えばスタッフSとの商談が終了したとき、また待機が長すぎて商談を諦めるときなどに使用する。
【0026】
領域A1にはゲストG1の嗜好に合う情報や動画が表示される。ゲストG1の嗜好はボタンH1が表示されていたページの情報の基づいて決定される。ゲストG1は「ハワイへ行こう」と題された旅行プランのページから管理システム10に移行してきたため、領域A1には例えばハワイに関する動画などが表示される。ゲストG1は興味のある動画を楽しむことにより待機中の時間潰しができる。また動画により得た情報をその後のスタッフSとの話題に繋ぐこともできる。旅行会社の立場としては、ゲストG1に適当な情報を提供することよりゲストG1が待機に飽きるなどして途中で退室することによるビジネス機会の喪失を防ぐことができる。
【0027】
〔スタッフ端末の表示画面〕
図4乃至図8はスタッフS1の端末14の表示画面を示している。画面左側の領域M1,M2,M3にはそれぞれ待合席トークルーム1、2、3の利用状況が表示される。画面中央の領域U1,U2,U3にはそれぞれ受付トークルーム1、2、3の利用状況が表示される。画面右側の領域T1,T2,T3にはそれぞれ商談トークルーム1、2、3の利用状況が表示される。また各トークルームの領域I2にはトークルームの利用状況を示すステータスが表示される。例えば「待機中」「会話中」「離席中」などと表示される。スタッフS1は各トークルームのボタンB1の操作により各トークルームをモニタリングすることができる。なおゲストG側のプライバシーを尊重する観点からモニタリング機能をキャンセルすることもできる。またボタンB2の操作により各トークルームに入室して会話をすることができる。ボタンB2の代わりに任意のトークルームを選択してからボタンC1を操作することによって入室することもできる。ボタンC2の操作により現在入室しているトークルームから退室することができる。ボタンC3の操作により「離席中」/「待機中」の表示の何かを選択することができる。通常は「待機中」を選択し、一時的に離席するときには「離席中」を選択する。会話中であれば自動的に「会話中」と表示される。なおスタッフS1の端末14には領域I1にスタッフS1のIDが表示されるとともにスタッフS1のアバターが他のアバターとは別の色で表示される。
【0028】
図4において、待合席トークルーム1にはゲストG1が入室している。待合室トークルーム2には別のゲストG2が入室している。待合室トークルーム3は空室である。
【0029】
受付トークルーム1にはスタッフS1が入室している。受付トークルーム2にはスタッフS2とゲストG3が入室している。受付トークルーム3は空室である。受付トークルーム1はスタッフS1がゲストGの入室を待機している状態であり、領域I2に「待機中」と表示されている。受付トークルーム2はスタッフS2がゲストG3の接客をしている状態であり、領域I2に「会話中」と表示されている。受付トークルーム3は空室であり、領域I2に「空室」と表示されている。
【0030】
商談トークルーム1にはスタッフS3が入室している。商談トークルーム2にはスタッフS4が入室している。商談トークルーム3にはスタッフS5とゲストG4が入室している。商談トークルーム1は入室しているスタッフS3が席を外している状態であるため、領域I2に「離席中」と表示されている。商談トークルーム2はスタッフS4がゲストGの入室を着席して待機している状況であるため、領域I2に「待機中」と表示されている。受付トークルーム3はスタッフS5がゲストG4の接客をしている状態であり、領域I2に「会話中」と表示されている。
【0031】
〔トークルームの移動〕
次にゲストGのトークルームの移動について説明する。ゲストGはトークルームの移動の際に自らの端末12を操作する必要はなく、スタッフSによる端末14の操作に基づいてゲストGのトークルームの移動が実行される。図5において、スタッフS1は端末14の画面に表示されたゲストG1のアバターをクリックもしくはタッチする。これによりゲストG1のアバターは選択されたことを示す表示態様に変化する。ゲストG1のアバターを受付トークルーム1の領域U1にドラッグ&ドロップするだけでトークルームの移動は完了する。
【0032】
図6において、ゲストG1のアバターが受付トークルーム1に移動すると、領域U1にはスタッフS1とゲストG1のそれぞれのアバターが表示され、同時に領域I2の表示が「待機中」から「会話中」へと自動的に変更される。これにより受付トークルーム1にはスタッフS1とゲストG1が仮想的に入室している状態となり、スタッフS1とゲストG1はそれぞれの端末14、端末12を通じて自由に会話することができる。
【0033】
スタッフS1はゲストG1との会話の中でゲストG1が商談を進めたいという意思を持っていることを確認すると、商談トークルームへの案内を開始する。商談トークルーム1はスタッフS3が離席中であり、商談トークルーム3ではスタッフS5とゲストG4との間で商談が行われている。商談トークルーム2はスタッフS4が待機中であり、ゲストG1を案内することができる。先の動作と同様に端末14の操作によりゲストG1のアバターを商談トークルーム2の領域T2にドラッグ&ドロップする。
【0034】
図7において、ゲストG1のアバターが商談トークルーム2に移動すると、領域T2にはスタッフS4 とゲストG1のそれぞれのアバターが表示され、同時に領域I2の表示が「待機中」から「会話中」へと自動的に変更される。またゲストG1が退室してスタッフS1だけになった受付トークルーム1の領域I2の表示が「会話中」から「待機中」へと自動的に変更される。商談トークルーム2にはスタッフS4とゲストG1が仮想的に入室している状態となり、スタッフS4とゲストG1はそれぞれの端末14、端末12を通じて自由に会話することができる。
【0035】
〔トークルームの統合と分割〕
次にトークルームの統合と分割について、図8乃至図10を参照しながら説明する。前述した通り、ゲストGはスタッフSの端末操作によってトークルームから別のトークルームに移動するが、ゲストGの移動にスタッフSが同行して他のスタッフSに紹介した方が場合によっては適当であるとも考えられる。例えば図8に示すように受付トークルーム1と商談トークルーム2とを統合することにより、ゲストG1、スタッフS1およびスタッフS4の3名による会話の場を新たに構築することができる。スタッフS1は統合したい受付トークルーム1と商談トークルーム2を端末14の操作によって選択する。例えば端末14に備わるキーボードの「control」キーを押しながら領域U1と領域T2をクリックすることにより受付トークルーム1と商談トークルーム2を選択することができる。続いて「統合する」と表示されたボタンC4の操作により、図9に示すように受付トークルーム1と商談トークルーム2が一つに統合され、商談トークルーム2にゲストG1、スタッフS1およびスタッフS4が入室した状態となり、3名による会話の場が新たに構築される。空室となった受付トークルーム1の領域U1には「商談トークルーム2と統合中」と表示される。
【0036】
統合されたトークルームは元の状態に分割することもできる。スタッフS1が「統合を解除する」と表示されたボタンC5を操作すると、図10に示すように商談トークルーム2の統合が解除されて2つに分割され、商談トークルーム2にはゲストG1とスタッフS4が入室し、受付トークルーム1にはスタッフS1が入室した元の状態となる。
【0037】
なお以上の説明においてゲストGとスタッフSのアバターは、カメラ機能が作動しているときにはアバターに代えてそれぞれの撮像動画を表示することもできる。
【0038】
〔オンラインコミュニケーション管理システムの構成〕
図11は管理システム10の構成を示した図である。管理システム10は管理装置18を中心にゲストGの端末12とスタッフSの端末14の3者をインターネットを介して接続させたシステムである。
【0039】
管理装置18は、通信部20、データ受信部22、制御部24、ゲスト制御部26、データ送信部28、コンテンツ送信部30、データ保存部32の各モジュールを備えている。管理装置18は管理システム10の中枢となるデバイスであり、複数の端末12および端末14との間で実行される様々な情報の送受信に基づいて管理システム10におけるオンラインコミュニケーションを実行する。
【0040】
通信部20はインターネットを介して端末12および端末14との間におけるデータの送受信を実行する。データ受信部22は端末12および端末14から送られてくるデータを受信する。データ受信部22が受信したデータの一部、例えばゲストやスタッフのプロフィールなどはデータ保存部22に保存される。制御部24は管理装置18における全ての情報処理の制御を司る。ゲスト制御部26はゲストのトークルームの移動に関する制御を司る。データ送信部28は端末12および端末14にデータを送信する。コンテンツ送信部30は端末12および端末14に表示するコンテンツを送信する。
【0041】
端末12は、通信部40、データ受信部42、端末制御部44、トークルーム制御部46、データ送信部48、コンテンツ再生部50の各モジュールを備えている。端末12はゲストGが所有する、または操作権限を有する情報通信機能を備えたデバイスであり、端末14を通じてスタッフSとのオンラインコミュニケーションを実現するための手段である。
【0042】
端末14は、通信部60、データ受信部62、端末制御部64、ゲスト制御部66、データ送信部68、入力部70の各モジュールを備えている。端末14はスタッフSが所有する、または操作権限を有する情報通信機能を備えたデバイスであり、端末12を通じてゲストGとのオンラインコミュニケーションを実現するための手段である。
【0043】
〔オンラインコミュニケーション管理システムの構成〕
図12は管理システム10の動作を示したフローチャートである。ゲスト端末12によりウェブサイトを閲覧する(S10)。ウェブサイトの表示された「相談する」ボタンH1を操作する(S12)。管理装置18に参加申請情報が送信され、管理システム10のオンラインコミュニケーション機能が作動開始する(S14)。ゲスト端末12の表示画面が管理システム10の提供する画面に自動的に変更され、それぞれの端末12、14を通じてゲストとスタッフとの間で会話が行われる(s16)。スタッフ端末14の操作に基づいてゲストを待合席トークルームから受付トークルームに案内する(s18)。受付トークルームにおいてゲストとスタッフとの間で会話が行われる(s20)。スタッフ端末14の操作に基づいてゲストを受付トークルームから商談トークルームに案内する(s22)。商談トークルームにおいてゲストとスタッフとの間で会話が行われる(s24)。商談が終わるとゲスト端末12の操作に基づいてゲストが退室し(s26)、同様にスタッフも退室する(s26)。全ての参加者(ゲスト、スタッフ)が退席したらオンラインコミュニケーション機能が作動終了する(S30)。
【0044】
〔オンラインコミュニケーション管理システムの適用例〕
管理システム10に構築するトークルームとして、例えばオンライン診療であれば、受付、待合室、診療室、カウンセリング室などが該当する、またオンライン行政窓口であれば、総合受付、待合室、各種サービス部署、相談ルームなどが該当する。オンライン行政窓口の場合、地方公共団体側が管理システム10を導入して予め必要なトークルームを構築し、ゲストが来訪したら最初に待合室で待機してもらい、次に総合窓口で用件を伺い、用件の内容に応じて関連する部署を紹介するなどの現実の行政窓口において行われているサービスをオンラインで実現することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 オンラインコミュニケーション管理システム
12 ゲスト端末
14 スタッフ端末
16 管理者端末
18 管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12