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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069844
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】配索部材及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20230511BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
H02G3/04 087
B60R16/02 620J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182013
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】永井 護
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
(57)【要約】
【課題】高圧バッテリの電力を供給するために使用される電線に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される電線を容易に配索できる配索部材を提供する。
【解決手段】配索部材40は、第1電線20が貫通する第1管状部材42を有する第1収容部材41と、第1電線20とは異なる第2電線30が貫通する、第1管状部材42とは異なる第2管状部材52を有する第2収容部材51と、を備える。第1収容部材41は、第1管状部材42と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43を有する。第2収容部材51は、第2管状部材52と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53を有する。第2連結部53は、第1連結部43に連結されて第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を第1連結部43と共に維持する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電線が貫通する第1管状部材を有する第1収容部材と、
前記第1電線とは異なる第2電線が貫通する、前記第1管状部材とは異なる第2管状部材を有する第2収容部材と、を備え、
前記第1収容部材は、前記第1管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部を有し、
前記第2収容部材は、前記第2管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部を有し、
前記第2連結部は、前記第1連結部に連結されて前記第2管状部材が前記第1管状部材に沿って配置される状態を前記第1連結部と共に維持する配索部材。
【請求項2】
前記第1管状部材及び前記第2管状部材の各々は、自身の形状を保持可能な剛性を有する請求項1に記載の配索部材。
【請求項3】
前記第1管状部材は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状をなし、
前記第2管状部材は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状もしくは幅と高さとが等しい四角形状をなし、
前記第1管状部材と前記第2管状部材とは、前記第1管状部材の幅方向に並ぶとともに、前記第1管状部材の高さ方向と前記第2管状部材の高さ方向とが平行となるように配置される請求項1または請求項2に記載の配索部材。
【請求項4】
前記第2管状部材は、前記第1管状部材の高さ方向に沿って、前記第1管状部材の高さの範囲内に収まる請求項3に記載の配索部材。
【請求項5】
前記第1管状部材の内部空間は、前記第1管状部材の幅方向に沿って前記第1電線を複数並べて配置可能な幅を有する請求項3又は請求項4に記載の配索部材。
【請求項6】
前記第1連結部及び前記第2連結部の各々は、前記第1管状部材の高さ方向に沿って、前記第1管状部材の高さの範囲内に収まるとともに、前記第2管状部材の高さの範囲内に収まる請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の配索部材。
【請求項7】
前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、
前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向する第2側壁を有し、
前記第1連結部及び前記第2連結部の各々は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1側壁と前記第2側壁との間に位置する請求項6に記載の配索部材。
【請求項8】
前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、
前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向する第2側壁を有し、
前記第1連結部と前記第2連結部との連結体は、前記第1管状部材の高さ方向における前記第1側壁の中間部に位置するとともに、前記第2管状部材の高さ方向における前記第2側壁の中間部に位置する請求項6または請求項7に記載の配索部材。
【請求項9】
前記第1連結部は、前記第1側壁から前記第2側壁に向かって突出し、
前記第2連結部は、前記第2側壁から前記第1側壁に向かって突出し、
前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記第1管状部材の高さ方向に重ね合わせられる請求項7または請求項8に記載の配索部材。
【請求項10】
前記第1連結部は、前記第1管状部材の高さ方向に貫通する第1ボルト孔を有し、
前記第2連結部は、前記第2管状部材の高さ方向に貫通する第2ボルト孔を有し、
前記第1ボルト孔と、当該第1ボルト孔を有する前記第1連結部に重ね合わせられる前記第2連結部が有する前記第2ボルト孔とは、前記第1管状部材の高さ方向に並ぶ請求項9に記載の配索部材。
【請求項11】
前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、
前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向し且つ前記第1側壁に面接触する第2側壁を有する請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の配索部材。
【請求項12】
前記第1管状部材は、前記第1管状部材の高さ方向における前記第1管状部材の一端部に第1連結側壁を有し、
前記第2管状部材は、前記第2管状部材の高さ方向における前記第2管状部材の一端部に第2連結側壁を有し、
前記第1連結部は、前記第1連結側壁に一体的に設けられ、
前記第2連結部は、前記第2連結側壁に一体的に設けられ、
前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記第1管状部材の幅方向もしくは前記第1管状部材の長さ方向に重ね合わせられる請求項11に記載の配索部材。
【請求項13】
前記第1連結部は、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に前記第1連結部を貫通する第1ボルト孔を有し、
前記第2連結部は、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に前記第2連結部を貫通する第2ボルト孔を有し、
前記第1ボルト孔と、当該第1ボルト孔を有する前記第1連結部に重ね合わせられる前記第2連結部が有する前記第2ボルト孔とは、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に並ぶ請求項12に記載の配索部材。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の配索部材と、
前記第1管状部材を貫通する少なくとも1つの第1電線と、
前記第2管状部材を貫通する少なくとも1つの第2電線と、
を備えるワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配索部材及びワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に用いられるワイヤハーネスには、高圧バッテリから電力の供給を受ける電気機器同士を電気的に接続するものがある(例えば、特許文献1参照)。ワイヤハーネスは、電気機器同士を電気的に接続する少なくとも1つの電線を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-171952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両は、高圧バッテリに加えて、当該高圧バッテリよりも低い電圧を供給可能な低圧バッテリを備えている。
一般的に、高圧バッテリは、車両の後方寄りの位置に配置されることが多い。そして、高圧バッテリから電力の供給を受ける複数の電気機器は、車両の後方寄りの位置に配置されるものと、車両の前方寄りの位置に配置されるものとがある。車両の後方寄りの位置に配置される電気機器と、車両の前方寄りの位置に配置される電気機器とは、例えば、車両の床下を通るように配索される電線によって電気的に接続される。
【0005】
また、一般的に、低圧バッテリの電力は、ヒューズボックス、ジャンクションボックス、リレーボックス等の電気接続箱を介して電力の分配先となる電気機器に供給される。電気接続箱は、車両の前方寄りの位置に配置されることが多い一方で、低圧バッテリは、車両の後方寄りの位置に配置されることもあれば、車両の前方寄りの位置に配置されることもある。
【0006】
低圧バッテリが車両の後方寄りの位置に配置される場合、低圧バッテリと電気接続箱とを電気的に接続する電線は、車両の室内を通るように配索されることがある。しかしながら、当該電線を車両の室内を通るように配索する場合には、電磁ノイズの問題や、配索スペースの観点から配索が困難であるという問題がある。そのため、高圧バッテリから電力の供給を受ける電気機器同士を電気的に接続する電線に沿わせて、低圧バッテリと電気接続箱とを電気的に接続する電線を、車両の床下を通るように配索することが望まれている。
【0007】
本開示の目的は、高圧バッテリの電力を供給するために使用される電線に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される電線を容易に配索できる配索部材及びワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の配索部材は、第1電線が貫通する第1管状部材を有する第1収容部材と、前記第1電線とは異なる第2電線が貫通する、前記第1管状部材とは異なる第2管状部材を有する第2収容部材と、を備え、前記第1収容部材は、前記第1管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部を有し、前記第2収容部材は、前記第2管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部を有し、前記第2連結部は、前記第1連結部に連結されて前記第2管状部材が前記第1管状部材に沿って配置される状態を前記第1連結部と共に維持する配索部材である。
【0009】
本開示のワイヤハーネスは、上記の配索部材と、前記第1管状部材を貫通する少なくとも1つの第1電線と、前記第2管状部材を貫通する少なくとも1つの第2電線と、を備えるワイヤハーネスである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の配索部材及びワイヤハーネスによれば、高圧バッテリの電力を供給するために使用される電線に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される電線を容易に配索できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態のワイヤハーネス示す概略構成図である。
図2図2は、第1実施形態のワイヤハーネスの一部を模式的に示す平面図である。
図3図3は、第1実施形態のワイヤハーネスを模式的に示す横断面図である。
図4図4は、第2実施形態のワイヤハーネスの一部を模式的に示す平面図である。
図5図5は、第2実施形態のワイヤハーネスを模式的に示す横断面図である。
図6図6は、変更例のワイヤハーネスを模式的に示す横断面図である。
図7図7は、変更例のワイヤハーネスの一部を模式的に示す平面図である。
図8図8は、図7に示す変更例におけるワイヤハーネスを模式的に示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の配索部材は、
[1]第1電線が貫通する第1管状部材を有する第1収容部材と、前記第1電線とは異なる第2電線が貫通する、前記第1管状部材とは異なる第2管状部材を有する第2収容部材と、を備え、前記第1収容部材は、前記第1管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部を有し、前記第2収容部材は、前記第2管状部材と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部を有し、前記第2連結部は、前記第1連結部に連結されて前記第2管状部材が前記第1管状部材に沿って配置される状態を前記第1連結部と共に維持する配索部材である。
【0013】
この構成によれば、第1連結部と第2連結部とを連結することにより、第2管状部材を、第1管状部材に沿わせて容易に配置できる。従って、第2管状部材を貫通する第2電線を、第1管状部材を貫通する第1電線に沿わせて容易に配索できる。例えば、高圧バッテリの電力を供給するために使用される電線(一例は第1電線)に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される電線(一例は第2電線)を容易に配索できる。
【0014】
なお、第2電線を第1電線に沿わせて配索しなくてもよい場合には、第1連結部に第2連結部を連結しなければ、第1収容部材及び第2収容部材のうち第1収容部材のみを使用することも可能である。即ち、第2収容部材を使うか使わないかを選択できる。このため、第2電線を第1電線に沿わせて配索する場合と、必須電線(一例は第1電線)のみを配索する場合との2つの場合において、配索部材を使い分けることが可能である。
【0015】
[2]前記第1管状部材及び前記第2管状部材の各々は、自身の形状を保持可能な剛性を有することが好ましい。
この構成によれば、第1収容部材及び第2収容部材の取り扱いが容易になる。ひいては、配索部材の取り扱いが容易になる。また、第1管状部材及び第2管状部材の各々の強度を、自身の形状を保持可能な剛性を有さない場合に比べて、高めることができる。従って、第1管状部材及び第2管状部材によって、当該配索部材を備えるワイヤハーネスに接触する異物から第1電線及び第2電線を保護しやすい。
【0016】
[3]前記第1管状部材は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状をなし、前記第2管状部材は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状もしくは幅と高さとが等しい四角形状をなし、前記第1管状部材と前記第2管状部材とは、前記第1管状部材の幅方向に並ぶとともに、前記第1管状部材の高さ方向と前記第2管状部材の高さ方向とが平行となるように配置されることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、配索部材が、第1管状部材の高さ方向に大きくなることを抑制できる。
[4]前記第2管状部材は、前記第1管状部材の高さ方向に沿って、前記第1管状部材の高さの範囲内に収まることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第1管状部材の高さ方向において、第2管状部材が第1管状部材の高さの範囲外に配置される部分を有する場合に比べて、配索部材を第1管状部材の高さ方向に薄型化できる。
【0019】
[5]前記第1管状部材の内部空間は、前記第1管状部材の幅方向に沿って前記第1電線を複数並べて配置可能な幅を有することが好ましい。
この構成によれば、第1管状部材を貫通する第1電線が複数ある場合に、第1管状部材の高さ方向に重なるように複数の第1電線が配置される場合に比べて、第1管状部材の高さが高くなることを抑制できる。従って、第1管状部材の高さ方向における配索部材の薄型化により貢献できる。
【0020】
[6]前記第1連結部及び前記第2連結部の各々は、前記第1管状部材の高さ方向に沿って、前記第1管状部材の高さの範囲内に収まるとともに、前記第2管状部材の高さの範囲内に収まることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、配索部材が第1管状部材の高さ方向に大型化されることを抑制できる。
[7]前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向する第2側壁を有し、前記第1連結部及び前記第2連結部の各々は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1側壁と前記第2側壁との間に位置することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第1連結部及び第2連結部の少なくとも一方の形状が複雑になったり、第1連結部及び第2連結部の少なくとも一方が大型化されたりすることを抑制できる。
【0023】
[8]前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向する第2側壁を有し、前記第1連結部と前記第2連結部との連結体は、前記第1管状部材の高さ方向における前記第1側壁の中間部に位置するとともに、前記第2管状部材の高さ方向における前記第2側壁の中間部に位置することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、連結体を中心として、第1管状部材と第2管状部材とが相対的に回動することを抑制できる。従って、第1管状部材及び第2管状部材の少なくとも一方が振動することを抑制できる。
【0025】
[9]前記第1連結部は、前記第1側壁から前記第2側壁に向かって突出し、前記第2連結部は、前記第2側壁から前記第1側壁に向かって突出し、前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記第1管状部材の高さ方向に重ね合わせられることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、第1連結部と第2連結部とを連結する際、第1管状部材の高さ方向に重ね合わせられた第1連結部と第2連結部とを連結すればよい。従って、第1連結部と第2連結部とを容易に連結できる。
【0027】
[10]前記第1連結部は、前記第1管状部材の高さ方向に貫通する第1ボルト孔を有し、前記第2連結部は、前記第2管状部材の高さ方向に貫通する第2ボルト孔を有し、前記第1ボルト孔と、当該第1ボルト孔を有する前記第1連結部に重ね合わせられる前記第2連結部が有する前記第2ボルト孔とは、前記第1管状部材の高さ方向に並ぶことが好ましい。
【0028】
この構成によれば、第1ボルト孔及び第2ボルト孔に通されるボルト及び当該ボルトに嵌められるナットを用いて、第1連結部と第2連結部とをより容易に連結できる。
[11]前記第1管状部材は、前記第1管状部材の幅方向における前記第1管状部材の一端部に第1側壁を有し、前記第2管状部材は、前記第1側壁と対向し且つ前記第1側壁に面接触する第2側壁を有することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、第1管状部材を貫通する第1電線が通電により発熱した場合、第1電線の熱は、第1管状部材に伝達された後、第1側壁から第2管状部材に伝達される。従って、第2管状部材からも第1電線の熱を放熱できるため、配索部材の放熱性を向上できる。
【0030】
[12]前記第1管状部材は、前記第1管状部材の高さ方向における前記第1管状部材の一端部に第1連結側壁を有し、前記第2管状部材は、前記第2管状部材の高さ方向における前記第2管状部材の一端部に第2連結側壁を有し、前記第1連結部は、前記第1連結側壁に一体的に設けられ、前記第2連結部は、前記第2連結側壁に一体的に設けられ、前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記第1管状部材の幅方向もしくは前記第1管状部材の長さ方向に重ね合わせられることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、第1連結部と第2連結部とを連結する際、第1管状部材の幅方向もしくは第1管状部材の長さ方向に重ね合わせられた第1連結部と第2連結部とを連結すればよい。従って、第1連結部と第2連結部とを容易に連結できる。
【0032】
[13]前記第1連結部は、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に前記第1連結部を貫通する第1ボルト孔を有し、前記第2連結部は、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に前記第2連結部を貫通する第2ボルト孔を有し、前記第1ボルト孔と、当該第1ボルト孔を有する前記第1連結部に重ね合わせられる前記第2連結部が有する前記第2ボルト孔とは、前記第1連結部と前記第2連結部とが重なる方向に並ぶことが好ましい。
【0033】
この構成によれば、第1ボルト孔及び第2ボルト孔に通されるボルト及び当該ボルトに嵌められるナットを用いて、第1連結部と第2連結部とをより容易に連結できる。
本開示のワイヤハーネスは、
[14]上記の配索部材と、前記第1管状部材を貫通する少なくとも1つの第1電線と、前記第2管状部材を貫通する少なくとも1つの第2電線と、を備えるワイヤハーネスである。
【0034】
この構成によれば、上記の配索部材と同様の作用効果を奏することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配索部材及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。本明細書における「平行」は、厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行の場合も含まれる。また、本明細書における「直交」は、厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書における「垂直」は、厳密に垂直な場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね垂直な場合も含まれる。また、図面において、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0035】
<第1実施形態>
以下、配索部材及びワイヤハーネスの第1実施形態について説明する。
(ワイヤハーネス10の構成)
図1に示すように、ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両Vに搭載される。ワイヤハーネス10は、2個以上の電気機器M1,M2,M3,M4を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、その長さ方向の一部が車両Vの床下を通る態様で配索される。
【0036】
図2に示すように、ワイヤハーネス10は、少なくとも1つの第1電線20と、第1電線20とは異なる少なくとも1つの第2電線30と、配索部材40とを備える。ワイヤハーネス10は、例えば、第1電線20aと第1電線20bとの2本の第1電線20を備える。また、ワイヤハーネス10は、例えば、1つの第2電線30を備える。
【0037】
(第1電線20の構成)
図3に示すように、第1電線20a及び第1電線20bの各々は、導電性を有する芯線21と、芯線21の外周を被覆する絶縁被覆22とを有する。なお、図3は、図2における3-3断面図である。
【0038】
芯線21としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や、内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。また、芯線21として、例えば、撚線、柱状導体、筒状導体のうちの少なくとも2つを組み合わせたものを用いてもよい。芯線21の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
【0039】
第1電線20a,20bの各々において、絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周を全周にわたって被覆する筒状をなす。絶縁被覆22は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成される。
【0040】
第1電線20a,20bの各々の横断面における外形は、例えば、幅よりも高さが低い扁平な四角形状をなす。例えば、第1電線20aの横断面における外形と、第1電線20bの横断面における外形とは、同じ形状、かつ、同じ大きさである。なお、第1電線20a,20bの各々の横断面における外形は、幅よりも高さが低い四角形状以外の四角形状、四角形状以外の多角形状、円形状、楕円形状、角丸長方形状、その他の任意の形状のうちのいずれかの形状であってもよい。
【0041】
第1電線20aと第1電線20bとは、同じ種類の電線であってもよいし、異なる種類の電線であってもよい。例えば、第1電線20aと第1電線20bとは、同じ種類の電線である。第1電線20a,20bの各々は、例えば、自身に電磁シールド構造を有するシールド電線であってもよいし、自身に電磁シールド構造を有さないノンシールド電線であってもよい。例えば、第1電線20a,20bの各々は、ノンシールド電線である。
【0042】
図1に示すように、第1電線20a,20bの各々の一端部は、電気機器M1に接続されるとともに、第1電線20a,20bの各々の他端部は、電気機器M2に接続される。電気機器M1は、例えば、車両Vの後方寄りに設けられるインバータである。電気機器M1は、例えば、車両Vのトランクルームの近傍に配置されている。電気機器M2は、例えば、電気機器M1よりも車両Vの前方に設けられるモータである。このモータは、車両走行の動力現となる車輪駆動用のモータである。電気機器M2は、例えば、車両Vのエンジンルームに配置されている。なお、車両Vの後方寄りには、例えば、電気機器M1の近傍となる位置に電気機器M5が配置されている。電気機器M5は、例えば、車両Vのトランクルームの近傍に配置されている。電気機器M5は、例えば、百ボルト以上の電圧を供給可能な高圧バッテリである。電気機器M1は、電気機器M5に電気的に接続されている。
【0043】
(第2電線30の構成)
図3に示すように、第2電線30は、導電性を有する芯線31と、芯線21の外周を被覆する絶縁被覆32とを有する。
【0044】
芯線31としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や、内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。また、芯線31として、例えば、撚線、柱状導体、筒状導体のうちの少なくとも2つを組み合わせたものを用いてもよい。芯線31の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
【0045】
絶縁被覆32は、例えば、芯線31の外周を全周にわたって被覆する筒状をなす。絶縁被覆32は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成される。
第2電線30の横断面における外形は、例えば、幅よりも高さが低い扁平な四角形状をなす。なお、第2電線30の横断面における外形は、幅よりも高さが低い四角形状以外の四角形状、四角形状以外の多角形状、円形状、楕円形状、角丸長方形状、その他の任意の形状のうちのいずれかの形状であってもよい。第2電線30は、例えば、第1電線20a,20bの各々よりも細い。即ち、第2電線30の横断面における外形は、例えば、第1電線20a,20bの各々における外形よりも小さい。
【0046】
第2電線30は、例えば、自身に電磁シールド構造を有するシールド電線であってもよいし、自身に電磁シールド構造を有さないノンシールド電線であってもよい。例えば、第2電線30は、ノンシールド電線である。
【0047】
図1に示すように、第2電線30の一端部は、電気機器M3に接続されるとともに、第2電線30の他端部は、電気機器M4に接続される。電気機器M3は、例えば、車両Vの後方寄りに設けられる低圧バッテリである。低圧バッテリは、高圧バッテリよりも低い電圧(例えば12ボルトの電圧)を供給可能なバッテリである。電気機器M3は、例えば、車両Vのトランクルームの近傍に配置されている。電気機器M4は、例えば、電気機器M3よりも車両Vの前方に設けられる電気接続箱である。電気接続箱としては、例えば、リレーボックス、ヒューズボックス、ジャンクションボックスなどが挙げられる。電気機器M4は、例えば、車両Vのエンジンルームに配置されている。
【0048】
(配索部材40の構成)
図2及び図3に示すように、配索部材40は、第1収容部材41と、第2収容部材51と、を備える。
【0049】
(第1収容部材41の構成)
第1収容部材41は、第1管状部材42と、第1管状部材42と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43とを有する。
【0050】
第1管状部材42は、管状をなしている。第1管状部材42は、例えば、金属製のパイプにより構成されている。第1管状部材42の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金のうちのいずれかを用いることができる。なお、第1管状部材42の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金以外の金属材料であってもよい。第1管状部材42は、例えば、自身の形状を保持可能な剛性を有する。
【0051】
ここで、第1管状部材42の中心軸X1に沿った一方向を第1管状部材42の長さ方向X11とする。また、図中には、中心軸X1と直交する第1軸Y1と、中心軸X1と直交し且つ第1軸Y1と直交する第2軸Z1を図示している。第1軸Y1に沿った一方向を第1管状部材42の幅方向Y11とする。更に、第2軸Z1に沿った一方向を第1管状部材42の高さ方向Z11とする。幅方向Y11は、長さ方向X11と垂直な方向である。高さ方向Z11は、長さ方向X11と垂直、且つ、幅方向Y11と垂直な方向である。
【0052】
第1管状部材42は、例えば、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状をなす。なお、この説明で使用される「四角形状」という用語は、尖った角を有する四角形だけでなく、丸い角を有する四角形を指すことがある。第1管状部材42の横断面は、中心軸X1と垂直な断面である。また、第1管状部材42の幅は、幅方向Y11における第1管状部材42の長さである。第1管状部材42の高さは、高さ方向Z11における第1管状部材42の長さである。
【0053】
第1管状部材42を、第1電線20a及び第1電線20bが貫通する。第1電線20a,20bの各々の長さ方向の一部は、第1管状部材42の内部に収容される。第1管状部材42の内部空間S1は、例えば、幅方向Y11に沿って第1電線20を複数並べて配置可能な幅を有する。例えば、内部空間S1は、幅方向Y11に沿って、第1電線20aと第1電線20bとを並べて配置可能な幅W1を有する。第1電線20aは、例えば、同第1電線20aの高さ方向が、第1管状部材42の高さ方向Z11に沿うように第1管状部材42の内側に配置される。同様に、第1電線20bは、例えば、同第1電線20bの高さ方向が、第1管状部材42の高さ方向Z11に沿うように第1管状部材42の内側に配置される。このため、第1管状部材42を貫通する第1電線20a,20bの各々は、ワイヤハーネス10の横断面においては、高さ方向Z11に薄く、且つ、幅方向Y11に広い。
【0054】
第1管状部材42は、例えば、4つの側壁42a,42b,42c,42dを有する。4つの側壁42a~42dのうち2つの側壁42a,42bは、幅方向Y11における第1管状部材42の両端に位置する。残りの2つの側壁42c,42dは、高さ方向Z11における第1管状部材42の両端に位置する。側壁42cは、高さ方向Z11における側壁42aの端部と高さ方向Z11における側壁42bの端部とを連結する。側壁42dは、高さ方向Z11と反対方向における側壁42aの端部と高さ方向Z11と反対方向における側壁42bの端部とを連結する。第1管状部材42は、幅方向Y11における第1管状部材42の一端部に側壁42aを有する。なお、側壁42aは、「第1側壁」に該当する。幅方向Y11における第1管状部材42の両端の2つの側壁42a,42bのうち、側壁42aは、側壁42bよりも幅方向Y11の後方寄りに位置する側壁である。側壁42aは、例えば、幅方向Y11と垂直な平板状をなす。
【0055】
第1収容部材41は、例えば、側壁42aに一体的に設けられる複数の第1連結部43を有する。第1連結部43は、例えば、第1管状部材42において、長さ方向X11に沿って数十cm間隔(例えば、50~100cm間隔)となる複数箇所に設けられる。
【0056】
第1連結部43の各々は、例えば、側壁42aから、第1軸Y1に沿って幅方向Y11と反対方向に突出する。第1連結部43の各々は、例えば、高さ方向Z11と垂直な平板状をなす。第1連結部43の各々は、例えば、第1合わせ面43aを有する。第1合わせ面43aは、例えば、第1連結部43における高さ方向Z11の両端面のうち、高さ方向Z11の後方寄りに位置する面である。第1合わせ面43aは、高さ方向Z11における側壁42aの中間に位置する。第1合わせ面43aは、例えば、高さ方向Z11と垂直な平面状をなす。
【0057】
第1連結部43の各々は、高さ方向Z11に貫通する第1ボルト孔44を有していてもよい。
第1収容部材41は、例えば、長さ方向X11における第1管状部材42の少なくとも一部が車両Vの床下を通る態様で配索される。このため、第1管状部材42を貫通する第1電線20a及び第1電線20bの各々は、例えば、その長さ方向の一部が車両Vの床下を通る態様で配索される。また、第1管状部材42は、例えば、高さ方向Z11が車両Vの上下方向に沿うように車両Vに取り付けられる。
【0058】
(第2収容部材51の構成)
第2収容部材51は、第1管状部材42とは異なる第2管状部材52と、第2管状部材52と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53とを有する。
【0059】
第2管状部材52は、管状をなしている。第2管状部材52は、例えば、金属製のパイプにより構成されている。第2管状部材52の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金のうちのいずれかを用いることができる。なお、第2管状部材52の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金以外の金属材料であってもよい。第2管状部材52は、例えば、自身の形状を保持可能な剛性を有する。
【0060】
ここで、第2管状部材52の中心軸X2に沿った一方向を第2管状部材52の長さ方向X21とする。また、図中には、中心軸X2と直交する第1軸Y2と、中心軸X2と直交し且つ第1軸Y2と直交する第2軸Z2を図示している。第1軸Y2に沿った一方向を第2管状部材52の幅方向Y21とする。更に、第2軸Z2に沿った一方向を第2管状部材52の高さ方向Z21とする。幅方向Y21は、長さ方向X21と垂直な方向である。高さ方向Z21は、長さ方向X21と垂直、且つ、幅方向Y21と垂直な方向である。
【0061】
第2管状部材52は、例えば、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状もしくは幅と高さとが等しい四角形状をなす。第2管状部材52は、例えば、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状をなす。なお、第2管状部材52の幅は、幅方向Y21における第2管状部材52の長さである。第2管状部材52の高さは、高さ方向Z21における第2管状部材52の長さである。なお、第2管状部材52の高さは、例えば、第1管状部材42の高さと等しい。また、第2管状部材52の幅は、例えば、第1管状部材42の幅よりも狭い。
【0062】
第2管状部材52を、第2電線30が貫通する。第2電線30の長さ方向の一部は、第2管状部材52の内部に収容される。第2電線30は、例えば、同第2電線30の高さ方向が、第2管状部材52の高さ方向Z21に沿うように第2管状部材52の内側に配置される。このため、第2管状部材52を貫通する第2電線30は、ワイヤハーネス10の横断面においては、高さ方向Z21に薄く、且つ、幅方向Y21に広い。
【0063】
第2管状部材52は、例えば、4つの側壁52a,52b,52c,52dを有する。4つの側壁52a~52dのうち2つの側壁52a,52bは、幅方向Y21における第2管状部材52の両端に位置する。残りの2つの側壁52c,52dは、高さ方向Z21における第2管状部材52の両端に位置する。側壁52cは、高さ方向Z21における側壁52aの端部と高さ方向Z21における側壁52bの端部とを連結する。側壁52dは、高さ方向Z21と反対方向における側壁52aの端部と高さ方向Z21と反対方向における側壁52bの端部とを連結する。なお、側壁52bは、「第2側壁」に該当する。幅方向Y21における第2管状部材52の両端の2つの側壁52a,52bのうち、側壁52bは、側壁52aよりも幅方向Y21の前方寄りに位置する側壁である。側壁52bは、例えば、幅方向Y21と垂直な平板状をなす。
【0064】
第2収容部材51は、例えば、側壁52bに一体的に設けられる複数の第2連結部53を有する。第2収容部材51は、例えば、第1連結部43と同数の第2連結部53を有する。第2連結部53は、例えば、第2管状部材52において、長さ方向X21に沿って数十cm間隔(例えば、50~100cm間隔)となる複数箇所に設けられる。
【0065】
第2連結部53の各々は、例えば、側壁52bから、第1軸Y2に沿って幅方向Y21に突出する。第2連結部53の各々は、例えば、高さ方向Z21と垂直な平板状をなす。第2連結部53の各々は、例えば、第1連結部43と厚さが等しい。第2連結部53の各々は、例えば、第2合わせ面53aを有する。第2合わせ面53aは、例えば、第2連結部53における高さ方向Z21の両端面のうち、高さ方向Z21の前方寄りに位置する面である。第2合わせ面53aは、高さ方向Z21における側壁52bの中間に位置する。第2合わせ面53aは、例えば、高さ方向Z21と垂直な平面状をなす。
【0066】
第2連結部53の各々は、高さ方向Z21に貫通する第2ボルト孔54を有していてもよい。
第2収容部材51は、各第2連結部53が各第1連結部43に連結されることにより、第1収容部材41に連結される。なお、各第1連結部43と各第2連結部53との連結は、第1収容部材41を車両Vに取り付ける前に行われてもよいし、第1収容部材41を車両Vに取り付けた後に行われてもよい。
【0067】
第1管状部材42と第2管状部材52とは、幅方向Y11に並ぶとともに、第1管状部材42の高さ方向Z11と第2管状部材52の高さ方向Z21とが平行となるように配置される。また、例えば、第2収容部材51は、第2管状部材52の側壁52bが第1管状部材42の側壁42aと対向するように配置される。即ち、第2管状部材52は、側壁42aと対向する側壁52bを有していてもよい。側壁42aと側壁52bとは、幅方向Y11に対向する。このため、各第1連結部43は、側壁42aから側壁52bに向かって突出する。また、各第2連結部53は、側壁52bから側壁42aに向かって突出する。
【0068】
各第1連結部43と各第2連結部53とは、例えば、高さ方向Z11に重ね合わせられる。各第2連結部53は、第2合わせ面53aを第1合わせ面43aに当接させて各第1連結部43に重ね合わせられる。そして、第1ボルト孔44と、当該第1ボルト孔44を有する第1連結部43に重ね合わせられる第2連結部53が有する第2ボルト孔54とは、高さ方向Z11に並ぶ。即ち、互いに重ね合わせられた第1連結部43及び第2連結部53においては、第1ボルト孔44と第2ボルト孔54とが互いの貫通方向が同じ方向となる状態で、第1連結部43と第2連結部53とが重なる方向に並ぶ。高さ方向Z11に並ぶ第1ボルト孔44及び第2ボルト孔54には、ボルト61が挿入される。そして、ボルト61と、当該ボルト61に嵌められるナット62とによって、重ね合わせられた第1連結部43と第2連結部53とが連結される。
【0069】
各第2連結部53は、各第1連結部43に連結されて第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を各第1連結部43と共に維持する。第1連結部43及び第2連結部53の各々は、第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を維持できるだけの剛性を有する。
【0070】
各第2連結部53が各第1連結部43に連結されることにより、長さ方向X21における第2管状部材52の少なくとも一部が第1管状部材42に沿って配索される。例えば、第2管状部材52は、車両Vの床下を通る第1管状部材42に沿って、長さ方向X21における第2管状部材52の少なくとも一部が車両Vの床下を通る態様で配索される。そして、第2管状部材52を貫通する第2電線30は、自身の長さ方向における少なくとも一部が第1電線20a,20bに沿って配索される。例えば、第2電線30は、自身の長さ方向の一部が車両Vの床下を通る態様で配索される。また、第1電線20a、第1電線20b及び第2電線30は、例えば、幅方向Y11に沿って一列に並ぶ。
【0071】
第2収容部材51が第1収容部材41に連結されている状態では、第2管状部材52は、例えば、高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まる。このため、第2管状部材52における高さ方向Z21の端面は、高さ方向Z11における位置が、第1管状部材42における高さ方向Z11の端面と同じ位置、もしくは第1管状部材42における高さ方向Z11の端面よりも高さ方向Z11の後方寄りの位置になる。更に、第2管状部材52における高さ方向Z21と反対方向の端面は、高さ方向Z11における位置が、第1管状部材42における高さ方向Z11と反対方向の端面と同じ位置、もしくは第1管状部材42における高さ方向Z11と反対方向の端面よりも高さ方向Z11の前方寄りの位置になる。
【0072】
また、同状態では、例えば、第1連結部43及び第2連結部53の各々は、高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まるとともに、第2管状部材52の高さの範囲A2内に収まる。また、同状態では、例えば、第1連結部43及び第2連結部53の各々は、幅方向Y11における側壁42aと側壁52bとの間に位置する。また、同状態では、例えば、第1連結部43と第2連結部53との連結体63は、高さ方向Z11における側壁42aの中間部に位置するとともに、高さ方向Z21における側壁52bの中間部に位置する。即ち、高さ方向Z11における連結体63の中央と、高さ方向Z11における側壁42aの中央とは、高さ方向Z11における位置が同じであってもよい。また、高さ方向Z21における連結体63の中央と、高さ方向Z21における側壁52bの中央とは、高さ方向Z21における位置が同じであってもよい。なお、高さ方向Z11もしくは高さ方向Z21における連結体63の中央は、例えば、第1合わせ面43a及び第2合わせ面53aに該当する。
【0073】
本実施形態の作用効果について説明する。
(1-1)配索部材40は、第1電線20が貫通する第1管状部材42を有する第1収容部材41と、第1電線20とは異なる第2電線30が貫通する、第1管状部材42とは異なる第2管状部材52を有する第2収容部材51と、を備える。第1収容部材41は、第1管状部材42と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43を有する。第2収容部材51は、第2管状部材52と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53を有する。第2連結部53は、第1連結部43に連結されて第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を第1連結部43と共に維持する。
【0074】
この構成によれば、第1連結部43と第2連結部53とを連結することにより、第2管状部材52を、第1管状部材42に沿わせて容易に配置できる。従って、第2管状部材52を貫通する第2電線30を、第1管状部材42を貫通する第1電線20に沿わせて容易に配索できる。例えば、高圧バッテリの電力を供給するために使用される第1電線20に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される第2電線30を容易に配索できる。
【0075】
なお、例えば、電気機器M3と当該電気機器M3に接続される電気機器M4との両方が、車両Vの前方寄りの場所、例えばエンジンルームに配置される場合には、第2電線30を第1電線20に沿わせて配索しなくてもよい。このように第2電線30を第1電線20に沿わせて配索しなくてもよい場合には、第1連結部43に第2連結部53を連結しなければ、第1収容部材41及び第2収容部材51のうち第1収容部材41のみを使用することも可能である。即ち、第2収容部材51を使うか使わないかを選択できる。このため、第2電線30を第1電線20に沿わせて配索する場合と、必須電線として例えば第1電線20のみを配索する場合との2つの場合において、配索部材40を使い分けることが可能である。
【0076】
(1-2)第1管状部材42及び第2管状部材52の各々は、自身の形状を保持可能な剛性を有する。この構成によれば、第1収容部材41及び第2収容部材51の取り扱いが容易になる。ひいては、配索部材40の取り扱いが容易になる。また、第1管状部材42及び第2管状部材52の各々の強度を、自身の形状を保持可能な剛性を有さない場合に比べて、高めることができる。従って、第1管状部材42及び第2管状部材52によって、当該配索部材40を備えるワイヤハーネス10に接触する異物から第1電線20及び第2電線30を保護しやすい。例えば、第1管状部材42及び第2管状部材52が車両Vの床下を通るように配索される場合には、第1電線20及び第2電線30を飛び石から保護できる。
【0077】
(1-3)第1管状部材42は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状をなす。第2管状部材52は、横断面における外形が幅よりも高さが低い四角形状もしくは幅と高さとが等しい四角形状をなす。第1管状部材42と第2管状部材52とは、第1管状部材42の幅方向Y11に並ぶとともに、第1管状部材42の高さ方向Z11と第2管状部材52の高さ方向Z21とが平行となるように配置される。
【0078】
この構成によれば、配索部材40が、第1管状部材42の高さ方向Z11に大きくなることを抑制できる。従って、高さ方向Z11が車両Vの上下方向に沿うように車両Vの床下に配索部材40を配置することにより、車両Vの上下方向において配索部材40の配置に要するスペースを狭くできる。
【0079】
(1-4)第2管状部材52は、第1管状部材42の高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まる。この構成によれば、高さ方向Z11において、第2管状部材52が第1管状部材42の高さの範囲A1外に配置される部分を有する場合に比べて、配索部材40を高さ方向Z11に薄型化できる。
【0080】
(1-5)第1管状部材42の内部空間S1は、第1管状部材42の幅方向Y11に沿って第1電線20を複数並べて配置可能な幅W1を有する。この構成によれば、第1管状部材42を貫通する第1電線20が複数ある場合に、第1管状部材42の高さ方向Z11に重なるように複数の第1電線20が配置される場合に比べて、第1管状部材42の高さが高くなることを抑制できる。従って、高さ方向Z11における配索部材40の薄型化により貢献できる。
【0081】
(1-6)第1連結部43及び第2連結部53の各々は、第1管状部材42の高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まるとともに、第2管状部材52の高さの範囲A2内に収まる。この構成によれば、配索部材40が高さ方向Z11に大型化されることを抑制できる。
【0082】
(1-7)第1管状部材42は、第1管状部材42の幅方向Y11における第1管状部材42の一端部に側壁42aを有する。第2管状部材52は、側壁42aと対向する側壁52bを有する。第1連結部43及び第2連結部53の各々は、幅方向Y11における側壁42aと側壁52bとの間に位置する。この構成によれば、第1連結部43及び第2連結部53の少なくとも一方の形状が複雑になったり、第1連結部43及び第2連結部53の少なくとも一方が大型化されたりすることを抑制できる。
【0083】
(1-8)第1管状部材42は、第1管状部材42の幅方向Y11における第1管状部材42の一端部に側壁42aを有する。第2管状部材52は、側壁42aと対向する側壁52bを有する。第1連結部43と第2連結部53との連結体63は、高さ方向Z11における側壁42aの中間部に位置するとともに、高さ方向Z21における側壁52aの中間部に位置する。
【0084】
この構成によれば、連結体63を中心として、第1管状部材42と第2管状部材52とが相対的に回動することを抑制できる。従って、第1管状部材42及び第2管状部材52の少なくとも一方が振動することを抑制できる。
【0085】
(1-9)第1連結部43は、側壁42aから側壁52bに向かって突出する。第2連結部53は、側壁52bから側壁42aに向かって突出する。第1連結部43と第2連結部53とは、高さ方向Z11に重ね合わせられる。
【0086】
この構成によれば、第1連結部43と第2連結部53とを連結する際、高さ方向Z11に重ね合わせられた第1連結部43と第2連結部53とを連結すればよい。従って、第1連結部43と第2連結部53とを容易に連結できる。
【0087】
(1-10)第1連結部43は、高さ方向Z11に貫通する第1ボルト孔44を有する。第2連結部53は、高さ方向Z21に貫通する第2ボルト孔54を有する。第1ボルト孔44と、当該第1ボルト孔44を有する第1連結部43に重ね合わせられる第2連結部53が有する第2ボルト孔54とは、高さ方向Z11に並ぶ。
【0088】
この構成によれば、第1ボルト孔44及び第2ボルト孔54に通されるボルト61及び当該ボルト61に嵌められるナット62を用いて、第1連結部43と第2連結部53とをより容易に連結できる。
【0089】
(1-11)ワイヤハーネス10は、配索部材40と、第1管状部材42を貫通する少なくとも1つの第1電線20と、第2管状部材52を貫通する少なくとも1つの第2電線30と、を備える。
【0090】
この構成によれば、第1連結部43と第2連結部53と連結することにより、第2管状部材52を貫通する第2電線30を、第1管状部材42を貫通する第1電線20に沿わせて容易に配索できる。即ち、高圧バッテリの電力を供給するために使用される第1電線20に沿わせて、低圧バッテリの電力を供給にするために使用される第2電線30を容易に配索できる。
【0091】
<第2実施形態>
以下、配索部材及びワイヤハーネスの第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0092】
(ワイヤハーネス10Aの構成)
図4及び図5に示すように、本第2実施形態のワイヤハーネス10Aは、上記第1実施形態の配索部材40に代えて、配索部材40Aを備える。なお、図5は、図4における5-5断面図である。
【0093】
(配索部材40Aの構成)
配索部材40Aは、第1収容部材41Aと、第2収容部材51Aと、を備える。
(第1収容部材41Aの構成)
第1収容部材41Aは、上記第1実施形態の第1収容部材41と同様の態様で車両Vに配索される。第1収容部材41Aは、上記第1実施形態の第1管状部材42と、第1管状部材42と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43Aとを有する。
【0094】
第1管状部材42は、高さ方向Z11における第1管状部材42の一端部に側壁42cを有する。なお、側壁42cは、「第1連結側壁」に該当する。高さ方向Z11における第1管状部材42の両端の2つの側壁42c,42dのうち、側壁42cは、側壁42dよりも高さ方向Z11の前方寄りに位置する側壁である。また、側壁42aは、「第1側壁」に該当する。
【0095】
第1収容部材41Aは、例えば、第1連結部43Aを複数有する。第1連結部43Aは、例えば、第1管状部材42において、長さ方向X11に沿って数十cm間隔(例えば、50~100cm間隔)となる複数箇所に設けられる。第1連結部43Aの各々は、例えば、側壁42cに一体的に設けられる。第1連結部43Aの各々は、例えば、高さ方向Z11と反対方向の側壁42cの端部領域から、高さ方向Z11に突出する。第1連結部43Aの各々は、例えば、幅方向Y11と垂直な平板状をなす。第1連結部43Aの各々は、幅方向Y11に貫通する第1ボルト孔44Aを有していてもよい。
【0096】
(第2収容部材51Aの構成)
第2収容部材51Aは、上記第1実施形態の第2管状部材52と、第2管状部材52と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53Aとを有する。
【0097】
第2管状部材52は、高さ方向Z21における第2管状部材52の一端部に側壁52cを有する。側壁52cは、「第2連結側壁」に該当する。高さ方向Z21における第2管状部材52の両端の2つの側壁52c,52dのうち、側壁52cは、側壁52dよりも高さ方向Z21の前方寄りに位置する側壁である。また、側壁52bは、「第2側壁」に該当する。
【0098】
第2収容部材51Aは、例えば、第2連結部53Aを複数有する。各第2連結部53Aは、各第1連結部43Aと幅方向Y11に重なる位置に設けられる。第2連結部53Aは、例えば、第2管状部材52において、長さ方向X21に沿って数十cm間隔(例えば、50~100cm間隔)となる複数箇所に設けられる。第2連結部53Aの各々は、例えば、側壁52cに一体的に設けられる。第2連結部53Aの各々は、例えば、高さ方向Z21の側壁42cの端部領域から、高さ方向Z21に突出する。第2連結部53Aの各々は、例えば、幅方向Y21と垂直な平板状をなす。第2連結部53Aの各々は、幅方向Y21に貫通する第2ボルト孔54Aを有していてもよい。
【0099】
第2収容部材51Aは、各第2連結部53Aが各第1連結部43Aに連結されることにより、第1収容部材41Aに連結される。なお、各第1連結部43Aと各第2連結部53Aとの連結は、第1収容部材41Aを車両Vに取り付ける前に行われてもよいし、第1収容部材41Aを車両Vに取り付けた後に行われてもよい。
【0100】
第1管状部材42と第2管状部材52とは、幅方向Y11に並ぶとともに、第1管状部材42の高さ方向Z11と第2管状部材52の高さ方向Z21とが平行となるように配置される。このため、第2管状部材52の幅方向Y21は、第1管状部材42の幅方向Y11と同じ方向になる。また、例えば、第2収容部材51は、第2管状部材52の側壁52bが第1管状部材42の側壁42aと対向し且つ面接触するように配置される。即ち、第2管状部材52は、側壁42aと対向し且つ側壁42aに面接触する側壁52bを有していてもよい。
【0101】
各第1連結部43Aと各第2連結部53Aとは、例えば、幅方向Y11に重ね合わせられる。各第2連結部53Aは、例えば、各第1連結部43Aに当接するように各第1連結部43に重ね合わせられる。各第1ボルト孔44Aは、各第1連結部43Aを幅方向Y11に貫通するため、各第1連結部43Aは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に第1連結部43Aを貫通する第1ボルト孔44Aを有する。また、各第2ボルト孔54Aは、各第2連結部53Aを幅方向Y21に貫通するため、各第2連結部53Aは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に第2連結部53Aを貫通する第2ボルト孔54Aを有する。そして、第1ボルト孔44Aと、当該第1ボルト孔44A有する第1連結部43Aに重ね合わせられる第2連結部53Aが有する第2ボルト孔54Aとは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に並ぶ。即ち、互いに重ね合わせられた第1連結部43A及び第2連結部53Aにおいては、第1ボルト孔44Aと第2ボルト孔54Aとが互いの貫通方向が同じ方向となる状態で、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に並ぶ。例えば、第1ボルト孔44Aと、当該第1ボルト孔44Aを有する第1連結部43Aに重ね合わせられる第2連結部53Aが有する第2ボルト孔54Aとは、幅方向Y11に並ぶ。幅方向Y11に並ぶ第1ボルト孔44及び第2ボルト孔54には、ボルト61が挿入される。そして、ボルト61と、当該ボルト61に嵌められるナット62とによって、重ね合わせられた第1連結部43Aと第2連結部53Aとが連結される。
【0102】
各第2連結部53Aは、各第1連結部43Aに連結されて第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を各第1連結部43Aと共に維持する。第1連結部43A及び第2連結部53Aの各々は、第2管状部材52が第1管状部材42に沿って配置される状態を維持できるだけの剛性を有する。各第2連結部53Aが各第1連結部43Aに連結されることにより、長さ方向X21における第2管状部材52の少なくとも一部が第1管状部材42に沿って配索される。
【0103】
第2収容部材51が第1収容部材41に連結されている状態では、第2管状部材52は、例えば、高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まる。また、同状態では、例えば、第1連結部43A及び第2連結部53Aの各々は、高さ方向Z11に沿って、第1管状部材42の高さの範囲A1の外に配置される部分を有する。
【0104】
本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)~(1-5),(1-11)の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
(2-1)第1管状部材42は、第1管状部材42の幅方向Y11における第1管状部材42の一端部に側壁42aを有する。第2管状部材52は、側壁42aと対向し且つ側壁42aに面接触する側壁52bを有する。
【0105】
この構成によれば、第1管状部材42を貫通する第1電線20が通電により発熱した場合、第1電線20の熱は、第1管状部材42に伝達された後、側壁42aから第2管状部材52に伝達される。従って、第2管状部材52からも第1電線20の熱を放熱できるため、配索部材40Aの放熱性を向上できる。
【0106】
(2-2)第1管状部材42は、第1管状部材42の高さ方向Z11における第1管状部材42の一端部に側壁42cを有する。第2管状部材52は、第2管状部材52の高さ方向Z21における第2管状部材52の一端部に側壁52cを有する。第1連結部43Aは、側壁42cに一体的に設けられる。第2連結部53Aは、側壁52cに一体的に設けられる。第1連結部43Aと第2連結部53Aとは、第1管状部材42の幅方向Y11に重ね合わせられる。
【0107】
この構成によれば、第1連結部43Aと第2連結部53Aとを連結する際、幅方向Y11に重ね合わせられた第1連結部43Aと第2連結部53Aとを連結すればよい。従って、第1連結部43Aと第2連結部53Aとを容易に連結できる。
【0108】
(2-3)第1連結部43Aは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に第1連結部43Aを貫通する第1ボルト孔44Aを有する。第2連結部53Aは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に第2連結部53Aを貫通する第2ボルト孔54Aを有する。第1ボルト孔44Aと、当該第1ボルト孔44Aを有する第1連結部43Aに重ね合わせられる第2連結部53Aが有する第2ボルト孔54Aとは、第1連結部43Aと第2連結部53Aとが重なる方向に並ぶ。この構成によれば、第1ボルト孔44A及び第2ボルト孔54Aに通されるボルト61及び当該ボルト61に嵌められるナット62を用いて、第1連結部43Aと第2連結部53Aとをより容易に連結できる。
【0109】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第2実施形態において、第1収容部材41Aは、側壁42dに一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43Aを更に有していてもよい。当該第1連結部43Aは、例えば、側壁42dにおける高さ方向Z11と反対方向の端部領域から、高さ方向Z11と反対方向に突出する。また、第2収容部材51Aは、側壁52dに一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53Aを更に有していてもよい。当該第2連結部53Aは、例えば、側壁42cにおける高さ方向Z21の端部領域から、高さ方向Z21と反対方向に突出する。このようにすると、高さ方向Z11に突出する第1連結部43A及び第2連結部53A同士を連結するとともに、高さ方向Z11と反対方向に突出する第1連結部43A及び第2連結部53A同士を連結することにより、第2収容部材51を第1収容部材41に連結できる。
【0110】
・上記第2実施形態において、第1連結部43Aと第2連結部53Aとは、長さ方向X11に重ね合わせられてもよい。この場合、第1ボルト孔44Aは、第1連結部43Aを長さ方向X11に貫通する。更に、第2ボルト孔54Aは、第2連結部53Aを長さ方向X21に貫通する。このようにしても、上記第2実施形態の(2-3)と同様の作用効果を奏することができる。
【0111】
・上記第1実施形態において、第1連結部43と第2連結部53とは、長さ方向X11に重ね合わせられてもよい。この場合、第1連結部43及び第2連結部53の各々は、例えば、長さ方向X11と垂直な平板状をなす。そして、第1ボルト孔44は、第1連結部43を長さ方向X11に貫通する。更に、第2ボルト孔54は、第2連結部53を長さ方向X21に貫通する。
【0112】
・上記第2実施形態において、側壁42aと側壁52bとは、必ずしも面接触していなくてもよい。
・上記第1実施形態では、連結体63は、高さ方向Z11における側壁42aの中間部に位置するとともに、高さ方向Z21における側壁52bの中間部に位置する。しかしながら、高さ方向Z11における連結体63の位置は、上記第1実施形態の位置に限らない。
【0113】
例えば、図6に例示するワイヤハーネス10Bは、連結体63を有する。なお、図6では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付している。連結体63は、高さ方向Z11における連結体63の位置が上記第1実施形態と異なる。第1連結部43は、側壁42aにおける高さ方向Z11の端部領域から第1軸Y1に沿って側壁52bに向かって突出する。第2連結部53は、側壁52bにおける高さ方向Z21の端部領域に位置する。
【0114】
車両Vは、車体パネル100を有する。第1連結部43と第2連結部53とは、例えば、車体パネル100とともにボルト61及びナット62により連結される。この場合、ボルト61は、例えばスタッドボルトであってもよい。そして、第1連結部43と第2連結部53との連結体63は、側壁42aにおける高さ方向Z11の端部領域に位置するとともに、側壁52bの端部領域に位置する。
【0115】
このようにすると、車両Vへのワイヤハーネス10Bの取り付けと、第1収容部材41への第2収容部材51の連結とを同時に行うことができる。
・第1連結部43は、側壁42bもしくは側壁42dに設けられてもよい。また、第2連結部53は、側壁52aもしくは側壁52dに設けられてもよい。
【0116】
・第1連結部43、第2連結部53、第1連結部43A、及び第2連結部53Aの各々の形状は、板状に限らない。板状以外の立体形状であってもよい。
・上記第1実施形態において、第1連結部43と第2連結部53とは、必ずしもボルト61及びナット62により連結されなくてもよい。第1連結部43と第2連結部53とは、例えば、固定用のピンにより連結されてもよい。上記第2実施形態の第1連結部43A及び第2連結部53Aについても同様である。
【0117】
例えば、図7及び図8に例示するワイヤハーネス10Cは、上記第1実施形態の配索部材40に代えて、配索部材40Cを備える。なお、図7及び図8では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付している。図8は、図7における8-8断面図である。配索部材40Cは、第1収容部材41Cと、第2収容部材51Cと、を備える。第1収容部材41Cは、上記第1実施形態の第1管状部材42と、第1管状部材42と一体的に設けられる少なくとも1つの第1連結部43Cとを有する。第2収容部材51Cは、上記第1実施形態の第2管状部材52と、第2管状部材52と一体的に設けられる少なくとも1つの第2連結部53Cとを有する。
【0118】
第1連結部43Cは、側壁42aに幅方向Y11に凹む複数の連結凹部71を有する。複数の連結凹部71は、長さ方向X11に間隔を開けて並ぶ。各連結凹部71における長さ方向X11の両端面は、長さ方向X11もしくは長さ方向X11と反対方向に凹む嵌合凹部72を有する。
【0119】
第2連結部53Cは、連結凹部71に挿入される複数の連結凸部81を有する。各連結凹部71は、側壁52bから高さ方向Z21に突出する。複数の連結凸部81は、長さ方向X21に間隔を開けて並ぶ。各連結凸部81は、長さ方向X21における両端面に、長さ方向X21と反対方向もしくは長さ方向X21に突出する嵌合凸部82を有する。第2連結部53Cは、各嵌合凹部72に各嵌合凸部82を嵌め込みながら、各連結凸部81が各連結凹部71に差し込まれることにより、第1連結部43Cに連結される。
【0120】
・上記第1実施形態において、第1連結部43及び第2連結部53の各々は、高さ方向Z11において、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まらなくてもよい。第1連結部43及び第2連結部53の各々は、高さ方向Z11において、第2管状部材52の高さの範囲A2内に収まらなくてもよい。
【0121】
・第1管状部材42の内部空間S1は、幅方向Y11に沿って第1電線20を複数並べて配置可能な幅W1を有していなくてもよい。内部空間S1は、例えば、高さ方向Z11に沿って第1電線20を複数並べて配置可能な幅を有していてもよい。
【0122】
・第2管状部材52は、高さ方向Z11において、第1管状部材42の高さの範囲A1内に収まらなくてもよい。例えば、第2管状部材52は、高さ方向Z11において、第1管状部材42の高さの範囲A1の外に配置される部分を有していてもよい。
【0123】
・第2管状部材52の高さは、第1管状部材42の高さよりも高くてもよい。第2管状部材52の幅は、第1管状部材42の幅よりも広くてもよい。
・上記各実施形態では、第1管状部材42と第2管状部材52とは、幅方向Y11に並ぶとともに、第1管状部材42の高さ方向Z11と第2管状部材52の高さ方向Z21とが平行となるように配置される。しかしながら、第1管状部材42と第2管状部材52との位置関係は、長さ方向X21における第2管状部材52の少なくとも一部が第1管状部材42に沿って配置されるのであれば、これに限らない。例えば、第1管状部材42と第2管状部材52とは、高さ方向Z11に並ぶとともに、第1管状部材42の幅方向Y11と第2管状部材52の幅方向Y21とが平行となるように配置されてもよい。また例えば、第2管状部材52は、例えば、第1管状部材42に対して高さ方向Z11にずれるとともに、且つ幅方向Y11にずれた位置に配置されてもよい。また例えば、第1管状部材42と第2管状部材52とは、高さ方向Z11と高さ方向Z21とが交差するように配置されてもよい。
【0124】
・第1管状部材42は、横断面における外形が幅と高さとが等しい四角形状をなしていてもよい。また、第1管状部材42は、横断面における外形が、四角形状以外の多角形状、円形状、楕円形状、角丸長方形状、その他の任意の形状のうちのいずれかの形状であってもよい。同様に、第1管状部材42は、横断面における外形が、四角形状以外の多角形状、円形状、楕円形状、角丸長方形状、その他の任意の形状のうちのいずれかの形状であってもよい。
【0125】
・上記各実施形態では、第1管状部材42及び第2管状部材52の各々は、自身の形状を保持可能な剛性を有していなくてもよい。
・上記第1実施形態において、長さ方向X11と反対方向を、第1管状部材42の長さ方向としてもよい。また、幅方向Y11と反対方向を、第1管状部材42の幅方向としてもよい。また、高さ方向Z11と反対方向を、第1管状部材42の高さ方向としてもよい。長さ方向X21と反対方向を、第2管状部材52の長さ方向としてもよい。また、幅方向Y21と反対方向を、第2管状部材52の幅方向としてもよい。また、高さ方向Z21と反対方向を、第2管状部材52の高さ方向としてもよい。上記第2実施形態においても同様に変更してもよい。
【0126】
・上記第1実施形態では、ワイヤハーネス10は、第1電線20を2つ、第2電線30を1つ備える。しかしながら、ワイヤハーネス10が備える第1電線20の数は、1つもしくは3つ以上であってもよい。また、ワイヤハーネス10が備える第2電線30の数は、複数であってもよい。上記第2実施形態においても同様に変更してもよい。
【0127】
・車両Vにおける電気機器M1と電気機器M2との配置関係は、逆であってもよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
10,10A,10B,10C ワイヤハーネス
20,20a,20b 第1電線
21 芯線
22 絶縁被覆
30 第2電線
31 芯線
32 絶縁被覆
40,40A,40C 配索部材
41,41A,41C 第1収容部材
42 第1管状部材
42a 側壁(第1側壁)
42b 側壁
42c 側壁(第2実施形態において、第1連結側壁)
42d 側壁
43,43A,43C 第1連結部
43a 第1合わせ面
44,44A 第1ボルト孔
51,51A,51C 第2収容部材
52 第2管状部材
52a 側壁
52b 側壁(第2側壁)
52c 側壁(第2実施形態において、第2連結側壁)
52d 側壁
53,53A,53C 第2連結部
53a 第2合わせ面
54,54A 第2ボルト孔
61 ボルト
62 ナット
63 連結体
71 連結凹部
72 嵌合凹部
81 連結凸部
82 嵌合凸部
100 車体パネル
A1 範囲
A2 範囲
S1 内部空間
M1,M2,M3,M4,M5 電気機器
V 車両
W1 幅
X1 中心軸
Y1 第1軸
Z1 第2軸
X11 長さ方向
Y11 幅方向
Z11 高さ方向
X2 中心軸
Y2 第1軸
Z2 第2軸
X21 長さ方向
Y21 幅方向
Z21 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8