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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007038
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】鏡ユニット及び鏡ユニットの設置方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/02 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A47G1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109996
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】井口 隆磨
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111AB06
(57)【要約】
【課題】支持体に対して鏡体を左右方向に容易に位置合せできる技術を提供する。
【解決手段】鏡12を有する鏡体70と、壁に取り付けられ、鏡体70を下側から支持する支持体72と、支持体72上に鏡体70を載せようとするときに、支持体72に対して鏡体70を左右方向にガイド可能なガイド構造74A、74Bと、を備える鏡ユニットである。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡を有する鏡体と、
壁に取り付けられ、前記鏡体を下側から支持する支持体と、
前記支持体上に前記鏡体を載せようとするときに、前記支持体に対して前記鏡体を左右方向にガイド可能なガイド構造と、を備える鏡ユニット。
【請求項2】
前記ガイド構造は、
前記鏡体及び前記支持体の一方に設けられ、下側に向かうに連れて左右方向の片側であるガイド方向に延びるガイド面と、
前記鏡体及び前記支持体の他方に設けられ、前記鏡体をガイドするときに前記ガイド面に接触する接触部と、を備える請求項1に記載の鏡ユニット。
【請求項3】
前記ガイド面は、下側に向かって前記ガイド方向に直線状に延びる平面状をなす請求項2に記載の鏡ユニット。
【請求項4】
前記ガイド構造は、正面から見て、前記鏡によって隠れている請求項1から3のいずれかに記載の鏡ユニット。
【請求項5】
前記鏡の側辺部を覆い隠す側面フレームを備える請求項1から4のいずれかに記載の鏡ユニット。
【請求項6】
前記側面フレームは、前記鏡に取り付けられることで前記鏡体の一部となり、
前記ガイド構造は、前記支持体に対して前記側面フレームを左右方向にガイド可能である請求項5に記載の鏡ユニット。
【請求項7】
前記側面フレームは、前記鏡の左右両側の側辺部に個別に対応して対となって設けられ、前記支持体上に前記鏡体を載せようとするときに、前記鏡に対して左右方向に相対移動可能に取り付けられる請求項6に記載の鏡ユニット。
【請求項8】
前記支持体は、前記鏡の下辺部を覆い隠す下部フレームであり、
前記鏡は、前記下部フレームから左右方向外側にはみ出すはみ出し部を備え、
前記側面フレームは、前記はみ出し部を覆い隠す請求項5から7のいずれかに記載の鏡ユニット。
【請求項9】
前記支持体と前記側面フレームとの間には水抜き隙間が形成される請求項5から8のいずれかに記載の鏡ユニット。
【請求項10】
請求項5から9のいずれかに記載の鏡ユニットの設置方法であって、
前記鏡体を前記支持体上に載せようとするとき、前記鏡体を、前記ガイド構造によって左右方向にガイドさせる鏡ユニットの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鏡ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、鏡と、壁に取り付けられ、鏡を下側から支持する支持体として機能する下部フレームとを備える鏡ユニットを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-130441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鏡ユニットを設置するとき、支持体に対する鏡の左右方向位置が目的とする納まり位置にあるように、支持体に対して鏡を左右方向に位置合せする必要がある。これは、通常、左右方向にスライド自在に支持体上に鏡を載せた状態で、納まり位置に移動するまで、手動により鏡の左右方向位置を細かく調整することで行われる。このような位置合せを目的とする手動による鏡の位置調整は、慣れを要する作業となり、不慣れな作業者にとっては作業の長時間化の原因となる。これは、鏡そのものの位置合わせを要する場合に限らず、鏡を有する鏡体の位置合わせを要する場合にも共通する問題である。特許文献1の開示技術は、このような問題との関係で特段の工夫を講じておらず、その対策が望まれる。
【0005】
本開示の目的の1つは、支持体に対して鏡体を左右方向に容易に位置合せできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の鏡ユニットは、鏡を有する鏡体と、壁に取り付けられ、前記鏡体を下側から支持する支持体と、前記支持体上に前記鏡体を載せようとするときに、前記支持体に対して前記鏡体を左右方向にガイド可能なガイド構造と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の鏡ユニットの正面図である。
図2】第1実施形態の鏡ユニットの側面断面図である。
図3】第1実施形態の鏡ユニットの平面断面図である。
図4】第1実施形態の鏡ユニットの一部を示す正面断面図である。
図5】第1実施形態の鏡ユニットの背面図である。
図6図4の拡大図である。
図7】第1実施形態の鏡体の組み立て工程の説明図である。
図8】第1実施形態の鏡体の載せ工程の第1説明図である。
図9】第1実施形態の鏡体の載せ工程の第2説明図である。
図10】第1実施形態の鏡体の載せ工程の第3説明図である。
図11】第1実施形態の鏡体の載せ工程の第4説明図である。
図12】第1実施形態の鏡ユニットの一部を示す下面図である。
図13図9と同様の状態にある第2実施形態の鏡ユニットの一部を示す図である。
図14図9と同様の状態にある第3実施形態の鏡ユニットの一部を示す図である。
図15】第4実施形態の鏡ユニットを模式的に示す正面図である。
図16】第4実施形態の鏡体の載せ工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0009】
(第1実施形態)図1を参照する。鏡ユニット10は、鏡12と、複数のフレーム14、16、18とを備える。まず、鏡ユニット10の主な特徴の説明の前に、その周辺構造から先に説明する。
【0010】
本実施形態の鏡ユニット10の浴室の壁20に設置される。本明細書では、鏡ユニット10の設置される壁20を正面から見た水平な奥行き方向を前後方向X、前後方向Xと直交する水平方向を左右方向Y、前後方向Xと直交する鉛直方向を上下方向Zという。同様の視点から見た手前側を前後方向Xの前側とし、奥側を前後方向Xの後側とする。
【0011】
鏡12は、前面を反射面とする。本実施形態の鏡12は、正面視において矩形状をなす。鏡12は、ミラーマット22を介して壁20に取り付けられる。ミラーマット22はクッション材からなり、その前後両面は鏡12及び壁20のそれぞれに接着される。
【0012】
図2図3を参照する。複数のフレーム14、16、18は、鏡12の下辺部12aを覆い隠す下部フレーム14と、鏡12の上辺部12bを覆い隠す上部フレーム16と、鏡12の側辺部12cを覆い隠す側面フレーム18とを含む。側面フレーム18は、鏡12の左右両側の側辺部12cに個別に対応して対となって設けられ、その対応する側辺部12cを覆い隠している。
【0013】
フレーム14、16、18は、例えば、金属、樹脂等によって構成される。フレーム14、16、18は押出成形品等によって構成される長尺材である。フレーム14、16、18は、フレーム14、16、18の後面部を形成する後壁部24と、フレーム14、16、18の外周面部を形成する外周壁部26と、フレーム14、16、18の前面部を形成する前壁部28と、鏡12の辺部12a、12b、12cを収容する溝部30と、を備える。後壁部24及び前壁部28のそれぞれは、外周壁部26から内周側に突出している。ここでの外周側及び内周側とは、下部フレーム14及び上部フレーム16に関しては上下方向Zの外側及び内側をいい、側面フレーム18に関しては左右方向Yの外側及び内側をいう。外周壁部26からの後壁部24の突出寸法は外周壁部26からの前壁部28の突出寸法よりも大きくなる。
【0014】
図2図4図5を参照する。下部フレーム14及び上部フレーム16は、例えば、ねじ部材32を用いて壁20に取り付けられる。下部フレーム14及び上部フレーム16の後壁部24はねじ部材32の軸部を通すための軸穴34を備える。下部フレーム14及び上部フレーム16の後壁部24と鏡12との間には弾性変形可能なクッション材36が配置される。クッション材36は、ねじ部材32の頭部と鏡12との接触を避ける役割を持つ。
【0015】
下部フレーム14の溝部30の底部と鏡12との間には鏡12を下側から支持するスペーサ38が配置される。下部フレーム14は、スペーサ38を介して鏡12を支持することになる。スペーサ38は、下部フレーム14の底部と鏡12との間に間隔を空けることで、表面張力の影響によってこれらの間に水を溜まり難くする役割を持つ。
【0016】
上部フレーム16の軸穴34は、上下方向Zに長い長孔であり、上部フレーム16の上下方向Zでのスライドを許容する。上部フレーム16は、上下方向Zにスライドすることで押さえ位置Pa1と退避位置Pa2との間を移動可能である。上部フレーム16は、押さえ位置Pa1にある場合、鏡12の上辺部12bを壁20側に向けて押さえることで、鏡12を前後方向Yに固定する。このように、上部フレーム16は、鏡12の上辺部12bを押さえる鏡止めとして機能する。上部フレーム16は、押さえ位置Pa1から上方に移動することで退避位置Pa2に位置することができる。上部フレーム16が退避位置Pa2に位置する場合、下部フレーム14上に鏡体70(後述する)を載せようとするときに、上部フレーム16と鏡体70との干渉を避けることができる。
【0017】
図3図4図5を参照する。側面フレーム18は、下部フレーム14及び上部フレーム16とは異なり、ねじ部材32等によって壁20に取り付けられていない。側面フレーム18の後壁部24と鏡12との間には弾性部材40が配置される。弾性部材40は、弾性変形可能なクッション材である。弾性部材40は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコンゴム等のゴムスポンジを用いて構成される。側面フレーム18は、弾性部材40の弾性変形に起因する復元力によって鏡12に取り付けられている。鏡12は、弾性部材40の弾性変形に起因する復元力によって、側面フレーム18の前壁部28に当たった状態で保持される。
【0018】
側面フレーム18は、側面フレーム18の外周壁部26における壁20寄りの箇所に形成される凹部42を備える。側面フレーム18の凹部42にはシリコン、ウレタン等のコーキング材44が充填される。コーキング材44は、側面フレーム18の左右方向Y外側に向かう側面フレーム18の移動を制限する制限部材として機能する。制限部材は、コーキング材44の他にも接着剤等でもよい。
【0019】
図4図5を参照する。鏡ユニット10は、下部フレーム14からの側面フレーム18の脱落を防止する第1爪構造50と、上部フレーム16からの側面フレーム18の脱落を防止する第2爪構造52とを備える。
【0020】
第1爪構造50は、第1弾性爪50aと、第1弾性爪50aを引っ掛ける第1爪掛け部50bとを備える。本実施形態では、第1弾性爪50aは側面フレーム18に設けられ、第1爪掛け部50bは下部フレーム14に設けられる。本実施形態の第1爪掛け部50bは、下部フレーム14に設けられる貫通孔の開口周縁部によって構成される。第1弾性爪50aは、後述のように、下部フレーム14上に鏡体70を載せようとするとき、自身の弾性変形を伴うスナップフィットによって第1爪掛け部50bに引っ掛け可能である。第1弾性爪50aの第1爪掛け部50bに対する引っ掛けによって、下部フレーム14からの側面フレーム18の脱落が防止される。
【0021】
第2爪構造52は、第2弾性爪52aと、第2弾性爪52aを引っ掛ける第2爪掛け部52bとを備える。本実施形態では第2弾性爪52aは側面フレーム18に設けられ、第2爪掛け部52bは上部フレーム16に設けられる。本実施形態の第2爪掛け部52bは、上部フレーム16に設けられる貫通孔の開口周縁部によって構成される。第2弾性爪52aは、上部フレーム16を退避位置Pa2から押さえ位置Pa1に移動させたとき、自身の弾性変形を伴うスナップフィットによって第2爪掛け部52bに引っ掛け可能である。第2弾性爪52aの第2爪掛け部52bに対する引っ掛けによって、上部フレーム16からの側面フレーム18の脱落が防止される。
【0022】
図6を参照する。側面フレーム18の後壁部24は、外周壁部26からの突出寸法の大きい背高部54と、外周壁部26からの突出寸法の小さい背低部56と、を備える。背高部54は、側面フレーム18の中間部に設けられる。背低部56は、側面フレーム18の端部に設けられる。側面フレーム18は、側面フレーム18の溝部30を長手方向から覆う端壁部58を備える。端壁部58は、側面フレーム18の長手方向外側にある端面部を形成する。
【0023】
下部フレーム14の端部には後壁部24を切り欠く切欠部60が形成される(図12も参照)。切欠部60は、正面から見て、側面フレーム18の後壁部24の背高部54と上下方向Zに重なる位置に設けられる。
【0024】
下部フレーム14は、下部フレーム14の溝部30を長手方向に開放する開口部62を備える。鏡12は、下部フレーム14の開口部62から左右方向外側にはみ出すはみ出し部64を備える。側面フレーム18の溝部30は、鏡12のはみ出し部64を覆い隠している。
【0025】
鏡ユニット10の主な特徴の説明に移る。鏡ユニット10は、鏡12を有する鏡体70と、鏡体70を下側から支持する支持体72と、を備える。
【0026】
鏡体70は、少なくとも鏡12を備える。鏡体70が鏡12以外の構成要素を備える場合、その構成要素は鏡12に取り付けられている。本実施形態の鏡体70は、鏡12の他に、前述した一対の側面フレーム18を備える。側面フレーム18は、前述の弾性部材40の弾性変形に起因する復元力によって、鏡12に取り付けられることで鏡体70の一部となる。
【0027】
支持体72は、壁20に取り付けられる。本実施形態の支持体72は、前述した下部フレーム14である。
【0028】
鏡ユニット10は、支持体72上に鏡体70を載せようとするときに、支持体72に対して鏡体70を左右方向Yにガイド可能なガイド構造74A、74Bを備える。本実施形態のガイド構造74A、74Bは、鏡体70の一部となる側面フレーム18をガイド可能である。側面フレーム18は、鏡12に取り付けられているため、側面フレーム18をガイドすることで、鏡12とともに移動可能となる。
【0029】
ガイド構造74A、74Bは、左右方向Yの片側である第1ガイド方向Da1に鏡体70をガイド可能な第1ガイド構造74Aと、左右方向Yにおいて第1ガイド方向Da1とは反対側である第2ガイド方向Da2に鏡体70をガイド可能な第2ガイド構造74Bとを含む。第1ガイド方向Da1は、図示の例では右側であり、第2ガイド方向Da2は、図示の例では左側である。
【0030】
ガイド構造74A、74Bは、支持体72及び鏡体70の一方に設けられるガイド面76と、支持体72及び鏡体70の他方に設けられる接触部78と、を備える。本実施形態ではガイド面76は鏡体70の側面フレーム18に設けられ、接触部78は支持体72の下部フレーム14に設けられる。詳しくは、ガイド面76は、側面フレーム18の後壁部24における背高部54の端面部に設けられる。接触部78は、下部フレーム14の後壁部24における角部に設けられる。
【0031】
ガイド面76は、下側に向かうに連れてガイド方向Da1、Da2に延びている。第1ガイド構造74Aのガイド面76は、下側に向かうに連れて第1ガイド方向Da1(右向き)に延び、第2ガイド構造74Bのガイド面76は、下側に向かうに連れて第2ガイド方向Da2(左向き)に延びることになる。本実施形態のガイド面76は下側に向かってガイド方向Da1、Da2に直線状に延びる平面状をなす。
【0032】
図8を参照する。接触部78は、鏡体70をガイドするときにガイド面76に接触する。ガイド面76と接触部78を接触した状態のもと、鏡体70を下向きに動かす場合を考える。この場合、ガイド構造74A、74Bは、ガイド面76によって下向きの力の一部をガイド方向Da1、Da2(図示の例では第1ガイド方向Da1)の力成分に変換することができる。これにより、ガイド構造74A、74Bは、ガイド面76と接触部78との相対的な摺動を伴い、ガイド方向Da1、Da2に鏡体70をガイドすることができる。
【0033】
図6に戻る。ガイド構造74A、74Bは、正面から見て、鏡12によって隠れている。詳しくは、ガイド構造74A、74Bのガイド面76及び接触部78のそれぞれは鏡12の後側に配置され、鏡12によって隠れている。これにより、鏡ユニット10を正面から見たときにガイド構造74A、74Bが目立ち難くなり、良好な意匠性を得ることができる。
【0034】
鏡ユニット10は、支持体72に設けられる位置決め部80A、80Bと、鏡体70に設けられる被位置決め部82A、82Bとを備える。
【0035】
位置決め部80A、80Bは、支持体72の右側端部に設けられる第1位置決め部80Aと、支持体72の左側端部に設けられる第2位置決め部80Bとを含む。本実施形態の位置決め部80A、80Bは、支持体72を構成する下部フレーム14の後壁部24の端面部に設けられる。本実施形態の位置決め部80A、80Bは、支持体72に設けられるガイド構造74A、74Bの一部(ここでは接触部78)から下方に連続するように設けられる。
【0036】
被位置決め部82A、82Bは、位置決め部80A、80Bに対して左右方向Yに対向する箇所において鏡体70に設けられる。本実施形態の被位置決め部82A、82Bは、鏡体70を構成する側面フレーム18の後壁部24の内周面に設けられる。本実施形態の被位置決め部82A、82Bは、鏡体70に設けられるガイド構造74A、74Bの一部(ここではガイド面76)から上方に連続するように設けられる。被位置決め部82A、82Bは、第1位置決め部80Aと左右方向Yに対向する第1被位置決め部82Aと、第2位置決め部80Bと左右方向Yに対向する第2被位置決め部82Bとを含む。
【0037】
支持体72上に鏡体70を載せたとき、位置決め部80A、80Bに被位置決め部82A、82Bを左右方向Yに当接させることで、支持体72に対して鏡体70を左右方向Yに位置決めできる。このとき、第1位置決め部80Aと第1被位置決め部82Aとは、互いに当接することで、鏡体70の左右方向Yの一方側(図中左側)への動きを拘束できる。第2位置決め部80Bと第2被位置決め部82Bとは、互いに当接することによって、鏡体70の左右方向Yの他方側(図中右側)への動きを拘束できる。これらの結果、位置決め部80A、80B及び被位置決め部82A、82Bは、支持体72に対する鏡体70の左右方向位置を目的とする納まり位置に保持できる。
【0038】
ここでの鏡体70の納まり位置とは、被位置決め部82A、82Bの少なくとも一方が位置決め部80A、80Bに当接する当接位置にある場合を含む。納まり位置は、この他に、被位置決め部82A、82B及び位置決め部80A、80Bが当接位置から所定のずれ量(例えば、5mm)だけずれた近傍位置にある場合を含んでいる。ここでは、被位置決め部82A、82Bの両方が位置決め部80A、80Bに当接する当接位置にある場合を示す。
【0039】
次に、前述の鏡ユニット10の設置方法を説明する。以下の手順は全て作業者が行う。まず、作業者は、下部フレーム14及び上部フレーム16をねじ部材32によって壁20に取り付ける取り付け工程を行う。作業者は、上部フレーム16を壁20に取り付けるとき、後述する載せ工程での鏡12との干渉を避けるため、上部フレーム16を退避位置Pa2(図2参照)に予め移動させておく。
【0040】
図7を参照する。作業者は、取り付け工程と前後して、鏡12に対して対の側面フレーム18を取り付けることで鏡体70を組み立てる組み立て工程を行う。これを実現するうえで、作業者は、弾性部材40を弾性変形させるように側面フレーム18の溝部30内に鏡12の側辺部12cを収容させる。これにより、弾性部材40の弾性反発力によって鏡12に側面フレーム18を取り付けることができる。このとき、弾性部材40の復元力に抗する荷重を鏡12及び側面フレーム18に付与することで、側面フレーム18は、鏡12に対して左右方向Yに相対移動可能となる。側面フレーム18は、鏡12に対して左右方向Yに相対移動可能に取り付けられることになる。この組み立て工程では、作業者は、対の側面フレーム18における溝部30の底部間の間隔La1が鏡12の左右寸法Lbと合致するように調整しておく。ここでの左右寸法とは、言及している対象の左右方向での寸法をいう。
【0041】
図8を参照する。次に、作業者は、鏡体70を支持体72上に載せる載せ工程を行う。このとき、支持体72の上方において鏡体70を配置し、第1ガイド構造74A及び第2ガイド構造74Bの何れか(ここでは第1ガイド構造74A)のガイド面76及び接触部78が上下方向Zに重なるように鏡体70の左右方向位置を大まかに調整する。
【0042】
この後、作業者は、鏡体70を下向きに移動させることで、上下方向Zに重なる位置にあるガイド構造74Aのガイド面76と接触部78を接触させる。ガイド構造74Aのガイド面76と接触部78とが接触したら、作業者は、鏡体70を更に下向きに移動させることで、そのガイド構造74Aによって、ガイド構造74Aのガイド方向Da1に鏡体70をガイドさせる。これにより、図9に示すように、作業者は、両方のガイド構造74A、74Bのガイド面76及び接触部78が接触するまで、鏡体70を下向きに移動させる。
【0043】
両方のガイド構造74A、74Bのガイド面76及び接触部78が接触したら、作業者は、鏡体70を更に下向きに移動させる。前述のように、側面フレーム18は、鏡12に対して左右方向Yに相対移動可能に取り付けられる。よって、鏡体70を下向きに移動させたとき、対のガイド構造74A、74Bのそれぞれによって側面フレーム18をガイド方向Da1、Da2にガイドさせることで、鏡12に対して側面フレーム18を相対移動させることができる。詳しくは、第1ガイド構造74Aによって一方の側面フレーム18が第1ガイド方向Da1にガイドされ、第2ガイド構造74Bによって他方の側面フレーム18が第2ガイド方向Da2にガイドされる。
【0044】
これにより、図10に示すように、対の側面フレーム18における間隔を広げるように、鏡12に対して側面フレーム18を相対移動させることができる。本実施形態では、このとき、対の側面フレーム18の底部における間隔が、間隔La1から間隔La2まで広げられる。このとき、対の側面フレーム18のそれぞれは、支持体72に対する側面フレーム18の左右方向位置が前述の納まり位置に移動するまで、対のガイド構造74A、74Bのそれぞれによってガイドされる。
【0045】
対の側面フレーム18のそれぞれの左右方向位置が納まり位置に移動するまでガイドされたら、作業者は、支持体72上に載るまで鏡体70を更に下側に移動させる。これにより、図11に示すように、支持体72に対する鏡体70の左右方向位置が納まり位置となった状態のまま、支持体72上に鏡体70が載せられる。このとき、本実施形態では、鏡体70を下向きに移動させることによって、スナップフィットによって、第1弾性爪50aの弾性変形を伴い、第1爪掛け部50bに第1弾性爪50aを引っ掛けることができる。
【0046】
以上のように、載せ工程では、作業者は、ガイド構造74A、74Bによって鏡体70をガイドさせつつ下向きに動かすことで、支持体72に対する鏡体70の左右方向位置が目的とする予め定められた納まり位置にあるように、鏡体70を移動させることができる。
【0047】
次に、作業者は、上部フレーム16を退避位置Pa2から押さえ位置Pa1(図2参照)に移動させることで、上部フレーム16によって鏡12を押さえる押さえ工程を行う。このとき、作業者は、上部フレーム16を下向きに動かすことによって、スナップフィットにより第2爪掛け部52bに第2弾性爪52aを引っ掛ける。
【0048】
押さえ工程では、作業者は、予めミラーマット22の後面側の接着面を被覆するシート材を剥離しておき、その接着面を壁20に接着させることで、ミラーマット22を介して鏡12を壁20に取り付けておく。ミラーマット22のシート材を剥離するのは、載せ工程の前に行ってもよいし、載せ工程の後に鏡12を前倒しすることで行ってもよい。
【0049】
上部フレーム16の押さえ工程と前後して、作業者は、側面フレーム18の凹部42内にコーキング材44(図3参照)を充填する充填工程を行う。このコーキング材44によって、側面フレーム18の左右方向Yの外側への移動を制限でき、側面フレーム18の左右方向位置を納まり位置に保持することができる。
【0050】
この充填工程を行うとき、下部フレーム14の位置決め部80A、80Bから側面フレーム18の被位置決め部82A、82Bが間を空けた前述の近傍位置に鏡体70がある場合を考える。この場合、作業者は、側面フレーム18を左右方向Y内側に移動させることで、下部フレーム14の位置決め部80A、80Bに側面フレーム18の被位置決め部82A、82Bが当接する前述の当接位置に鏡体70を配置してもよい。
【0051】
以上の一連の工程を経ることで、鏡ユニット10の設置が完了する。
【0052】
実施形態の鏡ユニット10の効果を説明する。
【0053】
(A)鏡ユニット10は、支持体72上に鏡体70を載せようとするときに、支持体72に対して鏡体70を左右方向Yにガイド可能なガイド構造74A、74Bを備える。よって、作業者は、ガイド構造74A、74Bによって鏡体70を左右方向Yにガイドさせることで、目的とする納まり位置まで鏡体70を自動的に移動させることができる。このため、支持体72に対する鏡体70の位置合せを目的とする手動による左右方向での鏡体70の細かい位置調整を不要にできる。ひいては、支持体72に対する鏡体70の位置合せを容易に行うことができる。
【0054】
(B)ガイド構造74A、74Bは、下側に向かうに連れてガイド方向Da1、Da2に延びるガイド面76を備える。よって、簡易な構成によって、支持体72に対する鏡体70の位置合わせをすることができる。
【0055】
(C)ガイド面76は、下側に向かってガイド方向Da1、Da2に直線状に延びる平面状をなす。よって、ガイド面76が凹曲面状等をなす場合と比べ、鏡体70をスムーズにガイド方向Da1、Da2にガイドすることができる。
【0056】
(D)側面フレーム18は、鏡体70の一部として鏡12と取り付けられ、ガイド構造74A、74Bは、支持体72に対して側面フレーム18を左右方向Yにガイド可能である。よって、側面フレーム18をガイドすることで、支持体72に対して側面フレーム18及び鏡体70の両方を位置合せすることができる。このため、側面フレーム18の位置合せを目的とする細かい位置調整とは別に、鏡12の位置合せを目的とする細かい位置調整を不要にすることができる。
【0057】
側面フレーム18は、ガイド構造74A、74Bによってガイドするときに鏡12に対して左右方向Yに相対移動可能に取り付けられる。よって、ガイド構造74A、74Bによって側面フレーム18をガイドすることで、対の側面フレーム18間の間隔を調整できるようになる。よって、公差等に起因する支持体72の左右寸法の変動に追従しつつ、支持体72に対する鏡体70の位置合せをすることができる。
【0058】
支持体72に対する鏡12の位置合わせのために、鏡12の左右方向位置を手動で細かく調整する場合、鏡12のはみ出し部64のはみ出し代が作業者の技能によって大きく変動し得る。この鏡12のはみ出し代が大きく変動する場合、そのはみ出し代の変動に追従できるようにするため、側面フレーム18の溝部30の深さ寸法を大きく確保する必要がある。これに伴い、鏡ユニット10全体の左右寸法の大型化を招いてしまう。
【0059】
この点、本実施形態によれば、鏡12の位置合せを目的とした鏡12の手動による細かい位置調整を不要とできる。よって、鏡12のはみ出し代が技能によって大きく変動する事態を避けることができる。これにより、鏡12のはみ出し代の変動に追従できるようにするため、側面フレーム18の深さ寸法を大きく確保せずに済む。ひいては、鏡ユニット10全体の左右寸法を容易に小型化することができる。
【0060】
鏡体70を支持体72上に載せようとするとき、鏡12に側面フレーム18を取り付けた鏡体70を取り扱っている。よって、側面フレーム18及び鏡12を個別に取り扱う場合と比べ、その取り扱いに要する作業工数を削減することができる。
【0061】
仮に、支持体72上に鏡体70を載せた状態で、鏡体70の位置合せを目的とする手動による細かい位置調整が必要となる場合、ミラーマット22の接着面が壁20に意図せず接着してしまう恐れがある。この点、本実施形態によれば、ガイド構造74A、74Bによって、鏡体70の位置合せを目的とする手動による細かい位置調整が不要となる。よって、載せ工程に先立ってミラーマット22のシート材を剥離したとしても、その接着面が壁20に当たりにくくなる。ひいては、載せ工程の後に鏡12を前倒しすることでミラーマット22のシート材を剥離する工程を省略できる利点がある。
【0062】
鏡ユニット10の他の工夫点を説明する。図6図12を参照する。下部フレーム14の切欠部60は、下部フレーム14の端部における後壁部24の他に、その端部における外周壁部26の壁20寄りの部分的な箇所を切り欠いている。
【0063】
下部フレーム14と側面フレーム18との間には水抜き隙間90が形成される。本実施形態の水抜き隙間90は、下部フレーム14の外周壁部26と側面フレーム18の端壁部58との間において、下部フレーム14の切欠部60によって形成される。水抜き隙間90は、切欠部60と同様、外周壁部26における壁20寄りの箇所に形成されることになる。水抜き隙間90は、表面張力の影響によらず水を外部空間に抜くことのできる大きさに設定される。
【0064】
水抜き隙間90は、主に、側面フレーム18の溝部30内において端壁部58まで流れ落ちてきた水を外部空間に抜くために用いられる。この他に、水抜き隙間90は、下部フレーム14の溝部30内において長手方向の端部まで流れてきた水を外部空間に抜くために用いられる。これにより、鏡12と壁20との間や各フレーム14、18内に浸入した水を効果的に外部に排出することができる。特に、弾性部材40によって各フレーム14、18の前側に鏡12が配置されるため、鏡12と壁20との間には水が浸入しやすくなっている。水抜き隙間90は、外周壁部26における壁20寄りの箇所に形成されるため、鏡12と壁20との間に浸入した水を効果的に外部に排出することができる。
【0065】
ここでは水抜き隙間90は切欠部60によって形成される例を説明した。水抜き隙間90を形成する切欠部60は、下部フレーム14の替わりに側面フレーム18に形成されてもよい。この他にも、下部フレーム14及び側面フレーム18の何れかに切欠部60を形成することなく、下部フレーム14と側面フレーム18との間に水抜き隙間90が形成されていてもよい。
【0066】
(第2実施形態)図13を参照する。図9では、ガイド構造74Aのガイド面76は鏡体70の側面フレーム18に設けられ、接触部78は支持体72の下部フレーム14に設けられる例を説明した。本実施形態では、ガイド面76は下部フレーム14に設けられ、接触部78は鏡体70の側面フレーム18に設けられる。このように、ガイド面76は、支持体72及び鏡体70の一方に設けられ、接触部78は支持体72及び鏡体70の他方に設けられていればよい。
【0067】
(第3実施形態)図14を参照する。図9では、ガイド構造74Aのガイド面76は、下側に向かってガイド方向Da1に直線状に延びる平面状をなす例を説明した。本実施形態のガイド面76は、下側に向かってガイド方向Da1に延びる凹曲面状をなす。このように、ガイド面76は、下側に向かってガイド方向Da1、Da2に延びていればよく、その具体的な形状は特に限定されない。ガイド面76は、この他にも、凸曲面状等をなしていてもよい。
【0068】
(第4実施形態)図15を参照する。本実施形態の鏡ユニット10は、第1実施形態と比べて、鏡体70が側面フレーム18を備えない点において相違する。この他に、鏡ユニット10は、不図示の上部フレーム16を備える。
【0069】
鏡体70は、鏡12のみを備えている。支持体72を構成する下部フレーム14の溝部30は、その長手方向両端部において底部から立ち上がる端面部30aを備える。
【0070】
第1実施形態と同様、第1ガイド構造74Aは、鏡体70を第1ガイド方向Da1(ここでは左向き)にガイド可能である。第2ガイド構造74Bは、鏡体70を第2ガイド方向Da2(ここでは右向き)にガイド可能である。
【0071】
本実施形態において、ガイド構造74A、74Bのガイド面76は、下部フレーム14の端面部30aにおける内周側部分に設けられる。本実施形態において、ガイド構造74A、74Bの接触部78は、鏡体70の鏡12における角部によって構成される。
【0072】
図16を参照する。本実施形態によっても、支持体72上に鏡体70を配置するとき、ガイド構造74A、74Bによって鏡体70を左右方向Yにガイドできる。このとき、第1実施形態と同様、ガイド構造74A、74Bは、ガイド面76と接触部78が接触した状態のもと、これらの相対的な摺動を伴い、ガイド方向Da1、Da2に鏡体70をガイドすることができる。ここでは、第2ガイド構造74Bによって鏡体70を第2ガイド方向Da2にガイドする例を示す。
【0073】
図15に戻る。本実施形態の位置決め部80A、80Bは、下部フレーム14の溝部30の端面部30aによって構成される。本実施形態の被位置決め部82A、82Bは、鏡体70の鏡12の側辺部における下端部によって構成される。
【0074】
以上の構成によっても、前述した(A)~(C)で説明した構成要素を備え、それらの説明に対応する効果を得られる。
【0075】
各構成要素の他の変形形態を説明する。
【0076】
鏡ユニット10の具体的な配置位置は特に限定されない。鏡ユニット10は、例えば、浴室以外にも、洗面台、トイレ等に用いられてもよい。
【0077】
鏡ユニット10が側面フレーム18を備える場合でも、側面フレーム18は、支持体72によって支持される鏡体70の一部となっていなくともよい。これは、例えば、側面フレーム18が支持体72ではなく壁20に取り付けられる場合を想定している。
【0078】
支持体72の具体例は下部フレーム14に限定されない。支持体72は、例えば、鏡12を下側から支持する複数の鏡受けでもよい。鏡止めの具体例は上部フレーム16に限定されない。鏡止めは、例えば、左右方向Yに間を空けて複数配置されてもよい。
【0079】
下部フレーム14にガイド面76及び接触部78の一方を設けるうえで、下部フレーム14に支持体72の一部となる別部材を取り付け、その別部材にガイド面76及び接触部78の一方を設けてもよい。下部フレーム14にガイド面76及び接触部78を設けるうえで、下部フレーム14の後壁部24以外の箇所(例えば、前壁部28)に設けてもよい。
【0080】
鏡体70にガイド面76及び接触部78の一方を設けるうえで、側面フレーム18及び鏡12の何れかに鏡体70の一部となる別部材を取り付け、その別部材にガイド面76及び接触部78の一方を設けてもよい。側面フレーム18にガイド面76及び接触部78を設けるうえで、側面フレーム18の後壁部24以外の箇所(例えば、前壁部28)に設けてもよい。
【0081】
ガイド構造74A、74Bの接触部78は、鏡体70及び支持体72の何れかの角部を構成する場合の他、ガイド面76と面接触可能な平面状をなしていてもよい。
【0082】
前述した(A)の効果との関係では、第1ガイド構造74A及び第2ガイド構造74Bのうちの一方のみを備えていればよい。
【0083】
前述した(D)の効果との関係で、鏡体70は単数の側面フレーム18のみを備えていてもよい。これは、例えば、対の側面フレーム18のうちの一方の側面フレーム18のみを鏡12に取り付け、他方の側面フレーム18を壁20に取り付ける場合を想定している。この場合、ガイド構造74A、74Bによって鏡体70の一部となる単数の側面フレーム18のみをガイドすればよいことになる。
【0084】
鏡12に側面フレーム18を取り付ける手段は特に問わず、接着等が用いられていてもよい。この接着を用いる場合、側面フレーム18は、ガイド構造74A、74Bによってガイドするときに鏡12に対して左右方向に相対移動不能に設けられることになる。この他に、鏡12に対して左右方向Yに相対移動可能に側面フレーム18を取り付けるうえでは、側面フレーム18の弾性変形を伴う圧入等を用いてもよい。
【0085】
図9に示す例では、ガイド構造74A、74Bによって、対の側面フレーム18における間隔を広げるように、鏡12に対して側面フレーム18を相対移動させる例を説明した。この替わりに、ガイド構造74A、74Bによって、対の側面フレーム18における間隔を狭めるように、鏡12に対して側面フレーム18を相対移動させてもよい。
【0086】
鏡12は、下部フレーム14からはみ出すはみ出し部64を備えていなくともよい。この場合、図15の例において、下部フレーム14と上下方向に重なる位置において、鏡12の側辺部を覆い隠す側面フレーム18が配置されていてもよい。
【0087】
ガイド構造74A、74Bは、正面から見て、鏡12によって隠れておらず、外部空間に露出していてもよい。
【0088】
第1実施形態の位置決め部80A、80Bは、ガイド構造74A、74Bの一部が設けられる下部フレーム14の後壁部24に設けられる例を説明した。位置決め部80A、80Bは、この下部フレーム14の後壁部24に加えて、下部フレーム14の前壁部28及び外周壁部26の少なくとも一方に設けられてもよい。この場合、位置決め部80A、80Bに当接する被位置決め部82A、82Bは、側面フレーム18の後壁部24に加えて、側面フレーム18の前壁部28及び端壁部58の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0089】
水抜き隙間90は、側面フレーム18と下部フレーム14との間に形成される例を説明した。この水抜き隙間90は、下部フレーム14以外の支持体72と側面フレーム18との間に形成されていてもよい。
【0090】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造、数値には、製造誤差、組立誤差を考慮すると同一とみなすことができるものも当然に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10…鏡ユニット、12…鏡、12a…下辺部、12c…側辺部、14…下部フレーム、18…側面フレーム、20…壁、64…はみ出し部、70…鏡体、72…支持体、74A…ガイド構造、76…ガイド面、78…接触部、90…水抜き隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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図15
図16