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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023070963
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】調光シート
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20230515BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183466
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辻 真樹
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA03
2H088FA05
2H088FA23
2H088FA29
2H088GA10
2H088GA13
2H088HA03
2H088MA20
2H092GA33
2H092GA41
2H092GA58
2H092HA28
2H092PA02
2H092QA08
2H092QA15
(57)【要約】
【課題】調光シートにおける機械的な強度を向上可能な調光シートを提供する。
【解決手段】2つの電極シート10,20と調光層との重なりである駆動部1ECと、第1電極シート10から構成される第1非駆動部11EAと、第2電極シート20から構成される第2非駆動部21EAと、駆動部1ECにおける調光層の端面を覆う封止部と、を備える調光シートであって、第1電極シート10は、駆動部1ECと第2非駆動部21EAとを区切る第1端辺10ELを備えた封止区画用端面10E1を備え、第2電極シート20は、駆動部1ECと第1非駆動部11EAとを区切る第2端辺20ELを備えた端子区画用端面20E2を備え、第1端辺10ELと第2端辺20ELとの共有する共有点EPが1つであり、かつシート端面1Eに位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明電極層を備える第1電極シートと、
第2透明電極層を備える第2電極シートと、
液晶組成物を含み、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、を備える調光シートであって、
前記調光シートと対向する視点から見る平面視において、
前記第1電極シートと前記第2電極シートと前記調光層との重なりである駆動部と、
前記第1電極シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する端子と、
前記第2電極シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する縁部と、
前記駆動部における前記調光層の端面を覆う封止部と、を備え、
前記端子が備える第1外周端面と前記縁部が備える第2外周端面とが前記調光シートのなかで第1方向に延びるシート端面を構成し、
前記第1電極シートの端面は、前記第1外周端面と、封止区画用端面とを備え、
前記第2電極シートの端面は、前記第2外周端面と、端子区画用端面とを備え、
前記封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第1外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記縁部とを区切る第1端辺を備え、
前記端子区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第2外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記端子とを区切る第2端辺を備え、
前記平面視において、前記第1端辺と前記第2端辺との共有点が1つであり、
前記共有点は、前記シート端面に位置する
調光シート。
【請求項2】
前記平面視において、前記縁部のなかで前記第1外周端面と前記第2端辺との形成する角度が鋭角であり、
前記平面視において、前記端子のなかで前記第2外周端面と前記第1端辺との形成する角度が鋭角である
請求項1に記載の調光シート。
【請求項3】
前記平面視において、前記駆動部のなかで前記第1端辺と前記第2端辺との形成する角度が鈍角である
請求項1または2に記載の調光シート。
【請求項4】
第1透明シートと、
第2透明シートと、
液晶組成物を含み、前記第1透明シートと前記第2透明シートとの間に位置する調光層と、を備える調光シートであって、
前記調光シートと対向する視点から見る平面視において、
前記第1透明シートと前記第2透明シートと前記調光層との重なりである駆動部と、
前記第1透明シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する第1縁部と、
前記第2透明シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する第2縁部と、
前記駆動部における前記調光層の端面を覆う封止部と、を備え、
前記第1縁部が備える第1外周端面と前記第2縁部が備える第2外周端面とが前記調光シートのなかで第1方向に延びるシート端面を構成し、
前記第1透明シートの端面は、前記第1外周端面と、第1封止区画用端面とを備え、
前記第2透明シートの端面は、前記第2外周端面と、第2封止区画用端面とを備え、
前記第1封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第1外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記第2縁部とを区切る第1端辺を備え、
前記第2封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第2外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記第1縁部とを区切る第2端辺を備え、
前記平面視において、前記第1端辺と前記第2端辺との共有点が1つであり、
前記共有点は、前記シート端面に位置する
調光シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶組成物を含む調光層を第1電極シートと第2電極シートとの間に備える調光シートに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの電極シートを備える調光シートは、各電極シートに別々の端子を備える。調光シートは、2つの電極シートの間に電圧が印加されることによって、電圧の印加前に対して液晶組成物を含む調光層の光透過率を変更する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、図11図13が示すように、調光シート100は、第1電極シート110と、第2電極シート120と、第1電極シート110と第2電極シート120との間に位置する調光層131とを備える。図11では、各シートの形状を説明する便宜上、第1電極シート110を太線によって示し、第2電極シート120を細線によって示す。
【0004】
図11が示すように、第1電極シート110が備える1つの隅部は、第1接続口110Cを備える。第1接続口110Cは、第2電極シート120の一部を調光層131から露出させる。第2電極シート120が備える1つの隅部は、第2接続口120Cを備える。第2接続口120Cは、第1電極シート110の一部を調光層131から露出させる。
【0005】
図12が示すように、第1電極シート110は、第1透明基材111と第1透明電極層112とを備える。第1接続口110Cは、第1透明基材111の端面、第1透明電極層112の端面、および調光層131の端面を備える。第2電極シート120のなかで第1接続口110Cに区切られる部分は、第2配線基板142に接続される第2端子120Pである。
【0006】
図13が示すように、第2電極シート120は、第2透明基材121と第2透明電極層122とを備える。第2接続口120Cは、第2透明基材121の端面、第2透明電極層122の端面、および調光層131の端面を備える。第1電極シート110のなかで第2接続口120Cに区切られる部分は、第1配線基板141を接続される第1端子110Pである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2019/194278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電極シート間に液晶組成物を含んだ調光層を備える調光シートは、端子以外の範囲において液晶組成物の封止を要求される。調光層の厚さが500μmにも満たない調光シートにおいては、薄い調光層の端面を含めた広い面と封止材との接触を要求される。
【0009】
例えば、図14が示すように、調光シート100は、駆動部100Aと非駆動部100Bとを備える。駆動部100Aは、調光シート100のなかで第1電極シート110と第2電極シート120とを重ねる。非駆動部100Bは、第1電極シート110が第2電極シート120からはみ出している。駆動部100Aと非駆動部100Bとは、第2電極シート120の端面である封止区画用端面120Eに区切られる。非駆動部100Bは、第1電極シート110の端面である外周端面110Eと封止区画用端面120Eとに挟まれている。非駆動部100Bが備える縁封止部151Eは、調光層131の端面を含めて封止区画用端面120Eのほぼ全体と密着し、かつ第1透明電極層112とも密着する。縁封止部151Eは、樹脂製の封止材から構成される。
【0010】
図15が示すように、上述した縁封止部151Eは、図15の紙面の奥に向けて面するように配置される。こうした縁封止部151Eは、非駆動部100Bに加え、第1接続口110Cにも、適用を検討されている。一方、第1接続口110Cと同じく、調光層131の端面を露出させる第2接続口120Cは、第2接続口120Cと密着し、かつ第2端子120Pと密着するように、縁封止部151Eとは別体である電極封止部151Pの適用を検討されている。電極封止部151Pは、図15の紙面の手前に向けて面するように配置される。
【0011】
このように、縁封止部151Eは、第1電極シート110に対して第2電極シート120の側に配置される一方で、電極封止部151Pは、第2電極シート120に対して第1電極シート110の側に配置される。これら縁封止部151Eと電極封止部151Pとは、第1電極シート110と対向する視点から見て、調光シート100の1つのシート端面100Eに境界100Cを有する。詳述すると、縁封止部151Eのなかでシート端面100Eに沿って第1方向D1に延在する部分と、電極封止部151Pのなかで第1方向D1と直交する第2方向D2に延在する部分とは、境界100Cで接合される。
【0012】
ここで、図16(a)が示すように、第2方向D2に沿って視線方向を配してシート端面100Eを見ると、調光層131における第1方向D1に延びる端面131Aは、電極封止部151Pに覆われる。縁封止部151Eは、封止区画用端面120Eの全体にわたって、第2端子120Pとの境まで位置する。そして、第2電極シート120上の電極封止部151Pと、第1電極シート110下の縁封止部151Eとが、境界100Cで接合される。
【0013】
図16(b)が示すように、第1方向D1に沿って視線方向を配して上述したシート端面100Eを見ると、調光層131における第2方向D2に延びる端面131Bは、縁封止部151Eに覆われる。これらによって、調光層131の端面全体が封止される。
【0014】
一方、図16(a)が示すように、第2電極シート120において電極封止部151Pが位置する部分は、第2電極シート120のなかで第1電極シート110に支持されていない。反対に、図16(b)が示すように、第1電極シート110において縁封止部151Eが位置する部分は、第2電極シート120に支持されていない。そして、図16(c)が示すように、第2端子120Pの上方に視線方向を配して上述したシート端面100Eを見ると、境界100Cは、第1電極シート110が存在しない領域と、第2電極シート120が存在しない領域との境である。すなわち、調光シート100のなかで境界100Cが存する位置は、恰も、調光シート100の厚さ方向にずれを伴う切れ目が、非駆動部100Bの幅W1だけ第2方向D2に連続する、非常に脆弱な部位である。こうした境界100Cが調光シート100の縁に存在することは、調光シート100の縁における強度を低下させ、ひいては、調光層131の封止性を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための調光シートは、第1透明電極層を備える第1電極シートと、第2透明電極層を備える第2電極シートと、液晶組成物を含み、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、を備える調光シートであって、前記調光シートと対向する視点から見る平面視において、前記第1電極シートと前記第2電極シートと前記調光層との重なりである駆動部と、前記第1電極シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する端子と、前記第2電極シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する縁部と、前記駆動部における前記調光層の端面を覆う封止部と、を備え、前記端子が備える第1外周端面と前記縁部が備える第2外周端面とが前記調光シートのなかで第1方向に延びるシート端面を構成し、前記第1電極シートの端面は、前記第1外周端面と、封止区画用端面とを備え、前記第2電極シートの端面は、前記第2外周端面と、端子区画用端面とを備え、前記封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第1外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記縁部とを区切る第1端辺を備え、前記端子区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第2外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記端子とを区切る第2端辺を備え、前記平面視において、前記第1端辺と前記第2端辺との共有点が1つであり、前記共有点は、前記シート端面に位置する。
【0016】
第1端辺と第2端辺との共有する点は、端子と縁部との境であり、そして、第1電極シート、第2電極シート、および調光層を備えた駆動部の端点でもある。そのため、第1端辺と第2端辺との共有する点において、第1電極シート及び第2電極シートが調光層を介して互いに支持される構成となる。したがって、端子と縁部との境が、第1電極シートと第2電極シートとが各別に存在する切れ目であって、調光シートの厚さ方向にずれを伴う切れ目のような構成と比べて、調光シートの機械的な強度を高められる。また、共有点がシート端面に位置することで、第1外周端面と第2外周端面とが1つの共有点を介して第1方向に連なる1つの平面としてシート端面を構成する。そのため、共有点がシート端面に位置しない構成と比較して、シート端面の機械的強度がより高められる。
【0017】
上記調光シートにおいて、前記平面視において、前記縁部のなかで前記第1外周端面と前記第2端辺との形成する角度が鋭角であり、前記平面視において、前記端子のなかで前記第2外周端面と前記第1端辺との形成する角度が鋭角であることが好ましい。上記構成によれば、第1外周端面と第2端辺との形成する角度と、第2外周端面と第1端辺との形成する角度とが鋭角であることで、これらのうち何れかが鈍角である構成と比較して、駆動部のなかで第1端辺と第2端辺との形成する角度を大きくできる。これにより、駆動部のなかで第1端辺と第2端辺との形成する角度が大きくなる分だけ、第1端辺と第2端辺との共有する点の近傍における駆動部の面積を大きくできるため調光シートの機械的な強度をより高められる。
【0018】
上記調光シートにおいて、前記平面視において、前記駆動部のなかで前記第1端辺と前記第2端辺との形成する角度が鈍角であることが好ましい。上記構成によれば、駆動部のなかで第1端辺と第2端辺との形成する角度が鈍角であることで、当該角度が鋭角である場合と比較して、当該角度が大きくなる分だけ第1端辺と第2端辺との共有する点の近傍における駆動部の面積を大きくできる。したがって、調光シートの機械的な強度をより高められる。
【0019】
上記課題を解決するための調光シートは、第1透明シートと、第2透明シートと、液晶組成物を含み、前記第1透明シートと前記第2透明シートとの間に位置する調光層と、を備える調光シートであって、前記調光シートと対向する視点から見る平面視において、前記第1透明シートと前記第2透明シートと前記調光層との重なりである駆動部と、前記第1透明シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する第1縁部と、前記第2透明シートの一部から構成されて前記駆動部に隣接する第2縁部と、前記駆動部における前記調光層の端面を覆う封止部と、を備え、前記第1縁部が備える第1外周端面と前記第2縁部が備える第2外周端面とが前記調光シートのなかで第1方向に延びるシート端面を構成し、前記第1透明シートの端面は、前記第1外周端面と、第1封止区画用端面とを備え、前記第2透明シートの端面は、前記第2外周端面と、第2封止区画用端面とを備え、前記第1封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第1外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記第2縁部とを区切る第1端辺を備え、前記第2封止区画用端面は、前記平面視において、前記第1方向と交差する方向に前記第2外周端面から延び、かつ前記駆動部と前記第1縁部とを区切る第2端辺を備え、前記平面視において、前記第1端辺と前記第2端辺との共有点が1つであり、前記共有点は、前記シート端面に位置する。
【0020】
第1端辺と第2端辺との共有する点は、第1縁部と第2縁部との境であり、そして、第1透明シート、第2透明シート、および調光層を備えた駆動部の端点でもある。そのため、第1端辺と第2端辺との共有する点において、第1透明シート及び第2透明シートが調光層を介して互いに支持される構成となる。したがって、第1縁部と第2縁部との境が、第1透明シートと第2透明シートとが各別に存在する切れ目であって、調光シートの厚さ方向にずれを伴う切れ目のような構成と比べて、機械的な強度を高められる。また、共有点がシート端面に位置することで、第1外周端面と第2外周端面とが1つの共有点を介して第1方向に連なる1つの平面としてシート端面を構成する。そのため、共有点がシート端面に位置しない構成と比較して、シート端面の機械的強度がより高められる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、調光シートにおける機械的な強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、調光シートにおける1つの縁部を拡大して示す平面図である。
図2図2は、調光シートを図1と反対から見た平面図である。
図3図3は、図1のIII-III線から見た断面図である。
図4図4は、図1のIV-IV線から見た断面図である。
図5図5は、調光シートにおける第1非駆動部と第2非駆動部との境界を拡大して示す平面図である。
図6図6は、調光シートにおけるシート端面を拡大して示す平面図である。
図7図7は、調光シートの製造工程において、調光シートの外形を形成する工程を示す平面図である。
図8図8は、図7の工程の次工程において、第1電極シートを切断する工程を示す平面図である。
図9図9は、図8の工程の次工程において、第2電極シートを切断する工程を示す平面図である。
図10図10は、調光シートにおける積層構造の変更例を示す平面図である。
図11図11は、従来の調光シートの一例を示す平面図である。
図12図12は、図11のXII-XII線から見た断面図である。
図13図13は、図11のXIII-XIII線から見た断面図である。
図14図14は、従来の調光シートにおける封止部の一例を示す断面図である。
図15図15は、従来の調光シートにおける縁封止部および電極封止部の一例を示す平面図である。
図16図16(a)は、従来の調光シートにおけるシート端面を正面から見た図であり、図16(b)は、図16(a)のb-b線から見た断面図であり、図16(c)は、図16(a)に示す部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、調光シートの一実施形態について図1図9を参照して説明する。
[調光シートの平面構造]
図1に示すように、調光シートは、第1電極シート10と、第2電極シート20と、調光層31(図3を参照)とを備える。調光層31は、第1電極シート10と第2電極シート20との間に位置する。第1電極シート10は、第2電極シート20に対する紙面の手前側に位置する。第2電極シート20は、第1電極シート10に対する紙面の奥側に位置する。図1、2では、第1電極シート10と第2電極シート20との相対的な位置を説明する便宜上から、第1電極シート10を細線によって示し、第2電極シート20を太線によって示す。
【0024】
調光シートは、第1方向D1に延びる1つのシート端面1Eを備える。調光シートは、調光シートと対向する視点から見る平面視において、駆動部1ECと、非駆動部1EAとを備える。
【0025】
駆動部1ECは、第1電極シート10と第2電極シート20と調光層31とを備える。駆動部1ECは、調光シートのなかで、第1電極シート10と第2電極シート20と調光層31とが重なる部分である。駆動部1ECは、第1電極シート10と第2電極シート20との間に電圧を印加され、これによって、調光層31が光透過率を変える。
【0026】
非駆動部1EAは、調光シートのなかで、第1電極シート10と第2電極シート20との何れか一方から構成される。非駆動部1EAは、調光層31を備えない。非駆動部1EAは、駆動部1ECの周囲に位置し、これによって、駆動部1ECの駆動に要する電圧印加と、駆動部1ECの保護に要する封止とを担う。
【0027】
非駆動部1EAのなかで第1電極シート10から構成される部分は、第1縁部の一例である第1非駆動部11EAである。第1非駆動部11EAは、図1において紙面の奥側に向けて面する。第1非駆動部11EAは、図1の太破線に示すように、第1端子12Pを備える。第1端子12Pは、第1外部配線1FPに接続される。第1端子12Pは、第1外部配線1FPを介して、第1電極シート10に電圧を印加する。
【0028】
非駆動部1EAのなかで第2電極シート20から構成される部分は、第2縁部の一例である第2非駆動部21EAである。第2非駆動部21EAは、図1において紙面の手前側に向けて面する。第2非駆動部21EAは、図1の細線に示すように、平面視において、調光シートの外周部のなかで、第1非駆動部11EAを除いたほぼ全体に位置する。第2非駆動部21EAと第1端子12Pとは、1つのシート端面1Eに並設されている。第2非駆動部21EAは、第2端子22Pを備える。第2端子22Pは、第2外部配線2FPに接続される。第2端子22Pは、第2外部配線2FPを介して、第2電極シート20に電圧を印加する。
【0029】
第1電極シート10は、第1シート周端面10Eを備える。第1シート周端面10Eは、平面視において、第1電極シート10の全周にわたる端面である。第2電極シート20は、第2シート周端面20Eを備える。第2シート周端面20Eは、平面視において、第2電極シート20の全周にわたる端面である。
【0030】
第1シート周端面10Eは、封止区画用端面10E1と、第1外周端面10E2とを備える。封止区画用端面10E1は、平面視において、第2外周端面20E1に対する第2電極シート20の内側に位置する。封止区画用端面10E1は、非駆動部1EAの一部である第2非駆動部21EAと駆動部1ECとの境である。封止区画用端面10E1の一部は、第2端子22Pの一部を縁取る。第1外周端面10E2は、シート端面1Eの一部として、第1端子12Pの一部を縁取る。
【0031】
図2が示すように、第2シート周端面20Eは、第2外周端面20E1と、端子区画用端面20E2とを備える。第2外周端面20E1は、平面視において、封止区画用端面10E1に対する第1電極シート10の外側に位置する。第2外周端面20E1の一部は、シート端面1Eの一部として、第2端子22Pの一部を縁取る。端子区画用端面20E2は、第1外周端面10E2よりも第1電極シート10の内側に位置する。端子区画用端面20E2は、非駆動部1EAの一部である第1非駆動部11EAと駆動部1ECとの境である。端子区画用端面20E2は、第1端子12Pの一部を縁取る。
【0032】
このように、駆動部1ECは、平面視において、封止区画用端面10E1と端子区画用端面20E2とに縁取られる。第1端子12Pは、平面視において、第1電極シート10における第1外周端面10E2と、第2電極シート20における端子区画用端面20E2とに縁取られる。第2端子22Pは、平面視において、第1電極シート10における封止区画用端面10E1の一部と、第2電極シート20における第2外周端面20E1の一部とに縁取られる。
【0033】
[調光シートの断面構造]
図3および図4が示すように、光透過性を有する第1電極シート10は、第1透明基材11と、第1透明電極層12とを備える。光透過性を有する第2電極シート20は、第2透明基材21と、第2透明電極層22とを備える。調光層31は、第1透明電極層12と第2透明電極層22との間に位置する。第1端子12Pは、第1透明電極層12に対する端子区画用端面20E2の配置によって、第1透明電極層12のなかで第2電極シート20および調光層31から露出している部分である。第2端子22Pは、第2透明電極層22に対する封止区画用端面10E1の配置によって、第2透明電極層22のなかで第1電極シート10および調光層31から露出している部分である。
【0034】
図3が示すように、封止区画用端面10E1は、第1透明基材11の端面である第1基材端面11E、第1透明電極層12の端面である第1電極層端面12E、および調光層31の端面である調光層端面31Eを備える。封止区画用端面10E1は、外周封止部51に覆われている。
【0035】
調光層31の厚さが500μmにも満たない調光シートにおいては、薄い調光層端面31Eを含めた広い面と外周封止部51との接触を要求される。外周封止部51は、封止区画用端面10E1のほぼ全体に密着し、かつ第2非駆動部21EAにも密着している。これによって、外周封止部51は、外周封止部51と接触する面を調光層端面31Eよりも広めて、薄い調光層端面31Eと外周封止部51との密着性を高める。なお、外周封止部51は、第2端子22Pを含めた第2非駆動部21EAの全体にわたり配置されている。外周封止部51は、第2非駆動部21EAにおいて、第2非駆動部21EAと第1非駆動部11EAとの境まで達している。
【0036】
図4が示すように、端子区画用端面20E2は、第2透明基材21の端面である第2基材端面21E、第2透明電極層22の端面である第2電極層端面22E、および調光層端面31Eを備える。端子区画用端面20E2は、端子封止部52に覆われている。
【0037】
端子封止部52は、端子区画用端面20E2のほぼ全体に密着し、かつ第1非駆動部11EAにも密着している。これによって、端子封止部52は、端子封止部52と接触する面を調光層端面31Eよりも広めて、薄い調光層端面31Eと端子封止部52との密着性を高める。なお、端子封止部52は、第1非駆動部11EAである第1端子12Pにおいて、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境まで達している。
【0038】
第1透明基材11、および第2透明基材21は、それぞれ可視光を透過する光透過性、および電気的な絶縁性を有する。第1透明基材11、および第2透明基材21を構成する材料は、それぞれ有機高分子化合物、または無機高分子化合物である。有機高分子化合物の一例は、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つである。無機高分子化合物の一例は、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、および、窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0039】
第1透明電極層12、および第2透明電極層22は、それぞれ可視光を透過する光透過性、および電気的な導電性を有する。第1透明電極層12、および第2透明電極層22を構成する材料の一例は、それぞれ酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ3,4‐エチレンジオキシチオフェンからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0040】
調光層31は、電圧の印加によって印加後の光透過率を印加前の光透過率とは異ならせる。調光層31の一例は、透明有機高分子層と液晶組成物とを備える。透明有機高分子層は、第1透明電極層12と第2透明電極層22との間に、液晶組成物によって充填される空隙を区画する。液晶組成物は、透明有機高分子層が有する空隙に充填されている。液晶組成物は液晶化合物を含む。液晶化合物の一例は、シッフ塩基系化合物、アゾ系化合物、アゾキシ系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、安息香酸エステル系化合物、トラン系化合物、ピリミジン系化合物、シクロヘキサンカルボン酸エステル系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物、ジオキサン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0041】
調光層31における液晶組成物の保持型式の一例は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、および、カプセル型から構成される群から選択されるいずれか1つである。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明有機高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明有機高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明有機高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶化合物以外に、透明有機高分子層を形成するためのモノマー、および二色性色素を含有してもよい。
【0042】
外周封止部51、および端子封止部52は、吸湿性を有した絶縁性の樹脂である。外周封止部51、および端子封止部52は、一例として、それぞれエポキシ樹脂やアクリル系樹脂等から構成される。外周封止部51、および端子封止部52は、調光層31を構成する液晶組成物が調光層端面31Eから外部に漏出することを防ぐ。
【0043】
[調光シートの端面構造]
図5が示すように、シート端面1Eを含む調光シートの縁において、第1端子12Pは、第2非駆動部21EAと隣接している。第1端子12Pを縁取る端子区画用端面20E2と、第2非駆動部21EAを縁取る封止区画用端面10E1とは、平面視において、シート端面1Eのなかの1つの点である共有点EPを共有している。シート端面1Eにおいて、第1外周端面10E2、および第2外周端面20E1もまた、平面視において、1つの共有点EPを共有している。すなわち、第1外周端面10E2と、第2外周端面20E1とは、1つの共有点EPを介し、第1方向D1に連なる1つの平面として、シート端面1Eを構成する。シート端面1Eに位置する共有点EPにおいて、第1電極シート10および第2電極シート20が調光層31を介して互いに支持される構成となる。
【0044】
封止区画用端面10E1は、平面視において、シート端面1Eにおける共有点EPから第2電極シート20の内側に向けて第1方向D1と交差する方向に延びる1つの第1端辺10ELを備える。平面視において、第1端辺10ELとシート端面1Eとは、第2非駆動部21EAのなかで第1角度θ1を形成する。第1角度θ1は、鋭角である。
【0045】
端子区画用端面20E2は、平面視において、シート端面1Eにおける共有点EPから第1電極シート10の内側に向けて第1方向D1と交差する方向に延びる1つの第2端辺20ELを備える。平面視において、第2端辺20ELとシート端面1Eとは、第1非駆動部11EAのなかで第2角度θ2を形成する。第2角度θ2は、鋭角である。
【0046】
なお、第1角度θ1と第2角度θ2とは、相互に等しい大きさでもよいし、相互に異なる大きさでもよい。第1角度θ1は、第2角度θ2よりも大きくてもよいし、第2角度θ2よりも小さくてもよい。第1角度θ1および第2角度θ2は、一例として、20度以上45度以下に構成される。
【0047】
調光シートのなかで第1端辺10ELと第2端辺20ELとに挟まれた部分は、第1電極シート10と第2電極シート20と調光層31とを備える駆動部1ECである。第1端辺10ELと第2端辺20ELとは、駆動部1ECのなかで第3角度θ3を形成する。第3角度θ3は、直角でもよいし、鋭角でもよいし、鈍角でもよい。駆動部1ECを広げられる要求を受ける場合、あるいは調光シートの機械的な強度を高める要求を受ける場合、第1端辺10ELと第2端辺20ELとが形成する第3角度θ3は、鈍角であることが好ましい。第3角度θ3は、一例として、90度以上140度以下に構成される。
【0048】
図6が示すように、封止区画用端面10E1は、外周封止部51に覆われている。端子区画用端面20E2は、端子封止部52に覆われている。外周封止部51は、第1方向D1に沿って封止区画用端面10E1に追従して共有点EPまで調光層端面31Eを覆う。端子封止部52は、第1方向D1に沿って端子区画用端面20E2に追従して共有点EPまで調光層端面31Eを覆う。そして、端子封止部52の一部と外周封止部51の一部とが共有点EPにおいて接するように、端子封止部52と外周封止部51とが、共有点EPを含め、調光層端面31Eの全体を覆う。
【0049】
ここで、上述したように、第1非駆動部11EAの一部である第1端子12Pは、第1電極シート10から構成され、第2電極シート20に支持されていない。反対に、第2非駆動部21EAは、第2電極シート20から構成され、第1電極シート10に支持されていない。これら第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境が、仮に平面方向に連なる場合、こうした境界は、第1電極シート10にも直接支持されず、第2電極シート20にも直接支持されない構成となる。結果として、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境は、調光シートの厚さ方向にずれを伴う切れ目のように、第1電極シート10と第2電極シート20とが各別に存在する非常に脆弱な部位となってしまう。
【0050】
一方、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境である共有点EPは、図5が示すように、平面視において、シート端面1Eに位置する1つの点であり、また、図6が示すように、調光シートの厚さ方向に連なる1つの線である。そして、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境である共有点EPは、第1電極シート10と第2電極シート20とを備える駆動部1ECの端点でもある。結果として、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境である共有点EPは、厚さ方向にずれを伴う切れ目のような構成と比べて、機械的な強度を高められる。
【0051】
特に、共有点EPがシート端面1Eに位置することで、第1外周端面10E2と、第2外周端面20E1とが1つの共有点EPを介し、第1方向D1に連なる1つの平面として、シート端面1Eを構成する。そのため、共有点EPがシート端面1Eに位置しない構成と比較して、シート端面1Eの機械的強度がより高められる。
【0052】
[調光シートの製造方法]
図7が示すように、第1電極シート10と第2電極シート20との間に調光層31を備える調光シートが準備される。例えば、ロール体から第1電極シート10が引き出され、また、他のロール体から第2電極シート20が引き出され、そして、紫外線硬化性樹脂を含む液晶組成物が塗工された第1電極シート10に、第2電極シート20が貼り合わされる。次いで、液晶組成物に紫外線が照射されることによって、第1電極シート10と第2電極シート20との間に、調光層31が形成される。続いて、第1電極シート10の外形と第2電極シート20の外形とが一致し、第1シート周端面10Eと第2シート周端面20Eとが一致するように、積層体の外形が切断されることによって、調光シートが準備される。
【0053】
図8が示すように、第1電極シート10の一部は、当該一部と重なる調光層31と共に、プロットカッター40を用いて取り除かれる。例えば、プロットカッター40は、第1シート周端面10Eに第1端辺10ELを含む封止区画用端面10E1を形成する。これによって、第1シート周端面10Eが封止区画用端面10E1と第1外周端面10E2とに区切られる。次いで、第1電極シート10のなかで封止区画用端面10E1に区切られた縁部が、それと重なる調光層31と共に取り除かれ、これによって、第2非駆動部21EAが調光シートに区切られる。
【0054】
図9が示すように、第2電極シート20の一部は、当該一部と重なる調光層31と共に、プロットカッター40を用いて取り除かれる。例えば、プロットカッター40は、第2シート周端面20Eに、第2端辺20ELを含む端子区画用端面20E2を形成する。これによって、第2シート周端面20Eが、端子区画用端面20E2と第2外周端面20E1とに区切られる。次いで、第2電極シート20のなかで端子区画用端面20E2に区切られた縁部が、それと重なる調光層31と共に取り除かれ、これによって、第1端子12Pが調光シートに区切られる。
【0055】
そして、平面視において、シート端面1Eのなかの1点である共有点EPのみを共有するように、第1端辺10ELに縁取られた第2非駆動部21EAと、第2端辺20ELに縁取られた第1端子12Pとが形成される。以上のように、第1シート周端面10Eと第2シート周端面20Eとを加工された調光シートは、外周封止部51と端子封止部52とによって、調光層端面31Eの全体を覆われる。
【0056】
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境である共有点EPは、第1電極シート10、第2電極シート20、および調光層31を備えた駆動部1ECの端点でもある。そのため、共有点EPにおいて、第1電極シート10及び第2電極シート20が調光層31を介して互いに支持される構成となる。したがって、第1端子12Pと第2非駆動部21EAとの境が、第1電極シート10と第2電極シート20とが各別に存在する切れ目であって、調光シートの厚さ方向にずれを伴う切れ目のような構成と比べて、調光シートの機械的な強度を高められる。また、共有点EPがシート端面1Eに位置することで、共有点EPがシート端面1Eに位置しない構成と比較して、シート端面1Eの機械的強度がより高められる。
【0057】
(2)第1角度θ1および第2角度θ2が鋭角であることで、第1角度θ1および第2角度θ2の何れかが鈍角である構成と比較して、第3角度θ3を大きくすることができる。これにより、第3角度θ3が大きくなる分だけ共有点EPの近傍における駆動部1ECの面積を大きくできるため、調光シートの機械的な強度をより高められる。
【0058】
(3)第3角度θ3が鈍角であることで、第3角度θ3が鋭角である構成と比較して、第3角度θ3が大きくなる分だけ共有点EPの近傍における駆動部1ECの面積を大きくできる。したがって、調光シートの機械的な強度をより高められる。
【0059】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[調光シートの積層構造]
・第1電極シート10は、紫外線遮蔽層、赤外線遮蔽層、配向層、粘着層、保護層などの他の機能層を備えてもよい。第2電極シート20は、紫外線遮蔽層、赤外線遮蔽層、配向層、粘着層、保護層などの他の機能層を備えてもよい。
【0060】
図10が示すように、第1電極シート10は、第1透明基材11を覆う保護層15をさらに備えてもよい。保護層15は、第1透明基材11に対し第1透明電極層12とは反対側に位置する。保護層15は、保護層周端面15Eを備える。保護層周端面15Eは、平面視において、保護層15の全周にわたる端面である。保護層周端面15Eは、第1透明基材11の縁である第1シート周端面10Eよりもさらに第1透明基材11の内側に位置する。これによって、外周封止部51の接触する面は、第1透明基材11の縁を覆うように、さらに広げられる。
【0061】
第2電極シート20は、第2透明基材21を覆う粘着層25をさらに備えてもよい。粘着層25は、第2透明基材21に対し第2透明電極層22とは反対側に位置する。粘着層25は、例えば透明体に対する調光シートの貼り付けに用いられる。粘着層25は、粘着層周端面25Eを備える。粘着層周端面25Eは、平面視において、粘着層25の全周にわたる端面である。粘着層周端面25Eは、第2透明基材21の縁である第2シート周端面20Eよりもさらに第2透明基材21の内側に位置する。これによって、端子封止部52の接触する面は、第2透明基材21の縁を覆うように、さらに広げられる。
【0062】
・調光層31は、第1透明電極層12と第2透明電極層22とを備え、第1電極シート10は、第1透明電極層12を割愛された第1透明シートに変更され、第2電極シート20は、第2透明電極層22を割愛された第2透明シートに変更されてもよい。この場合、第1透明電極層12と第2透明電極層22とを備えた調光層31と、第1透明シートと、第2透明シートとが重なる部分が駆動部である。第1透明シートのなかで、封止区画用端面10E1に相当する部分が第1封止区画用端面であり、そして、第1非駆動部11EAに相当する部分が第1縁部である。第2透明シートのなかで、端子区画用端面20E2に相当する部分が第2封止区画用端面であり、そして、第2非駆動部21EAに相当する部分が第2縁部である。
【0063】
上述したように、平面視において、第1端辺10ELと第2端辺20ELとに1つの共有点EPを設定することは、調光層31に対する第1透明シートの側での封止部と、調光層31に対する第2透明シートの側での封止部とを共有点EPで連続させることである。そして、第1透明シートの一部から構成されて駆動部1ECに隣接する第1縁部、あるいは第2透明シートの一部から構成されて駆動部1ECに隣接する第2縁部は、仮に、端子機能を割愛されるとしても、調光層端面31Eに対する封止性を向上できる。
【0064】
[調光シートの外形]
・調光シートは、矩形状に限らず、矩形状以外の多角形状、円形状、楕円形状などの幾何学形状でもよいし、幾何学形状以外の不定形状でもよい。調光シートは、二次元の平面状に限らず、円筒面状、球面状、波状などの曲面状でもよい。
【0065】
[封止部]
・外周封止部51は、第1方向D1に沿って封止区画用端面10E1に追従し、かつ共有点EPを横切る位置まで、調光層端面31Eを覆う構成であってもよい。端子封止部52は、第1方向D1に沿って端子区画用端面20E2に追従し、かつ共有点EPを横切る位置まで、調光層端面31Eを覆う構成であってもよい。この場合、端子封止部52の一部と、外周封止部51の一部とが、調光シートの厚さ方向において重なるように、端子封止部52と外周封止部51とが、共有点EPを含め、調光層端面31Eの全体を覆う。
【符号の説明】
【0066】
θ1…第1角度
θ2…第2角度
θ3…第3角度
D1…第1方向
D2…第2方向
EP…共有点
1E…シート端面
1EA…非駆動部
1EC…駆動部
10…第1電極シート
10E1…封止区画用端面
10E2…第1外周端面
10EL…第1端辺
11EA…第1非駆動部
12…第1透明電極層
12P…第1端子
20…第2電極シート
20E1…第2外周端面
20E2…端子区画用端面
20EL…第2端辺
21EA…第2非駆動部
22…第2透明電極層
22P…第2端子
31…調光層
51…外周封止部
52…端子封止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16