(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071093
(43)【公開日】2023-05-22
(54)【発明の名称】壁面設置用の取付部材及び壁面設置物
(51)【国際特許分類】
A47B 96/06 20060101AFI20230515BHJP
A47B 91/02 20060101ALI20230515BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A47B96/06 E
A47B96/06 C
A47B91/02
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183701
(22)【出願日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】舩木 速人
(72)【発明者】
【氏名】武田 忠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 丈太郎
【テーマコード(参考)】
3B067
3B069
【Fターム(参考)】
3B067AA00
3B067BA01
3B069AA01
3B069AA04
(57)【要約】
【課題】本発明は、取付部材以外、例えばビスなどの固定具を使用せずに、壁面設置物を固定可能な取付部材と、この取付部材によって設置される壁面設置物を提供するものである。
【解決手段】壁面に構造体(第1構造体30)を設置するための取付部材であって、取付部材は、壁面に固定される固定プレート(第1固定プレート21)と、固定プレートに取り付けられ、壁面から離れる方向に延びる少なくとも2枚の支持プレート(第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)とを備え、2枚の支持プレートは、壁面の高さ方向において、構造体がはまり込む距離以上離れて対向する。2枚の支持プレートのうち、上側に配置される上側支持プレートは、下側に配置される下側支持プレートよりも突出長が短く、下側支持プレートは、固定プレートと反対側の先端部に立ち上がり構造(第1立上部64)を具備しても良い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に構造体を設置するための取付部材であって、
前記取付部材は、
前記壁面に固定される固定プレートと、
前記固定プレートに取り付けられ、前記壁面から離れる方向に延びる少なくとも2枚の支持プレートとを備え、
前記2枚の支持プレートは、前記壁面の高さ方向において、前記構造体がはまり込む距離以上離れて対向することを特徴とする壁面設置用の取付部材。
【請求項2】
前記2枚の支持プレートのうち、上側に配置される上側支持プレートは、下側に配置される下側支持プレートよりも突出長が短く、
前記下側支持プレートは、前記固定プレートと反対側の先端部に立ち上がり構造を具備することを特徴とする請求項1に記載の壁面設置用の取付部材。
【請求項3】
前記2枚の支持プレートのうち少なくとも一方と前記固定プレートとの結合状態を補強する補強部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁面設置用の取付部材。
【請求項4】
前記2枚の支持プレートは、前記固定プレートの表面からの突出長さが同一であり、
前記下側支持プレートには、その下面に接する追加プレートが配置され、
前記追加プレートは、前記固定プレートと反対側の端部に立ち上がり構造を具備することを特徴とする請求項2に記載の壁面設置用の取付部材。
【請求項5】
前記固定プレートは、矩形状に形成され、且つ前記固定プレートの表面から前記壁面に向かって貫通する1つ又は複数の取付穴を具備することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の壁面設置用の取付部材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の壁面設置用の取付部材と構造体とを備え、前記構造体には、前記取付部材の前記2枚の支持プレートの離隔距離に対応するサイズの第1部材を少なくとも具備し、
前記第1部材を前記2枚の支持プレートの間に挿嵌することを特徴とする壁面に設置可能な壁面設置物。
【請求項7】
前記構造体には、床面との距離を調整可能なアジャスター機構を具備することを特徴とする請求項6に記載の壁面設置物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付部材以外、例えばビスなどの固定具を使用せずに、壁面設置物を固定可能な取付部材と、この取付部材によって設置される壁面設置物を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、壁面等に飾り棚や収納ボックス等の収納体を固定する取付手段として、L字金具やアンカー等からなる「飾り棚」が知られている(特許文献1の段落「0005」、並びに
図1~3及び
図6)。上記した従来のL字金具は、収納体を構成する板材の両端付近に配置されて、その垂直部を壁面に固定すると共に、水平部を板材の上面や下面に固定することにより、収納体を壁面に固定する。そして、固定手段として、通常、釘止めやネジ止めを用いている。
その他の取付構造として、例えば、壁面等に固定されたフレーム体と、フレーム体の支柱に取り付けられるブラケットと、棚板を取り付けるためのアタッチメントと、からなる「部材取付構造」が知られている(特許文献2の段落「0017」及び「0018」、並びに
図1及び
図5参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-33020号公報
【特許文献2】特開2008-295927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の「飾り棚」(特許文献1)では、棚板を、壁面に固定したL字金具にビス止めしなければならず、取り付けに手数が掛かるという問題点があった。
また、上記した従来の「部材取付構造」(特許文献2)でも、棚板を、フレーム体の支柱に取り付けられるブラケットに、複数個のアタッチメントを使用して取り付けなければならず、取り付けに手数が掛かるという問題点があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、取付部材以外、例えばビスなどの固定具を使用せずに、壁面設置物を固定可能な取付部材と、この取付部材によって設置される壁面設置物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る壁面設置用の取付部材であって、前記取付部材は、前記壁面に固定される固定プレートと、前記固定プレートに取り付けられ、前記壁面から離れる方向に延びる少なくとも2枚の支持プレートとを備え、前記2枚の支持プレートは、前記壁面の高さ方向において、前記構造体がはまり込む距離以上離れて対向することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の一態様に係る取付部材であって、前記2枚の支持プレートのうち、上側に配置される上側支持プレートは、下側に配置される下側支持プレートよりも突出長が短く、前記下側支持プレートは、前記固定プレートと反対側の先端部に立ち上がり構造を具備することを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係る取付部材であって、前記2枚の支持プレートのうち少なくとも一方と前記固定プレートとの結合状態を補強する補強部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る取付部材であって、前記2枚の支持プレートは、前記固定プレートの表面からの突出長さが同一であり、前記下側支持プレートには、その下面に接する追加プレートが配置され、前記追加プレートは、前記固定プレートと反対側の端部に立ち上がり構造を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る取付部材であって、前記固定プレートは、矩形状に形成され、且つ前記固定プレートの表面から前記壁面に向かって貫通する1つ又は複数の取付穴を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る壁面に設置可能な壁面設置物であって、前記壁面設置用の取付部材と構造体とを備え、前記構造体には、前記取付部材の前記2枚の支持プレートの離隔距離に対応するサイズの第1部材を少なくとも具備し、前記第1部材を前記2枚の支持プレートの間に挿嵌することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る壁面に設置可能な壁面設置物であって、前記構造体には、前記床面との距離を調整可能なアジャスター機構を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る壁面設置用の取付部材によれば、取付部材以外、例えばビスなどの固定具を使用せずに、壁面設置物を固定可能な取付部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施例に係わり、壁面設置物の一部分解斜視図である。
【
図4】
図1の第1取付部材に第1構造体を取り付けた状態を示す一部斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施例に係わり、アジャスター機構の斜視図である。
【
図6】本発明の第3の実施例に係わり、第2取付部材の斜視図である。
【
図7】本発明の第4の実施例に係わり、第3取付部材の斜視図である。
【
図8】本発明の第5の実施例に係わり、第4取付部材の分解斜視図である。
【
図9】本発明の第6の実施例に係わり、第5取付部材の斜視図である。
【
図10】本発明の第7の実施例に係わり、
図7の第3取付部材と、第2構造体の一部斜視図である。
【
図13】本発明の第8の実施例に係わり、第3構造体の斜視図である。
【
図14】本発明の第9の実施例に係わり、第6取付部材の断面図である。
【
図15】本発明の第10の実施例に係わり、第7取付部材の断面図である。
【
図16】本発明の第11の実施例に係わり、第8取付部材の断面図である。
【
図17】本発明の他の変形例を示し、同図(a)は第4構造体の一部平面図、(b)は第9取付部材の平面図、(c)は第10取付部材と第11取付部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施するための形態の説明)
以下、本発明を実施するための形態について、
図1~
図17を参照しながら説明を加える。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内であって、種々の変更を加えることができる。
【0015】
(壁面設置物10)
図1及び
図4中、10は、壁面設置物であり、壁面設置物10は、第1取付部材20を介し、第1構造体30を壁面に設置するものである。
【0016】
(第1取付部材20)
第1取付部材20は、
図1、
図2に示すように、第1固定プレート21、第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23から少なくとも構成される。
なお、第1取付部材20を、3個のプレートから構成したが、これに限らず、例えば3個のプレートのうち、少なくとも1個のプレートを複数個のプレートから構成し、4個以上のプレートから構成しても良い。
第1取付部材20は、例えば木製である。なお、第1取付部材20として、木製を例示したが、木製に限定されず、使用する素材には特に制限はなく、必要とされる強度に応じて適宜選定され、例えばプラスチック製、金属製、或いはこれらの組み合わせなどを使用しても良い。
【0017】
(第1固定プレート21)
第1固定プレート21は、その裏面を壁面に固定される、平板状のプレートであり、形状について特に制限はないが、設置の容易さや加工のし易さなどを考慮して矩形状としても良い。
ここで、矩形状は、例えば長方形のように、4つの角がすべて等しい四角形を意味する。また、第1固定プレート21の厚みについては、必要な強度などに応じて適宜設計される。
壁面への固定は、図示しないが、例えば壁面に予め開けた孔部にビスなどを使用して固定したり、或いは接着剤や両面テープなどによる固定など、公知の方法で実施できる。
【0018】
(第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)
第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23は、2枚の平板状のプレートであり、壁面から離れる方向に延びる。
2枚のプレートは、壁面の高さ方向において、後述する第1構造体30の第1部材31がはまり込む距離以上離れて対向する。
対向する2枚のプレートの間の離隔距離は、第1部材31の上下の厚みに対応し、当該第1部材31がちょうど嵌まるサイズに設定されている。
なお、2枚のプレートとしては、平板状のプレートを例示したが、これに限らず、形状について特に制限はないが、設置の容易さや加工のし易さなどを考慮して矩形状としても良い。また、2枚のプレートの厚みについても、第1固定プレート21と同様に、必要な強度などに応じて適宜設計される。
【0019】
2枚のプレートは、その突出長さを同じく設定し、平行に配置され、又、厚みも等しく設定している。
なお、2枚のプレートの突出長さを同じく設定したが、これに限らず、例えば
図6に示すように、突出長さを異ならせても良い。
また、2枚の支持プレートを平行に配置したが、例えば
図15や
図16に示すように、非平行に配置しても良い。
さらに、2枚の支持プレートの厚みを等しく設定したが、図示しないが、厚みを異ならせても良い。
また、2枚の支持プレートと、第1固定プレート21との厚みを等しく設定したが、図示しないが、例えば2枚の支持プレートの厚みと第1固定プレート21の厚みとを異ならせても良いし、或いは3枚のプレートの厚みを相互に異ならせても良い。
2枚の支持プレートの第1固定プレート21への固定は、例えばビス、釘などを使用して固定したり、接着剤や両面テープなどによる固定、或いは溶接など、公知の方法で実施できる。
【0020】
(嵌合部24)
2枚の支持プレートの間には、
図2、
図4に示すように、第1構造体30の第1部材31がはまり込み、溝状の嵌合部24を形成している。
嵌合部24は、前面が開放し、奥側は第1固定プレート21の表面により塞がれ、左右の両側面は開放されている。
嵌合部24の内部の高さは、2枚の支持プレートの離隔距離に相当し、例えば40mmに設定されている。なお、離隔距離として、40mmを例示したが、これに限定されず、第1部材31の厚みに対応していれば良い。
嵌合部24は、2枚の支持プレートの対向間隔内に限られる。すなわち、2枚の支持プレートの突出長さが等しい場合においては、2枚の支持プレートの先端部の端面の延長線上から、奥側の第1固定プレート21の表面までが嵌合部24の奥行きとなる。2枚の支持プレートの突出長さが等しくない場合、例えば
図6の第2取付部材50の場合には、第2上側支持プレート52の先端部の端面の延長線上から、奥側の第2固定プレート51の表面までが嵌合部24の奥行きとなる。嵌合部24を超えると、第2上側支持プレート52が短く、2枚の支持プレートが対向しなくなるためである。
【0021】
(第1構造体30)
第1構造体30は、
図1、
図3に示すように、第1部材31、第2部材32、第3部材33から少なくとも構成される。
なお、第1構造体30を、3個の部材から構成したが、これに限らず、例えば第2部材32と第3部材33との間に棚部材を掛け渡し、4個以上の部材から構成しても良い。
第1構造体30は、例えば木製である。なお、第1構造体30として、木製を例示したが、木製に限定されず、使用する素材には特に制限はなく、必要とされる強度に応じて適宜選定され、例えばプラスチック製、金属製、或いはこれらの組み合わせなどを使用しても良い。
【0022】
(第1部材31)
第1部材31は、
図1、
図3及び
図4に示すように、嵌合部24にちょうどはまり込むサイズに設定されている。
第1部材31は、角状の長尺材から形成されている。
なお、第1部材31として、角状を例示したが、これに限らず、図示しないが、例えば棒状、筒状、平板状など種々の形状が使用できる。
第1部材31の上下の厚みは、2枚の支持プレートの離隔距離に対応する。
また、第1部材31の前後の幅は、嵌合部24の奥行き以下であれば良い。例えば、第1部材31の前後の幅が、奥行きを超えると、嵌合部24の開口前面から突出し、外観上、見苦しく見え、好ましくない。
第1部材31の左右方向の全長は、
図2の嵌合部24の左右方向の横幅を超えている。このため、第1部材31を、嵌合部24にはめ込むと、第1部材31の左右両端部が、
図4に示すように、上下の2枚の支持プレートから外側に突出する。
【0023】
(第2部材32、第3部材33)
第2部材32、第3部材33は、第1部材31と同様に、長尺な角状に形成されている。
なお、第2部材32、第3部材33として、角状を例示したが、これに限らず、図示しないが、例えば棒状、筒状、平板状など種々の形状が使用できる。
第1部材31への固定は、例えばビス、釘などを使用して固定するほか、接着剤や両面テープなどによる固定、或いは溶接など、公知の方法で実施できる。
左右の2個の部材は、
図4に示すように、第1部材31が第1取付部材20に取り付けられた状態において、図示しないが、床面に向かって延び、下端部が床面に載置され、第1構造体30の脚部として機能する。
【0024】
(第1部材31の「梁」や「横桟」として機能)
また、第1部材31は、第2部材32と第3部材33との間に位置し、2個の部材を支持する「梁」や「横桟」として機能する。
ここで、「梁」は、一般的に垂直材である柱の上に水平に置き,上からの荷重を支える部材である。
第1部材31は、
図1に示すように、左右の第2部材32と第3部材33との間に位置する。
なお、第1部材31を、左右の第2部材32と第3部材33との間に位置させたが、これに限らず、次項で説明する
図17(a)の第4構造体150に示すように、第1部材31を左右の第2部材32と第3部材33との上にまたがらせても良い。
【0025】
(
図17(a)に示す第4構造体150)
図17(a)に示す第4構造体150は、第1構造体30の変形例を示すものである。
第4構造体150の中央に位置する第12部材151は第1部材31に、向かって左側の第13部材152は第2部材32に、右側の第14部材153は第3部材33にそれぞれ相当する。そして、中央の第12部材151は、左右に位置する第13部材152と、第14部材153との上に置かれ、第13部材152と第14部材153とを相互に連結する。
【0026】
(第1取付部材20への第1構造体30の装着)
第1部材31を、
図1及び
図4に示すように、2枚の支持プレートの間、すなわち嵌合部24の開放前面に位置させ、開放前面から嵌合部24内にはめ込む。第1部材31を、嵌合部24の奥に向かって移動させる。第1部材31を移動させると、嵌合部24内において、第1固定プレート21の表面に突き当たり、嵌合部24にちょうど嵌り込む。
この状態では、第1部材31の左右の両端部は、嵌合部24の左右の開放側面から突出し、両端部に連接した左右の第2部材32、第3部材33は、床面に向かって延び、下端部が床面に設置される。
このとき、第1部材31は、2枚の支持プレートの間に位置し、その離隔距離を第1部材31に対応させていることから、離隔距離内で回転したり、開放前面側に移動して抜け落ちるのを防止できる。
また、第2部材32、第3部材33が床面に設置されていることから、第1部材31の回転や移動を防止できる。
さらに、第2部材32、第3部材33が床面に設置されていることから、第1構造体30から第1取付部材20に加わる荷重を、壁面と床面とに分散できる。
【0027】
(第1取付部材20と第1構造体30との用い方について)
第1取付部材20と、第1構造体30との用い方の一例を説明する。
(例1)多対1
例えば、取付部材を壁面の異なる位置に予め多数固定しておくことで、構造体の取付位置を容易に且つ迅速に変化でき、展示会などで活用することができる。
(例2)1対多
例えば、構造体を多数用意しておき、1個の取付部材に対し、構造体を交換することで、季節の変化やその日の気分に応じ、部屋の模様替えを容易に且つ迅速に行うことができる。また、構造体にモニターや照明等の機器を収納している場合には、故障などに際し、取り外して修理や部品の交換に迅速に対応できる。
(例3)多対多
例えば、取付部材を予め多数固定し、構造体も多数用意しておくことで、多種多様な利用方法を採用できる。
【0028】
(第1構造体30への棚部材の設置)
脚部として機能する第2部材32と、第3部材33との間に、図示しないが、棚部材を渡らせ、例えば陳列棚や保管棚として使用することが可能である。
棚部材の設置により、第1構造体30に、例えば陳列棚や保管棚の機能を持たせることができる。
【0029】
(
図5のアジャスター機構40)
アジャスター機構40は、
図5に示すように、第1構造体30の設置後の高さを調整する機構である。
アジャスター機構40は、床面に接する脚部と、脚部から延びたねじ棒から構成され、ねじ棒を第1構造体30にねじ込み、床面との距離を調整可能としている。
なお、アジャスター機構40は、
図5の形状に限らず、公知の構造や形状のものを使用可能である。
アジャスター機構40の調整により、第1構造体30の下部と床面との間のがた付きを防止できるとともに、第2部材32及び第3部材33に連接された第1部材31が、嵌合部24において第1上側支持プレート22と当接することで、より強固に第1構造体30を壁面に固定することができる。
【0030】
(
図6~
図9の取付部材の変形例の説明)
図6~
図9を用い、
図2の第1取付部材20変形例について説明する。
図6の第2取付部材50は、第1取付部材20と同様に、第2固定プレート51、第2上側支持プレート52、第2下側支持プレート53から構成される。
第2取付部材50は、第1取付部材20と同様に、例えば木製である。なお、第2取付部材50は、木製に限定されず、例えばプラスチック製、金属製、或いはこれらの組み合わせなどでも良い。
第2下側支持プレート53の突出長さを、上側の第2上側支持プレート52に比べ、長く設定している。
【0031】
(第2取付部材50への第1構造体30の装着)
第1構造体30は、その第1部材31を突出長さの長い第2下側支持プレート53の上面に載せ、当該上面をスライドさせながら、奥に向かって移動させ、第2上側支持プレート52の下側まで移動させる。
これにより、第1部材31は、第2上側支持プレート52の下面と第2下側支持プレート53の上面との間にはまり込み、2枚の支持プレートの間に固定される。
第2取付部材50によれば、第2上側支持プレート52に比較し、第2下側支持プレート53の突出長さが長いことから、第1部材31を第2下側支持プレート53の上面に載せながら装着でき、装着時の第1部材31の重量を軽減できるばかりでなく、第2下側支持プレート53の上面をスライドさせることで、迅速に且つ確実に第1部材31を2枚の支持プレートの間に移動して固定できる。
【0032】
(
図7の第3取付部材60)
第3取付部材60は、
図7に示すように、第2取付部材50と同様に、第3固定プレート61、第3上側支持プレート62、第3下側支持プレート63から構成される。
第3取付部材60は、例えば金属製である。なお、第3取付部材60は、金属製に限定されず、例えば木製、プラスチック製、或いはこれらの組み合わせなどでも良い。
第3固定プレート61への各支持プレートの固定は、例えば溶接、ビスなどを使用して固定したり、接着剤や両面テープなどによる固定など、公知の方法で実施できる。
第3下側支持プレート63は、
図6の第2取付部材50と同様に、その突出長さを、上側の第3上側支持プレート62に比べ、長く設定している。
第3下側支持プレート63の先端部には、上方に断面L字形に折れ曲がった第1立上部64を形成する。
【0033】
(上下の支持プレートの突出長さの関係)
下側の第3下側支持プレート63は、
図7、
図10に示すように、上側の第3上側支持プレート62と比較し、突出長さを長くしている。しかし、下側の第3下側支持プレート63が、長すぎると、第7部材104を引っ掛けた際に撓みやすくなる。
そこで、第7部材104の幅Wと第3上側支持プレート62の突出長さLとを同程度と仮定し、第3下側支持プレート63の突出長さMを、次の式(1)に基づいて算定可能とした。
M>=L×2+α 式(1)
上記「α」は、第7部材104を、第1立上部64を超えて、且つ、第3上側支持プレート62に接触しないように、第3下側支持プレート63の上面に載せるために必要な加算値である。なお、第3下側支持プレート63に、第1立上部64を設けない場合には、「α」を除いても良い。
上記式(1)を用いることで、第3下側支持プレート63の突出長さMを、撓みにくい、適切な数値に予め設定可能である。
【0034】
(第3取付部材60への第1構造体30の装着)
例えば第1構造体30の第1部材31は、第1立上部64の上方を通過させ、第3下側支持プレート63の上面に載せる。つぎに、第1部材31は、当該上面をスライドさせながら、奥に向かって移動させ、第3上側支持プレート62の下側まで移動させる。
また、装着後、予期せず、第1部材31が第3下側支持プレート63の先端側に向かって移動すると、第3上側支持プレート62の突出長が短いことから、第3下側支持プレート63の上面上で回転が可能となる。このとき、第1部材31が、第3下側支持プレート63の先端部側に倒れようとすると、第1立上部64に当たり、倒れ掛かりが阻止される。
このため、第1立上部64により、第1部材31の倒れ掛かりを防止できるという効果を奏する、立ち上がり構造を提供できる。
【0035】
(
図8の第4取付部材70)
第4取付部材70は、
図8に示すように、第2取付部材50と同様に、第4固定プレート71、第4上側支持プレート72、第4下側支持プレート73から構成される。
第4上側支持プレート72、第4下側支持プレート73は、突出長さを等しく設定している。
第4下側支持プレート73の下側には、別体の追加プレート80を取り付けている。
第4取付部材70、追加プレート80は、例えば金属製である。なお、第4取付部材70、追加プレート80は、金属製に限定されず、例えば木製、プラスチック製、或いはこれらの組み合わせなどでも良い。
第4固定プレート71には、上側と下側とにそれぞれ位置し、表裏面に貫通し、左右一対の第1上側取付穴74、第1下側取付穴75を形成している。
壁面への固定は、図示しないが、壁面に予め開けた孔部に、第1上側取付穴74、第1下側取付穴75からビスなどをそれぞれねじ込んで固定する。
【0036】
(追加プレート80)
追加プレート80は、第4固定プレート71に固定する連結プレート81と、連結プレート81の上端から第4下側支持プレート73の下面に沿い、L形に折れ曲がり、第4下側支持プレート73より長く張り出した張出プレート82とから構成する。
張出プレート82の先端部には、上方に断面L字形に折れ曲がった追加立上部83を形成する。
連結プレート81には、表裏面に貫通し、第4固定プレート71の一対の第1下側取付穴75にそれぞれ連通する一対の連結穴84を形成する。
連結穴84と第1下側取付穴75とを連通させ、ビスなどを壁面の孔部に一連にねじ込み、共締めし、壁面に第4取付部材70と追加プレート80とを一体的に固定する。
追加プレート80を固定すると、張出プレート82が第4取付部材70の第4下側支持プレート73の下面に重なり合い、全体の突出長さが延長される。その結果、第4下側支持プレート73全体の突出長さが、第4上側支持プレート72より長くなる。
なお、このとき、張出プレート82と第4下側支持プレート73とのつなぎ目に段差かできるが、例えば張出プレート82の先端部側を上方に屈曲させて、面一になるようにしても良い。
また、追加プレート80の追加立上部83により、例えば、第1部材31の倒れ掛かりを防止できる。
【0037】
(
図9の第5取付部材90)
第5取付部材90は、
図9に示すように、第2取付部材50と同様に、第5固定プレート91、第5上側支持プレート92、第5下側支持プレート93から構成される。
第5取付部材90は、第3取付部材60と同様に、例えば金属製である。なお、第5取付部材90は、金属製に限定されず、例えば木製、プラスチック製、或いはこれらの組み合わせなどでも良い。
第5下側支持プレート93は、その突出長さを、第3取付部材60と同様に、上側の第5上側支持プレート92に比べ、長く設定する。第5下側支持プレート93の先端部には、上方に断面L字形に折れ曲がった第2立上部94を形成する。
第5取付部材90によれば、第2立上部94により、立ち上がり構造を構成できる。
【0038】
(上側補強部材95、下側補強部材96)
隣接する第5固定プレート91の表面と、第5上側支持プレート92の上面との間には、略三角形状の上側補強部材95を連接する。また、隣接する第5固定プレート91の表面と、第5下側支持プレート93の下面との間には、上側補強部材95と同様に、略三角形状の下側補強部材96を連接する。
なお、補強部材の配置される位置、形状、個数などは、図示したものに限定されず、補強に必要な強度が得られれば特に限定されず、又、第5上側支持プレート92と第5下側支持プレート93とにそれぞれ設けたが、一方にだけ設けても良い。
第5取付部材90によれば、上側補強部材95、下側補強部材96により、第5上側支持プレート92、第5下側支持プレート93の剛性を向上できる。
【0039】
(
図10~
図13の構造体の変形例の説明)
図10~
図13を用い、
図3の第1構造体30の変形例について説明する。
第2構造体100は、
図12に示すように、平板状のプレートであり、左右の側面を塞ぐ左右一対の第4部材101及び第5部材102、および、平板状のプレートであり、左右の第4部材101と第5部材102との前側の端面同士を繋ぎ、前面を塞ぐ第6部材103、および、角状の長尺材であり、左右の第4部材101と第5部材102とが対向する内側面を連結する第7部材104から構成される。
第2構造体100は、例えば金属製である。なお、第2構造体100として、金属製を例示したが、金属に限定されず、使用する素材には特に制限はなく、必要とされる強度に応じて適宜選定され、例えば木製、プラスチック製、或いはこれらの組み合わせなどを使用しても良い。
また、第4部材101、第5部材102、第6部材103として、平板状のプレートを例示したが、これに限らず、図示しないが、例えば角状、棒状、筒状など種々の形状が使用できる。また、第7部材104として、角状を例示したが、これに限らず、図示しないが、例えば棒状、筒状、平板状など種々の形状が使用できる。
【0040】
(第7部材104)
第7部材104は、左右の平板状プレートを支持する「梁」や「横桟」、或いは「連結部材」、「支持部材」、「補強部材」として機能する。
そして、第7部材104は、
図7の第3取付部材60に保持される。
第7部材104の上下の厚さは、第3取付部材60の上下の2枚の支持プレートの離隔距離に対応し、2枚の支持プレートの間にはまり込んで保持される。
第2構造体100は、第3取付部材60を介して、壁面に設置され、又、下部は床面に載置される。
これにより、第2構造体100の下部は、床面に載置され、第3取付部材60に加わる荷重を分散できる。
また、第2構造体100の下部に、
図5のアジャスター機構40を取り付け、床面との距離を調整可能としても良い。
アジャスター機構40の調整により、第2構造体100の下部と床面との間のがた付きを防止できるとともに、より強固に第2構造体100を壁面に固定することができる。
【0041】
(コの字形のプレート)
第4部材101、第5部材102、第6部材103から、コの字形のプレートを構成する。コの字型のプレートは、連接でも、折り曲げ加工でも可能である。
コの字型のプレートの表面に化粧シートを貼り、意匠性を付与しても良い。
このようにして、第2構造体100を、後付け設置壁や間仕切りとして使用することもできる。
また、コの字型プレートを、アクリル板などの透明な素材で構成し、表面に光透過性を有する化粧シートを貼るなどして、コの字型プレートの内部にライト(光源)を設置すれば、壁面照明としても使用できる。
【0042】
(
図13の第3構造体110)
第3構造体110は、
図13に示すように、第2構造体100と同様に、左右の側面に位置する左右一対の第8部材111及び第9部材112、前面に位置する第10部材113、左右の第8部材111と第9部材112とが対向する内側面を連結する第11部材115から構成される。
前面に位置する第10部材113には、表裏面に貫通する開口部114を形成している。開口部114は、第3構造体110の内部に設置するモニター(図示せず)のサイズに対応する。
第3構造体110の内部の奥行きは、適宜設計され、例えば内部に設置するモニターの奥行きに対応した距離とすることもできる。
第3構造体110は、第2構造体100と同様に、例えば金属製である。なお、第3構造体110として、金属製を例示したが、金属に限定されず、使用する素材には特に制限はなく、必要とされる強度に応じて適宜選定され、例えば木製、プラスチック製、或いはこれらの組み合わせなどを使用しても良い。
【0043】
(第11部材115)
第11部材115は、左右の平板状プレートを支持する「梁」や「横桟」、或いは「連結部材」、「支持部材」、「補強部材」として機能する。
そして、第11部材115は、
図7の第3取付部材60に保持される。
第11部材115の上下の厚さは、第3取付部材60の上下の2枚の支持プレートの離隔距離に対応し、2枚の支持プレートの間にはまり込んで保持される。
第3構造体110は、第3取付部材60を介して、壁面に設置され、又、下部は床面に載置される。
これにより、第3構造体110の下部は、床面に載置されることで、第3取付部材60に加わる荷重を分散できる。
また、第3構造体110の下部に、
図5のアジャスター機構40を取り付け、床面との距離を調整可能としても良い。
アジャスター機構40の調整により、第3構造体110の下部と床面との間のがた付きを防止できるとともに、より強固に第3構造体110を壁面に固定することができる。
【0044】
(コの字形のプレート)
第8部材111、第9部材112、第10部材113から、コの字形のプレートを構成する。コの字型のプレートは、連接でも、折り曲げ加工でも可能である。
コの字型のプレートの表面に化粧シートを貼り、意匠性を付与しても良い。また、開口部114には、一定の光透過性を有する構成としても良い。
このような構成とすることで、内部に設置するモニターをONにした際には、モニターの表示内容が視認され、モニターをOFFにした場合は、化粧壁となるような壁面ディスプレイとして使用することもできる。
【0045】
(
図14~
図16の取付部材の変形例の説明)
図14~
図16を用い、取付部材の他の変形例について説明する。
図14の第6取付部材120は、第6固定プレート121の前面から、第6上側支持プレート122及び第6下側支持プレート123を、斜め上方に上り傾斜させ、平行に且つ同一の突出長で突出させている。
第6取付部材120への構造体の装着について、
図7の第1構造体30を例に説明する。
2枚の支持プレートの離隔距離と、第1構造体30の第1部材31とを対応させ、2枚の支持プレートの間の開放面から第1部材31をはめ込む。
2枚の支持プレートの間に、第1部材31を挿入すると、支持プレートが奥に向かって下り傾斜することで、第1構造体30の自重が作用し、比較的軽い力で奥側、すなわち斜め下側に向かって移動できる。
また、第1部材31をはめ込むと、上方の開放面に向かって上り傾斜させていることで、第1部材31を2枚の支持プレートの間から抜け難くできる。
【0046】
(
図15の第7取付部材130)
第7取付部材130は、
図15に示すように、第7固定プレート131の前面から、第7下側支持プレート133を水平に突出させる。
第7上側支持プレート132は、第7下側支持プレート133から上方に所定の距離を離隔させ、斜め上方に上り傾斜させて突出させる。
なお、第7上側支持プレート132と、第7下側支持プレート133との突出長さを比較すると、第7上側支持プレート132が少し長くなっている。
また、2枚の支持プレートの間は、その先端部に向かって徐々に広く開口しているので、例えば
図1の第1部材31を用いた場合にはその挿入性を向上できる。
一方、2枚の支持プレートの間に挿嵌する第1部材31の形状は、少なくとも第7下側支持プレート133の上面に接するものであれば足り、矩形でも良いし、矩形以下の多角形、円筒状、或いは上側の第7上側支持プレート132の傾斜に合わせた斜面を有するものでも良い。
【0047】
(
図16の第8取付部材140)
第8取付部材140は、
図16に示すように、第8固定プレート141の前面から、第8下側支持プレート143を下り傾斜させて突出させる。
第8上側支持プレート142は、第8下側支持プレート143から上方に所定の距離を離隔させ、水平に突出させる。
第8下側支持プレート143の先端部には、上方に断面L字形に折れ曲がった第3立上部144を形成する。
第8取付部材140によれば、第3立上部144により、例えば
図1の第1部材31を用いた場合にはその倒れ掛かりを防止できる立ち上がり構造を提供できる。
一方、第1部材31の形状は、第3立上部144に引っかけるようにして第8下側支持プレート143の上面に固定できるものであれば良い。アジャスター機構40を使用する場合には、第8上側支持プレート142に第1部材31を突き当てることで固定可能であるため、矩形や円筒状、或いは第8下側支持プレート143の傾斜に合わせた斜面を有するものであっても良い。
【0048】
(
図17(b)の第9取付部材160)
図17(b)の第9取付部材160は、取付部材の変形例を示すものである。
第9固定プレート161の前面には、
図17(b)の向かって左側の上方に第9上側支持プレート162を設け、右側の下方に第9下側支持プレート163を設けている。
第9上側支持プレート162と、第9下側支持プレート163とは、上下方向に所定の距離だけ離隔し、左右方向に互い違いに位置する。所定の距離は、第1構造体30の第1部材31がはまり込む距離以上に設定している。
第1部材31は、第9上側支持プレート162と、第9下側支持プレート163との上下の間隔内にはめ込み、第9上側支持プレート162と、第9下側支持プレート163とにまたがって位置させる。
これにより、第1部材31は、第9上側支持プレート162と、第9下側支持プレート163とに上下方向からはさまれて固定される。
第9取付部材160によれば、2枚の支持プレートを上下に位置させた場合と比較し、2枚の支持プレートが左右方向に互い違いに位置することから、支持面を左右方向に拡大でき、長尺な第1部材31をバランス良く支持できる。
【0049】
(
図17(c)の第10取付部材170と第11取付部材180)
第10取付部材170は、
図17(c)の向かって左側に位置する。第10固定プレート171の前面の上側には、第10上側支持プレート172を設けている。
第11取付部材180は、第10取付部材170の向かって右側に位置する。第11固定プレート181の前面の下側には、第11下側支持プレート182を設けている。
第10上側支持プレート172と第11下側支持プレート182との間の離隔距離は、第10固定プレート171と第11固定プレート181とを、壁の同一の高さに固定したときに、
図17(b)の離隔距離に一致するように設定されている。
第11下側支持プレート182を、
図17(c)に示すように、第10上側支持プレート172より低い位置に固定することで、
図17(b)と比較し、離隔距離を拡大できる。
また、左右の2枚の固定プレートの距離を変化させることで、第10上側支持プレート172と第11下側支持プレート182との間の左右の距離を変化させることができる。
【0050】
(本発明に基づく実施形態に係る特徴点と効果)
本発明に基づく実施形態の特徴点は、次の通りである。
(第1の特徴点)
第1の特徴点は、例えば
図1及び
図2に示すように、壁面に構造体(例えば第1構造体30)を設置するための取付部材(例えば第1取付部材20)であって、取付部材(例えば第1取付部材20)は、壁面に固定される固定プレート(例えば第1固定プレート21)と、固定プレート(例えば第1固定プレート21)に取り付けられ、壁面から離れる方向に延びる少なくとも2枚の支持プレート(例えば第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)とを備え、2枚の支持プレート(例えば第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)は、壁面の高さ方向において、構造体(例えば第1構造体30の第1部材31)がはまり込む距離以上離れて対向する。
【0051】
(第1の特徴点の効果)
第1の特徴点によれば、例えばビスなどの固定具を使用せずに、壁面設置物を固定可能な取付部材(例えば第1取付部材20)を提供できる。
また、取付部材(例えば第1取付部材20)は、例えば重量が重い、若しくは高さの高い構造体(例えば第1構造体30)の取り付けに適している。
【0052】
(第2の特徴点)
第2の特徴点は、例えば
図7に示すように、2枚の支持プレート(例えば第3上側支持プレート62、第3下側支持プレート63)のうち、上側に配置される上側支持プレート(例えば第3上側支持プレート62)は、下側に配置される下側支持プレート(例えば第3下側支持プレート63)よりも突出長が短く、下側支持プレート(例えば第3下側支持プレート63)は、固定プレート(例えば第3固定プレート61)と反対側の先端部に立ち上がり構造(例えば第1立上部64)を具備する。
【0053】
(第2の特徴点の効果)
第2の特徴点によれば、立ち上がり構造(例えば第1立上部64)により、壁面に設置された構造体(例えば第1構造体30の第1部材31)が、壁面から離間して倒れ掛かるのを防止できる。
【0054】
(第3の特徴点)
第3の特徴点は、例えば
図9に示すように、2枚の支持プレート(例えば第5上側支持プレート92、第5下側支持プレート93)のうち少なくとも一方と固定プレート(例えば第5固定プレート91)との結合状態を補強する補強部材(例えば上側補強部材95、下側補強部材96)が配置されている。
【0055】
(第3の特徴点の効果)
第3の特徴点によれば、補強部材(例えば上側補強部材95、下側補強部材96)により、取付部材(例えば第5取付部材90)の剛性を向上し、変形を抑制して、安定した壁面への設置が可能である。
【0056】
(第4の特徴点)
第4の特徴点は、例えば
図8に示すように、2枚の支持プレート(例えば第4上側支持プレート72、第4下側支持プレート73)において、固定プレート(例えば第4固定プレート71)の表面からの突出長さが同一であり、下側支持プレート(例えば第4下側支持プレート73)には、その下面に接する追加プレート(80)が配置され、追加プレート(80)は、固定プレート(例えば第4固定プレート71)と反対側の端部に立ち上がり構造(追加立上部83)を具備する。
【0057】
(第4の特徴点の効果)
第4の特徴点によれば、追加プレート(80)を配置することで、下側支持プレート(例えば第4下側支持プレート73)の突出長さを延長できる。また、第4の特徴点によれば、追加プレート(80)の立ち上がり部により、壁面に設置された構造体(例えば第1構造体30の第1部材31)が、壁面から離間して倒れ掛かるのを防止できる。
【0058】
(第5の特徴点)
第5の特徴点は、例えば
図9に示すように、固定プレート(例えば第5固定プレート91)は、矩形状に形成され、且つ固定プレート(例えば第5固定プレート91)の表面から壁面に向かって貫通する1つ又は複数の取付穴(例えば第2上側取付穴97、第2下側取付穴98)を具備する。
【0059】
(第5の特徴点の効果)
第5の特徴点によれば、固定プレート(例えば第5固定プレート91)を矩形状に形成することで、設置の容易さや加工のし易さを向上できる。
また、第5の特徴点によれば、取付穴(例えば第2上側取付穴97、第2下側取付穴98)を使用し、例えばねじ止めすることで、構造体(例えば第1構造体30)を壁面の所定の設置高さに正確に且つ強固に固定できる。
【0060】
(第6の特徴点)
第6の特徴点は、例えば
図1~
図4に示すように、壁面設置用の取付部材(例えば第1取付部材20)と構造体(例えば第1構造体30)とを備え、前記構造体(例えば第1構造体30)には、取付部材(例えば第1取付部材20)の2枚の支持プレート(例えば第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)の離隔距離に対応するサイズの第1部材31を少なくとも具備し、第1部材31を2枚の支持プレート(例えば第1上側支持プレート22、第1下側支持プレート23)の間に挿嵌する。
さらに、構造体(例えば第1構造体30)には、第1部材31に加え、第1部材31の両端部にそれぞれ連接し、床面に向かって延びる第2部材32及び第3部材33を少なくとも具備させても良い。
【0061】
(第6の特徴点の効果)
第6の特徴点によれば、例えばビスなどの固定具を使用せずに固定可能な壁面設置物を提供できる。
また、第6の特徴点によれば、第1部材31を挿嵌することで、構造体(例えば第1構造体30)が容易には壁から倒れ掛からないように設置できる。
さらに、第2部材32及び第3部材33を具備し、床面に設置させることで、荷重を壁面と床面とに分散させることができる。
【0062】
(第7の特徴点)
第7の特徴点は、構造体(例えば第1構造体30)には、例えば
図5に示すように、床面との距離を調整可能なアジャスター機構40をそれぞれ具備する。
さらに、アジャスター機構40を、第2部材32と第3部材33との各下端部にそれぞれ具備させても良い。
【0063】
(第7の特徴点の効果)
第7の特徴点によれば、壁面に設置された壁面設置物と床面との距離を調整することで、構造体(例えば第1構造体30)を強固に且つ安全に設置できる。また、第2部材32と第3部材33との各下端部のアジャスター機構40を、個別に調整でき、構造体(例えば第1構造体30)の傾きや、がた付きを防止できる。
【符号の説明】
【0064】
10 壁面設置物
20 第1取付部材
21 第1固定プレート
22 第1上側支持プレート
23 第1下側支持プレート
24 嵌合部
30 第1構造体
31 第1部材
32 第2部材
33 第3部材
40 アジャスター機構
50 第2取付部材
51 第2固定プレート
52 第2上側支持プレート
53 第2下側支持プレート
60 第3取付部材
61 第3固定プレート
62 第3上側支持プレート
63 第3下側支持プレート
64 第1立上部
70 第4取付部材
71 第4固定プレート
72 第4上側支持プレート
73 第4下側支持プレート
74 第1上側取付穴
75 第1下側取付穴
80 追加プレート
81 連結プレート
82 張出プレート
83 追加立上部
84 連結穴
90 第5取付部材
91 第5固定プレート
92 第5上側支持プレート
93 第5下側支持プレート
94 第2立上部
95 上側補強部材
96 下側補強部材
97 第2上側取付穴
98 第2下側取付穴
100 第2構造体
101 第4部材
102 第5部材
103 第6部材
104 第7部材
110 第3構造体
111 第8部材
112 第9部材
113 第10部材
114 開口部
115 第11部材
120 第6取付部材
121 第6固定プレート
122 第6上側支持プレート
123 第6下側支持プレート
130 第7取付部材
131 第7固定プレート
132 第7上側支持プレート
133 第7下側支持プレート
140 第8取付部材
141 第8固定プレート
142 第8上側支持プレート
143 第8下側支持プレート
144 第3立上部
150 第4構造体
151 第12部材
152 第13部材
153 第14部材
160 第9取付部材
161 第9固定プレート
162 第9上側支持プレート
163 第9下側支持プレート
170 第10取付部材
171 第10固定プレート
172 第10上側支持プレート
180 第11取付部材
181 第11固定プレート
182 第11下側支持プレート