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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071582
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】荷役作業管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230516BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097946
(22)【出願日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2021184411
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宙潤
(72)【発明者】
【氏名】五島 代介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】荷役作業を見える化し、荷役作業の複数の観点からの効率に関する情報を取得して、荷役作業の時間的な効率最適化やエネルギ的な効率最適化等を図る荷役作業管理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】荷役作業管理システムは、荷物を輸送する輸送機器2または輸送機器2への荷役作業に用いられる荷役機器3の荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得し、機器状態情報に基づいて、荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を輸送する輸送機器の、または該輸送機器への荷役作業に用いられる荷役機器の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得する機器状態情報取得部と、
前記機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する効率関連情報算出部と、を備えていることを特徴とする荷役作業管理システム。
【請求項2】
一の輸送機器に対して用いられる複数の荷役機器が存在する場合または複数の輸送機器に対して用いられる一の荷役機器が存在する場合において、
前記機器状態情報取得部は、
輸送機器状態情報と荷役機器状態情報とをそれぞれ取得し、
前記輸送機器状態情報またはこれから算出される情報における所定の項目の値と、荷役機器状態情報またはこれから算出される情報における所定の項目の値を対比し、
これら項目の値が連動した場合に、当該荷役機器状態情報と輸送機器状態情報とを紐づけて前記機器状態情報を生成するとともに、互いに連携動作する輸送機器と荷役機器として特定する請求項1に記載の荷役作業管理システム。
【請求項3】
前記効率関連情報算出部は、前記荷役機器の荷役動作回数および/または荷役動作時間と荷物重量とを取得し、又は前記機器状態情報に基づいて算出し、荷役動作回数および/または荷役動作時間と、荷物重量とに基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項4】
前記機器状態情報には、前記輸送機器の位置情報が含まれており、
前記効率関連情報算出部は、前記位置情報に基づいて荷役作業場所を特定し、荷役作業場所ごとの作業効率関連情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項5】
前記効率関連情報算出部は、所定期間における荷役作業場所ごとの作業効率関連情報を算出する請求項4に記載の荷役作業管理システム。
【請求項6】
前記効率関連情報算出部は、荷役作業担当者に関する情報である作業担当者情報をさらに取得し、作業担当者ごとの作業効率関連情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項7】
前記作業効率関連情報には、前記荷役機器の単位時間当たりの荷役動作回数、単位時間当たりの積荷重量または1回の荷役動作における平均の荷物重量に関する情報が含まれている請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項8】
前記機器状態情報には、前記輸送機器に設けられた荷台の開閉に関する情報である荷台開閉情報が含まれており、または、前記効率関連情報算出部が前記機器状態情報から前記荷台開閉情報を算出するものであり、
前記効率関連情報算出部は、前記荷台開閉情報に基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項9】
前記効率関連情報算出部は、前記荷台開閉情報に基づいて荷台の開成期間である荷役作業時間における前記作業効率関連情報を算出するものである請求項8記載の荷役作業管理システム。
【請求項10】
前記作業効率関連情報には、1回の前記荷役作業時間における荷役動作期間または荷役動作回数が含まれる請求項8に記載の荷役作業管理システム。
【請求項11】
前記機器状態情報には、前記輸送機器の位置情報が含まれており、
前記位置情報に基づいて、荷役作業場所を特定し、該荷役作業場所が新規である場合には、当該荷役作業場所を示す作業場所情報を登録する作業場所情報登録部をさらに備えている請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項12】
前記機器状態情報には、前記輸送機器のタイヤ圧力情報または前記荷役機器に作用している負荷情報が含まれており、
前記効率関連情報算出部は、前記タイヤ圧力情報または負荷情報に基づいて前記荷物の重量を示す荷物重量情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項13】
前記荷台開閉情報は、荷台を開閉する荷台開閉機器の状態を示す情報から算出される請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項14】
前記効率関連情報算出部は、前記荷役機器の駆動に要したエネルギである消費エネルギを前記機器状態情報に基づいて算出し、該消費エネルギに基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項15】
前記効率関連情報算出部は、荷役機器の1回の荷役動作における前記消費エネルギおよび荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項16】
前記効率関連情報算出部は、前記輸送機器による1回の運送における前記消費エネルギおよび荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項17】
前記効率関連情報算出部は、荷役機器による複数回の荷役動作における前記消費エネルギの総和および当該複数回の荷役動作における各荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項18】
前記効率関連情報算出部は、荷物重量ごとにそれぞれ要する消費エネルギまたは消費エネルギ効率を、前記作業効率関連情報として出力する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項19】
前記効率関連情報算出部は、荷物重量ごとにそれぞれ要する、単位重量あたりの消費エネルギまたは消費エネルギ効率を前記作業効率関連情報として出力する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項20】
前記効率関連情報算出部は、複数の同種類の荷役機器および/または複数の同種類の輸送機器においてそれぞれ算出された消費エネルギまたは消費エネルギ効率の平均値を算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項21】
前記効率関連情報算出部は、輸送機器ごとの作業効率関連情報を算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項22】
前記作業効率関連情報には、複数の荷物の総重量が与えられたときの、荷役機器による荷役動作に必要な消費エネルギを最小化できるまたは消費エネルギ効率を最大化できる荷役動作回数および/または1回の荷役動作での荷物重量が含まれている請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項23】
前記作業効率関連情報には、前記輸送機器による1回の輸送における積載荷物の総重量であって、荷役機器による荷役動作に必要な消費エネルギが最小化される、または消費エネルギ効率が最大化される荷物総重量が含まれている請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項24】
前記効率関連情報算出部は、前記消費エネルギの瞬間値を、1回の荷役動作時間にわたって、積分することにより当該荷役動作に要した消費エネルギを算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項25】
前記効率関連情報算出部は、前記荷役作業に要した電力を消費エネルギとして算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項26】
前記効率関連情報算出部は、前記消費エネルギを、前記荷役機器を駆動する電動モータのモータ出力をモータ効率で除算することによって算出する請求項14記載の荷役作業管理システム。
【請求項27】
情報享受者に対して前記作業効率関連情報を提供する情報送信部と、
情報享受者に提供された前記作業効率関連情報に対する対価に関する情報である対価情報を出力する対価情報出力部をさらに備えている請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項28】
前記対価は、所定の単位期間中に出力された前記作業効率関連情報の量または頻度に応じて設定される請求項27記載の荷役作業管理システム。
【請求項29】
前記対価は、登録された前記輸送機器または荷役機器の台数に応じて定められる請求項28記載の荷役作業管理システム。
【請求項30】
前記作業効率関連情報には、所定の荷役作業条件での標準荷役動作情報と前記荷役動作情報とを比較可能な情報が含まれる請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項31】
前記作業効率関連情報には、輸送機器に積み込まれた荷物の積載率を示す情報が含まれる請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項32】
荷役機器が輸送機器とは独立して移動可能なものであって、
前記作業効率関連情報には、前記輸送機器に対する荷役作業に用いられる荷役機器を特定するための情報が含まれる請求項1または2に記載の荷役作業管理システム。
【請求項33】
荷物を輸送する輸送機器の、または該輸送機器への荷役作業に用いられる荷役機器の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得し、
前記機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出することを特徴とする荷役作業管理方法。
【請求項34】
荷役作業管理者から情報享受者に対して前記作業効率関連情報を提供し、
前記情報享受者に提供された前記作業効率関連情報に対する対価に関する情報である対価情報を出力し、
前記対価情報に基づいて前記情報享受者から前記荷役作業管理者に対して対価を支払う、請求項33記載の荷役作業管理方法。
【請求項35】
荷物を輸送する輸送機器の、または該輸送機器への荷役作業に用いられる荷役機器の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得する機器状態情報取得部と、
前記機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する効率関連情報算出部と、としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする荷役作業管理システム用プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックなどの輸送機器に対する荷物の積み下ろしに係る荷役作業を管理するための荷役作業管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラック等の輸送機器には、効率的な運行管理のために、特許文献1に示すように、デジタルタコグラフのような運行管理計が搭載され、走行時間や走行速度、走行ルートなどが自動的に記録されて管理者に送信されるようになっている。
【0003】
しかしながら、輸送機器に対する荷物の積み下ろし作業(輸送機器に対し荷物を積む作業および/または荷物を下ろす作業のこと、以下では「荷役作業」ともいう。)については、ドライバ(作業者)がその作業時間を自己申告する(例えば、荷役作業時間を運行管理計に手動で入力する)ことにより情報を得ている程度であり、客観的な作業情報が得られているとはいい難い。
【0004】
例えば、実際の荷物量はどれほどか、荷台のゲートを開閉する間における荷役作業に要した時間や回数はどれくらいだったか、荷物段取りの良さはどうか、荷待ち時間が長かったかなどといった荷役作業についての作業時間効率に関わる情報は何ら把握されていない。
【0005】
また、上述した時間観点での作業効率はおろか、エネルギ観点での作業効率に至っては、従来着目すらされていない。
例えば、輸送機器に対する荷役作業には、ゲートトラックであればゲート昇降装置といった荷役機器を用いるが、現状では、荷物をどのように分配して荷役作業を行えば、エネルギ消費量の最適化を図ることができるかなどは考えられていない。荷物の総重量によっては、荷物を3つに分け荷役機器を3回昇降させて積み下ろしを行うよりも、荷物を4つに分けて荷役機器を4回昇降させた方が、トータルでの消費エネルギ量が小さくなるといった可能性があるが、このような点には着目すらなされていないが実情である。
【0006】
さらに、トラック(例えば、ウイング型トラック車両)への荷物の積込では、荷物の積込のほとんど(または全部)をフォークリフトによって行われることも往々にしてある
従来、センサをトラックやフォークリフトに搭載し、トラック、フォークリフトそれぞれの稼働情報を個別に把握することは現在も進められてきているが、トラックやフォークリフトで集めたデータを連携し、作業効率の改善に用いられている例は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-157819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
商品の多様化、Eコマースの発達等による物流量増加が顕著となり、物流MaaSの推進に見られるように、輸送の重要性が極めて大きくなっている今般、上述したように、物流における大きな作業の一つである、輸送機器に対する荷役作業の効率化に関して何ら客観的な検討や対策がなされていないのは、特に人手不足や省エネルギ化が深刻化している中では大きな問題である。
本発明は、上述した問題を解決すべく、輸送機器に対する荷役作業の数値化などといった見える化を通じて、その作業効率を種々の観点から向上させることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係る荷役作業管理システムは、荷物を輸送する輸送機器の、または該輸送機器への荷役作業に用いられる荷役機器の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得する機器状態情報取得部と、前記機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する効率関連情報算出部と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成によれば、荷役機器の状態である機器状態情報を通じて、荷役作業の状況を客観的に把握し管理することができ、さらにその際、荷役作業の複数の観点からの効率に関する情報をも取得できるので、これに基づいて、例えば、荷役作業の時間的な効率最適化やエネルギ的な効率最適化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態における荷役作業管理システムの全体模式図である。
図2】同実施形態における荷役作業管理システムの機能ブロック図である。
図3】同実施形態における荷役作業管理システムの動作を示すフローチャートである。
図4】同実施形態における登録センサ情報のデータ構造図である。
図5】同実施形態における荷役動作情報と周辺情報のデータ例である。
図6】本発明の第2実施形態における最適荷役回数を定める方法の根拠を示す特性グラフである。
図7】本発明の第3実施形態における荷役作業管理システムの全体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る荷役作業管理システムは、荷物を輸送する輸送機器の、または該輸送機器への荷役作業に用いられる荷役機器の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得する機器状態情報取得部と、機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する効率関連情報算出部と、を備えている。ここで、荷役作業時とは、例えば、一回の荷物の搬入動作、ウイング開閉期間、ゲートの搬送台起立状態から水平状態になってから起立状態に戻るまでの期間、1日の作業、1作業場(工場など)に到着してから出るまで等の人の作業時間や待ち時間も含み得る任意のものである。
【0013】
<第1実施形態>
本実施形態に係る荷役作業管理システム1は、図1に示すように、輸送機器2(ここでは例えばトラック車両)および/または該輸送機器2の荷台21に一体に搭載された荷役機器3(ここではテールゲートリフタ)の状態を示す機器状態情報を取得し、これを解析して前記輸送機器2に対する荷物の積み下ろし作業(以下、荷役作業という。荷役作業には人の作業も含み得る。)の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出するものであり、1台または互いに通信可能に接続された複数台のコンピュータから構成されている。なお、同図中、符号4は、本荷役作業管理システム1から種々の情報を享受する物流会社等の情報享受者が用いる情報享受端末機器である。
【0014】
この荷役作業管理システム1の詳細説明に先立って、まず、前記輸送機器2および荷役機器3の構成について簡単に説明する。
輸送機器2であるトラック車両は、いうまでもないが、荷物を収容する荷台21を備えたものであり、内燃機関や電動モータなどによって走行する。
【0015】
荷役機器3であるテールゲートリフタは、前記荷台21の後部に一体的に設けられたものであり、荷物が載置される起倒可能な搬送台31と、起立状態から倒されて水平状態にある搬送台31を下端位置である地面高さと上端位置である荷台高さとの間で昇降駆動する駆動装置32とを備えている。
【0016】
前記搬送台31は、荷台21の扉も兼ねるものであり、輸送時には荷台21の後ろで起立させることにより、該荷台21を閉じた状態にすることができる一方、荷役作業時には、水平状態とすることにより、荷台21への荷物の出し入れを可能にするとともに、その上に荷物を載置することができる。
【0017】
前記駆動装置32は、この実施形態では、液圧(例えば油圧)を利用した液圧装置(油圧装置)ものであり、前記搬送台31に取り付けられた液圧シリンダ、該液圧シリンダに作動液を供給する液圧ポンプ、作動液の流れをコントロールするバルブ、前記液圧ポンプを回転駆動する電動モータなど(これらは図示しない。)から構成されている。
【0018】
また、この実施形態では、前記輸送機器2および荷役機器3に、IOTデバイス化された種々のセンサおよびIOTゲートウェイ(図示しない。)が取り付けられており、前記各センサが検出した検出データは、当該センサのアドレス(ユニークなID)とともに、前記IOTゲートウェイを介してインターネット等の通信ネットワークNに送信されるように構成されている。
【0019】
本荷役作業管理システム1で利用されるセンサをより具体的にいえば、例えば次のようなものがある。
(A)輸送機器2に取り付けられてその状態をセンシングするセンサ群
・輸送機器2の位置を検出するGPS受信機を含む位置センサ
・タイヤの空気圧を検出するタイヤ圧センサ
・搬送台31の起倒状態を検出する起倒検出センサ
(B)荷役機器3に取り付けられてその状態をセンシングするセンサ群
・該荷役機器3の作動スイッチのON/OFF状態を検出するスイッチセンサ
・前記液圧ポンプの吐出圧力を検出するポンプ圧センサ
・前記液圧シリンダに対する送液/排液を制御する制御バルブの動作状態を検出するバルブセンサ
・液圧シリンダ内の圧力を検出するシリンダ圧センサ
・液圧ポンプまたは電動モータの回転数を検出する回転数センサ
・電動モータへ供給される電流および電圧を検出する電流センサおよび電圧センサ
【0020】
なお、以上のセンサは一例であって、これら全てが必ずしも必要なわけではなく、後述する作業効率関連情報によっては、あるいは他のセンサの検出値から推定算出できる場合は、一部を省いてもかまわないし、さらに別種のセンサを設けてもかまわない。
【0021】
さて、本論に戻って、この実施形態に係る荷役作業管理システム1について説明する。荷役作業管理システム1の管理者は、物流会社等の情報享受者とは別の者であり、特に限定されないが、一例としては荷役機器を製造および/または販売する会社とすることができる。
この荷役作業管理システム1は、前述したように、コンピュータを主体にして構成されたものであり、物理的には、CPU、メモリ、通信ポート等を備え、機能的には、前記メモリに格納された所定のプログラムに従ってCPUやその周辺機器が協動することにより、図2に示すように、機器状態情報取得部11、機器状態情報格納部D1、周辺情報格納部D2、荷役動作情報格納部D3、効率関連情報算出部12、効率関連情報格納部D4、情報送信部13、対価情報設定部14等としての機能を発揮する。
【0022】
次に、前記各部の説明を兼ねて、この荷役作業管理システム1の動作を、図3等を参照しながら説明する。
【0023】
まず、前記機器状態情報取得部11が機器状態情報を取得する。機器状態情報とは、前記荷役機器3の状態を示す荷役機器状態情報と、前記輸送機器2の状態を示す輸送機器状態情報とからなるものであり、この機器状態情報取得部11は、前記各センサの検出データを定期的または任意の適切なタイミングに受信し、それらを各センサのIDおよび受信時刻と紐づけた情報を機器状態情報として取得し、メモリの所定領域に設けられた機器状態情報格納部D1に格納する(ステップS1)。
【0024】
前記周辺情報格納部D2は、既知の周辺情報を格納しているもので、いわゆるマスターテーブルなどと称されるものである。周辺情報とは、登録センサ情報、登録作業者情報、登録輸送機器情報、登録荷役機器情報、登録作業場所情報などといった登録情報が含まれる。
例えば、前記登録センサ情報は、図4に示すように、前記センサIDに、センシング対象(すなわち、センサの種類)、センサが取り付けられている輸送機器2の輸送機器ID、荷役機器ID等を紐づけたものである。登録作業者情報は、作業者IDに作業者の氏名、年齢などの作業者属性を紐づけたものである。登録輸送機器情報は、輸送機器IDに、当該輸送機器の機種、年式、積載重量、積載容量、荷台面積などの輸送機器属性を紐づけたものである。登録荷役機器情報は、荷役機器IDに、当該荷役機器の機種、年式、積載重量、積載容量などの荷役機器属性を紐づけたものである。登録作業場所情報は、作業場所IDに、当該作業場所の位置や会社名などを紐づけたものである。
【0025】
次に、前記効率関連情報算出部12が、前記機器状態情報格納部D1および周辺情報格納部D2を参照して、荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する。
【0026】
そのために効率関連情報算出部12は、まず、前記機器状態情報に基づいて、荷役機器3による荷役動作状況を示す荷役動作情報を算出する。ここでの荷役動作情報には、荷役機器3の荷役動作回数と、各荷役動作での荷物重量とが含まれる(ステップS2)。
【0027】
具体的に前記荷役動作情報の算出方法を説明する。
まず、荷役機器3が荷役動作を行った荷役動作回数およびその時間情報の算出方法から説明する。なお、後述もするが、1回の荷役動作とは、荷役機器の1回の上昇動作および1回の下降動作の組のことをいう。
【0028】
前記効率関連情報算出部12は、例えば、前記回転数センサによる検出データ値である液圧ポンプまたは電動モータの回転数を用いる場合、回転数が0から一定以上の回転数となった時点をもって、搬送台31の上昇動作の開始時点とし、その後、回転数が0に戻った時点をもって、該上昇動作の終了時点とする。
【0029】
搬送台31の荷役動作、すなわち上昇の検出は、他のセンサの検出データを用いても可能である。また、下降動作の検出については、電動モータのセンサからは算出することができないが、以下のセンサを用いることにより検出することができる。
【0030】
例えば、前記スイッチセンサによる荷役機器3の作動スイッチのON/OFF状態を用いる場合、前記効率関連情報算出部12は、該作動スイッチの状態がOFFからONとなった時点をもって、搬送台31の上昇動作(または下降動作)の開始時点とし、その後、作動スイッチの状態がONからOFFに戻った時点をもって、該上昇動作(または下降動作)の終了時点とする。
【0031】
その他、前記バルブセンサによる制御バルブの動作状態を用いる場合は、バルブの方向切り替えがされた時点によって、また、前記電流センサによる電動モータへの供給電流を用いる場合は、該電流が0と一定以上の切り替わり時点によって、搬送台31の上昇動作または下降動作を検出できる。
【0032】
このようにして、前記効率関連情報算出部12は、搬送台31の上昇動作および下降動作の開始時点および終了時点をそれぞれ特定するとともに、搬送台31の上昇回数と下降回数とをそれぞれカウントし、1回の上昇と1回の下降との組み合わせにより1回の荷役動作として荷役動作回数を計算し、これらを荷役動作情報格納部D3に格納する。搬送台31の上昇回数と下降回数とは一致し、ここではその回数を荷役動作回数としている。なお、上昇動作しか検出できない場合、1回の上昇動作をもって1回の荷役動作と見なしても良い。
【0033】
次に、搬送台31に載置された荷物重量の算出方法について説明する。
荷物重量は、荷役機器3に作用している負荷状態を示す負荷情報を用いて算出する。
負荷情報としては、例えば前記シリンダ圧センサの検出データを用いる場合、荷物重量はシリンダ圧に比例するため、前記効率関連情報算出部12は、該シリンダ圧センサの検出データの値に比例乗数を掛けて荷物重量を算出する。なお、比例乗数は、車両(車格やゲート種)ごとに異なる値が設定されても良い(以下、同様である)。
【0034】
電流センサの検出データを用いる場合、荷物重量は、電動モータのトルクに比例し、このトルクは電動モータに流れる電流に比例するため、前記効率関連情報算出部12は、該電流センサの検出データの値に比例乗数を掛けて荷物重量を算出する。なお、電流センサの検出データの他、荷物重量の算出に、バッテリーの電圧変動も考慮することができる。
【0035】
その他、ポンプ圧センサの検出データを用いても荷物重量を算出できる。この場合、原理的には、ポンプからシリンダへ作動液が流入する間の圧損を算出してシリンダ圧を求め、そこから荷物重量を算出する。前記圧損は、ポンプ回転数、バルブのスプール位置、機器種類などのパラメータによって異なるため、予め実験やシミュレーションなどによって圧損とパラメータとの関係をデータ化しておき、そのデータを参照して算出する。その他、荷物重量に応じたポンプ吐出圧を予め測定しておき、その測定結果を参照してポンプ吐出圧から荷物重量を算出するようにしてもよい。
【0036】
また、前記負荷情報ではなく、輸送機器2の状態情報を用いて荷物重量を算出することも可能である。その一例として、タイヤ圧センサによるタイヤ圧を用いる場合、荷物の積み下ろしの前後でタイヤ圧が変化し、その差分が、荷役重量に比例するので、前記効率関連情報算出部12は、該差分に比例乗数を掛けて荷物重量を算出する。
その他、トラックの荷台に別途設けられる重量計を用いて取得される重量計データ、又は、ユーザ操作によって入力される荷物重量の申告データ等を、荷物重要として取り扱うこともできる。
【0037】
次に、前記効率関連情報算出部12は、上述した搬送台31の上昇動作および下降動作を検出する都度、その荷役動作の時間とその際に昇降した荷物重量を算出又は取得し、そのデータである荷役動作情報を、図5に示すように、前記周辺情報である、輸送機器2を特定するための輸送機器ID、荷役機器3を特定するための荷役機器ID、作業者を特定するための作業者ID、前記位置センサから得られた輸送機器2の位置データ等と紐づけて荷役動作情報格納部D3に格納する(ステップS3)。
なお、これら周辺情報は、輸送機器2に設けられた、例えば運行管理計や作業者(または運転者)の登録カード読取機等から取得するようにしてもかまわない。
【0038】
一方で、前記効率関連情報算出部12は、前記起倒検出センサの検出データの値が示す荷台開閉情報から、搬送台31が水平状態になっている期間、すなわち荷台21が開いている期間(開時刻及び閉時刻を含む。)を算出し、この時刻も含んだ荷台開期間に関する情報を荷役動作情報の一つとして、前記荷役動作情報格納部D3に格納する。この荷台開期間が、輸送機器2への一連の荷役作業が行われる荷役作業時間である。
なお、荷役作業時間としては、これに限定されることなく、予め定められた1日の作業時間、車両が1つの荷役作業場所に到着してから出るまで作業時間などとすることもできる。
【0039】
次に、前記効率関連情報算出部12は、前記荷役動作情報格納部D3の荷役動作情報および周辺情報を参照して、荷役作業についての時間的な観点での作業効率関連情報を算出し、前記作業効率関連情報格納部D4に格納する(ステップS4)。この作業効率関連情報の例を以下の(1)~(6)に示す。
【0040】
該作業効率関連情報の算出にあたっては、過去の全荷役作業情報に基づいて行ってもかまわないし、例えば作業者ごと、作業場所ごと、荷役作業時間ごと、その他の所定の期間ごと、これらの組み合わせなど、所定の条件に合致するものを抽出して行ってもかまわない。また、この条件は、予め定められていてもよいし、情報享受端末機器4からの条件式入力で定められるようにしてもよい。以下の荷物総重量は、例えば、特定の作業場所で積み下ろしした荷物総重量、又は、特定の作業担当者が積み下ろしした荷物総重量とすることもできる。
【0041】
(1)所定期間における単位荷物重量当たりの荷役動作回数
所定期間(例えば前記荷役作業時間)に積み下ろしした荷物の総重量が5000kg、その間での荷役動作回数が200回の場合、単位荷物重量が100kgと定められている場合、本作業効率関連情報の値は、荷役動作回数/荷物総重量×単位荷物重量で表され、この例では、200/5000×100=4(回/単位荷物重量)となる。
なお、前記所定期間は、前記荷役作業時間の他、過去のある時点から1週間や1年といった期間、過去から現在までの全期間、輸送機器が出発して帰ってくるまでの期間などでもよい。後述する(2)~(6)も同様である。
【0042】
(2)所定期間における単位時間当たりの荷役動作回数
前記所定期間が3時間、その間の荷役動作が30回の場合、単位時間が1時間であれば、本作業効率関連情報の値は、荷役動作回数/所定期間=30/3=10(回/時間)となる。
【0043】
(3)所定期間における単位時間当たりの荷物重量
前記所定期間が5時間、その間に積み下ろしした荷物の総重量が4000kgの場合、本作業効率関連情報の値は、荷物総重量/所定期間=4000/5=800(kg/時間)となる。
【0044】
(4)所定期間における1回の荷役動作での平均の荷物重量
所定期間(例えば前記荷役作業時間)に積み下ろしした荷物の総重量が5000kg、その間での荷役動作回数が200回の場合、本作業効率関連情報の値は、荷物総重量/荷役動作回数=5000/200=25(kg/回)となる。
【0045】
(5)荷役作業時間における荷役動作を行った時刻
荷役作業時間が2月2日午後2:00~午後4時の2時間として、その間に行われた荷役動作、すなわち搬送台31の上昇動作、下降動作それぞれの時刻が本作業効率関連情報の値となる。
【0046】
(6)荷役作業期間における荷役動作回数
所定期間(例えば前記荷役作業時間)に行われた荷役動作回数が本作業効率関連情報の値となる。
【0047】
なお、この実施形態では、作業時間を推定することができるので、作業者が入力した休憩時間の整合性を把握することができる。それにより、例えば作業者が入力した休憩時間が、作業時間と重複しており、休憩時間の入力内容が不備である旨の情報を出力することができる。
【0048】
このようにして取得され、または算出された荷役動作情報および/または作業効率関連情報は、前記情報送信部13によって、これら情報を必要とする前記情報享受端末機器4に通信ネットワークを介して送信される。情報享受端末機器は、例えば前記輸送機器2を所有する物流会社や、この物流会社に対して輸送・作業管理を請け負っている第3の請負会社(例えば、物流MaaSを取りまとめる会社)などの情報享受者が用いる端末機器のことである。すなわち、荷役作業管理システム1の管理者は、作業効率関連情報および/または荷役動作情報を、物流会社および/または第3の請負会社等に提供、販売する。これに対して、物流会社および/または第3の請負会社などは、作業効率関連情報および/または荷役動作情報の提供に対して、荷役作業管理システム1の管理者に対して、対価を支払う。第3の請負会社が、作業効率関連情報および/または荷役動作情報を購入する場合、購入した第3の請負会社は、作業効率関連情報および/または荷役動作情報を物流会社に提供、再販売することもできる。
【0049】
情報享受端末機器によって表示される情報の一例を説明する。
例えば、下記表1に示す通り、荷役作業場所および/または荷役作業担当者に対応付けて、単位時間当たりの荷役作業回数、単位時間当たりの積荷重量および/または1回の荷役動作における平均の荷物重量が表示される。
【表1】
または、下記表2に示す通り、荷役作業時間に対応付けて、荷役動作を行った時刻および/または荷役動作回数が表示される。
【表2】
【0050】
このとき、対価情報設定部14が、送信される情報の量や種類、期間等に応じて設定された対価に関する情報である対価情報を前記情報享受端末機器4に送信し、課金を促す。前記対価の設定方法は種々用意してある。例えば、単位期間中に前記荷役の効率に関する情報を提供した頻度に応じた従量金額であったり、情報量にかかわらず、物流会社が管理のために登録してある輸送機器2の台数に応じた定額であって、当該対価を単位期間毎に請求するサブスクリプション方式であったりする。
【0051】
なお、この実施形態において、荷役作業場所は、物流会社において予め登録されており、作業者(運転者)は、荷役作業場所を運行管理計に入力するなどして報告する義務があるが、この荷役作業管理システム1は、前記荷役機器3が動作している状態において、前記位置センサで検出された位置が、すでに登録されている荷役作業場所またはその所定範囲内であれば、自動的に荷役作業場所を報告する。他方、前記位置センサで検出された位置が、登録されていない場合は、新たにその場所を作業者(運転者)に代わって、新規の荷役作業場所として自動的に周辺情報格納部14に登録する。
【0052】
<第2実施形態>
この実施形態に係る荷役作業管理システム1の物理的な構成は、前記第1実施形態と同様であるが、効率関連情報算出部12によって算出される作業効率関連情報が、荷役動作で消費されたエネルギの観点での効率に関する情報である点が相違する。
そこで、以下では、この実施形態の効率関連情報算出部12による作業効率関連情報の算出例について説明する。
【0053】
前記効率関連情報算出部12は、第1実施形態同様、まず、前記機器状態情報格納部D1を参照して、荷役機器の動作状況に関する情報である荷役動作情報を算出する。
ここでの荷役動作情報は、1回の荷役作業での前記荷役機器3の駆動に要したエネルギである消費エネルギまたは消費エネルギ効率を含むもので、必要に応じて荷物重量や荷役動作の回数等も含まれる。
荷役重量や荷役動作の回数等の算出方法は前述同様なので、ここでは消費エネルギの算出方法について説明する。
【0054】
該効率関連情報算出部12は、例えば、前記電流センサ及び電圧センサの検出データを用い、1回の荷役作業において荷役機器3の駆動のために電動モータに供給された電流と電圧とを掛け、消費電力、すなわち消費エネルギを算出する。具体的には、荷役動作中、電流及び電圧は一定に保たれているとは限らないので、該効率関連情報算出部12は、荷役動作中での微小時間での消費エネルギを時間積分する、すなわち、検出データのサンプリング時刻ごとの電流と電圧とを掛けた消費エネルギの瞬間値を、荷役作業時間に亘って足し合わせることにより、1回の荷役動作で消費された消費エネルギを算出する。
なお、上述した算出方法は、センサの取付や価格等に難点がある場合があるので、前記消費エネルギを電動モータのモータ出力から算出することもできる。
この場合は、モータの回転数と出力トルクを掛けてモータ出力を算出し、これをモータ効率で除算することによって前記消費エネルギを算出する。
【0055】
具体的に説明すると、モータ効率とはモータに供給された電力エネルギのうちどれくらいの割合がモータ出力(モータ駆動エネルギ)に変換されるかの割合を表すものであり、モータ種類ごとの性能値である。このモータ効率は、モータ駆動時の電圧、回転数、負荷トルク(または電流値)などの検出データから推定算出される。モータ特性(性能値)からモータ効率がわかるが、トルクに関しては計測が困難なので、後述のポンプのトルクから求める。モータ効率求め方は後述のポンプ同様、回転数、電圧、トルクに応じたモータの性能(モータ効率)データをあらかじめ製品毎にメモリの所定領域に記録をし、実機で計測した回転数、電圧、後述されている推定トルクから、前記メモリ内のデータベース上のモータの性能(モータ効率)データを参照することで求める。
【0056】
他方、モータ出力は、以下の式(1)から算出される。
モータ出力[W]=2π×T×N/60(T:トルク[N・m]、N:回転速度[rpm])・・・式(1)
ここでトルクTはモータ駆動トルクであり、回転安定時にはモータが駆動させるポンプのトルクと一致する。このポンプトルクは以下の式(2)から算出される。
ポンプトルク[N・m]=ポンプ容量[cc/rev]×圧力[MPa]/(2π×ポンプ機械効率)・・・式(2)
【0057】
この式(2)中、機械効率は、あらかじめ製品毎のポンプ性能データとして回転数、吐出圧に応じた機械効率をメモリの所定領域に記録しておき、実際の機器の回転数、吐出圧の計測値と、前記メモリに記録されたポンプ性能データとを突き合わせることで算出する。
【0058】
なお、ポンプの機械効率、容積効率、トルクは計測が困難なため、回転数、吐出圧に応じた前記ポンプ性能データをあらかじめ製品毎にメモリの所定領域に記録をし、実機で計測した回転数、吐出圧から、前記メモリ内のデータベース上のポンプ性能データを参照することで機械効率、容積効率、トルクを推定しエネルギ計算に活用することができる。ここで、前記ポンプ性能データを利用した推定方法には近似式の活用や、マッピングされたグラフのプロットデータから推定値を導き出すなどの手法を用いる。
【0059】
効率関連情報算出部12は、このようにして算出したモータ出力とモータ効率とに基づいて消費エネルギを算出する。
次に、前記効率関連情報算出部12は、上述した1回の荷役動作で消費された消費エネルギ及びその際の荷物重量を、搬送台31の上昇動作および下降動作を検出する都度、その荷役動作の時間とその際に昇降した荷物重量を算出し、そのデータである荷役動作情報を、前例同様、周辺情報である、トラックID、荷役機器ID、作業者ID、車両位置データ等と紐づけて荷役動作情報格納部D3に格納する。
【0060】
そして、前記効率関連情報算出部12は、前記荷役動作情報格納部D3の荷役動作情報および周辺情報を参照して、以下の(1)~(4)に示す、エネルギ観点での作業効率関連情報を算出し、前記作業効率関連情報格納部D4に格納する。
(1)1回の荷役動作における荷物重量ごとにそれぞれ要する消費エネルギ、または荷物重量ごとにそれぞれ要する、単位重量あたりの消費エネルギ
(2)輸送機器2による1回の運送における荷物重量ごとにそれぞれ要する消費エネルギ、または荷物重量ごとにそれぞれ要する、単位重量あたりの消費エネルギ
(3)荷役機器3による複数回の荷役動作における消費エネルギの総和および複数回の荷役動作における各荷物重量
(4)同種の複数の輸送機器2(または同種の複数の荷役機器3)で得られた(1)(2)および/または(3)の作業効率関連情報に係る消費エネルギの平均値
上記(1)(2)(3)は、各個別の輸送機器ごとに、つまり、輸送機器IDに対応付けて求められた作業効率関連情報であるのに対して、(4)は同種の輸送機器、例えば同一車種又は予め設定された関連車種の輸送機器ごとの作業効率関連情報の平均値である。
【0061】
さらにこの実施形態では、前記(1)(2)(3)および/または(4)の作業効率関連情報に基づいて、該効率関連情報算出部12が、以下の(5)、(6)に示す作業効率関連情報を算出する。
(5)1または複数の作業場所での一連の荷役作業(あるいは1または複数回の輸送)で積み下ろししなければならない荷物の総重量が与えられたときの、荷役動作に必要な消費エネルギを最小化できる荷役動作回数および/または1回の荷役動作での荷物重量
(6)荷役動作に必要な消費エネルギを最小化できる、前記輸送機器2による1回の輸送における荷物の総重量
【0062】
この(5)、(6)に関する作業効率関連情報は、ある荷物総重量が与えられたときに、これら荷物の積み降ろしに必要な消費エネルギを縦軸、等分に荷物を分配した時の荷役作業回数を横軸にとり、グラフ化すると図6のような傾向を示す場合があり、従来、考えられていた、荷役作業回数を最低限にする(1回の荷役作業での荷物重量をできるだけ多くする。)よりも、荷役作業回数が多い方が、少ない消費エネルギとなる場合があることを本発明者が見出して創出されたものである。
前述したグラフ特性、すなわちエネルギ最小化特性は、荷物総重量によって異なり、また、荷役機器3および/または輸送機器2の種類によっても異なる。
【0063】
そこで、前記効率関連情報算出部12は、(1)~(4)に係る過去の作業効率関連情報を荷物総重量、荷役機器3の種類および/または輸送機器2ごとに分類し、分類ごとにエネルギ最小化特性を予め算出して、このエネルギ最小化特性を示すデータをメモリの所定領域に記憶するようにしてある。
【0064】
そして、このエネルギ最小化特性データを参照し、実際の荷役作業での荷物総重量、荷役機器3の種類および/または輸送機器2に基づいて、前記(5)に係る作業効率関連情報、すなわち、荷役作業に必要な消費エネルギを最小化できる荷役作業回数および/または1回の荷役作業での荷物重量や、前記(6)に関する作業効率関連情報を算出する。
なお、前記(1)~(6)での消費エネルギに代えて、消費エネルギ効率を用いてもかまわない。
【0065】
消費エネルギ効率算出方法としては、以下の具体例を挙げることができる。
ポンプの容積効率を算出し、電動モータ出力(液圧ポンプへの入力)エネルギに容積効率と機械効率とを乗じて、荷役動作における最終のアウトプットエネルギを算出する。
最終のアウトプットエネルギを前記消費エネルギで除することにより消費エネルギ効率を算出する。
そして、この消費エネルギ効率を用いて、作業効率関連情報である、例えば、荷役重量毎の消費エネルギ効率を算出する。
【0066】
このような構成によれば、単位重量当たりのエネルギ効率がわかる、エネルギ効率最高となる荷物重量の組合せをアウトプットすることが可能になる、消費エネルギ効率が最高となる荷物重量がわかる、などの効果を得ることができる。荷役作業ごとに効率評価も可能である。
なお、第1実施形態と同様に第2実施形態においても、作業効率関連情報を情報享受者に提供することに対して、情報享受者は管理者に対して対価を払う。
【0067】
<第3実施形態>
この実施形態では、前記輸送機器2がウイング型トラック車両、荷役機器3がフォークリフトである場合の荷役作業管理システム1について説明する。
前記各実施形態との大きな違いは、荷役機器3が、輸送機器2に付帯したものではなく、輸送機器2から独立して移動可能な自走式のものであり、そのために、当該輸送機器2に対する荷役作業以外の他の作業にも使用され得るという点である。
以下では、この実施形態での荷役作業管理システム1について、前記第1、第2実施形態とは異なる構成を中心として説明する。
【0068】
まず、前記機器状態情報取得部11が機器状態情報、すなわち、荷役機器3の状態を示す荷役機器状態情報と、輸送機器2の状態を示す輸送機器状態情報を取得するために、ここでは、例えば以下のようなセンサを搭載している。
【0069】
(A)輸送機器2に搭載されているセンサ群
・開閉駆動源である油圧ユニットのポンプもしくはモータの回転数検知センサ
・扉開閉操作スイッチのON/OFF情報検知センサ
・油圧ユニットの電磁方向制御弁への信号情報検知センサ
・扉作動圧力センサ
・その他、扉の稼働の有無を判断できる扉作動検知センサ
・タイヤの空気圧検知センサ
・エアサスの圧力検知センサ
・荷台上に設けられたひずみゲージ
・荷台の傾斜を検知する傾斜センサ
・荷台の上下動を検知する加速度センサ
・GPSセンサ等の位置センサ
以上のセンサのいずれか1つまたは複数が輸送機器2に取り付けられており、前記機器状態情報取得部11は、これらセンサからの検知データを受信することによって、扉(ウィング扉の開閉駆動状態、荷台の積載重量、位置等に係る輸送機器状態情報を取得する。
【0070】
(B)荷役機器3に搭載されているセンサ群
・マスト高さ(フォークリフト爪の高さ)検知センサ
・リフトシリンダを駆動する液圧ポンプ、これを回転させる電動モータもしくはエンジンの回転数検知センサ
・前記液圧ポンプ吐出圧力を検知するポンプ圧力センサ
・リフトスプールストロークを検知するスプールストロークセンサ
・シリンダ圧力を検知するシリンダ圧力センサ
・GPS等の位置センサ
・カメラ等の画像センサ
・走行速度検知センサ
・走行方向(前進、後進、停止)検知センサ
以上のセンサのいずれか1つまたは複数が荷役機器3に取り付けられており、前記機器状態情報取得部11は、これらからフォーク高さなどのフォーク駆動状態、積載重量、位置、周囲画像等に係る荷役機器状態情報を取得する。
【0071】
次に、効率関連情報算出部12が、前記各実施形態同様、前記機器状態情報(荷役機器状態情報および輸送機器状態情報)に基づいて、荷役機器3による荷役動作状況を示す荷役動作情報を算出し、この荷役動作情報に基づいて作業効率関連情報を算出する。
このとき、前記実施形態とは異なり、荷役機器3がフォークリフトであり、輸送機器2とは別個独立したものであるため、輸送機器2に対する荷役作業に用いられた荷役輸送機器を特定し、輸送機器状態情報と荷役機器状態情報とを連携させる必要がある。
【0072】
そのためにこのシステムは、輸送機器2に連携している荷役機器3を、前記荷役機器状態情報および輸送機器状態情報から特定する。
具体的には、荷役機器状態情報および輸送機器状態情報、またはこれらから算出される各情報において、輸送機器2と荷役機器3とが連携動作した場合に値が連動する項目が予め定めてあり、それら項目の値が連動した場合に、その荷役機器状態情報と輸送機器状態情報とを紐づけて機器状態情報とするとともに、対応する荷役機器3および輸送機器2とが連携しているとみなす。
【0073】
例えば、所定の輸送機器2の輸送機器状態情報のうち、空気圧センサや加速度センサなどから取得される積載荷重の増減変化等に基づく荷物の積み降ろしタイミングと、各荷役機器3の荷役機器状態情報のうち、マスト高さやシリンダ圧力、ポンプ回転数などから算出される荷物の昇降タイミングとを比較し、合致または近いタイミングとなる荷役機器3を、当該輸送機器に対しての荷役作業に用いられている荷役機器3として特定し、その荷役機器状態情報を輸送機器状態情報と紐づける。
【0074】
この紐づける方式は他にも種々考えられる。
例えば、位置情報が合致または近傍にある荷役機器3を輸送機器2に対しての荷役作業に用いられている荷役機器3として特定してもよい。位置情報は、GPSなどから得られるもののような絶対的な位置情報でなくともよく、ビーコンやカメラ画像などを用いて当該輸送機器の所定範囲内にある荷役機器3を特定するようにしてもよい。
また、輸送機器状態情報または登録輸送機器情報から得られる輸送機器2の荷台高さに対し、荷役機器状態情報から得られるマスト高さが合致または近傍となる荷役機器3を当該輸送機器2に対する連携荷役機器3として特定してもよい。
【0075】
このように輸送機器情報及び荷役機器情報のうちの所定項目の値に基づいて、輸送機器2に対する荷役作業に用いられた連携荷役機器3を特定することによって、確実に機器状態情報を生成できるが、このことにより以下のような効果をも奏し得る。
【0076】
例えば、輸送機器2及び荷役機器3のいずれか一方に、荷物の重量を検知するセンサがあればよく、他方には、連携検知のための、荷物の重量の増減といった二値だけを検知できる簡易なセンサがあればよい。双方に同等精度の重量検知センサを設ける必要はない。
また、輸送機器2及び荷役機器3が、所定の情報項目(例えば位置情報やマスト高さ情報など)によって連携可能であれば、その他の連携のための検知センサ、例えば加速度センサなどは不要となる。
このように、検知センサやその後の演算において、荷役機器2または輸送機器3の一方では、簡易なものを用いたり、省略したりすることができるので、構成の簡単化を図れる。
【0077】
しかして、この実施形態において、効率関連情報算出部12が算出する作業効率関連情報は、輸送機器2の荷台扉が開いて閉じるまでの時間(扉開時間、第1実施形態における荷役作業時間)に対し、荷役機器3による荷物の積み下ろしが開始されてから終了するまで時間(積み下ろし所要時間)の占める割合や、扉開時間中における荷物の積み下ろしのタイミング(荷役動作タイミング)等を示すものである。
【0078】
具体的な作業効率関連情報としては、
(1)扉開時間に対するその間に行われた荷役動作時間の比率またはこの比率を把握可能な情報(例えば、下記表3に示すような、扉開時間とその間に行われた荷役動作時間とを対にした情報)
【表3】
(2)扉が開いてから荷物の積み下ろしが開始されるまでの時間またはこの時間を把握可能な情報(例えば、扉の開時刻と荷物積み下ろしの開始時刻とを対にした情報)
(3)荷物の積み下ろしが終了してから扉が閉じるまでの時間またはこの時間を把握可能な情報(例えば、扉の閉時刻と荷物積み下ろしの終了時刻とを対にした情報)
(4)荷物の積み下ろしが終了してから扉が閉じるまでの時間またはこの時間を把握可能な情報(例えば、扉の閉時刻と荷物積み下ろしの終了時刻とを対にした情報)
(5)扉開時間中において行われる複数回の荷役動作において、荷役機器3の1回の積み下ろし動作(荷役動作)から次の荷役動作までの間の時間、それら時間の平均時間、またはこれらを把握可能な情報(例えば、荷役動作の開始時刻と終了時刻と荷役動作順に並べた情報)
などを挙げることができる。
【0079】
このような作業効率関連情報を、作業場所、輸送機器、荷役機器、作業担当者またはこれらの組み合わせ等で定まる荷役作業条件ごとにまとめてリスト形式などで出力することにより、輸送機器が作業場所に到着し、扉を開けている状態での待ち時間を客観的に把握できるので、荷役作業効率の改善を図れる。
【0080】
また、この実施形態での効率関連情報算出部12は、所定の荷役作業条件での過去の荷役動作情報を蓄積して、これらを統計処理し、当該荷役作業条件での標準荷役動作情報を算出する。この標準荷役動作情報は、荷役作業条件と紐づけられてメモリの所定領域に格納される。なお、標準荷役動作情報は、統計処理によらず、オペレータ等が適宜定めてもよい。
そして、効率関連情報算出部12は、同一または近似した荷役作業条件下における標準荷役動作情報と荷役動作情報とを比較可能な情報を作業効率関連情報として出力する。
【0081】
なお、ここでの荷役作業条件とは、作業場所、輸送機器、荷役機器、荷物重量、荷物個数、作業担当者またはこれらの組み合わせ等で定まるものである。
【0082】
具体的な作業効率関連情報としては、
(6)輸送機器2に対して、荷役機器3による荷物の積み下ろし開始から終了まで標準時間(標準積み下ろし所要時間)に対する積み下ろし所要時間の比率またはこの比率を把握可能な情報(例えば、表4に示すような、標準積み下ろし所要時間と積み下ろし所要時間とを対にした情報)
【表4】
(7)標準荷役動作回数に対する荷役動作回数の比率またはこの比率を把握可能な情報
などを挙げることができる。
【0083】
このような構成によれば、例えば荷物量に応じた標準荷役動作情報と比較することによって、効率の悪い作業者や作業場所などを抽出でき、作業効率の改善を客観的に推し進めることができる。
【0084】
また、この実施形態での効率関連情報算出部12は、輸送機器2に積み込まれた荷物の積載率を作業効率関連情報として算出し出力する。
【0085】
具体的な作業効率関連情報としては、表5に示すように
(8)輸送機器2における重量積載率、床面積積載率、体積積載率
を挙げることができる。
【表5】
【0086】
重量積載率は、輸送機器2におけるタイヤの空気圧検知センサ、エアサスの圧力検知センサ、荷台上に設けられたひずみゲージなどから積載重量を算出し、前記登録輸送機器情報に記録されているあらかじめ定められた最大積載荷重に対する前記積載重量の比を算出して求める。
床面積積載率および体積積載率に関しては、カメラで撮像した画像を処理することによって算出する。AIなどを用いた画像処理技術を利用することができる。
【0087】
もっとも、前述したように当該輸送機器2に対する荷役機器3は特定されているので、輸送機器状態情報を用いず、荷役機器状態情報や荷役動作情報に含まれる荷物重量、荷物容量、荷物形態などに基づいて、重量積載率、床面積積載率、体積積載率等を算出してもかまわない。
【0088】
このようなものであれば、簡易的に積載率情報を取得、蓄積できる。また、輸送機器2の荷台の活用可能分が可視化され、より多く荷物を搭載できるし、積載率に応じた重さや形状の荷物を選択して積載することや、荷物に応じた輸送機器の種類を選択することもできる。さらに、日常の積載率を評価して、配送計画の見直し(例えば、空き率高い場合は輸送機器2の台数削減や運転者の削減等)を行うことができる。
【0089】
また、この実施形態での効率関連情報算出部12は、輸送機器2と荷役機器3とを効率よく動作連携させるための情報を作業効率関連情報として算出し出力する。
具体的な作業効率関連情報としては、以下の(9)~(13)を挙げることができる。
(9)輸送機器2の作業場への到着時刻
輸送機器状態情報から得られる輸送機器2の位置およびその時間変化(速度)と作業場の位置とに基づいて、当該輸送機器2の作業場への到着予定時刻を作業効率関連情報として算出し、この到着時刻を荷役機器3に別途設けられた受信器または荷役機器3を管理している管理コンピュータに送信する。
このことにより、稼働可能な荷役機器3を予め輸送機器2の到着場所に待機させることができ、輸送機器2の到着後、荷役作業開始までの無駄時間を削減できる。
(10)輸送機器2に対して用いる荷役機器3を特定するための情報
荷役機器状態情報から得られる位置、走行速度、マスト高さ等に基づいて、現在荷役動作をしておらず、稼働可能な状態にある1または複数の荷役機器3を特定し、その荷役機器IDおよび/またはその場所を作業効率関連情報として、輸送機器2に別途設けられた受信器または輸送機器2を管理している管理コンピュータに送信する。このとき、単に稼働可能な荷役機器3を特定するのではなく、輸送機器状態情報および/または輸送機器に積まれるまたは下ろされる各荷物の種類や重量、大きさ等に荷物情報に基づいて、荷役作業に最適な荷役機器3を特定するようにしてもよい。
例えば、輸送機器2の作業者(運転者)が荷役機器3も操作する場合、輸送機器2の到着後、使用可能な荷役機器3および/またはその場所がすぐにわかるので、荷役作業着手までの時間を短縮できる。
また、1つの輸送機器2に対して、荷物ごとに積み下ろしする荷役機器3を特定し、その情報を作業効率関連情報としてもよい。このような構成によれば、荷物によって大きさや重量、設置場所等が異なる場合に、それぞれの荷物にどの荷役機器3を使えばよいか、特定することができるので、作業効率の向上や安全性の向上を図れる。
(11)輸送機器2の作業場での駐車場所
作業場において駐車場所が複数ある場合、荷役機器状態情報から得られる位置、マスト高さ等に基づいて、稼働可能な1以上の荷役機器3およびその場所を特定し、当該荷役機器3による荷役作業が最も効率よくできる輸送機器2の駐車場所を作業効率関連情報として算出し、この駐車場所を輸送機器2に別途設けられた受信器または輸送機器2を管理している管理コンピュータに送信する。
このように最適な駐車場所に輸送機器2を導くことができるので、輸送機器2の到着後の待ち時間や、荷役機器3の輸送機器までの移動時間の短縮を図れ、荷役作業の効率化を促進できる。
(12)輸送機器2に対する荷役作業可能時期
輸送機器状態情報から得られる扉開閉情報に基づき、輸送機器2の荷台扉が開いており、積み下ろし可能な状態であること示す情報を作業効率関連情報として荷役機器3に別途設けられた受信器または荷役機器3を管理している管理コンピュータに送信する。
このことにより、輸送機器2において積み下ろし荷物がまだある状態にもかかわらず、荷役機器3による荷物の搬送および積み下ろし動作が、途切れてしまうことなどを防止でき、荷役作業の効率化を図れる。
(13)荷役機器2の走行状態に関する情報
前記走行速度検知センサや走行方向検知センサによって荷役機器3の走行状態に関する情報である走行状態情報を取得し、これと当該荷役機器3の荷役動作情報とに基づいて作業効率関連情報を算出してもよい。
例えば、荷役機器3が輸送機器2から荷物を下ろした後、同じ荷物に対して作業をしているか、別荷物に作業をしているかとか、荷物をもってどれくらい走行し輸送機器2にアクセスしているかの距離を算出するなどして、1回の荷役作業や所定期間(例えば1日)における荷役動作時間と走行動作時間との比や総時間、あるいは荷役動作に要した消費エネルギと走行動作に要した消費エネルギとの比や総消費エネルギなどに関する情報を作業効率関連情報として算出する。
このことにより荷役だけでなく、荷役機器3による搬送も含んだ作業効率の改善に寄与することができる。
【0090】
<その他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限られない。例えば、格納ゲート型車両(トラック下に搬送台がしまわれるタイプのゲートの場合)、ゲートの搬送台を引き出した時を荷役作業開始、ゲートの搬送台を格納した時を荷役作業終了として荷役作業時間を計測すればよい。具体的には、搬送台の作動スイッチとモータ作動(電流値)、電磁弁とモータ作動(電流値)、搬送台位置に応じてON/OFF切替する近接センサ、搬送台の水平-起立間の角度を計測する傾斜センサなどから搬送台の出し入れ状態を判断すればよい。
【0091】
機器状態情報や荷役動作情報は、センサからのデータのみならず、作業者やユーザからの入力によって取得してもかまわない。
タイヤの空気圧変化から荷役動作(荷物の積みこみ、積み降ろし)回数を計測するようにしてもよい。
輸送機器は、トラックに限られず、船舶や航空機などにも本発明を適用して同様の作用効果を得ることができる。
作業効率関連情報も、前記実施形態に限られるものではない。
【0092】
前記実施形態では、搬送台の上下動1往復をもって荷役動作としていたが、荷物を積んだ状態での上昇または下降の片道だけを荷役動作と定義してもかまわない。
その他、本発明は前記説明や図示例の一部同士を組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0093】
<まとめ>
以上に述べた荷役作業管理システム1の特徴は、次のようにまとめることができる。
[1] 荷物を輸送する輸送機器2の、または該輸送機器2への荷役作業に用いられる荷役機器3の、荷役作業時の状態に関する情報である機器状態情報を取得する機器状態情報取得部11と、前記機器状態情報に基づいて、当該荷役作業の効率に関する情報である作業効率関連情報を算出する効率関連情報算出部12と、を備えている荷役作業管理システム1。
【0094】
上記構成によれば、荷役機器3の状態である機器状態情報を通じて、荷役作業の状況を客観的に把握し管理することができ、さらにその際、複数の観点からの荷役作業効率に関する情報をも取得できるので、これに基づいて、荷役作業の例えば、時間的な効率最適化やエネルギ的な効率最適化等を図ることができる。
【0095】
[2] 一の輸送機器2に対して用いられる複数の荷役機器3が存在する場合または複数の輸送機器2に対して用いられる一の荷役機器3が存在する場合において、
前記機器状態情報取得部は、
輸送機器状態情報と荷役機器状態情報とをそれぞれ取得し、
前記輸送機器状態情報またはこれから算出される情報における所定の項目の値と、荷役機器状態情報またはこれから算出される情報における所定の項目の値を対比し、
これら項目の値が連動した場合に、当該荷役機器状態情報と輸送機器状態情報とを紐づけて前記機器状態情報を生成するとともに、互いに連携動作する輸送機器と荷役機器として特定する[1]に記載の荷役作業管理システム1。
上記構成によれば、例えば荷役機器3がフォークリフトの場合など、輸送機器2とは独立して移動可能なものの場合であっても、当該輸送機器2に対する荷役作業に用いられた連携荷役機器3を特定でき、確実に機器状態情報を生成して作業効率関連情報を算出することができる。
【0096】
[3] 前記効率関連情報算出部は、前記荷役機器の荷役動作回数および/または荷役動作時間と、荷物重量とを、取得し又は前記機器状態情報に基づいて算出し、荷役動作回数および/または荷役動作時間と、荷物重量とに基づいて前記作業効率関連情報を算出する[1]または[2]に記載の荷役作業管理システム1。
当該作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に直接的又は間接的に提供することにより、荷役作業を行う会社は、荷役動作回数および/または荷役動作時間と、荷物重量との関連性を含む作業効率関連情報を用いて、荷役作業場所ごとに適する荷役作業の改善の検討に使用することができる。
特に、荷役機器の上昇動作と下降動作とを分けて検出し、それぞれの場合に積載された荷物重量を算出すれば、例えば、作業場所で荷物を積み下ろしたあと、別の荷物を積み込んだとか、その場合の1回の荷役機器の上下動において、いずれも荷物が積まれていれば、積み降ろしごとに積み込みを行っていたことがわかるし、上昇時のみ、または下降時のみ荷物が積載されていれば、まずすべての荷物を下ろしてから、新規荷物を積み込んだことなども判別できる。
【0097】
[4] 前記機器状態情報には、前記輸送機器の位置情報が含まれており、前記効率関連情報算出部は、前記位置情報に基づいて荷役作業場所を特定し、荷役作業場所ごとの作業効率関連情報を算出する[1]~[3]いずれかに記載の荷役作業管理システム。
[5] 前記効率関連情報算出部は、所定期間における荷役作業場所ごとの作業効率関連情報を算出する[4]に記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、作業場所と荷役作業効率との関係性を容易に把握できる。また、作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に直接的又は間接的に提供することにより、荷役作業を行う会社は、荷役作業場所ごとの作業効率関連情報を用いて、荷役作業場所ごとに適する荷役作業の改善の検討に使用することができる。
【0098】
[6] 前記効率関連情報算出部は、荷役作業担当者に関する情報である作業担当者情報をさらに取得し、作業担当者ごとの作業効率関連情報を算出する[1]~[5]いずれか記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、作業担当者と荷役作業効率との関係性を把握でき、例えば作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に提供することにより、荷役作業を行う会社は、荷役作業の担当者ごとの作業効率関連情報を用いて、担当者ごとに適する荷役作業の改善の検討に使用することができる。
【0099】
[7] 前記作業効率関連情報には、前記荷役機器の単位時間当たりの荷役動作回数、単位時間当たりの積荷重量または1回の荷役動作における平均の荷物重量に関する情報が含まれている[1]~[6]いずれか記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、荷役作業効率を把握しやすくし、荷役作業の見える化を促進する。例えば、荷役機器の単位時間当たりの荷役動作回数を、荷役作業を行う会社に提供することにより、どの程度の頻度で荷役機器の荷役動作を行えているかの情報として把握することができるので、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
例えば、単位時間当たりの積荷重量を、荷役作業を行う会社に提供することにより、重量ベースでのどの程度の分量の荷役作業を行えているかの情報として把握することができるので、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
例えば1回の荷役動作における平均の荷物重量に関する情報を、荷役作業を行う会社に提供することにより、1回の荷役動作で重量ベースでどの程度の分量の荷役作業をまとめて行えているかの情報として把握することができるので、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
【0100】
[8] 前記機器状態情報には、前記輸送機器に設けられた荷台の開閉に関する情報である荷台開閉情報が含まれており、または、前記効率関連情報算出部が前記機器状態情報から前記荷台開閉情報を算出するものであり、前記効率関連情報算出部は、前記荷台開閉情報に基づいて前記作業効率関連情報を算出する[1]~[7]いずれか記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、例えば、前記荷台開閉情報を、荷役作業を行う会社に直接的又は間接的に提供することにより、各荷役開閉期間に対応付けられた作業効率を把握することができるので、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
【0101】
[9] 前記効率関連情報算出部は、前記荷台開閉情報に基づいて荷台の開成期間である荷役作業時間における前記作業効率関連情報を算出する[8]記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、例えば、荷台の開成期間を荷役作業期間と見なすことにより、各荷役作業期間における作業効率を把握することができ、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
【0102】
[10] 前記作業効率関連情報に、1回の前記荷役作業時間における荷役動作期間または荷役動作回数が含まれる[8]または[9]に記載の荷役作業管理システム。
これにより、荷役作業期間の間に実際にどれくらいの期間荷役動作を実行したのか、あるいは、荷役動作を何回実行できているのかを把握することができ、荷役作業の改善の検討に使用することができる。
前記作業効率関連情報には、前記輸送機器の操作者の休憩時間に関する情報が含まれるようにしてもかまわない。
【0103】
[11] 前記機器状態情報に前記輸送機器の位置情報が含まれており、前記位置情報に基づいて、荷役作業場所を特定し、該荷役作業場所が新規である場合には、当該荷役作業場所を示す作業場所情報を登録する作業場所情報登録部をさらに備えている[1]~[10]いずれかに記載の荷役作業管理システム。
新規作業場所の場合、作業者はその場所を登録しなければならない場合があるが、これを補助することができる。
【0104】
[12] 前記機器状態情報には、前記輸送機器のタイヤ圧力情報または前記荷役機器の負荷情報が含まれており、前記前記効率関連情報算出部が、前記タイヤ圧力情報または駆動情報に基づいて前記荷物の重量を示す荷物重量情報を算出する[1]~[11]いずれか記載の荷役作業管理システム。
このような構成であれば、輸送機器および荷役機器のいずれかまたは双方から荷物重量を取得でき、対応する輸送機器と荷役機器を特定できたり、荷物重量の不整合からこれを検知するセンサ等の故障を検出できたりする。
【0105】
[13] 前記荷台開閉情報は、荷台を開閉する荷台開閉機器の駆動状態を示す情報から算出される[1]~[12]いずれか記載の荷役作業管理システム。
このような国政によれば、荷台開閉状態を専用のセンサ等を設けることなく容易に取得できる。
【0106】
[14] 前記効率関連情報算出部は、前記荷役機器の駆動に要したエネルギである消費エネルギを前記機器状態情報に基づいて算出し、該消費エネルギに基づいて前記作業効率関連情報を算出する[1]または[2]に記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、消費エネルギ観点での荷役作業効率を見える化できる。また、作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に提供することにより、荷役作業を行う会社は、荷役に要した消費エネルギを把握することができる。従って、消費エネルギをより小さくするよう検討に使用することができる。
特に限定されないが、消費エネルギを、荷物重量や積荷動作の回数と組み合わせて組み合わせることができれば、消費エネルギを小さくするための荷役重量や荷役動作回数といった出力をすることもできる。
【0107】
[15] 前記効率関連情報算出部が、荷役機器の1回の荷役動作における前記消費エネルギおよび荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。
[16] 前記効率関連情報算出部が、前記輸送機器による1回の運送における前記消費エネルギおよび荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。
15、16のような構成であれば、作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に提供することにより、荷役作業を行う会社は、1回の荷役動作(又は1回の運送)における消費エネルギと荷物重量との関係性を把握することができる。従って、荷物重量を適切に調整することにより、消費エネルギをより小さくするよう荷物重量の検討等に使用することができる。
【0108】
[17] 前記効率関連情報算出部は、荷役機器による複数回の荷役動作における前記消費エネルギの総和および当該複数回の荷役動作における各荷物重量に基づいて前記作業効率関連情報を算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。
【0109】
[18] 前記作業効率関連情報が、荷物重量ごとにそれぞれ要する消費エネルギまたは消費エネルギ効率を含む[14]に記載の荷役作業管理システム。
これによれば、荷物重量ごとにそれぞれ要する消費エネルギまたは消費エネルギ効率を用いることにより、消費エネルギをより小さくする荷物重量の検討を行うことができる。
【0110】
[19] 前記作業効率関連情報が、荷物重量ごとにそれぞれ要する、単位重量あたりの消費エネルギまたは消費エネルギ効率を含む[14]に記載の荷役作業管理システム。
これによれば、荷物重量ごとにそれぞれ要する、単位重量あたりの消費エネルギまたは消費エネルギ効率を用いることにより、消費エネルギをより小さくする荷物重量の検討を行うことができる。
【0111】
[20] 前記作業効率関連情報が、複数の同種類の荷役機器および/または複数の同種類の輸送機器においてそれぞれ算出された消費エネルギまたは消費エネルギ効率の平均値を含む[14]に記載の荷役作業管理システム。
これによれば、複数の同種類の荷役機器および/または複数の同種類の輸送機器においてそれぞれ算出された消費エネルギまたは消費エネルギ効率の平均値を用いることにより、より正確な作業効率関連情報とすることができる。
【0112】
[21] 前記作業効率関連情報が、実際の荷役動作によって得られた複数の同種類の輸送機器から計算された消費エネルギの平均値を含むものである[14]に記載の荷役作業管理システム。
荷役機器の機種、輸送機器の機種によって各種特性、性能が異なることから、荷役機器の機種、輸送機器の機種によって消費エネルギと荷物重量との関係が異なるし、例えば、同じ機種の荷役機器であっても、搭載される輸送機器の機種によっては、消費エネルギと荷物重量との関係が異なるが、上述の構成によって、より正確な作業効率関連情報とすることができる。
一方、前記作業効率関連情報は、輸送機器ごとに区別されていることが比較の上では望ましい。
【0113】
[22] 前記作業効率関連情報には、複数の荷物の総重量が与えられたときの、荷役機器による荷役動作に必要な消費エネルギを最小化できる、または消費エネルギ効率を最大化できる荷役動作回数および/または1回の荷役動作での荷物重量が含まれている[14]に記載の荷役作業管理システム。
[23] 前記輸送機器による1回の輸送における積載荷物の総重量であって、荷役機器による荷役動作に必要な消費エネルギを最小化できる、または消費エネルギ効率を最大化できる荷物総重量が含まれている[14]に記載の荷役作業管理システム。
22、23の構成により、消費エネルギの最小化または消費エネルギ効率の最大化を容易にできる。また、作業効率関連情報を、荷役作業を行う会社に提供することにより、荷役作業を行う会社は、消費エネルギを最小化できるように荷役動作回数を調整することができる。一方、作業効率関連情報を、荷物を梱包する者に提供することにより、荷物を梱包する者は、1つの箱に梱包する荷物の重量を調整することができる。
【0114】
[24] 前記効率関連情報算出部は、前記消費エネルギの瞬間値を、1回の荷役動作時間にわたって積分することにより当該荷役動作に要した消費エネルギを算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。[25] 前記効率関連情報算出部は、前記荷役作業に要した電力を消費エネルギとして算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。[26] 前記効率関連情報算出部は、前記荷役機器を駆動する電動モータのモータ出力をモータ効率で除算することによって消費エネルギを算出する[14]に記載の荷役作業管理システム。
24~26のようなものであれば、荷役機器や輸送機器にもともと備えられているセンサ等を用いて、あるいは、新たにセンサを用いるにしても特殊なものを使うことなく、消費エネルギを算出することができる。
【0115】
[27] 情報享受者に対して前記作業効率関連情報を提供する情報送信部と、情報享受者に提供された作業効率関連情報に対する対価に関する情報である対価情報を出力する対価情報出力部をさらに備えている[1]~[26]いずれかに記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、前記作業効率関連情報の適正な流通を図ることができる。また、荷役作業管理者から情報享受者に対して作業効率関連情報を提供し、情報享受者に提供された作業効率関連情報に対する対価に関する情報である対価情報を出力し、対価情報に基づいて情報享受者から荷役作業管理者に対して対価を支払う。従って、荷役作業管理者は、作業効率関連情報を生成して提供することにより利益を得ることができる。
【0116】
[28] 前記対価が、所定の単位期間中に出力された前記作業効率関連情報の量または頻度に応じて設定される[27]記載の荷役作業管理システム。
[29]前記対価が、登録された前記輸送機器または荷役機器の台数に応じて定められる[28]記載の荷役作業管理システム。
27、28の構成によれば、対価の明瞭化を図れる。
【0117】
[30] 前記作業効率関連情報には、所定の荷役作業条件での標準荷役動作情報と前記荷役動作情報とを比較可能な情報が含まれる[1]ないし[29]に記載の荷役作業管理システム。
このような構成であれば、例えば荷物量に応じた標準荷役動作情報と比較することによって、効率の悪い作業者や作業場所などを抽出でき、作業効率の改善を客観的に推し進めることができる。
【0118】
[31] 前記作業効率関連情報には、輸送機器に積み込まれた荷物の積載率を示す情報が含まれる[1]ないし[30]に記載の荷役作業管理システム。
このようなものであれば、簡易的に積載率情報を取得、蓄積できる。また、輸送機器2の荷台の活用可能分が可視化され、より多く荷物を搭載できるし、積載率に応じた重さや形状の荷物を選択して積載することや、荷物に応じた輸送機器の種類を選択することもできる。さらに、日常の積載率を評価して、配送計画の見直し(例えば、空き率高い場合は輸送機器2の台数削減や運転者の削減等)を行うことができる。
【0119】
[32] 荷役機器が輸送機器とは独立して移動可能なものであって、前記作業効率関連情報には、前記輸送機器に対する荷役作業に用いられる荷役機器を特定するための情報が含まれる[1]ないし[31]に記載の荷役作業管理システム。
このことにより、輸送機器や荷役機器の待機時間の短縮等を図れ、荷役作業の効率化を促進できる。
【符号の説明】
【0120】
1・・・荷役作業管理システム
2・・・輸送機器
3・・・荷役機器
11・・・機器状態情報取得部
12・・・効率関連情報算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7