(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007222
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A47G29/122 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110331
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 崇人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰樹
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA25
3K100CA26
3K100CA45
3K100CA60
3K100CB05
3K100CC02
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】簡易な操作で開閉操作を行うことのできる折り畳み可能な宅配ボックスを提供すること。
【解決手段】折り畳み可能な宅配ボックス1は、折り畳み状態から手前側へ引き出されることにより展開状態となる収納部2と、収納部2の上部を覆う折り畳み可能な天板3と、を備え、天板3は、手前側に位置する第1天板31と、奥側に位置する第2天板32とが折り畳み可能に連結される。前記天板は、前記第1天板及び前記第2天板の間に配置され、前記第1天板及び前記第2天板が回転可能となるように連結される連結板を有することが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な宅配ボックスであって、
折り畳み状態から手前側へ引き出されることにより展開状態となる収納部と、
前記収納部の上部を覆う折り畳み可能な天板と、を備え、
前記天板は、手前側に位置する第1天板と、奥側に位置する第2天板とが折り畳み可能に連結される、宅配ボックス。
【請求項2】
前記天板は、前記第1天板及び前記第2天板の間に配置され、前記第1天板及び前記第2天板が回転可能となるように連結される連結板を有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記第1天板及び前記第2天板の奥行方向に沿う側面をそれぞれ覆うサイドキャップを有し、
前記サイドキャップは、前記連結板、前記第1天板、及び前記収納部の手前側の上部を接続する手前側サイドキャップと、
前記連結板、前記第2天板、及び前記収納部の奥側の上部を接続する奥側サイドキャップと、を有する、請求項2に記載の宅配ボックス。
【請求項4】
前記収納部の手前側の上部に前記収納部の正面視における幅方向に沿って配置される上枠と、
前記天板の裏面に手前側から奥行方向に延びるように配置され、前記上枠及び前記連結板を接続する補助アームと、を有する、請求項2又は3に記載の宅配ボックス。
【請求項5】
前記収納部の奥側に配置される背面部と、
前記天板の前記折り畳み状態で前記補助アームを挟むように手前側と奥側に対向して配置される磁石をさらに有し、
前記磁石は、前記上枠における前記補助アームが接続される接続部の上部に固定される手前側磁石と、前記背面部の上端側で前記手前側磁石と対向する位置に固定される奥側磁石と、を有する、請求項4に記載の宅配ボックス。
【請求項6】
前記天板は、前記第1天板及び前記第2天板それぞれの奥行方向に沿う側縁の端部から、奥行方向に直交する幅方向に沿って形成される上方が開放された断面視コの字状の排水凹部を有し、
前記連結板は、前記連結板の奥行方向に沿う側縁の端部から前記排水凹部の底面に向かって屈曲し、前記排水凹部の一部を覆うように延びて形成される覆い部を有し、
前記排水凹部と前記覆い部が組み合わされた排水構造を有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、宅配ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住人の不在時に配達される荷物を収容するため、建物の外部に配置される宅配ボックスが知られている。宅配ボックスは、不使用時にスペースを取らないように、折り畳み可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
折り畳まれた宅配ボックスを開くために、天板を開けてから底板を引き出しながら取手を前方へ回転させるという複数の手順が必要となっていた。このため、折り畳み可能な宅配ボックスの開閉動作をより簡易に行うことができるようにすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、折り畳み可能な宅配ボックスであって、折り畳み状態から手前側へ引き出されることにより展開状態となる収納部と、前記収納部の上部を覆う折り畳み可能な天板と、を備え、前記天板は、手前側に位置する第1天板と、奥側に位置する第2天板とが折り畳み可能に連結される、宅配ボックスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態の宅配ボックスを示す斜視図である。
【
図3A】本実施形態の宅配ボックスの上部の縦断面図である。
【
図3B】本実施形態の宅配ボックスの下部の縦断面図である。
【
図4A】本実施形態の宅配ボックスの底面部を引き出した状態を示す図である。
【
図4B】本実施形態の宅配ボックスの底面部を裏側から見た図である。
【
図5】本実施形態の宅配ボックスの側面の上部における部分斜視図である。
【
図6】本実施形態の宅配ボックスの開閉途中の部分縦断面図である
【
図7】本実施形態の宅配ボックスの折り畳み状態の部分縦断面図である
【
図8A】本実施形態の宅配ボックスの施錠状態の扉を収納部側から見た図である。
【
図8B】本実施形態の宅配ボックスの開錠状態の扉を収納部側から見た図である。
【
図9A】本実施形態の宅配ボックスの折り畳み状態の斜視図である。
【
図9B】本実施形態の宅配ボックスの開閉途中の斜視図である。
【
図9C】本実施形態の宅配ボックスの底面部の開閉途中の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の宅配ボックス1は、例えば建物の外部で壁面や玄関の周囲に固定される。宅配ボックス1は、折り畳み可能であり、不使用時は折り畳み状態で配置される(
図9A参照)。宅配ボックス1は、
図1に示すように、使用時に手前に引き出すように開かれて、配達業者が配達した荷物を収容することができる。宅配ボックスは、収納部2と、天板3と、扉4と、錠部5と、を有する。宅配ボックス1は、主に金属の板材で構成されている。
【0008】
収納部2は、上下方向に長い略直方体の形状を有し、上面と前面が開口している。収納部2は、折り畳み状態から手前側Fへ引き出されることにより展開状態となる。収納部2は、背面部21と、一対の側面部22と、底面部23と、枠部24と、開口部25(
図4A参照)と、を有する。本明細書において、宅配ボックス1の折り畳み状態から展開する際に、使用者と向かい合う宅配ボックスの前面を引き出す側を手前側Fと言い、背面部21側を奥側Rと言う。手前側Fと奥側Rを結ぶ方向を奥行方向と言う。幅方向とは、奥行方向に直交し、宅配ボックス1の正面視の左右を結ぶ方向を言う。
【0009】
背面部21は、略長方形の薄い板状の部材により構成される。背面部21は、収納部2の奥側Rに配置される。背面部21は、略長方形の板材の周縁が、収納部2の内部に向かって折り曲げられており、
図2、
図3A及び
図3Bに示すように、背面部本体210と、上面側屈曲縁211と、下面側屈曲縁212と、側面側屈曲縁213と、を有する。
【0010】
背面部本体210は、上下方向に長く延びる長方形の平坦な薄い板により構成される。背面部本体210は、収納部2の最も奥側Rに位置する面である。
【0011】
上面側屈曲縁211は背面部本体210の上端側が手前側Fに折り曲げられ、収納部2の幅方向に沿って延びる。上面側屈曲縁211は、上面部211aと、凹部211bと、を有する。上面部211aは、背面部21の上端から手前側Fに延びる平坦な面である。凹部211bは、上面部211aの手前側Fの端部から、側面断面視で、上方に向かって開口した略コの字型に屈曲して形成されている。凹部211bは、上面部211aの手前側Fの端部から下方に延びる下垂部211cと、凹部211bの底面211dと、底面211dから上方に向かって起立する起立部211eとを有する。上面側屈曲縁211の最も手前側Fの面は、凹部211bの起立部211eである。
【0012】
下面側屈曲縁212は、背面部21の下端側が手前側Fに折り曲げられた部分である。下面側屈曲縁212が、収納部2の最も下側の面に位置する。
【0013】
側面側屈曲縁213は、背面部21における平面視で短手方向の端部が手前側Fに折り曲げられて形成される。側面側屈曲縁213は、上下方向に延びて背面部21の上端から下端まで延びる。側面側屈曲縁213には、後述する側面部22の奥側側面板222が連結されるとともに、後述する天板3のサイドキャップ35が上部に連結される。
【0014】
一対の側面部22は、収納部2の正面視における幅方向の一方及び他方に、奥行方向に沿って配置される。側面部22は、奥行方向に並ぶ二枚の板が連結して構成され、手前側側面板221と、奥側側面板222と、を有する。手前側側面板221及び奥側側面板222は、それぞれが略長方形の板状の部材であり、短手方向の端部が収納部2の内部側へ屈曲した屈曲端221a、222aを有する。
【0015】
手前側側面板221及び奥側側面板222は、それぞれの屈曲端221a、222aで、蝶番223aで接続される。手前側側面板221の手前側Fの端部は、後述する縦枠243に蝶番223bで接続され、奥側側面板222の奥側Rの端部は、背面部21の幅方向の端部に位置する側面側屈曲縁213の裏側に蝶番223cで接続される。側面部22は、手前側側面板221及び奥側側面板222がこれら蝶番223a、223b、223cで接続されることにより、収納部2に手前側Fから奥側Rへ押圧する力が掛けられたとき、手前側側面板221及び奥側側面板222の連結部分が収納部2の内側へ折れるように移動し、折り畳まれるように構成されている。
【0016】
底面部23は、収納部2内に配置され、折り畳まれた状態では起立している。底面部23は、使用時に収納部2が展開される際に、背面部21に隣接して起立した状態から手前側Fへ倒され、展開状態で略水平方向に延びるように配置される。底面部23は、その一部が収納部2から手前に引出可能に構成されている。底面部23は、底板部230と、ヒンジ部27と、を有する。底板部230は、平板状で平面視略四角形の部材である。
図4Aに示すように、底板部230は、上下に重ねられた二枚の板材により構成され、第1底板231と、第2底板232と、レール部233と、低摩擦シート234と、を有する。
【0017】
第1底板231は、収納部2が展開された展開状態で、収納部2の内部に配置される部材である。第1底板231は、後述する第2底板232の下側に配置される。第1底板231は、
図4A及び
図4Bに示すように、略四角形の上面部231aと、上面部231aの幅方向の一方及び他方で奥行方向に延びる側部231bと、手前側Fで幅方向に延びる前面部231cと、奥側Rで幅方向に延びる背面部231dと、を有する。第1底板231の背面部231dに、後述するヒンジ部27が接続されている。
【0018】
第2底板232は、収納部2の展開状態で、収納部2から手前側Fへスライドして引き出される板材である。第2底板232は、第1底板231の上に重ねて配置されている。第2底板232は、略四角形の上面部232aと、上面部232aの幅方向の一方及び他方で奥行方向に延びる側部232bと、手前側Fで幅方向に延びる前面部232cと、を有する。前面部232cには、第2底板232を引き出す際に手を掛ける手掛け部232dが形成されている。
【0019】
レール部233は、第1底板231及び第2底板232をスライド可能に連結する部材である。レール部233は、第1レール部233aと、第2レール部233bと、レール軸部233cと、を有する。
【0020】
第1レール部233aは、第1底板231の正面視の幅方向における一方及び他方の側部231bに固定され、奥行方向に沿って延びる。第1レール部233aは、側部231bに沿って延びる長尺状の部材であり、短手方向の一方及び他方が短手方向の中央側に向かって湾曲して形成されている。
【0021】
第2レール部233bは、第2底板232の正面視の幅方向における一方及び他方の側部232bに固定される。第2レール部233bは、側部232bに沿って延びる長尺状の部材であり、第1レール部233aの湾曲した端部の内側に配置可能な短手方向の寸法を有する。第2レール部233bは、断面視で略コの字状に形成され、端部が第1レール部233aの湾曲した端部に向かって反るように湾曲している。第2レール部233bの湾曲した端部は、第1レール部233aの湾曲した端部と間を空けて向き合っている。第2レール部233bの先端は、第1レール部233aの湾曲していない面に当接し、第1レール部233a及び第2レール部233bは互いに係合している。
【0022】
レール軸部233cは、第1レール部233aと第2レール部233bとの間に配置される円柱状の軸部である。レール軸部233cが配置されていることで、第1レール部233aと第2レール部233bとは円滑にスライドする。第1レール部233aと第2レール部233bがスライドすることにより、第2底板232が手前側Fへスライドして引き出される。
【0023】
低摩擦シート234は、第2底板232の裏面、すなわち第1底板231の上面と対向している面に配置され、貼り付けられている。低摩擦シート234は、摩擦係数の小さい薄いシートである。低摩擦シート234は、第1底板231の上面と第2底板232の裏面が、スライドする際に生じる摩擦を低減する。
【0024】
ヒンジ部27は、底板部230を収納部2の奥側Rで回転可能に接続する。ヒンジ部27は、収納部2の正面視における幅方向の両側に配置される一対のヒンジ部271、272を有する。一対のヒンジ部271、272は、具体的にはトルクヒンジであり、一方のヒンジ部271と、他方のヒンジ部272とは、互いに異なるトルク値を有する。一対のヒンジ部271、272は、それぞれが、中心から軸部273が延びる円柱状の雄部材271a、272aと、軸部273を受ける円筒状の雌部材271b、272bと、を有し、軸部273の回動抵抗が異なっている。回動抵抗を変更する方法は、特に限定されない。軸部273と雌部材271b、272bの間の摩擦を異なるように構成してもよく、板ばねや円盤状の部品を配置してもよい。
【0025】
一方のヒンジ部271は、底面部23を手前側Fに倒す際の軸部273の回動抵抗が大きく、ソフトダンパー機能を有する。他方のヒンジ部272は、底面部23を奥側Rへ起立させる際の軸部273の回動抵抗が小さく、起立時のアシスト機能を有する。
【0026】
枠部24は、
図4Aに示すように、収納部2の手前側Fで背面部21に対向する側に形成される開口部25の周囲に形成される枠組みである。枠部24には、後述する扉4が固定される。枠部24は、上枠241と、下枠242と、一対の縦枠243と、を有する。
【0027】
上枠241は、収納部2の手前側Fの上部で、収納部2の正面視における幅方向に沿って配置される。上枠241は、側面部22の一対の手前側側面板221における上端を結ぶように渡される長尺の部材である。
図5に示すように、上枠241は、後述する第1天板31の手前側Fの長縁辺部311に沿って配置される。上枠241は、内側面2411と、側端面2412と、を有する。
図6に示すように、内側面2411は、収納部2の内部に面し、上下方向に延びる面である。内側面2411には、下側に後述する補助アーム36が配置され、上側に後述する磁石37が配置される。側端面2412は、上枠241の長手方向の端部において、収納部2の奥行方向に沿う端面である。側端面2412には、後述するサイドキャップ35が連結される。
【0028】
下枠242は、上枠241の下方で、収納部2の正面視における幅方向に沿って配置される。下枠242は、略長方形の平たい面を有し、面が底面部23の延びる方向に沿う方向に取り付けられる。下枠242は、背面部21の下端よりも上方に位置しており、下枠242における幅方向の両端には、車輪26が取り付けられる。車輪26は、収納部2を引き出す際に収納部2の手前側Fの端部を支持しながら手前側Fに移動し、引き出す動作を容易にする。
【0029】
一対の縦枠243は、収納部2の幅方向の一方及び他方で、上下方向に延びる枠部24の一部である。
図1に示すように、一対の縦枠243の側面243aは、宅配ボックス1が折り畳み状態で露出する側面を構成する。このため、一対の縦枠243の側面243aには、収納部2を手前側Fに引き出す際に手を掛けるための切欠き2433が形成されている。
図4Aに示すように、一対の縦枠243のうち、一方側は、後述する扉4がヒンジにて接続される扉側縦枠2431である。他方側は、後述する錠部5が係止される錠係止側縦枠2432である。錠係止側縦枠2432の内側面には、錠部5が係止されるための切欠き2434(
図8A参照)が形成されている。
【0030】
天板3は、折り畳み可能に構成され、展開状態で収納部2の上部を覆い、折り畳み状態では、奥行方向の中央部で折り畳まれる。天板3は、
図5に示すように、第1天板31と、第2天板32と、連結板33と、サイドキャップ35と、補助アーム36と、磁石37と、排水構造38と、を有する。
【0031】
第1天板31は、手前側Fに位置する略長方形の板であり、長方形の長辺を構成する長縁31aが収納部2の幅方向に沿うように配置される。長方形の短辺を構成する短縁31bは、収納部2の奥行方向に沿って配置される。第1天板31は、
図5及び
図3Aに示すように、第1天板本体面310と、長縁辺部311と、短縁辺部312と、排水凹部313と、を有する。
【0032】
第1天板本体面310は、第1天板31の平坦な面であり、略長方形の形状を有する。長縁辺部311は、第1天板31の長縁31aに沿って、下方に折り曲げられる面である。長縁辺部311は、第1天板31の短縁31bにおける手前側Fに配置され、第1天板31の厚さ方向に延びる。短縁辺部312は、第1天板31の短縁31bに沿って、下方に折り曲げられる面である。短縁辺部312は、第1天板31の厚さ方向に延びる。排水凹部313は、第1天板31の短縁31bにおける奥側Rの端部から長縁31aに沿って形成される。排水凹部313は、上方が開放された断面視コの字状に形成される。排水凹部313は、短縁31bの端部が下方に屈曲し、下端から奥側Rへ延びて、上方へ屈曲することで形成される。排水凹部313には、止水パッキン314が設けられている。
【0033】
第2天板32は、奥側Rに位置する略長方形の板であり、長方形の長辺を構成する長縁32aが収納部2の幅方向に沿うように配置される。長方形の短辺を構成する短縁32bは、収納部2の奥行方向に沿って配置される。第2天板32は、後述する連結板33を介して第1天板31と折り畳み可能に連結される。第2天板32は、第2天板本体面320と、長縁辺部321と、短縁辺部322と、排水凹部323と、を有する。
【0034】
第2天板本体面320は、第2天板32の平坦な面であり、略長方形の形状を有する。長縁辺部321は、第2天板32の長縁32aに沿って、下方に折り曲げられる面である。長縁辺部321は、第2天板32の短縁32bにおける奥側Rに配置され、第2天板32の厚さ方向に延びる。短縁辺部322は、第2天板32の短縁32bに沿って、下方に折り曲げられる面である。短縁辺部322は、第2天板32の厚さ方向に延びる。排水凹部323は、第2天板32の短縁32bにおける手前側Fの端部から長縁32aに沿って形成される。排水凹部323は、上方が開放された断面視コの字状に形成される。排水凹部323は、短縁32bの端部が下方に屈曲し、下端から手前側Fへ延びて、上方へ屈曲することで形成される。排水凹部323には、止水パッキン324が設けられている。
【0035】
連結板33は、第1天板31及び第2天板32の間に配置される。連結板33は、第1天板31及び第2天板32が回転可能となるように第1天板31及び第2天板32に連結される。連結板33は、
図1及び
図5に示すように、2枚の部材が重ねて構成され、上面部材331と、連結板側面部332と、下面部材333と、覆い部334と、を有する。
【0036】
上面部材331は、上面から見て略長方形の板であり、長方形の長辺を構成する長縁331aが収納部2の幅方向に沿うように配置される。長方形の短辺を構成する短縁331bは、収納部2の奥行方向に沿うように配置される。
【0037】
覆い部334は、上面部材331の短縁331bの端部が、下方に屈曲し、長縁331aの一方から他方まで延びるように形成される。覆い部334は、短縁331bの端部から下方に屈曲して下垂する下垂部334aと、上面部材331の平坦な面で長縁331aの縁に沿う平面部334bとを有する。覆い部334は、上面部材331の短縁331bの端部近傍で断面視略くの字に屈曲した部分を言う。覆い部334は、
図3A、
図5及び
図6等に示すように、上面部材331の短縁331bの端部から、第1天板31の排水凹部313及び第2天板32の排水凹部323における底面に向かって屈曲し、排水凹部313、323の一部を覆うように延びて形成される。覆い部334と排水凹部313、323が組み合わされることにより、雨天の際に連結板33や第1天板31、第2天板32の上面に落ちた雨水が、排水凹部313、323の底面を伝って収納部2の外側へ排水される排水構造38が形成される。
【0038】
連結板側面部332は、上面部材331の短縁331bから連続して下方に屈曲する板状の部分である。連結板側面部332は、短縁331b側から見て略T字状に形成されている。上面部材331の短縁331bに沿って延びるT字の横棒に対応する部分には、貫通孔が形成され、後述するサイドキャップ35がねじにより連結される。連結板側面部332は、後述するサイドキャップ35とともに、天板3の側面を覆う。
【0039】
下面部材333は、上面部材331に重ねて配置される平面視で略長方形の部材である。下面部材333は、長方形の短辺を構成する側縁の短手方向の中央部に、連結凹部335を有する。連結凹部335は、断面視で上面側が開放された略コの字状の凹部である。連結凹部335の両端から下面部材333の短手方向の端部までは、下面部材333と上面部材331とは重ねて配置されている。連結凹部335の内部には、後述する補助アーム36が固定される。
【0040】
サイドキャップ35は、天板3の奥行方向に沿う側面である短縁辺部312、322を覆うように配置され、天板3と同素材で構成される縦長の薄い板材である。サイドキャップ35は、手前側サイドキャップ351と、奥側サイドキャップ352とを有する。
【0041】
手前側サイドキャップ351は、略長方形の形状を有し、長手方向が第1天板31の短縁31bの長さより長い。手前側サイドキャップ351の短手方向は、第1天板31の厚さ方向に延びる。手前側サイドキャップ351の短手方向の寸法は、連結板33の連結板側面部332の厚さ方向の寸法と同程度である。
【0042】
手前側サイドキャップ351は、連結板33、第1天板31及び収納部2の上枠241を接続する。詳細には、手前側サイドキャップ351は、第1天板31の奥行方向に沿う短縁辺部312の外側に重ねて配置され、第1天板31と固定される。手前側サイドキャップ351は、長手方向の一方の端部が連結板33の連結板側面部332の端部と重ねられ、連結板側面部332の貫通孔を挿通するねじ34により回転可能に連結される。他方の端部は、第1天板31に連結された上枠241の側端面2412に、ねじ34により回転可能に連結される。手前側サイドキャップ351は、第1天板31と固定されているので、第1天板31を連結板33及び上枠241に対して、ねじ34を連結軸として回転可能に連結する。
【0043】
奥側サイドキャップ352は、略長方形の形状を有し、長手方向が第2天板32の短縁32bの長さより長い。奥側サイドキャップ352の短手方向は、第2天板32の厚さ方向に延びる。奥側サイドキャップ352の短手方向の寸法は、連結板33の連結板側面部332の厚さ方向の寸法と同程度である。
【0044】
奥側サイドキャップ352は、連結板33、第2天板32及び収納部2の奥側Rの上部を接続する。詳細には、奥側サイドキャップ352は、第2天板32の奥行方向に沿う短縁辺部322の外側に重ねて配置され、第2天板32と固定される。奥側サイドキャップ352は、長手方向の一方の端部が連結板33の連結板側面部332の端部と重ねられ、連結板側面部332の貫通孔を挿通するねじ34により回転可能に連結される。他方の端部は、第2天板32に連結された背面部21の側面側屈曲縁213の側面に、ねじ34により回転可能に連結される。奥側サイドキャップ352は、第2天板32と固定されているので、第2天板32を連結板33及び背面部21に対して、ねじ34を連結軸として回転可能に連結する。
【0045】
補助アーム36は、
図6に示すように、連結板33と上枠241の内側面2411とを接続する。補助アーム36は、天板3の裏面における幅方向の略中央部に配置され、手前側Fから奥行方向に沿って延びるように配置される。補助アーム36は、アーム本体360と、磁石当接部361と、アーム接続部362と、を有する。
【0046】
アーム本体360は、縦長で平板状の形状を有する。アーム本体360は、長手方向の一方から他方まで、後述する磁石当接部361を除いて一定の幅を有する。
【0047】
磁石当接部361は、アーム本体360の長手方向における一方側の端部の近傍に配置され、アーム本体360の短手方向の端部から両外側に突出する。突出した部分におけるアーム本体360の長手方向に沿う縁361aは、直線状に形成される。磁石当接部361は、アーム本体360の短手方向の端部から対称に突出して形成される。
図7に示すように、磁石当接部361は、天板3が折り畳まれた際に、後述する磁石37に挟まれるように当接する部分である。
【0048】
アーム接続部362は、アーム本体360の長手方向の端部を、アーム本体360が回転可能に連結する部材である。アーム接続部362は、接続部としての上枠側接続部3621と、連結板側接続部3622と、を有する。
【0049】
上枠側接続部3621は、上枠241の内側面2411に沿って固定されるとともに、アーム本体360の手前側Fの端部が重ねられて奥行方向に延びる取付面を有する。取付面に、アーム本体360が回転可能にピンで固定され、接続される。
【0050】
連結板側接続部3622は、連結板33の下面部材333における連結凹部335に配置される。連結板側接続部3622は、連結凹部335内で固定されるとともに、連結凹部335の底面に形成された貫通溝から下方に突出する接続片3623を有する。接続片3623は、薄い板面を有し、板面の面が奥行方向に沿って配置される。連結板側接続部3622の接続片3623に、アーム本体360の奥側Rの端部が重ねられてアーム本体360が回転可能にピンで固定される。
【0051】
磁石37は、天板3の折り畳み状態で補助アーム36を挟むように収納部2の手前側Fと奥側Rに対向して配置される。磁石は手前側磁石371と、奥側磁石372と、を有する。手前側磁石371は、上枠241の内側面2411において、アーム接続部362の上枠側接続部3621の上部に固定される。奥側磁石372は、手前側磁石371と対向する位置で、背面部21における上面側屈曲縁211の凹部211bの起立部211eに固定される。
【0052】
扉4は、収納部2の前面に形成された開口部25を開閉する。扉4は、背面部21に対向して配置される略長方形の形状を有し、収納部2の縦枠243の扉側縦枠2431に回転可能に接続される。
図1及び
図4Aに示すように、扉4は、扉本体面40と、上縁面41と、下縁面42と、一対の側縁面43と、を有する。扉本体面40は、長方形の板面であり、宅配ボックス1の正面に配置される。上縁面41は、扉本体面40の上端を奥行方向に折り曲げて形成される平坦な面である。下縁面42は、扉本体面40の下端を奥行方向に折り曲げて形成される平坦な面である。一対の側縁面43は、扉本体面40の幅方向の両端に配置される側端を奥行方向に折り曲げて形成される平坦な面である。
【0053】
錠部5は扉本体面40の裏面に設けられる電子錠である。
図8Aに示すように、錠部5は、係止体51と、バネ蝶番52と、駆動部53と、を有する。
【0054】
係止体51は、扉の裏面から収納部2の側面に配置された錠係止側縦枠2432の切欠き2434に係止可能な部材である。係止体51は、係止爪511と、係止爪接続部512と、駆動部側係止部513と、を有する。係止体51は、金属製である。
【0055】
係止爪511は、切欠き2434に係止可能な平面視鎌錠の薄い板が、二枚上下に間を空けて配置されることで構成される。係止爪511は、平面視で略直角に接続される二つの平坦な縁と、これらの平坦な面の遠位端を接続する弧状の縁を有する。
【0056】
係止爪接続部512は、間を空けて配置された二枚に係止爪511を接続し、係止爪511の平坦な面から連続して係止爪511と一体に形成される板状の部分である。係止爪接続部512は、後述するバネ蝶番52に固定され、係止爪511をバネ蝶番52の動きに連動可能に接続する。
【0057】
駆動部側係止部513は、平面視略L字状で、二枚の長方形の板513a、513bが略直角に接続された形状を有する。駆動部側係止部513の一方の板513aは係止爪接続部512とともにバネ蝶番52に接続される。駆動部側係止部513の他方の板513bは、先端側が後述する駆動部53の突出部532に係止可能な位置に配置される。
【0058】
バネ蝶番52は、解錠状態では、二枚の羽根板521、522を近づける方に付勢する蝶番である。バネ蝶番52は、金属製であり、一方の羽根板521は、扉4の裏面に固定される。他方の羽根板522は、係止体51の係止爪接続部512及び駆動部側係止部513の一方の板513aにねじにより接続される。
図8Bに示すように、バネ蝶番52により、解錠状態で係止体51が錠係止側縦枠2432の切欠き2434から離れる方向に付勢される。
【0059】
駆動部53は、施錠時にバネ蝶番52の付勢力に抗して係止体51を錠係止側縦枠2432に係止する方向に駆動する部材である。駆動部53は、電動により駆動され、筐体部531と、突出部532と、を有する。
【0060】
筐体部531は、扉4の厚さ方向の寸法以下の寸法を有し、扉4の裏面から収納部2側へ突出しない。扉本体面40の裏面に接着される。筐体部531の内部には、電池等の電源部、ハーネス、基板等の駆動部品533が収容されている。筐体部531は、樹脂により構成されている。
【0061】
突出部532は、筐体部531から出し入れ可能に突出する突起である。突出部532は、電子信号を受信して施錠の指示を受けると、筐体部531から突出するように駆動される。突出部532が突出すると、
図8Bに示すように、解錠時にはバネ蝶番52の自然状態の付勢により扉4の裏面側に向かって傾いていた駆動部側係止部513に、突出部532が係合して押し返す。
図8Aに示すように、駆動部側係止部513が押し返されると、駆動部側係止部513の一方の板513aに接続されているバネ蝶番52の他方の羽根板522及び係止爪接続部512を共に押し返す。これにより、バネ蝶番52が開き、係止爪511が錠係止側縦枠2432の切欠き2434に係止する。突出部532は、樹脂、具体的にはプラスチックにより構成されている。
【0062】
次に、宅配ボックス1の開閉の動きについて説明する。
図9Aに示すように、宅配ボックス1は、不使用時は折り畳み状態で玄関等の建物の外部に配置される。荷物が宅配されて住人が不在の場合に、宅配ボックス1は、開かれて使用される。開くときには、まず、宅配ボックス1の一対の縦枠243に形成された手掛け用の切欠き2433に手を入れて扉4を手前に引き出すように力を入れる。扉4の引出の際には、車輪26が滑走する。
【0063】
図9Bに示すように、扉4を手前に引き出していくと、折り畳まれていた側面部22が徐々に開いて展開される。天板3は、第1天板31が手前側Fに移動するにしたがって、サイドキャップ35を連結するねじ34が回転し、第1天板31及び第2天板32が傾斜する。
【0064】
図9Cに示すように、側面部22が完全に開ききったのち、扉4を開けると、底面部23が背面部21に沿った状態で起立している。底板部230の第2底板232に手を掛けて手前側Fに倒す。このとき、ヒンジ部27における一方のヒンジ部271の回動抵抗は大きいので、少し力を入れて手前側Fへ倒せば、ゆっくり倒れる。
【0065】
荷物が軽い場合は、倒した底面部23で上側に重なっている第2底板232の上に荷物を置いてもよい。荷物が重い場合や大きい場合は、
図4Aに示すように、第1底板231の上側に重ねられている第2底板232を手前側Fへ引き出すことができる。第1底板231と第2底板232とは、レール部233で連結されており、第2底板232の裏面には、低摩擦シート234が貼られているので、第2底板232をスムーズに引き出すことが可能である。引き出された第2底板232に荷物を載せた後、第2底板232を奥側Rへ押すことで、荷物が宅配ボックス1内に収納される。
【0066】
扉4を施錠する場合や解錠する場合、本実施形態では、錠部5は電子錠であるため、例えばスマートフォンや専用のリモートコントローラー等の電子機器で施錠又は解錠の指示の信号を送る。錠部5は、解錠状態では、駆動部53の筐体部531の内部に突出部532が収納されている。突出部532が収納されていると、
図8Bに示すように、係止体51がバネ蝶番52の自然状態により付勢されて、駆動部53側に倒れている。この状態では、係止体51の係止爪511は錠係止側縦枠2432の切欠き2434に係止していない。錠部5が施錠する信号を受信すると、
図8Aに示すように、筐体部531から突出部532が突出する。すると、係止体51の駆動部側係止部513が突出部532に持ち上げられ、係止体51の係止爪511が切欠き2434の形成された錠係止側縦枠2432の裏側に係合する。すると、扉4を開けようとしても係止爪511により開かなくなる。
【0067】
宅配ボックス1が展開状態で建物の外部に配置されていると、位置によっては雨が天板3にかかる場合がある。しかし、第1天板31の奥側Rの端部には、排水凹部313が形成されており、第2天板32の手前側Fの端部には、排水凹部323が形成されている。そして、これら排水凹部313、323を、連結板33の覆い部334が覆うように構成された排水構造38を有している。第1天板31と連結板33、第2天板32と連結板33の間に落ちた水は、排水凹部313、323に受け止められ、側面部22側から排水される。
【0068】
展開状態の宅配ボックス1を閉じる場合、底板部230の手前側Fを持ち上げ、ヒンジ部27により回転させて起立させる。このとき、他方のヒンジ部272の回動抵抗が小さいので、底面部23は軽く押すだけでスムーズに立ち上がる。次に、手掛け用の切欠き2433に手を入れて扉4を奥側Rへ押す。すると、
図9Bに示すように、側面部22の奥行方向の中央部が内側に折れ曲がる。このとき、第1天板31とサイドキャップ35が固定され、第2天板32とサイドキャップ35が固定され、連結板33とサイドキャップ35とが固定されている。連結板33及びサイドキャップ35がねじ34により回転可能に接続されていることにより、第1天板31が奥側Rに押されると、第1天板31の連結板33に接続されている側が上方へ押し上げられる。連結板33が上方に移動するに連動して、第2天板32の連結板33に連結された側も上方に移動する。これに加えて、第1天板31の内部では、収納部2の上枠241と連結板33の裏面との補助アーム36が接続している。このため、補助アーム36によって、第1天板31と連結板33とがねじれた方向に移動したりずれたりしないように補助される。
【0069】
図7に示すように、連結板33が移動する範囲内の上方に位置し、第1天板31と第2天板32とが向き合うように折り畳まれていく。このとき、補助アーム36の磁石当接部361は、上枠241の内側面2411における上部に配置された手前側磁石371と、背面部21における上面側屈曲縁211の凹部211bの起立部211eに配置された奥側磁石372に磁着する。磁石当接部361が手前側磁石371及び奥側磁石372に挟まれるように配置されるとともに、磁石の力により引き寄せられることで補助アーム36の位置が定まり、天板3の折り畳みの動きが安定する。
【0070】
補助アーム36の磁石当接部361は、手前側磁石371及び奥側磁石372に挟まれて固定される。第1天板31及び第2天板32は、直立して連結板33の下に納まったら、
図9Aに示す折り畳み状態となる。
【0071】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。折り畳み可能な宅配ボックス1を、折り畳み状態から手前側Fへ引き出されることにより展開状態となる収納部2と、収納部2の上部を覆う折り畳み可能な天板3と、を含んで構成、天板3を、手前側Fに位置する第1天板31と、奥側Rに位置する第2天板32とが折り畳み可能に連結した。天板3が手前側Fに位置する第1天板31と、奥側Rに位置する第2天板32とが折り畳まれ、手前側Fに引き出すことで展開されるので、例えば一枚の天板を持ち上げたり倒したりするような手間をかけずに宅配ボックス1を開閉することができる。
【0072】
本実施形態によれば、天板3を、第1天板31及び第2天板32の間に配置され、第1天板31及び第2天板32が回転可能となるように連結される連結板33を含んで構成した。第1天板31及び第2天板32が連結板33を介して開閉される。これにより、折り畳み状態の第1天板31の厚さ方向と第2天板32の厚さ方向を連結板33が覆うので、天板3の外観をすっきりさせることができる。連結板33により、第1天板31及び第2天板32を確実に連結して安定した動きを実現することができる。
【0073】
本実施形態によれば、第1天板31及び第2天板32の奥行方向に沿う短縁辺部312、322をそれぞれ覆うサイドキャップ35を含んで構成した。サイドキャップ35を、連結板33、第1天板31、及び収納部2の手前側Fの上部を接続する手前側サイドキャップ351と、連結板33、第2天板32、及び収納部2の奥側Rの上部を接続する奥側サイドキャップ352と、を含んで構成した。手前側サイドキャップ351が連結板33、第1天板31、上枠241を接続し、奥側サイドキャップ352が連結板33、第2天板32、背面部21の上部を接続することで、簡易な構成で天板3の折り畳みを可能にすることができる。同時に、サイドキャップ35で第1天板31及び第2天板32の奥行方向に沿う側面を覆うことにより、側面の外観を向上させることができる。
【0074】
本実施形態によれば、収納部2の手前側Fの上部に収納部の正面視における幅方向に沿って配置される上枠241と、天板3の裏面に手前側Fから奥行方向に延びるように配置され、上枠241及び連結板33を接続する補助アーム36と、を含んで構成した。補助アーム36が上枠241と連結板33とを連結することにより、第1天板31と連結板33が奥行方向に沿って移動するときに、奥行方向に対して斜めに位置がずれることを防止する。よって、天板3の開閉のスムーズな動きを補助する。
【0075】
本実施形態によれば、収納部2の奥側Rに配置される背面部21と、天板3の折り畳み状態で補助アーム36を挟むように手前側Fと奥側Rに対向して配置される磁石37をさらに含んで構成した。磁石37を、上枠241における補助アーム36が接続される接続部の上部に固定される手前側磁石371と、背面部21の上端側で手前側磁石371と対向する位置に固定される奥側磁石372と、を含んで構成した。補助アーム36が手前側磁石371及び奥側磁石372に挟まれるように配置されていることで、補助アーム36が奥行方向に延びた展開状態と上下方向に延びた折り畳み状態の間を移動する際、手前側磁石371及び奥側磁石372に引き寄せられ、斜めに位置がずれることを防止する。よって、より確実に天板3の開閉のスムーズな動きを補助することができる。
【0076】
本実施形態によれば、天板3を、第1天板31及び第2天板32それぞれの奥行方向に沿う短縁31b、32bの端部から、奥行方向に直交する幅方向に沿って形成される上方が開放された断面視コの字状の排水凹部313、323を含んで構成した。連結板33を、連結板33の奥行方向に沿う短縁331bの端部から排水凹部313、323の底面に向かって屈曲し、排水凹部313、323の一部を覆うように延びて形成される覆い部334を含んで構成し、宅配ボックス1を、排水凹部313、323と覆い部334が組み合わされた排水構造38を含んで構成した。連結板33の端部と、第1天板31、第2天板32の端部との間に排水構造38が形成されることで、雨天の際に宅配ボックス1の天板3に落ちた雨が排水される。これにより、天板3に水が溜まったり、収納部2の内部に染みたり侵入したりすることが防止される。
【0077】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。上記実施形態では、連結板33により第1天板31と第2天板32とを連結した。しかし、第1天板31と第2天板32とが回転可能に連結されれば、連結する構成や部材は問わない。
【0078】
上記実施形態では、錠部5は、電子錠である。しかし、手動にて操作する錠部であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 宅配ボックス、 2 収納部、 3 天板、 21 背面部、 31 第1天板、 32 第2天板、 33 連結板、 35 サイドキャップ、 36 補助アーム、 37 磁石、 38 排水構造、 241 上枠、 313 排水凹部、 323 排水凹部、 334 覆い部、 351 手前側サイドキャップ、352 奥側サイドキャップ、 371 手前側磁石、 372 奥側磁石