特開 2023-72240 ファン付ベスト

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023072240

(43)【公開日】2023-05-24

(54)【発明の名称】ファン付ベスト

(51)【国際特許分類】

   A41D 13/002 20060101AFI20230517BHJP

   A41D 13/005 20060101ALI20230517BHJP

【ＦＩ】

A41D13/002 105

A41D13/005 103

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021184655

(22)【出願日】2021-11-12

(71)【出願人】

【識別番号】597102978

【氏名又は名称】アタックベース株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100121728

【弁理士】

【氏名又は名称】井関 勝守

(74)【代理人】

【識別番号】100170900

【弁理士】

【氏名又は名称】大西 渉

(72)【発明者】

【氏名】山根 久典

【テーマコード（参考）】

3B011

【Ｆターム（参考）】

3B011AA01

3B011AB01

3B011AC02

3B011AC03

3B011AC17

(57)【要約】

【課題】着用者の脇回りに必要十分なエアを吹き出して冷却することが可能なファン付ベストを提供する。
【解決手段】ファン付ベスト１は、ファン３によりベスト本体２の内側に取り込んだエアを循環させて着用者Ｈの胴部Ｈ１を冷却させる。ベスト本体２の外側における袖ぐり部２ｂの下方には、エアガイド部１０が設けられる。エアガイド部１０の上端には、袖ぐり部２ｂ側に向かって開口するエア吹出口１０ｃと、ベスト本体２の内側に向かって開口するエア導入口１０ａと、エア導入口１０ａから導入された空気を上方に案内するエア通路１０ｂとを有する。エア導入口１０ａの上側縁部には、ベスト本体２の胴回りに沿って伸縮する伸縮部材８ｃが取り付けられる。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

着用者の腕回り及び腰回りにおいてそれぞれ密着可能に伸縮する袖ぐり部及び裾部を有するベスト本体と、該ベスト本体の後側領域における前記裾部側に取り付けられ、前記ベスト本体の内側にエアを取り込むとともに循環させて前記着用者の胴部を冷却するよう構成されたファンとを備えたファン付ベストであって、
前記ベスト本体外側における前記袖ぐり部の下方には、前記袖ぐり部側に向かって開口するエア吹出口を上端に有する一方、前記ベスト本体の内側に向かって開口するエア導入口を下端に有し、前記ファンにより前記ベスト本体の内側に取り込まれたエアを前記エア導入口から導入するとともにエア通路により上方に案内して前記エア吹出口から前記袖ぐり部側へと吹き出させるエアガイド部が設けられ、
前記エア導入口の上側縁部には、前記ベスト本体の胴回りに沿って伸縮する伸縮部材が取り付けられていることを特徴とするファン付ベスト。

【請求項2】

請求項１に記載のファン付ベストにおいて、
前記ベスト本体は、前記着用者の前側領域に対応する前身頃部と、前記着用者の後側領域に対応する後身頃部と、前記前身頃部及び前記後身頃部における互いに対応する各側縁部の中央上側寄りの領域を繋ぐとともに、上端縁部が前記袖ぐり部の一部領域を構成する左右一対の第１細腹部と、前記前身頃部及び前記後身頃部における互いに対応する各側縁部の中央下側寄りの領域を繋ぐとともに、上側領域が対応する前記第１細腹部の下側領域よりも外側に位置する左右一対の第２細腹部とを備え、
前記エア導入口は、前記前身頃部及びと前記後身頃部の互いに対応する各側縁部と前記第１細腹部の下端縁部とで囲われる領域で構成され、
前記エア通路は、互いに対応する前記第１及び第２細腹部の重合領域における間の空間で構成され、
前記エア吹出口は、前記第１細腹部の外面と前記第２細腹部の上端縁部とで囲われる領域で構成されていることを特徴とするファン付ベスト。

【請求項3】

請求項２に記載のファン付ベストにおいて、
前記第２細腹部の上端縁部は、前記ベスト本体の前側から後側に向かうにつれて、次第に上方に位置するように傾斜して延びていることを特徴とするファン付ベスト。

【請求項4】

請求項１から３のいずれか１つに記載のファン付ベストにおいて、
前記ファンは、前記エアガイド部の斜め下方に接近配置されていることを特徴とするファン付ベスト。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、例えば、作業時に着用するベストに関するものであり、より詳細には、ベストの本体部分の内側に電動ファンによりエアを取り込んで着用者の胴部を冷却するよう構成されたファン付ベストに関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、着用者が作業時等において着用するベストに着用者の胴部を冷却する電動ファンが取り付けられたものが一般的に知られている。例えば、特許文献１に開示されているファン付ベストは、着用者の上半身を覆うベスト本体と、該ベスト本体の後側に配置された左右一対のファンとを備え、該各ファンは、ベスト本体の内側にエアを取り込むとともに循環させて着用者の胴部を冷却するようになっている。ベスト本体外側における袖ぐりの下方には、電動ファンによりベスト本体の内側に取り込まれたエアを利用して着用者の脇回りを冷却するエアガイド部が設けられ、該エアガイド部は、袖ぐり部側に向かって開口するエア吹出口を上端に有する一方、ベスト本体の内側に向かって開口するエア導入口を下端に有し、ファンによりベスト本体の内側に取り込まれたエアをエア導入口から導入するとともにエア通路により上方に案内してエア吹出口から着用者の脇回りに吹き出すようになっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】実用新案登録第３２３３２２８号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、特許文献１の如きファン付ベストは、ファンによりベスト本体の内側に取り込まれたエアによってベスト本体が着用者の胴部から大きく離間した状態になるので、エアガイド部におけるエア導入口の開口周縁が着用者の胴部から離れた位置になってしまう。そうすると、着用者の胴部に倣って移動するエアがエア導入口を介してエアガイド部へと導かれ難くなってしまい、着用者の脇回りに対して所望するエア吹出量にならなくなることが考えられるが、このことについて特許文献１では何ら考慮されていない。

【0005】

本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、着用者の脇回りに必要十分なエアを吹き出して冷却することが可能なファン付ベストを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記の目的を達成するために、本発明は、エアガイド部のエア導入口周縁の一部領域を伸縮する構造にしたことを特徴とする。

【0007】

具体的には、着用者の腕回り及び腰回りにおいてそれぞれ密着可能に伸縮する袖ぐり部及び裾部を有するベスト本体と、該ベスト本体の後側領域における前記裾部側に取り付けられ、前記ベスト本体の内側にエアを取り込むとともに循環させて前記着用者の胴部を冷却するよう構成されたファンとを備えたファン付ベストを対象とし、次のような手段を講じた。

【0008】

すなわち、第１の発明では、前記ベスト本体外側における前記袖ぐり部の下方には、前記袖ぐり部側に向かって開口するエア吹出口を上端に有する一方、前記ベスト本体の内側に向かって開口するエア導入口を下端に有し、前記ファンにより前記ベスト本体の内側に取り込まれたエアを前記エア導入口から導入するとともにエア通路により上方に案内して前記エア吹出口から前記袖ぐり側へと吹き出させるエアガイド部が設けられ、前記エア導入口の上側縁部には、前記ベスト本体の胴回りに沿って伸縮する伸縮部材が取り付けられていることを特徴とする。

【0009】

第２の発明では、第１の発明において、前記ベスト本体は、前記着用者の前側領域に対応する前身頃部と、前記着用者の後側領域に対応する後身頃部と、前記前身頃部及び前記後身頃部における互いに対応する各側縁部の上側領域を繋ぐとともに、上端縁部が前記袖ぐり部の一部領域を構成する左右一対の第１細腹部と、前記前身頃部及び前記後身頃部における互いに対応する各側縁部の中央領域を繋ぐとともに、上側領域が対応する前記第１細腹部の下側領域よりも外側に位置する左右一対の第２細腹部とを備え、前記エア導入口は、前記前身頃部と前記後身頃部の互いに対応する各側縁部と前記第１細腹部の下端縁部とで囲われる領域で構成され、前記エア通路は、互いに対応する前記第１及び第２細腹部の重合領域における間の空間で構成され、前記エア吹出口は、前記第１細腹部の外面と前記第２細腹部の上端縁部とで囲われる領域で構成されていることを特徴とする。

【0010】

第３の発明では、第２の発明において、前記第２細腹部の上端縁部は、前記ベスト本体の前側から後側に向かうにつれて、次第に上方に位置するように傾斜して延びていることを特徴とする。

【0011】

第４の発明では、第１から第３のいずれか１つの発明において、前記ファンは、前記エアガイド部の斜め下方に接近配置されていることを特徴とする。

【発明の効果】

【0012】

第１の発明では、エア導入口の上側縁部が着用者の胴部に密着するか、或いは、接近するようになるので、ファンによりベスト本体と着用者の胴部との間に取り込まれて着用者の胴部に倣って上向きに移動するエアがスムーズにエア導入口を介してエアガイド部のエア通路に導かれるようになる。したがって、ベスト本体と着用者の胴部との間を循環する多くのエアがエアガイド部へと導かれるようになるので、所望するエア吹出量を着用者の脇回りに効率良く吹き出すことができる。

【0013】

第２の発明では、ベスト本体を構成する前身頃部と後身頃部とを繋ぐ細腹部分の形状及び生地の枚数を工夫することでエアガイド部が形成されるようになるので、見栄えが良く、しかも、低コストなベストにすることができる。

【0014】

第３の発明では、エア吹出口が前側の斜め上方を向く姿勢になるので、エア吹出口から吹き出されるエアが前側の斜め上方に吹き出すようになる。したがって、一般的にベストを着用した状態の着用者の腕は、前側斜め下方に延びる姿勢になるが、その脇の下を中心とした腕の付け根部分にエア吹出口から吹き出されたエアが吹き付けられるようになるので、ベストを着用した着用者の脇回りを効果的に冷却することができる。

【0015】

第４の発明では、ファンによりベスト本体と着用者の胴部との間に取り込まれるエアの多くが勢いそのままにエアガイド部へと導かれるようになるので、ベストを着用した着用者の脇回りをさらに効果的に冷却することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本発明の実施形態に係るファン付ベストを示す正面図である。

【図2】本発明の実施形態に係るファン付ベストを示す背面図である。

【図3】図１のIII矢視図である。

【図4】図３のIV－IV線における断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。

【0018】

図１および図２は、本発明の実施形態に係るファン付ベスト１を示す。該ファン付ベスト１は、例えば、工事現場等の作業者が作業時において着用するものであり、着用時において着用者Ｈの胴部Ｈ１を覆うベスト本体２と、該ベスト本体２に取り付けられ、バッテリ（図示せず）の出力により回転駆動する一対の電動式ファン３とを備え、該両ファン３によりベスト本体２の内側にエアを取り込むとともに循環させて着用者Ｈの胴部Ｈ１を冷却するようになっている。

【0019】

ベスト本体２は、着用者Ｈにおける胴部Ｈ１の前側領域に対応する前身頃部４と、着用者Ｈにおける胴部Ｈ１の後側領域に対応する後身頃部５と、着用者Ｈにおける胴部Ｈ１の側方領域に対応する左右一対の細腹部６と、着用者Ｈの頭部Ｈ２に対応するフード部７とで構成されている。

【0020】

前身頃部４及び後身頃部５は、互いに対応する上側端縁４ａ，５ａの中央領域を除く部分が縫製により繋がれており、フード部７は、前身頃部４及び後身頃部５における上側中央領域に縫製により繋がれている。

【0021】

また、前身頃部４及び後身頃部５は、互いに対応する各側縁部４ｂ，５ｂの下側領域が縫製により繋がれており、前身頃部４及び後身頃部５の両下端縁部がベスト本体２の裾部２ａになっている。

【0022】

該裾部２ａの内部には、図示しないゴム部材等が配設されていて、裾部２ａは、着用者Ｈの腰回りに密着可能に伸縮するようになっている。

【0023】

後身頃部５における裾部２ａ側には、ベスト本体２の内部に連通する円形状の連通孔５ｃが水平方向に所定の間隔をあけて一対形成され、各連通孔５ｃには、ファン３がそれぞれ取り付けられている。

【0024】

細腹部６は、図３に示すように、前身頃部４及び後身頃部５における互いに対応する各側縁部４ｂ，５ｂの中央領域に対してそれぞれ縫製により繋がれており、各側縁部４ｂ，５ｂの中央上側寄りの領域を連結する第１細腹部８と、各側縁部４ｂ，５ｂの中央下側寄りの領域を連結する第２細腹部９とで構成されている。

【0025】

第１細腹部８の上端縁部８ａは、上方に開放する略Ｕ字形状をなしており、前身頃部４及び後身頃部５における互いに対応する各側縁部４ｂ，５ｂの上側領域と共に袖ぐり部２ｂを形成している。

【0026】

すなわち、第１細腹部８の上端縁部８ａは、袖ぐり部２ｂの一部領域を構成しており、該袖ぐり部２ｂは、その内部に配設された図示しないゴム部材等により、着用者Ｈの腕回りに密着可能に伸縮するようになっている。

【0027】

一方、第１細腹部８の下端縁部８ｂは、ベスト本体２の前側から後側に向かって略水平に延びている。そして、第１細腹部８の下端縁部８ｂには、当該下端縁部８ｂの延長方向に沿って伸縮するゴム材等からなる伸縮部材８ｃが取り付けられている。

【0028】

すなわち、伸縮部材８ｃは、ベスト本体２の胴回りに沿って伸縮するようになっている。

【0029】

そして、前身頃部４及び後身頃部５の互いに対応する各側縁部４ｂ，５ｂと第１細腹部８の下端縁部８ｂとで囲われる部分には、ベスト本体２の内部に連通する略三角形状をなす開口部分が形成され、当該開口領域が本発明のエア導入口１０ａを構成している。

【0030】

すなわち、第１細腹部８の下端縁部８ｂは、エア導入口１０ａの上側縁部になっている。

【0031】

第２細腹部９は、ベスト本体２を側方から見て略三角形状をなす布地で構成されている。第２細腹部９の上側領域は、対応する第１細腹部８の下側領域よりも外側の位置で重なっていて、第１細腹部８及び第２細腹部９の重合領域における間の空間は、エア導入口１０ａに繋がる本発明のエア通路１０ｂを構成している。

【0032】

第２細腹部９の上端縁部９ａは、ベスト本体２の前側から後側に向かうにつれて、次第に上方に位置するように傾斜して延びている。

【0033】

第１細腹部８の外面と当該第１細腹部８に対応する第２細腹部９の上端縁部９ａとで囲われる部分には、エア通路１０ｂに繋がる開口部分が形成され、当該開口領域が、本発明のエア吹出口１０ｃを構成している。

【0034】

エア導入口１０ａ、エア通路１０ｂ及びエア吹出口１０ｃは、本発明のエアガイド部１０を構成している。すなわち、図４に示すように、ベスト本体２の外側における袖ぐり部２ｂの下方には、袖ぐり部２ｂに向かって開口するエア吹出口１０ｃを上端に有する一方、ベスト本体２の内側に向かって開口するエア導入口１０ａを下端に有するエアガイド部１０が設けられている。そして、各ファン３が各エアガイド部１０の斜め下方にそれぞれ位置していて、該エアガイド部１０は、ファン３によりベスト本体２の内側に取り込まれたエアをエア導入口１０ａから導入するとともに、エア通路１０ｂにより上方に案内してエア吹出口１０ｃから袖ぐり部２ｂ側へと吹き出させるようになっている。尚、図４では、便宜上、第１細腹部８及び第２細腹部９の厚みを実際よりも厚く記載している。

【0035】

次に、本発明の実施形態のファン付ベスト１におけるベスト本体２内部のエア流れについて詳述する。

【0036】

ベスト本体２に取り付けられた２つのファン３を駆動させると、当該各ファン３によってベスト本体２の外側から内側に向けて取り込まれたエアがベスト本体２と着用者Ｈの胴部Ｈ１との間を循環して当該胴部Ｈ１を冷却する。このとき、図４に示すように、ベスト本体２の後側領域における裾部２ａ側と着用者Ｈの胴部Ｈ１との間に取り込まれて当該着用者Ｈの胴部Ｈ１に倣って上向きに移動する多くのエアは、第１細腹部８の下端縁部８ｂが伸縮部材８ｃにより着用者Ｈの胴部Ｈ１に密着するか、或いは、接近するようになるので、その多くが矢印Ｘ１のようにエア導入口１０ａを介してエア通路１０ｂに案内されるとともに当該エア通路１０ｂを上方に流れてエア吹出口１０ｃから着用者Ｈの脇回りへと吹き出される。

【0037】

このように、本発明の実施形態によると、第１細腹部８の下端縁部８ｂがベスト本体２の胴回りに伸縮するようになっているので、着用者Ｈの胴部Ｈ１に密着するか、或いは、接近するようになる。そうすると、各ファン３によりベスト本体２と着用者Ｈの胴部Ｈ１との間に取り込まれて着用者Ｈの胴部Ｈ１に倣って上向きに移動するエアがスムーズにエア導入口１０ａを介してエアガイド部１０のエア通路１０ｂに導かれるようになる。したがって、ベスト本体２と着用者Ｈの胴部Ｈ１との間を循環する多くのエアがエアガイド部１０へと導かれるようになるので、所望するエア吹出量を着用者Ｈの脇回りに効率良く吹き出すことができる。

【0038】

また、本発明の実施形態では、ベスト本体２を構成する前身頃部４と後身頃部５とを繋ぐ細腹部６の形状及び生地の枚数を工夫することでエアガイド部１０が形成されているので、見栄えが良く、しかも、低コストなファン付ベスト１にすることができる。

【0039】

また、第２細腹部９の上端縁部９ａは、ベスト本体２の前側から後側に向かうにつれて、次第に上方に位置するように傾斜して延びているので、エア吹出口１０ｃが前側の斜め上方を向く姿勢になり、エア吹出口１０ｃから吹き出されるエアが前側の斜め上方に吹き出すようになる。したがって、一般的にファン付ベスト１を着用した状態の着用者Ｈの腕は、前側斜め下方に延びる姿勢になるが、その脇の下を中心とした腕の付け根部分にエアが吹き付けられるようになるので、ファン付ベスト１を着用した着用者Ｈの脇回りを効果的に冷却することができる。

【0040】

また、ファン３がエアガイド部１０の斜め下方に接近配置されているので、ファン３によりベスト本体２と着用者Ｈの胴部Ｈ１との間に取り込まれるエアの多くが勢いそのままにエアガイド部１０へと導かれるようになり、ベスト１を着用した着用者Ｈの脇回りをさらに効果的に冷却することができる。

【0041】

尚、本発明の実施形態では、伸縮部材８ｃをゴム材等で形成しているが、この素材に限らず、例えば、樹脂製の伸縮する部材を用いて形成してもよい。

【0042】

また、本発明の実施形態では、第１細腹部８の下端縁部８ｂがベスト本体２の前側から後側に向かって略水平に延びる形状をなしているが、これに限らず、例えば、ベスト本体２の前側から後側に向かうにつれて次第に下方に位置するように傾斜して延びる形状であってもよい。そうすると、第１細腹部８の前側領域よりも後側領域の方が下方に位置する形状になり、ベスト本体２の後側領域における裾部２ａ側から取り込まれたエアを順次エアガイド部１０のエア通路１０ｂへとスムーズに導けるようになる。一方、第１細腹部８を形作る際に使用する布地の量が後側領域よりも前側領域の方が少なくて済むようになるので、エア通路１０ｂを通過するエアの量を安定させるために無駄に布地の量を増やす必要がない。このように、エア通路１０ｂを通過するエアの量を安定させながら歩留まりをよくしてコストの低減を図ることができる。

【0043】

さらに、本発明の実施形態では、第２細腹部９の上端縁部９ａがベスト本体２の前側から後側に向かうにつれて次第に上方に位置するように傾斜して延びる形状をなしているが、これに限らず、例えば、水平方向に延びる形状であってもよい。

【産業上の利用可能性】

【0044】

本発明は、例えば、作業時に着用するベストに適しており、より詳細には、ベストの本体部分の内側に電動ファンによりエアを取り込んで着用者の胴部を冷却するよう構成されたファン付ベストに適している。

【符号の説明】

【0045】

１ ファン付ベスト
２ ベスト本体
２ａ 裾部
２ｂ 袖ぐり部
３ ファン
４ 前身頃部
４ｂ 前身頃部の側縁部
５ 後身頃部
５ｂ 後身頃部の側縁部
８ 第１細腹部
８ｂ 第１細腹部の下端縁部
８ｃ 伸縮部材
９ 第２細腹部
９ａ 第２細腹部の上端縁部
１０ エアガイド部
１０ａ エア導入口
１０ｂ エア通路
１０ｃ エア吹出口
Ｈ 着用者
Ｈ１ 胴部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】