(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072698
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20230517BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20230517BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20230517BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
B60K35/00 A
G08B23/00 510E
G08B21/00 U
G08B21/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023015
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2021120835の分割
【原出願日】2013-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002332
【氏名又は名称】弁理士法人綾船国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 立弥
(57)【要約】
【課題】
速報情報を取得した際に、利用者に対して、当該速報情報を簡潔化した表示で確実に報知する。
【解決手段】
ニュース速報取得部191が、「ニュース速報」の文字情報を取得し制御部199へ送る。また、緊急警報取得部192が、「緊急警報」の字幕情報を取得し制御部199へ送る。制御部199は、これらの速報情報を受けると当該情報から文字列を抽出する。次に、制御部199は、抽出された文字列に『津波』、『地震』等のキーワードが含まれているか否かの判定、重複文字列の取捨等の選定処理を行った後、選定された文字列が所定数以下であるか否かを判定する。そして、文字列に『津波』、『地震』等が含まれ、所定数判定の結果が否定的であった場合には、制御部199は、『津波』、『地震』等の現象文字列をアイコン表示するとともに、第2表示ユニット175に表示する文字数を所定数以内にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から速報情報を取得する速報情報取得部と;
前記速報情報取得部が取得した速報情報に基づいて、所定の文字列を抽出する抽出部と;
前記速報情報取得部が取得した前記速報情報の内容を第1表示部に表示させるとともに、前記抽出部によって抽出された前記所定の文字列に基づく情報を前記第1表示部とは異なる第2表示部に表示させる表示制御部と;
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、及び、当該表示制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、現在発生している現象又は発生が予測される現象等の速報性を要する情報(以下、「速報情報」とも記す)を外部から取得し、当該取得された速報情報を表示装置に表示することが行われている。かかる速報情報を表示装置に表示する技術の一つとして、車両に搭載された表示装置に、外部から取得した速報情報を表示するものがある(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。
【0003】
この従来例の技術では、車両内に、ダッシュボードに配置されるナビゲーション装置用ディスプレイ、運転席の前方などに配置されるメータ部ディスプレイ、フロントガラスの運転席前方の一部に虚像を映し出すヘッドアップディスプレイ及びフロントガラスの大部分に情報の表示が可能なウインドシールドディスプレイの4つのディスプレイ(表示装置)を備えている。そして、運転者の視線を検出する視線検出用カメラによる撮影結果に基づいて、4つのディスプレイのうちで、運転者の視線方向に最も近いディスプレイを選択し、当該選択されたディスプレイに、取得した速報情報を表示させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、取得された速報情報を、編集等を行うことなく、そのまま選択されたディスプレイに表示している。ここで、車両に配置されるナビゲーション装置用ディスプレイやメータ部ディスプレイは、車室内の広さ、当該ディスプレイの設置位置等の制約により、一般的には家庭用のディスプレイのような大きいサイズのディスプレイとすることはできない。この結果、ナビゲーション装置用ディスプレイやメータ部ディスプレイについては、文字等から成る重要な速報情報を、報知可能な適切な大きさで表示する際には、表示可能な文字数に限界がある。
【0006】
一方、ヘッドアップディスプレイやウインドシールドディスプレイついては、多くの文字等から成る速報情報を、報知可能な適切な大きさで表示することは可能である。しかしながら、多くの文字を一度に表示すると、当該速報情報の表示領域が広くなり利用者の前方視界を遮るおそれがある。こうした事態は、安全運転の観点から好ましくない。
【0007】
したがって、従来例の技術では、取得された速報情報を、利用者(運転者)に対して、確実に報知することができるとは言い難かった。また、従来例の技術では、取得された速報情報について、運転者の前方視界の確保を考慮した表示を行っていなかった。
【0008】
このため、速報情報を取得した際に、利用者に対して、当該速報情報を簡潔化した表示で確実に報知することができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、外部から速報情報を取得する速報情報取得部と;前記速報情報取得部が取得した速報情報に基づいて、所定の文字列を抽出する抽出部と;前記速報情報取得部が取得した前記速報情報の内容を第1表示部に表示させるとともに、前記抽出部によって抽出された前記所定の文字列に基づく情報を前記第1表示部とは異なる第2表示部に表示させる表示制御部と;を備えることを特徴とする表示制御装置である。
【0010】
請求項10に記載の発明は、速報情報の表示を行う表示制御装置において使用される表示制御方法であって、外部から前記速報情報を取得する取得工程と;前記取得工程において取得した速報情報に基づいて、所定の文字列を抽出する抽出工程と;前記取得工程において取得した前記速報情報の内容を第1表示部に表示させるとともに、前記抽出工程において抽出された前記所定の文字列に基づく情報を前記第1表示部とは異なる第2表示部に表示させる表示制御工程と;を備えることを特徴とする表示制御方法である。
【0011】
請求項11に記載の発明は、速報情報の表示を行う表示制御装置が有するコンピュータに、請求項10に記載の表示制御方法を実行させる、ことを特徴とする表示制御プログラムである。
【0012】
請求項12に記載の発明は、速報情報の表示を行う表示制御装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項11に記載の表示制御プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1の再生処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の装置による表示制御処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図4の速報情報の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図4の第2種速報情報に対する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図1の装置による速報情報の送信処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その1)を説明するための図である。
【
図9】ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その2)を説明するための図である。
【
図10】ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その3)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~
図10を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
[構成]
図1には、一実施形態に係る表示制御装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。本実施形態では、表示制御装置100は、移動体である車両内に配置され、地上デジタルテレビジョン放送波を受信して処理する。この車両には、位置検出ユニット210が装備され、表示制御装置100に接続されている。また、表示制御装置100は、他車両に配置された無線送信装置や携帯電話装置等の外部機器と通信可能となっている。
【0016】
上記の位置検出ユニット210は、GPS(Global Positioning System)受信機等を備え、複数のGPS衛星から送られる電波の受信結果に基づいて、車両の位置(現在位置)を逐次検出する。そして、位置検出ユニット210は、検出された車両の位置情報を表示制御装置100へ送る。
【0017】
<表示制御装置100の構成>
次に、上記の表示制御装置100の構成について、説明する。
【0018】
表示制御装置100は、
図1に示されるように、アンテナ110と、RF処理ユニット120と、再生処理ユニット130と、アンテナ140と、無線通信ユニット145とを備えている。また、表示制御装置100は、入力ユニット150と、音出力ユニット160と、第1表示ユニット170と、第2表示ユニット175とを備えている。さらに、表示制御装置100は、位置情報取得ユニット180と、制御ユニット190とを備えている。
【0019】
上記のアンテナ110は、放送局から送信されている地上デジタルテレビジョン放送波を受信する。アンテナ110による受信信号RFSは、RF処理ユニット120へ送られる。
【0020】
上記のRF処理ユニット120は、アンテナ110から送られた受信信号RFSを受ける。そして、RF処理ユニット120は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選局すべき希望放送局の信号を受信信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFDに変換する。こうして得られた中間周波信号(以下、単に「信号IFD」)は、再生処理ユニット130へ送られる。ここで、信号IFDは、デジタル信号となっている。
【0021】
上記の再生処理ユニット130は、制御ユニット190による制御のもとで、RF処理ユニット120から送られる信号IFDを処理して、制御ユニット190へ送る映像データIDT及び音出力ユニット160へ供給する音声データADTを生成する。再生処理ユニット130の構成の詳細については、後述する。
【0022】
上記のアンテナ140は、他車両に配置された無線送信装置や携帯電話装置等の外部機器から送信された無線信号を受信するとともに、外部機器へ向けて無線信号を送信する。アンテナ140による受信信号は、無線通信ユニット145へ向けて出力される。また、アンテナ140は、無線通信ユニット145から送られた送信信号を受けて、当該送信信号に対応する無線信号を、外部機器へ向けて送信する。
【0023】
上記の無線通信ユニット145は、アンテナ140から送られた受信信号を処理して、制御ユニット190で処理可能なデジタルデータ信号に変換し、制御ユニット190へ送る。また、無線通信ユニット145は、制御ユニット190から送られた信号を処理して、外部機器へ送信する無線信号に対応する送信信号に変換し、アンテナ140へ送る。
【0024】
上記の入力ユニット150は、表示制御装置100の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、第1表示ユニット170の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0025】
この入力ユニット150を利用者が操作することにより、表示制御装置100の動作内容の設定や動作指令の入力が行われる。例えば、放送局を指定した選局指定、第2表示ユニット175に表示される速報情報の表示指定等の利用者による入力が、入力ユニット150を利用して行われる。入力ユニット150への入力内容は、入力データIPDとして、制御ユニット190へ送られる。
【0026】
上記の音出力ユニット160は、(i)再生処理ユニット130から送られた音声データADTをアナログ信号に変換するDA(Digital to Analogue)変換器と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器と、(iii)増幅されたアナログ信号を音声に変換するスピーカとを備えて構成されている。この音出力ユニット160は、選局されているチャンネルの放送波に対応する放送音声を再生出力する。
【0027】
上記の第1表示ユニット170は、例えば、(i)液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイスと、(ii)制御ユニット190から送られた第1出力映像データIMT1に基づいて、当該表示デバイスに画像を表示させる表示制御回路とを備えている。この第1表示ユニット170は、選局されているチャンネルに対応する放送映像を再生表示する。本実施形態では、第1表示ユニット170の表示デバイスは、車両内のフロントパネル付近に装着される。第1表示ユニット170は、第1表示部の機能を果たすようになっている。
【0028】
上記の第2表示ユニット175は、ヘッドアップディスプレイ装置であり、(i)車両内の天井に配置され、制御ユニット190から送られた第2出力映像データIMT2に基づき画像を構成する光を射出する光源部と、(ii)サンバイザの位置近傍に配置され、光源部から射出される表示像が投影されるとともに、表示像を運転者のアイポイントへ反射するコンバイナとを備えている。本実施形態では、この第2表示ユニット175は、「緊急警報」、「ニュース速報」等の速報情報を表示する。第2表示ユニット175は、第2表示部の機能を果たすようになっている。
【0029】
なお、以下の説明では、「緊急警報」及び「ニュース速報」を総称して、「速報情報」とも記す。また、第2表示ユニット175については、「ヘッドアップディスプレイ装置175」とも記すこととする。
【0030】
上記の位置取得ユニット180は、位置検出ユニット210から送られた車両の位置情報を受ける。そして、位置取得ユニット180は、取得した車両の位置情報PSIを、制御ユニット190へ送る。本実施形態では、位置取得ユニット180は、位置取得部の機能を果たすようになっている。
【0031】
上記の制御ユニット190は、様々な処理を行うとともに、表示制御装置100の全体の動作を制御する。この制御ユニット190は、演算手段としての中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット190が様々なプログラムを実行することにより、表示制御装置100としての各種機能が実現されるようになっている。制御ユニット190の構成の詳細については、後述する。
【0032】
なお、制御ユニット190が実行するプログラムは、ハードディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD-ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【0033】
《再生処理ユニット130の構成》
次に、再生処理ユニット130の構成について説明する。
【0034】
再生処理ユニット130は、
図2に示されるように、復調部131と、復号部(デマルチプレックス部)132と、音声処理部133と、映像処理部134とを備えている。
【0035】
上記の復調部131は、RF処理ユニット120から送られた信号IFDを受ける。そして、復調部131は、信号IFDに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)復調を施す。こうして復調された信号は、信号DMDとして、復号部132及び制御ユニット190へ送られる。
【0036】
上記の復号部132は、復調部131から送られた信号DMDを受ける。そして、復号部132は、信号DMDの復号処理を行い、音声に関する復号結果を、復号音声データDADとして音声処理部133へ送る。また、復号部132は、映像に関する復号結果を、復号映像データDIDとして映像処理部134へ送る。
【0037】
上記の音声処理部133は、復号音声データDADに基づいて音声データADTを生成する。生成された音声データADTは、音出力ユニット160へ送られる。
【0038】
上記の映像処理部134は、復号映像データDIDに基づいて映像データIDTを生成する。生成された映像データIDTは、制御ユニット190へ送られる。
【0039】
《制御ユニット190の構成》
次いで、制御ユニット190の構成について説明する。
【0040】
制御ユニット190は、
図3に示されるように、ニュース速報取得部191と、緊急警報取得部192と、外部速報情報取得部193とを備えている。また、制御ユニット190は、記憶部195と、制御部199とを備えている。
【0041】
上記のニュース速報取得部191は、映像処理部134から送られる映像データIDTを受ける。引き続き、ニュース速報取得部191は、映像データIDTを解析して、当該映像データIDTに「ニュース速報」の映像が含まれているか否かを判定する。そして、ニュース速報取得部191は、映像データIDTに「ニュース速報」の映像が含まれている場合には、当該「ニュース速報」における文字情報を取得する。こうして取得された「ニュース速報」における文字情報は、制御部199へ送られる。
【0042】
上記の緊急警報取得部192は、復調部131から送られる信号DMDを受ける。引き続き、緊急警報取得部192は、信号DMDからTMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)情報を取得し、緊急警報信号が検出されたか否かを判定する。そして、緊急警報取得部192は、緊急警報信号が検出されると、信号DMDをデコードし、「緊急警報」における字幕情報や文字情報(以下、単に「字幕情報」とも記す)を取得する。こうして取得された「緊急警報」における字幕情報は、制御部199へ送られる。
【0043】
なお、以下の説明では、「ニュース速報」の文字情報及び「緊急警報」の字幕情報を総称して、「第1種速報情報」とも記すこととする。
【0044】
上記の外部速報情報取得部193は、外部機器から送信された速報情報(以下、「外部速報情報」又は「第2種速報情報」とも記す)を、アンテナ140及び無線通信ユニット180を介して取得する。そして、外部速報情報取得部193は、取得された外部速報情報を制御部199へ送る。
【0045】
上記の記憶部195は、不揮発性の記憶素子を備えて構成されている。記憶部195には、制御ユニット190で利用される様々な情報データが記憶される。記憶部195に記憶される情報データには、
図3に示されるように、キーワード情報KWIと、アイコン情報ICIとが含まれている。
【0046】
上記のキーワード情報KWIには、『津波』、『火山噴火』、『地震』、『国民保護』等の現象に関するキーワード、『警報』、『注意報』、『予報』等の警戒レベルに関するキーワード、『北海道』、『北部』等の地域情報に関するキーワード等が、予め記憶されている。上記のアイコン情報ICIには、現象キーワードを絵柄で表したアイコン(図形)データが、予め記憶されている。例えば、キーワード『津波』については、「大波」を絵柄で表したアイコンデータが記憶されている(後述する
図9(B)参照)。また、キーワード『地震』については、「ナマズ」を絵柄で表したアイコンデータが記憶されている(後述する
図8(B)参照)。
【0047】
上記の制御部199は、入力ユニット150から送られた入力データIPDの内容が選局指定であった場合には、指定された希望放送局に対応する選局指令CSLを生成して、RF処理ユニット120へ送る。
【0048】
制御部199は、映像処理部134から送られた映像データIDTを受ける。また、制御部199は、緊急警報取得部192から送られる「緊急警報」の字幕情報を受ける。そして、制御部199は、緊急警報が検出されない場合には、映像データIDTを、第1出力映像データIMT1として第1表示ユニット170へ送る。また、制御部199は、緊急警報が検出されている場合には、映像データIDTに「緊急警報」の字幕情報を重畳した映像データを生成し、第1出力映像データIMT1として第1表示ユニット170へ送る。
【0049】
また、制御部199は、緊急警報取得部192から送られる「緊急警報」の字幕情報を受けると、記憶部195内のキーワード情報KWIを参照して、当該字幕情報中に速報キーワードと同一の文字列が存在するか否かを判定する。そして、制御部199は、字幕情報中に速報キーワードと同一の文字列が存在する場合には、当該文字列を抽出する。
【0050】
また、制御部199は、ニュース速報取得部191から送られる「ニュース速報」の文字情報を受けると、記憶部195内のキーワード情報KWIを参照して、当該文字情報中に速報キーワードと同一の文字列が存在するか否かを判定する。そして、制御部199は、当該判定の結果が肯定的である場合には、速報キーワードと同一の文字列を抽出する。
【0051】
また、制御部199は、外部速報情報取得部193から送られる外部速報情報を受けると、記憶部195内のキーワード情報KWIを参照して、当該外部速報情報中に速報キーワードと同一の文字列が存在するか否かを判定する。そして、制御部199は、当該判定の結果が肯定的である場合には、速報キーワードと同一の文字列を抽出する。
【0052】
また、制御部199は、位置取得ユニット180から送られる車両の位置情報PSIを受ける。そして、制御部199は、抽出された所定の文字列、地域情報、及び、取得された車両の位置情報PSIに基づいて、記憶部195内のアイコン情報ICIを参照しつつ、第2表示ユニット175に表示すべき第2出力映像データIMT2を生成する。こうして生成された第2出力映像データIMT2は、第2表示ユニット175へ送られる。
【0053】
また、制御部199は、第1種速報情報又は第2種速報情報を取得すると、速報情報の取得報告を生成する。そして、制御部199は、当該速報情報の取得報告を、無線通信ユニット145及びアンテナ140を介して、近距離無線通信を利用して外部機器へ送信する。なお、制御部199は、その時点で近距離無線通信が可能な外部機器を把握するため、取得報告の通信を定期的に行うようになっている。
【0054】
制御部199が実行する第2表示ユニット175に対する表示制御処理、及び、速報情報の取得報告の送信の詳細については、後述する。
【0055】
ここで、制御部199は、抽出部及び表示制御部の機能を果たすようになっている。
【0056】
[動作]
以上のようにして構成された表示制御装置100の動作について、制御ユニット190による第2表示ユニット175への「速報情報」の表示制御処理に主に着目して説明する。
【0057】
本実施形態では、放送局から送信される放送コンテンツの視聴用再生の有無に関わらず、「速報情報」の表示制御処理が実行されるようになっている。
【0058】
すなわち、本実施形態では、放送コンテンツの視聴用再生の有無に関わらず、制御部199が、利用者が直近に指定した選局指定に対応する選局指令CSLを生成し、RF処理ユニット120へ送っている。RF処理ユニット120は、当該選局指令CSLを受けると、希望放送局の信号を受信信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する信号IFDに変換する。そして、RF処理ユニット120は、当該信号IFDを、再生処理ユニット130へ送る(
図1参照)。
【0059】
再生処理ユニット130では、復調部131が、RF処理ユニット120から送られた信号IFDの復調処理を行い、信号DMDを生成する。そして、復調部131は、生成された信号DMDを復号部132及び制御ユニット190の緊急警報取得部192へ送る。信号DMDを受けた緊急警報取得部192は、緊急警報信号が検出されると、信号DMDをデコードして「緊急警報」の字幕情報を取得し、制御部199へ送るようになっている(
図3参照)。
【0060】
また、再生処理ユニット130では、復号部132が、復調部131から送られた信号DMDの復号処理を行い、復号音声データDADを生成して音声処理部133へ送るとともに、復号映像データDIDを生成して映像処理部134へ送る(
図2参照)。引き続き、映像処理部134は、復号部132から送られた復号映像データDIDを処理して、映像データIDTを生成する。そして、映像処理部134は、生成された映像データIDTを制御ユニット190のニュース速報取得部191及び制御部199へ送る。映像データIDTを受けたニュース速報取得部191は、映像データIDTに「ニュース速報」の映像が含まれているときには、「ニュース速報」の文字情報を取得し、制御部199へ送るようになっている(
図3参照)。
【0061】
また、本実施形態では、制御部199は、第2種速報情報の取得要請を、無線通信ユニット145及びアンテナ140を介して、外部へ送信しているものとする。そして、近隣の外部機器から送信された第2種速報情報を受信したときには、アンテナ140及び無線通信ユニット145を介して、外部速報情報取得部193が当該第2種速報情報を取得し、制御部199へ送るようになっている(
図3参照)。
【0062】
また、位置検出ユニット210からは、検出された車両の現在位置が位置取得ユニット180へ逐次送られている。そして、制御部199は、位置取得ユニット180から送られた車両の位置情報PSIを、逐次、取得しているものとする。
【0063】
<表示制御処理>
このような状況のもとで、
図4に示されるように、まず、ステップS11において、制御部199が、「緊急警報」の字幕情報を取得したか否かを判定することにより、「緊急警報」があったか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、制御部199は、「緊急警報」の字幕情報から文字列を抽出する。そして、処理は後述するステップS13へ進む。
【0064】
一方、ステップS11における判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理はステップS12へ進む。ステップS12では、制御部199が、「ニュース速報」の文字情報を取得したか否かを判定することにより、「ニュース速報」があったか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、制御部199は、「ニュース速報」の文字情報から文字列を抽出する。そして、処理はステップS13へ進む。
【0065】
ステップS13では、「速報情報の表示処理」が行われる。かかるステップS13の処理の詳細については、後述する。
【0066】
ステップS13における処理が終了すると、処理はステップS14へ進む。ステップS14では、制御部199が、速報情報の取得報告を生成する。そして、制御部199は、速報情報の取得報告を、無線通信ユニット145及びアンテナ140を介して、近隣の外部へ送信する。この後、処理はステップS15へ進む。また、上述したステップS12における判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS15へ進む。
【0067】
ステップS15では、「第2種速報情報に対する処理」が行われる。かかるステップS15の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS15の処理が終了すると、処理はステップS11へ戻る。
【0068】
以後、ステップS11~S15の処理が繰り返されて、速報情報の表示制御処理が行われる。
【0069】
《速報情報の表示処理》
次に、上述したステップS13における「速報情報の表示処理」について説明する。
【0070】
この「速報情報の表示処理」は、
図5に示されるように、まず、ステップ21において、制御部199が、記憶部195内のキーワード情報KWIを参照して、キーワードと一致する文字列が存在するか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS21:Y)には、処理はステップS22へ進む。
【0071】
ステップS22では、抽出された文字列に、地域情報が含まれているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)には、処理は後述するステップS24へ進む。一方、ステップS22における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)には、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、制御部199が、抽出された地域情報について、車両の現在位置と位置関連性があるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。
【0072】
ステップS24では、制御部199が、抽出された文字列について、類似のフレーズの文字列の取捨選択、位置関連性のない地域情報の文字列の取捨等の文字選定を行う。例えば、『警報』と『注意報』とが同時に抽出された場合には、『警報』を選択して、『注意報』を用いないようにする。
【0073】
引き続き、ステップS25において、制御部199が、選定された文字列に利用者指定のキーワードが含まれているか否かを判定する。例えば、選定された文字列に『注意報』が含まれ、『警報』が含まれていない場合に、利用者指定のキーワードに『警報』が含まれ、『注意報』が含まれていない場合には、当該判定の結果は否定的となる。また、選定された文字列に『火山噴火』が含まれ、『津波』、『地震』が含まれていない場合に、利用者指定のキーワードに『津波』、『地震』が含まれ、『火山噴火』が含まれていない場合には、当該判定の結果は否定的となる。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS25:Y)には、処理はステップS26へ進む。
【0074】
ステップS26では、制御部199が、選定された文字数が、所定数以下であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS26:Y)には、処理はステップS27へ進む。このステップS27では、制御部199が、選定された文字列を視認確実な適切な大きさにした第2出力映像データIMT2を生成して、ヘッドアップディスプレイ装置175へ送る。この結果、速報情報が、ヘッドアップディスプレイ装置175に表示され、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した
図4のステップS14へ進む。なお、本実施形態では、選定された文字列は、点滅表示されるようになっている。
【0075】
ここで、文字の所定数は、ヘッドアップディスプレイ装置175における速報情報のための表示領域の大きさ、情報確認に適した文字の大きさ等を考慮して、利用者(運転者)に対して、速報情報の内容を確実に報知するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0076】
一方、ステップS26における判定の結果が否定的であった場合(ステップS26:N)には、処理はステップS28へ進む。このステップS28では、制御部199が、記憶部195内のアイコン情報ICIを参照して、選定された文字列の一部をアイコン表示にして、表示する文字数を所定数以内にする。そして、制御部199は、アイコン及び所定数以内の文字列を含む第2出力映像データIMT2を生成して、ヘッドアップディスプレイ装置175へ送る。この結果、速報情報が、ヘッドアップディスプレイ装置175に表示され、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した
図4のステップS14へ進む。
【0077】
一方、上述したステップS21における判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS29へ進む。また、上述したステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)にも、処理はステップS29へ進む。さらに、上述したステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)にも、処理はステップS29へ進む。
【0078】
ステップS29では、制御部199が、速報情報を取得した旨のアイコンを映像にした第2出力映像データIMT2を生成して、ヘッドアップディスプレイ装置175へ送る。この結果、速報情報を取得した旨のアイコンがヘッドアップディスプレイ装置175に表示され(後述する
図10参照)、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した
図4のステップS14へ進む。
【0079】
《第2種速報情報に対する処理》
次いで、上述したステップS15における「第2種速報情報に対する処理」について説明する。
【0080】
この「第2種速報情報に対する処理」は、
図6に示されるように、まず、ステップ31において、制御部199が、近隣の外部機器から近距離無線通信で送信される第2種速報情報を取得したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)には、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は
図4のステップS11へ戻る。
【0081】
一方、ステップS31における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS31:Y)には、処理はステップS32へ進む。ステップS32では、制御部199が、第1種速報情報を、現時点において取得しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS32:N)には、処理は後述するステップS34へ進む。
【0082】
ステップS32における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS32:Y)には、処理はステップS33へ進む。このステップS33では、制御部199が、第1種速報情報の内容と第2種速報情報の内容とが同一であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS33:Y)には、処理はステップS15の処理が終了する。そして、処理は
図4のステップS11へ戻る。一方、ステップS33における判定の結果が否定的であった場合(ステップS33:N)には、処理はステップS34へ進む。
【0083】
ステップS34では、制御部199が、上述した
図5におけるステップS13の同様の処理を行って、速報情報をヘッドアップディスプレイ装置175に表示させる。なお、本実施形態では、ステップS33における判定の結果が否定的であった場合、すなわち、第1種速報情報の内容と第2種速報情報の内容とが異なっているときには、第2種速報情報の内容を表示するようになっている。この後、処理はステップS35へ進む。
【0084】
ステップS35では、制御部199が、第2種速報情報の取得報告を生成する。そして、制御部199は、第2種速報情報の取得報告を、無線通信ユニット145及びアンテナ140を介して、先に第2種速報情報を送信した外部機器以外の近隣の外部機器へ向けて、近距離無線通信で送信する。こうして第2種速報情報の取得報告を外部機器へ送信すると、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は
図4のステップS11へ戻る。
【0085】
<速報情報の送信処理>
次に、表示制御装置100による速報情報の送信処理について説明する。
【0086】
速報情報の送信処理に際しては、
図7に示されるように、まず、ステップS41において、制御部199が、第1種又は第2種速報情報の取得報告を、外部機器へ向けて送信しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、ステップS41の処理が繰り返される。
【0087】
一方、ステップS41における判定の結果が肯定的になった場合(ステップS41:Y)には、処理はステップS42へ進む。ステップS42では、制御部199が、他車両に配置された無線送信装置等の外機機器から、速報情報の取得要請を、アンテナ140及び無線通信ユニット145を介して受信したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS42:N)には、処理はステップS43へ進む。
【0088】
ステップS43では、制御部199が、現在取得している速報情報を、無線通信ユニット145及びアンテナ140を介して、要求先の装置へ送信する。この後、処理はステップS41へ戻る。
【0089】
以後、ステップS41~S43の処理が繰り返されて、速報情報の送信処理が行われる。
【0090】
<ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その1)>
図8(A)には、緊急警報があったときの第1表示ユニット170に表示される映像例が示されている。このとき、表示制御装置100が配置された車両の現在位置は、「埼玉県」とする。また、利用者指定のキーワードに、『地震』が含まれているものとする。
【0091】
このとき、ステップS11において、制御部199は、キーワード情報KWIを参照して、緊急警報の字幕情報から、例えば、「緊急」、「地震」、「速報」、「緊急」「地震」、「速報」、「千葉県」、「地震」、「警戒」、「千葉」、「茨城」、「栃木」、「群馬」、「埼玉」、「東京」、「神奈川」、「静岡」を抽出する。そして、ステップS23において、制御部199は、地域情報について、車両の現在位置と位置関連性があると判定する。
【0092】
引き続き、ステップS24において、抽出された文字列の選定処理が行われ、例えば、「緊急」、「地震」、「速報」、「警戒」、「埼玉」が選定される。そして、文字の所定数が8文字のときには、ステップS28において、現象キーワードである「地震」がアイコン表示され、表示対象の文字列として「緊急」、「速報」、「警戒」、「埼玉」が選定される。この結果、ヘッドアップディスプレイ装置175には、
図8(B)に示される速報情報が表示される。
【0093】
<ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その2)>
図9(A)には、ニュース速報があったときの第1表示ユニット170に表示される映像例が示されている。このとき、表示制御装置100が配置された車両の現在位置は、「北海道東部」とする。また、利用者指定のキーワードに、『津波』が含まれているものとする。
【0094】
このとき、ステップS11において、制御部199は、キーワード情報KWIを参照して、ニュース速報の文字情報から、例えば、「津波」、「警報」、「北海道」、「東部」を抽出する。そして、ステップS23において、制御部199は、地域情報について、車両の現在位置と位置関連性があると判定する。
【0095】
引き続き、ステップS24において、抽出された文字列の選定処理が行われ、例えば、そのまま「津波」、「警報」、「北海道」、「東部」が選定される。そして、文字の所定数が8文字のときには、ステップS28において、現象キーワードである「津波」がアイコン表示され、表示対象の文字列として「警報」、「北海道」、「東部」が選定される。この結果、ヘッドアップディスプレイ装置175には、
図9(B)に示される速報情報が表示される。
【0096】
<ヘッドアップディスプレイ装置175への速報情報の表示例(その3)>
図10には、上述したステップS29において、ヘッドアップディスプレイ装置175に、速報情報を取得した旨のアイコンのみが表示されている例が示されている。
【0097】
以上説明したように、本実施形態では、ニュース速報取得部191が、映像データIDTに「ニュース速報」の映像が含まれているときには「ニュース速報」の文字情報を取得し、制御部199へ送る。また、緊急警報取得部192が、緊急警報信号が検出されると、「緊急警報」の字幕情報を取得し、制御部199へ送る。制御部199は、「ニュース速報」の文字情報又は「緊急警報」の字幕情報を受けると、当該情報から文字列を抽出する。次に、制御部199は、抽出された文字列に『津波』、『地震』等のキーワードが含まれているか否かの判定、重複文字列の取捨等の選定処理を行った後、選定された文字列が所定数以下であるか否かを判定する。
【0098】
そして、当該判定の結果が肯定的であった場合には、制御部199は、選定された文字列を、報知可能な適切な大きさでヘッドアップディスプレイ装置175に表示させる。また、当該判定の結果が否定的であった場合には、制御部199は、『津波』、『地震』等の現象文字列をアイコン表示するとともに、ヘッドアップディスプレイ装置175に表示する文字数を所定数以内にする。
【0099】
このため、運転者の前方視界を遮ることがないため交通安全に資することができ、かつ、速報情報を利用者に確実に報知することができる。
【0100】
また、本実施形態では、制御部199は、抽出された速報情報の地域情報について、車両の現在位置との位置関連性があるか否かを判定する。そして、当該位置関連性があると判定したときには、速報情報に関する内容を利用者に報知し、当該位置関連性がないと判定したときには、速報情報に関する内容を利用者に報知しない。このため、利用者にとって緊急性がない速報情報を、利用者に報知しないようにすることができる。
【0101】
また、本実施形態では、放送局から送信される放送コンテンツの視聴用再生の有無に関わらず、「速報情報」の表示制御処理を行う。このため、放送コンテンツを視聴していない期間についても、運転者は、速報情報を知ることができる。
【0102】
また、本実施形態では、表示制御装置にて第1種速報情報を取得できなくても、他車両に配置された無線送信装置や携帯電話装置等の外部機器から第1種速報情報を取得することができる。
【0103】
したがって、本実施形態によれば、速報情報を取得した際に、利用者に対して、当該速報情報を簡潔化した表示で確実に報知することができる。
【0104】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0105】
例えば、上記の実施形態では、利用者に報知するために選定された文字数が所定数以下の場合は、文字のみをヘッドアップディスプレイ装置に表示することとした。これに対して、『津波』、『地震』等の現象を表す文字列については、文字列表示とともにアイコン表示をするようにしてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態では、表示可能な文字数の所定数を8文字にしたが、これに限定されるものではない。
【0107】
また、上記の実施形態では、第2表示部としてヘッドアップディスプレイ装置を採用したが、速報情報を表示する表示装置としては、ウインドシールドディスプレイ装置等の他のディスプレイ装置であってもよい。
【0108】
また、上記の実施形態では、「ニュース速報」があったか否かについては、映像データに基づいて判定し、当該映像データから「ニュース速報」の文字情報を取得するようにした。これに対して、音声データに基づいて「ニュース速報」があったか否かを判定するようにしてもよい。
【0109】
また、上記の実施形態では、TMCC情報を取得して、緊急警報信号が検出されるか否かを判定して緊急警報情報を取得した。これに対して、地上デジタル放送におけるPMT(Program Map Table)に記述される緊急情報記述子を参照して、緊急警報情報を取得するようにしてもよい。
【0110】
また、上記の実施形態では、近距離無線通信により、近隣他車両に配置された無線送信装置に向けて、速報情報の取得報告を送信することとした。これに対して、速報情報の取得報告を、一斉同報通信により、外部機器へ送信するようにしてもよい。
【0111】
また、第1種又第2種速報情報の取得した際には速報取得フラグを立てて、外部へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置において速報取得フラグが立っていない期間においては、常時、外部から速報情報の送信があるか(速報情報のフラグが立っている外部機器があるか)をチェックするようにしてもよい。なお、速報フラグが立ってから所定時間が経過すると、フラグをオフするようにする。
【0112】
また、上記の実施形態では、複数のGPS衛星から送られる電波の受信結果に基づいて車両の現在位置を取得したが、現在受信している放送局エリアコード情報や放送局名に基づいて、車両の現在位置を取得するようにしてもよい。
【0113】
また、速報情報の内容をヘッドアップディスプレイ装置に表示する際には、色の反転を行ったり、時間や天候等に対応して輝度を変化させるようにしてもよい。
【0114】
また、上記の実施形態においては、車両に搭載される表示制御装置に本発明を適用したが、車両以外の他の移動体に配置される表示制御装置にも本発明を適用することもできるし、家庭内に配置される表示制御装置にも本発明を適用することができる。
【0115】
なお、上記の制御ユニットの一部又は全部を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における制御ユニットの機能を実現するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD-ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
100 … 表示制御装置
170 … 第1表示ユニット(第1表示部)
175 … 第2表示ユニット、ヘッドアップディスプレイ装置(第2表示部)
180 … 位置取得ユニット(位置取得部)
191 … ニュース速報取得部(速報情報取得部の一部)
192 … 緊急警報取得部(速報情報取得部の一部)
193 … 外部速報情報取得部(速報情報取得部の一部)
199 … 制御部(抽出部、表示制御部)