(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073353
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20230518BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051365
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2018149665の分割
【原出願日】2018-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】517102019
【氏名又は名称】田中 章仁
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 章仁
(57)【要約】
【課題】ロッカーを用いた荷物の受け渡しサービスにおいて、利用料金の算出を補助すること。
【解決手段】第1判定部104は、物品Cを夫々収納し得るロッカーボックス31の出入口の施錠の検知、又は施錠されたロッカーボックス31の出入口を解錠するための電子鍵の生成の有無を第1条件として、当該第1条件が満たされたか否かを判定する。第2判定部106は、前記第1条件とは異なる第2条件が満たされたか否かを判定する。計時部107は、前記第1条件が満たされ、かつ前記第2条件が満たされた場合、ロッカーボックス31の利用時間の計時を開始する。これにより、上記課題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の施錠の検知、又は施錠された当該閉空間の出入口を解錠するための電子鍵の生成の有無を第1条件として、当該第1条件が満たされたか否かを判定する第1条件判定手段と、
前記第1条件とは異なる第2条件が満たされたか否かを判定する第2条件判定手段と、
前記第1条件が満たされ、かつ前記第2条件が満たされた場合、前記閉空間の利用時間の計時を開始する計時手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2条件は、前記閉空間を利用する者による明示の指示があったという条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記物品は、所定の店舗が提供する商品又は役務の提供の用に供する物であり、
前記第2条件は、前記所定の店舗により決定される時刻(例えば開店時刻)になったという条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記計時手段により計時された時間に基づいて、前記閉空間の利用料金を算出する算出手段、
をさらに備える請求項1乃至3のうち何れか1項の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した通信販売を利用するユーザが増大している。それに伴い、ユーザが通信販売で購入した商品を運搬するための宅配便の利用が拡大している。
このような状況において、本出願人は、このような問題を解決するために、商品の運搬の無駄を削減するロッカーの利用についての発明を既に出願している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたロッカーシステムを適用したサービス(以下、「一次保管サービス」と呼ぶ)を利用した場合、売り手側又は買い手側の少なくとも一方に、ロッカーボックスの利用料金が課されることになる。ロッカーボックスを解錠するためには、有効期限を超過する前の電子鍵が必要となるが、超過時間に応じた追加料金を支払うことにより、有効期限を超過した電子鍵であってもロッカーボックスを解錠することが可能となる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ロッカーを用いた荷物の受け渡しサービスにおいて、利用料金の算出を補助することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の施錠の検知、又は施錠された当該閉空間の出入口を解錠するための電子鍵の生成の有無を第1条件として、当該第1条件が満たされたか否かを判定する第1条件判定手段と、
前記第1条件とは異なる第2条件が満たされたか否かを判定する第2条件判定手段と、
前記第1条件が満たされ、かつ前記第2条件が満たされた場合、前記閉空間の利用時間の計時を開始する計時手段と、
を備える。
【0007】
また、前記第2条件は、前記閉空間を利用する者による明示の指示があったという条件である、とすることができる。
【0008】
また、前記物品は、所定の店舗が提供する商品又は役務の提供の用に供する物であり、
前記第2条件は、前記所定の店舗により決定される時刻(例えば開店時刻)になったという条件である、とすることができる。
【0009】
また、前記計時手段により計時された時間に基づいて、前記閉空間の利用料金を算出する算出手段、
をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ロッカーを用いた荷物の受け渡しサービスにおいて、利用料金の算出を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1の情報処理システムを利用した、一時保管サービスの概要を示すイメージ図である。
【
図4】
図2のサーバ、ユーザ端末、及びロッカー装置の機能的構成のうち、一時保管処理と、利用料金算出処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムを利用したサービスであって、
図1乃至
図4に係る本サービスとは、異なる一例の概要を示すイメージ図である。
【
図6】
図2のサーバ、ユーザ端末、及びロッカー装置の機能的構成のうち、一時保管処理と、無効化処理を実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理システムを利用したサービスであって、
図1乃至
図4に係るサービス及び
図5と
図6に係るサービスとは、異なる一例の概要を示すイメージ図である。
【
図8】
図2のサーバ、ユーザ端末、及びロッカー装置の機能的構成のうち、一時保管処理と、受任者決定処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図9】複数のユーザUで1つのミッションを遂行する場合における、受任者決定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図9に示す受任者決定処理のサブ処理であるリスト生成処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
[システム構成]
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む、情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す情報処理システムは、サービス提供者Mが管理するサーバ1と、ユーザU1乃至Un(nは1以上の任意の整数値)の夫々が操作するユーザ端末2-1乃至2-nの夫々と、物品を収納する1以上のロッカーボックス31の施錠と解錠とを行うロッカー装置3-1乃至3-m(mは1以上の任意の整数値)とを含むように構成されている。
サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-nと、ロッカー装置3-1乃至3-mとは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。
なお、以下、ユーザU1乃至Unの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザU」と呼ぶ。また、ユーザ端末2-1乃至2-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末2」と呼ぶ。また、ロッカー装置3-1乃至3-mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ロッカー装置3」と呼ぶ。
【0015】
サーバ1は、ユーザ端末2及びロッカー装置3の各動作を管理する。サーバ1は、ロッカーボックス31にユーザUの荷物等を一時保管するサービス(以下、「一時保管サービス」と呼ぶ)を提供すべく、各種各様な処理を実行する。以下、一時保管サービスの提供に関してサーバ1により実行される処理を、「一次保管処理」と呼ぶ。
また、サーバ1は、一時保管処理の一部として、ロッカーボックス31の利用料金の算出に関する各種処理(以下、「利用料金算出処理」と呼ぶ)を実行する。なお、サーバ1が利用料金算出処理を実行するために備える機能の具体的内容については、
図4を参照して後述する。
【0016】
ユーザ端末2は、例えばスマートフォン、タブレット等で構成され、ユーザUにより操作される。ユーザ端末2には、ロッカーボックス31に対する物品の出し入れをユーザUが行う際に利用する専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされている。
なお、以下、断りのない限り、「ユーザUがユーザ端末2を操作する」と表現している場合、それは、ユーザUが、ユーザ端末2にインストールされた専用アプリを起動して各種操作を行うことを意味している。
【0017】
ロッカー装置3は、物品を収納した状態で施錠可能な1以上のロッカーボックス31を有する。ロッカー装置3は、後述する電子鍵の認証結果に基づいて、1以上のロッカーボックス31の夫々の施錠と解錠とを行う。
【0018】
[ハードウェア構成]
図2は、
図1に示す情報処理システムのうち、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0022】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0023】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(ユーザ端末2、ロッカー装置3)との間で行う通信を制御する。
【0024】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0025】
なお、図示はしないが、
図1の情報処理システムのうち、ユーザ端末2及びロッカー装置3も、
図2のサーバ1のハードウェア構成と同様の構成とすることができるため、その説明を省略する。
ただし、ユーザ端末2がスマートフォンやタブレットで構成される場合には、出力部16及び入力部17として、タッチパネルを有している。
【0026】
このような
図1のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1で後述する各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者Mは、ユーザUに対し、後述する各種サービスを提供することができる。
【0027】
[第1実施形態]利用料金算出技術
(サービス内容)
図3は、
図1の情報処理システムを利用した、新たな一時保管サービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示すイメージ図である。
【0028】
図3(A)は、ロッカー装置3に物品Cを一時的に保管する際の仕組みを示すイメージ図である。
図3(A)に示すユーザU1は、ロッカー装置3に物品Cを一時的に保管するために、ロッカーボックス31に物品Cを収納する者である。
ユーザU1は、ロッカーボックス31に物品Cを収納した後、ユーザ端末2-1又はロッカー装置3を操作することにより、ロッカー装置3に対し、物品Cを収納したロッカーボックス31を施錠するための指示(以下、「施錠指示」と呼ぶ)を出す。
そして、ロッカー装置3によって施錠指示が受け付けられると、ロッカーボックス31が施錠される。また、ロッカーボックス31が施錠されると、ユーザ端末2-1において、施錠されたロッカーボックス31を解錠するための電子鍵が生成される。
【0029】
ここで、電子鍵には、有効期限が予め設定されていてもよい。具体的に例えば、ユーザU1又は後述するユーザU2は、原則として、有効期限の経過前にロッカーボックス31を解除することができ、有効期限が経過してしまった場合には、所定の追加料金の支払いを条件にロッカーボックス31を解錠することができるものとしてもよい。
【0030】
なお、ユーザU1がロッカー装置3に物品Cを一時保管する目的は特に限定されない。例えば、ユーザU1が、物品Cを販売する者である場合には、物品Cを購入した他のユーザUに物品Cを引き渡すことを目的として、ロッカー装置3に物品Cを一時保管してもよい。
【0031】
図3(B)は、ロッカー装置3に保管された物品Cを引き取る際の仕組みを示すイメージ図である。
図3(B)に示すユーザU2は、ロッカー装置3に保管された物品Cを引き取る者である。
ロッカーボックス31に物品Cを収納したユーザU1は、ユーザ端末2-1を操作することにより、ユーザU2に対し、ロッカーボックス31を解錠するための情報(以下、「解錠情報」と呼ぶ)を送信する。
ここで、解錠情報には、例えば、サーバ1に記憶されている電子鍵にアクセスするためのURLや、物品Cが一時保管されているロッカー装置3の位置情報(ロッカーボックス31のロッカー番号を含む)等が含まれる。
【0032】
ユーザU2は、ユーザ端末2-1からユーザ端末2-2に送信されてきた解錠情報を取得する。ここで、ユーザU2は、解錠情報に含まれている位置情報を用いて、ユーザ端末2-2にロッカーボックス31の場所まで、ナビゲートしてもらってもよい。
【0033】
そして、その結果として、ユーザU2が自身の使用するユーザ端末2-2をロッカー装置3に近づけると、ロッカー装置3は、ユーザ端末2-2の存在を検知し、ユーザU2のユーザ認証と、ユーザ端末2-2に記憶されている電子鍵の認証とを開始する。
この場合、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格の通信が用いられてもよいし、ネットワークNを介した通信が用いられてもよい。
ロッカー装置3による電子鍵の認証は、具体的には、サーバ1からユーザ端末2-2にダウンロードされた電子鍵と、ロッカー装置3に記憶されている電子鍵とを照合することにより行われる。
ロッカー装置3による電子鍵の認証が成功すると、物品Cが収納されているロッカーボックス31が解錠される。これにより、ユーザU2は、ロッカー装置3に保管されている物品Cを引き取ることができる。
【0034】
ここで、サーバ1は、ユーザU2のユーザ認証を行うことができる。具体的に例えば、サーバ1では、事前にユーザ登録を行ったユーザU2に関する各種情報(名前、端末の種類、ID、生体情報等)を取得する。そして、これらの情報に基づいて、ユーザU2のユーザ認証を行う。
このように、サーバ1は、ユーザU2のユーザ認証を行うため、本サービスの提供者は、事後的にログを確認することで、ロッカーボックス31を解錠したものを特定することができる。そのため、本サービスの提供者は、例えば、物品Cの盗難等が生じた場合にも、状況の確認や事後的な対応が容易となる。
なお、このユーザ認証は、必ずしもサーバ1で行われる必要はなく、例えば、ロッカー装置3で行われるものとしてもよい。
【0035】
他方、サーバ1は、ユーザU2のユーザ認証を行わない構成とすることもできる。この場合、電子鍵を保有する者であれば、基本的に誰でもロッカーボックス31を解錠することができるようになるので、本サービスの効率的な運用を図ることができる。
なお、この場合の盗難等に対する対策については、例えば、
図5及び
図6を参照して後述する。
【0036】
ユーザU2が、ロッカー装置3から物品Cを引き取る目的は特に限定されない。例えば、ユーザU2が、物品Cを販売するユーザU1から物品Cを購入した者である場合には、購入した物品CをユーザU2がロッカー装置3を介して引き取ることを目的としてもよい。
【0037】
本サービスの提供を受けるユーザUは、ロッカーボックス31に物品Cを収納する者(ユーザU1)と、そのロッカーボックス31から物品Cを引き取る者(ユーザU2)との2種類に分類される。ここで、ユーザU1の所在地と、ユーザU2の所在地とが近距離であれば、ロッカー装置3を介することで、宅配便を介さずにユーザU1からユーザU2に物品Cを容易に引き渡すことができる。
【0038】
(機能的構成)
図4は、
図2のサーバ1、ユーザ端末2、及びロッカー装置3の機能的構成のうち、一時保管処理と、利用料金算出処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0039】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、一時保管処理が実行される場合には、主制御部101が機能する。また、利用料金算出処理が実行される場合には、施錠検知部102と、鍵検知部103と、第1判定部104と、指示検知部105と、第2判定部106と、計時部107と、算出部108とが機能する。
サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザDB401と、ロッカーDB402と、取引DB403と、電子鍵DB404と、店舗DB405とが設けられている。
【0040】
主制御部101は、ユーザ認証部111と、ユーザ管理部112と、ロッカー管理部113と、取引管理部114とを有する。
ユーザ認証部111は、後述するユーザDB401に記憶されている登録ユーザの各種情報(以下、「登録ユーザ情報」と呼ぶ)と、ユーザ端末2の夫々から送信されてきた認証対象となるユーザの各種情報(以下、「認証ユーザ情報」と呼ぶ)と、に基づいて、ユーザUに対するユーザ認証を行う。
ここで、登録ユーザとは、具体的に、本サービスの利用を希望して、サーバ1に対して所定の情報を送信したユーザを意味する。
ユーザ管理部112は、登録ユーザの管理や削除等に関する処理を実行する。
ロッカー管理部113は、ロッカー装置3の登録、及びロッカー装置3の利用状況の管理を行う。ロッカー装置3の登録が行われると、そのロッカー装置3に関する情報(以下、「ロッカー情報」と呼ぶ)は、ロッカーDB402に記憶される。また、ロッカー装置3の利用状況も、ロッカーDB402に随時記憶される。
取引管理部114は、ロッカー装置3の利用履歴、及び後述する算出部108により算出された利用料金の課金状況を管理する。ロッカー装置3の利用履歴、及び利用料金の課金状況は、取引DB403に記憶されている。
【0041】
施錠検知部102は、物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の施錠を検知する。即ち、具体的には、施錠検知部102は、物品Cを収納可能なロッカーボックス31が施錠されると、これを検知する。
なお、施錠検知部102が、ロッカーボックス31の施錠を検知する具体的手法は特に限定されない。例えば、振動センサや、赤外線センサ等の各種センサを利用して、検知してもよい。
【0042】
鍵検知部103は、施錠された閉空間の出入口を解錠するための電子鍵が生成されると、これを検知する。具体的には、鍵検知部103は、施錠されたロッカーボックス31を解錠するための電子鍵が生成されると、これを検知する。
【0043】
第1判定部104は、ユーザU1の行為等によって、第1条件が満たされた否かを判定する。
ここで、第1条件とは、例えば、ユーザU1が「ロッカーボックス31を開閉したこと」である。この場合、具体的には、施錠検知部102によってロッカーボックス31の施錠が検知されると、第1判定部104は、第1条件が満たされたと判定する。
【0044】
指示検知部105は、閉空間を利用するユーザによる明示の指示を検知する。
ここで、ユーザU1は、物品Cをロッカーに格納した後、ユーザ端末2-1を操作して、ユーザによる明示の指示を示すボタン(例えば、カウントダウンを開始する入力ボタンであり、以下、「入力ボタン」と呼ぶ)を押下する。
即ち、指示検知部105は、ユーザ端末2-1から送信されてきた「入力ボタンが押下された」という情報(以下、「入力情報」と呼ぶ)を取得することで、閉空間を利用するユーザによる明示の指示を検知する。
【0045】
第2判定部106は、第1条件とは異なる第2条件が満たされたか否かを判定する。
ここで、第2条件とは、例えば、「ユーザU2によって入力ボタンの押下があったこと」である。この場合、具体的には、指示検知部105によって、入力情報が取得された場合に、第2判定部106は、第2条件が満たされたと判定する。
【0046】
ここで、上述の第1条件及び第2条件について簡単に説明する。上述の通り、第1条件とは、例えば、「ロッカーボックス31を開閉したこと」という物品Cを預けるユーザU1側の動作と関係して設定された条件である。即ち、ユーザU1による物品Cの預け入れをトリガとして、ロッカー装置3の利用時間の計測が開始されることを意味している。
しかしながら、この第1条件のみを条件として採用した場合、物品Cの受け取りを行うユーザU2は、自身の意図せぬ時間にロッカー装置3が利用され、結果として、ロッカー装置3の利用時間が長期化して、多額の料金を支払わなければならなくなるような事態も想定される。
このような事態を避けるべく採用されるのが、上述の第2条件である。つまり、上述の第1条件に加えて、ユーザU2がロッカー装置3の利用を開始することに対する明示的なアクションを第2条件として、ロッカー装置3の利用時間の計測のトリガとして採用することで、ユーザU2にとって意図せぬ時間帯におけるロッカー装置3の利用を防ぐことができる。
換言すれば、本実施形態では、第1条件及び第2条件のいずれもの条件が満たされることを利用時間計測のトリガとされるため、後述する料金の算出において、「実際にロッカーの解錠が可能となってから料金の算出がなされる」、「電子鍵の送信にミスがあった場合等には、料金の算出が行われない」等の利点が存する。
ただし、サーバ1は、この第2条件を必須の条件として採用せず、任意の条件としてもよい。この場合、ユーザU2が入力ボタンの押下を失念したような場合であっても、滞りなく、サービスの提供や料金の算出を行うことができる。
【0047】
計時部107は、ロッカー装置3の利用時間の計時を行う。
具体的に例えば、計時部107は、第1条件が満たされ、かつ第2条件が満たされた場合に、ロッカー装置3の利用時間の計時を開始する。
【0048】
算出部108は、計時手段により計時された時間に基づいて、ユーザU2のロッカー装置3の利用料金を算出する。
ここで、算出部108で算出される利用料金は、必ずしも有料でなくてもよく、結果的に無料での利用を許可してもよい。具体的に例えば、算出部108は、ロッカー装置3の利用時間が2時間までは利用料金を0円として算出し、2時間以降の利用料金についてのみ利用時間に応じて料金を加算していくという利用時間の算出方法を採用してもよい。
この場合、ユーザU2は、2時間以内に物品Cを受け取れば、ロッカー装置3を利用できるため、気軽にロッカー装置3を利用することができる。
ただし、ここで採用された料金の算出方法は、あくまで例示であり限定されない。即ち、算出部108は、計時手段により計時された時間を参照しつつ、任意の算出方法により料金を算出してもよい。
【0049】
ユーザDB401には、ユーザUに関する各種の情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)が記憶され管理されている。具体的には、ユーザUを一意に識別する情報(以下、「ユーザID」と呼ぶ)、ユーザUの氏名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)、口座情報等が含まれる。また、ユーザU2が使用するユーザ端末2-2を一意に識別する情報等も、ユーザDB401に記憶され管理されている。
【0050】
ロッカーDB402には、ロッカー情報が記憶されている。具体的には、ロッカー装置3を一意に識別する情報(以下、「ロッカーID」と呼ぶ)、ロッカー装置3の設置場所を示す位置情報、ロッカー装置3の利用状況等の情報がロッカーDB402に記憶されている。また、ロッカーID毎に、1以上のロッカーボックス31の夫々に関する情報が紐付けられて管理されている。具体的には、ロッカーボックス31を一意に識別する情報(以下、「ボックスID」と呼ぶ)、施錠の状態、施錠指示を出したユーザUのユーザID、解錠するための電子鍵等の情報等が管理されている。
【0051】
取引DB403には、ロッカー装置3の利用履歴、及び利用料金の課金状況等が、ロッカーボックス31の単位で記憶され管理されている。
【0052】
電子鍵DB404には、電子鍵に関する情報が記憶されている。具体的には、電子鍵毎に、ロッカーID、ボックスID等の情報等が紐付けられて管理されている。
以上の機能的構成を有するサーバ1が上述の利用料金算出処理を実行することにより、本サービスにおいて、ロッカーボックス31毎の利用料金を適切に算出することができる。
【0053】
さらに、本発明が適用される情報処理装置は、上述の第1実施形態に限定されず、次のような構成を有する各種各様の実施形態とることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図4のサーバ1)は、
物品(例えば物品C)を夫々収納し得る閉空間(例えば
図4のロッカーボックス31)の出入口の施錠の検知、又は施錠された当該閉空間の出入口を解錠するための電子鍵の生成の有無を第1条件として、当該第1条件が満たされたか否かを判定する第1条件判定手段(例えば
図4の第1判定部104)と、
前記第1条件とは異なる第2条件が満たされたか否かを判定する第2条件判定手段(例えば
図4の第2判定部106)と、
前記第1条件が満たされ、かつ前記第2条件が満たされた場合、前記閉空間の利用時間の計時を開始する計時手段(例えば
図4の計時部107)と、
を備える。
これにより、本サービスにおいて、ロッカー装置3の利用料金を適切に算出するための根拠情報を得ることができる。
【0054】
また、前記第2条件は、前記閉空間を利用する者(例えば
図3のユーザU2)による明示の指示があったという条件である、とすることができる。
これにより、ユーザUによる明示の指示に基づいて、ロッカー装置3の利用料金を適切に算出するための根拠情報を得ることができる。
【0055】
また、前記物品は、所定の店舗が提供する商品又は役務の提供の用に供する物であり、
前記第2条件は、前記所定の店舗により決定される時刻(例えば開店時刻)になったという条件である、とすることができる。
これにより、店舗の開店時刻等、客観性のある時刻から、ロッカーボックス毎の利用料金を適切に算出するための根拠情報を得ることができる。
【0056】
また、前記計時手段により計時された時間に基づいて、前記閉空間の利用料金を算出する算出手段(例えば
図4の算出部108)をさらに備えることができる。
これにより、ロッカー装置3の利用料金を適切に算出することができる。
【0057】
[第2実施形態]ワンタイム解錠技術
(サービス内容)
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムを利用したサービスであって、
図1乃至
図4に係る本サービスとは、異なる一例の概要を示すイメージ図である。
【0058】
ここで、第2実施形態の説明をするに際し、その前提について簡単に説明する。上述の第1実施形態の説明において、ロッカーボックス31を解錠する電子鍵は、物品Cを預けるユーザU1から物品Cを受け取るユーザU2にコピーして引き渡される。そのため、物品Cがロッカーボックス31に格納されている状況において、ユーザU1とユーザU2は、いずれも電子鍵を保有し、ロッカーボックス31の解錠可能な状況が確保される。
このように、電子鍵の送り手と受け手のいずれもがロッカーボックス31を解錠することができる状況を確保することによれば、例えば、ユーザU2が自身で物品Cの受け取りが困難な場合であっても、家族等に受け取りを依頼することも容易となる。
【0059】
他方、このように複数のユーザにロッカーボックス31の解錠が可能な状況においては、どのユーザが、ロッカーボックス31の解錠を行ったのかが不明確になるという問題が生じ得る。
具体的に例えば、物品Cが盗難された場合等に、ユーザU1としては「物品Cを確かにロッカーボックス31に格納したのでユーザU2が既に物品Cを受け取っている」と主張し、ユーザU2としては「ユーザU1が物品Cを取り出したのではないか」と主張することが予想される。
なお、これらの事情は、必ずしもユーザU1に限られず限定されない。即ち、これらの事情は、電子鍵を有するユーザ(例えば、ユーザU2から電子鍵を受け取った第三者)であっても同様である。
【0060】
そこで、本発明の第2実施形態においては、電子鍵を用いて、一度ロッカーボックス31が開場されて場合に、以降、同一のロッカーボックス31の解錠を制限するワンタイム解除機能を採用する。これにより、ロッカーボックス31を解錠したユーザを特定することが容易となるので、結果として、ユーザ認証を行わず、電子鍵の認証のみを行う場合であって、かつ同一の電子鍵を有する者が複数存在する場合であっても、物品Cの盗難等のリスクを軽減することができる。
【0061】
図5(A)は、ロッカー装置3に収納された物品Cを引き取る際の仕組みを示すイメージ図である。
図5(A)に示すユーザU2は、ロッカー装置3に一時的に保管された物品Cを最初に引き取る者である。
上述したように、本サービスにおいて、ロッカー装置3のロッカーボックス31が施錠されると、図示はしないが、施錠指示を出したユーザU1のユーザ端末2-1において、施錠されたロッカーボックス31を解錠するための電子鍵が生成される。生成された電子鍵は、サーバ1及びロッカー装置3に送信される。
即ち、ユーザU1及びU2は、有効期限が経過する前であればいつでも電子鍵によってロッカーボックス31を解錠することができる。
【0062】
しかしながら、電子鍵は、複数の者が同時に保持することができる。このため、ロッカー装置3が解錠のための認証を行う際、ユーザ認証を行わず、電子鍵の認証のみを行う構成となっている場合には、以下のような問題が生じる。即ち、本来物品Cを引き取るべき者(例えば
図3及び
図5のユーザU2)がロッカーボックス31を解錠する前に、同一の電子鍵を保持する別の者(例えば
図3及び
図5のユーザU1)がロッカーボックス31を解錠し、そこに収納されている物品Cを無断で引き取ることが可能となる。この場合、物品Cを引き取った者はログに記録されない。このため、物品Cを引き取った者を事後的に特定できない。
【0063】
そこで、同一の電子鍵を用いてロッカーボックス31を解錠できる回数を1回に限定する。具体的には、
図5(A)に示すように、PM3:00にユーザU1が電子鍵を用いてロッカーボックス31を解錠した場合、直ちにこの電子鍵を無効化する処理を行う。電子鍵が無効化されると、例えば
図5(B)に示すように、PM3:30にユーザU2が同一の電子鍵を用いてロッカーボックス31を解錠しようとしても解錠できない。即ち、本来物品Cを引き取るべき者がロッカーボックス31を解錠してようとしても、同一の電子鍵を保有する他の者が、なりすましによって既に解錠しまった後は、再度解錠することができない。
これにより、なりすましによってロッカーボックス31が解錠されて、物品Cが盗難された場合には、その後、本来物品Cを引き取ることになっている者が解錠しようとも、そもそも解錠することができないことになる。したがって、ユーザU2は、「少なくとも自身が物品Cを引き取る前にロッカーボックス31が解錠されていた」ことを客観的に示すことが可能となる。
【0064】
(機能的構成)
図6は、
図2のサーバ1、ユーザ端末2、及びロッカー装置3の機能的構成のうち、一時保管処理と、無効化処理を実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。無効化処理とは、ワンタイム解錠機能を発揮させるための一連の処理をいう。
【0065】
図6に示すように、サーバ1のCPU11においては、上述の一時保管処理が実行される場合には、主制御部101が機能する。また、無効化処理が実行される場合には、解錠検知部301と、無効化部302とが機能する。
なお、第2実施形態におけるサーバ1のその他の機能的構成は、
図4に示す第1実施形態における機能的構成と同様とすることができるため、その説明を省略する。つまり、第2実施形態におけるサーバ1は、第1実施形態で説明済みの各種機能的構成を、同様に有している。
【0066】
解錠検知部301は、物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の解錠を検知する。具体的には、解錠検知部301は、物品Cを収納可能なロッカーボックス31が解錠されると、これを検知する。
なお、解錠検知部301が、ロッカーボックス31の解錠を検知する具体的手法は特に限定されない。例えば、ロッカーボックス31を解錠する機構の動作から直接的に検知してもよい。ロッカー装置3からロッカーボックス31の解錠を示す情報が送信され、それを取得することで、これを検知してもよい。
【0067】
無効化部302は、解錠検知部301により閉空間の出入口の解錠が検知されると、その解錠に用いられた電子鍵を無効化する。具体的には、無効化部302は、解錠検知部301によりロッカーボックス31の解錠が検知されると、その解錠に用いられた電子鍵を無効化する。
【0068】
さらに、本発明が適用される情報処理装置は、上述の第2実施形態に限定されず、次のような構成を有する各種各様の実施形態とることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図1のサーバ1)は、
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の解錠を検知する解錠検知手段(例えば
図6の解錠検知部301)と、
前記解錠検知手段により前記閉空間の出入口の解錠が検知されると、当該解錠に用いられた電子鍵を無効化する無効化手段(例えば
図6の無効化部302)と、
を備える。
これにより、本サービスにおいて、ロッカーボックス31が無断で解錠されて、物品Cが盗難された場合には、その後、本来物品Cを引き取ることになっている者は、電子鍵を用いてロッカーボックス31を解錠することができない。このため、「本当は収納されていたにもかかわらず、収納されていなかったと嘘をついている」と、あらぬ疑惑をかけられることを防ぐことができる。
【0069】
[第3実施形態]リレー技術
(サービス内容)
図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムを利用したサービスであって、
図1乃至
図4に係るサービス及び
図5と
図6に係るサービスとは、異なる一例の概要を示すイメージ図である。
【0070】
ここで、第3実施形態の説明をする際し、その前提について簡単に説明する。上述の第1実施形態及び第2実施形態において、物品Cを預け入れるユーザU1(例えば物品Cを取り扱うECサイトから依頼を受けた運搬業者等の担当者)から物品Cを引き取るユーザU2(例えば物品Cを購入した者)に対して、物品Cが運搬される場合を前提として説明を行った。
しかしながら、近年では、物品の運搬を必ずしも運搬業者が担当せず、SNS等での情報のやり取りを通じて一般のユーザが運搬を担当するような場合も想定される。このような場合、複数のロッカー装置3を経由させて、物品Cの引き渡しを行うことで、運搬を行う事業者等を利用せずとも、効率的に物品Cの運搬を行うことができる(以下、このような手法を、「リレー機能又はリレー運搬」と呼ぶ)。本発明の第3実施形態においては、このようなリレー機能を採用した場合の例を示す。
【0071】
図7(A)は、東京駅に設置されたロッカー装置3-1に物品Cを一時的に保管する際の仕組みを示すイメージ図である。
PM3:00に、東京駅に設置されたロッカー装置3-1に物品Cを保管したユーザU11は、ユーザ端末2-11を操作することにより、ユーザT1乃至Tn、例えば以下のミッションを受任しようとする者を募集する。具体的には、ユーザ端末2-11は、サーバ1に対しミッション情報を送信することにより、ミッションを受任しようとする者を募集する。
即ち、東京駅に設置された第1のロッカー装置3-1から物品を回収する第1ステップと、回収した物品を長野駅に設置された第2のロッカー装置3-2まで運搬する第2ステップと、運搬した物品をこの第2のロッカー装置3-2に保管する第3ステップとを実行することが含まれる。
【0072】
ミッションを受任しようとする者の募集が行われると、ユーザ端末2-2乃至2-nに、ミッションの内容を含む募集要項が表示される。ここで、例えばユーザT1が、これから出張で東京から長野に向かう予定だから、ミッションを受任したいと考えたとする。この場合、ユーザT1は、ユーザ端末2-12を操作することで応募を行う。
【0073】
ユーザU11からの募集に対し、ユーザT1乃至Tnのうち、ユーザT1からの応募があった場合には、応募者である1以上のユーザT1に関する情報が、候補者リストとしてユーザ端末2-11に表示される。ユーザU11は、ユーザ端末2-11に表示された候補者リストの中から、ミッションを依頼したいユーザTnを選択する。
そして、ユーザ端末2-11は、選択された候補者であるユーザTnに対して、ロッカー装置3-1の解錠情報と、物品Cの受取人に関する情報とを送信する。なお、ロッカー装置3-1の解錠情報には、サーバ1に記憶されている電子鍵にアクセスするためのURLや、物品Cが保管されているロッカー装置3-1の位置情報が含まれる。
【0074】
図7(B)は、東京駅のロッカー装置3-1に保管された物品Cを引き取る際の仕組みを示すイメージ図である。
図7(B)に示すように、ユーザT1は、PM4:00に、ロッカー装置3-1に保管された物品Cを引き取る。具体的には、ユーザT1は、ユーザ端末2-12を操作することにより、取得した解錠情報を用いて、電子鍵をダウンロードする。そして、ユーザT1は、解錠情報に含まれた位置情報に基づいて、東京駅に設置されたロッカー装置3-1まで移動する。
【0075】
ユーザT1が、ユーザ端末2-12をロッカー装置3-1に近づけると、ロッカー装置3-1は、ユーザ端末2-12の存在を検知し、ユーザU12のユーザ認証と、ユーザ端末2-12に記憶されている電子鍵との認証を開始する。
ロッカー装置3-1によるユーザ認証と、電子鍵の認証とが成功すると、ロッカー装置3-1のロッカーボックス31が解錠される。これにより、ユーザU2は、ロッカー装置3-1に保管されている物品Cを引き取ることができる。物品Cを引き取ったユーザU2は、物品Cを持参した状態で新幹線に乗り、東京駅から長野駅に移動する。
このように、本発明の第3実施形態において、ユーザU11によってロッカーボックス31に格納された物品Cは、第三者であるユーザT1によって運搬され得る。
【0076】
図7(C)は、長野駅に設置されたロッカー装置3-2に物品Cを保管する際の仕組みを示すイメージ図である。
長野駅に到着したユーザT1は、PM5:30に、長野駅に設置されたロッカー装置3-2のロッカーボックス31に物品Cを格納する。そして、ユーザT1は、ユーザ端末2-12を操作することにより、ロッカー装置3-2に施錠指示を出す。ロッカー装置3が施錠指示を受け付けると、物品Cを収納したロッカーボックス31が施錠される。また、ロッカーボックス31が施錠されると、ユーザ端末2-12は、施錠されたロッカーボックス31を解錠するための電子鍵を生成する。生成された電子鍵は、ユーザ端末2-12から、ユーザ端末2-11、サーバ1及びロッカー装置3-2に送信される。
【0077】
図7(D)は、長野駅のロッカー装置3-2に保管された物品Cを引き取る際の仕組みを示すイメージ図である。
上述の通り、生成された電子鍵を送信されたユーザ端末2-11もしくはサーバ1は、取得した電子鍵を物品Cの受取人であるユーザ12に電子鍵の解錠情報を送信する。なお、上述の通り、解錠情報には、サーバ1に記憶されている電子鍵にアクセスするためのURLや、物品Cが保管されているロッカー装置3-2の位置情報が含まれる。
物品Cの受取人であるユーザU12は、ユーザ端末2-12からユーザ端末2-13に送信されてきた解錠情報を取得し、取得した解錠情報を用いて電子鍵をダウンロードする。そして、ユーザU12は、解錠情報に含まれた位置情報に基づいて、長野駅に設置されたロッカー装置3-2まで移動する。
【0078】
PM6:00に、ユーザU12が、ユーザ端末2-13をロッカー装置3-1に近づけると、ロッカー装置3-1は、ユーザ端末2-13の存在を検知し、ユーザU13のユーザ認証と、ユーザ端末2-13に記憶されている電子鍵との認証を開始する。
サーバ1によるユーザ認証と、電子鍵の認証とが成功すると、物品Cが収納されているロッカーボックス31が解錠される。これにより、ユーザU12は、ロッカー装置3-2に保管されている物品Cを引き取ることができる。
このように、リレー機能によれば、複数のロッカー装置3(例えばロッカー装置3-1及び3-2)を経由させることができる。つまり、複数のロッカー装置3をリレーさせて物品Cを運ぶことができるので、物品Cの運搬先が長距離であっても、宅配便を利用することなく物品Cの引き渡しが可能となる。
換言すれば、物品Cの運搬を行うユーザT1が有料で運搬を請け負うこともできるので、ユーザT1としては、運搬を請け負うモチベーションが高まる。一方で、物品Cの運搬を依頼するユーザU11又はユーザU12としては、通常の運搬業者等を利用するよりも、安価かつ柔軟に仕事を依頼できることが期待できる。
【0079】
(機能的構成)
図8は、
図2のサーバ1、ユーザ端末2、及びロッカー装置3の機能的構成のうち、一時保管処理と、受任者決定処理を実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
受任者決定処理とは、リレー機能を発揮させるための一連の処理をいい、具体的には、ミッションを受任できる1以上のユーザT1乃至Tnを決定するための一連の処理をいう。
【0080】
図8に示すように、サーバ1のCPU11においては、上述の一時保管処理が実行される場合には、主制御部101が機能する。また、受任者決定処理が実行される場合には、ミッション受付部501と、募集部502と、応募受付部503と、リスト生成部504と、選択受付部505と、決定部506とが機能する。
【0081】
ミッション受付部501は、ユーザ端末2-11から送信されてきたミッション情報を受け付ける。
募集部502は、受け付けられたミッション情報に基づいて、ミッション情報を送信したユーザU11以外のユーザT1乃至Tnに対し、ミッションを受任できるか否かについての募集を行う。具体的には、募集部502は、ミッション情報を送信したユーザU11以外のユーザT1乃至Tnが操作するユーザ端末2に、ミッション情報を含む募集要項を表示させることで募集を行う。
【0082】
応募受付部503は、募集要項を閲覧したユーザT1乃至Tnのうち、ミッションの実行を受任したいとするユーザT1からの応募があった場合に、これを受け付ける。具体的には、ミッションの実行を受任したいとするユーザT1のユーザ端末2から送信されてきた応募情報を受け付ける。応募情報には、応募したユーザT1のユーザ情報のうちミッションを依頼したユーザU11に開示可能な情報(以下、「開示情報」と呼ぶ)や、ミッションを受任する場合の条件(以下、「受任条件」と呼ぶ)や、過去に遂行したミッションの実績(以下、「ミッション遂行実績」と呼ぶ)等が含まれる。
【0083】
応募情報のうち、開示情報には、例えば性別や年齢が含まれていてもよい。また、受任条件には、現在の所在地、ミッションを遂行可能な時間帯、運搬可能な領域、運搬可能な物品Cの性質(例えば種類、大きさ、重さ)等の条件が含まれていてもよい。これにより、運搬対象となる物品Cが重い物であったり、比較的大きい物であったりする場合には、受任条件に適合しない応募者、子供、女性、高齢者等を、候補者リストから外すこともできる。また、後述するリスト生成部504が、候補者リストを適任者順に並べている場合には、候補者リストから外さないまでも、これらの者を下位に表示させることもできる。
また、応募情報のうち、ミッション遂行実績には、過去に遂行したミッションの回数、ミッションの成功率、ミッション遂行中に生じたトラブルの内容、ミッションを依頼したユーザU11からの評価等が含まれていてもよい。これにより、ミッションを依頼するユーザUは、候補者一覧の中から受任者を選択する際に、候補者の過去の実績を参考にすることができる。
【0084】
リスト生成部504は、応募が受け付けられたユーザU11の応募情報に基づいて、候補者リストを生成する。以下、このような処理を「リスト生成処理」と呼ぶ。生成された候補者リストは、ミッションを依頼したユーザU11のユーザ端末2-11に表示される。リスト生成部504は、候補者リストを生成するにあたり、応募が受け付けられたユーザU11の応募情報に基づいて、ミッションの遂行に好適となる候補者が上位に表示されるようにすることができる。例えばミッション遂行実績に基づいて候補者リストが生成されている場合には、ミッションを依頼したユーザU11は、ミッション失敗のリスクを低減化させることができる。
【0085】
選択受付部505は、ユーザ端末2-11に表示された候補者リストの中から、ミッションを依頼したユーザU11によって1以上の候補者が選択された場合に、これを受け付ける。ここで、「1以上の候補者」としたのは、複数の受任者で1つのミッションを遂行することができることを意味している。即ち、候補者の受任条件によっては、ミッションを遂行するために複数の受任者を要する場合がある。例えば、
図7に示す例では、ユーザT1が出張で東京駅から長野駅まで移動するので、受任者はユーザT1のみでよい。しかしながら、仮にユーザT1の出張先が長野ではなく大宮である場合には、ユーザU2の他に、大宮駅から長野駅まで移動する予定のある受任者が必要となる。このため、候補者リストには、東京駅から大宮駅まで受任可能とするユーザT1と、大宮駅から長野駅まで受任可能とする他のユーザT2との2人でミッションが遂行できる旨が表示される。この場合、ミッションを依頼したユーザU11は、候補者リストからユーザT1と、他のユーザT2との2人をセットで選択することができる。
さらにいえば、ミッションを依頼したユーザU11は、3人以上の候補者を選択することも可能である。具体的には例えば、
図7に示す例において、各駅にロッカー装置3が設置されていることを前提とした場合には、新幹線を利用した次のリレー運搬も可能となる。即ち、ユーザT1が東京駅から大宮駅まで受任し、ユーザT1以外の2人のユーザT2及びT3が、大宮駅から軽井沢駅までの運搬と、軽井沢駅から長野駅までの運搬とを夫々受任することも可能である。
なお、複数のユーザT1乃至Tnが1つのミッションを遂行する場合の処理の流れについては、
図9及び
図10を参照して後述する。
【0086】
決定部506は、候補者リストから選択された1以上のユーザT1乃至Tnに対し、正式にミッションを受任するか否かについて質問し、その回答の内容に基づいて受任者の決定を行う。具体的には例えば、決定部506は、候補者リストから選択された1以上のユーザT1乃至Tnのユーザ端末2-12乃至2-nに、ミッションの依頼者から選択された旨と、正式に受任できるか否かを回答するためのボタン(図示せず)とを表示させる。
ユーザT1がミッションを正式に受任する場合には、ユーザ端末2-12を操作することでその旨が示される。具体的には例えば、ユーザ端末2-12に表示された正式に受任できるか否かを回答するためのボタン(図示せず)が押下された場合には、ユーザ端末2-12からサーバ1に対し、ミッションを正式に受任する旨を示す情報(以下、「受任情報」)が送信される。決定部506は、受任情報が送信されてくると、これを受け付けて、受任情報を送信したユーザT1を受任者とすることを決定する。受任者が決定すると、受任情報を送信したユーザT1(即ち受任者)のユーザ端末2-12にその旨が表示される。
なお、サーバ1のその他の構成は、
図4に示す第1実施形態の構成と同様であるため説明を省略する。
【0087】
図9は、複数のユーザUで1つのミッションを遂行する場合における、受任者決定処理の流れを示すフローチャートである。
なお、
図9に示す例は、ユーザU11が、「東京駅のロッカー装置3-1に保管された物品Cを引き取り、長野駅のロッカー装置3-2まで運搬して保管する」というミッションについて募集を行った場合を想定している。
【0088】
ステップS1において、ミッション受付部501は、ユーザU11のユーザ端末2-11から送信されてきたミッション情報を受け付ける。
ステップS2において、募集部502は、受け付けられたミッション情報に基づいて、ミッション情報を送信したユーザU11以外のユーザT1乃至Tnに対し、ミッションを受任できるか否かについての募集を行う。
ステップS3において、応募受付部503は、ミッションの実行を受任したいとするユーザT1乃至Tnからの応募があった場合に、これを受け付ける。
ステップS4において、リスト生成部504は、応募が受け付けられたユーザU11の応募情報に基づいて、受任者決定処理のサブ処理となるリスト生成処理を実行する。リスト生成処理の結果、生成された候補者リストは、ミッションを依頼したユーザU11のユーザ端末2-11に表示される。候補者となるユーザUがいない場合には、その旨(例えば「0人」を示す表示)が候補者リスト表示される。なお、リスト生成処理の詳細については、
図10を参照して後述する。
ステップS5において、選択受付部505は、ユーザ端末2-11に表示された候補者リストの中から、ミッションを依頼したユーザU11によって1以上の候補者が選択された場合に、これを受け付ける。
ステップS6において、決定部506は、候補者リストから選択された1以上のユーザT1乃至Tnに対し、正式にミッションを受任するか否かについての質問し、その回答の内容に基づいて受任者の決定を行う。これにより、受任者決定処理は終了する。
【0089】
図10は、
図9に示す受任者決定処理のサブ処理であるリスト生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
ステップS41において、リスト生成部504は、応募情報に基づいて、応募者の中に、物品Cの最終的な運搬先である長野駅のロッカー装置3まで1人で運搬できる者がいるか否かを判定する。応募者の中に、長野駅のロッカー装置3-2まで1人で運搬できる者がいる場合には、ステップS41において「YES」と判定されて、処理はステップS44に進む。なお、ステップS44の詳細については後述する。
これに対して、応募者の中に、長野駅のロッカー装置3-2まで1人で運搬できる者がいない場合には、ステップS41において「NO」と判定されて、処理はステップS42に進む。
【0091】
ステップS42において、リスト生成部504は、応募情報に基づいて、応募者の中に、東京駅のロッカー装置3-1から長野駅のロッカー装置3-2までの区間のうち少なくとも一部の区間(以下、「一部区間」と呼ぶ)を運搬できる者がいるか否かを判定する。応募者の中に、一部区間を運搬できる者がいない場合には、ステップS42において「NO」と判定されて、処理はステップS44に進む。なお、ステップS44の詳細については後述する。
これに対して、応募者の中に、一部区間を運搬できる者がいる場合には、ステップS42において「YES」と判定されて、処理はステップS43に進む。
【0092】
ステップS43において、リスト生成部504は、応募者のうち、一部区間を運搬できる者を抽出し、複数の応募者が協力することでミッションを遂行できる応募者の組み合せをシミュレーションする。
例えば、各駅にロッカー装置3が設置されていることを前提とした場合には、以下の応募者の組み合せをシミュレーションすることができる。即ち、例えば、東京駅から大宮駅までの区間を受任可能な応募者と、大宮駅から軽井沢駅までの区間を受任可能な応募者と、軽井沢駅から長野駅までの区間を受任可能な応募者とが存在した場合、その組み合わせによって、物品Cを東京駅から長野駅へと運搬するルートを運搬ルートの候補として採用することができる。
【0093】
ステップS44において、リスト生成部504は、ステップS41乃至ステップS43の結果に基づいて、候補者リストを生成する。
ここで、候補者リストの候補は、ステップS41において、1人で運搬できる者がいると判定された場合には、その運搬可能な者を候補者としてもよく、ステップS43において、複数の応募者を組み合わせて運搬ルートをシミュレーションした場合、その運搬ルートに係る複数の応募者を合わせて、候補者としてもよい。
なお、ステップS41において「NO」と判定され、かつステップS42において「NO」と判定された場合、即ち、候補者及び候補のルートが存在すると判定されなかった場合には、例えば、候補者がいない旨を示す候補者リストを生成することができる。
ただし、これらのステップは、全て例示に過ぎず、例えば、ステップS41において1人で運搬できる者がいると判定された場合であっても、一部の区間を運搬できる者を組み合わせて運搬を行う複数の候補者を候補者リストに掲載する候補者として採用してもよい。
【0094】
さらに、本発明が適用される情報処理装置は、上述の第3実施形態に限定されず、次のような構成を有する各種各様の実施形態とることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図1のサーバ1)は、
物品(例えば
図7の物品C)を夫々収納し得る第1閉空間(例えば
図7のロッカー装置3-1)と、前記第1閉空間と所定距離を隔てて複数存在する第2閉空間(例えば
図7のロッカー装置3-2)との間の前記物品の運搬を管理する情報処理装置であって、
前記第1閉空間に保管された物品を前記第2閉空間まで運搬する作業の依頼を行う者(例えば
図7のユーザU11)から、前記依頼に関する情報(例えばミッション情報)を受け付ける依頼受付手段(例えば
図8のミッション受付部501)と、
受け付けられた前記依頼に関する情報に基づいて、前記依頼に関する情報を送信した者以外の者に対し、前記依頼を受任できるか否かについての募集を行う募集手段(例えば
図8の募集部502)と、
前記募集についての応募があった場合に、これを受け付ける応募受付手段(例えば
図8の応募受付部503)と、
前記応募が受け付けられた者の応募情報に基づいて、前記依頼を受任し得る候補者のリストを生成するリスト生成手段(例えば
図8のリスト生成部504)と、
前記リストの中から、1以上の前記候補者が選択された場合に、これを受け付ける選択受付手段(例えば
図8の選択受付部505)と、
前記リストから選択された前記1以上の前記候補者に対し、正式に前記依頼を受任するか否かについて質問し、その回答の内容に基づき前記受任をする者の決定を行う決定手段(例えば
図8の決定部506)と、
を備える。
これにより、ユーザUの中から、ミッションを遂行し得る1以上の受任者を決定することができるので、リレー運搬をスムーズに行うことができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、上述の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0096】
例えば、上述の実施形態では、物品Cを夫々収納し得る閉空間としてロッカーボックス31とされているが、これは例示であり、閉空間はロッカーボックス31に限定されない。例えば、部屋や自動車等、物品を収納した状態で閉じられた空間を形成することができ、かつ、その出入口の施錠をできるものであればよい。
【0097】
また例えば、上述の実施形態では、各駅に設置されたロッカー装置3に物品Cを保管しているが、これは例示にすぎない。ロッカー装置3の設置場所は駅に限定されず、あらゆる場所に設置することができる。例えば、ホテル、空港、展示場、繁華街、デパート等の商業施設等に設置することができる。
【0098】
また例えば、上述の実施形態では、解錠情報に含まれるURLからサーバ1にアクセスすることで、電子鍵をダウンロードするが、これは例示に過ぎない。解錠情報には、電子鍵を取得し得るあらゆる情報を含めることができる。
さらに言えば、上述の実施形態では、サーバ1に保管された電子鍵は、実際の鍵の引き渡しとは異なり、いわゆるコピーの概念で説明されている。
即ち、サーバ1に保管された電子鍵は、物品を預けるユーザU1及び物品を引き取るユーザU2がともに使用可能である。
しかしながら、例えば、本サービスの提供者は、ユーザU1が物品をロッカー装置3に格納した段階で、当該電子鍵の利用をユーザU2に制限してもよい。この場合、電子鍵が悪用されるようなリスクを低減することができる。
【0099】
また、例えば、上述の実施形態では、第1条件及び第2条件の例はあくまでも例示に過ぎない。
具体的に例えば、サーバ1は、「生成された電子鍵がユーザU2に送信されたこと」を第1条件として採用してもよい。
さらに、「ユーザU1が、ロッカーに物品Cを格納した場合」や、「ユーザU2が物品Cの受け取りが可能となったこと」を第1条件として採用してもよい。
また例えば、サーバ1は、「所定の時刻(例えば、午前10時)」や、ユーザU1による入力ボタンの押下があったこと」を第2条件として採用してもよい。
【0100】
また、例えば、上述の実施形態では、ユーザU1による明示の指示について、物品Cをロッカーに格納した後、ユーザ端末2-1を操作して、ユーザによる入力ボタンを押下する、と説明したが、これに限られない。
即ち、ユーザU1による明示の指示は、ユーザU1が物品Cを入れて、ユーザU2へ物品Cの受け取り指示をメール等で、送信する際の送信ボタンの押下としてもよいし、指示検知部105が、明示の指示を認識できればよい。
また、明示の指示は、ユーザ端末2-1以外(例えば、ユーザ端末2-2、ロッカー装置3)による入力ボタンの押下によってもよい。また、ユーザU2からのユーザ端末2-2やロッカー装置3の操作による明示の指示であってもよい。
【0101】
また例えば、上述の実施形態では、ロッカー装置3の利用料金を、所定の時間以内(第1条件が開始してから第2条件が満たされるまで)は無料であり、以降の料金が有料であることを前提として説明したが、特にこれに限定されない。
即ち、例えば、本サービスの提供者は、1時間毎に利用料金が高額になっていく等、第1条件が開始してから第2条件が満たされるまでの時間に応じて、様々な料金を設定してもよい。
【0102】
また、上述の実施形態において、算出部108は、計時部107により計時された時間を参照しつつ任意の算出方法により料金を算出できるとされているが、例えば以下のような算出方法を用いて料金を算出することができる。
即ち、計時部107による計時が開始されてから所定時間が経過するまでは、単位時間あたりの料金を定額とし、所定時間を超過した分については、超過時間に応じて単位時間あたりの料金を任意に設定できるようにすることができる。
つまり、超過時間の単位時間あたりの料金について、(1)無料とする、(2)所定時間経過前と同じとする、(3)1時間毎に増加させていく、といった設定を行うことができる。
具体的には例えば、上記(1)は、イベント等で一次的に料金を無料にする必要がある場合、これに対応することができる。
また、上記(2)は、仮に所定時間が6時間、その料金が240円とすると、6時間が経過するまでは1時間あたり40円の料金となり、その6時間が経過した後についても1時間あたり40円の料金となる。このため、8時間使用(即ち2時間超過して使用)した場合には、トータル料金は、240円+40円+40円=320円となる。
これに対して、上記(3)の場合には、仮に所定時間が6時間、その料金が240円とすると、その6時間が経過した後は、1時間あたりの超過料金を、例えば60円ずつ上昇させていくことができる。即ち、8時間使用(即ち2時間超過して使用)すると、トータル料金は、240円+(40+60)円+(40+60円+60円)=500円となる。
このように、所定時間を超過した分については、超過時間に応じて単位時間あたりの料金を任意に設定できるようにすることができる。これにより、ロッカー装置3が設置されている場所の環境に応じたダイナミックなプライシングを実現させることができる。例えば、駅など高い稼働率が見込める場所に設置されたロッカー装置3であれば、上記(3)の場合について、1時間あたりの超過料金を、例えば150円ずつ上昇させていくこともできる。即ち、8時間使用(即ち2時間超過して使用)すると、トータル料金は、240円+(40+150)円+(40+150円+150円)=770円となる。
【0103】
また、上述の実施形態における利用料金とは、必ずしも金銭のみに限られず、金銭を代用するものであってもよい。例えば、電子マネー、各種ポイント、有料のチケット等であってもよく、既に一般的に利用されているものであってもよい。このため、ユーザUとしてみれば、例えばプリペイド型の電子マネー(例えばSuica(登録商標)、nanaco(登録商標))や、ガソリンスタンド等で貯めた各種ポイントサービスのポイント等の残高を、料金の支払いにあてることもできる。これにより、ユーザUは、目に見える金銭によって支払いを行うよりも、負担を感じることなくロッカー装置3を気軽に利用することができる。また、サービス提供者Mとしてみれば、既に一般的に利用されている電子マネーや各種ポイント等の利用先の1つに、自身の提供するサービスを加えることができるので、利用者数の拡大を図ることができる。
【0104】
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図1のサーバ1)が備える
算出手段(例えば
図4の算出部108)は、さらに、
計時手段(例えば
図4の計時部107)による計時が開始されてから所定時間が経過するまでの単位時間あたりの料金を定額とし、当該所定時間を超過した場合には、その超過時間に応じて前記単位時間あたりの料金を設定することができる。
これにより、サービス提供者Mは、ロッカー装置3が設置されている場所に適合させたダイナミックなプライシングを実現させることができる。
【0105】
また、利用料金には、金銭を代用するものを含めることができる。
これにより、ユーザUは、例えばプリペイド型の電子マネーや、各種ポイントサービスのポイント等の残高を支払いに利用することもできる。その結果、ユーザUは、目に見える金銭で料金の支払いを行うよりも負担を感じることなくロッカー装置3を利用することができる。また、サービス提供者Mは、既に一般的に利用されている電子マネーや各種ポイント等の利用先の1つに、自身の提供するサービスを加えることができるので、利用者数の拡大を図ることができる。
【0106】
また例えば、上述の実施形態では、算出された利用料金についてユーザU2が負担する、と説明したが特にこれに限定されない。
即ち、例えば、本サービスの提供者は、ユーザU2でなく、ユーザU1に対して、又は、ユーザU1及ユーザU2夫々に対して、算出された利用料金を請求してもよい。
これにより、例えば、ユーザU1が料金を支払う場合、ユーザU1は、利用料金を安くするため、タイミングを考慮して、明示の指示を与えることが可能である。
また、ユーザU2が料金を支払う場合、ユーザU1は、利用料金を安くするため、ユーザU2に対して、リマインドを行う等、時間管理を行うことも考えられる。
【0107】
また例えば、上述の第1実施形態では、第2条件として、閉空間を利用する者による明示の指示や、店舗により決定される時刻になったことが挙げられているが、これらは例示であり、第2条件の内容は特に限定されない。計時開始のトリガとなり得るあらゆる事象を第2条件として採用することができる。
【0108】
上述した実施形態における一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0109】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであっても良い。
【0110】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピーディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only MemoryY),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(MINI DISK)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROMや、記憶部に含まれるハードディスク等で構成される。
【0111】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0112】
図1に示すシステム構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、夫々の装置の役割を実行することができる機能が情報処理システム内に備えられていれば良く、さらに、夫々の装置は、ネットワークを介さずに、直接接続されていても良い。
【0113】
図2に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。例えば、1つのハードウェアが他のハードウェアの機能を兼ね備えていても良く、同じ機能を持つハードウェアが複数含まれていても良い。
【0114】
また、
図4、6、8の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4、6、8の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成しても良く、ソフトウェア単体で構成しても良く、それらの組み合わせで構成しても良い。
【符号の説明】
【0115】
1・・・サーバ、2,2-1,2-2,2-3,2-n・・・ユーザ端末、3,3-1,3-2,3-m・・・ロッカー装置、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・出力部、17・・・入力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバブルメディア、31・・・ロッカーボックス、101・・・主制御部、102・・・施錠検知部、103・・・鍵検知部、104・・・第1判定部、105・・・指示検知部、106・・・第2判定部、107・・・計時部、108・・・算出部、111・・・ユーザ認証部、112・・・ユーザ管理部、113・・・ロッカー管理部、114・・・取引管理部、401・・・ユーザDB、402・・・ロッカーDB、403・・・取引DB、404・・・電子鍵DB、405・・・店舗DB、C・・・物品、M・・・サービス提供者、N・・・ネットワーク、U,T・・・ユーザ、S1乃至S6,S41乃至S43・・・各種ステップ
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の解錠を検知する解錠検知手段と、
前記解錠検知手段により前記閉空間の出入口の解錠が検知されると、当該解錠に用いられた電子鍵を無効化する無効化手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置が処理を実行する情報処理方法において、
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の解錠を検知する解錠検知ステップと、
前記解錠検知ステップにより前記閉空間の出入口の解錠が検知されると、当該解錠に用いられた電子鍵を無効化する無効化ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項3】
コンピュータに、
物品を夫々収納し得る閉空間の出入口の解錠を検知する解錠検知ステップと、
前記解錠検知ステップにより前記閉空間の出入口の解錠が検知されると、当該解錠に用いられた電子鍵を無効化する無効化ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。