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特開2023-73805放送用CM素材バンクシステム及びその制御方法
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  • 特開-放送用CM素材バンクシステム及びその制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023073805
(43)【公開日】2023-05-26
(54)【発明の名称】放送用CM素材バンクシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230519BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186497
(22)【出願日】2021-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川越 健一
(72)【発明者】
【氏名】小松 創
(72)【発明者】
【氏名】揚石 亮平
(72)【発明者】
【氏名】小原 隆志
(72)【発明者】
【氏名】魏 トウレイ
(72)【発明者】
【氏名】石川 洋子
(72)【発明者】
【氏名】小林 謙斗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】CM素材のファイリングが容易でCM素材の照合作業を軽減する放送用CM素材バンクシステム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】放送局に設けられ、上位システムからのファイリング指示に応じて搬入されるCM素材をファイリングし、個々のCM素材の確認を行いつつ送出する。放送用CM素材バンクシステムであって、データベースに格納されるCM素材のファイリング指示データに基づいてCM素材のファイリング処理及び照合処理を制御するバンク制御部と、バンク制御部からの指示に応じて、NASに記憶されたMXFファイルを取り込み、CM素材のファイリング指示データに示されるCM確認コードを入力し、MXFファイルにCM確認コードを重畳して記憶部に返送するビデオサーバと、NASに記憶されるCM素材のMXFファイルを読み出してアプリケーションソフトによるソフトウェアプレビューを行うバンク端末と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局に設けられ、上位システムからのファイリング指示に応じて搬入されるCM(Commercial Message)素材をファイリングし、個々のCM素材の確認を行いつつ送出する放送用CM素材バンクシステムであって、
前記上位システムから配信され、CM素材毎に割り振られるCM確認コードを含むCM素材のファイリング指示データを格納するデータベースと、
前記データベースに格納されるCM素材のファイリング指示データに基づいて前記CM素材のファイリング処理及び照合処理を制御する制御部と、
前記制御部からの指示に応じて、前記CM素材のMXF(Material eXchange Format)ファイルを記憶する記憶部と、
前記制御部からの指示に応じて、前記記憶部に記憶されたMXFファイルを取り込み、前記CM素材のファイリング指示データに示されるCM確認コードを入力し、前記MXFファイルに前記CM確認コードを重畳して前記記憶部に返送するビデオサーバと、
前記記憶部に記憶されるCM素材のMXFファイルを読み出して、アプリケーションソフトによるソフトウェアプレビューを行うバンク端末と
を具備し、
前記記憶部は、前記ビデオサーバから返送される前記MXFファイルに重畳されているCM確認コードを抽出して別ファイルとして保存し、
前記バンク端末は、前記制御部からの指示に応じて、前記記憶部に別ファイルとして保存されたCM確認コードと、前記データベースの対応するCM素材のファイリング指示データに含まれるCM確認コードとを比較して、一致、不一致の比較結果を提示する
放送用CM素材バンクシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記制御部からの指示に応じて、記憶されたCM素材のMXFファイルから低解像度ファイルを作成し、
前記バンク端末は、指定のCM素材の低解像度ファイルを読み出してプレビュー表示する
請求項1記載の放送用CM素材バンクシステム。
【請求項3】
前記バンク端末は、前記CM確認コードが一致したとき、前記CM素材のMXFファイルをプレビュー表示し、前記CM確認コードが不一致のとき、前記プレビュー表示に代わってエラーを表示する請求項1記載の放送用CM素材バンクシステム。
【請求項4】
放送局に設けられ、上位システムからのファイリング指示に応じて搬入されるCM(Commercial Message)素材をファイリングし、個々のCM素材の確認を行いつつ送出する放送用CM素材バンクシステムに適用され、
前記上位システムから配信され、CM素材毎に割り振られるCM確認コードを含むCM素材のファイリング指示データをデータベースに格納し、前記データベースに格納されるCM素材のファイリング指示データに基づいて前記CM素材のファイリング処理及び照合処理を制御する制御方法であって、
前記CM素材のMXF(Material eXchange Format)ファイルを記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶されたMXFファイルを取り込み、前記CM素材のファイリング指示データに示されるCM確認コードを重畳して前記記憶部に保存し、
アプリケーションソフトによるソフトウェアプレビューを行う指示に応じて、前記記憶部に保存されるCM素材のMXFファイルをプレビュー表示する際に、当該MXFファイルに重畳される前記CM確認コードを別ファイルとして読み出して、前記データベースの対応するCM素材ファイリング指示データに含まれるCM確認コードと比較して、一致、不一致の比較結果を提示する
CM素材バンクシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、放送用CM(Commercial Message)素材バンクシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民放テレビ放送局では、放送システムに放送用CM素材を管理するCM素材バンクシステムを採用している。このCM素材バンクシステムでは、番組素材ファイルは別に、CMの素材ファイルを一括して管理している。
【0003】
この際、営放システム等の上位システムから配信されるCMの素材に関するファイリング指示データをファイリング指示用データベースに格納し、広告代理店から搬入されるCM素材はビデオサーバに格納される。上記ファイリング指示データには、CM素材を特定するCM素材コードと、共通コード管理センタが発番する広告事業者コード(4桁)と広告事業者が独自に発番する素材コード(6桁)を合わせた10桁CMコードと称されるCM確認コードが含まれる。
【0004】
ここで、民放テレビ放送局では、CM素材の送出において、そのCM素材のスポンサーが買い取ったCM枠の送出時刻にテレビ局から正しく送出されたことを確認し、スポンサーに対して証明している。その方法として、ビデオサーバにおいて、指定のCM素材の再生出力時に、そのCM素材に予め割り当てられているCM確認コードを、CM素材の映像信号におけるアンシラリ(以下、ANC)領域に重畳する。そして、マスター設備に用意されるマスタースイッチャ以降の専用機器で、CM素材の映像信号からCM確認コードを抽出し、各CM素材に割り当てられているCM確認コードと照合している。併せて、スポンサーが買い取ったCM枠の秒数分のCM素材がテレビ局から送出されたことを、マスター設備の送出監視者が目視で確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-14829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、従来の放送用CM素材バンクシステムでは、CM素材のファイリングにおいて、専用機器で映像信号の所定領域にCM確認コードを重畳し、専用機器で映像信号からCM確認コードを抽出してコードの照合を行う照合作業、CM枠送出時間の目視確認作業等の煩雑な照合作業が強いられている。
【0007】
本発明に係る実施形態の課題は、CM素材のファイリング作業時のCM確認コードの照合を容易に実行可能とし、CM素材の照合をアプリケーションソフトによって自動的にチェックを行うことのできる放送用CM素材バンクシステム及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る放送用CM素材バンクシステムは、放送局に設けられ、上位システムからのファイリング指示に応じて搬入されるCM素材をファイリングし、個々のCM素材の確認を行いつつ送出するシステムであって、データベースと、制御部と、記憶部と、ビデオサーバと、バンク端末とを備える。前記データベースは、前記上位システムから配信され、CM素材毎に割り振られるCM確認コードを含むCM素材のファイリング指示データを格納する。前記制御部は、前記データベースに格納されるCM素材ファイリング指示データに基づいて前記CM素材のファイリング処理及び照合処理を制御する。前記記憶部は、前記制御部からの指示に応じて、前記CM素材のMXFファイルを記憶する。前記ビデオサーバは、前記制御部からの指示に応じて、前記記憶部に記憶されたMXFファイルを取り込み、前記ファイリング指示データに示されるCM確認コードを入力し、前記MXFファイルに前記CM確認コードを重畳して前記記憶部に返送する。ここで、前記記憶部は、MXFファイルから低解像度ファイルを作成し保存する。また、MXFファイルのANC領域に重畳されているCM確認コードを抽出し、別ファイルとして保存する。前記バンク端末は、前記記憶部に記憶されるCM素材のMXFファイルまたは低解像度ファイルを読み出して、アプリケーションソフトによるソフトウェアプレビューを行う。前記バンク端末は、前記制御部からの指示に応じて、前記記憶部に別ファイルとして保存されたCM確認コードと、前記データベースの対応するCM素材ファイリング指示データに含まれるCM確認コードとを比較して、一致、不一致の比較結果を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る放送用CM素材バンクシステムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すシステムのCM素材ファイリング処理手順を示すフローチャートである。
図3図3は、図1に示すシステムのCM素材の照合処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、図3に示すCM素材におけるCM確認コードの照合処理結果、CM素材の映像、タイムバー形式等によるプレビューを表示する画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る放送用CM素材バンクシステム(以下、バンクシステムと記す)の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すバンクシステム11は、放送局に設けられ、広告代理店等から搬入されるCM素材を格納(ファイリング)し、個々のCM素材の確認を行いつつ送出する。具体的には、CM素材の搬入の受付時に、営放システム等の上位システム12から配信されるCM素材ファイリング指示データをバンク制御部111内のデータベース112に格納する。CM素材ファイリング指示データには、CM素材コードとCM確認コード(所謂10桁CMコード)が含まれる。
【0013】
上記バンク制御部111は、NAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続記憶装置)113、ビデオサーバ114、バンク端末115を制御下におく。
【0014】
上記NAS113は、バンク制御部111からの指示に応じて、広告代理店等から搬入されるCM素材のMXF(Material eXchange Format)ファイルを記憶し、記憶したMXFファイルをビデオサーバ114に送る。
【0015】
ビデオサーバ114は、バンク制御部111からの指示に応じて、NAS113から送出されるMXFファイルを取り込み、ファイリング指示データに示されるCM確認コードを入力し、MXFファイルにCM確認コードを重畳してNAS113に送る。
【0016】
NAS113は、ビデオサーバ114からCM確認コードが重畳されたMXFファイルを入力して低解像度ファイルを作成すると共に、MXFファイルに重畳されているCM確認コードを抽出する。
【0017】
バンク端末115は、アプリケーションソフトによるソフトウェアプレビュー表示機能を有し、NAS113からCM素材のMXFファイルまたは低解像度ファイルとCM確認コードを取り込み、ファイリング指示用データベース112からCM確認コードを読み出してNAS113からのCM確認コードと比較し、一致、不一致に応じてCM素材プレビューの表示、エラー表示を行う。
【0018】
上記構成において、以下に、図面を参照してCM素材ファイリング処理方法と整合チェック方法を説明する。
【0019】
図2は、図1に示すバンクシステム11のバンク制御部111におけるCM素材ファイリング処理手順を示すフローチャートである。
【0020】
まず、バンク制御部111は、広告代理店等からCM素材のMXFファイルの搬入を受け、上位システム12からCM素材コード、CM確認コードを含むCM素材ファイリング指示データが受信されると(ステップS11)、そのCM素材ファイリング指示データをデータベース112に格納する(ステップS12)。この指示データの格納状態は、モニタ表示可能とする。ここで、CM素材ファイリング指示データを受けたCM素材のMXFファイルが入力されたか判断し(ステップS13)、入力があればそのCM素材のMXFファイルをNAS113にいったん保存する(ステップS14)。
【0021】
続いて、NAS113に保存したCM素材のMXFファイルをビデオサーバ114に転送し(ステップS15)、ビデオサーバ114でCM素材のMXFファイルのANC領域にCM確認コードを重畳し、NAS113に転送して保存する(ステップS16)。さらに、NAS113でMXFファイルからモニタ用の低解像度ファイルを作成すると共に(ステップS17)、MXFファイルのANC領域からCM確認コードを抽出し、モニタ用の別ファイルを作成して保存し(ステップS18)、一連のファイリング処理を終了する。
【0022】
図3は、図1に示すシステムのバンク制御部111におけるCM素材送出時の照合処理手順を示すフローチャートである。
【0023】
まず、バンク制御部111は、CM素材プレビュー実行の指示を受けた場合に(ステップS21)、データベース112から指定CM素材のCM確認コードを読み出す(ステップS22)。一方、NAS113から指定されたCM素材のMXFファイル(またはその低解像度ファイル)と別ファイルとして保存されたCM確認コードを読み出し(ステップS23)、指定のCM素材MXFファイル(または低解像度ファイル)のプレビュー表示を実行する(ステップS24)。ここで、NAS113から読み出されたCM確認コードとデータベース112から読み出されたCM確認コードとを比較する(ステップS25)。
【0024】
その結果、両者が一致した場合には、モニタ画面にCM確認コードの一致を表示すると共に、該当するCM素材をプレビュー表示する(ステップS27)。不一致の場合には、モニタ画面にCM確認コードの不一致を表示すると共に、プレビューエラーを表示する(ステップS28)。
【0025】
図4は、図3に示すCM素材におけるCM確認コードの照合処理結果、CM素材の映像、タイムバー形式等によるプレビューを表示する画面を示す図で、(a)はCM素材の照合操作時における表示画面、(b)、(c)はそれぞれ(a)に示す表示画面のCM素材確認表示領域に表示される、照合一致時、不一致時の表示例を示している。
【0026】
まず、CM素材照合処理時の表示画面には、図4(a)に示すように、CM素材確認表示領域A1とプレビュー表示領域A2とを備える。CM素材確認表示領域A1には、ファイリング指示データにおけるCM確認コードとMXFファイルから取り出したCM確認コードとを比較表示する。
【0027】
ここで、両者が一致した場合には、図4(b)に示すように、「一致」を表示する。これにより、送出するCM素材のMXFファイルにCM確認コードが正しくファイリング(重畳)されていることをモニタ表示することができる。このとき、MXFファイルまたはその低解像度ファイルを再生してプレビュー表示領域A2に表示することで、視覚的にその内容も確認することが可能となる。
【0028】
一方、両者が一致しなかった場合には、図4(c)に示すように、「不一致」を表示する。これにより、送出するCM素材のMXFファイルにCM確認コードがファイリング指示データで指定のCM素材のCM確認コードと異なるもしくは重畳されていないことをモニタ表示することができる。このとき、MXFファイルまたはその低解像度ファイルは再生せず、プレビュー表示領域A2にはプレビューエラーを表示することで、視覚的に照合不一致によるエラー状況を確認することが可能となる。
【0029】
以上のように、本実施形態に係るバンクシステムでは、CM素材のファイリング作業時のCM確認コードの照合を容易に実行することが可能となり、CM素材の照合をアプリケーションソフトによって自動的にチェックを行うことができ、操作者の煩雑な照合作業を軽減することが可能となる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0031】
11…バンクシステム、111…バンク制御部、112…ファイリング指示用データベース、113…NAS、114…ビデオサーバ、115…バンク端末、12…上位システム(営放システム)。
図1
図2
図3
図4