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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023074397
(43)【公開日】2023-05-29
(54)【発明の名称】ダクト接続構造及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20230522BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230522BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H05K7/20 G
H05K7/20 H
F24F13/02 A
G06F1/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187348
(22)【出願日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 研介
【テーマコード(参考)】
3L080
5E322
【Fターム(参考)】
3L080AB03
5E322AB01
5E322AB11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BB03
(57)【要約】
【課題】たわみ継手による冷却風の乱れを抑制できるとともに、継手設置スペースを低減できるダクト接続構造及び電子機器を提供すること
【解決手段】ダクト接続構造は、チャンバと、たわみ継手と、を備える。チャンバには、接続されるダクトの先端が挿入される開口が形成される。たわみ継手は、前記ダクトが挿入され、一端が前記ダクトの先端に接続され、他端が前記チャンバに接続される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されるダクトの先端が挿入される開口が形成されたチャンバと、
前記ダクトが挿入され、一端が前記ダクトの先端に接続され、他端が前記チャンバに接続されるたわみ継手と、
を備えるダクト接続構造。
【請求項2】
前記たわみ継手は、一対のフランジと、前記一対のフランジに設けられた可撓性を有する管と、を有し、
前記一対のフランジの一方は、前記チャンバの前記開口の周囲に固定され、
前記一対のフランジの他方は、前記ダクトの先端に形成されたダクトフランジに固定され、
前記管は、前記ダクトの周囲に配置される、請求項1に記載のダクト接続構造。
【請求項3】
前記ダクトを前記チャンバの内面に固定する接続継手を備える、請求項1又は請求項2に記載のダクト接続構造。
【請求項4】
前記接続継手は、前記ダクト及び前記チャンバの内面と締結部材で締結される、三軸方向で前記ダクト及び前記チャンバの取付位置を調整できる、請求項3に記載のダクト接続構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のダクト接続構造と、
前記チャンバに接続される発熱部と、
を備える電子機器。
【請求項6】
前記チャンバ及び前記たわみ継手は、前記発熱部の一次側及び二次側のそれぞれに接続される、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記発熱部の二次側に接続される前記ダクトに設けられ、前記ダクトに向かって風の流れを案内する導風部を備える、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記ダクトを備える、請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記発熱部の一次側に接続される前記ダクトに接続される送風機を備える請求項8に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ダクト接続構造及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、放送波を送信する親局の送信機等の電子機器は、筐体内に設けられる発熱部、筐体内に設けられるチャンバ、筐体外に設けられるダクト、ダクトに接続される送風機等から構成される。筐体内に設けられるチャンバは、外気取入れのため、建物側に施工されたダクトに接続される。電子機器は、送風ダクトに接続された送風機から送風された冷却風を、送風ダクト及び送風チャンバを介して発熱部に送風し、発熱部を冷却する。
【0003】
ここで、筐体は、例えば、親局等の建造物の床面に設置され、そして、送風ダクトは、建造物の天井、壁又は床等に設置される。しかしながら、施工時に、送風ダクトと筐体内のチャンバとに位置ずれが生じることがある。また、地震等によって建造物が揺れたときに、設置場所の違いによって、送風ダクト及び送風チャンバに印加される振動の幅や方向が異なる場合がある。
【0004】
このため、筐体内のチャンバ及び筐体外のダクトは、位置ずれの吸収及び振動吸収等のために、たわみ継手を介して接続される。たわみ継手は、柔軟性のある材質で形成される。たわみ継手は、例えば、厚地に織った綿布や化繊布等の柔軟性のある材質で製作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-229934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、たわみ継手による冷却風の乱れを抑制できるとともに、継手設置スペースを低減できるダクト接続構造及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ダクト接続構造は、チャンバと、たわみ継手と、を備える。チャンバには、接続されるダクトの先端が挿入される開口が形成される。たわみ継手は、前記ダクトが挿入され、一端が前記ダクトの先端に接続され、他端が前記チャンバに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る電子機器の構成を模式的に示す説明図。
図2】第2の実施形態に係る電子機器の構成を模式的に示す説明図。
図3】第2の実施形態に係る電子機器に用いられるダクト接続構造の構成を示す断面図。
図4】第2の実施形態に係るダクト接続構造のダクト、たわみ継手、チャンバ及び接続継手の構成を示す斜視図。
図5】第2の実施形態に係る接続継手の構成を示す斜視図。
図6】第3の実施形態に係る接続継手の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態にかかるダクト接続構造2及び電子機器1について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態にかかる電子機器1の構成を模式的に示す説明図である。
【0010】
図1に示すように、電子機器1は、例えば、筐体11と、発熱部12と、二つのチャンバ13と、二つのたわみ継手14と、二つのダクト15と、送風機18と、を備える。電子機器1は、送風機18からダクト15及びチャンバ13を介して冷却風を発熱部12に供給し、そして、他方のチャンバ13及びダクト15から冷却風を排気することで、筐体11内の発熱部12を冷却できる。電子機器1は、筐体11が建造物の床に固定され、そして、二つのダクト15は、建造物の天井壁、側壁又は床に固定される。
【0011】
このような電子機器1は、例えば、放送波を送信する親局等の送信機である。なお、電子機器1は、通信機器やサーバ等であってもよい。即ち、電子機器1は、送風機18による冷却風によって筐体11内を強制冷却する構成であって、筐体11のチャンバ13内でチャンバ13及びダクト15をたわみ継手14で接続する構成であれば、種々の機器に適用できる。
【0012】
筐体11は、例えば、発熱部12及び二つのチャンバ13を収容又は保持する。筐体11は、例えば、発熱部12やチャンバ13の出し入れやメンテナンスが可能に、一部が開口可能に形成される。また、筐体11は、例えば、内壁部に各種のレール構造や支持構造を有し、発熱部12をスライドさせることにより装脱可能としてもよい。筐体11は、建造物内の電子機器1を敷設する床面に固定される。
【0013】
発熱部12は、例えば、複数が上下方向に並んで配置される。発熱部12は、例えば、電子ユニットである。例えば、発熱部12は、基板と、基板上に搭載される複数の電子部品と、ヒートシンクと、を備える。電子部品は、アンプやプロセッサ等の発熱部品を含む。または、発熱部12は、内部にヒートシンクを通る冷却風の流路が形成される。また、発熱部12は、導風板やファン等を有していてもよい。
【0014】
チャンバ13は、ダクト15とたわみ継手14を介して接続される。二つのチャンバ13のうち、一方のチャンバ13は、発熱部12の一次側に設けられ、他方のチャンバ13は、発熱部12の二次側に設けられる。ここで、発熱部12の一次側とは、冷却風の流れ方向で上流側であり、二次側とは、冷却風の流れ方向で下流側である。
【0015】
一方のチャンバ13は、複数の発熱部12へ流れる冷却風の流路を形成する。他方のチャンバ13は、複数の発熱部12から排気された冷却風の流路を形成する。
【0016】
チャンバ13は、天井壁13a、側壁13b及び底壁13cのいずれかに形成された、ダクト15が挿入される第1開口13dを有する。本実施形態においては、天井壁13aに第1開口13dが設けられる例を用いて説明する。また、チャンバ13には、側壁13bの発熱部12と対向する部位に、発熱部12と流体的に連続する第2開口13eが形成される。
【0017】
第1開口13dは、ダクト15を挿入可能な大きさに形成される。具体例として、第1開口13dは、ダクト15の先端面よりも大きな開口に設定される。第1開口13dの周囲には、たわみ継手14を締結するボルト等の締結部材25が挿入される孔が形成される。
【0018】
第2開口13eは、例えば、複数設けられる。複数の第2開口13eは、複数の発熱部12と同数であり、複数の発熱部12とそれぞれ対向する。なお、第2開口13eは、一つだけ設けられ、複数の発熱部12と対向する開口面積に設定される構成であってもよい。
【0019】
たわみ継手14は、一対のフランジ14aと、可撓性を有する管14bと、を備える。一対のフランジ14aの一方は、チャンバ13の第1開口13dの周囲に固定される。具体例として、一方のフランジ14aは、チャンバ13の内面側の第1開口13dの周囲に固定される。
【0020】
一対のフランジ14aの他方は、ダクト15の先端に設けられるフランジ(ダクトフランジ)15aに固定される。具体例として、他方のフランジ14aは、ダクト15のフランジ15aのチャンバ13と対向する面に固定される。チャンバ13の第1開口13dに接続される一方のフランジ14aは、ダクト15のフランジ15aに接続される他方のフランジ14aよりも大きい。本実施形態において、たわみ継手14の一対のフランジ14aは、外フランジである。なお、一対のフランジ14aは、内フランジであってもよく、また、一対のフランジ14aのうち、一方のフランジ14aが外フランジであり、他方のフランジ14aが内フランジであってもよい。
【0021】
管14bは、撓むことができる材料、例えば、厚地に織った綿布や化繊布等の柔軟性のある材料で形成される。具体例として、管14bは、キャンバス生地により形成される。管14bは、ダクト15を挿入可能に形成される。即ち、管14bの内形状は、ダクト15の外形状よりも大きい。そして、たわみ継手14がチャンバ13及びダクト15を接続するときに、管14bは、ダクト15の周囲に配置される。
【0022】
なお、ダクト15が分割可能であり、管14bにダクト15を挿入可能な構成であるときは、管14bの内形状は、ダクト15の管部の外形状よりも大きく、且つ、ダクト15のフランジ15aの外形よりも小さい形状に形成される。ダクト15が分割できない場合には、管14bの内形状は、ダクト15の管部の外形状及びダクト15のフランジ15aの外形状よりも大きい形状に形成される。
【0023】
このようなチャンバ13及びたわみ継手14は、ダクト15を接続するダクト接続構造2を構成する。
【0024】
ダクト15は、冷却風の流路を形成する。二つのダクト15のうち一方のダクト15は、一次側の端部が送風機18に接続され、二次側の端部が、発熱部12の一次側のチャンバ13に接続される。二つのダクト15のうち他方のダクトは、一次側の端部が、発熱部12の二次側のチャンバ13に接続され、二次側の端部が、冷却風を排気する排気先に接続される。
【0025】
ダクト15の端部は、チャンバ13内に配置され、チャンバ13内においてたわみ継手14を介してチャンバ13と接続される。
【0026】
送風機18は、一方のダクト15に接続される。送風機18は、冷却風をダクト15に送風する。送風機18は、例えば、ブロアファンである。
【0027】
このように構成された電子機器1は、送風機18から送風された冷却風が、一方のダクト15、及び、該一方のダクト15にたわみ継手14を介して接続された一方のチャンバ13を通って複数の発熱部12に流れ、複数の発熱部12を冷却する。そして、複数の発熱部12を冷却した冷却風は、他方のチャンバ13及び該他方のチャンバ13にたわみ継手14を介して接続された他方のダクト15を通って排気される。
【0028】
このような電子機器1のチャンバ13及びダクト15は、チャンバ13内において、たわみ継手14を介して接続される。このため、ダクト15の端部の開口はチャンバ13内に存する。よって、送風機18から送風された冷却風の流路は、チャンバ13及びダクト15によって形成される。また、ダクト15の外周面より外側に配置されるたわみ継手14が冷却風の流路を構成しない。換言すると、チャンバ13により形成される流路及びダクト15により形成される流路の間に、たわみ継手14により形成される流路が配置されない。さらに換言すると、電子機器1及びダクト接続構造2は、たわみ継手14が冷却風の流路を直接的に形成しない構成である。
【0029】
このため、電子機器1及びダクト接続構造2は、冷却風が、撓むことで凹凸状となるか、又は、冷却風の圧力によって変形するたわみ継手14を通過することを抑制できる。よって、電子機器1及びダクト接続構造2は、たわみ継手14が撓むことにより生じる冷却風の流れの乱れの発生を抑制できる。電子機器1及びダクト接続構造2は、冷却風の流れの乱れを抑制することで、圧力損失が生じることを抑制し、冷却風の風量の低下を防止することができる。
【0030】
また、電子機器1及びダクト接続構造2は、ダクト15の端部をチャンバ13内に配置し、チャンバ13内でダクト15をたわみ継手14でチャンバ13の開口と接続する。このため、筐体11(チャンバ13)の外にたわみ継手14を配置するスペースが不要となることから、電子機器1の設置に要する空間を小さくすることができる。
【0031】
また、たわみ継手14は、管14bが撓むことで一対のフランジ14aの相対位置を変えることができる。よって、電子機器1及びダクト接続構造2は、たわみ継手14でチャンバ13及びダクト15を接続することで、チャンバ13とダクト15との三軸方向の位置ずれが生じていても、チャンバ13及びダクト15を接続することが容易となる。特に、電子機器1の施工において、例えば、筐体11の床面への設置及びダクト15の建造物の天井、側壁又は床面への設置が別々に行われる場合において、筐体11及びダクト15の寸法誤差や施工時の位置ずれが生じることがある。しかしながら、本実施形態の電子機器1及びダクト接続構造2は、たわみ継手14を用いることで筐体11及びダクト15の設置作業が容易となる。
【0032】
また、地震が発生したときなど、建造物が揺れた場合に、筐体11及びダクト15の取り付け位置によって、筐体11(チャンバ13)及びダクト15の振動の方向及び大きさが異なることがある。しかしながら、実施形態の電子機器1及びダクト接続構造2は、たわみ継手14を介してチャンバ13及びダクト15を接続する構成であるから、チャンバ13及びダクト15の振動の方向及び大きさが異なっても、チャンバ13及びダクト15の接続部に振動による力が集中することを防止できる。このように、たわみ継手14は、チャンバ13及びダクト15の位置ずれ吸収及び振動吸収を行うことができる。
【0033】
上述したように、第1の実施形態に係る電子機器1及びダクト接続構造2によれば、チャンバ13内において、たわみ継手14でチャンバ13及びダクト15を接続することで、たわみ継手14による冷却風の乱れを抑制できるとともに、たわみ継手14の設置スペースを低減できる。
【0034】
なお、実施形態は上述した例に限定されない。次に、第2の実施形態に係る電子機器1及びダクト接続構造2について、図2乃至図5を用いて説明する。なお、第2の実施形態に係る電子機器1A及びダクト接続構造2Aのうち、上述した第1の実施形態に係る電子機器1及びダクト接続構造2と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
図2に示すように、電子機器1Aは、例えば、筐体11と、発熱部12と、二つのチャンバ13と、二つのたわみ継手14と、二つのダクト15と、接続継手16と、送風機18と、を備える。なお、チャンバ13、たわみ継手14及び接続継手16は、ダクト接続構造2Aを構成する。
【0036】
例えば、電子機器1Aは、チャンバ13(筐体11)及びダクト15が取り付けられる建造物の取付面が同じであり、チャンバ13及びダクト15が接続継手16を介して固定される構成が、上述した第1の実施形態に係る電子機器1及びダクト接続構造2と異なる。例えば、第2の実施形態の電子機器1Aは、チャンバ13及びダクト15の振動を吸収する必要がなく、施工時等のチャンバ13及びダクト15の位置ずれを吸収する場合に用いられる例である。
【0037】
例えば、筐体11(チャンバ13)及びダクト15は、筐体11及びダクト15が建造物の同じ取付面に設置される。より具体例としては、筐体11(チャンバ13)は、建造物の床面に固定され、そして、ダクト15は、筐体11が固定される床面に形成された開口部に固定される。そして、ダクト15の一端は、チャンバ13内に配置される。このため、地震等が発生して筐体11(チャンバ13)及びダクト15に生じる振動は、同じ振動の幅及び方向となることから、チャンバ13及びダクト15は、振動吸収が不要となる。このため、チャンバ13及びダクト15は、接続継手16を介して固定できる。
【0038】
本実施形態の例において、チャンバ13の第1開口13dは、側壁13bに形成される。
【0039】
接続継手16は、チャンバ13及びダクト15に固定され、チャンバ13にフランジ15aを固定する。接続継手16は、チャンバ13にダクト15を固定するときに、ダクト15のチャンバ13に対する位置に合わせて、チャンバ13及びダクト15の取り付け位置を三軸方向で調整可能に形成される。
【0040】
具体例として、接続継手16は、例えば、第1継手21と、第2継手22と、複数の締結部材25と、を備える。
【0041】
第1継手21は、例えば、チャンバ13に締結部材25によって固定される。第1継手21は、例えば、第1板部31と、第1板部31と同じ方向に延びる第2板部32と、を備える。第1板部31及び第2板部32は、例えば、一枚の金属板を、異なる方向に90度で二か所を曲げ加工することで形成される。このため、第1板部31及び第2板部32は、各板部31、32の主面方向にずれて配置されるとともに、面方向に直交する方向で離間する。例えば、第1板部31は、一方向に延びる第1長孔31aが複数形成される。
【0042】
第1長孔31aは、長手方向の幅が、締結部材25のネジ部の外径よりも大きく、そして、短手方向の幅が締結部材25のネジ部が挿入可能に該ネジ部よりも若干大きい幅に設定される。より具体例としては、第1長孔31aの長手方向の幅は、締結部材25に用いられる平座金の外径よりも大きく、第1長孔31aの短手方向の幅は、該平座金の外径よりも小さい。第2板部32は、例えば、締結部材25のネジ部が挿入される丸孔32aが複数形成される。
【0043】
第2継手22は、たわみ継手14が固定されたダクト15のフランジ15aに締結部材25によって固定される。第2継手22は、例えば、第3板部41と、第3板部41と直交する方向に延びる第4板部42と、を備える。第3板部41及び第4板部42は、例えば、一枚の金属板を一か所で90度に曲げ加工することで形成される。例えば、第3板部41は、第2板部32の主面と対向して配置される。第3板部41は、第2板部32と対向して配置されたときに、第1板部31に形成された第1長孔31aと直交する方向に延びる第2長孔41aが複数形成される。第2長孔41aは、第2板部32に形成される丸孔32aと同数設けられ、丸孔32aと対向する。第4板部42は、第3板部41及び第2板部32が対向して配置されたときに、第1板部31に形成された第1長孔31a及び第3板部41に形成された第2長孔41aと直交する方向に延びる第3長孔42aが複数形成される。
【0044】
第2長孔41aは、長手方向の幅が、締結部材25のネジ部の外径よりも大きく、そして、短手方向の幅が締結部材25のネジ部が挿入可能に該ネジ部よりも若干大きい幅に設定される。より具体的な例としては、第2長孔41aの長手方向の幅は、締結部材25に用いられる平座金の外径よりも大きく、第2長孔41aの短手方向の幅は、該平座金の外径よりも小さい。
【0045】
第3長孔42aは、長手方向の幅が、締結部材25のネジ部の外径よりも大きく、そして、短手方向の幅が締結部材25のネジ部が挿入可能に該ネジ部よりも若干大きい幅に設定される。より具体的な例としては、第3長孔42aの長手方向の幅は、締結部材25に用いられる平座金の外径よりも大きく、第3長孔42aの短手方向の幅は、該平座金の外径よりも小さい。
【0046】
例えば、第1長孔31a、第2長孔41a及び第3長孔42aの長手方向の幅は、同じに設定されていてもよく、また、位置ずれの調整量(吸収量)が三軸方向で異なる場合には、異なる長さに設定されてもよい。
【0047】
このような接続継手16は、第1継手21及び第2継手22が締結部材25によって固定される。また、第1継手21は、チャンバ13に形成された締結部材25が挿入される丸孔13fと対向し、チャンバ13に締結部材25により固定される。第2継手22は、ダクト15のフランジ15aに形成された締結部材25が挿入される丸孔15cと対向し、フランジ15aに締結部材25により固定される。また、接続継手16は、第1継手21及び第2継手22の相対位置、第1継手21及びチャンバ13の相対位置、及び、第2継手22及びダクト15のフランジ15aの相対位置が、各長孔31a、41a、42aによって調整できる。よって接続継手16は、チャンバ13及びダクト15に三軸方向の位置ずれが生じていても、チャンバ13及びダクト15を接続することができる。
【0048】
このように構成された電子機器1A及びダクト接続構造2Aによれば、上述した電子機器1及びダクト接続構造2と同様に、たわみ継手14による冷却風の乱れを抑制できるとともに、たわみ継手14の設置スペースを低減できる。また、電子機器1A及びダクト接続構造2Aは、振動吸収が不要な構成であるため、接続継手16により、チャンバ13及びダクト15を固定することができる。加えて、接続継手16は、三軸方向で締結部材25によるチャンバ13及びダクト15の取付位置を調整できる。よって、電子機器1A及びダクト接続構造2Aは、チャンバ13及びダクト15の位置ずれが生じていても、位置ずれを吸収することができるとともに、チャンバ13及びダクト15を固定することができる。
【0049】
上述したように、第2の実施形態に係る電子機器1A及びダクト接続構造2Aによれば、チャンバ13内において、たわみ継手14でチャンバ13及びダクト15を接続することで、たわみ継手14による冷却風の乱れを抑制できるとともに、たわみ継手14の設置スペースを低減できる。
【0050】
また、実施形態は上述した例に限定されない。例えば、図6に示す第3の実施形態のように、例えば、ダクト15のフランジ15aに、チャンバ13及びダクト15の冷却風の流れ方向を案内する導風板17を設ける構成としてもよい。これは、ダクト15がチャンバ13内に配置されることから、たわみ継手14の可撓性を有する管14bを冷却風が通過することを防止できるが、チャンバ13内にたわみ継手14が存することから、冷却風の一部がたわみ継手14の管14bに移動する虞がある。しかしながら、導風板17を設け、管14bに冷却風が移動することを防止することで、たわみ継手14による影響をさらに抑制することができる。
【0051】
なお、導風板17は、図6に示すように、二次側のダクト15に設ける構成であってもよく、また、二次側のダクト15に加えて一次側のダクト15に設ける構成であってもよい。例えば、導風板17は、ダクト15のフランジ15a側から先端に向かって幅が漸次増加する構成の板とすればよい。また、導風板17の他の例としては、導風板17をフランジ15aに、フランジ15aの面方向に延びる板状とし、たわみ継手14の管14bへの流路を閉塞する構成としてもよい。
【0052】
また、例えば、上述した例では、発熱部12の一次側及び二次側のそれぞれで、チャンバ13にたわみ継手14を介してダクト15を接続する構成を説明したがこれに限定されない。即ち、電子機器1は、発熱部12の一次側及び二次側の一方にダクト接続構造2を設ける構成としてもよい。これは、送風機18をチャンバ13に直接取り付ける構成とする場合や、排気のための二次側のダクト15を建造物に設けない構成とする場合等に適用できる。また、ダクト接続構造2を、すでに設置している発熱部12を有する電子機器に後付けで取り付ける構成としてもよい。
【0053】
また、上述した例では、ダクト15をチャンバ13にたわみ継手14を介して接続する構成を説明したが、上述したチャンバ13とは、ダクト15と発熱部12とを流体的に接続する部材を意味する。よって、チャンバ13には、ダクトが含まれる。このため、上述したダクト接続構造2は、ダクトであるチャンバ13にダクト15を接続すること、即ち、ダクト同士を接続することに適用できることは勿論である。
【0054】
また、上述したチャンバ13、たわみ継手14及びダクト15は、矩形筒状や円筒状等、種々の形状を適用することができる。
【0055】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、電子機器及びダクト接続構造によれば、チャンバ内において、たわみ継手でチャンバ及びダクトを接続することで、たわみ継手による冷却風の乱れを抑制できるとともに、たわみ継手の設置スペースを低減できる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…電子機器、2…ダクト接続構造、11…筐体、12…発熱部、13…チャンバ、13a…天井壁、13b…側壁、13c…底壁、13d…第1開口、13e…第2開口、13f…丸孔、14…たわみ継手、14a…フランジ、14b…管、15…ダクト、15a…フランジ、15c…丸孔、16…接続継手、17…導風板、18…送風機、21…第1継手、22…第2継手、25…締結部材、31…第1板部、31…板部、31a…第1長孔、32…第2板部、32a…丸孔、41…第3板部、41a…第2長孔、42…第4板部、42a…第3長孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6