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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075621
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】ジオポリマー発泡体
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/02 20060101AFI20230524BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
C04B38/02 C
C04B38/00 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188633
(22)【出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】島田 昌紀
(72)【発明者】
【氏名】横山 祐三
(72)【発明者】
【氏名】蔦尾 友重
(57)【要約】
【課題】低粘度でも短時間の撹拌によりで安定した気泡を発生させることができるジオポリマー発泡体を提供すること。
【解決手段】ジオポリマー発泡体は、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液100重量部と、BET比表面積が10m/g以上14m/g以下であるメタカオリン50~100重量部と、整泡剤と、発泡剤と、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液100重量部と、
BET比表面積が10m/g以上14m/g以下であるメタカオリン50~100重量部と、
整泡剤と、発泡剤と、を含むことを特徴とする、ジオポリマー発泡体。
【請求項2】
前記珪酸塩水溶液の下記数式(1)で表される数値nが0.5以上1.1以下である、請求項1に記載のジオポリマー発泡体。
n=S/M・・・(1)
(S:水溶液に含まれるケイ素のモル数、M:水溶液に含まれるアルカリ金属のモル数)
【請求項3】
前記メタカオリンの電気伝導率差が0.4mS/cm以上である、
請求項1又は2に記載のジオポリマー発泡体。
【請求項4】
前記メタカオリンのメジアン径が4μm以上6μm以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のジオポリマー発泡体。
【請求項5】
前記整泡剤が脂肪酸塩化合物である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のジオポリマー発泡体。
【請求項6】
前記整泡剤がステアリン酸塩化合物である、
請求項1~5のいずれか1項に記載のジオポリマー発泡体。
【請求項7】
前記整泡剤がステアリン酸亜鉛である、
請求項1~6に記載のいずれか1項の記載のジオポリマー発泡体。
【請求項8】
前記発泡剤が濃度5重量%以上35重量%以下の過酸化水素水溶液である、
請求項1~7のいずれか1項に記載のジオポリマー発泡体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジオポリマーと発泡剤を使用したジオポリマー発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
不燃性の無機材料として、従来からポルトランドセメントが多く使用されており、珪石、セメント、生石灰を主原料とし、発泡剤としてアルミ粉末を加え、オートクレーブの中で高温高圧蒸気養生を行った軽量気泡コンクリートなどが良く知られている。
【0003】
軽量気泡コンクリートはその気泡を内包する構造と不燃性を活かし、軽量の建築材料や耐火断熱材料、遮音材料、調湿材料として利用されている。
【0004】
しかしながらコンクリートは酸に弱く、また500℃以上に加熱されると強度低下が起こると言われており、火災や酸を想定するような用途での使用は不安が残るものであった。
【0005】
ポルトランドセメントを使用しないコンクリートを製造する技術として、ジオポリマーが近年注目されている。ジオポリマーは、アルミナシリカ粉体をアルカリ溶液で反応させた硬化物であり、中心となるアルミノ珪酸構造は熱や酸に強いことが知られている。
【0006】
ジオポリマーを使った発泡体も研究されており、例えば特許文献1では、高炉スラグ粉末を含む活性フィラーと、アルカリ溶液と、発泡剤とゼオライトを使ったジオポリマー発泡体が報告されている。また、特許文献2では無機粒子と、両親媒性化合物と、無機バインダー混合物、高炉スラグ等と、アルカリ金属水酸化物等を化学的、物理的又は機械的に発泡させたジオポリマー発泡体が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6430268号公報
【特許文献2】特表2020‐511387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、アルカリ溶液を用いるジオポリマーは発泡コンクリートに比べて気泡の安定化が難しく、特許文献1では固体成分に対する液体比率を下げて極力混合物の粘度を上げることにより気泡を安定化させており、粘度が高いことによる取り扱いの難しさがあった。
【0009】
また特許文献2では安定した気泡を発生させるために長時間の機械撹拌を行う必要があり、作業性の面で取り扱いにくさがあった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低粘度でも短時間の撹拌によりで安定した気泡を発生させることができるジオポリマー発泡体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は以下の発明を含む。
【0012】
第1の態様のジオポリマー発泡体は、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液100重量部と、BET比表面積が10m/g以上14m/g以下であるメタカオリン50~100重量部と、整泡剤と、発泡剤と、を含むことを特徴とする。
【0013】
このように、BET比表面積が10~14m/gであるメタカオリンに、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液加えることより、液体比率を高く保ったまま発泡体に適した混合液となり、整泡剤と発泡剤を加え短時間の混合で、安定した気泡を発生させた発泡体を成形することが可能となる。
【0014】
第2の態様のジオポリマー発泡体は、第1の態様のジオポリマー発泡体であって、珪酸塩水溶液の下記数式(1)で表わされる数値nが0.5以上1.1以下である。
n=S/M・・・(1)
(S:水溶液に含まれるケイ素のモル数、M:水溶液に含まれるアルカリ金属のモル数)
このように珪酸塩水溶液の上記数式(1)で表わされる数値nを0.5以上とすることによって珪酸塩水溶液の安定性を保つことができ、1.1以下とすることによってメタカオリンとの反応性を十分に確保することができる。
【0015】
第3の態様のジオポリマー発泡体は、第1または第2の態様のジオポリマー発泡体であって、メタカオリンの電気伝導率差が0.4mS/cm以上である。
【0016】
このようにメタカオリンの電気伝導率差を0.4mS/cm以上とすることによって、珪酸塩水溶液との反応性を十分に確保することができる。
【0017】
第4の態様のジオポリマー発泡体は、第1~3のいずれかの態様のジオポリマー発泡体であって、メタカオリンのメジアン径が4μm以上6μm以下である。
【0018】
このようにメタカオリンのメジアン径を4μm以上6μm以下とすることによって、取り扱いが容易な流動性と気泡が安定する粘性を併せ持つ混合液にすることができる。
【0019】
第5の態様のジオポリマー発泡体は、第1~4のいずれかの態様のジオポリマー発泡体であって、整泡剤が脂肪酸塩化合物である。
【0020】
このように整泡剤を脂肪酸塩化合物とすることによって、発泡剤によってジオポリマー中に発生した気泡を安定した状態で保つことができる。
【0021】
第6の態様のジオポリマー発泡体は、第1~5のいずれかの態様のジオポリマー発泡体であって、整泡剤がステアリン酸塩化合物である。
【0022】
このように整泡剤をステアリン酸塩化合物とすることによって、発泡剤によってジオポリマー中に発生した気泡を安定した状態で保つことができる。
【0023】
第7の態様のジオポリマー発泡体は、第1~6のいずれかの態様のジオポリマー発泡体であって、整泡剤がステアリン酸亜鉛である。
【0024】
このように整泡剤をステアリン酸亜鉛とすることによって、発泡剤によってジオポリマー中に発生した気泡を安定した状態で保つことができる。
【0025】
第8の態様のジオポリマー発泡体は、第1~7のいずれかの態様のジオポリマー発泡体であって、発泡剤が濃度5重量%以上35重量%以下の過酸化水素水溶液である。
【0026】
このように発泡剤を濃度5重量%以上35重量%以下の過酸化水素水溶液とすることによって、ジオポリマー中に発生した気泡を安定した状態で保つことができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、低粘度でも短時間の撹拌により安定した気泡を発生させることができるジオポリマー発泡体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示のジオポリマー組成物は、
珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液と、
BET比表面積が10~14m/gであるメタカオリンと、
整泡剤と発泡剤とを含む。
【0029】
以下、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液とメタカオリンとを含む組成物からなる硬化物を、ジオポリマーという場合がある。
【0030】
このような構成、つまり、BET比表面積が10~14m/gであるメタカオリンに、珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む珪酸塩水溶液加えることより、液体比率を高く保ったまま発泡体に適した混合液となり、整泡剤と発泡剤を加えて短時間混合することで、安定した気泡を発生させた発泡体を成形することが可能となる。
【0031】
(珪酸塩水溶液)
珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む珪酸塩は、ジオポリマー組成物において、水溶液の形態で使用されることが多い。
【0032】
珪酸塩水溶液は、珪酸ナトリウム、または珪酸カリウムである。ジオポリマー組成物において、これら珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムは、少なくとも1種が含有されていればよく、2種が含有されているものでもよい。
【0033】
ジオポリマー組成物におけるこれらの珪酸塩は、MO(Mはナトリウム、またはカリウム)とSiOの合計量に換算して、20重量%以上50重量%以下の濃度の水溶液の形態で存在しているものが好ましく、25重量%以上35重量%以下の濃度の水溶液がより好ましい。
【0034】
言い換えると、ジオポリマー組成物における珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の珪酸塩は、その合計含有率が、ジオポリマー組成物から得られる硬化物の乾燥固形分に対し、MO(Mはナトリウム、カリウム)とSiOの合計量に換算して、5重量%以上30重量%以下であることが好ましく、10重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。
【0035】
珪酸ナトリウムおよび珪酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の珪酸塩の水溶液は、下記数式で表される数値nが0.4以上1.1以下であるものが好ましく、0.5以上1.1以下であるものがより好ましく、0.5以上1.0以下であるものがさらに好ましい。
【0036】
n=S/M
(式中、Sは水溶液に含まれるケイ素のモル数を表し、Mは水溶液に含まれるアルカリ金属のモル数を表す。)
【0037】
(メタカオリン)
メタカオリンは、天然粘土鉱物であるカオリンを700℃以上900℃以下の高温処理することにより結晶水を放出し、結晶構造を崩壊して活性化および多孔質化させたものである。
【0038】
メタカオリンは、アルカリにより刺激を受けて硬化し得る物質であり、反応性の観点からアルミナ成分をAl換算した場合のアルミナ成分含有量が30重量%以上であるものが好ましい。
【0039】
メタカオリンは通常、粉末状であるが、粉砕分級によりその粒径と比表面積を変化させて用いることができる。メタカオリンの比表面積は気泡を安定させるという観点から、BET比表面積を10m/g以上14m/g以下とすることが好ましく、より好ましくは12m/g以上14m/g以下である。この範囲の比表面積とすることで、混合液のチクソ性によって取り扱いが容易な流動性と気泡が安定する粘性を併せ持つことができる。
【0040】
混合液の流動性と粘性の観点から、メタカオリンの粒子径はメジアン径を4μm以上15μm以下とすることが好ましく、より好ましくは4μm以上6μm以下である。
【0041】
メタカオリンは、電気伝導率差0.4mS/cm以上であるものが好ましく、0.5mS/cm以上、0.6mS/cm以上又は0.7mS/cm以上であるものがより好ましく、0.8mS/cm以上、1.0mS/cm以上、1.2mS/cm以上であるものがさらに好ましい。
【0042】
このような電気伝導率差とすることにより、珪酸塩水溶液との反応性を十分に確保することができる。電気伝導率差は、アルカリ物質により誘発される物質(ポゾラン活性物質)の反応性に関連する指標であり、メタカオリンについて『Cement Concrete Research, Vol.19, pp.63-68, 1989』に従い、40±1℃の条件で、Ca(OH)飽和水溶液200mlの電気伝導率を測定し、続いてメタカオリン5gを投入し、攪拌して2分後の電気伝導率を測定し、投入前の電気伝導率との差を意味する。
【0043】
メタカオリンは、珪酸塩水溶液100重量部に対し、流動性を保ちつつ気泡の安定性を確保するという観点から50重量部以上100重量部以下含まれていることが好ましく、60重量部以上90重量部以下含まれていることがより好ましい。この範囲よりも多ければ流動性を確保することが難しくなり、この範囲よりも少なければ気泡の安定性を確保することが困難となる。
【0044】
また別の観点から、メタカオリンは、それに由来するアルミニウムの含有率が、硬化物の乾燥固形分に対し、Alに換算して、20重量%以上40重量%以下となるように配合されることが好ましく、より好ましくは25重量%以上35重量%以下である。この範囲とすることで、硬化物の強度を十分に発現することができる。
【0045】
(整泡剤)
整泡剤としては発泡体成形で使われている従来公知の界面活性剤や両親媒性構造を持つ組成物を用いることができるが、珪酸塩水溶液との相性の観点から、陰イオン系界面活性剤や有機酸の金属塩を用いることが好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、バリウム塩などが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種類以上を併用して用いることも可能である。
【0046】
配合量が少なすぎると気泡を安定させることができず、多すぎるとジオポリマーの硬化反応を阻害するため、珪酸塩水溶液に対して0.5重量部以上10重量部以下配合されることが好ましく、より好ましくは0.5重量部以上4重量部以下である。
【0047】
(発泡剤)
発泡剤としては発泡コンクリートで使われている従来公知の発泡剤を使うことができ、例えば金属アルミニウム、金属珪素、過酸化水素、過炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0048】
配合量は、希望する比重に合わせて任意に調整することが可能であるが、気泡が多くなりすぎると気泡の安定性が低下することに留意が必要である。このため、過酸化水溶液の濃度は、5重量%以上35重量%以下が好ましい。
【0049】
(その他の成分)
ジオポリマー発泡体は、上記成分に加えて、当該分野で公知の添加剤を含んでいてもよい。例えば、フィラー、改質剤、分散剤、硬化時間調整剤、顔料、酸化防止剤、ポリマーエマルション等が挙げられる。これらは特に限定されず、公知のものを任意の含有量で利用することができるが、混合液の流動性や整泡剤の気泡安定性に影響を与えることもあり、注意が必要である。
【0050】
フィラーとしては、一般に充填剤として使用されるもののいずれであってもよい。例えば、カーボン、セルロース、鉱物質微粉末、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、その他合成された無機質結晶粉末などが挙げられる。
【0051】
改質剤としては珪酸塩水溶液と反応することでジオポリマーの硬化を助けることができる各種金属塩が挙げられ、例えば、酸化カルシウム、軽焼酸化マグネシウム、亜鉛華、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。また、廃棄物の有効利用の観点から使用されることが多い高炉水砕スラグも利用することができる。
【実施例0052】
以下、本願のジオポリマー発泡体を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
JIS K 1408で規定する3号珪酸ナトリウム水溶液(SiO換算で29重量%のSiO成分を含む)100gと、
16重量%水酸化ナトリウム水溶液75gと、を
24時間攪拌して珪酸塩水溶液を得た(n=0.8)。
【0054】
メタカオリン(BASF社製 商品名:SP-33 BET比表面積13.0m/g メジアン径4.8μm 電気伝導率差1.1mS/cm)70gと、整泡剤としてステアリン酸亜鉛(富士フイルム和光純薬製)1.0g、混合し、さらに珪酸塩水溶液100gを加え、ミキサーにて3分間混合した。
【0055】
混合液に発泡剤として過酸化水素水(富士フイルム和光純薬製)を過酸化水素濃度が25重量%になるように調整した過酸化水素水5gを加え、均一に混合するために30秒間撹拌を行った。
【0056】
混合液をポリプロピレン製型枠に流し込み、23℃50%RHの環境にて1日養生を行うことで発泡と硬化を進め、ジオポリマー発泡体を得た。
【0057】
(実施例2)
過酸化水素水の濃度を12重量%に調整した以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0058】
(実施例3)
整泡剤をステアリン酸カルシウム(富士フイルム和光純薬製)とした以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0059】
(実施例4)
整泡剤をステアリン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬製)とした以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0060】
(実施例5)
整泡剤をステアリン酸アルミニウム・ジ(富士フイルム和光純薬製)とした以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0061】
(実施例6)
整泡剤をラウリン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬製)とした以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0062】
(実施例7)
珪酸塩水溶液として、JIS K 1408で規定する1号珪酸ナトリウム水溶液を純水で2倍に希釈(n=1.0)したものを使用した以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0063】
(実施例8)
珪酸塩水溶液として、珪酸カリウム溶液(50重量% 富士フイルム和光純薬製)を純水で2倍に希釈(n=1.0)したものを使用した以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0064】
(比較例1)
メタカオリンとして、三菱重工業社製ウルトラファインミル(ジルコニアボール直径10mm使用、ボール充填率85%)にて、3.3KW/kgのエネルギーで、3時間処理したメタカオリン(BET比表面積16.8m/g メジアン径3.6μm 電気伝導率差1.1mS/cm)を使用した以外は実施例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0065】
(比較例2)
過酸化水素水の濃度を12重量%に調整した以外は比較例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0066】
(比較例3)
珪酸塩水溶液として、JIS K 1408で規定する1号珪酸ナトリウム水溶液を純水で2倍に希釈(n=0.8)したものを使用した以外は比較例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0067】
(比較例4)
珪酸塩水溶液として、珪酸カリウム溶液(約50重量% 富士フイルム和光純薬製)を純水で2倍に希釈(n=0.8)したものを使用した以外は比較例1と同様にしてジオポリマー発泡体を得た。
【0068】
得られたジオポリマー発泡体は、さらに60℃の環境にて4時間養生し、23℃50%RHの環境にて7日間の自然乾燥を行った後、比重を測定した。
【0069】
以下に発泡剤未使用の硬化物比重をもとに発泡剤が100%気化したとして計算した比重の推定値、実際に測定した比重の実測値を示す。
【0070】
(表1)
【0071】
このように本開示のジオポリマー発泡体は、液体成分が多い低粘度の混合液でありながら、短時間の撹拌により安定した気泡を発生させることができ、発泡剤から発生する気泡を発泡体内に十分に留めた状態のジオポリマー発泡体を提供することができる。