(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023075898
(43)【公開日】2023-05-31
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20230524BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20230524BHJP
A63H 33/26 20060101ALI20230524BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20230524BHJP
【FI】
G06F30/10 100
A63H33/08 C
A63H33/26 Z
G06F30/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102710
(22)【出願日】2022-06-27
(62)【分割の表示】P 2021188652の分割
【原出願日】2021-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】521509125
【氏名又は名称】Archess株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘンメン 賢獅アレックザンダー
【テーマコード(参考)】
2C150
5B146
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BA23
2C150DD08
2C150DD15
2C150ED42
2C150EH09
2C150FD09
5B146AA07
5B146BA01
5B146BA04
5B146DC03
5B146DC04
5B146EA15
(57)【要約】
【課題】実空間および仮想空間でともに円滑な創作活動ができ、ユーザ体験を一層向上させるシステムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様では、複数の板状のパネルで構成される3次元構造体を管理するシステムであって、パネルを収納するための収納機構と、パネルを移動させて3次元構造体を組み立てる組立機構と、制御部と、を備え、制御部は、収納機構に収納されたパネルを、設計された内容に基づいて配置されるように組立機構に指示する組立指示部、を含む、システムが提供される。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板状のパネルで構成される3次元構造体を管理するシステムであって、
前記パネルを収納するための収納機構と、
前記パネルを移動させて前記3次元構造体を組み立てる組立機構と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記収納機構に収納された前記パネルを、設計された内容に基づいて配置されるように前記組立機構に指示する組立指示部、を含む、システム。
【請求項2】
前記組立機構は、前記パネルを移動させて前記3次元構造体を組み立てるロボットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、さらに、
前記パネル間に取り付けられ、当該パネル間を連結するための連結機構を備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記連結機構は、ファスナーで構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記組立機構は、前記パネル間に取り付けられる動力源を備える、請求項1~請求項4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、さらに、
配置後の前記パネルを固定するための固定機構を備える、請求項1~請求項5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記パネルの配置および形状の少なくとも一方を設計するための設計部を備える、請求項1~請求項6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記設計部は、
ユーザから前記3次元構造体の構造についての情報を受け付ける、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記設計部は、
機械学習を用いて前記3次元構造体の構造または形状を最適化するように設計する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、さらに、
前記パネルを搬送するための搬送部材を備える、請求項1~請求項9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、さらに、
前記組立部による前記3次元構造体の組立を記録し、配信する配信部を備える、請求項1~請求項9のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
複数の板状のパネルで構成される3次元構造体を管理するプログラムであって、
前記3次元構造体は、前記パネルを収納するための収納機構と、
前記パネルを移動させて前記3次元構造体を組み立てる組立機構と、を備え、
コンピュータの制御部に、前記収納機構に収納された前記パネルを、設計された内容に基づいて配置されるように前記組立機構に指示させる組立指示ステップを実行させる、プログラム。
【請求項13】
複数の板状のパネルで構成される3次元構造体を製造する方法であって、
前記パネルの配置および形状の少なくとも一方を設計する設計工程と、
設計された内容に前記パネルを製造するパネル製造工程と、
パネルを収納する収納機構に、製造された前記パネルを収納するパネル収納工程と、
設計された配置になるように、前記パネルを収納部から移動させて前記3次元構造体を組み立てる組立工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブロックなどの構築要素を組み合わせて、様々な構造物を組み立てることができ、ユーザの創造力を発揮させる組立玩具が開発されている。例えば、特許文献1には、構築部材を制御部と通信可能にすることで、ユーザの構造物の作成を支援する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記文献1では、ユーザの活動はあくまでも実空間での構造物の創造に限定されている。というのも、既存の3Dプリンターなどのデジタルファブリケーション技術では、構造物を組み立てる速度や材料のコストの面などで改善の余地があり、円滑な創作活動を行うことができなかった。このように、実空間および仮想空間でともに創作活動を円滑に行うことで、ユーザ体験を一層向上させることが求められている。
【0005】
そこで、本開示の目的は、実空間および仮想空間でともに円滑な創作活動ができ、ユーザ体験を一層向上させるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様では、複数の板状のパネルで構成される3次元構造体を管理するシステムであって、パネルを収納するための収納機構と、パネルを移動させて3次元構造体を組み立てる組立機構と、制御部と、を備え、制御部は、収納機構に収納されたパネルを、設計された内容に基づいて配置されるように組立機構に指示する組立指示部、を含む、システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、システムは、設計された内容に基づいて前記パネル体を配置するように前記組立部に指示する組立指示部を備えているため、仮想空間で創作した内容が実空間に反映されることとなる。そのため、実空間および仮想空間でともに創作活動ができ、ユーザ体験を一層向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】ユーザ端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4Aは第1実施形態に係る3次元構造体の斜視図である。
図4Bは、3次元構造体の収納機構の内部を示す図である。
【
図5】
図5Aはパネル構造体の上部を拡大して示す図である。
図5Bはパネルを拡大して示す図である。
【
図6】
図6Aは第1組立ロボットの斜視図である。
図6Bは第2組立ロボットの斜視図である。
図6Cは第1および第2組立ロボットによるパネル構造体の組立を示す図である。
【
図7】3次元構造体に物品が展示された状態を示す図である。
【
図8】
図8Aは3次元構造体の変形例1の斜視図である。
図8Bは変形例1における収納機構の内部を示す図である。
【
図9】
図9Aは変形例1における組立ロボットによるパネル構造体の組立を示す図である。
図9Bは変形例1におけるパネル構造体の一部を示す図である。
【
図10】変形例1においてパネルに取り付け可能な固定機構を示す図である。
【
図11】
図11Aは変形例1における格納パネルの変形を説明する図である。
図11Bは変形例1におけるパネル同士の連結を示す図である。
図11Cは変形例1におけるパネルが折り畳まれた状態を示す図である
【
図12】変形例2における3次元構造体を示す図である。
【
図13】
図13Aは変形例3における3次元構造体を示す図である。
図13Bは変形例3における3次元構造体のベース内部の構成を示す図である。
【
図14】
図14は変形例4における3次元構造体を示す図である。
【
図15】
図15Aは変形例5におけるパネルに取り付け可能な搬送スリーブを示す図である。
図15Bは搬送スリーブの他の態様を示す図である。
【
図16】
図16Aは変形例6における3次元構造体を示す図である。
図16Bは変形例6におけるパネルの構造を示す図である。
【
図17】記憶部202内のデータ構造の一例を示す図である。
【
図18】システムの処理の流れを説明する図である。
【
図19】パネル製造工程(S200)において、パネルをフレームに取り付ける態様を説明する図である。
【
図20】第2実施形態におけるシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図21】トークン管理台帳の構成を示すブロック図である。
【
図22】サーバとトークン管理台帳の関係を説明する図である。
【
図23】第2実施形態における記憶部202内のデータ構造の一例を示す図である。
【
図24】第2実施形態におけるシステムの処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1.管理システム1のハードウェア構成)
図1に示すように、管理システム1は、ユーザ端末10と、サーバ20と、構造体30を備える。ユーザ端末10、サーバ20、構造体30は、ネットワークNを介して通信接続する。ネットワークNは、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等により実現される。
【0011】
なお、本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバ20としてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は各サーバに求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0012】
ユーザは、ユーザ端末10を操作し、サーバ20から提供されるサービスを利用して、構造体30を管理することができる。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、又はタブレット等の携帯端末により実現される。また、ユーザ端末10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現されてもよい。
【0013】
ユーザ端末10は、通信IF(Interface)112と、入力装置113と、出力装置114と、メモリ115と、ストレージ116と、プロセッサ119とを備える。
【0014】
通信IF112は、ユーザ端末10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0015】
入力装置113は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0016】
出力装置114は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0017】
メモリ115は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0018】
ストレージ116は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0019】
プロセッサ119は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0020】
サーバ20は、ユーザによるユーザ端末10の操作に基づいて、構造体30を管理するための装置である。サーバ20は、例えば、提供するサービスに関するデータ、及び提供するサービスを利用するユーザの情報等を管理する。
【0021】
サーバ20は、通信IF222と、入出力IF223と、メモリ225と、ストレージ226と、プロセッサ229とを備える。
【0022】
通信IF222は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0023】
入出力IF223は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0024】
メモリ225は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0025】
ストレージ226は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0026】
プロセッサ229は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
構造体30は、収納機構としてのベース31と、パネル構造体32を備える。ベース31は、通信IF322と、入出力IF323と、メモリ324と、ストレージ326と、プロセッサ329を含む。
【0028】
通信IF322は、サーバ20からの操作指示などの信号を入出力するためのインタフェースである。
【0029】
入出力IF323は、サーバ20からの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0030】
メモリ325は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0031】
ストレージ326は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0032】
プロセッサ329は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0033】
パネル構造体32は、複数のパネル41からなる構造体である。パネル構造体32の詳細は後述する。
【0034】
(2.機能構成)
以下、
図2および
図3を参照して、ユーザ端末10およびサーバ20の機能構成を説明する。
【0035】
(2-1.ユーザ端末10の機能)
図2は、第1実施形態の管理システム1を構成するユーザ端末10の構成を示す図である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット等、各ユーザが操作し、移動体通信システムに対応した携帯端末である。この他に、ユーザ端末10は、例えばゲーム専用機、ウェアラブルデバイス、PC(Personal Computer)等であるとしてもよい。
【0036】
ユーザ端末10は、インターネットなどのネットワークを介してサーバ20と通信可能に接続される。ユーザ端末10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局、またはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ等の通信機器と通信することによりネットワークに接続される。
【0037】
図2に示すように、ユーザ端末10は、入力装置13(タッチ・センシティブ・デバイス131を含む)と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカ172と、カメラ160と、通信部150と、記憶部180と、制御部190とを含むことができる。
【0038】
なお、ユーザ端末10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2においてブロックで示される各構成は、バス等により電気的に接続される。
【0039】
通信部150は、ユーザ端末10が他の無線機器と通信するため、アンテナを介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。通信部150は、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールであってもよい。通信部150は、ユーザ端末10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0040】
入力装置13は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、入力装置13は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイとを含むことができる。
【0041】
タッチ・センシティブ・デバイス131は、ユーザ端末10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0042】
ディスプレイは、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現され得る。
【0043】
音声処理部17は、音声信号の変復調を行い、マイク171から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカ172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカ172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声をユーザ端末10の外部へ出力する。
【0044】
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、撮影対象までの距離を検出できる深度カメラであってもよい。また、カメラ160により、光学読み取り用の情報(バーコードなどの一次元コード、QRコード(登録商標)などの二次元コードを含む)を撮影することにより、撮影画像に基づいて、QRコード(登録商標)等に示される情報を読み取る機能を備えていてもよい。
【0045】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)により構成され、ユーザ端末10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。また、記憶部180は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリを含む。
【0046】
制御部190はプロセッサ119がプログラムに従って処理を行うことにより、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行し、ユーザ端末10の動作を制御する。制御部190は、例えば予めユーザ端末10にインストールされているアプリケーションとして実現してもよい。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、通知制御部194としての機能を発揮する。
【0047】
操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0048】
送受信部192は、ユーザ端末10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0049】
データ処理部193は、ユーザ端末10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0050】
通知制御部194は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部194は、表示画像をディスプレイに表示させる処理、音声をスピーカ172に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理等を行う。
【0051】
ユーザは、管理システム1が提供するサービスを利用するために、所定のアプリケーションをユーザ端末10にインストールしてもよい。そして、ユーザ端末10は、ユーザから、クレジットカード情報、携帯決済サービス事業者が提供する決済サービス(キャリア決済)に関する情報、またはスマートフォン等を使って利用料金を支払う決済サービス(モバイル決済)に関する情報の登録を受け付けてもよい。
【0052】
(2-2.サーバ20の機能)
図3は、サーバ20の機能構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203と、入出力部204を備える。
【0053】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0054】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶し、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)などで構成される。また、記憶部202は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するために、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリを含む。
【0055】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0056】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0057】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0058】
設計モジュール2033は、構造体30を構成するパネルの配置を設計する。設計モジュール2033が行う処理については、詳細を後述する。
【0059】
組立指示モジュール2034は、設計された内容に基づいてパネルを配置するように構造体30が備える組立機構に指示する。組立指示モジュール2034が行う処理については、詳細を後述する。
【0060】
入出力部204は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0061】
(3.構造体30)
図4~
図7を参照して、管理システム1によって管理される構造体30(特許請求の範囲における「3次元構造体」に相当)について説明する。なお、
図4では、図示した態様で前後左右を規定して説明する。
【0062】
(3-1.構造体30の構成)
図4Aおよび
図4Bに示すように、構造体30は、ベース31とパネル構造体32を備える。ベース31は、複数のパネル41が折り畳まれたパネル収納体33を収納および管理するための収納機構として構成されており、パネル収納体33の他に、引き出しゲート35と、ロータリージョイント37を内部に収納する。ベース31の上面には開口が形成されており、パネル構造体32がベース31の内部から突出するように形成される。
【0063】
パネル収納体33は、複数のパネル41が折り畳まれて構成されている。引き出しゲート35は、パネル収納体33からパネル41を引き出すための機構である。引き出しゲート35から引き出されたパネル41は、開口の直下に配置される。ロータリージョイント37が引き出しゲート35によって引き出されたパネル41を回転させることにより、前後左右の4方向それぞれに配置されるようにパネル41を引き出すことができる。なお、
図4Bにおいては、パネル収納体33は開口直下の左方向にのみ記載しているが、開口直下の前後左右の四方向にパネル収納体配置する仕様としてもよい。
【0064】
図5Aは、パネル構造体32の上部を拡大して示す図である。パネル構造体32は、複数のパネル41から構成される。本実施形態では、パネル構造体32は、平面視において略正方形となるような四角柱として形成されているが、この形状に限定されるものではない。
図5Bに示すように、パネル41は、パネル構造体32の側面において上下方向に連なるように配置される。上下方向に隣接するパネル41同士は、中央部41bで連結されている。パネル41は付勢部材41aを備え、パネル41は周囲の構造と干渉しない程度に折り曲がるように付勢される。さらに、パネル構造体32の側面には、パネル41を移動させて構造体30を組み立てる組立機構としての組立ロボット42および組立ロボット49が取り付けられている。
【0065】
図6Aおよび
図6Bに示すように、第1組立ロボット42aおよび第2組立ロボット42bは、主軸46の中央にモータ44と回転ギア45を備える。第1組立ロボット42aは、さらに、主軸46の軸心方向における両端部に突出部47を備える。第2組立ロボット42bは、さらに、主軸46と並行に設けられた押上バー48を備える。なお、第1組立ロボット42aおよび第2組立ロボット42bは、モータ以外のアクチュエータ(空気圧、油圧等)を備える構成としてもよい。第1組立ロボット42aおよび第2組立ロボット42bは、サーバ20と通信可能に構成されており、組立指示モジュール2034の指示に基づいて動作する。
【0066】
図6Cに示すように、パネル構造体32の外側面には第1組立ロボット42aが取り付けられ、パネル構造体32の内側面には第2組立ロボット42bが取り付けられる。第2組立ロボット42bがパネル構造体32の外側面を上方向に移動することにより、パネル構造体32内部に配置されているパネル41が上方向に押し上げられ、矢印R方向に回転する。そして、
図5Bに示すように、第1組立ロボット42aが上方向に移動することにより、一例としてリトラクタブル機構で構成された固定機構43により、パネル41が平板状に固定される。
【0067】
第3組立ロボット42cは、
図5Aに示すように、パネル構造体32の側面同士を連結するためのジッパーボットとしての機能を備える。このような組立ロボット49を備えることにより、パネル構造体32の強度を担保することが可能となる。
【0068】
図7は、パネル構造体32の頂部に物品Pが載置された状態を示す図である。このように、物品を載置して展示するための展示台としてパネル構造体32を利用してもよい。なお、物品Pは、パネル構造体32が組立てられた後に頂部に載置してもよいし、予めパネル収納体33の内部に組み込んでおき、パネル41とともに引き出され、パネル構造体32が組み立てられるのに合わせて頂部に載置されるような構成としてもよい。また、展示された物品(例えばスピーカーなどのAV機器)をネットワークNと接続することにより、管理システム1と物品を同期させてデータの共有や作動の操作を行ってもよい。さらに展示用に限らず、ネットワークNと接続された清掃用ロボットなどのIоT(Internet of Things)を同期させて管理システム1で利用できるようにする事も想定される。
【0069】
(3-2.変形例1)
図8~
図11を参照して、上記実施形態の変形例1について説明する。変形例1に示すパネル構造体32では、パネル41同士は連結機構としてのファスナーで連結されている。
【0070】
変形例1においては、パネル収納体33はベース31の開口直下の一方向(
図8Bにおいては左方向)にのみ配置するのが好ましい。引き出しゲート35から引き出されたパネル41はベース31の上面に形成された開口直下に配置される。
【0071】
図9Aに示すように、変形例1では、ジッパーボットで構成される組立ロボット42がパネル41同士を斜め上方向に沿って連結するファスナーを締めながら移動することにより、パネル41がパネル構造体32の内部から引き出されてパネル構造体32の外壁が形成されていく。なお、
図10に示すように、リトラクタブル構造51aを備える固定機構51をパネル構造体32の内部に配置してもよい。この場合、リトラクタブル構造51aは組立ロボット42がロックおよびアンロックを行う構成としてもよい。このように、固定機構51を内部に配置することにより、パネル構造体32の耐久性を向上させることが可能となる。また、
図9Bに示すように、効率よく保管する為に分離してるパネル41同士をパネル構造体32の下部で繋げる(または外す)方法として、パネル41上の接続部36aとそれを制御するリニアアクチュエータ36bを設置することができる。
【0072】
また、
図11Aに示すように、ガイドレール52を設けることにより、パネル収納体33から引き出したパネル41をパネル構造体32の所定の位置に移動させてもよい。ここで、
図11Bに示すように、パネル41間には係止部53を備えることが好ましい。このような態様とすることにより、
図11Cに示すように、パネル41を効率的に折り畳みつつ、パネル収納体33から引き出した際にパネル41を直線状に配置することが可能となる。
【0073】
(3-3.変形例2)
図12を参照して、上記実施形態の変形例1について説明する。変形例2に示すパネル構造体32では、パネル41間に動力源としてのモータ61が取り付けられている。モータ61はサーバ20と通信可能として、組立指示モジュール2034の指示に基づいて動作可能に構成することが好ましい。これにより、モータ61を制御することで、パネル41を移動させ所望のパネル構造体32を形成することが可能となる。
【0074】
(3-4.変形例3)
図13を参照して、上記実施形態の変形例3について説明する。変形例3に示すパネル構造体32では、パネル構造体32は可撓性を備える補助部材65を備える。
【0075】
変形例3では、
図13Aに示すように、パネル構造体32の間に補助部材65が取り付けられている。この場合、例えば
図13Bに示すように、補助部材65をベース31内部で収容するための収容部66を備える構成としてもよい。このような構成としても、本開示の技術的範囲を適用することができ、より柔軟に3次元構造体を製造することが可能となる。
【0076】
(3-5.変形例4)
図14を参照して、上記実施形態の変形例4について説明する。変形例4に示すパネル構造体32では、パネル41はキャタピラ等で構成された搬送部材71で搬送される。
【0077】
図14に示す例では、搬送部材71とパネル41とがロック機構71bで取り付けられている。搬送部材は例えば複数のモータが連なる移動ロボットであり、搬送部材71が移動することにより分離した状態で搬送されたパネル41が所定の位置に配置され、パネル構造体32が組み立てられる仕様となっている。また、搬送部材71の側面にはロールボット72が移動可能なベルト71aが設けられている。ロールボット72は、レールとしてのベルト71aに沿って移動することにより、パネル41間に設けられたロック機構41cおよび、搬送部材71とパネル41の間に設けられたロック機構71bのロックおよびアンロックを行い、パネル41同士およびパネル41と搬送部材71の固定および取り外しを行う。このような構成としても、本開示の技術的範囲を適用することができる。
【0078】
(3-6.変形例5)
変形例5では、
図15Aに示すように、搬送されるパネル41を保護するために、保護スリーブ73内をパネル41が搬送される仕様としてもよい。また、
図15Bに示すように、パネル41を搬送する搬送部材71を保護するための外側スリーブ74をさらに設けてもよい。このように、パネル41およびパネルを搬送する部材を保護するための部材(保護スリーブ73および外側スリーブ74)を設けることにより、外部要因からの保護だけでなく、パネル同士が絡まることを防ぐことができると同時にパネルを所定の位置へスムーズに誘導することが可能となる。
【0079】
(3-7.変形例6)
図16を参照して、上記実施形態の変形例6について説明する。変形例6に示すパネル構造体32では、パネル41は、骨組み81に取り付けられている。
【0080】
図16Bに示すように、パネル41には凹部82が形成されている。当該凹部82に骨組み81を取り付け、骨組み81を所望の形状に配置することにより、パネル構造体32が形成される仕様となっている。このような構成としても、本開示の技術的範囲を適用することができる。
【0081】
以上、実施形態1の変形例について列挙してきたが、これらの構成は適宜組み合わせて使用してもよい。また、パネル41に各種センサ、カメラやスピーカ等の電子機器、アクチュエータなどの駆動部材を取り付けてもよい。さらに、これらパネルに取り付けられた物品をネットワークNと接続することにより、管理システム1と物品を同期させてデータの共有や作動の操作を行ってもよい。
【0082】
(4.データ構造)
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、サーバ20の記憶部202に記憶される。ただし、以下のデータベースの少なくとも一部の複製が、ユーザ端末10の記憶部180にも記憶されてもよい。
【0083】
(4-1.ユーザデータベース2021)
図17を参照して、ユーザデータベース2021の構成例について説明する。ユーザデータベース2021には、管理システム1のユーザに関する情報が格納される。
【0084】
ユーザデータベース2021は、一例として、「ユーザID」列と、「ログインパスワード」列と、「ユーザ氏名」列と、「ユーザ属性」列と、「連絡先」列と、「決済情報」列を含む。
【0085】
「ユーザID」列は、管理システム1を利用するユーザを識別する識別子であるユーザIDについての情報を保持する。
【0086】
「ログインパスワード」列には、ユーザが管理システム1にログインするためのパスワードについての情報を保持する。
【0087】
「ユーザ氏名」列は、ユーザの氏名についての情報を保持する。
【0088】
「ユーザ属性」列は、ユーザの属性についての情報である。属性とは、ユーザを分類するための情報を保持する。例えば、性別、職業、利用頻度などの情報が属性として設定され得る。
【0089】
「連絡先」列は、ユーザの連絡先についての情報を保持する。連絡先としては、住所、電話番号、メールアドレスなどが設定され得る。
【0090】
「決済情報」列は、ユーザが決済を行う際に必要となる決済情報を保持する。決済情報としては、口座番号、クレジットカード番号、電子マネーにおける識別番号などが設定され得る。
【0091】
(4-2.コンテンツデータベース2022)
次に、コンテンツデータベース2022の構成例について説明する。コンテンツデータベース2022には、構造体30の設計データ等が格納される。
【0092】
コンテンツデータベース2022は、一例として、「コンテンツID」列と、「ユーザID」列と、「CADデータ」列と、「CAMデータ」列と、「作成日」列と、「更新日」列とを含む。
【0093】
「コンテンツID」列は、構造体30の設計データとしてのコンテンツを識別する識別子であるコンテンツIDについての情報を保持する。
【0094】
「ユーザID」列は、各コンテンツを保有するユーザを識別するための情報を保持し、ユーザデータベース2021の「ユーザID」が外部キーとして設定される。
【0095】
「CADデータ」列は、CAD(Computer Aided Design)を利用して構造体30を設計するための設計データを保持する。CADデータは、一例として、DXF、JWC、SXFなどの所定のファイル形式で保持される。
【0096】
「CAMデータ」列は、CAM(Computer Aided manufacturing)を利用してCADデータに基づく製造を行うためのデータを保持する。CAMデータは、設計されたCADデータに基づいて自動で作成される。
【0097】
「作成日」列は、CADデータが生成された日付を保持する。
【0098】
「更新日」列は、CADデータが更新された日付を保持する。
【0099】
(5.処理の流れ)
以下、
図18を参照して、管理システム1の処理の流れの一例を説明する。
【0100】
ステップS100において、設計工程が行われる。設計工程では、設計者がゲーム、ウェブソフト、CAD(Computer Aided Design)などのソフトを利用して構造体30のデザインを行う。
【0101】
設計者はパネル41の寸法を正確に把握してデザインすることができないので、大まかな3Dモデルをデザインする。設計された3Dモデルは、例えばCADのノードを活用した既存のプロセデュアルデザイン(Procedual design)やアルゴリズミックデザイン(algorithmic design)を活用して構造体の3D-CADファイルに変換する。
【0102】
同様に、構造体30の変形アニメーションをプロセデュアルデザイン、アルゴリズミックデザインを活用して作成してもよい。なお、この3Dファイルはデジタル上とデジタルファブリケートションに特化した3Dモデルで多少形状が変わることが想定される。
【0103】
より具体的には、プロセデュアルデザインでモデルを作成し、それを構造体に変換してもよい。ここで、3Dモデルを作成に機械学習を用いてもよい。機械学習を用いる場合、収集したデータに基づきモデルを任意の条件に最適化させてもよい。
【0104】
ステップS200において、パネル製造工程が行われる。パネル製造工程では、構造体30を組み立てるためのパネル41が製造される。ベース31および引き出しゲート25は、別途製造されたものを利用する。製造工程では、設計工程で設計された3Dモデルから自動的に生成されたCAMデータを用いて、3Dプリンターなどのデジタルファブリケーションを活用してパネル41等の部品を製造する。なお、パネル41も既に製造されたものを使用してもよい。
【0105】
製造されたパネル41を組み立ててパネル収納体33を製造する。さらに、引き出しゲート35やロータリージョイント37といった付属部品を手動または機械を用いて取り付ける。ステップS200では、さらに、
図19に示すように、変形例6におけるパネル41を骨組み81に取り付ける工程を行ってもよい。
図19に示す例では、取り付け機構83のアーム84がパネル41を把持して、骨組み81に取り付けている。ここで、アクチュエータ85によって骨組み81の角度と長さの調整が行われる。
【0106】
ステップS300において、パネル収納工程が行われる。パネル収納工程では、パネル収納体33などの部品がベース31内にロボットまたはオペレータによって収納される。パネル収納体33は、ベース31内において、引き出しゲート35によってパネル41が引き出されて、ベース31の上面に形成された開口から外に突出できるように収納される。このようなパネル収納体33や他の付属部品の配置については、プログラムを用いて自動化することが好ましい。さらに、部品の配置に必要な入力データと、部品の配置後についてのデータとを学習させ、省スペースの観点、組立工程の効率化の観点などの任意の観点で最適な配置となるように自律的に計算させる仕様となるように機械学習で最適化させるのが好ましい。
【0107】
ステップS400において、組立工程が行われる。組立工程では、サーバ20の制御部203における組立指示モジュール2034が、パネル収納体33からパネルを引き出して、パネル構造体32を組み立てるように、組立ロボット42に指示を送る。これにより、パネル構造体32が組み立てられる。組立工程においても、プログラムを用いて自動化することが好ましい。さらに、部品の組み立てに必要な入力データと、部品の組み立て前後についてのデータとを機械学習させ、形状のデザインの観点、省スペースの観点、組立工程の効率化の観点などの任意の観点で最適化することが好ましい。
【0108】
<2.第2実施形態>
以下、
図20~
図24を参照して、本開示の第2実施形態について第1実施形態との違いを中心に説明する。なお、以下の説明においては、第1実施形態を同様の構成および処理については同じ符号をつけ、説明は繰り返さない。
【0109】
(2-1.管理システム1の構成)
図20に示すように、第2実施形態に係る管理システム1は、トークン管理台帳300をさらに備える。以下、トークン管理台帳300の構成及び機能を説明する。
【0110】
(2-2.トークン管理台帳300のハードウェア構成)
図21は、トークン管理台帳300の構成を示す図である。トークン管理台帳300は、ノードとして機能する信号処理装置340A~340Fを備える、分散型システムである。
【0111】
信号処理装置340A~340Fは、ネットワークにそれぞれ接続された、例えば、パーソナルコンピュータである。本実施形態では、ネットワークは、LANであってもよく、インターネット、および通信事業者が提供する通信網等の公開されているネットワークであってもよい。信号処理装置340A~340Fは、ネットワークと、例えば、有線または無線により接続されている。信号処理装置340A~340Fは、ピア・ツー・ピア方式を利用して互いに通信する。
【0112】
信号処理装置340A~340Fは、トークン管理台帳300を、ブロックチェーン技術を用いて実現している。また、信号処理装置340A~340Fは、例えば、信号処理装置340A~340Fのいずれか1つの信号処理装置340Aは、記録すべきトークンの取引に関するデータを取得する。信号処理装置340Aは、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。信号処理装置340Aは、追加したブロックの情報を他の信号処理装置340B~340Fへ送信する。他の信号処理装置340B~340Fは、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、ブロックチェーンに追加する。信号処理装置340A~340Fは、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する。これにより、信号処理装置340A~340Fで、同一のトークン管理台帳300が保存されることになる。
【0113】
なお、トークン管理台帳300の構成は、
図21に示されるものに限定されない。例えば、トークン管理台帳300が備える信号処理装置340の台数は、2台以上であれば何台でも構わない。
【0114】
信号処理装置340Aは、記憶装置341と、プロセッサ342と、入出力インタフェース343と、通信インタフェース344と、を備える。信号処理装置340Aは、入力デバイス345および出力デバイス346の少なくとも1つと接続可能である。
【0115】
記憶装置341は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置341は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0116】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0117】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0118】
プロセッサ342は、記憶装置341に記憶されたプログラムを起動することによって、信号処理装置340Aの機能を実現するように構成される。
【0119】
入出力インタフェース343は、入力デバイス345から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス346に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0120】
入力デバイス345は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、物理ボタン、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
【0121】
出力デバイス346は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置、またはそれらの組み合わせである。
【0122】
通信インタフェース344は、信号処理装置340Aと外部装置(例えば、ユーザ端末10、サーバ20、構造体30、またはそれらの少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0123】
(2-3.トークン管理台帳300の機能)
図22に示すように、トークン管理台帳300は、サーバ20に記憶されたパネル構造体32の設計データであるデジタルコンテンツ411とトークンとを関連付けている。トークンとは、デジタルコンテンツ411を識別するためのしるしであり、デジタルコンテンツ411が更新されるたびに(すなわち、パネル構造体32の形状が変化するごとに)あらたなトークンが発行される。デジタルコンテンツ411は、一例として、コンテンツデータベース2022のレコードに対応する。トークン管理台帳300は、分散管理台帳であるブロックチェーンにより実現されており、トークンは分散管理台帳により管理されている。すなわち、トークンの所有権の移転に伴う取引履歴は、参照可能となっている。あるトークンに関する全ての取引履歴を参照することで、当該トークンの過去の所有者を特定することができる。
【0124】
ブロックチェーンは、コントラクトデータを構成するブロックと、ハッシュ値およびトランザクションデータを少なくとも含むブロックと、により構成されている。ユーザ間でのトークンの移転に伴い、新たなトランザクションデータが生成され、
図21に示す信号処理装置340A~340Fによる検証の後に、新たなブロックが追加される。
【0125】
(2-4.データ構造)
第2実施形態のデータベースについて説明する。第2実施形態では、サーバ20の記憶部202は、トークンデータベース2023をさらに備える。
【0126】
図23を参照して、トークンデータベース2023の構成例について説明する。トークンデータベース2023には、デジタルコンテンツ411に対応づけられたトークンに関する情報が格納される。
【0127】
トークンデータベース2023は、一例として、「トークンID」列と、「コンテンツID」列と、「ユーザID」列と、「登録日」列と、「更新日」列を含む。
【0128】
「トークンID」列は、トークン管理台帳が管理するトークンを識別すトークンIDについての情報を保持する。
【0129】
「コンテンツID」列は、トークンに対応づけられたコンテンツを識別する情報を保持し、コンテンツデータベース2022の「コンテンツID」が外部キーとして設定される。
【0130】
「ユーザID」列は、トークンを保有するユーザを識別するための情報を保持し、ユーザデータベース2021の「ユーザID」が外部キーとして設定される。
【0131】
「作成日」列は、トークンが生成された日付を保持する。
【0132】
「更新日」列は、トークンに関する情報(例えばトークンの所有者)が更新された日付を保持する。
【0133】
(2-5.処理の流れ)
第2実施形態では、ステップS500として取引工程が行われる。取引工程では、製造されたパネル構造体32に対応したデジタルコンテンツ411についての取引が行われる。一例として、デジタルコンテンツ411についての所有権が移転されるたびに、ブロックチェーン400内でコントラクトが実行され、新しいブロックおよびトークンが形成される。そして、トークンデータベース2023にレコードが追加される。なお、パネル構造体32の所有者は、パネル41の配置を変更してパネル構造体32を変形することができるため、パネル構造体32を変形するたびに、新たなトークンを発行してもよい。また、パネル構造体32のみならず管理システム1全体に対応したコンテンツの取引を行ってもよい。具体的には、撮像装置および通信制御を行う配信部によって、パネル構造体32の組立を動画として記録して配信し、当該記録した動画をデジタルコンテンツとして取引の対象としてもよい。さらに、展示されてる物品(IоTを含む)が集めたデータやそのデータを利用したプログラム、その他管理システム1で集められたデータや効率的なオペレーション方法のプログラム、などをデジタルコンテンツとして取引の対象としてもよい。
【0134】
<3 他の実施形態>
以上、本発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0135】
例えば、管理システム1が取り扱うデータを全て収集し、のちに分析に活用してもよい。例えば、どの部品(パネル41)または付属部品がどこに配置されていて、どのように移動してどのように利用されたかなどの情報を収集してもよい。これらのデータを活用してオペレーションの最適化を行うことができる。集めたデータを、分析を活用し機械学習を実行し、管理システム1の効率を上げることできる。
【0136】
また、ユーザから収集されたデータや、シミュレーションから得られたデータとともに、ユーザのニーズ(すなわち、パネル構造体32の望ましい形状)を予測したりしてもよい。また、データを元に頻繁に使われるパネルやアイテムをアクセスの良いところに配置したり、次に使われる可能性が高そうな物を予測して予め稼働させたりしてもよい。
【0137】
また、上記第2実施形態では、パネル構造体32の設計データをデジタルコンテンツとしてトークン管理台帳300で管理していたが、この形態に限定されるわけではない。例えば、デジタルコンテンツとして、パネル構造体の形状の変化を記録したデータをデジタルコンテンツとして管理してもよいし、パネル構造体の形状を変化させるプログラムをデジタルコンテンツとして管理してもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、ユーザ端末10は、スマートフォンなどで実現される端末として説明したが、この例に限定されることはない。家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、ユーザ端末10を実現し、マウスなどの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0139】
また、通信回線を介した所定情報の共有は、主にインターネットなどのWANを介して行われるが、情報処理装置間では、WANを介さずにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等のみを介して行われてもよい。
【0140】
また、上記実施形態では、各機能をユーザ端末10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様でユーザ端末10、サーバ20、又はユーザ端末10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0141】
また、上記実施形態においてユーザ端末10に実行させるものとして記載されていた各ステップをサーバ20に実行させてもよく、サーバ20に実行させるものとして記載されていた各ステップをサーバ20に実行させてもよい。
【0142】
さらに、本発明は、上述したユーザ端末10またはサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0143】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0144】
1:管理システム、10:ユーザ端末、13:入力装置、17:音声処理部、20:サーバ、25:引き出しゲート、30:構造体、31:ベース、32:パネル構造体、33:パネル収納体、35:引き出しゲート、37:ロータリージョイント、41:パネル、42:組立ロボット、43:固定機構、44:モータ、45:回転ギア、46:主軸、47:突出部、48:押上バー、49:組立ロボット、51:固定機構、52:ガイドレール、53:係止部、61:モータ、65:補助部材、66:収容部、71:搬送部材、72:ロールボット、73:保護スリーブ、74:外側スリーブ、81:骨組み、82:凹部、83:取り付け機構、84:アーム、85:アクチュエータ、113:入力装置、114:出力装置、115:メモリ、116:ストレージ、119:プロセッサ、131:デバイス、150:通信部、160:カメラ、171:マイク、172:スピーカ、180:記憶部、190:制御部、191:操作受付部、192:送受信部、193:データ処理部、194:通知制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、204:入出力部、225:メモリ、226:ストレージ、229:プロセッサ、300:トークン管理台帳、324:メモリ、325:メモリ、326:ストレージ、329:プロセッサ、340:信号処理装置、341:記憶装置、342:プロセッサ、343:入出力インタフェース、344:通信インタフェース、345:入力デバイス、346:出力デバイス、400:ブロックチェーン、411:デジタルコンテンツ、2021:ユーザデータベース、2022:コンテンツデータベース、2023:トークンデータベース、2031:受信制御モジュール、2032:送信制御モジュール、2033:設計モジュール、2034:組立指示モジュール。