IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 朋和産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-収容体及びその製造方法 図1
  • 特開-収容体及びその製造方法 図2
  • 特開-収容体及びその製造方法 図3
  • 特開-収容体及びその製造方法 図4
  • 特開-収容体及びその製造方法 図5
  • 特開-収容体及びその製造方法 図6
  • 特開-収容体及びその製造方法 図7
  • 特開-収容体及びその製造方法 図8
  • 特開-収容体及びその製造方法 図9
  • 特開-収容体及びその製造方法 図10
  • 特開-収容体及びその製造方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000759
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】収容体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20221222BHJP
   B65D 65/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B65D85/50 140
B65D65/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101759
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100214938
【弁理士】
【氏名又は名称】樋熊 政一
(72)【発明者】
【氏名】三橋 修
【テーマコード(参考)】
3E035
3E086
【Fターム(参考)】
3E035AA20
3E035BA08
3E035BB01
3E035BC02
3E035BD02
3E035BD04
3E035CA07
3E035DA01
3E086AA02
3E086AB01
3E086AC07
3E086AC22
3E086AD01
3E086AD19
3E086BB01
3E086BB15
3E086BB51
3E086CA02
(57)【要約】
【課題】シート状の食品を収容した包装材を運搬する際に、包装材や食品が変形すること、及び食品が湿気ることを抑制できる収容体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】おにぎり50を包む複数の包装材10のそれぞれが、シート状の食品である海苔40を個別に包装した状態で複数積層された包装材積層体10Mと、包装材積層体10Mが一面20a側に配置されるシート状の台部材20と、包装材積層体10Mと台部材20とを収容して真空パックの状態に密封する収容袋30と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おにぎりを包む複数の包装材のそれぞれが、シート状の食品を個別に包装した状態で複数積層された包装材積層体と、
前記包装材積層体が一面側に配置されるシート状の台部材と、
前記包装材積層体と前記台部材とを収容して真空パックの状態に密封する収容袋と、を備える、収容体。
【請求項2】
前記包装材積層体を構成する前記複数の包装材のそれぞれは、前記おにぎりに接触する側の裏面が前記台部材の側に位置するように積層されており、
前記包装材積層体における少なくとも前記台部材とは反対側の表面側に配置された複数の前記包装材における一方向両側の端部のそれぞれが、前記収容袋によって前記台部材の側に撓んでいる、請求項1に記載の収容体。
【請求項3】
前記包装材積層体を構成する前記複数の包装材のそれぞれは、前記おにぎりに接触する側の裏面が前記台部材の側に位置するように積層されており、
前記台部材は、当該台部材の前記一面側に折り返されて前記包装材積層体の一方向両側の端部のそれぞれを覆う折り返し部を有し、
前記包装材積層体における少なくとも前記台部材とは反対側の表面側に配置された複数の前記包装材における一方向両側の端部のそれぞれが、前記折り返し部によって前記台部材の側に撓んでいる、請求項1に記載の収容体。
【請求項4】
おにぎりを包む包装材にシート状の食品を個別に包装するステップと、
前記食品を個別に包装した複数の前記包装材を、シート状の台部材の一面側に積層して包装材積層体を配置するステップと、
前記包装材積層体と前記台部材とを収容袋に収容するステップと、
前記収容袋内を真空引きして前記包装材積層体と前記台部材とを前記収容袋内に密封して真空パックにするステップと、を備える、収容体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の包装材をまとめて運搬する際に好適な収容体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米飯を所定形状に成形したおにぎりを個包装して、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売することが行われている。この種のおにぎりの包装材として、外側フィルムと内側フィルムとを有する二重構造の包装材の内部に海苔などのシート状の食品を収容しておき、切れ目を入れた外側フィルムを左右に分離させると同時に内側フィルムを左右に引き裂くことにより、米飯にシート状の食品が巻かれた状態で開封されるものがある(特許文献1等参照)。例えばシート状の食品として乾燥した上記海苔を採用すると、開封直前まで米飯に海苔が接触しないため、パリパリとした海苔の食感を楽しむことができる。
【0003】
ここで製造工場においては、シート状の食品を内部に収容して積層した50~100枚程度の上記包装材を、ポリ袋等の袋の中に入れて包装工程の場所まで運搬し、包装材を1枚ずつ取り出して米飯を包装する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-104315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シート状の食品を内部に収容した多数の包装材をポリ袋等の袋の中に収容して運搬する場合、運搬中に包装材が動いて包装材や内部の食品が折れ曲がるなど変形する場合があった。包装材や内部の食品が変形すると、多数の包装材から包装材を1枚ずつ取り出す作業に支障が生じたり、米飯を包装しにくかったりする不具合を招く。また、袋内の空気の水分を食品が吸って湿気やすくなり、本来の乾燥状態による食感の味わいが低下することも懸念された。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シート状の食品を収容した包装材を運搬する際に、包装材や食品が変形すること、及び食品が湿気ることを抑制できる収容体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の収容体は、おにぎりを包む複数の包装材のそれぞれが、シート状の食品を個別に包装した状態で複数積層された包装材積層体と、前記包装材積層体が一面側に配置されるシート状の台部材と、前記包装材積層体と前記台部材とを収容して真空パックの状態に密封する収容袋と、を備える。
【0008】
(2)(1)において、前記包装材積層体を構成する前記複数の包装材のそれぞれは、前記おにぎりに接触する側の裏面が前記台部材の側に位置するように積層されており、前記包装材積層体における少なくとも前記台部材とは反対側の表面側に配置された複数の前記包装材における一方向両側の端部のそれぞれが、前記収容袋によって前記台部材の側に撓んでいることが好ましい。
【0009】
(3)(1)において、前記包装材積層体を構成する前記複数の包装材のそれぞれは、前記おにぎりに接触する側の裏面が前記台部材の側に位置するように積層されており、前記台部材は、当該台部材の前記一面側に折り返されて前記包装材積層体の一方向両側の端部のそれぞれを覆う折り返し部を有し、前記包装材積層体における少なくとも前記台部材とは反対側の表面側に配置された複数の前記包装材における一方向両側の端部のそれぞれが、前記折り返し部によって前記台部材の側に撓んでいることが好ましい。
【0010】
(4)本発明の収容体の製造方法は、おにぎりを包む包装材にシート状の食品を個別に包装するステップと、前記食品を個別に包装した複数の前記包装材を、シート状の台部材の一面側に積層して包装材積層体を配置するステップと、前記包装材積層体と前記台部材とを収容袋に収容するステップと、前記収容袋内を真空引きして前記包装材積層体と前記台部材とを前記収容袋内に密封して真空パックにするステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シート状の食品を収容した包装材を運搬する際に、包装材や食品が変形すること、及び食品が湿気ることを抑制できる収容体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る収容体を示す平面図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3】第1実施形態に係る包装材積層体及び台部材を示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係る包装材の表面側を示す平面図である。
図5】第1実施形態に係る包装材の裏面図である。
図6】第1実施形態に係る包装材の分解斜視図である。
図7図6のVII-VII断面図である。
図8】第1実施形態に係る包装材積層体から1枚の包装材を取り出しておにぎりを包む工程を模式的に示す図である。
図9】第1実施形態に係る包装材でおにぎりを包んだ包装済みおにぎりを示す斜視図である。
図10】第2実施形態に係る収容体を示す平面図である。
図11図10のXI-XI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る収容体1の平面図である。図2は、図1のII-II断面図である。図3は、収容体1を構成する包装材積層体10M及び台部材20を示す分解斜視図である。図1図3に示すように、収容体1は、複数の包装材10が積層された包装材積層体10Mと、台部材20と、収容袋30と、を備える。
図1図3で示される矢印L、矢印Wのそれぞれは、収容体1、包装材10、包装材積層体10M及び台部材20における長さ方向及び幅方向を示す。なお、図4図11についても同様である。
【0014】
包装材積層体10Mは、複数の長方形状の包装材10が積層されたものである。実施形態の包装材10は、米飯を握って三角形状に成形した後述するおにぎり50を包む長方形状のフィルムである。複数の包装材10のそれぞれには、シート状の食品40が個別に包装される。すなわち包装材積層体10Mは、複数の包装材10のそれぞれが、シート状の食品40を個別に包装した状態で積層されて構成される。実施形態の収容体1は、多数のおにぎり50を製造する工場において製造される。
【0015】
シート状の食品40は、おにぎり50を包む焼き海苔等の薄い板状の海苔が挙げられるが、これに限定されない。他のシート状の食品40としては、とろろ昆布、薄焼き卵、畳鰯等の、薄く広げられて成形された長方形状の食品が挙げられる。いずれにしろ食品40は、おにぎり50を包むことが可能な可撓性を有するシート状の食品である。
【0016】
ここでは、シート状の食品40を海苔40として説明する。長方形状の海苔40は、おにぎり50を包むことが可能な大きさ及び形状を有する。以下の説明で、海苔40を包装した状態の包装材10を、海苔入り包装材10Bという場合がある。包装材積層体10Mは、海苔入り包装材10Bが例えば50~100枚程度積層されている。
【0017】
図4は、海苔入り包装材10Bを表面10s側から見た平面図である。図5は、海苔入り包装材10Bの裏面図である。図6は、海苔入り包装材10Bの分解斜視図である。図7は、図6のVII-VII断面図である。
【0018】
図4図7に示すように、包装材10は、可撓性を有する表面10s側の外側フィルム11と、可撓性を有する裏面10g側の内側フィルム12と、を備える。裏面10g側とは、おにぎり50が接触する側である。外側フィルム11と内側フィルム12との間に、海苔40が挟まれて配置される。図6及び図7においては、外側フィルム11の下側に内側フィルム12が配置されている。包装材積層体10Mの各包装材10は、外側フィルム11及び内側フィルム12がそれぞれ同じ側に配置されるように積層される。
【0019】
外側フィルム11は、ポリプロピレン等の合成樹脂製の透明もしくは半透明の1枚のフィルムで構成される。外側フィルム11の四隅には、切り欠き部11aが設けられている。
【0020】
内側フィルム12は、外側フィルム11と同形状である。内側フィルム12は、幅方向すなわち左右方向に互いに分離する左側フィルム13及び右側フィルム14を備える。左側フィルム13と右側フィルム14とは、内側の縁部13a及び縁部14aどうしが重ね合わされている。内側フィルム12の四隅には、外側フィルム11と同様の切り欠き部12aが設けられている。
【0021】
図4及び図5に示すように、外側フィルム11と内側フィルム12とは、それぞれの周縁部が互いにシール部15を介して接合される。シール部15は、溶着等の手段で外側フィルム11と内側フィルム12とが接合された部分である。シール部15は、複数の第1シール部15aと、複数の第2シール部15bと、複数の第3シール部15cと、を含む。第1シール部15aは、包装材10の四隅に配置されている。第2シール部15bは矩形状であって、長さ方向両端の第1シール部15aの間に等間隔おきに配置されている。第3シール部15cは、幅方向に延びる細長い形状であって、長さ方向両端部のそれぞれに左右一対の状態で配置されている。
【0022】
外側フィルム11の幅方向中央部の内面側には、長さ方向に延びる帯状のカットテープ16が貼着されている。カットテープ16は、合成樹脂製のフィルムである。カットテープ16は、外側フィルム11の長さ方向全長にわたって延在している。外側フィルム11は、カットテープ16をその一端部から引き裂くことにより、幅方向すなわち左右方向に分割可能となっている。外側フィルム11の長さ方向両端部におけるカットテープ16の両側には、切り込み17aがそれぞれ設けられている。カットテープ16を挟む一対の切り込み17aにより、包装材10からめくりあげることのできる操作片17が設けられ、この操作片17を指で摘まむことにより、カットテープ16を全長にわたり容易に引き裂くことができるようになっている。
【0023】
海苔40は、外側フィルム11と内側フィルム12とを接合する際に、外側フィルム11と内側フィルム12との間に挟まれて包装材10の内部に収容される。あるいは外側フィルム11と内側フィルム12とを接合後に、内側フィルム12の幅方向中央部の左側フィルム13と右側フィルム14との間から差し入れることにより、包装材10の内部に収容してもよい。
【0024】
台部材20は、シート状の部材である。台部材20は、例えばある程度の厚さを有し、弾性変形するものの原形は保持されるような剛性を有する合成樹脂製の平板、あるいは段ボール紙等が用いられる。合成樹脂製の平板の場合の素材としては、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、PET等が挙げられる。台部材20は、包装材10よりもやや大きい長方形状である。台部材20の一面20a側に包装材積層体10Mが配置される。包装材積層体10Mは、包装材10の長さ方向が台部材20の長さ方向と平行になるように台部材20の一面20aに載置される。包装材積層体10Mの各包装材10は、裏面10g側の内側フィルム12が台部材20の側に位置する状態で台部材20に積層される。
【0025】
収容袋30は、包装材積層体10M及び台部材20を収容して、これら包装材積層体10M及び台部材20を真空パックの状態に密封する。収容袋30は、可撓性を有する透明あるいは半透明の合成樹脂フィルムでできた袋である。そのような合成樹脂フィルムとしては、単層あるいは多層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の場合は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂フィルムである。多層の場合は、例えば、湿気を遮断するバリア層となるPVDC(ポリ塩化ビニリデン)をポリエチレンで挟んだ3層構造の合成樹脂フィルム等が好適に用いられる。収容袋30は、例えば、長方形状であって一方の短辺側の縁のみが開口する三方袋が用いることができる。その場合、開口から収容袋30の内部に包装材積層体10Mと台部材20とを収容し、収容袋30の内部の空気を吸引して真空状態とし、開口部分を溶着するなどの手段で封止する。これにより、収容袋30に包装材積層体10M及び台部材20が真空パックの状態に密封される。なお、収容袋30は三方袋に限定はされず、例えば2枚の合成樹脂製シートの間に包装材積層体10Mと台部材20とを配置して貼り合わせ、外周部を溶着するなどして真空パックしてもよい。
【0026】
包装材積層体10Mは、収容袋30によって複数の包装材10の積層方向に圧縮される。これにより、図2に示すように、包装材積層体10Mにおける複数の包装材10のうち、少なくとも台部材20とは反対側の表面側(図2で上側)に配置された所定数の包装材10における幅方向両側の端部10eのそれぞれは、収容袋30によって台部材20の側に撓む。そして、時間の経過とともに、その撓みが固定化して癖付けされる。
【0027】
上述した実施形態に係る収容体1は、次のようにして製造することができる。
まず、複数の包装材10のそれぞれに、海苔40を1枚ずつ個別に包装する。次いで、海苔40を個別に包装した包装材10である海苔入り包装材10Bを所定枚数(例えば、50~100枚)束ねて、台部材20の一面20a上に積層した状態に配置する。すなわち、包装材積層体10Mを台部材20の一面20a上に配置する。次いで、包装材積層体10Mと台部材20とを収容袋30に収容する。この後、収容袋30内を真空引きして包装材積層体10Mと台部材20とを収容袋30内に密封して真空パックにする。
【0028】
真空パックすることにより、海苔40が湿気ることを抑制できる。また、台部材20が段ボール紙である場合、台部材20が水分を含んでいる場合があるが、真空パックすることによりその水分量が低下して海苔40が湿気ることを抑制できる。
【0029】
図8は、多数のおにぎり50を製造する工場において、米飯を握って三角形状に成形したおにぎり50に、包装材積層体10Mから取り出した1枚の海苔入り包装材10Bを被せて包装する工程を模式的に示している。上述した実施形態の収容体1は、当該工程の場所まで運搬され、収容袋30を開封して包装材積層体10Mが取り出され、所定の取り出し台60にセットされる。取り出し台60にセットされた包装材積層体10Mは、各海苔入り包装材10Bが、略水平、かつ内側フィルム12が下側に配置された状態で積層されている。複数の海苔入り包装材10Bを台部材20の一面20a上に積層し、収容袋30により真空パックした状態で運搬するため、包装材10や海苔40が変形することを抑制できる。
【0030】
包装材積層体10Mの下方には、米飯を握って三角形状に成形したおにぎり50が横置きの状態で配置される。包装材積層体10Mから、一番下にある1枚の海苔入り包装材10Bがバキュームピック等の図示せぬ取り出し装置により吸着されて下方に取り出され、おにぎり50に上側から被せられる。
【0031】
ここで、図8に示す包装材積層体10Mから取り出された1枚の包装材10の幅方向両側の端部10eのそれぞれは、おにぎり50が配置された下側に撓んで湾曲した状態に癖付けされている。これは、上述したように台部材20の一面20a側に配置された包装材積層体10Mが収容袋30で真空パックされたからである。包装材積層体10Mにおける台部材20に近接する複数の包装材10は、平坦で硬い台部材20の一面20aに押し付けられるので癖付けされにくい。しかし、台部材20とは反対側の表面側に積層されている複数の包装材10は、真空パックによる圧縮力で可撓性を有する下方の包装材10に押し付けられることにより撓み、癖付けされやすい。
【0032】
このように包装材10の幅方向両側の端部10eのそれぞれが癖付けされていると、包装材10は下方のおにぎり50の外表面に沿うような形状となり、おにぎり50と反対側の上側に反ることが抑えられる。これにより、海苔入り包装材10Bでおにぎり50を包みやすくなり、包装不良を抑制できる。
【0033】
この後、海苔入り包装材10Bでおにぎり50を包み、包装材10の重なった部分をシール等で保持して、図9に示す海苔入り包装材10Bで包装された包装済みおにぎり50Bを得る。包装済みおにぎり50Bは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗で販売される。
【0034】
包装済みおにぎり50Bを開封するには、まず、操作片17を指で摘まんで引っ張ることにより、おにぎり50を周回するカットテープ16を引き裂き、外側フィルム11を左右に分割する。次いで、分割した外側フィルム11の左側部分と内側フィルム12の左側フィルム13を摘まむとともに、分割した外側フィルム11の右側部分と内側フィルム12の右側フィルム14を摘まんで、左右に引き離す。これにより、外側フィルム11及び内側フィルム12は左右に分離し、残った海苔40がおにぎり50に巻かれた状態で付着し、海苔40付きのおにぎり50を食することができる。
【0035】
以上説明した第1実施形態に係る収容体1は、おにぎり50を包む複数の包装材10のそれぞれが、シート状の食品である海苔40を個別に包装した状態で複数積層された包装材積層体10Mと、包装材積層体10Mが一面20a側に配置されるシート状の台部材20と、包装材積層体10Mと台部材20とを収容して真空パックの状態に密封する収容袋30と、を備える。
【0036】
これにより、海苔40を収容した複数の包装材10を運搬する際に、包装材10や海苔40が変形すること、及び海苔40が湿気ることを抑制できる。その結果、包装材10をおにぎり50に包装しやすくなるとともに、乾燥した海苔40のパリパリとした食感を味わうことができる。
【0037】
第1実施形態に係る収容体1においては、包装材積層体10Mを構成する複数の包装材10のそれぞれは、おにぎり50に接触する側の裏面10gが台部材20の側に位置するように積層されており、包装材積層体10Mにおける少なくとも前記台部材20とは反対側の表面側に配置された複数の包装材10における幅方向両側の端部10eが、収容袋30によって台部材20の側に撓んでいることが好ましい。
【0038】
これにより、包装材10をおにぎり50に被せて包装する作業を円滑に行うことができ、作業効率が向上する。
【0039】
第1実施形態に係る収容体1の製造方法は、おにぎり50を包む包装材10にシート状の食品である海苔40を個別に包装するステップと、海苔40を個別に包装した複数の包装材10を、シート状の台部材20の一面20a側に積層して包装材積層体10Mを配置するステップと、包装材積層体10Mと台部材20とを収容袋30に収容するステップと、収容袋30内を真空引きして包装材積層体10Mと台部材20とを収容袋30内に密封して真空パックにするステップと、を備える。
【0040】
これにより、海苔40を収容した複数の包装材10を運搬する際に、包装材10や海苔40が変形すること、及び海苔40が湿気ることを抑制できる収容体1を好適に製造できる。
【0041】
(第2実施形態)
続いて、図10及び図11を参照して第2実施形態を説明する。
第2実施形態の収容体1は、上記台部材20の形態が上記第1実施形態と異なっており、他の構成は同じである。したがって、上記第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点のみを説明する。
【0042】
図10及び図11に示すように、第2実施形態の台部材20は、その幅方向の両端部に折り返し部25をそれぞれ有する。折り返し部25は、台部材20の一面20a側に折り返され、包装材積層体10Mの幅方向両端部を覆っている。第2実施形態の台部材20は、包装材積層体10Mが配置される平坦な配置部21と、配置部21の両端から配置部21の幅方向内側に向けて折り返された左右一対の折り返し部25と、を有する。左右の折り返し部25は予め形成され、これら折り返し部25の間の配置部21の上面に包装材積層体10Mを配置してよい。あるいは、包装材積層体10Mを配置してから、各折り返し部25を形成してもよい。
【0043】
第2実施形態の収容体1は、各折り返し部25によって包装材積層体10Mの幅方向両端部が覆われた状態で、収容袋30の内部が真空引きされている。包装材積層体10Mは、収容袋30によって複数の包装材10の積層方向に圧縮され、さらに、台部材20の折り返し部25によってその両端部のそれぞれが複数の包装材10の積層方向に圧縮される。これにより、図11に示すように、包装材積層体10Mにおける複数の包装材10のうち、少なくとも台部材20とは反対側の表面側(図11で上側)に配置された所定数の包装材10における幅方向両側の端部10eのそれぞれは、折り返し部25によって台部材20の側に撓む。そして、時間の経過とともに、その撓みが固定化して癖付けされる。
【0044】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、台部材20とは反対側の表面側に積層されている複数の包装材10は、折り返し部25から受ける押圧力で可撓性を有する下方の包装材10に押し付けられることにより撓み、癖付けされやすい。
【0045】
このように包装材10の幅方向両側の端部10eのそれぞれが癖付けされていると、図8に示したように、包装材10はおにぎり50の外表面に沿うような形状となり、海苔入り包装材10Bでおにぎり50を包みやすくなり、包装不良を抑制できる。
【0046】
第2実施形態に係る収容体1においては、包装材積層体10Mを構成する複数の包装材10のそれぞれは、おにぎり50に接触する側の裏面10gが台部材20の側に位置するように積層されており、台部材20は、当該台部材20の一面20a側に折り返されて包装材積層体10Mの幅方向両端部を覆う折り返し部25を有し、包装材積層体10Mにおける少なくとも台部材20とは反対側の表面10s側に配置された複数の包装材10における幅方向両側の端部10eが、折り返し部25によって台部材20の側に撓んでいる。
【0047】
これにより、包装材10をおにぎり50に被せて包装する作業を円滑に行うことができ、作業効率が向上する。
【0048】
本発明は上記各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、台部材20の少なくとも包装材積層体10Mが配置される一面20aを幅方向において全体的に湾曲した形状、もしくは山型形状として、幅方向両側の端部10eのみならず包装材10全体が湾曲する状態に癖付けされるようにしてもよい。
また、包装材10の幅方向両側の端部10eを撓ませて癖付けする形態に加えて、包装材10の長さ方向両側の端部を撓ませて癖付けするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 包装材
10e 包装材の両端部
10g 包装材の裏面
10M 包装材積層体
20 台部材
20a 台部材の一面
25 折り返し部
30 収容袋
40 食品(海苔)
50 おにぎり
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11