IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図1
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図2
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図3
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図4
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図5
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図6
  • 特開-照明システムおよび照明制御方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007645
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】照明システムおよび照明制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20230112BHJP
【FI】
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110628
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】星 浩司
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA31
3K273SA11
3K273SA36
3K273SA56
3K273TA15
3K273TA32
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA24
3K273UA25
(57)【要約】
【課題】制御装置と照明器具との間の無線通信に用いられる通信帯域を圧迫せずに演出照明を行うことができる照明システム等を提供する。
【解決手段】照明システム1は、照明光を照射する第1照明器具10と、演出パターンに基づいて第1照明器具10を発光制御する制御装置30とを備え、制御装置30は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10に無線通信によって配信し、第1照明器具10は、第1照明器具10が備える記憶部に、配信された演出パターンを示すデータを記憶し、制御装置30は、演出パターンを示すデータを配信した後、演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を第1照明器具10に無線通信によって送信することにより、第1照明器具10に、記憶部に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する第1照明器具と、
演出パターンに基づいて前記第1照明器具を発光制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、前記演出パターンを示すデータを、前記第1照明器具に無線通信によって配信し、
前記第1照明器具は、前記第1照明器具が備える記憶部に、配信された前記演出パターンを示すデータを記憶し、
前記制御装置は、前記演出パターンを示すデータを配信した後、前記演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を前記第1照明器具に無線通信によって送信することにより、前記第1照明器具に、前記記憶部に記憶された前記演出パターンを示すデータを読み出して再生させる、
照明システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、少なくとも1日分の前記第1照明器具に対する制御の履歴を示すデータから統計を用いて、割り出す、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、前記通信帯域におけるトラフィックを監視することで、割り出す、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1照明器具が設置される空間が使用される時間帯に関する情報を記憶し、
前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、前記第1照明器具が設置される前記空間が使用される前記時間帯に関する前記情報に基づいて、割り出す、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1照明器具が前記記憶部に記憶された前記演出パターンを示すデータを読み出して再生しているときに、追加の演出パターンを示すデータの入力を受け付ける、
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記追加の演出パターンを示すデータの、ユーザによる手動の入力を受け付ける、
請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
さらに、前記第1照明器具と、データを記憶するための記憶容量が異なる第2照明器具とを備え、
前記第2照明器具は、空間の照度および色温度を調整する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
照明光を照射する第1照明器具と、演出パターンに基づいて前記第1照明器具を発光制御する制御装置とを備える照明システムが実行する照明制御方法であって、
前記制御装置が、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、前記演出パターンを示すデータを、前記第1照明器具に無線通信によって配信する配信ステップと、
前記第1照明器具が、前記第1照明器具が備える記憶部に、配信された前記演出パターンを示すデータを記憶する記憶ステップと、
前記制御装置が、前記演出パターンを示すデータよりもデータ容量の小さい演出指示情報を前記第1照明器具に無線通信によって送信することにより、前記第1照明器具に、前記記憶部に記憶された前記演出パターンを示すデータを読み出して再生させる制御ステップとを含む、
照明制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムおよび照明制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信を用いて、照明制御装置から演出用の照明を制御する照明システムが提案されている。特許文献1には、応援用発光装置の属するグループに関する情報をあらかじめ格納し、公演現場でグループ別の色に関する情報のみ無線送信することで、伝送データ量を大幅に削減することができる画像演出システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-004703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、照明器具と制御装置との間の無線通信に用いられる通信帯域を圧迫してしまうという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、制御装置と照明器具との間の無線通信に用いられる通信帯域が圧迫されることを抑制して演出照明を行うことができる照明システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明システムは、照明光を照射する第1照明器具と、演出パターンに基づいて前記第1照明器具を発光制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、前記演出パターンを示すデータを、前記第1照明器具に無線通信によって配信し、前記第1照明器具は、前記第1照明器具が備える記憶部に、配信された前記演出パターンを示すデータを記憶し、前記制御装置は、前記演出パターンを示すデータを配信した後、前記演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を前記第1照明器具に無線通信によって送信することにより、前記第1照明器具に、前記記憶部に記憶された前記演出パターンを示すデータを読み出して再生させる。
【0007】
本開示の一態様に係る照明制御方法は、照明光を照射する第1照明器具と、演出パターンに基づいて前記第1照明器具を発光制御する制御装置とを備える照明システムが実行する照明制御方法であって、前記制御装置が、前記制御装置と前記第1照明器具とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、前記演出パターンを示すデータを、前記第1照明器具に無線通信によって配信する配信ステップと、前記第1照明器具が、前記第1照明器具が備える記憶部に、配信された前記演出パターンを示すデータを記憶する記憶ステップと、前記制御装置が、前記演出パターンを示すデータよりもデータ容量の小さい演出指示情報を前記第1照明器具に無線通信によって送信することにより、前記第1照明器具に、前記記憶部に記憶された前記演出パターンを示すデータを読み出して再生させる制御ステップとを含む。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る照明システムは、制御装置と照明器具との間の無線通信に用いられる通信帯域が圧迫されることを抑制して演出照明を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態における照明システムの概要を表す図である。
図2図2は、実施の形態における照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態における照明システムの動作を表すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態における照明システムの統計処理による通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態における照明システムのトラフィック監視による通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態における照明システムの第1照明器具が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づく、通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態における照明システムの追加の演出パターンを示すデータを受け付ける動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的、または、具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略、または、簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[概要]
まず、本開示の一態様に係る照明システムの概要について説明する。図1は、実施の形態における照明システムの概要を示す図である。
【0014】
照明システム1は店舗などで用いられる演出用の照明システムである。図1に示されるように、照明システム1は、複数の第1照明器具10、複数の第2照明器具20、および、制御装置30を備える。一般的な、演出用の照明システムにおいては、演出が行われるタイミングになると、制御装置は、照明器具に、当該照明器具の発光態様である演出パターンを示すデータを送信する。しかしながら、このように演出が行われるタイミングで演出パターンを示すデータを送信する場合、演出の都度、演出パターンを示すデータをすべて送ることとなるため、通信帯域が圧迫され、データ配信が遅延するなどの弊害がある。
【0015】
そこで、照明システム1では、事前に演出パターンを送信し、演出が行われるタイミングでは、送信済みのデータを読み出すトリガとなる、演出パターンを示すデータよりも容量の小さい信号のみを送信することで、通信帯域が圧迫されることを抑制することができる。また、データ配信の遅延が生じることを抑制できるため、演出における遅延が生じにくい。
【0016】
具体的には、制御装置30は、第1照明器具10と、第2照明器具20とを制御する。例えば、制御装置30は、複数の第1照明器具10と複数の第2照明器具20とを制御してもよい。第1照明器具10は、制御装置30から配信された演出パターンを示すデータを記憶し、演出パターンを示すデータに沿って照明制御を行う。
【0017】
制御装置30は、第1照明器具10と無線通信を行い、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを第1照明器具10に配信する。そして、制御装置30は、第1照明器具10に演出パターンを示すデータに沿った制御を行わせる時に、無線通信を用いて、演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を第1照明器具10に送信する。
【0018】
第1照明器具10の第1照明制御部11は、制御装置30から送信された演出指示情報に基づいて、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出し、演出パターンを示すデータに沿って、第1光源14を制御する。なお、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出し、演出パターンを示すデータに沿って、第1光源14を制御することを、演出パターンを示すデータを再生すると表現してもよい。
【0019】
[構成]
次に、実施の形態における照明システム1の構成について説明する。図2は、実施の形態における照明システム1の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるように、照明システム1は、複数の第1照明器具10(図2では1つだけ図示)、複数の第2照明器具20(図2では1つだけ図示)、および、制御装置30を備える。なお、照明システム1は、第1照明器具10を少なくとも1つ備えればよい。また、照明システム1は、第2照明器具20を備えていなくてもよい。
【0020】
まず、第1照明器具10について説明する。第1照明器具10は、主として演出に使用される照明器具であり、例えば、スポットライトまたはプロジェクタ等である。第1照明器具10は、平面視形状が長方形のシーリングライト、平面視形状が円形のシーリングライト、ベースライトまたはダウンライト等であってもよい。第1照明器具10は、具体的には、第1照明制御部11、第1照明記憶部12、第1照明通信部13、および、第1光源14を備える。
【0021】
第1照明制御部11は、回路とメモリとで実現される。第1照明制御部11は、第1光源14を制御して、第1光源14から光を出射させる。また、第1照明制御部11は、第1照明記憶部12から、演出パターンを示すデータを読み出した後、読み出した演出パターンを示すデータに沿って、第1光源14を制御する。ここで、演出パターンとは、第1光源14から光を出射するタイミング、または、第1光源14の光の照度等を示す。また、第1照明制御部11は、点灯回路として機能してもよい。
【0022】
第1照明記憶部12は、メモリで実現される。第1照明記憶部12は、制御装置30から配信された演出パターンを示すデータを記憶する。第1照明記憶部12は、記憶部の具体例である。
【0023】
第1照明通信部13は、通信回路で実現される。第1照明通信部13は、無線通信で、制御装置30の制御通信部33と通信する。第1照明通信部13は、有線通信を行う機能を備えていてもよい。
【0024】
第1光源14は、具体的には、白熱電球、蛍光灯、有機EL(Electro-Luminescence)、LED(Light Emitting Diode)等であってもよい。第1光源14は、第1照明制御部11からの制御を受けて、光を出射する。
【0025】
次に、第2照明器具について説明する。第2照明器具20は、主として、空間の照明に用いられる照明器具であり、例えば、ダウンライト等である。第2照明器具20は、平面視形状が長方形のシーリングライト、平面視形状が円形のシーリングライト、スポットライト、または、ベースライト等であってもよい。第2照明器具20は、具体的には、第2照明制御部21、第2照明記憶部22、第2照明通信部23、および、第2光源24を備える。
【0026】
第2照明制御部21は、回路とメモリとで実現される。第2照明制御部21は、第2光源24を制御して、第2光源24から光を出射させる。また、第2照明制御部21は、第2照明記憶部22から、第2光源24の制御情報等を読み出した後、読み出した制御情報等に沿って、第2光源24を制御する。また、第2照明制御部21は、点灯回路として機能してもよい。
【0027】
第2照明記憶部22は、メモリで実現される。第2照明記憶部22は、制御装置30から配信された制御情報等を記憶する。第2照明記憶部22の記憶容量は、第1照明記憶部12の記憶容量とは異なる。例えば、第2照明記憶部22の記憶容量は、第1照明記憶部12の記憶容量より小さくてもよい。
【0028】
第2照明通信部23は、通信回路で実現される。第2照明通信部23は、無線通信で、制御装置30の制御通信部33と通信する。第2照明通信部23は、有線通信を行う機能を備えていてもよい。
【0029】
第2光源24は、白熱電球、放電管、または液晶もしくは半導体等で実現される光源である。第2光源24は、具体的には、白熱電球、蛍光灯、有機EL、LED等であってもよい。第2光源24は、第2照明制御部21からの制御を受けて、光を出射する。
【0030】
次に、制御装置30について説明する。制御装置30は、第1照明器具10および第2照明器具20を制御するコントローラである。制御装置30は、例えば、壁等に設置され、液晶画面等を有する。制御装置30は天井等に設置されてもよく、この場合、制御装置30のUI(User Interface)として、タブレット端末またはスマートフォン等の携帯端末が使用される。制御装置30は、具体的には、制御部31、制御記憶部32、および、制御通信部33を備える。
【0031】
制御部31は、回路とメモリとで実現される。制御部31は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10に無線通信によって配信する。また、演出パターンを示すデータを配信した後、演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を第1照明器具10に無線通信によって送信することにより、第1照明器具10に、第1照明記憶部12に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生させる。
【0032】
また、制御部31は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、少なくとも1日分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータから統計を用いて、割り出す。また、制御部31は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、通信帯域におけるトラフィックを監視することで、割り出す。また、制御装置30は、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報を記憶し、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づいて、割り出す。
【0033】
また、制御装置30は、第1照明器具10が第1照明記憶部12に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生しているときに、追加の演出パターンを示すデータの入力を受け付ける。
【0034】
制御記憶部32は、メモリで実現される。制御記憶部32は、制御部31が第1照明器具10または第2照明器具20に送信するデータを記憶する。また、制御記憶部32は、制御部31が制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を割り出す計算を行うときに用いられるデータを記憶してもよい。また、制御記憶部32は、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報を記憶する。
【0035】
制御通信部33は、通信回路で実現される。制御通信部33は、第1照明器具10の第1照明通信部13、または、第2照明器具の第2照明通信部23と無線通信を行う。制御通信部33は、有線通信を行う機能を備えていてもよい。
【0036】
[動作]
次に、照明システム1の動作について説明する。図3は、実施の形態における照明システム1の動作を表すフローチャートである。
【0037】
まず、制御装置30の制御部31が、制御通信部33に、通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10の第1照明通信部13に無線通信によって配信させる(ステップS10)。制御部31は、計時機能を有し、あらかじめ割り出した通信帯域が空いている時間帯になったときに、自動的に、制御通信部33に演出パターンを示すデータを無線通信によって配信させる。制御部31が、制御通信部33に、演出パターンを示すデータを送信させる時間帯は、後述する所定の方法で割り出されてもよい。
【0038】
ここで、通信帯域とは、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う帯域である。また、通信帯域が空いている時間帯とは、1日の中で、当該通信帯域における通信量が相対的に少ない時間帯を意味する。または、通信帯域が空いている時間帯とは、当該通信帯域における通信量が所定量以下である時間帯のことでもよい。
【0039】
また、演出パターンを示すデータは、第1照明器具10の第1光源14の照度と光の出射のタイミングとを示すデータである。また、無線通信は、Wi-Fi(登録商標)でもよいし、ZigBee(登録商標)でもよいし、Bluetooth(登録商標)等でもよい。また、無線通信の通信帯域は、920MHz帯でもよいし、2.4GHz帯でもよい。
【0040】
例えば、制御部31は、深夜0時に、制御通信部33に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10の第1照明通信部13に無線通信によって配信させてもよい。
【0041】
次に、第1照明器具10の第1照明制御部11が、第1照明記憶部12に、配信された演出パターンを示すデータを記憶させる(ステップS11)。第1照明制御部11は、ステップS10で制御通信部33から配信された演出パターンを示すデータを、第1照明記憶部12に記憶させる。
【0042】
続いて、制御装置30の制御部31が、制御通信部33に、演出指示情報を第1照明器具10に無線通信によって送信させる(ステップS12)。ここで、演出指示情報とは、演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい信号である。演出指示情報は、演出パターンを示すデータを、第1照明制御部11が第1照明記憶部12から読み出すことを指示する情報である。
【0043】
続いて、制御装置30の制御部31が、第1照明器具10の第1照明制御部11に、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出して再生させる(ステップS13)。ここで、制御部31は、第1照明器具10に、演出指示情報を送信することで、第1照明器具10の第1照明制御部11に、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出させる。また、第1照明制御部11がデータを再生するとは、当該データを第1照明記憶部12から読み出して、当該データに沿って第1光源14を制御することである。
【0044】
[通信帯域の空いている時間帯を割り出す動作1]
次に、制御装置30が行う、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す動作について説明する。まず、制御装置30が統計処理によって空いている時間を割り出す動作について説明する。図4は、実施の形態における照明システム1の統計処理による通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
【0045】
まず、制御装置30の制御部31は、1日分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータの統計処理を行う(ステップS20)。制御部31は、少なくとも1日分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータに対して、統計処理を行う。例えば、制御部31は、第1照明器具10に対する制御が行われた時間帯の最頻値を算出してもよい。統計処理は、1日分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータに対して行われてもよいし、1週間分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータに対して行われてもよい。具体的には、制御部31は、1日を複数個の時間帯に分割し、それぞれの時間帯における制御部31による第1照明器具10への制御が行われた回数を計測してもよい。
【0046】
そして、制御部31は、統計処理に基づいて、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す(ステップS21)。具体的には、制御部31は、ステップS20で、1日を複数個の時間帯に分割し、それぞれの時間帯における制御部31による第1照明器具10への制御が行われた回数を計測した後、制御部31による第1照明器具10への制御が行われた回数が所定より少ない時間帯を決定してもよい。制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯は、複数個割り出されてもよい。制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯が複数個割り出された場合、制御部31は、割り出された複数個の時間帯のうち、1つを選んで、制御通信部33に演出パターンを示すデータを送信させてもよい。または、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯が複数個割り出された場合、制御部31は、割り出された複数個の時間帯のうち、いくつかの時間帯に分けて、制御通信部33に演出パターンを示すデータを送信させてもよい。
【0047】
[通信帯域の空いている時間帯を割り出す動作2]
次に、制御装置30がトラフィックを監視することによって空いている時間を割り出す動作について説明する。図5は、実施の形態における照明システム1のトラフィック監視による通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
【0048】
まず、制御装置30の制御部31は、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域のトラフィックを監視する(ステップS30)。制御部31は、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が所定量より少ないか否かを判定してもよい。
【0049】
そして、制御部31は、監視結果に基づいて、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す(ステップS31)。具体的には、制御部31は、ステップS31で、1日を複数個の時間帯に分割し、それぞれの時間帯において、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が所定量より少ないか否かを判定した後、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が所定量より少ない時間帯を決定してもよい。
【0050】
または、制御部31は、ステップS30で、1日を複数個の時間帯に分割し、それぞれの時間帯において、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が相対的に少ない時間帯を決定してもよい。例えば、制御部31は、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が最も少ない時間帯を1つ選んでもよいし、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の通信量が最も少ない時間帯を最も少ない時間帯から順に複数個選んでもよい。
【0051】
[通信帯域の空いている時間帯を割り出す動作3]
次に、制御装置30が第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づいて、通信帯域が空いている時間を割り出す動作について説明する。図6は、実施の形態における照明システム1の第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づく、通信帯域が空いている時間帯の割り出しの動作を表すフローチャートである。
【0052】
まず、制御装置30の制御部31は、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報を、制御記憶部32に記憶する(ステップS40)。例えば、制御部31は、第1照明器具10が設置される空間の使用が開始される時刻と、第1照明器具10が設置される空間の使用が終了する時刻とを、制御記憶部32に記憶させてもよい。また、制御記憶部32は、照明システム1が設置される空間が店舗等の場合、7曜日の開店および閉店のスケジュールを記憶していてもよい。
【0053】
次に、制御装置30の制御部31は、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づいて、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す(ステップS41)。例えば、制御部31は、第1照明器具10が設置される空間が使用されていない時間帯を、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯と判定してもよい。
【0054】
なお、図4から図6で説明された、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す各方法は、組み合わせて実施されてもよい。図4から図6で説明された、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯を割り出す各方法が、組み合わせて実施される場合、それぞれの方法で割り出された各時間帯すべてを、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯として決定してもよい。
【0055】
そして、制御部31がそれぞれの方法で割り出された各時間帯すべてを、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯として決定することによって、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯が複数個割り出された場合、制御部31は、割り出された複数個の時間帯のうち、1つを選んで、制御通信部33に演出パターンを示すデータを送信させてもよい。または、制御装置30の制御通信部33と、第1照明器具10の第1照明通信部13とが無線通信を行う通信帯域の空いている時間帯が複数個割り出された場合、制御部31は、割り出された複数個の時間帯のうち、いくつかの時間帯に分けて、制御通信部33に演出パターンを示すデータを送信させてもよい。
【0056】
[追加の演出パターンを受け付ける動作]
次に、照明システム1が追加の演出パターンを示すデータを受け付ける動作について説明する。図7は、実施の形態における照明システム1の追加の演出パターンを示すデータを受け付ける動作を表すフローチャートである。
【0057】
まず、第1照明器具10の第1照明制御部11が、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出して再生する(ステップS50)。第1照明制御部11が、第1照明記憶部12から演出パターンを示すデータを読み出して、読み出した演出パターンを示すデータに沿って、第1光源14を制御する。
【0058】
次に、制御装置30の制御部31は、追加の演出パターンを示すデータの入力を受け付ける(ステップS51)。制御部31は、ステップS50で行われる第1照明制御部11による第1照明記憶部12からの演出パターンを示すデータの読み出しと再生と同時に、ユーザの手動による、追加の演出パターンを示すデータの入力を受け付けてもよい。
【0059】
[効果等]
本開示の一態様に係る照明システム1は、照明光を照射する第1照明器具10と、演出パターンに基づいて第1照明器具10を発光制御する制御装置30とを備え、制御装置30は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10に無線通信によって配信し、第1照明器具10は、第1照明器具10が備える記憶部に、配信された演出パターンを示すデータを記憶し、制御装置30は、演出パターンを示すデータを配信した後、演出パターンを示すデータよりもデータ量の小さい演出指示情報を第1照明器具10に無線通信によって送信することにより、第1照明器具10に、記憶部に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生させる。
【0060】
これにより、照明システム1は、制御装置30と第1照明器具10との間の無線通信に用いられる帯域を混雑させずに、第1照明器具10にデータを送信することができる。よって、照明システム1は、制御装置30と第1照明器具10との間の無線通信に用いられる通信帯域を圧迫せずに演出照明を行うことができる。
【0061】
また、例えば、制御装置30は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、少なくとも1日分の第1照明器具10に対する制御の履歴を示すデータから統計を用いて、割り出してもよい。
【0062】
これにより、照明システム1は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、正確に割り出すことができる。
【0063】
また、例えば、制御装置30は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、通信帯域におけるトラフィックを監視することで、割り出す。
【0064】
これにより、照明システム1は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、状況に応じて正確に割り出すことができる。
【0065】
また、例えば、制御装置30は、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報を記憶し、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、第1照明器具10が設置される空間が使用される時間帯に関する情報に基づいて、割り出す。
【0066】
これにより、照明システム1は、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯を、正確に割り出すことができる。
【0067】
また、例えば、制御装置30は、第1照明器具10が記憶部に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生しているときに、追加の演出パターンを示すデータの入力を受け付ける。
【0068】
これにより、照明システム1は、通常の演出照明よりも凝った演出照明を行うことができる。
【0069】
また、例えば、照明システム1は、追加の演出パターンを示すデータの、ユーザによる手動の入力を受け付ける。
【0070】
これにより、照明システム1は、ユーザの手動による、通常の演出照明よりも凝った演出照明を行うことができる。
【0071】
また、例えば、照明システム1は、さらに、第1照明器具10と、データを記憶するための記憶容量が異なる第2照明器具20とを備え、第2照明器具20は、空間の照度および色温度を調整する。
【0072】
これにより、照明システム1は、演出照明だけでなく、空間全体を照明するベース照明を行うことができる。
【0073】
また、本開示の実施の形態における照明制御方法は、照明光を照射する第1照明器具10と、演出パターンに基づいて第1照明器具10を発光制御する制御装置30とを備える照明システム1が実行する照明制御方法であって、制御装置30が、制御装置30と第1照明器具10とが通信を行う通信帯域が空いている時間帯に、演出パターンを示すデータを、第1照明器具10に無線通信によって配信する配信ステップと、第1照明器具10が、第1照明器具10が備える記憶部に、配信された演出パターンを示すデータを記憶する記憶ステップと、制御装置30が、演出パターンを示すデータよりもデータ容量の小さい演出指示情報を第1照明器具10に無線通信によって送信することにより、第1照明器具10に、記憶部に記憶された演出パターンを示すデータを読み出して再生させる制御ステップとを含む。
【0074】
これにより、本開示の実施の形態における照明制御方法は、照明システム1と同様の効果を奏することができる。
【0075】
以上、本開示の照明システム1等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本開示の照明システム1は、店舗等における照明による演出に用いられうる。
【符号の説明】
【0077】
1 照明システム
10 第1照明器具
20 第2照明器具
30 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7