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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007670
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】排水トラップ
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/28 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
E03C1/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110665
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和典
(72)【発明者】
【氏名】井手 久雄
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DD08
2D061DD10
2D061DE15
(57)【要約】
【課題】浴槽排水をスムーズに流出可能な排水トラップを提供する。
【解決手段】浴槽排水が流入する受入部13を備え、前記受入部13は、前記浴槽排水が流入する流入口17と、前記流入口17から流入した前記浴槽排水が流出する流出口19と、を有し、前記流入口17及び前記流出口19は、まっすぐに連通する流入側対向部50及び流出側対向部51を具備している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽排水が流入する受入部を備え、
前記受入部は、前記浴槽排水が流入する流入口と、前記流入口から流入した前記浴槽排水が流出する流出口と、を有し、
前記流入口及び前記流出口は、まっすぐに連通する流入側対向部及び流出側対向部を具備している、排水トラップ。
【請求項2】
前記流出口の下流側に連通して設けられた流出部を備え、
前記流出部の貯水によって封水が形成され、
前記流出口の上端の高さ位置は、前記流入口の上端の高さ位置よりも低い、請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項3】
前記流出口の左右方向の寸法は、前記流入口の左右方向の寸法よりも大きい、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の排水トラップ。
【請求項4】
前記流入側対向部から前記流出側対向部へ向かって延びる壁部材を有している、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の排水トラップ。
【請求項5】
前記壁部材は、前記流入側対向部から前記流出側対向部へ向かう下流側に、左右方向に開口する開口部を有している、請求項4に記載の排水トラップ。
【請求項6】
前記壁部材は、前記流入側対向部から前記流出側対向部に向かって下降する上壁部を有している、請求項4から請求項5までの何れか一項に記載の排水トラップ。
【請求項7】
前記壁部材に沿って前記流入側対向部から前記流出側対向部へ向かう流れは、下流側において左右方向に広がっている、請求項4から請求項6までの何れか一項に記載の排水トラップ。
【請求項8】
前記壁部材は、前記受入部に対して着脱自在である、請求項4から請求項7までの何れか一項に記載の排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水トラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室ユニット等の床下に設置される排水トラップが知られている。例えば下記特許文献1には、溜水部と、溜水部内に配置される封水筒とを有する排水トラップが記載されている。この排水トラップの封水は、溜水部と封水筒とによって形成される。浴槽から排水される浴槽排水は、溜水部に流入し、溜水部から排水管に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-242462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排水トラップにおいて、浴槽排水をスムーズに流出させたいという要望がある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、浴槽排水をスムーズに流出可能な排水トラップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の排水トラップは、浴槽排水が流入する受入部を備え、前記受入部は、前記浴槽排水が流入する流入口と、前記流入口から流入した前記浴槽排水が流出する流出口と、を有し、前記流入口及び前記流出口は、まっすぐに連通する流入側対向部及び流出側対向部を具備しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】排水トラップであって、浴室ユニットの床下に設置した状態を示す側面図
図2】排水トラップを示す縦断面図
図3】排水トラップを示す平面図
図4】壁部材を取り外した状態の排水トラップを示す横断面図であって、図3のA-A位置における断面に相当する断面図
図5】壁部材を取り付けた状態の排水トラップを示す横断面図であって、図3のA-A位置における断面に相当する断面図
図6】壁部材を取り付けた状態の排水トラップを示す横断面図であって、図3のB-B位置における断面に相当する断面図
図7】排水トラップを示す平断面図であって、図1のC-C位置における断面に相当する断面図
図8】壁部材を示す斜視図
図9】受入部に壁部材を着脱する様子を示す一部拡大平断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
排水トラップ10は、図1に示すように、浴室ユニット90の床下に設置される。浴室ユニット90は、浴槽91と、洗い場93と、浴槽パン95と、を備えている。浴槽91は、浴槽91内の水を排水するための浴槽排水口92を有している。浴槽パン95は、浴槽91の下に配置される。浴槽パン95は、浴槽91の排水口の下側に浴槽パン排水口96を有している。浴槽パン排水口96には、浴槽排水管97が接続される。排水トラップ10は、浴槽排水管97の下流側の端部に接続される。洗い場93は、浴室ユニット90の床面を構成する。洗い場93は、洗い場93の水を排水するための洗い場排水口94を有している。排水トラップ10は、洗い場排水口94の下側に連結される。
【0009】
浴室ユニット90は、スラブ等の床構造98の上に設置される。排水トラップ10は、洗い場93と床構造98との間に設置される。洗い場93と床構造98との間の空間は、排水トラップ10の設置スペース99である。設置スペース99の高さ寸法H1は、浴室ユニット90の洗い場93の水上高さUBFLと床構造98の高さ位置SLとによって決まる。設置スペース99の高さ寸法H1が小さい場合に対応できるように、排水トラップ10の高さ寸法H2は小さくされている。排水トラップ10の高さ寸法H2は、後述する受入部13の外形の上下方向の寸法であり、取り付け面から受入部13の下端までの寸法である。排水トラップ10の高さ寸法H2は、130mm以下である。
【0010】
排水トラップ10は、図1に示すように、浴槽排水管97の下流側の端部に接続される浴槽側接続部11を有している。排水トラップ10には、浴槽91から排水される浴槽排水が側方から流入する。排水トラップ10には、洗い場93から排水される洗い場排水が上方から流入する。排水トラップ10は、外部導出管100の上流側の端部に接続される導出側接続部12を有している。排水トラップ10は、浴槽排水及び洗い場排水を、外部導出管100に流出する。
【0011】
排水トラップ10は、図2に示すように、導入部15と受入部13と流出部14とを備えている。導入部15は、浴槽側接続部11を有している。導入部15には、浴槽排水と、必要に応じて他の排水とが導入される。受入部13には、浴槽排水、洗い場排水、及び、他の排水が導入される場合には他の排水が流入する。流出部14は、受入部13の下流側に連通して設けられている。流出部14は、排水流出口16を有している。排水流出口16は、受入部13に流入した浴槽排水、洗い場排水、及び他の排水が流入した場合は他の排水を流出する。排水流出口16は、導出側接続部12の上流側の開口である。排水流出口16は、流出部14の左右方向の中央部に設けられている(図7参照)。
【0012】
以下、各構成部材において、排水トラップ10を浴室ユニット90の下側に設置した状態における上側を上側、下側を下側とし、浴槽側流入口17側を後側、排水流出口16側を前側、浴槽側流入口17側から排水流出口16側に向かって右側を右側、左側を左側として説明する。各図において、X軸の正方向側は前側、X軸の負方向側は後側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、Z軸の正方向側は右側、Z軸の負方向側は左側を示す。
【0013】
受入部13は、図2に示すように、浴槽側流入口17と、洗い場側流入口18と、流出口19と、を有している。浴槽排水は、浴槽側流入口17から受入部13に流入する。
【0014】
浴槽側流入口17は、受入部13の側壁23に開口し、導入部15と受入部13とを連通している。浴槽側流入口17は、図4に示すように、左右方向に長い長方形状である。浴槽側流入口17の左右方向の寸法W1は、浴槽側接続部11の下流端の開口の径寸法と同等である。浴槽側流入口17の高さ寸法H5は、左右方向に一定である。浴槽側流入口17の上端17Uは、受入部13の外形の上下方向の寸法H2の半分よりも少し下に位置している。
【0015】
洗い場側流入口18は、円形状である(図3参照)。洗い場側流入口18には、ヘアキャッチャー21が着脱可能に装着されている。ヘアキャッチャー21は、洗い場93から流れてきた髪の毛などの異物を受け止める。ヘアキャッチャー21は、封水面Fよりも上方に配置される。封水面Fは、排水トラップ10に水を溜めた際、受入部13及び流出部14に形成される水面である(図2参照)。
【0016】
流出口19は、図2に示すように、受入部13の側壁23のうち流出部14との間を隔てる隔壁25の下端部に設けられている。流出口19の上端19Uの高さ位置は、浴槽側流入口17の上端17Uの高さ位置よりも低い。これによって、排水トラップ10の高さ寸法H2を小さくしつつ封水深H3を確保できる。封水深H3は、流出口19の上端19Uと封水面Fとの高低差である。
【0017】
流出口19は、図6に示すように、左右方向に細長い形状である。流出口19は、受入部13の左端から右端まで連続している。流出口19を後側から見たときの流出口19の左右方向の寸法W2は、浴槽側流入口17を前側から見たときの浴槽側流入口17の左右方向の寸法W1よりも大きい。流出口19の上下方向の寸法H6は、流出口19の左右方向において一定である。
【0018】
受入部13の側壁23は、図7に示すように、浴槽側面部24と、出口側面部25と、左右の側面部26と、を備えている。出口側面部25は、受入部13と流出部14との間を隔てる隔壁25である。出口側面部25には、点検用の開口32が形成されている(図6参照)。左右の側面部26は、前後方向に延びて浴槽側面部24及び出口側面部25の左右両端同士を連結している。出口側面部25の左右両端部であって、左右の側面部26の前端部には、流出部14の側壁27が連結している。受入部13の側壁23と流出部14の側壁27との連結部分を連結部28と称する。
【0019】
浴槽側面部24は、図7に示すように、浴槽側流入口17を形成している。図7には、浴槽側流入口17の形成範囲を網掛けで示した。浴槽側面部24は、平面視において、左右方向に延びた直線状である。浴槽側面部24の外面には、導入部15が設けられている。
【0020】
出口側面部25は、図7に示すように、流出口19を形成している。図7には、流出口19の形成範囲を網掛けで示した。出口側面部25は、流出部14の側壁27との連結部28よりも前側に張り出している。出口側面部25は、平面視において、左右方向中央部が左右方向両端部よりも前側に位置する弧状である。出口側面部25の左右方向中央部は、平面視において、直線状をなす直線部29である。直線部29は、浴槽側面部24と平行をなして対向している。点検用の開口32は、直線部29に形成されている。出口側面部25の左右方向の両端部は、平面視において、湾曲した湾曲部31である。湾曲部31は、連結部28から直線部29に向かって、斜めに延びている。流出口19は、出口側面部25の下端部の全体に形成されている。流出口19は、左の連結部28から右の連結部28まで連続している。
【0021】
浴槽側流入口17及び流出口19は、図7に示すように、まっすぐに連通する流入側対向部50及び流出側対向部51を具備している。「まっすぐ」は、平面視において直線的であるという意味であり、上下方向に位置がずれている場合を含む。流入側対向部50は、浴槽側流入口17の全体である。流出側対向部51は、流出口19の一部である。具体的には、流出側対向部51は、流出口19のうち、浴槽側流入口17を出口側面部25に投影したときの投影部である。流出側対向部51は、流出口19のうち左側の湾曲部31に形成された部分の概ね全体である。
【0022】
排水トラップ10は、流入側対向部50から流出側対向部51へ向かって延びる壁部材40を有している。壁部材40は、図8に示すように、上壁部41と、左右の第一側壁部42F及び第二側壁部42Sとを有している。上壁部41は、図2に示すように、壁部材40を受入部13に取り付けた状態において、浴槽側流入口17の上端から前方に延びる。上壁部41は、流入側対向部50から流出側対向部51に向かって下降する。壁部材40は、受入部13に対して着脱自在である。
【0023】
壁部材40の後端部は、浴槽側流入口17に嵌合する。壁部材40の後端部は、上壁部41と、左右の第一側壁部42F及び第二側壁部42Sとによって横長の開口を形成する。壁部材40の後端部の開口は、浴槽側流入口17とほぼ同じ大きさである。
【0024】
壁部材40は、図8に示すように、手掛け部52を有している。手掛け部52は、上壁部41から上方に突出している。手掛け部52は、壁部材40の前後方向中央部に設けられている。使用者は、手掛け部52を把持して壁部材40を受入部13に容易に着脱できる。
【0025】
上壁部41の左縁53は、図9に示すように、受入部13の側壁23に沿って湾曲している。上壁部41の右縁54は、平面視において直線状である。上壁部41の上面には、壁部材40の着脱方向を示す矢印が設けられている。壁部材40は、左右方向にスライドして着脱される。
【0026】
壁部材40は、受入部13の側壁23に引っ掛かる第一掛かり部55及び第二掛かり部56を備えている。第一掛かり部55は、上壁部41の上面角部に設けられている。第一掛かり部55は、浴槽側流入口17に差し込まれて受入部13の側壁23に引っ掛かる。第二掛かり部56は、上壁部41の前端部に設けられている。第二掛かり部56は、流出口19に差し込まれて受入部13の側壁23に引っ掛かる。上壁部41の上面には、位置決め部57が設けられている。位置決め部57は、受入部13の側壁23に沿う壁状である。
【0027】
第一側壁部42F及び第二側壁部42Sは、図8に示すように、壁部材40の後端から壁部材40の前後方向中間位置まで設けられている。第一側壁部42Fは、上壁部41の右縁54から垂下している。上壁部41の右縁54は、上壁部41の左右方向の寸法を小さくするように斜めに直線状に延びている。第二側壁部42Sは、上壁部41の左縁53よりも少し右側の位置から垂下している。第二側壁部42Sは、受入部13の側壁23に近接して沿う。
【0028】
壁部材40は、図7及び図8に示すように、流入側対向部50から流出側対向部51へ向かう下流側に、左右方向に開口する第一開口部43F及び第二開口部43Sを有している。図7には、第一開口部43F及び第二開口部43Sの形成範囲を網掛けで示した。第一開口部43Fは、第一側壁部42Fの前端より前側の部分である。第二開口部43Sは、第二側壁部42Sの前端より前側の部分である。第一開口部43Fと第二開口部43Sとは左右方向に連通している。第一開口部43F及び第二開口部43Sは、壁部材40の前端で連続している。第二開口部43Sの後端は、連結部28の近傍に位置している。第二開口部43Sは、流出側対向部51に沿っている。
【0029】
壁部材40の内側には、上壁部41及び左右の第一側壁部42F及び第二側壁部42Sによって流入側対向部50から流出側対向部51へ向かって直線状に流れる流路が形成される。壁部材40の内側を流れる水は、下流側において、左右方向に広がる。壁部材40の内側において第一側壁部42Fに沿って流れる水は、第一開口部43Fから斜め右方向に流れの向きを変えて壁部材40から外側に流出する。壁部材40の内側において第二側壁部42Sに沿って流れる水は、第二開口部43Sから斜め左方向に流れの向きを変えて壁部材40から外側に流出する。
【0030】
受入部13に壁部材40が取り付けられた場合の排水トラップ10の排水について説明する。洗い場排水は、ヘアキャッチャー21を通過しつつ洗い場側流入口18から受入部13に流入する。洗い場排水のうち壁部材40の上壁部41に当たったものは、上壁部41に沿って流出口19に案内される。洗い場排水のうち上壁部41に当たらなかったものは、壁部材40の第一側壁部42Fの外面に沿って流出口19に案内される。したがって、洗い場排水が浴槽側流入口17に逆流することを防ぐことができる。
【0031】
浴槽排水は、浴槽側流入口17から壁部材40の内側に流れ込み、流出側対向部51に直線状に案内される。この際、壁部材40の下流側において第一開口部43Fから右側に広がった浴槽排水は、流出側対向部51や流出側対向部51の右側に流れ込む。第二開口部43Sから左側に広がった浴槽排水は、流出側対向部51に流れ込む。流出口19は、左右方向に十分な拡がりを有しているから、浴槽排水は受入部13において溢れることなく流出される。洗い場排水や浴槽排水の流出が停止すると、受入部13及び流出部14の内部には、封水面Fまで封水が溜まる。これによって外部導出管100からの臭気の逆流や害虫の侵入が防止される。
【0032】
受入部13に壁部材40が取り付けられていない場合であっても、浴槽排水は、浴槽側流入口17から直線状に流れるとともに、左右方向に広がって流出口19に流入し、流出部14に流れ込む。流出口19は、左右方向に十分な拡がりを有しているから、浴槽排水は受入部13において溢れることなく流出される。
【0033】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。排水トラップ10は、浴槽排水が流入する受入部13を備えている。受入部13は、浴槽側流入口17と、流出口19と、を有している。浴槽側流入口17には、浴槽排水が流入する。流出口19は、浴槽側流入口17から流入した浴槽排水を流出する。浴槽側流入口17及び流出口19は、まっすぐに連通する流入側対向部50及び流出側対向部51を具備している。この構成によれば、浴槽排水は、流入側対向部50から流出側対向部51まで直線的に流れて流出する。したがって、受入部13において例えば遮蔽物に衝突したり、曲線的に流れたりする場合と比べて、浴槽排水をスムーズに流出できる。
【0034】
排水トラップ10は、流出部14を備えている。流出部14は、流出口19の下流側に連通して設けられている。流出部14の貯水によって封水が形成される。流出口19の上端19Uの高さ位置は、浴槽側流入口17の上端17Uの高さ位置よりも低い。この構成によれば、受入部13の流出口19の上端19Uの高さ位置は低いから、受入部13の流出口19の上端19Uと封水面Fとの高低差である封水深H3を確保できる。
【0035】
排水トラップ10において流出口19の左右方向の寸法W2は、浴槽側流入口17の左右方向の寸法W1よりも大きい。この構成によれば、浴槽排水は、浴槽側流入口17から左右方向に広がって流出口19に流れ込むから、浴槽排水の流れを妨げる力(流路抵抗)を小さくできる。
【0036】
排水トラップ10は、流入側対向部50から流出側対向部51へ向かって延びる壁部材40を有している。この構成によれば、浴槽排水は、流入側対向部50から流出側対向部51まで壁部材40に沿って流れるから、浴槽排水をスムーズに流出できる。
【0037】
壁部材40は、流入側対向部50から流出側対向部51へ向かう下流側に、左右方向に開口する第一開口部43F及び第二開口部43Sを有している。この構成によれば、浴槽排水は、流入側対向部50から流出側対向部51へ向かう下流側において壁部材40の第一開口部43F及び第二開口部43Sから左右方向に広がって流出口19に流れ込む。したがって、浴槽排水をスムーズに流出できる。
【0038】
壁部材40は、流入側対向部50から流出側対向部51に向かって下降する上壁部41を有している。この構成によれば、浴槽排水は、壁部材40の上壁部41に沿って流出口19に流れ込むから、浴槽排水をスムーズに流出できる。
【0039】
壁部材40に沿って流入側対向部50から流出側対向部51へ向かう流れは、下流側において左右方向に広がっている。この構成によれば、壁部材40に沿って流れる浴槽排水は、下流側において左右方向に広がって流出口19に流れ込む。したがって、浴槽排水をスムーズに流出できる。
【0040】
壁部材40は、受入部13に対して着脱自在である。この構成によれば、壁部材40を受入部13から取り外して清掃できるから、清掃性を良くできる。
【0041】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0042】
(1)上記実施形態において、浴室ユニット90は浴槽パン95を備えている。これに限らず、排水トラップ10は、浴槽パンを備えていない浴室ユニットにも適用できる。
(2)上記実施形態において壁部材40は、第一側壁部42F及び第二側壁部42Sを備えている。これに限らず、壁部材は、第一側壁部及び第二側壁部の両方もしくはいずれか一方を備えなくても良い。
(3)上記実施形態では、第一側壁部42F及び第二側壁部42Sのそれぞれに第一開口部43F及び第二開口部43Sが形成されている。これに限らず、開口部は、第一側壁部及び第二側壁部の両方もしくはいずれか一方に形成しなくてもよい。
【符号の説明】
【0043】
H3…封水深、W1…浴槽流入口の左右方向の寸法、W2…流出口の左右方向の寸法、10…排水トラップ、13…受入部、14…流出部、17…浴槽側流入口(流入口)、17U…浴槽側流入口の上端、19…流出口、19U…流出口の上端、40…壁部材、41…上壁部、43F…第一開口部(開口部)、43S…第二開口部(開口部)、50…流入側対向部、51…流出側対向部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9