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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077017
(43)【公開日】2023-06-05
(54)【発明の名称】レンジ用パウチ収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20230529BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20230529BHJP
【FI】
B65D81/34 V
B65D5/54 301L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190098
(22)【出願日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴裕
【テーマコード(参考)】
3E013
3E060
【Fターム(参考)】
3E013BA22
3E013BB04
3E013BB11
3E013BC01
3E013BD12
3E013BE01
3E013BF03
3E013BF26
3E013BF32
3E013BF36
3E013BF67
3E013BG15
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC04
3E060CE04
3E060CE18
3E060CE24
3E060CF05
3E060DA14
3E060EA13
(57)【要約】
【課題】収納箱の枕部に該当する前面板から開口易切断線までの長さを規定し、電子レンジ調理時に、パウチ先端が折れ曲がらない構造にして、通蒸しやすいレンジ用パウチ収納箱を得る。
【解決手段】電子レンジによって加熱調理可能なレンジ用パウチ(4)を内部に収納する紙箱であって、天面板(11)と、該天面板に対向した同じ大きさの底面板(16)と、前記天面板と底面板の四辺同士にそれぞれ繋止する前面板、後面板、左側面板、右側面板、とを有する紙箱であって、左側面板から天面板と右側面板に渡って連続してつながる開口易切断線(2)を有し、底面板には該開口易切断線と連続してつながる底折り曲げ線(3)を有し、前記開口易切断線は、パウチの長さに対して、前記前面板からの距離が天面板全長の3~22パーセントとなることを特徴とするレンジ用パウチ収納箱(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジによって加熱調理可能なレンジ用パウチを内部に収納する紙箱であって、
天面板と、該天面板に対向した同じ大きさの底面板と、前記天面板と底面板の四辺同士にそれぞれ繋止する前面板、後面板、左側面板、右側面板、とを有する紙箱であって、
左側面板から天面板と右側面板に渡って連続してつながる開口易切断線を有し、
底面板には該開口易切断線と連続してつながる底折り曲げ線を有し、
前記開口易切断線は、パウチの長さに対して、前記前面板からの距離が天面板全長の3~22パーセントとし、かつ、パウチの蒸気抜き部を天面板の開口易切断線の位置よりも前面板側としたことを特徴とするレンジ用パウチ収納箱。
【請求項2】
天面板に形成される開口易切断線が、中央で前面板から遠ざかる形状としたことを特徴とする請求項1に記載のレンジ用パウチ収納箱。
【請求項3】
底面板に形成される底折り曲げ線が、破断線で形成されたことを特徴とする請求項1、又は2に記載のレンジ用パウチ収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてマイクロ波の照射による誘電加熱で加熱調理する簡易的な調理用食品などを納めるパウチを収納し、同時に加熱可能とする収納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックフィルムのシーラント側を合わせ、背シールと上下の端縁部をヒートシールしたピロー包装袋や、スタンディングパウチなどを使用して、レトルト食品などを収納し、電子レンジ等で包装袋に入れたまま加熱する包装体がある。
このような包装体を加熱するには、ピロー包装袋では、蒸気抜きする背シールを上方に向けて加熱する。スタンディングパウチでは、底部を下にして、上方に蒸気抜き部を予め加工しておき、加熱によって、蒸気抜き部が優先して開口し、包装体内部が一定の内圧が上昇した時点で、内部の蒸気等を抜き始め、調理する一定時間、その内圧を維持可能に設定されている。
ところで、上記のような包装体では、内部に収納されている食品の水分等の双極子になる成分を含有していると、それがマイクロ波によって振動して高温になり、加熱される。しかし、蒸気が発生する100℃、またはそれを超えるような高温になったパウチは、それ自体が高温であるばかりか、水蒸気や、同時に内部の内容物が混入した蒸気を発生させるので、漏れ出たりして、周囲を汚したりする問題もあった。
そこで、包装袋を断熱性の紙箱などで覆う方法などが考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1では、
電子レンジによって加熱調理可能なレンジ用パウチを内部に収納する紙箱であって、前記紙箱は、上面板と、前記上面板の左側端に上端が連続する左側面板と、前記上面板の右側端に上端が連続する右側面板と、前記左側面板の下端及び前記右側面板の下端に連続しかつ上面板に対向する底面板と、前記上面板の前端に連続する前面板と、前記上面板の後端に連続する後面板と、前記上面板と前記左側面板と前記右側面板とにわたって連続して繋がっておりかつ前面板寄りに配置されている開口易切断線と、を含み、
前記底面板は、前記開口易切断線に繋がるようにかつ直線状に延びる底折り曲げ線と、前記底折り曲げ線に重なるようにかつ破線状に連続して配置される複数の底切れ込み線と、を有し、
複数の前記底切れ込み線のうちの一部であって、前記左側面板および前記右側面板の近傍に設けられた前記底切れ込み線は、前記底面板の中央側の一端が前記底面板の後端に向かって曲げられた形状の曲がり切れ込み線であり、
前記曲がり切れ込み線の前記中央側とは反対側の一端は前記底折り曲げ線に重なり、前記中央側の一端は前記底折り曲げ線と重なっていない、ことを特徴とするレンジ用パウチ収納箱を提案している。
【0004】
このパウチ収納箱は、断熱性もあるので、電子レンジ加熱したパウチを、火傷せずに取り出すことが可能になる。
しかしながら、カートンの枕部が長い、パウチの通蒸部の位置が低い、などで、枕部を折り曲げ、パウチの先端が折れ曲がりやすく、正常に通蒸できない問題が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6586784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、収納箱の枕部に該当する前面板から開口易切断線までの長さを規定し、電子レンジ調理時に、パウチ先端が折れ曲がらない構造にして、通蒸しやすいレンジ用パウチ収納箱を得ることが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るレンジ用パウチ収納箱は、
電子レンジによって加熱調理可能なレンジ用パウチを内部に収納する紙箱であって、
天面板と、該天面板に対向した同じ大きさの底面板と、前記天面板と底面板の四辺同士にそれぞれ繋止する前面板、後面板、左側面板、右側面板、とを有する紙箱であって、
左側面板から天面板と右側面板に渡って連続してつながる開口易切断線を有し、
底面板には該開口易切断線と連続してつながる底折り曲げ線を有し、
前記開口易切断線は、パウチの長さに対して、前記前面板からの距離が天面板全長の3~22パーセントとし、かつ、蒸気抜き部を天面板の開口易破断線の位置よりも前面板側としたことを特徴とするレンジ用パウチ収納箱である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレンジ用パウチ収納箱は、パウチの長さに対して、前記前面板からの距離が天面板全長の3~22パーセントとすることによって、底折り曲げ線から前面板側に形成する枕部を折り曲げた時、パウチ先端が折れ曲がらず、安定して通蒸できる。しかも、通蒸によって高温に加熱されていても、紙箱を使用しているので、外面は火傷しない程に低い温度に保つことができ、かつ、周囲を通蒸によって汚しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るレンジ用パウチ収納箱の第1実施形態例で、未開封時の包装形態を示す平面図と、側面図、底面図である。
図2】本発明に係るレンジ用パウチ収納箱の第1実施形態例に使用するブランクである。
図3】本発明に係るレンジ用パウチ収納箱の実施形態例を開封し、加熱する時の包装形態を示す縦断面図、及びその加熱時の図、及び比較形態例を開封した時の例である。
図4】本発明に係るレンジ用パウチ収納箱に収納するパウチの形態例で、縦断面図とその部分拡大図と、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のレンジ用パウチ収納箱の実施形態について、図で説明する。
図1-1は、本発明に係るレンジ用パウチ収納箱1の第1実施形態例で、未開封時の包装形態を示す平面図である。
平面図に記載されている天面板11には、左側面板12から右側面板13につながる開口易切断線2を有している。
前記開口易切断線2は、容易に破断可能な切断線で、ミシン目に加工された易破断線であっても、厚みの半分まで刃を入れた半切りの易破断線、レーザー光を走査して厚みの半分を照射熱で焼き切った易破断線、などが使用できる。
この易切断線2は、左側面板12側も右側面板13側も前面板14側に寄った同じ位置から始まり、天面板11中央では後面板15側に膨らんだ形状としている。
【0011】
図1-2は、左側面板12で、天面板11側から底面板16側に向かって、開口易切断線2が設けられている。左側面板12の開口易切断線2は、前面板14側に平行な直線形状となっていて、右側面板13も、同様の形状となっている。
【0012】
図1-3は、底面板16の面を表している。この底面板16は、左側面板12から右側
面板13につながる底折り曲げ線3を有している。
底折り曲げ線3は、上記左側面板12と右側面板13の開口易切断線2に繋がる位置で、かつ、前面板14に平行な直線形状となっている。
底折り曲げ線3は、単なる罫線でも良いが、破断線であってもかまわない。しかし、曲げやすいように直線とし、前面板14に対し平行であることが好ましい。
【0013】
図2は、本発明に係るレンジ用パウチ収納箱の第1実施形態例に使用するブランクである。
底面板14,左側面板12,天面板11、右側面板13、及び右側面板底のりしろ133が同じ幅で、互いに繋止している。これらは、繋止している罫線を介し、右側面板底のりしろ133が右側面板13の内側に貼り付けられ、筒状に組み立てられる。
ブランクでみると明らかなように、天面板11の開口易切断線2が、その左右の左側面板12や右側面板13と連続して繋がっていると共に、左側面板12や右側面板13の開口易切断線2が底折り曲げ線3の左右に繋がっている。
天面板11には、上記側面板とは直角方向に、前面板14と後面板15が繋止し、底面板16には、前面板のりしろ141と後面板のりしろ151が繋止している。
さらに、左側面板12の前後に左側面板前のりしろ121,左側面板後のりしろ122が繋止している。
同じように、右側面板13の前後に右側面板前のりしろ131、右側面板後のりしろ132が繋止している。
この左側面板前のりしろ121と右側面板前のりしろ131の位置は、左側面板12や右側面板13の前側から易破断線までの距離に比べ、遠くない位置になるよう、短くしておくことが好ましい。
この前面板14の内側には前面板のりしろ141、後面板15の内側には後面板のりしろ151が貼り付けられて、収納箱を形成させる。
【0014】
図3-1は、本発明に係るレンジ用パウチ収納箱1の実施形態例を開封し、加熱する直前における包装形態を示す縦断面図である。
レンジ用パウチ収納箱1の中には、レンジ用パウチ4が入っている。
【0015】
図4に、レンジ用パウチ4の実施形態例を示した。図4-1は縦断面図とその部分拡大図、図4-2が正面図である。
レンジ用パウチ4は、前フィルム41と後フィルム42とのシーラント面を向かい合わせて、上シール部43、下シール部44,左シール部45、右シール部46の周縁を融着した包装袋である。
上記前フィルム41は、上方の上前フィルム部411と、下方の下前フィルム部412と、が蒸気抜き部5で襞状に折り畳まれたフィルムから構成されている。
上記襞状に折り畳まれた蒸気抜き部5は、パウチの上シール部に寄った位置で、シーラント面を向かい合わせ、剥離用シール部413とする。すなわち、内部が加熱されて高圧になった時、容易に剥離用シール部413が先に、部分的に剥離して、パウチ内部の水蒸気等をシールしている襞の先に設けた切り込み部50を通して、水蒸気51を放出し、気圧を一定に保つことを可能とする蒸気抜き部5を形成できるシールである。
蒸気抜き部5を形成する所は、周縁の上シール部43、下シール部44,左シール部45、右シール部46などよりも、剥離しやすい剥離用シール部413とする。
上記、剥離しやすくする方法としては、部分的に剥離しやすい素材をシール面に使用したり、剥離しやすいシール形状としたり、低いシール剥離強度となるシール条件でシールするなど、が考えられる。
蒸気抜き部5を形成する剥離用シール部413は、上シール部に近い、上シール部に並行した位置に設ける。また、その下方に開封する為の開封切り欠き部414を設ける。
【0016】
図3-1に示すように、レンジ用パウチ収納箱1は、開口易破断線2で切り裂かれ、底折り曲げ線3を介して180度折り曲げられる。
折り曲げられた収納箱は、開口易破断線2で大きく開口し、内部のパウチ先端が露出して、見えるようになる。
この時、底折り曲げ線3を介して折り曲げられたレンジ用パウチ収納箱1の前方部分である枕部17は、開口部側で底面の下側に折り込まれ、開口部を傾斜させて上を向くようにし、蒸気抜き部5が内容物から離れた位置に保つようにすることができる。
すなわち、レンジ用パウチ4が加熱された時に、内容物が直接、蒸気抜き部5から吹き出さないように傾斜させ、水蒸気などの気体だけが、蒸気抜き部5の切り込み部50から抜くことができるように、上側を向いて置かれるようにしておく。
また、蒸気抜き部5は天面板11の開口易破断線2の位置よりも前面板14側にして、加熱時に開口した時に、蒸気抜き部5を開口部から外側に位置し、枕部17を下に折り曲げた時、開口部より上に来るようにする。
【0017】
図3-2は、本発明に係るレンジ用パウチ収納箱1を加熱調理している状態を示す縦断面図である。
本発明に係るレンジ用パウチ収納箱1の実施形態例を開封し、加熱する時の包装形態を示す縦断面図である。
電子レンジで、パウチの入った収納箱を加熱すると、パウチの内部が高温になり、水蒸気などが発生して高圧になる。
この為、シール部を剥離する圧力が掛かり、一番融着強度が弱く設定している蒸気抜き部5が剥離し、蒸気抜き部5を形成する。
蒸気抜き部5から、内部の水蒸気51などを放出し、一定の内部圧を維持することによって、内容物を加熱調理する。
この時、枕部17を下に折り曲げ、開口部が上になるよう傾斜させ、蒸気抜き部5を開口部から外側に位置し、切り込み部50を開口部より上にしているので、蒸気抜き部5の周囲が塞がらず、安定して加熱調理可能となっている。
【0018】
本発明は以上のようなもので、レンジ用パウチ収納箱に使用する紙基材としては、厚みが坪量120~400g/cmの板紙が良い。
紙質としては、油分と水分の少なくともいずれかを吸収可能とした素材とし、バージン紙、カード紙、カップ原紙、コートボール紙、などが使用できる。また、それらに晒しクラフト紙、上質紙を積層したものであってもかまわない。
不織布を用いても良い。不織布を用いる場合には、耐熱性が200℃以上であることが望ましい。
紙基材は、断熱によって外面に熱を伝えない役目と、面としての形状を維持する役目があり、かつ、廃棄する時に焼却しやすいものであることが望ましい。
【実施例0019】
<試作例>
<パウチ>パウチの構成は、外側から、ガラス蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)(内面印刷)/接着剤/6-ナイロン(厚み15μm)/接着剤/未延伸ポリプロピレンフィルム(厚み60μm)
パウチの形状は、幅を140mm、長さMを180mm、周囲の上シール部、下シール部、左側面シール部、右側面シール部のシール長さを5mmとした。さらに、上方から剥離用シール部根元までの距離Bを40mm、剥離用シール部の長さを15mmとした。
<収納箱>収納箱の構成は、厚みが坪量350g/cmの板紙を使用した。
収納箱の形状は、幅140mm、長さLを180mm、前面板から左側面板の易破断線までの距離をA、易破断線の天面板中央では後面板側に15mm変形した形状とした。
易破断線は、ミシン目で加工した。
Aの値を、3mm、5mm、10mm、20mm、30mm、35mm、40mm、45mm、としたものを各3個ずつ作成した。
【0020】
<評価方法>
試作例のパウチに、カレーを200gずつ充填して密閉シールしたものを、レンジ用収納箱に入れたものを3個ずつ作成し、評価した。
加熱条件は、600Wで2分間加熱した。
評価は、前面板から開口部や底折り曲げ部までの間の枕部において、レンジ用収納箱の開口部を開口し、底折り曲げ部でレンジ用収納箱の上方を折り曲げて、電子レンジ加熱する直前の状態にした時、パウチが折れ曲がらないか、確認した。
また、電子レンジ加熱した時に、折り曲げて蒸気抜き部が高い位置を保つように折り曲げられた上記枕部が、加熱によって形状を変化させ、倒れてしまわないか、確認した。
【0021】
<評価結果>
前面板から左側面板の易破断線までの距離Aが3mmのものは、パウチの曲がりはなかったが、電子レンジの加熱に伴い、枕部が倒れてしまった。
前面板から左側面板の易破断線までの距離Aが5mm、10mm、20mm、30mmのものは、パウチの曲がりも、枕部の倒れも発生しなかった。
前面板から左側面板の易破断線までの距離Aが35mm、40mmのものは、パウチの曲がりはあるものの、枕部の倒れはなく、問題なく通蒸することができた。
前面板から左側面板の易破断線までの距離Aが45mmのものは、パウチの曲がりが発生し、電子レンジの加熱時に、枕部が倒れ、蒸気口がパウチ用収納箱の枕部で覆われてしまうものが発生した。
【0022】
以上の結果から、安全に電子レンジ加熱するには、前面板から左側面板の易破断線までの距離Aが、3mm以上、40mm以下とする必要があった。
この前面板から左側面板の易破断線までの距離Aのパウチの長さMに対する比率が、3パーセントから22パーセントとすることによって、安全に加熱することが可能であると結論した。上記結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
本発明のレンジ用パウチ収納箱は、パウチの長さに対して、前面板から底折り曲げ線までの距離が天面板全長の3~22パーセントとすることによって、枕部を折り曲げた時、パウチ先端が折れ曲がらず、かつ、加熱時に枕部が倒れることなく、安定して通蒸することができる。
しかも、通蒸によって高温に加熱されていても、紙箱を使用しているので、外面は火傷しない程に低い温度に保つことができ、かつ、周囲を通蒸によって汚したりすることなく加熱できるので、安心して調理することができる。
特に、パウチ長さに対する底折り曲げ線や開口易破断線の位置を調整するだけなので、生産性や価格にも影響せず、効果が得られるので、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0025】
1・・・・・・・・レンジ用パウチ収納箱
11・・・・・・・天面板
12・・・・・・・左側面板
121・・・・・・左側面板前のりしろ
122・・・・・・左側面板後のりしろ
13・・・・・・・右側面板
131・・・・・・右側面板前のりしろ
132・・・・・・右側面板後のりしろ
133・・・・・・右側面板底のりしろ
14・・・・・・・前面板
141・・・・・・前面板のりしろ
15・・・・・・・後面板
151・・・・・・後面板のりしろ
16・・・・・・・底面板
17・・・・・・・枕部
2・・・・・・・・開口易切断線
3・・・・・・・・底折り曲げ線
4・・・・・・・・レンジ用パウチ
41・・・・・・・前フィルム
411・・・・・・上前フィルム部
412・・・・・・下前フィルム部
413・・・・・・剥離用シール部
414・・・・・・切り欠き部(開封切り欠き部)
42・・・・・・・後フィルム
43・・・・・・・上シール部
44・・・・・・・下シール部
45・・・・・・・左シール部
46・・・・・・・右シール部
5・・・・・・・・蒸気抜き部
50・・・・・・・切り込み部
51・・・・・・・水蒸気
A・・・・・・・・前面板から側面板の易破断線までの距離
B・・・・・・・・上方から剥離用シール部根元までの距離
L・・・・・・・・長さ(レンジ用パウチ収納箱の長さ)
M・・・・・・・・パウチの長さ
図1
図2
図3
図4