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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023077600
(43)【公開日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ガラス押さえ枠構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/54 20060101AFI20230530BHJP
   E04B 2/96 20060101ALI20230530BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
E06B3/54 A
E04B2/96
E06B3/58 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021190936
(22)【出願日】2021-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】320015681
【氏名又は名称】ガラス工事サービス有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073324
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134898
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 克子
(72)【発明者】
【氏名】前橋 尚
(72)【発明者】
【氏名】葛生 雅美
【テーマコード(参考)】
2E002
2E016
【Fターム(参考)】
2E002NA01
2E002NB02
2E002NC03
2E002PA01
2E002QA04
2E002QB01
2E002QC01
2E016AA05
2E016BA03
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC01
2E016DA01
2E016DB02
2E016DC01
2E016DD03
(57)【要約】
【課題】 ガラス押さえ材がガラスの外面から突き出さないようにすると共に、従来の面取り加工や、工場でガラスにガラス押さえ材や枠材を取り付けてユニット化する作業に要する多大な手間と時間をなくし、施工作業の容易化を図ると共に、ひいてはコストの大幅な軽減化を図ることができるようにする。
【解決手段】 ガラス2を合わせガラスとし、左右の隣り合うガラス2、2において、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラス5を室内側のガラス4より小さくして段部2A、2Aを形成する。該段部2A、2A内に、方立12に接続する、軸断面L字形をなすガラス押え材20、20における先端に直角に張り出した掛止片部22、22を、その外面が隣り合うガラス2、2の外面と面一になるように掛止する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の隣り合うガラスの突き合わせ側の縦辺を、左右のガラスの外面が面一になるようにしてガラス押さえ材によって押さえるガラス押さえ枠構造において、
ガラスを合わせガラスとし、左右の隣り合うガラスにおいて、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラスを室内側のガラスより小さくして段部を形成し、該段部内に、軸断面L字形をなすガラス押さえ材における先端に直角に張り出した掛止片部を、その外面が左右の隣り合うガラスの外面と面一になるように掛止したことを特徴とするガラス押さえ枠構造。
【請求項2】
前記ガラス押さえ材における掛止片部を、中空の掛止片部となした請求項1記載のガラス押さえ枠構造。
【請求項3】
前記左右の隣り合うガラスの夫々の突き合わせ側の縦辺を押さえる各ガラス押さえ材の掛止片部間の隙間に、その外面がガラス押さえ材の掛止片部の外面と面一になるように、軸断面コ字形のカバー材を嵌合してなる請求項1又は請求項2記載のガラス押さえ枠構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の隣り合うガラスを、その外面が面一になるようにして押さえるガラス押さえ枠構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
左右の隣り合うガラスを、その外面が面一になるようにして押さえる場合には、従来は一般的に図5に示すようにして行われていた。
【0003】
即ち、中空柱状で、室外側寄りの左右側部に凹溝101、102を形成したガラス押さえ材としての縦枠100における前記凹溝101、102の夫々に、左右の隣り合うガラス103、103の突き合わせ側の縦辺を差し込み、これら両ガラス103、103の外面が面一になるようにして、該ガラス103、103の室内側と室外側の面にシーリング材104、104を充填して固定するものである。
【0004】
しかし、斯かる従来のガラスを押さえる枠構造の場合には、ガラス押さえ材としての縦枠100における室外側の部分100Aが大きく、そしてこの部分100Aが、その外面とガラス103、103の外面との間に段差ができる程に大きく突き出していることから意匠性が悪い。
【0005】
また、ガラスを押さえる部材がガラスの外面から突き出さないようにして意匠性の面での向上を図った特殊な構造も提案されている。
【0006】
図6及び図7は、斯かる従来の特殊なガラス押さえ枠構造を示すものである。そして、図6のガラス押さえ枠構造は、ガラスが一枚の単層ガラスからなるものであり、左右の隣り合うガラス105、105の突き合わせ側の縦辺における室外側の外面に、面取りすることによって所定の角度の傾斜面部106、106を形成し、一方、方立(図示せず。)に接続するガラス押さえ材107、107の先端に直角に張り出した係合部108、108に、前記ガラス105、105に形成した傾斜面部106、106の傾斜角度に対応する傾斜角度の傾斜面部109、109を形成し、該ガラス押さえ材107、107における係合部108、108の傾斜面部109、109を、前記ガラス105、105の傾斜面部106、106に係合して押さえるものである。尚、Lは緩衝材である。
【0007】
これにより、ガラス押さえ材107、107が、左右の隣り合うガラス105、105の外面から突出することなく、これらガラス105、105を面一になるように押さえることができるものである。
【0008】
また、図7のガラス押さえ枠構造は、ガラスが合わせガラスからなるものであり、該ガラス110は、中間膜111をもって接着された室内側のガラス112と室外側のガラス113とからなるものである。
【0009】
而して、図7のガラス押さえ枠構造は、左右の隣り合うガラス110、110の突き合わせ側の縦辺における室内側のガラス112、112の室外側のガラス113、113との接着面側を、一部面取りすることによって所定の角度の傾斜面部114、114を形成し、一方、方立(図示せず。)に接続するガラス押さえ材115、115の先端に直角に張り出した係合部116、116に、前記室内側のガラス112、112に形成した傾斜面部114、114の傾斜角度に対応する傾斜角度の傾斜面部117、117を形成し、該ガラス押さえ材115、115における係合部116、116の傾斜面部117、117を、前記室内側のガラス112、112の傾斜面部114、114に係合して押さえるものである。尚、Lは緩衝材である。
【0010】
これにより、ガラス押さえ材115、115が、左右の隣り合うガラス110、110の外面から突出することなく、これらガラス110、110を面一になるように押さえることができるものである。
【0011】
しかし、図6及び図7に示した従来の構造の場合には、その製造及び施工作業に多大な手間と時間がかかり、ひいてはコスト高になるという問題点がある。
【0012】
それは、従来の構造の場合には、ガラスに面取り加工を施さなければならないことによるものである。
【0013】
即ち、ガラスの面取り加工作業は、精密な角度で且つきれいに削らなければならず、多大な手間と時間を要するものである。また一方、ガラスを係合して押さえるガラス押さえ材の係合部にも、ガラスの面取り角度に合わせた傾斜面部を作ることとなり、製造面において精度を求められるものである。
【0014】
更にまた、従来の構造の場合には、工場でガラスにガラス押さえ材や枠材を取り付けてユニット化する必要もあり、この作業にも多大な手間と時間を要するものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、ガラスを押さえる縦枠部材がガラスの外面から突き出さないようにすることができると共に、ガラスの面取り加工作業やユニット化作業を省くことにより、これに要する多大な手間と時間をなくし、施工作業の容易化を図ると共に、ひいてはコストの大幅な軽減を図ることができるようになしたガラス押さえ枠構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
而して、本発明の要旨とするところは、左右の隣り合うガラスの突き合わせ側の縦辺を、左右のガラスの外面が面一になるようにしてガラス押さえ材によって押さえるガラス押さえ枠構造において、ガラスを合わせガラスとし、左右の隣り合うガラスにおいて、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラスを室内側のガラスより小さくして段部を形成し、該段部内に、軸断面L字形をなすガラス押さえ材における先端に直角に張り出した掛止片部を、その外面が左右の隣り合うガラスの外面と面一になるように掛止したことを特徴とするガラス押さえ枠構造にある。
【0017】
また、上記構成において、ガラス押さえ材における掛止片部を、中空の掛止片部となしてもよい。
【0018】
また、上記構成において、前記左右の隣り合うガラスの夫々の突き合わせ側の縦辺を押さえる各ガラス押さえ材の掛止片部間の隙間に、その外面がガラス押さえ材の掛止片部の外面と面一になるように、軸断面コ字形のカバー材を嵌合するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記の如く、左右の隣り合うガラスにおいて、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラスを室内側のガラスより小さくして段部を形成し、該段部内に、軸断面L字形をなすガラス押え材における先端に直角に張り出した掛止片部を、その外面が左右の隣り合うガラスの外面と面一になるように掛止したものであり、これにより、ガラスを押さえる部材がガラスの外面から突き出さないようにすることができると共に、従来の如く左右の隣り合うガラスの突き合わせ側の縦辺に面取り加工を施すことなく、ガラスを面一に押さえることができるようになるものである。更にまた、従来必要であった工場でのユニット化作業も不要になるものである。したがって、面取り加工作業とユニット化作業に要する多大な手間と時間をなくし、施工作業の容易化を図ると共に、ひいてはコストの大幅な軽減化を図ることができるようになるものである。
【0020】
また、ガラス押さえ材における掛止片部を、中空の掛止片部となした場合には、材料であるアルミニウム等の使用量が少なくて済むと共に軽量化を図ることができるものである。
【0021】
また、前記左右の隣り合うガラスの夫々の突き合わせ側の縦辺を押さえる各ガラス押さえ材の掛止片部間の隙間に、その外面がガラス押さえ材の掛止片部の外面と面一になるように、軸断面コ字形のカバー材を嵌合した場合には、見栄えの悪い目地をなくすると共に、カバーの外面は掛止片部の外面と面一であり、これらが全体として壁面全体をより一層フラットに見せることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明を実施したカーテンウォールにおける上部側の内面下方から看た斜視図である。
図2】本発明を実施したカーテンウォールにおける下部側の内面上方から看た斜視図である。
図3】一部省略して示した図2中A―A線拡大断面図である。
図4】本発明を実施したカーテンウォールにおける下部側の外面上方から看た斜視図である。
図5】従来の一般的なガラス押さえ構造の説明図である。
図6】ガラスが単層ガラスである場合における従来の特殊なガラス押さえ構造の説明図である。
図7】ガラスが合わせガラスである場合における従来の特殊なガラス押さえ構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図中、1は本発明を実施したガラスカーテンウォールである。また、該ガラスカーテンウォール1は、大きなガラスを、その上辺と下辺を上枠及び下枠をもって支持し、該ガラスをもって開口部を構成する上下二辺支持のカーテンウォールである。
【0025】
2は合わせガラスであり、中間膜3をもって接着された室内側のガラス4と室外側のガラス5とからなるものである。また、左右の隣り合うガラス2、2において、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラス5を室内側のガラス4より小さくして段部2Aを形成している。
【0026】
6は建物の躯体に固定され、前記ガラス2の上辺を支持する、アルミニウム等からなる上枠である。また、該上枠6は、軸断面コ字形をなし、前記ガラス2を差し込むように開口部を下にしている。
【0027】
7は前記上枠6に前記ガラス2の上辺を差し込んだ状態において、室内側と室外側におけるこれら上枠6とガラス2の上辺との間に介在させたバックアップ材であり、8は該バックアップ材7の外部側に充填したシーリング材である。
【0028】
9は建物の躯体に固定され、前記ガラス2の下辺を支持する、アルミニウム等からなる下枠である。また、該下枠9は、軸断面コ字形をなし、前記ガラス2を差し込むように開口部を上にしている。
【0029】
10は前記下枠9に前記ガラス2の下辺を差し込んだ状態において、室内側と室外側におけるこれら下枠9とガラス2の下辺との間に介在させたバックアップ材であり、11は該バックアップ材10の外部側に充填したシーリング材である。
【0030】
12は建物の躯体に固定される、アルミニウム等からなる方立であり、前記ガラス2に直交するように、該ガラス2の縦辺に配置している。また、該方立12は、軸断面略コ字形をなし、先端寄りの部分の左右両側面に、外側に向けて直角に一対の大きな張出片13、13を設けると共に、先端部に夫々内側に向けて小さな張出片14、14を設け、更に、内側面の夫々に、軸断面略L字形の方立側係止爪15、15を室内外方向に2つ宛設けている。
【0031】
16は前記方立12の上端部と下端部を夫々建物の躯体に固定するために用いる方立取付ブラケットである。また、該方立取付ブラケット16は、ステンレス鋼板等の金属板からなり、方立12の上下夫々の端部に嵌め込むように長さ方向の中央部16Aを略コ字形に形成し、この部分16Aを方立12の端部に嵌合した状態において、通し穴12a、16aを貫挿する連結ボルト17と座金18並びに連結ナット19を用いて方立12に連結し、左右の平坦部16B、16Bを、図示しないアンカーボルトや溶接等の適宜の手段を用いて建物の躯体に固定するものである。
【0032】
20、20は前記ガラス2、2を外面側から内面側に引き付けて押さえる、アルミニウム等からなるガラス押さえ材である。また、該ガラス押さえ材20、20は、横断面において対称形状をなしており、夫々前記方立12に接続され、左右の隣り合うガラス2、2の夫々を押さえるものである。
【0033】
また、該ガラス押さえ材20、20は、夫々軸断面L字形をなし、ガラス押さえ材本体部21の先端に直角に張り出した掛止片部22を、前記左右の隣り合うガラス2、2の段部2A、2A内において、その外面が左右の隣り合うガラス2、2の外面と面一になるように掛止している。
【0034】
また、該ガラス押さえ材20のガラス押さえ材本体部21には、その外側面、即ち、その掛止片部22と同一側に、軸断面略L字形のガラス押さえ材側係止爪23、23を室内外方向に2つ宛設けている。そして、該ガラス押さえ材側係止爪23、23を前記方立12に設けた方立側係止爪15、15に係止することにより、ガラス押さえ材20を方立12に接続するものである。
【0035】
また、該ガラス押さえ材20は、掛止片部22を中空とし、そして、該ガラス押さえ材20の掛止片部22と前記方立12における先端の張出片14との間には、ガラス押さえ材20を、室内外方向への移動を抑制して固定するためのバックアップ材24を介在させている。
【0036】
また、該ガラス押さえ材20は、その掛止片部22の厚さと、後記緩衝材としてのバックアップ材の厚さとを調整することによって掛止片部22の外面が左右の隣り合うガラスの外面と面一になるようにしている。
【0037】
25は前記左右のガラス押さえ材20、20間の隙間に介在させた、該ガラス押さえ材20、20の相互の間隔を維持、固定するための軸断面矩形状のバックアップ材である。
【0038】
26は前記左右のガラス押さえ材20、20における掛止片部22、22間の隙間に、その外面が該掛止片部22、22の外面と面一になるように嵌合してなる、アルミニウム等の金属からなる軸断面コ字形のカバー材である。また、該カバー材26は、奥側に延びる両方の部分の外面に係合突起26a、26aを設け、該係合突起26aを、前記ガラス押さえ材20、20における掛止片部22、22に設けた係合凹部20a、20aに係合している。
【0039】
27は前記ガラス2の段部2A内において、室内側のガラス4と前記ガラス押さえ材20の掛止片部22との間に介在させた緩衝材としてのバックアップ材である。
【0040】
28は前記ガラス2の段部2A内において、室外側のガラス5の端部と前記ガラス押さえ材20の掛止片部22の端部との間に充填したシーリング材である。
【0041】
29は前記方立12における張出片13と前記室内側のガラス4との間に介在させたバックアップ材である。30は前記方立12における張出片13と前記室内側のガラス4との間において前記バックアップ材29の外側に充填したシーリング材である。
【0042】
31は前記上枠6と前記方立12の張出片13との間に充填したシーリング材、32は前記下枠9と前記方立12の張出片13との間に充填したシーリング材、33は前記上枠6と下枠9の夫々における突き付け部分に充填したシーリング材である。
【0043】
次に、本発明を実施したガラスカーテンウォール1の施工手順について説明する。
【0044】
先ず、ガラス2の取付位置における上下躯体(図示せず。)に夫々上枠6と下枠9を取り付ける。次に、方立12を、その上端部と下端部を夫々方立取付ブラケット16、16をもって上下躯体に固定する。
【0045】
次に、各ガラス2の段部2Aにおける室内側のガラス4の外面に、緩衝材としてのバックアップ材27を貼り付ける。尚、この作業は前もって行うようにしてもよい。
【0046】
次に、上枠6と下枠9の間に夫々ガラス2、2の上下端部を入れ、室内側に寄せておく。次に、左右のガラス押さえ材20、20におけるガラス押さえ材本体部21、21に設けたガラス押さえ材側係止爪23、23の夫々を、方立12に設けた方立側係止爪15、15の夫々に係止した後、該ガラス押さえ材20、20を、室内外方向への移動を抑制して固定すべく、バックアップ材24、24を、ガラス押さえ材20、20の掛止片部22、22と方立12における張出片14との間に介在させる。
【0047】
次に、左右のガラス押さえ材20、20の間の隙間に、これらガラス押さえ材20、20の相互の間隔を維持、固定するためのバックアップ材25を介在させた後、左右のガラス押さえ材20、20における掛止片部22、22間の隙間に、その外面が該掛止片部22、22の外面と面一になるようにカバー材26を嵌合する。
【0048】
次に、左右の各ガラス2、2を、上枠6と下枠9の夫々の室内外方向の中央部に戻し、方立12の張出片13、13の夫々とこれら左右のガラス2、2における室内側のガラス4、4との間にバックアップ材29、29を介在させ、更に、上枠6と下枠9の室内外において、夫々ガラス2との間にバックアップ材7及びバックアップ材10を介在させる。そして、その後バックアップ材29、29の外側にシーリング材30、30を充填すると共に、バックアップ材7、7の外側にシーリング材8、8を、バックアップ材10、10の外側にシーリング材11、11を充填する。そして更に、その後各シーリング材28、31、32、33を充填することにより全ての施工作業が完了するものである。
【0049】
本発明の上記実施形態は、左右の隣り合うガラス2、2において、その突き合わせ側の部分に、室外側のガラス5、5を室内側のガラス4、4より小さくして段部2A、2Aを形成し、該段部2A、2A内に、軸断面L字形をなすガラス押さえ材20、20における先端に直角に張り出した掛止片部22、22を、その外面が左右の隣り合うガラス2、2の外面と面一になるように掛止したものであり、これにより、ガラスを押さえる縦枠部材がガラスの外面から突き出さないようにすることができると共に、従来の特殊構造の如く左右の隣り合うガラスの突き合わせ側の縦辺に面取り加工を施すことなく、ガラスを面一に押さえることができるようになるものである。したがって、面取り加工作業に要する多大な手間と時間をなくし、また、工場でガラスにガラス押さえ材や枠材を取り付けてユニット化する作業も不要になり、施工作業の容易化を図ると共に、ひいてはコストの大幅な軽減化を図ることができるようになるものである。
【0050】
また、ガラス押さえ材における掛止片部を、中空の掛止片部となした場合には、材料であるアルミニウム等の使用量が少なくて済むと共に軽量化を図ることができるものである。
【0051】
また、前記左右の隣り合うガラスの夫々の突き合わせ側の縦辺を押さえる各ガラス押さえ材の掛止片部間の隙間に、その外面がガラス押さえ材の掛止片部の外面と面一になるように、軸断面コ字形のカバー材を嵌合した場合には、見栄えの悪い目地をなくすると共に、カバーの外面は掛止片部の外面と面一であり、これらが全体として壁面全体をより一層フラットに見せることができるようになるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 ガラスカーテンウォール
2 合わせガラス
4 室内側のガラス
5 室外側のガラス
6 上枠
9 下枠
12 方立
13、13 方立の一対の大きな張出片
14、14 方立の小さな張出片
15、15 方立側係止爪
16、16 方立取付ブラケット
17 連結ボルト
18 座金
19 連結ナット
20、20 ガラス押さえ材
21、21 ガラス押さえ材本体部
22、22 掛止片部
23、23 ガラス押さえ材側係止爪
24、24 ガラス押さえ材固定用バックアップ材
25 ガラス押さえ材固定用バックアップ材
26 カバー材
27 緩衝材としてのバックアップ材
28 シーリング材
29 バックアップ材
30 シーリング材
31 シーリング材
32 シーリング材
33 シーリング材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7