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特開2023-78788ファイバコリメータ対向系の調整装置及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023078788
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】ファイバコリメータ対向系の調整装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/32 20060101AFI20230531BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
G02B6/32
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192063
(22)【出願日】2021-11-26
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、ICT重点技術の研究開発プロジェクト(JP MI00316)、「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】501392361
【氏名又は名称】株式会社 オプトクエスト
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】高畠 武敏
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】榧 明日美
(72)【発明者】
【氏名】小澤 佑太
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA17
2H137BA15
2H137BA18
2H137BC02
2H137BC51
2H137BC55
2H137CB02
2H137CB05
2H137CB22
2H137CB26
2H137CB34
(57)【要約】
【課題】ファイバコリメータ対向系を構成するMCF等の回転角度を効率的に調整できるようにする。
【解決手段】ファイバコリメータ対向系用の調整装置1は、撮像素子12を有する撮像装置10と光路変換素子20とを備える。光路変換素子20は、第1のファイバコリメータ2の複数のコアから出射された光と第2のファイバコリメータ3の複数のコアから出射された光とが撮像素子12上において重ならないように、各コアからの光を撮像素子12に向けて導くように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバコリメータ対向系用の調整装置(1)であって、
前記ファイバコリメータ対向系は、互いに対向配置された第1のファイバコリメータ(2)と第2のファイバコリメータ(3)を備え、
前記第1のファイバコリメータは、複数のコアを有するマルチコアファイバと、1つのコアを有する複数のシングルモードファイバを束ねたファイババンドルとの2種から任意に選択された第1の光ファイバ(2a)と、当該第1の光ファイバの各コアの端部から発散される光をコリメートするための第1のレンズ(2b)とを含み、
前記第2のファイバコリメータは、前記2種から任意に選択され前記第1の光ファイバの各コアに対応する複数のコアを持つ第2の光ファイバ(2a)と、当該第2の光ファイバの各コアの端部から発散される光をコリメートするための第2のレンズ(2b)とを含み、
前記調整装置は、
撮像素子(12)を有する撮像装置(10)と、
前記第1の光ファイバの各コアからの光と前記第2の光ファイバの各コアからの光とが前記撮像素子上において重ならないように、前記第1のレンズからの光と前記第2のレンズからの光とを前記撮像素子に向けて導くための光路変換素子(20)と、を備える
ファイバコリメータ対向系用の調整装置。
【請求項2】
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの各コアからの光が前記撮像素子によって同時に観察されるように構成されている
請求項1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記撮像装置による撮像画像を表示可能な表示部(35)を有する分析装置(30)をさらに備える
請求項1に記載の調整装置。
【請求項4】
前記分析装置は、前記撮像素子に入射した光の座標情報を取得し、前記撮像画像とともに前記表示部に表示可能に構成されている
請求項3に記載の調整装置。
【請求項5】
前記分析装置は、
前記撮像素子に入射した参照光に関する情報を保存する記憶部(32)と、
前記参照光に関する情報と現在前記撮像素子に入射している光に関する情報とを比較し、その比較結果を前記表示部に出力する比較部(31h)と、を有する
請求項3に記載の調整装置。
【請求項6】
調整装置(1)を利用したファイバコリメータ対向系の製造方法であって、
第1のファイバコリメータ対向系の出力光を参照光として前記調整装置を用いて撮像する工程と、
第2のファイバコリメータ対向系の出力光を前記調整装置(1)を用いて撮像し、前記参照光に関する情報と比較しながら調整する工程と、を含み、
前記第1のファイバコリメータ対向系及び第2のファイバコリメータ対向系は、それぞれ、互いに対向配置された第1のファイバコリメータ(2,2´)と第2のファイバコリメータ(3,3´)を備え、
前記第1のファイバコリメータは、複数のコアを有するマルチコアファイバと、1つのコアを有する複数のシングルモードファイバを束ねたファイババンドルとの2種から任意に選択された第1の光ファイバ(2a)と、当該第1の光ファイバの各コアの端部から発散される光をコリメートするための第1のレンズ(2b)とを含み、
前記第2のファイバコリメータは、前記2種から任意に選択され前記第1の光ファイバの各コアに対応する複数のコアを持つ第2の光ファイバ(2a)と、当該第2の光ファイバの各コアの端部から発散される光をコリメートするための第2のレンズ(2b)とを含み、
前記調整装置は、
撮像素子(12)を有する撮像装置(10)と、
前記第1の光ファイバの各コアからの光と前記第2の光ファイバの各コアからの光とが前記撮像素子上において重ならないように、前記第1のレンズからの光と前記第2のレンズからの光とを前記撮像素子に向けて導くための光路変換素子(20)と、を備える
ファイバコリメータ対向系の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバコリメータ対向系用の調整装置に関する。また、本発明は、この調整装置を利用してファイバコリメータ対向系を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバネットワークにおけるトラヒック量の増大に対して、その要求に応えるべく空間分割多重伝送(SDM)が提唱され、その中の1つの方式として、マルチコアファイバ(MCF)が提案されている。MCFとしては、1本の光ファイバに複数の光伝搬コアを有するものが知られている。また、1つのコアを有するシングルモードファイバ(SMF)を複数本束ねたファイババンドルを、MCFの代用品として用いることも知られている。
【0003】
MCFの光伝搬コア同士を結合するためには、例えば図7に示すように、典型的には、結合対象となる2つのMCF2a,3aの間に光学的に等価の2つの単レンズ2b,3bを配置したファイバコリメータ対向系が採用される(特許文献1)。出射側の第1のMCF2aの各光伝搬コアから出射された光は、拡がりながら空間を進んでいくが、第1のレンズ2bを通過することによって集光され理論的には平行光となり空間をさらに進む。また、この光は、さらに第2のレンズ3bを通過することによって集光され、入射側の第2のMCF3aの各光伝搬コアに結合される。このとき、例えば1本の光ファイバの中心に中心コアが設けられ、その周囲に複数の外周コアが設けられた断面構造を持つMCF同士を空間結合する際には、各中心コアについては、2つのレンズ2b,3bの主軸(光軸)上で光を入出射するように配置すればよい。また、外周コアについては、レンズ2b,3bの基本的な効果による4f系(レンズの後側焦点位置と前側焦点位置とを連ねて像転写する光学系)と呼ばれる物体の結像と同様に、高さhの物体高の光は高さ-hに反転されて結像される効果によってMCF2a,3a同士の結像が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-109887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的なSMFの結合系では、空間ビームに対するファイバの位置ずれやモードフィールド径の不一致などが主な損失悪化の要因となるが、これらはMCFの結合系においても同様である。これらに加えて、MCF結合系の特有の課題として、MCFのファイバ回転角を調整する必要性が挙げられる。図7にMCFを用いた空間光学系の外周コアにおける回転角度と損失の関係についての理論計算を行った結果を示している。この結果から、2つのMCFの回転角度のずれが大きくなるほど損失も大きくなることがわかる。
【0006】
ここで、従来、MCFの回転角度の調整は、一旦可視光をMCFに導入して紙面などのスクリーンに投影し、相対的なずれを目視で確認しながら粗調整を行う。その後、光源を通信波長に切り替えて光学系を再調整して結合させながら、損失が最小になるように各MCFの回転角度の調整を行う必要があった。しかしながら、このような工程によってMCFの回転角度の調整を行う場合、例えばスクリーンに投影された可視光を確認しつつ光源の切り替えを繰り返し行ってMCFの回転角度を調整することが必要となるため、ファイバコリメータ対向系の製造時間を短縮することが困難であるという課題を抱えていた。
【0007】
そこで、本発明は、ファイバコリメータ対向系を構成するMCF等の回転角度を効率的に調整することのできる調整装置や、それを用いたファイバコリメータ対向系の製造方法を提供することを、主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、MCF等を含む対向配置された2つのファイバコリメータの間に光路変換素子を配置して、2つのファイバコリメータの各コアから出射された光を同時かつ非重畳的に撮像装置の撮像素子へと導くことにより、MCF等同士を光学的に結合する際に、それらの回転角度の調整作業を効率的に行うことができるようになるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば、従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成又は工程を有する。
【0009】
本発明の第1の側面は、調整装置1に関する。本発明に係る調整装置1は、ファイバコリメータ対向系の調整に用いられる。なお、本発明に係る調整装置1には、その調整対象となるファイバコリメータ対向系は含まれない。
【0010】
調整対象となるファイバコリメータ対向系は、互いに対向配置された第1のファイバコリメータ2と第2のファイバコリメータ3を備える。第1のファイバコリメータ2は、第1の光ファイバ2aと第1のレンズ2bとを含む。第1のファイバコリメータ2は、複数のコアを有するマルチコアファイバ(MFC)と、1つのコアを有する複数のシングルモードファイバ(SMF)を束ねたファイババンドルとの2種から任意に選択される。つまり、第1のファイバコリメータ2は、MFCとファイババンドルのどちらであってもよい。第1のレンズ2bは、第1の光ファイバ2aの各コアの端部から発散される光をコリメートするための単レンズである。同様に、第2のファイバコリメータ3は、第2の光ファイバ3aと第2のレンズ3bとを含む。第2の光ファイバ3aは、MFCとファイババンドルとの2種から任意に選択されるものであり、第1の光ファイバ2aの各コアに対応する複数のコアを持つ。第2のレンズ3bは、第2の光ファイバ2bの各コアの端部から発散される光をコリメートするための単レンズである。なお、第1のレンズ2bは、第2のレンズ3bを通過したコリメート光を第1の光ファイバ2aの各コアに集束させる機能を併せ持ち、同様に、第2のレンズ3bは、第1のレンズ2bを通過したコリメート光を第2の光ファイバ3aの各コアに集束させる機能を併せ持つ。
【0011】
ここで、本発明に係る調整装置1は、撮像装置10と光路変換素子20とを備える。撮像装置10は、例えば赤外線カメラであり、入射光を電気信号に変換する撮像素子12を有する。光路変換素子20は、第1の光ファイバ3aの各コアからの光と第2の光ファイバ3bの各コアからの光とが撮像素子12上において重ならないように、第1のレンズ3aからの光と第2のレンズ3bからの光とを撮像素子12に向けて導くように構成されていうる。光路変換素子20の例は、ミラーやプリズムである。
【0012】
上記構成のように、本発明に係る調整装置1によれば、第1及び第2のファイバコリメータ2,3からの光を同時かつ非重畳的に撮像装置10で撮像することで、複数コアを持つ第1及び第2の光ファイバ3a,3b同士の相対的なコア配置の傾き(回転角度)を認識できるようになる。このため、実際に製造されたファイバコリメータ対向系のコア配置の傾きを確認しながらその調整作業を行うことで、コリメータ同士の調整を短時間で行うことが可能となる。また、このような調整作業は全て実際に使用する通信光波長を光ファイバに伝搬させて行うことが可能であり、光源を可視光に切り替える時間を必要としない。従って、更なる調心時間の短縮が実現できる。
【0013】
本発明に係る調整装置1は、撮像装置10による撮像画像を表示可能な表示部35を有する分析装置30をさらに備えることが好ましい。分析装置30としては、汎用的なパーソナルコンピュータ(PC)を利用できる。このような分析装置30を用いることで、ファイバコリメータ対向系のコア配置の傾きをリアルタイムに確認できる。また、この分析装置30によれば撮像装置10の撮像画像に対して様々な分析処理を行うことができる。
【0014】
本発明に係る調整装置1において、分析装置30は、撮像素子12に入射した光の座標情報を取得し、撮像画像とともに表示部35に表示可能に構成されていることが好ましい。このように光の座標情報を取得して表示することで、光ファイバの調心作業をさらに正確に行うことができる。
【0015】
本発明に係る調整装置1において、分析装置30は、記憶部32と比較部31hをさらに有することが好ましい。記憶部32は、撮像素子12に入射した参照光に関する情報を保存する。比較部31hは、参照光に関する情報と現在撮像素子12に入射している光に関する情報とを比較し、その比較結果を表示部35に出力する。例えば、最適に調心されたファイバコリメータ対向系から出射された光を参照光とし、その参照光に関する情報を記憶部32に保存しておけばよい。参照光に関する情報としては、撮像素子12上における光の座標情報や、2つの光を結ぶ直線の長さや傾き(角度)に関する情報、交差する2つの当該直線のなす角度に関する情報が含まれる。そして、比較部31hにおいて、このような参照光に関する情報と、現在実際に調整対象とされているファイバコリメータ対向系から出射された光に関する情報とを比較することで、そのファイバコリメータ対向系の調心作業を効率良く行うことができる。
【0016】
本発明の第2の側面は、ファイバコリメータ対向系の製造方法に関する。第2の側面に係る製造方法は、基本的に前述した第1の側面に係る調整装置1を用いて2つのファイバコリメータを調心する工程を含む。具体的に説明すると、本発明に係る製造方法は、第1のファイバコリメータ対向系の出力光を参照光として調整装置1を用いて撮像する工程と、第2のファイバコリメータ対向系の出力光を調整装置1を用いて撮像し参照光に関する情報と比較しながら調整する工程とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファイバコリメータ対向系を構成するMCF等の回転角度を効率的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、ファイバコリメータ対向系とその調整に用いられる調整装置の構成を模式的に示している。
図2図2(a)は、ファイバコリメータ対向系と調整装置を構成する光学素子を模式的に示している。図2(b)は、撮像素子上における各コアからの出射光の集束位置を模式的に示している。
図3図3は、主に分析装置を構成する機能的要素の例を示したブロック図である。
図4図4は、分析装置による画像処理の例を示してる。
図5図5は、分析装置による画像解析処理の例を示している。
図6図6は、ファイバコリメータ対向系の製造方法の一例を模式的に示している。
図7図7(a)は、公知のファイバコリメータ対向系を示している。図7(b)は、ファイバ回転角度と損失の公知の関係性を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る調整装置1の概要を示している。この調整装置1は、基本的にファイバコリメータ対向系の調心作業に用いられる。
【0021】
本発明に係る調整装置1を説明する前に、調整対象となるファイバコリメータ対向系について説明する。ファイバコリメータ対向系としては、図7(a)に示したものを含め公知のものを採用できる。ファイバコリメータ対向系は、2つの対向配置されたファイバコリメータ2,3から構成される。各ファイバコリメータ2,3は、それぞれ、複数の光伝搬コアを持つMCF2a,3aを含む。ファイバコリメータ対向系においては、各MCF2a,3aは、互いに対応する数と配置のコアを有しており、各MCF2a,3aのコアはそれぞれ光学的に結合されることとなる。なお、このMCF2a,3aに代えて、複数のSMFを束ねてなるバンドルファイバが採用されていてもよい。また、MCFとバンドルファイバとを結合することとしてもよい。また、光伝搬コアは、シングルモード光を伝搬するコアであってもよいし、マルチモード光を伝搬するコアであってもよい。
【0022】
各ファイバコリメータ2,3は、MCF2a,3aの各コアから一定の広がり角にて発散された光をコリメートする(平行光に変換する)ためのレンズ2b,3bを含む。また、これらのレンズ2b,3bは、コリメート光が入射した場合にはそれを集束する。各レンズ2b,3bの焦点位置には、それぞれMCF2a,3aのコアが配置されている。このため、第1のMCF2aのコアから発散された光は、第1のレンズ2bによってコリメートされた後、第2のレンズ3bによって集束されて、第2のMCF3aの対応するコアに入射する。第2のMCF3aのコアから発散された光は、これとは反対の順序にて第1のMCF2aの対応するコアに入射することとなる。
【0023】
また、各ファイバコリメータ2,3は、MCF2a,3aの端面とレンズ2b,3bの間の間隔を一定に維持するように、MCF2a,3aとレンズ2b,3bとを保持する保持部材2c,3cを有している。MCF2a,3aとレンズ2b,3bとは保持部材2c,3cに固定されており、調心作業時にはこの保持部材2c,3cを回転させることで、損失が最小限になるようにMCF2a,3a同士の光学的な結合が行われる。
【0024】
続いて、本発明に係る調整装置1について説明する。図1に示されるように、調整装置1は、基本的に、撮像装置10、光路変換素子20、及び分析装置30を備える。
【0025】
撮像装置10としては、一般的な光ファイバ通信で用いられる波長(例えば1000~2000nm)の光を撮像できるカメラが用いられる。例えば撮像装置10としては、公知の赤外線(IR)カメラを利用すればよい。撮像装置10は、基本的には、撮像レンズ11と撮像素子12(光電変換素子)を有する。撮像レンズ11は、撮像装置10に入射した光を撮像素子12に集光する。また、撮像素子12は、例えばCCDイメージセンサユニットで構成されており、入射した光を電気信号に変換する。その他、撮像装置10は、図示は省略するが、メカシャッターや、シャッタードライバ、撮像素子12から電荷量を読み出し画像データを生成するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ICメモリ等の電子部品を有していてもよい。撮影装置10によって取得された画像データは、分析装置30へと出力される。
【0026】
撮像装置10は、撮像素子12により各コアから出射された光を電気信号に変換し、その電荷量に基づいて画像データを生成する。画像データは、例えば図2(b)に示したように、各コアから出射された光が点状に示されることとなる。この画像データは、撮像装置10から分析装置30へと出力され、分析装置30において分析処理の対象とされる。なお、画像データは、静止画であってもよいし、所定のフレームレートの動画であってもよい。
【0027】
光路変換素子20は、ファイバコリメータ対向系を構成する2つのファイバコリメータ2,3の間の光軸上に配置され、各MCF2a,3aから出射された光の光路を変換して、その光を撮像装置10の撮像レンズ11へと導くための光学素子である。この光路変換素子20は、2つのMCF2a,3aに対して光学的に対称な機能を提供するように構成されたものである。図1に示した例において、光路変換素子20は、複合プリズムによって構成されている。複合プリズムは、第1のファイバコリメータ2からの光を撮像レンズ11に向けて反射する第1の反射部21と、第2のファイバコリメータ3からの光を撮像レンズ11に向けて反射する第2の反射部22とを有する。ここで、第1の反射部21と第2の反射部22とが、MCF2a,3aの光軸に対して直角(90度)に光を反射すると、MCF2a,3aのコア配置によっては、各コアから出射された光が撮像装置10の撮像素子12上において重なる恐れがあり、その場合、各光の座標位置等を適切に取得できなくなる。このため、第1の反射部21と第2の反射部22は、MCF2a,3aの各コアから出射された光が撮像装置10の撮像素子12上において重ならないように、MCF2a,3aの光軸に対して、その光の反射角度が傾斜して配置されている。例えば、各反射部21,22は、MCF2a,3aの光軸(主軸)に沿って入射してきた光を反射する角度(図1:符号θ)が、MCF2a,3aの光軸に対して、90度未満、具体的には80~89.8度、85~89.8度、又は87~89.5度となるように調整されていることが好ましい。
【0028】
なお、図1に示した例では、光路変換素子20は、2つの反射部21,22を持つ複合プリズムとして構成されているが、これに限らず、複合プリズムの代わりに2枚のミラーを配置することも可能である。その他、フォトニック結晶などの光路変換機能を持つ光学素子を、光路変換素子20として利用することもできる。
【0029】
図2(a)は、2つのMCF2a,3aの各コアから出射された光の光路を模式的に示している。図2(a)に示されるように、2つのMCF2a,3aの各コアから出射された光は、それぞれ、レンズ2b,3b、光路変換素子20(複合プリズム)、及び撮像レンズ11を経由して撮像素子12に集光される。また、図2(b)は、各コアから出射された光の撮像素子12上における集光位置を模式的に示したものである。図2(a)(b)に示した例では、2つのMCF2a,3aはそれぞれ4コアで構成されているが、図2(b)に示されるように、撮像素子12上では合計8つの光がすべて同時に観測されるとともに、8つの光がすべて重ならないように分散されている。このように、本発明に係る調整装置1では、2つのMCF2a,3aの各コアからの光がすべて同時かつ非重畳的に撮像素子12上に集光されるように、光路変換素子20及び撮像レンズ11が設計されている。とりわけ、このような条件を満たすように、光路変換素子20を構成する第1の反射部21及び第2の反射部22の反射角度が最適化される。これにより、各コアから出射された光について、撮像素子12上における座標等を個別に取得できるようになる。
【0030】
また、図2に示されるように、光路変換素子20は、各MCF2a,3aの光軸上の第1の配置と、この光軸から外れた第2の配置とを入れ替え可能なように、公知のスライド機構(図示省略)などによって保持されていることが好ましい。詳しくは後述するが、第1及び第2のファイバコリメータ2,3は、各MCF2a,3aの光軸上に光路変換素子20が配置された状態で最適調整された後、この光路変換素子20を光軸上から外し、これらのファイバコリメータ2,3はそのまま動かさずに固定部材などによって固定される。
【0031】
分析装置30は、所定の分析処理用のプログラムがインストールされたコンピュータである。図3は、分析装置30の機能ブロックの一例を示している。図3に示されるように、分析装置30は、演算処理部31、記憶部32、入力部33、操作部34、及び表示部35を含む。
【0032】
演算処理部31は、所定の演算やその他の要素32~35を制御するための処理を担うものであり、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを利用することができる。演算処理部31は、基本的に、記憶部32に記憶されているプログラム(OSを含む)を読み出してメインメモリに展開し、このプログラムに従って所定の演算処を実行する。この記憶部32に記憶されているプログラムには、演算処理部31に、後述する各演算処理機能(符号31a~31h)を実行させるための画像分析用プログラムが含まれる。また、演算処理部31は、プログラムに従った演算結果を記憶部32に適宜書き込んだり読み出したりすることができる。
【0033】
記憶部32は、演算処理部31での演算処理等に用いられる情報やその演算結果を記憶するための要素である。記憶部32のストレージ機能は、例えばHDD及びSDDといった不揮発性メモリによって実現できる。また、記憶部32は、演算処理部31による演算処理の途中経過などを書き込む又は読み出すためのメインメモリとしての機能を有していてもよい。記憶部32のメモリ機能は、RAMやDRAMといった揮発性メモリにより実現できる。
【0034】
入力部33は、主に撮像装置10から画像データの入力を受け付けるための入力機器である。入力部33は、公知の入出力インターフェースに従って有線接続にて撮像装置10から画像データを取得するものであってもよいし、公知の通信規格に従って無線接続にて撮像装置10から画像データを取得するものであってもよい。有線用の入出力インターフェースの例はUSB(Universal Serial Bus)である。無線規格の例は、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiである。また、入力部33は、インターネット又はイントラネット経由にて撮像装置10から画像データを取得するものであってもよい。
【0035】
操作部34は、ユーザによる操作命令の入力を受け付けるための操作機器である。操作部34の例は、マウス、タッチパネル、トラックパッド等のポインティングデバイスや、キーボード等の文字入力装置である。ユーザは、操作部34を介して分析装置30に対して所定の操作命令を入力できる。
【0036】
表示装置34は、演算処理部31からの入力信号に応じて、ユーザが調整装置1を使用するにあたって必要となる各種情報を出力表示する。表示装置34は、例えば画像データや演算結果などを示す画面を表示する。表示装置34の例は、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)やOELD(Organic Electro Luminescence Display;有機ELディスプレイ)であるがこれに限定されず、公知のディスプレイ装置を利用できる。
【0037】
続いて、図3から図5を参照して、本実施形態における演算処理部31が実行可能な画像分析処理について説明する。演算処理部31は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、図3に示されるように、画像処理部31a、スポット選択部31b、ナンバリング部31c、座標計測部31d、ライン付与部31e、ライン解析部31f、リファレンス保持部31g、及び比較部31hとして機能する。
【0038】
画像処理部31aは、撮像装置10から取得した画像データに所定の画像処理を行って、後の分析処理を行いやすいように画像データを加工する。例えば図4(a)及び(b)に示されるように、画像処理部31aは、撮像装置10から取得した画像データがカラー又はグレースケールで表されたものである場合、この画像データを、所定の閾値にて白と黒の2色のみに変換する二値化処理を行う。このように、画像データ内に含まれる輝点と背景の境界を明確化させることで、後の分析処理の処理速度と精度を向上させることができる。その他、画像処理部31aは、輝点の輪郭を鮮明化させる処理やエッジ検出処理などの画像処理を行うことも可能である。
【0039】
スポット選択部31bは、画像処理部31aによる加工済みの画像データから、MCFの各コアから出射された光に対応するスポットのみを抽出する。すなわち、画像データの中には、各コアから出射された光以外にも、白色の点が映り込む場合がある。そこで、誤検出を防ぐために、各コアに対応するスポットについては予め適切なサイズ範囲を定めておき、そのサイズ範囲に含まれない白色の点は分析対象から除外する。例えば、図4(b)及び(c)に示されるように、スポット選択部31bは、予め定められたサイズ範囲より小さい白色の点を画像データから除去する。これにより、各コアに対応するスポットのみを後の分析処理の対象とすることができる。
【0040】
ナンバリング部31cは、スポット選択部31bにより抽出されたスポットのそれぞれに対して、所定の法則に従って固有の番号を割り当てる。例えば図4(d)には、解析ラインを点線で示している。解析ラインは任意角度で傾いており、この解析ラインを画像データの左側から右側に向かって移動させたときに、この解析ラインに接する順番で各スポットに番号が割り当てられる。図4(d)の例では、画像データには合計8つのスポットが存在しているため、各スポットにはS1~S8うちののいずれかの識別番号がそれぞれ割り当てられることとなる。ナンバリング部31cにより指定された識別番号は、加工済みの画像データとともに、表示部35に表示することとしてもよい。
【0041】
座標計測部31dは、ナンバリング部31cにより識別番号が割り当てられたスポットに対して、画像データ内における座標情報を計測する。具体的には、座標計測部31dは、図4(e)に示されるように、各スポットについて重心を検出し、その各スポットの重心のx座標及びy座標を求める。座標計測部31dにより測定された各スポットの重心座標は、表示部35に表示することとしてもよい。
【0042】
ライン付与部31eは、座標計測部31dが求めた各スポットの重心座標に基づいて、指定された2つのスポットの重心を結ぶライン(線分)を付与する。ラインによって繋ぐ2つのスポットは、ユーザが操作部34を介してスポットの識別番号を選択することによって指定することができる。具体的には、図4(f)に示した例では、スポットS1とS7がラインL1で結ばれ、スポットS2とS8がラインL2で結ばれ、スポットS3とS5がラインL3で結ばれ、スポットS4とS6がラインL4で結ばれている。また、図4(f)に示したように、2つのスポットを結ぶ各ラインに対して識別番号(L1~L4)を割り当てることとしてもよい。ライン付与部31eにより付与されたラインは、加工済みの画像データとともに、表示部35に表示される。なお、ライン付与部31eは、ユーザによる手動に限らず、所定のアルゴリズムに従って2つのスポットの重心を結ぶラインを自動的に付与することとしてもよい。
【0043】
ライン解析部31fは、ライン付与部31eによって付与されたラインの解析を行う。ライン解析の例は、絶対角計測、相対角計測、及びクロスライン解析である。図5には、ライン解析部31fによる解析処理の一例が示されている。絶対角計測は、図5(a)に示されるように、ラインごとに、画像データのx座標軸に対する角度(絶対角)を求める処理である。また、相対角計測は、図5(b)に示されるように、互いに交差する2つのラインのなす角度(相対角)を求める。この相対角を計測する2つのラインの組み合わせは、ユーザが操作部34を介してラインの識別番号を選択することによって指定することができる。もしくは、所定のアルゴリズムに従って相対角を計測する2つのラインを自動的に選択することとしてもよい。2つのラインの相対角は、画像データ上に付与されたラインに基づいて実際に角度を測定することとしてもよいし、各ラインの絶対角に基づいて算出することとしてもよい。
【0044】
クロスライン解析は、複数のラインを2つのグループ分けして、グループ同士にてラインの対比を行う処理である。具体的に説明すると、図5(c)に示されるように、ライン付与部31eにて付与されたラインをグループ分けする。第1グループ(G1)は、ラインL1(横線)とラインL3(縦線)であり、第2グループ(G2)は、ラインL2(横線)とラインL4(縦線)である。図5に示した例では、第1グループ(G1)が、第1のMCF2aから出射された光のスポットを結ぶものであり、第2グループ(G2)が、第2のMCF3aから出射された光のスポットを結ぶものとなる。このような各ラインのグループ分けは、ユーザが操作部34を介してラインの識別番号を選択することによって指定することができる。なお、基本的に、相対角計測において相対角を算出したラインは同じグループに属することとなるため、相対角計測を行ったものを自動的に同じグループに含めることとしてもよい。
【0045】
次に、クロスライン解析では、2つのグループ(G1,G2)から平行に近い関係にあるラインの組み合わせを特定し、各組み合わせのラインの長さの差の総和(クロスライン平行差分)を算出する。具体期には、ライン解析部31fは、クロスライン平行差分(Δl)を以下の[式1]により求める。
[式1]
Δl==|L1-L2|+|L3-L4|
(L1~L4は、図5(c)において同じ符号が付されたラインの長さを表す。)
【0046】
同様に、クロスライン解析では、2つのグループ(G1,G2)から直交に近い関係にあるラインの組み合わせを特定し、各組み合わせのラインの長さの差の総和(クロスライン直交差分)を算出する。具体期には、ライン解析部31fは、クロスライン直交差分(Δl)を以下の[式1]により求める。
[式1]
Δl==|L1-L4|+|L2-L3|
【0047】
例えば4コアを有するマルチコアファイバのファイバコリメータ対向系において、双方のマルチコアのコア配置は現実的には理想的な正方形にはなっておらず、製造上の誤差などで菱形や平行四辺形のような配置になっている。例えばコア配置が2つの対角線に長短の差がある菱形のケースであった場合、2つの対向しているファイバコリメータのコア同士も長短の組み合わせが合致しているほうが、より結合効率が高くなる。この原理に基づいて、クロスライン解析は双方のコリメータの長短の組み合わせが合致しているかどうかの判定に用いる。つまり、クロスライン平行差分が直交差分より値が小さければ、現状の組み合わせが最適であり、逆の場合はどちらか一方のファイバを90°回転させたほうが最適な組み合わせということが判定できる。
【0048】
リファレンス保存部31gは、座標計測部31dやライン解析部31fが測定した値を参照値として記憶部32に保存する。すなわち、MCF2a,3aの回転角が最適に調整されたファイバコリメータ対向系を予め用意し、本発明に係る調整装置1を用いて測定を行う。具体的には、このファイバコリメータ対向系について、座標計測部31dが求めた各スポットの座標情報や、ライン解析部31fが求めた絶対角、相対角、クロスライン平行差分、クロスライン直交差分などの情報を、参照値として記憶部32に保存しておけばよい。なお、未だ最適調整されていないファイバコリメータ対向系については、参考とはならないため、前述した各種の測定値を記憶部32に保存する必要はない。ただし、このような未だ最適調整されていないファイバコリメータ対向系の情報も、参考値とは別に、記憶部32に保存しておくことも可能である。
【0049】
比較部31fは、最適調整された参照となるファイバコリメータ対向系(第1のファイバコリメータ対向系)について記憶部32に保存されている「参照値」と、現在測定対象とされているファイバコリメータ対向系(第2のファイバコリメータ対向系)について座標計測部31dやライン解析部31fが測定している値(「現在値」という)を比較して、その比較結果を表示部35に出力する。具体的には、前述した各スポットの座標情報や、絶対角、相対角、クロスライン平行差分、クロスライン直交差分などの情報について、参照値と現在値とを定量的に比較すればよい。ユーザは、表示部35に表示された比較結果を確認しながら、第2のファイバコリメータ対向系の現在値が参照値に近づくように、各MCF2a,3aの回転角度を調整すればよい。これにより、第2のファイバコリメータ対向系に含まれるMCF2a,3aの回転角度を効率的に調整することができる。
【0050】
続いて、図6を参照して、ファイバコリメータ対向系の製造方法について説明する。まず、図5(a)に示されるように、予め回転角が最適調整された第1及び第2のファイバコリメータ2´,3´を含む第1のファイバコリメータ対向系を用意する。そして、この第1のファイバコリメータ対向系について、本実施形態に係る調整装置1(撮像装置10、光路変換素子20、及び分析装置30を含む)を用いて、MCF2a´,3a´の各コアから出射された光に対応するスポットの座標情報や、絶対角、相対角、クロスライン平行差分、クロスライン直交差分などの情報を測定する。ここで測定された情報は、参照値として分析装置30に保存される。
【0051】
なお、第1のファイバコリメータ対向系について参照値を測定し終えた後は、調整装置1の光路変換素子20の位置を移動させずに第1のファイバコリメータ対向系を取り外すことが好ましい。このため、第1及び第2のファイバコリメータ2´,3´は、光路変換素子20に対応する部分に一部に切り欠きが設けられた半固定部材4によって、回転角度等を維持したまま固定しておけばよい。
【0052】
次に、図6(b)に示されるように、実際に調整対象とされる第1及び第2のファイバコリメータ2,3を第1のファイバコリメータ対向系を用意する。この段階において、第1及び第2のファイバコリメータ2,3のMCF2a,3aは回転角度等が未だ固定されていない。この第2のファイバコリメータ対向系についても、第1のファイバコリメータ対向系を測定したのと同じ調整装置1を用いて、各コアから出射された光に対応するスポットの座標情報や、絶対角、相対角、クロスライン平行差分、クロスライン直交差分などの情報を現在値として測定する。このとき、分析装置30の表示部には、第2のファイバコリメータ対向系の現在値と第1のファイバコリメータ対向系の参照値との比較結果が表示される。そして、第2のファイバコリメータ対向系の現在値が第1のファイバコリメータ対向系の参照値に近づくように、MCF2a,3aの回転角度等の調整を行う。
【0053】
最後に、図6(c)に示されるように、MCF2a,3aの回転角度が最適化された第1及び第2のファイバコリメータ2,3を固定部材5によって固定する。このとき、光路変換素子20を第1及び第2のファイバコリメータ2,3の光軸上から移動させるとよい。これにより、第1及び第2のファイバコリメータ2,3の位置や向きは最適調整された状態を維持したまま、固定部材5によって第1及び第2のファイバコリメータ2,3を固定することが可能である。このように、MCF2a,3aが最適調整されたファイバコリメータ対向系を効率良く製造することが可能となる。また、光路変換素子20の位置を元に戻した後、別のファイバコリメータ対向系の調整を行うことができる。これにより、ファイバコリメータ対向系の調整作業を連続的に行うことができる。
【0054】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0055】
1…調整装置 2…第1のファイバコリメータ
3…第2のファイバコリメータ 4…半固定部材
5…固定部材 10…撮像装置
11…撮像レンズ 12…撮像素子
20…光路変換素子 21…第1の反射部
22…第2の反射部 30…分析装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7