(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007901
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】筐体の係止構造
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20230112BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230112BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20230112BHJP
F16B 21/08 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
B60R16/02 610A
H05K5/03 D
F16B5/07 K
F16B21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111029
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】江崎 匡志
(72)【発明者】
【氏名】山下 康弘
【テーマコード(参考)】
3J001
3J037
4E360
【Fターム(参考)】
3J001FA15
3J001JD27
3J001KA21
3J001KA26
3J001KB01
3J001KB06
3J037AA10
3J037DB02
4E360AB02
4E360AB12
4E360BB22
4E360BC04
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA12
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED23
4E360GA60
4E360GB92
(57)【要約】
【課題】第1筐体と第2筐体とが連結している状態を強固に維持することができる筐体の係止構造を提供する。
【解決手段】制御装置1は、車両100に搭載される制御部30を収容する筐体の係止構造であって、第1筐体10と、第1筐体10に連結される第2筐体20とを備えている。また、第1筐体10は、第1基部11aと、第1基部11aに対して立ち上がる第1側壁11bと、第1側壁11bに形成された係止部12と、係止部12と対向する位置に配置され、第1基部11aに対して立ち上がる係止リブ13とを有している。そして、第2筐体20は、係止リブ13と第1側壁11bとの間に配置され、係止部12に係止されている係止爪22を有している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される制御部を収容する筐体の係止構造であって、
第1筐体と、
前記第1筐体に連結される第2筐体とを備え、
前記第1筐体は、
基部と、
前記基部に対して立ち上がる側壁と、
前記側壁に形成された係止部と、
前記係止部と対向する位置に配置され、前記基部に対して立ち上がる係止リブとを有し、
前記第2筐体は、前記係止リブと前記側壁との間に配置され、前記係止部に係止されている係止爪を有している
筐体の係止構造。
【請求項2】
前記係止部は、前記係止爪が挿入される貫通孔又は凹部である
請求項1に記載の筐体の係止構造。
【請求項3】
前記係止リブは、前記係止爪と対向する位置に形成された第1傾斜面を有し、
前記第1傾斜面は、前記係止リブの先端に近づくにつれて、前記係止リブが次第に先細るように傾斜している
請求項2に記載の筐体の係止構造。
【請求項4】
前記係止爪は、前記側壁に沿って延びる延在部と、前記延在部に形成され、前記係止部に挿入される突出部とを有し、
前記延在部は、前記係止リブと対向する位置に形成された第2傾斜面を有し、
前記第2傾斜面は、前記延在部の先端に近づくにつれて、前記延在部が次第に先細るように傾斜している
請求項1~3のいずれか1項に記載の筐体の係止構造。
【請求項5】
前記側壁は、溝部を有し、
前記溝部は、
前記側壁の端縁から前記係止部側に向かって延び、
前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する際に、前記突出部を案内する
請求項4に記載の筐体の係止構造。
【請求項6】
前記溝部は、前記係止部側から前記側壁の端縁に近づくにつれて、前記側壁の厚みが次第に薄くなる第3傾斜面を有している
請求項5に記載の筐体の係止構造。
【請求項7】
前記第1筐体と前記第2筐体とを連結した場合において、前記係止リブと前記延在部との間には、隙間が形成されている
請求項4~6のいずれか1項に記載の筐体の係止構造。
【請求項8】
前記係止リブと前記係止爪との間の距離は、前記突出部が前記係止部に挿入している挿入長さの1/2以下である
請求項7に記載の筐体の係止構造。
【請求項9】
前記第1筐体及び前記第2筐体は、矩形状をなし、
前記係止部は、前記第1筐体に複数形成され、
前記係止爪は、前記第2筐体に複数形成され、
複数の前記係止部と複数の前記係止爪とは、一対一で対応し、
複数の前記係止部のうちの少なくとも一つは、前記第1筐体の角部に配置され、
複数の前記係止爪のうちの少なくとも一つは、前記第2筐体の角部に配置されている
請求項1~8のいずれか1項に記載の筐体の係止構造。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第1筐体に収容され、
車両に搭載された車両用装置を制御する
請求項1~9のいずれか1項に記載の筐体の係止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筐体の係止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第一の筐体と第二の筐体とを有する電子制御装置が開示されている。第一の筐体又は第二の筐体は、スナップフィットを構成する係合爪を複数有している。もう一方の筐体には、係合爪が係合される被係合体を複数有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子制御装置では、第一の筐体と第二の筐体とを組付けたときに、組付けのばらつきが存在するため、落下、振動等の衝撃が与えられると係合爪が撓み、係合爪が被係合体から外れてしまうことがある。その結果、第二の筐体が第一の筐体から外れてしまうため、第一の筐体と第二の筐体とが連結している状態を強固に維持できないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、第1筐体と第2筐体とが連結している状態を強固に維持することができる筐体の係止構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る筐体の係止構造は、車両に搭載される制御部を収容する筐体の係止構造であって、第1筐体と、前記第1筐体に連結される第2筐体とを備え、前記第1筐体は、基部と、前記基部に対して立ち上がる側壁と、前記側壁に形成された係止部と、前記係止部と対向する位置に配置され、前記基部に対して立ち上がる係止リブとを有し、前記第2筐体は、前記係止リブと前記側壁との間に配置され、前記係止部に係止されている係止爪を有している。
【0007】
なお、この包括的又は具体的な態様は、システム、方法又は集積回路等の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の筐体の係止構造では、第1筐体と第2筐体とが連結している状態を強固に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る制御装置が配置されている車両の車室を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る制御装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る制御装置を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る制御装置の第1筐体の内部に第2筐体を挿入する前の状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る制御装置の第1筐体の内部に第2筐体を挿入している状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図2のVI-VI線において、実施の形態に係る制御装置の第1筐体と第2筐体とが連結されたときの状態を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る制御装置の係止リブと係止爪との間の距離と、挿入長さとを示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例に係る制御装置の第1筐体と第2筐体とを示す断面斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例に係る制御装置の第1筐体と第2筐体とが連結されたときの状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、その他変形例に係る制御装置の第1筐体と第2筐体とを示す部分拡大断面図である。
【
図11】
図11は、その他変形例に係る制御装置の第1筐体と第2筐体とが連結されたときの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る筐体の係止構造は、車両に搭載される制御部を収容する筐体の係止構造であって、第1筐体と、前記第1筐体に連結される第2筐体とを備え、前記第1筐体は、基部と、前記基部に対して立ち上がる側壁と、前記側壁に形成された係止部と、前記係止部と対向する位置に配置され、前記基部に対して立ち上がる係止リブとを有し、前記第2筐体は、前記係止リブと前記側壁との間に配置され、前記係止部に係止されている係止爪を有している。
【0011】
これによれば、筐体の係止構造に落下、振動等の衝撃が与えられて、係止爪と係止部との係止が解除されようとしても、係止リブが係止部と対向する位置に配置されているため、係止爪が係止リブに当接することができる。つまり、係止リブは、係止爪と係止部との係止が解除されないように、係止爪の撓みを抑制することができる。
【0012】
したがって、この筐体の係止構造では、第1筐体と第2筐体とが連結している状態を強固に維持することができる。
【0013】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記係止部は、前記係止爪が挿入される貫通孔又は凹部である。
【0014】
これによれば、係止部は、第1側壁に形成された貫通孔であってもよく、第1側壁に形成された凹部であってもよい。このため、第1筐体と第2筐体とを連結する場合、係止部は係止爪を容易に係止することができる。これにより、第1筐体と第2筐体との組付けの容易性と、強固な連結の維持とを両立することができる。
【0015】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記係止リブは、前記係止爪と対向する位置に形成された第1傾斜面を有し、前記第1傾斜面は、前記係止リブの先端に近づくにつれて、前記係止リブが次第に先細るように傾斜している。
【0016】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結する際に、係止リブの第1傾斜面は、係止爪の先端を案内することができる。このため、係止リブの先端と係止爪の先端との衝突の発生を抑制したり、係止リブと係止爪との衝突による破損を抑制したりすることができる。
【0017】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記係止爪は、前記側壁に沿って延びる延在部と、前記延在部に形成され、前記係止部に挿入される突出部とを有し、前記延在部は、前記係止リブと対向する位置に形成された第2傾斜面を有し、前記第2傾斜面は、前記延在部の先端に近づくにつれて、前記延在部が次第に先細るように傾斜している。
【0018】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結する際に、係止爪の第2傾斜面は、係止リブの先端を案内することができる。このため、係止リブの先端と係止爪の先端との衝突の発生を抑制したり、係止リブと係止爪との衝突による破損を抑制したりすることができる。
【0019】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記側壁は、溝部を有し、前記溝部は、前記側壁の端縁から前記係止部側に向かって延び、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結する際に、前記突出部を案内する。
【0020】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結する際に、溝部は、係止爪を係止部の近くまで案内することができる。このため、係止リブの先端と係止爪の先端との衝突の発生をより抑制したり、係止リブと係止爪との衝突による破損をより抑制したりすることができる。
【0021】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記溝部は、前記係止部側から前記側壁の端縁に近づくにつれて、前記側壁の厚みが次第に薄くなる第3傾斜面を有している。
【0022】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結する際に、係止爪は第3傾斜面に押圧されて次第に弾性変形するため、係止リブ及び係止爪に加えられる応力負荷を緩和することができる。また、溝部は、係止爪を係止部の近くまで確実に案内することができる。このため、係止リブの先端と係止爪の先端との衝突の発生をより抑制したり、係止リブと係止爪との衝突による破損をより抑制したりすることができる。
【0023】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記第1筐体と前記第2筐体とを連結した場合において、前記係止リブと前記延在部との間には、隙間が形成されている。
【0024】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結した場合、係止リブと係止爪との間に隙間が形成されているため、係止リブ及び係止爪に対して加えられる応力が抑制される。その結果、この筐体の係止構造では、係止リブ及び係止爪における疲労破壊及び係止爪と係止部の係止量が減ることで第1筐体に対する第2筐体の遊びを抑制することができる。
【0025】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記係止リブと前記係止爪との間の距離は、前記突出部が前記係止部に挿入している挿入長さの1/2以下である。
【0026】
これによれば、第1筐体と第2筐体とを連結した際に、筐体の係止構造に衝撃が与えられることで、係止爪が係止部から抜けようとしても、係止爪が係止リブと当接するため、係止爪が係止部から抜け難くなる。このため、この筐体の係止構造では、第1筐体と第2筐体とをより強固に連結することができる。
【0027】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記第1筐体及び前記第2筐体は、矩形状をなし、前記係止部は、前記第1筐体に複数形成され、前記係止爪は、前記第2筐体に複数形成され、複数の前記係止部と複数の前記係止爪とは、一対一で対応し、複数の前記係止部のうちの少なくとも一つは、前記第1筐体の角部に配置され、複数の前記係止爪のうちの少なくとも一つは、前記第2筐体の角部に配置されている。
【0028】
これによれば、第1筐体及び第2筐体における複数の任意の位置で係止爪と係止部とが係止されるため、第1筐体と第2筐体とをより強固に連結することができる。また、第1筐体と第2筐体とが連結している状態をより強固に維持することができる。
【0029】
ここで、第1筐体に複数形成される係止部と第2筐体の複数形成される係止爪は、必ずしも第1筐体と第2筐体の角部でなくても第1筐体と第2筐体の連結を確保することができる。
【0030】
また、本開示の他の態様に係る筐体の係止構造において、前記制御部は、前記第1筐体に収容され、車両に搭載された車両用装置を制御する。
【0031】
これによれば、第1筐体と第2筐体とが連結している状態を強固に維持することができるため、第1筐体及び第2筐体は、制御部を確実に保護することができる。
【0032】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0033】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0034】
また、以下で説明する実施の形態において、略平行又は矩形状等の表現を用いている。例えば、略平行又は矩形状は、完全に平行又は完全に矩形であることを意味するだけでなく、実質的に平行又は実質的に矩形である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行又は矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行又は矩形という意味である。他の「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0035】
以下で説明する実施の形態では、制御装置の長手方向をX軸方向と規定し、制御装置の短手方向をY軸方向と規定し、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向をZ軸方向と規定する。また、以下で説明する実施の形態では、X軸方向において、制御装置における短手方向の中心に対して制御装置の挿入孔側をプラス側の方向と規定する。また、以下で説明する実施の形態では、Y軸方向において、制御装置における短手方向の中心に対して制御装置の挿入孔側をプラス側の方向と規定する。また、以下で説明する実施の形態では、Z軸方向において、制御装置の中心に対して第1筐体の挿入孔側をプラス側の方向と規定する。
【0036】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
(実施の形態)
<構成>
本実施の形態に係る筐体の係止構造として用いられる制御装置1について、
図1等を用いて説明する。
【0038】
図1は、実施の形態に係る制御装置1が配置されている車両100の車室を示す模式図である。
【0039】
本実施の形態の制御装置1は、例えば車両100のスポークに埋設されている。制御装置1は、ステアリングホイール101内に搭載される車載ECU(Electronic Control Unit)、ステアリングホイール101の外周部に設けられたグリップセンサ及びステアリングヒーター等の車両用装置102と電気的に接続されている。例えば、制御装置1は、搭乗者によるステアリングホイール101への把持を検知したり、ステアリングヒーターの温度を制御したりすることができる。
【0040】
次に、本実施の形態に係る制御装置1の具体的な構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。
【0041】
図2は、実施の形態に係る制御装置1を示す斜視図である。
図3は、実施の形態に係る制御装置1を示す分解斜視図である。
【0042】
図2及び
図3に示すように、制御装置1は、第1筐体10と、第2筐体20と、制御部30とを備えている。
【0043】
[第1筐体10]
第1筐体10は、X軸方向において長尺な矩形状をなす筐体である。第1筐体10は、Z軸マイナス方向側が開口している。第1筐体10は、内部に、第2筐体20及び制御部30を収容している。
【0044】
具体的には、
図3に示すように、第1筐体10は、第1基部11aと、第1側壁11bと、係止部12と、係止リブ13とを有している。
【0045】
第1基部11aは、X-Y平面に対して略平行な矩形状の平板であり、X軸方向において長尺状である。また、第1基部11aは、第2筐体20及び制御部30に対してZ軸プラス方向側に配置されている。第1基部11aは、基部の一例である。
【0046】
第1基部11aには、制御部30に設けられている端子部32を露出することができる挿入孔14が形成されている。挿入孔14には、例えば車載ECUの接続端子が挿入される。これにより、端子部32は、この接続端子と電気的に接続することができる。
【0047】
第1側壁11bは、第1基部11aに対して立ち上がっている。言い換えれば、第1側壁11bは、第1基部11aの外周端縁からZ軸マイナス方向に沿って延びている。具体的には、第1側壁11bは、第1基部11aの外周端縁に沿って、第1基部11aの外周端縁を囲むように形成されている。第1側壁11bは、側壁の一例である。
【0048】
また、第1側壁11bには、第1貫通孔16aと、第2貫通孔16bとが形成されている。第1貫通孔16aは、制御部30に設けられている端子部34aを露出させることができる。第1貫通孔16aには、例えばグリップセンサの接続端子が挿入される。これにより、端子部34aは、グリップセンサの接続端子と電気的に接続することができる。また、第2貫通孔16bは、制御部30に設けられている端子部34bを露出させることができる。第2貫通孔16bには、例えばステアリングヒーターの接続端子が挿入される。これにより、端子部34bは、ステアリングヒーターの接続端子と電気的に接続することができる。
【0049】
また、第1側壁11bには、係止部12が形成されている。本実施の形態では、係止部12は、第1側壁11bに複数形成されている。具体的には、複数の係止部12のうちの少なくとも一つは、第1筐体10の角部に配置されている。本実施の形態では、係止部12は、矩形状の第1筐体10において、第1側壁11bにおける角部近傍の四隅に配置されている。
【0050】
また、係止部12は、第2筐体20の係止爪22が挿入される貫通孔又は凹部である。係止爪22が係止部12に挿入されて係止部12に引っ掛かることで、係止部12は、係止爪22を係止させることができる。本実施の形態では、係止爪22が係止部12に係止した際に、係止部12は、係止爪22を露出させることが可能な貫通孔である。
【0051】
また、第1基部11aには、係止リブ13が形成されている。係止リブ13は、第1基部11aに対して立ち上がる突部である。具体的には、係止リブ13は、第1基部11aにおける制御部30側の面から制御部30に近づくように、Z軸マイナス方向に沿って延びている。
【0052】
また、係止リブ13は、第1基部11aに複数形成されている。具体的には、複数の係止リブ13のうちの少なくとも一つは、第1筐体10の角部に配置されている。本実施の形態では、係止リブ13は、矩形状の第1筐体10において、第1基部11aにおける角部近傍の四隅に配置されている。また、複数の係止リブ13は、複数の係止部12と一対一で対応している。なお、係止リブ13は、第1基部11aに1つだけ形成されていてもよい。係止リブ13は、第1筐体10と第2筐体20とを係止爪22で強固に固定できる数量が第1基部11aに複数形成されていれば良い。
【0053】
ここで、係止リブ13と係止部12との関係について、
図4~
図6を用いて説明する。
【0054】
図4は、実施の形態に係る制御装置1の第1筐体10の内部に第2筐体20を挿入する前の状態を示す断面図である。
図5は、実施の形態に係る制御装置1の第1筐体10の内部に第2筐体20を挿入している状態を示す断面図である。
図6は、
図2のVI-VI線において、実施の形態に係る制御装置1の第1筐体10と第2筐体20とが連結されたときの状態を示す断面図である。
【0055】
図4~
図6に示すように、係止リブ13は、係止部12と対向する位置に配置されている。つまり、係止リブ13と係止部12とは、Y軸方向に沿って対向する位置に配置されている。また、係止リブ13は、第1側壁11bとの間の所定の空間Kを形成するように、係止部12から離れた位置に配置されている。この所定の空間Kには、第1筐体10と第2筐体20とが連結されたときに、第2筐体20の係止爪22が配置される。
【0056】
ここで、係止リブ13が係止部12と対向する位置に配置とは、第1筐体10と第2筐体20とが連結されている場合、係止リブ13が係止爪22を介して係止部12と対向する位置に配置という意味を含む。また、係止リブ13が係止部12と対向する位置に配置とは、第1筐体10と第2筐体20とが連結されていない場合、係止リブ13が係止部12と直接的に対向する位置に配置という意味も含む。
【0057】
また、係止リブ13は、係止爪22と対向する位置に形成された第1傾斜面13aを有している。第1傾斜面13aは、係止リブ13の先端(Z軸マイナス方向側の端部)に近づくにつれて、係止リブ13が次第に先細るように傾斜している。係止爪22を係止リブ13と第1側壁11bとの間の所定の空間Kに配置する際に、第1傾斜面13aは、係止爪22を案内することができる。
【0058】
[第2筐体20]
図3及び
図6に示すように、第2筐体20は、X軸方向において長尺な矩形状をなす筐体である。また、第2筐体20は、Z軸プラス方向側が開口している。
【0059】
また、第2筐体20は、制御部30をX-Y平面と略平行な姿勢で支持することができる。つまり、第2筐体20は、制御部30を支持した状態で第1筐体10と連結することができる。
【0060】
具体的には、第2筐体20は、第2基部21aと、第2側壁21bと、係止爪22とを有している。
【0061】
第2筐体20は、第2基部21aと、第2側壁21bと、係止爪22とを有している。
【0062】
第2基部21aは、X-Y平面に対して略平行な矩形状の平板であり、X軸方向において長尺状である。また、第2基部21aは、第1基部11a及び制御部30に対してZ軸マイナス方向側であり、第1筐体10の開口を覆うように配置されている。
【0063】
第2側壁21bは、第2基部21aに対して立ち上がっている。言い換えれば、第2側壁21bは、第2基部21aに対してZ軸プラス方向に沿って延びている。具体的には、第2側壁21bは、第2基部21aの外周端縁に沿って、第2基部21aの外周端縁を囲むように形成されている。
【0064】
また、第2側壁21bのZ軸プラス方向側の端部には、Z軸プラス方向に沿って延びる係止爪22が形成されている。係止爪22は、第2側壁21bのZ軸プラス方向側の端部に複数形成されている。具体的には、複数の係止爪22のうちの少なくとも一つは、第2筐体20の角部に配置されている。本実施の形態では、係止爪22は、矩形状の第2筐体20において、第2側壁21bにおける角部近傍の四隅に配置されている。また、複数の係止爪22は、第1筐体10における複数の係止部12と一対一で対応している。つまり、複数の係止爪22は、複数の係止部12に一対一で係止されている。
【0065】
具体的には、係止爪22は、係止リブ13と第1側壁11bとの間に配置され、第1筐体10の係止部12に係止することが可能な爪状体である。より具体的には、係止爪22は、第1側壁11bに沿って延びる延在部22aと、延在部22aに形成され、係止部12に挿入される突出部22bとを有している。つまり、延在部22aはZ軸方向に沿って延び、突出部22bは延在部22aからY軸方向に突出している。
【0066】
また、延在部22aは、係止リブ13と対向する位置に形成された第2傾斜面23を有している。第2傾斜面23は、延在部22aの先端に近づくにつれて、延在部22aが次第に先細るように傾斜している。このため、第1筐体10と第2筐体20とを連結する場合、係止爪22が係止リブ13と当接しても、第2傾斜面23は、係止リブ13を案内することができる。
【0067】
[制御部30]
制御部30は、基板31と、端子部32、34a、34bとを有している制御回路である。
【0068】
基板31は、X-Y平面に対して略平行な矩形状の平板であり、X軸方向において長尺状である。
【0069】
また、基板31は、第2筐体20の第2側壁21bの上端(Z軸プラス方向側の端部)に配置された状態で第2筐体20に支持されている。具体的には、基板31には、第2筐体20の係止爪22と係合する切り欠き33が形成されている。切り欠き33は、複数の係止爪22と一対一で対応するように、複数形成されている。このため、複数の切り欠き33内に複数の係止爪22が一対一で配置される。これにより、基板31は、複数の係止爪22に挟まれるように、第2筐体20に支持される。したがって、基板31は、第2筐体20に対してX軸方向及びY軸方向への移動が抑制される。
【0070】
端子部32は、基板31に実装されている。端子部32は、基板31から挿入孔14に向かってZ軸プラス方向に沿って延びている。第1筐体10と第2筐体20とが連結した場合、端子部32は、第1筐体10の挿入孔14から露出される。これにより、端子部32は、車両用装置102に含まれる車載ECUの接続端子と電気的に接続することができる。
【0071】
また、端子部34aは、基板31に実装されている。端子部34aは、基板31からZ軸プラス方向に沿って延びており、基板31上においてY軸マイナス方向側に配置されている。具体的には、端子部34aは、第1筐体10と第2筐体20とが連結された場合において、第1側壁11bの第1貫通孔16aと対向するように基板31に実装されている。このため、端子部34aは、第1筐体10と第2筐体20とが連結された場合、第1貫通孔16aから露出することができる。本実施の形態では、端子部34aは、車両用装置102に含まれるグリップセンサの接続端子と電気的に接続することができる。
【0072】
また、端子部34bは、基板31に実装されている。端子部34bは、基板31からZ軸プラス方向に沿って延びており、基板31上においてX軸マイナス方向側に配置されている。具体的には、端子部34bは、第1筐体10と第2筐体20とが連結された場合において、第1側壁11bの第2貫通孔16bと対向するように基板31に実装されている。このため、端子部34bは、第1筐体10と第2筐体20とが連結された場合、第2貫通孔16bから露出することができる。本実施の形態では、端子部34bは、車両用装置102に含まれるステアリングヒーターの接続端子と電気的に接続することができる。
【0073】
[第1筐体10と第2筐体20との関係]
ここで、第1筐体10と第2筐体20とを連結するときの第1筐体10と第2筐体20との関係について、
図3~
図6を用いて説明する。
【0074】
まず、
図3及び
図4に示すように、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、第2筐体20に制御部30を配置し、制御部30の端子部32が第1筐体10の挿入孔14と対応し、かつ、第2筐体20の複数の係止爪22が複数の係止部12と一対一で対応するように、第1筐体10と第2筐体20とを位置合わせされる。
【0075】
次に、
図3及び
図5に示すように、第2筐体20の複数の係止爪22が複数の係止部12と一対一で対応するように、第2筐体20は、第1筐体10に対してZ軸プラス方向に挿入される。このとき、複数の係止爪22は、第1筐体10の第1側壁11bに押圧されて弾性変形する。また、係止リブ13の第1傾斜面13aに係止爪22の先端が当接して摺動することで、第1傾斜面13aは、係止爪22を案内することができる。また、係止爪22の第2傾斜面23に係止リブ13の先端が当接して摺動することで、第2傾斜面23は、係止リブ13を案内することができる。これにより、第1筐体10の内部に第2筐体20を挿入する際に、係止リブ13の先端と係止爪22の先端とが衝突して引っ掛かったり、係止リブ13及び係止爪22が衝突によって破損したりする場合を抑制することができる。
【0076】
第1筐体10の内部に第2筐体20を挿入されると、係止爪22は、係止リブ13と第1側壁11bとの間の所定の空間Kに配置される。
【0077】
このとき、
図4に示すように、係止爪22のY軸方向における最大長さL1は、所定の空間KのY軸方向における距離L2よりも大きい。このため、
図3及び
図5に示すように、係止リブ13は、第1側壁11bから離れるように弾性変形する。そして、係止爪22が係止リブ13と第1側壁11bとに挟まれた状態でZ軸プラス方向に摺動して、係止爪22の突出部22bが係止部12と対応する位置に配置されると、
図6に示すように、突出部22bは、係止部12に挿入される。これにより、係止爪22は、係止部12に係止されることで、係止爪22及び係止リブ13の弾性変形が解消される。
【0078】
係止爪22が係止部12に係止された場合、突出部22bが係止部12に引っ掛かることで、係止爪22はZ軸方向に移動し難くなる。この場合、係止爪22の係止部12側とは反対側の背面には、係止リブ13が配置されるため、係止爪22の突出部22bが係止部12から抜けようとしても、係止爪22が係止リブ13と当接するため、係止爪22は第2筐体20の内側に移動し難くなる。つまり、突出部22bは係止部12から抜け難くなるため、係止爪22が係止部12に係止される状態が維持される。これにより、第2筐体20は、第1筐体10と強固に連結されて固定される。
【0079】
ここで、係止リブ13と係止爪22との関係について、
図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態に係る制御装置1の係止リブ13と係止爪22との間の距離Bと、挿入長さAとを示す断面図である。
【0080】
図7に示すように、第1筐体10と第2筐体20とを連結した場合において、係止リブ13と係止爪22との間には、隙間Sが形成されている。この場合、係止リブ13と係止爪22との間の距離Bは、突出部22bが係止部12に挿入している挿入長さAの1/2以下である。このため、制御装置1に衝撃が与えられることで係止爪22の突出部22bが係止部12から抜けようとしても、係止爪22が係止リブ13に当接するため、係止爪22の突出部22bが係止部12から抜け難くなる。
【0081】
また、第1筐体10と連結した第2筐体20を第1筐体10から取り外す場合、例えば、係止部12が貫通孔であれば、第1筐体10の外側から係止爪22の突出部22bを押圧することで、係止爪22が係止リブ13に当接して、係止部12から離間するように係止爪22及び係止リブ13が弾性変形する。すると、突出部22bが係止部12から抜けるため、係止爪22と係止部12との係止が解除される。これにより、第1筐体10に対して第2筐体20をZ軸マイナス方向にスライドさせれば、第2筐体20を第1筐体10から取り外すことができる。
【0082】
また、係止部12が凹部であれば、第1筐体10の第1側壁11bと係止爪22との間から長尺な板状の部材を挿入することで、係止爪22及び係止リブ13を弾性変形させて、係止爪22と係止部12との係止を解除してもよい。
【0083】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る制御装置1の作用効果について説明する。
【0084】
上述したように、本実施の形態に係る制御装置1(筐体の係止構造)は、車両100に搭載される制御部30を収容する筐体の係止構造であって、第1筐体10と、第1筐体10に連結される第2筐体20とを備えている。また、第1筐体10は、第1基部11a(基部)と、第1基部11aに対して立ち上がる第1側壁11b(側壁)と、第1側壁11bに形成された係止部12と、係止部12と対向する位置に配置され、第1基部11aに対して立ち上がる係止リブ13とを有している。そして、第2筐体20は、係止リブ13と第1側壁11bとの間に配置され、係止部12に係止されている係止爪22を有している。
【0085】
これによれば、制御装置1に落下、振動等の衝撃が与えられて、係止爪22と係止部12との係止が解除されようとしても、係止リブ13が係止部12と対向する位置に配置されているため、係止爪22は係止リブ13と当接することができる。つまり、係止リブ13は、係止爪22と係止部12との係止が解除されないように、係止爪22の撓みを抑制することができる。
【0086】
したがって、この制御装置1では、第1筐体10と第2筐体20とが連結している状態を強固に維持することができる。
【0087】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、係止部12は、係止爪22が挿入される貫通孔又は凹部である。
【0088】
これによれば、係止部12は、第1側壁11bに形成された貫通孔であってもよく、第1側壁11bに形成された凹部であってもよい。このため、第1筐体10と第2筐体20とを連結する場合、係止部12は係止爪22を容易に係止することができる。これにより、第1筐体10と第2筐体20との組付けの容易性と、強固な連結の維持とを両立することができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、係止リブ13は、係止爪22と対向する位置に形成された第1傾斜面13aを有している。そして、第1傾斜面13aは、係止リブ13の先端に近づくにつれて、係止リブ13が次第に先細るように傾斜している。
【0090】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、係止リブ13の第1傾斜面13aは、係止爪22の先端を案内することができる。このため、係止リブ13の先端と係止爪22の先端との衝突の発生を抑制したり、係止リブ13と係止爪22との衝突による破損を抑制したりすることができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、係止爪22は、第1側壁11bに沿って延びる延在部22aと、延在部22aに形成され、係止部12に挿入される突出部22bとを有している。また、延在部22aは、係止リブ13と対向する位置に形成された第2傾斜面23を有している。そして、第2傾斜面23は、延在部22aの先端に近づくにつれて、延在部22aが次第に先細るように傾斜している。
【0092】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、係止爪22の第2傾斜面23は、係止リブ13の先端を案内することができる。このため、係止リブ13の先端と係止爪22の先端との衝突の発生を抑制したり、係止リブ13と係止爪22との衝突による破損を抑制したりすることができる。
【0093】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、第1筐体10と第2筐体20とを連結した場合において、係止リブ13と延在部22aとの間には、隙間Sが形成されている。
【0094】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結した場合、係止リブ13と係止爪22との間に隙間Sが形成されているため、係止リブ13及び係止爪22に対して加えられる応力が抑制される。その結果、この制御装置1では、係止リブ13及び係止爪22における疲労破壊及び係止爪22と係止部12との係止量が減ることで第1筐体10に対する第2筐体20の遊びを抑制することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、係止リブ13と係止爪22との間の距離Bは、突出部22bが係止部12に挿入している挿入長さAの1/2以下である。
【0096】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結した際に、制御装置1に衝撃が与えられることで、係止爪22が係止部12から抜けようとしても、係止爪22が係止リブ13と当接するため、係止爪22が係止部12から抜け難くなる。このため、この制御装置1では、第1筐体10と第2筐体20とをより強固に連結することができる。
【0097】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、第1筐体10及び第2筐体20は、矩形状をなしている。また、係止部12は、第1筐体10に複数形成されている。また、係止爪22は、第2筐体20に複数形成されている。また、複数の係止部12と複数の係止爪22とは、一対一で対応している。また、複数の係止部12のうちの少なくとも一つは、第1筐体10の角部に配置されている。そして、複数の係止爪22のうちの少なくとも一つは、第2筐体20の角部に配置されている。
【0098】
これによれば、第1筐体及び第2筐体における複数の任意の位置で係止爪と係止部とが係止されるため、第1筐体と第2筐体とをより強固に連結することができる。また、第1筐体と第2筐体とが連結している状態をより強固に維持することができる。
【0099】
ここで、第1筐体10に複数形成される係止部12と第2筐体20の複数形成される係止爪22は、必ずしも第1筐体10と第2筐体20の角部でなくても第1筐体10と第2筐体20の連結を確保することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係る制御装置1において、制御部30は、第1筐体10に収容され、車両100に搭載された車両用装置102を制御する。
【0101】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とが連結している状態を強固に維持することができるため、第1筐体10及び第2筐体20は、制御部30を確実に保護することができる。
【0102】
(実施の形態の変形例)
本変形例に係る制御装置1について、
図8及び
図9等を用いて説明する。
【0103】
図8は、実施の形態の変形例に係る制御装置1aの第1筐体10と第2筐体20とを示す断面斜視図である。なお、
図8では、制御部30を省略して図示している。
図9は、実施の形態の変形例に係る制御装置1aの第1筐体10と第2筐体20とが連結されたときの状態を示す断面図である。
【0104】
本変形例では、
図8及び
図9に示すように、第1筐体10に第3傾斜面15aが形成されている点で実施の形態と相違する。本変形例の制御装置1aの構成及び機能は、実施の形態の構成及び機能と同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
【0105】
第1筐体10の第1側壁11bは、第1筐体10の内面に形成された溝部15を有している。
【0106】
溝部15は、第1側壁11bの端縁から係止部12側に向かって延びている。つまり、溝部15は、第1側壁11bにおけるZ軸マイナス方向側の端縁からZ軸プラス方向側に沿って係止部12側まで延びている。
【0107】
溝部15は、係止部12側から第2筐体20の第2基部21a側の端縁に近づくにつれて、第1側壁11bの厚みが次第に薄くなる第3傾斜面15aを有している。つまり、溝部15は、Z軸プラス方向側から第1側壁11bのZ軸マイナス方向側の端縁に近づくにつれて、第1側壁11bの厚みが次第に薄くなっている。この溝部15は、第2筐体20における複数の係止爪22と一対一で対応するように、第1側壁11bに複数形成されている。このため、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、複数の溝部15に複数の係止爪22を一対一で対応するように位置合わせすることができる。そして、溝部15のX軸方向の長さを係止爪22のX軸方向の長さより大きく(望ましくは、溝部15におけるX軸方向の長さ≧係止爪22におけるX軸方向の長さ+0.5mm)しておくことにより、第1筐体10の内部に第2筐体20を挿入すると、係止爪22の突出部22bは、溝部15に案内される。
【0108】
また、本変形例では、溝部15は、係止リブ13の先端よりも、Z軸プラス方向側つまり係止部12側まで延びている。このため、溝部15は、係止リブ13と係止爪22との衝突を避けつつ、係止爪22の突出部22bを係止部12の近くまで案内することができる。
【0109】
このように、本変形例に係る制御装置1aにおいて、第1側壁11bは、溝部15を有している。また、溝部15は、第1側壁11bの端縁から係止部12側に向かって延びている。そして、溝部15は、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、突出部22bを案内する。
【0110】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、溝部15は、係止爪22を係止部12の近くまで案内することができる。このため、係止リブ13の先端と係止爪22の先端との衝突の発生をより抑制したり、係止リブ13と係止爪22との衝突による破損をより抑制したりすることができる。
【0111】
このように、本変形例に係る制御装置1aにおいて、溝部15は、係止部12側から第1側壁11bの端縁に近づくにつれて、第1側壁11bの厚みが次第に薄くなる第3傾斜面15aを有している。
【0112】
これによれば、第1筐体10と第2筐体20とを連結する際に、係止爪22は第3傾斜面15aに押圧されて次第に弾性変形するため、係止リブ13及び係止爪22に加えられる応力負荷を緩和することができる。また、溝部15は、係止爪22を係止部12の近くまで確実に案内することができる。このため、係止リブ13の先端と係止爪22の先端との衝突の発生をより抑制したり、係止リブ13と係止爪22との衝突による破損をより抑制したりすることができる。
【0113】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る制御装置1について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0114】
例えば、上記実施の形態に係る制御装置1、1aでは、係止リブ13に第1傾斜面13aが形成され、係止爪22に第2傾斜面23が形成されているが、これには限定されない。係止リブ13に第1傾斜面13aが形成されていなくてもよく、係止爪22に第2傾斜面23が形成されていなくてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態に係る制御装置1、1aにおいて、第1筐体10と第2筐体20とを連結した場合、係止リブ13の第1傾斜面13aは、係止爪22の第2傾斜面23と対向するように配置されているが、これには限定されない。例えば、
図10に示すように、第2傾斜面23は、第1傾斜面13aと対向しないように、第1傾斜面13aよりもZ軸プラス方向側に配置されていてもよい。
図10は、その他変形例に係る制御装置1aの第1筐体10と第2筐体20とを示す部分拡大断面図である。
【0116】
また、上記実施の形態に係る制御装置1aにおいて、係止部12が凹部である場合を
図11で例示する。
図11は、その他変形例に係る制御装置1aの第1筐体10と第2筐体20とが連結されたときの状態を示す断面図である。係止部12の深さは、延在部22aから突出部22bが突出している長さ以上であってもよい。この場合、溝部15と係止爪22との間から長尺な板状の部材を挿入することで、係止爪22及び係止リブ13を弾性変形させて、係止爪22と係止部12との係止を解除してもよい。
【0117】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本開示の筐体の係止構造は、例えば車両の制御装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0119】
1、1a 制御装置(筐体の係止構造)
10 第1筐体
11a 第1基部(基部)
11b 第1側壁(側壁)
12 係止部
13 係止リブ
13a 第1傾斜面
15 溝部
15a 第3傾斜面
20 第2筐体
22 係止爪
22a 延在部
22b 突出部
23 第2傾斜面
30 制御部
100 車両
102 車両用装置
S 隙間