(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079196
(43)【公開日】2023-06-07
(54)【発明の名称】空調ユニット及びその運転制御方法、その運転制御装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
F25B1/00 397C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187040
(22)【出願日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202111417158.5
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522458756
【氏名又は名称】バーティブ テック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ジエ・グオ
(72)【発明者】
【氏名】シェン・ホー
(72)【発明者】
【氏名】チャーン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】シウリーン・リ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】システムのエネルギー消費を低減でき、システムエネルギー効率を向上でき、且つ送風温度が十分に均一であることを保証でき、より精度よい送風温度制御に寄与する空調ユニット及びその運転制御方法、その運転制御装置を提供する。
【解決手段】第1の蒸発器11と第1の圧縮機12と第1のフッ素ポンプ14とが接続された第1の冷凍システムと、第2の蒸発器21と第2の圧縮機22と第2のフッ素ポンプ24とが接続された第2の冷凍システムとを備え、第1の蒸発器11と第2の蒸発器21が、還気冷却風路に沿って前後に順に設けられ、コントローラは、空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得し、負荷率、及び室内外温度差に応じて、第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状に順次接続されている第1の蒸発器、第1の圧縮機、第1の凝縮器、第1の逆止弁、第1の絞り素子、及び前記第1の圧縮器と並列に接続されている第2の逆止弁、前記第1の逆止弁と並列に接続されている第1のフッ素ポンプを含む第1の冷凍システムと、
ループ状に順次接続されている第2の蒸発器、第2の圧縮機、第2の凝縮器、第3の逆止弁、第2の絞り素子、及び前記第2の圧縮器と並列に接続されている第4の逆止弁、前記第3の逆止弁と並列に接続されている第2のフッ素ポンプを含み、前記第1の蒸発器と前記第2の蒸発器が、還気冷却風路に沿って前後に順に設けられている第2の冷凍システムと、
前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプと信号的に接続されているコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得し、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する、
ように機能する、
ことを特徴とする空調ユニット。
【請求項2】
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する際に、
前記コントローラは、具体的に、
前記室内外温度差が、前記負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させ、第1のフッ素ポンプを動作させず、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ前記負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記室内外温度差が、前記第2のプリセット値以上である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させず、第2のフッ素ポンプを動作させ、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項3】
空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
圧縮機モードの冷凍能力、圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得し、
前記圧縮機モードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記圧縮機モードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニット。
【請求項4】
空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
ハイブリッドモードの冷凍能力、ハイブリッドモードのエネルギー効率比、予想の圧縮機モードの冷凍能力、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比を取得し、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想の圧縮機モードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニット。
【請求項5】
空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
フッ素ポンプモードの冷凍能力、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得し、
前記フッ素ポンプモードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記フッ素ポンプモードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニット。
【請求項6】
前記第1の蒸発器、及び前記第2の蒸発器は、2つの独立した熱交換器であり、または、
前記第1の蒸発器、及び前記第2の蒸発器は、フィンを共有する2つの熱交換器である、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項7】
前記空調ユニットは、一体型ユニットであり、または別体型ユニットである、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の空調ユニットを適用し、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得することと、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御することと、
を含む、
ことを特徴とする空調ユニットの運転制御方法。
【請求項9】
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する際に、
前記室内外温度差が、前記負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させ、第1のフッ素ポンプを動作させず、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ前記負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記室内外温度差が、前記第2のプリセット値以上である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させず、第2のフッ素ポンプを動作させ、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の運転制御方法。
【請求項10】
前記空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、
圧縮機モードの冷凍能力、圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記圧縮機モードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記圧縮機モードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の運転制御方法。
【請求項11】
前記空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、
ハイブリッドモードの冷凍能力、ハイブリッドモードのエネルギー効率比、予想の圧縮機モードの冷凍能力、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想の圧縮機モードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む、
ことを特徴とする請求9に記載の運転制御方法。
【請求項12】
前記空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させた後に、
フッ素ポンプモードの冷凍能力、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記フッ素ポンプモードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記フッ素ポンプモードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む、
ことを特徴とする請求9に記載の運転制御方法。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか1項に記載の運転制御方法を適用し、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得するための取得手段と、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御するための制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする空調ユニットの運転制御装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年11月26日に中国特許庁に提出された、出願番号が202111417158.5であり、発明の名称が「空調ユニット及びその運転制御方法、その運転制御装置」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全内容が援用により本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、空調技術分野に関し、特に、空調ユニット及びその運転制御方法、その運転制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
データセンタールームの継続的な発展に伴い、ルーム内の各種の機器の体積が縮小し続け、伝送、記憶及び計算の情報量が増加し続けているため、データセンターの発熱量密度も徐々に増加している。全国的な省エネルギー排出削減の要請、及び関連規格の要求に応答するように、既存のルームの改造や新しく建設されたルームでは、その室内設計温度を段々に上げている。同じ熱負荷で、室内設計温度が上げられると、単一圧縮機の冷凍能力が向上でき、冷凍装置への投資が低減されでき、同時にユニットの蒸発温度も上げられ、圧縮機運転のエネルギー効率が向上し、これによって多くの面でシステムのエネルギー効率が向上する。
【0004】
室内設計温度が上げられると、ルームの自然冷却の利用にも機会が提供される。自然冷却の利用の原動力が室内外温度差、または室内温度と室外蒸発冷却後の空気との熱交換から由来するため、自然冷却が利用される。室内温度が高いほど、室内外温度差が大きくなりやすいため、自然冷却を利用しやすくなる。
【0005】
伝統的ヒートパイプ型空調は、自然冷却を効果的に利用でき、例えば、重力型ヒートパイプは、追加の動力サイクルなしで室内外温度差で冷凍効果を生じることができるが、動力が不安定である。冷媒ポンプによりポンプサイクルを推進することは、一般的に利用されている。自然冷却の冷凍能力が十分ではない場合には、圧縮機による機械的冷凍を追加して補完する必要がある。システムパイプラインの設計によって、その両者を組み合わせることができる。
図1に示すように、1つの冷凍システムにおいて、蒸発器01、圧縮機02、凝縮器03、フッ素ポンプ04 、膨張弁05、逆止弁06、及び逆止弁07を含み、つまり、圧縮機とフッ素ポンプとの両方を備え、自然冷却源を利用できる場合にポンプモードを採用し、冷凍能力が熱負荷需要を満たさない場合に圧縮機モードを採用する。
【0006】
しかしながら、現在の冷凍システムでは、ポンプモードまたは圧縮機モードでしか運転できず、同時に運転すると省エネ効果がなくなるなどの、多くの欠点がある。デュアル冷凍システムとして設計された製品もあり、即ち空調ユニットに2つの上記の冷凍システムが含まれているが、2つの冷凍システムは、互いに独立しており、単に並べて組み立てられるだけで、各システムは、空調ユニットの風量の半分を提供する。各冷凍システムにおける蒸発器の熱交換能力は向上させないため、自然冷却源の利用もそれに応じて制限される。
【0007】
また、空調ユニットの送風温度制御は、現在業界で主流の省エネ制御モードであり、冷気通路又は熱風通路が閉じた用途について、送風温度制御は、機器のニーズに対応でき、高還気用途の前提条件も提供した。しかしながら、上記のデュアルシステムユニットでは、2つの冷凍システムの風路が比較的に独立しているため、送風温度を効果的かつ十分に混合することができず、特に低負荷でシステムが運転しているときに、2つの冷凍システムの送風温度が大きく異なるため、十分に混合することがより困難であって、放熱する必要のある機器に局所的なホットスポットが現れ、信頼性が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、システムのエネルギー消費を低減でき、システムエネルギー効率を向上させでき、且つ送風温度が十分に均一であることを保証でき、より精度よい送風温度制御に寄与する空調ユニット及びその運転制御方法、その運転制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
【0010】
ループ状に順次接続されている第1の蒸発器、第1の圧縮機、第1の凝縮器、第1の逆止弁、第1の絞り素子、及び前記第1の圧縮器と並列に接続されている第2の逆止弁、前記第1の逆止弁と並列に接続されている第1のフッ素ポンプを含む第1の冷凍システムと、
ループ状に順次接続されている第2の蒸発器、第2の圧縮機、第2の凝縮器、第3の逆止弁、第2の絞り素子、及び前記第2の圧縮器と並列に接続されている第4の逆止弁、前記第3の逆止弁と並列に接続されている第2のフッ素ポンプを含み、前記第1の蒸発器と前記第2の蒸発器が、還気冷却風路に沿って前後に順に設けられている第2の冷凍システムと、
前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプと信号的に接続されているコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得し、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する、
ように機能する、
空調ユニット。
【0011】
上記の発明の実施例による空調ユニットにおいては、第1の冷凍システム、第2の冷凍システム、及びコントローラを備える。第1の冷凍システムと第2の冷凍システムは、パイプラインの接続上で互いに独立しており、各冷凍システムは、フッ素ポンプに圧縮機が統合された完備の冷凍システムである。第1の冷凍システムにおける第1の蒸発器と第2の冷凍システムにおける第2の蒸発器が還気冷却風路に沿って前後に順に設けられているため、空調ユニットの運転時に、室内の還気は、還気冷却風路において、最初に第1の蒸発器を通過して予冷し、そして、第2の蒸発器を通過して再冷却または補助冷却し、これにより、空調ユニットが設置されているルームが必要とする送風温度、またはルームが必要とする冷凍能力に達する。上記の空調ユニットにおいて、第1の蒸発器、及び第2の蒸発器を通過した還気量は同じであり、第1の冷凍システムの還気温度は、ルームの還気温度に相当し、第2の冷凍システムの還気温度は、第1の冷凍システムの出口空気温度に相当し、完全に独立したデュアル冷凍システムを備えた空調ユニットと比べて、第1の冷凍システムと第2の冷凍システムのいずれにおいても、室内還気量が大きくなる。第1の冷凍システムについては、室内還気量が増加して、第1の蒸発器の熱交換性能が更に向上し、且つ同じ負荷要求で、より高い室外温度で第1のフッ素ポンプを動作させるように制御し、自然冷却源を十分に利用することができるため、システムのエネルギー消費を低減し、省エネルギーの目的を達成することができる。第2の冷凍システムについては、第2の蒸発器を通過した還気量が保証され、第2の蒸発器の熱交換性能が向上し、第2の圧縮機または第2のフッ素ポンプを動作させるように制御することで第1の冷凍システムに対して再冷却または補助冷却することができるため、システムのエネルギー消費を低減することができる。したがって、上記の空調ユニットでは、第1の冷凍システム、及び第2の冷凍システムの全体的なエネルギー効率を高く保証することができ、かつ上記の空調ユニットでは、温度が異なる送風気流が均一に混合されたかどうかという問題は存在しないため、送風温度が十分に均一であることを保証でき、より精度よい送風温度制御に寄与する。
【0012】
オプションとして、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する際に、
前記コントローラは、具体的に、
前記室内外温度差が、前記負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させ、第1のフッ素ポンプを動作させず、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ前記負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記室内外温度差が、前記第2のプリセット値以上である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させず、第2のフッ素ポンプを動作させ、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する。
【0013】
オプションとして、
空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
圧縮機モードの冷凍能力、圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得し、
前記圧縮機モードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記圧縮機モードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する。
【0014】
オプションとして、
空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
ハイブリッドモードの冷凍能力、ハイブリッドモードのエネルギー効率比、予想の圧縮機モードの冷凍能力、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比を取得し、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想の圧縮機モードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する。
【0015】
オプションとして、
空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行った後に、
前記コントローラは、
フッ素ポンプモードの冷凍能力、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得し、
前記フッ素ポンプモードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記フッ素ポンプモードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する。
【0016】
オプションとして、
前記第1の蒸発器、及び前記第2の蒸発器は、2つの独立した熱交換器であり、または、
前記第1の蒸発器、及び前記第2の蒸発器は、フィンを共有する2つの熱交換器である。
【0017】
オプションとして、
前記空調ユニットは、一体型ユニットであり、または別体型ユニットである。
【0018】
同様な発明構想に基づいて、本発明は、
上記の技術案のいずれか1つの空調ユニットを適用し、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得することと、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御することと、
を含む空調ユニットの運転制御方法をさらに提供する。
【0019】
同様な発明構想に基づいて、本発明は、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得するための取得手段と、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御するための制御手段と、
を備える空調ユニットの運転制御装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】現在の技術における空調ユニットの構成概略図である。
【
図2】本発明の実施例による空調ユニットの構成概略図である。
【
図3】本発明の実施例による第1のプリセット値と第2のプリセット値との変化曲線図である。
【
図4】本発明の実施例による異なる冷凍モード間の状態切替図である。
【
図5】本発明の実施例による空調ユニットの運転制御方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施例による空調ユニットの運転制御装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案について明確かつ完全に説明する。ここで説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本発明の実施例に基づいて、進歩性に値する労働をせずに当業者によって得られる他のすべての実施例は、何れも本発明の保護範囲に含まれると解釈される。
【0022】
図2を参照すると、本発明は、
ループ状に順次接続されている第1の蒸発器11、第1の圧縮機12、第1の凝縮器13、第1の逆止弁16、第1の絞り素子15、及び第1の圧縮器12と並列に接続されている第2の逆止弁17、第1の逆止弁16と並列に接続されている第1のフッ素ポンプ14を含む第1の冷凍システムと、
ループ状に順次接続されている第2の蒸発器21、第2の圧縮機22、第2の凝縮器23、第3の逆止弁26、第2の絞り素子25、及び第2の圧縮器22と並列に接続されている第4の逆止弁27、第3の逆止弁26と並列に接続されている第2のフッ素ポンプ24を含み、第1の蒸発器11と第2の蒸発器21が、還気冷却風路に沿って前後に順に設けられている第2の冷凍システムと、
第1の圧縮機12、第1のフッ素ポンプ14、第2の圧縮機22、及び第2のフッ素ポンプ24と信号的に接続されているコントローラと、
を備え、
コントローラは、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得し、
負荷率、及び室内外温度差に応じて、第1の圧縮機12、第1のフッ素ポンプ14、第2の圧縮機22、第2のフッ素ポンプ24の動作状態を制御する、ように機能する、
空調ユニットを提供する。
【0023】
上記の発明の実施例による空調ユニットにおいては、第1の冷凍システム、第2の冷凍システム、及びコントローラを備える。第1の冷凍システムと第2の冷凍システムは、パイプラインの接続上で互いに独立しており、各冷凍システムは、フッ素ポンプに圧縮機が統合された完備の冷凍システムである。第1の冷凍システムにおける第1の蒸発器11と第2の冷凍システムにおける第2の蒸発器21が還気冷却風路に沿って前後に順に設けられているため、空調ユニットの運転時に、室内の還気は、還気冷却風路において、最初に第1の蒸発器11を通過して予冷し、そして、第2の蒸発器21を通過して再冷却または補助冷却し、これにより、空調ユニットが設置されているルームが必要とする送風温度、またはルームが必要とする冷凍能力に達する。上記の空調ユニットにおいて、第1の蒸発器11及び第2の蒸発器21を通過した還気量は同じであり、第1の冷凍システムの還気温度は、ルームの還気温度に相当し、第2の冷凍システムの還気温度は、第1の冷凍システムの出口空気温度に相当し、完全に独立したデュアル冷凍システムを備えた空調ユニットと比べて、第1の冷凍システムと第2の冷凍システムのいずれにおいても、室内還気量が大きくなる。第1の冷凍システムについては、室内還気量が増加して、第1の蒸発器11の熱交換性能が更に向上し、且つ同じ負荷要求で、より高い室外温度で第1のフッ素ポンプ14を動作させるように制御し、自然冷却源を十分に利用することができるため、システムのエネルギー消費を低減し、省エネルギーの目的を達成することができる。第2の冷凍システムについては、第2の蒸発器21を通過した還気量が保証され、第2の蒸発器21の熱交換性能が向上し、第2の圧縮機22または第2のフッ素ポンプ24を動作させるように制御することで第1の冷凍システムに対して再冷却または補助冷却することができるため、システムのエネルギー消費を低減することができる。したがって、上記の空調ユニットでは、第1の冷凍システム、及び第2の冷凍システムの全体的なエネルギー効率を高く保証することができ、かつ上記の空調ユニットでは、温度が異なる送風気流が均一に混合されたかどうかという問題は存在しないため、送風温度が十分に均一であることを保証でき、より精度よい送風温度制御に寄与する。
【0024】
なお、上記の還気冷却風路の第1の端は、ルームの還気口と連通し、第2の端は、ルームの送風口と連通し、第1の蒸発器11と第2の蒸発器は、還気冷却風路において前後に順に設けられている。上記の負荷率は、定格冷凍能力に対する現在必要な冷凍能力の比率であり得る。ここで、現在必要な冷凍能力は、ルーム熱負荷であり、現在必要な冷凍能力は、ルームデータ検出装置によって検出されたルームの放熱電力、またはルームが必要とする電力から求められ、ルームデータ検出装置から空調ユニットのコントローラに送信される。空調ユニットにおいては、室内温度を検出するための第1の温度センサーと、室外温度を検出するための第2の温度センサーが設けられ、第1の温度センサーと第2の温度センサーによって室内温度と室外温度がそれぞれ検出され、室内外温度差は、室内温度と室外温度との差分の絶対値であり得る。
【0025】
上記の発明の実施例による空調ユニットにおいては、第1の蒸発器11、及び第2の蒸発器21は、2つの独立した熱交換器であり、または、第1の蒸発器11、及び第2の蒸発器21は、フィンを共有する2つの熱交換器であり、即ち外観的に1つの蒸発器に見える。これによって、空調ユニットの構成をよりコンパクト化することができる。具体的には、第1の蒸発器11、及び第2の蒸発器21は、いずれも、「/」字状の熱交換コイルパイプであってもよく、または、第1の蒸発器11、及び第2の蒸発器21は、一緒に「V」字状を構成する2枚以上の熱交換コイルパイプであってもよい。ここでは、限定されないが、実際の状況に応じて決定する。還気冷却風路に沿って、第1の蒸発器11が風上側に配置され、第2の蒸発器21が風下側に配置され、積層コイルパイプの形態であればよい。
【0026】
具体的には、第1の圧縮機12、及び第2の圧縮機22は、単一可変周波数圧縮機であってもよく、可変周波数圧縮機と1つ以上の固定周波数圧縮機から構成されたより大型の可変容量圧縮機コンポーネントであってもよい。上記の第1の凝縮器13、及び第2の凝縮器23は、様々な形態のコイルパイプ型、例えば、「/」字状の熱交換コイルパイプ、「V」字状の熱交換コイルパイプであり得るが、第1の凝縮器13、及び第2の凝縮器23が設けられた風路は、互いに独立し、互いに干渉しないようにする必要がある。第1の絞り素子15、及び第2の絞り素子25は、電子膨張弁であり得る。空調ユニットでは、還気冷却風路内の室内ファンユニット18、第1の凝縮器13に対応する第1の室外ファンユニット19、及び第2の凝縮器23に対応する第2の室外ファンユニット28が更に含まれることができる。
図2に示すように、室内ファンユニット18、第1の室外ファンユニット19、第2の室外ファンユニット28、第1のフッ素ポンプ14、第2のフッ素ポンプ24、第1の圧縮機12、及び第2の圧縮機22は、いずれも、可変周波数制御型であることができ、それによって、各負荷での精度よい制御を実現できる。
【0027】
また、この第1の冷凍システム、及び第2の冷凍システムは、
図2に示される構成に限定されず、様々な変形例を有し得る。例えば、フッ素ポンプと凝縮器の間に液体貯蔵器を追加して冷凍システム内部の十分な冷媒を保証し、または、圧縮機と蒸発器の間にスイッチバルブ、絞り素子並列スイッチバルブを追加したり、圧縮機の両端側にメンテナンスバルブを追加したりする。
【0028】
具体的な実施形態では、上記の空調ユニットは、一体型の形態であってもよく、即ち空調ユニット内のすべての構成要素が一体型ユニットに統合されてもよく、例えば、室内機部分、室外機部分、圧縮機部分、省エネモジュール部分などを含み得る。その中、室内機部分は、第1の蒸発器11と第2の蒸発器21などを含むことができ、室外機部分は、第1の凝縮器13と第2の凝縮器23などを含むことができ、圧縮機部分は、第1の圧縮機12と第2の圧縮機22などを含むことができ、省エネモジュール部分は、第1のフッ素ポンプ14と第2のフッ素ポンプ24などを含むことができる。空調ユニットの第1の蒸発器11及び第2の蒸発器21は、還気冷却風路内に設けられ、還気冷却風路の吸込口は、ルームの還気風路と連通し、還気冷却風路の吹出口は、ルームの送風風路と連通している。
【0029】
可能な実施形態では、上記の空調ユニットは、別体型の形態であってもよく、例えば、空調ユニットは、室内機と室外機とを含み、圧縮機部分と省エネモジュール部分は、それぞれ、室内機と室外機に内蔵されてもよいし、独立したモジュールとしてもよい。
【0030】
上記の発明の実施例による空調ユニットにおいては、第1の冷凍システム、及び第2の冷凍システムは、いずれも、フッ素ポンプに圧縮機が統合された完備の冷凍システムである。コントローラは、第1の圧縮機12、第1のフッ素ポンプ14、第2の圧縮機22及び第2のフッ素ポンプ24の状態を異ならせるように制御することにより、空調ユニットを運転させて異なる動作モードで冷凍させるように制御することができる。例えば、第1の圧縮機12が動作し、第1のフッ素ポンプ14が動作せず、第2の圧縮機22が動作し、第2のフッ素ポンプ24が動作しない場合、空調ユニットは圧縮機モードで運転し、第1の圧縮機12が動作せず、第1のフッ素ポンプ14が動作し、第2の圧縮機12が動作し、第2のフッ素ポンプ24が動作しない場合、空調ユニットはハイブリッドモードで運転し、第1の圧縮機12が動作せず、第1のフッ素ポンプ14が動作し、第2の圧縮機12が動作せず、第2のフッ素ポンプ24が動作する場合、空調ユニットはフッ素ポンプモードで運転する。
【0031】
具体的な実施形態では、負荷率、及び室内外温度差に応じて、第1の圧縮機12、第1のフッ素ポンプ14、第2の圧縮機22、第2のフッ素ポンプ24の動作状態を制御する際に、
コントローラは、具体的に、
室内外温度差が、負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、第1の圧縮機12を動作させ、第1のフッ素ポンプ14を動作させず、第2の圧縮機22を動作させ、第2のフッ素ポンプ24を動作させず、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御し、
室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、第1の圧縮機12を動作させず、第1のフッ素ポンプ14を動作させ、第2の圧縮機22を動作させ、第2のフッ素ポンプ24を動作させず、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
室内外温度差が、第2のプリセット値以上である場合、第1の圧縮機12を動作させず、第1のフッ素ポンプ14を動作させ、第2の圧縮機22を動作させず、第2のフッ素ポンプ24を動作させ、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御する、
ように機能する。
【0032】
上記の具体的な実施形態では、空調ユニットの起動中において、室内外温度差が第1のプリセット値未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御し、室内外温度差が第1のプリセット値以上であり、且つ第2のプリセット値未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御し、また、室内外温度差が第2のプリセット値以上である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御する。これによって、室内外温度差の大きさに応じて、空調ユニットを異なる動作モードで運転させて冷凍を行うように智能的に制御することができ、省エネを効果的に実現でき、空調ユニットのシステムエネルギー効率を向上させできる。また、第1のプリセット値、及び第2のプリセット値は、いずれも、負荷率の増加に伴い増加するため、単一の温度点を使用する場合に生じる不利が避けられ、室内外温度差の大きさ及び負荷率の大きさに応じて空調ユニットが運転すべき動作モードをより智能的に判断することができ、空調ユニットのシステムエネルギー効率を向上させることができる。
【0033】
ここで、
図3に示すように、負荷率に伴い変化する第1のプリセット値及び第2のプリセット値の変化曲線概略図である。図中、xは、負荷率であり、f
1(x)は、第1のプリセット値の変化曲線であり、f
2(x)は、第2のプリセット値の変化曲線である。具体的に、第1のプリセット値、及び第2のプリセット値の変化曲線の関数は、ここでは限定されず、設計者が実験を通じて得たパラメータデータにより設定され得る。
【0034】
上記の発明の実施例による空調ユニットでは、空調ユニットの運転中に、室外温度の変化に伴い、空調ユニットが自然冷却源を効果的に利用し、複数の動作モード間の切り替えを制御して冷凍することによって、省エネを実現でき、空調ユニットのシステムエネルギー効率を保証できる。同じ冷凍要求と同じ動作モードでは、室外温度が高い場合、空調ユニットに利用できる自然冷却源が少なく、システムエネルギー効率比が比較的低くなり、室外温度が低い場合、空調ユニットに利用できる自然冷却源が多く、システムエネルギー効率比が比較的高くなる。また、同じ冷凍要求では、複数の動作モードで運転できる場合、ポンプモードでのエネルギー効率は最も高く、圧縮機モードでのエネルギー効率は最もが低い。
【0035】
上記の発明の実施例では、具体的には、
図4に示すように、上記の空調ユニットの動作モードの切り替え手順においては、左から右へ、室外温度が下降する状況を示しており、右から左へ、室外温度が上昇する状況を示している。空調ユニットのコントローラは、冷凍能力及びシステムエネルギー効率比の大きさに応じて、動作モードの切り替えを制御することができる。
【0036】
具体的な実施形態では、
図4に示すように、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、コントローラは、具体的に、圧縮機モードの冷凍能力Q1、圧縮機モードのエネルギー効率比COP1、予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’を取得し、圧縮機モードの冷凍能力Q1が予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’以下であり、且つ圧縮機モードのエネルギー効率比COP1が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能することができる。
【0037】
上記の具体的な実施形態では、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行う際に、室外温度の下降に伴い、空調ユニットに利用できる自然冷却源がますます多くなる。圧縮機モードの冷凍能力Q1が予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’以下であり、且つ圧縮機モードのエネルギー効率比COP1が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’未満である場合、空調ユニットの動作モードを、圧縮機モードからハイブリッドモードに切り替えるように制御することで、第1の冷凍システムにおける第1のフッ素ポンプ14を動作させ、第2の冷凍システムにおける第2の圧縮機22を動作させて、自然冷却源を効果的に利用でき、ひいてシステムエネルギー効率を向上させることができる。その中、圧縮機モードの冷凍能力Q1は、現在の動作モードでの空調ユニットの冷凍能力であり、圧縮機モードのエネルギー効率比COP1は、現在の動作モードでの空調ユニットのシステムエネルギー効率比であり、予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でハイブリッドモードで運転すると予想された場合の空調ユニットの冷凍能力であり、予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でハイブリッドモードで運転すると予想された場合の空調ユニットのシステムエネルギー効率比である。上記の予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’の計算パラメータについては、ここで詳細に説明せず、当技術分野での周知の計算式により計算できる。ここで、システムエネルギー効率比は、空調ユニットの冷凍能力と消費電力量との比である。
【0038】
具体的な実施形態では、
図4に示すように、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、コントローラは、具体的に、ハイブリッドモードの冷凍能力Q2、ハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2、予想の圧縮機モードの冷凍能力Q1’、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比COP1’、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力Q3’、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3’を取得し、ハイブリッドモードの冷凍能力Q2が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力Q3’以下であり、且つハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3’未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御し、ハイブリッドモードの冷凍能力Q2が予想の圧縮機モードの冷凍能力Q1’以下であり、且つハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能することができる。
【0039】
上記の具体的な実施形態では、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行う際に、室外温度の下降に伴い、空調ユニットに利用できる自然冷却源がますます多くなる。ハイブリッドモードの冷凍能力Q2が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力Q3’以下であり、且つハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3’未満である場合、空調ユニットの動作モードを、ハイブリッドモードからフッ素ポンプモードに切り替えるように制御することで、第1の冷凍システムにおける第1のフッ素ポンプ14及び第2の冷凍システムにおける第2のフッ素ポンプ24を共に動作させて、自然冷却源を効果的に利用でき、ひいてシステムエネルギー効率を向上させることができる。その中、ハイブリッドモードの冷凍能力Q2は、現在の動作モードでの空調ユニットの冷凍能力であり、ハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2は、現在の動作モードでの空調ユニットのシステムエネルギー効率比であり、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力Q3’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でフッ素ポンプモードで運転すると予想された場合の空調ユニットの冷凍能力であり、予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でフッ素ポンプモードで運転すると予想された場合の空調ユニットのシステムエネルギー効率比である。上記の予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力Q3’及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3’の計算パラメータについては、ここで詳細に説明せず、当技術分野での周知の計算式により計算できる。
【0040】
上記の具体的な実施形態では、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行う際に、室外温度の上昇に伴い、空調ユニットに利用できる自然冷却源がますます少なくなる。ハイブリッドモードの冷凍能力Q2が予想の圧縮機モードの冷凍能力Q1’以下であり、且つハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比COP1’未満である場合、空調ユニットの動作モードを、ハイブリッドモードから圧縮機モードに切り替えるように制御することで、第1の冷凍システムにおける第1の圧縮機12及び第2の冷凍システムにおける第2の圧縮機22を共に動作させて、システムエネルギー効率を向上させることができる。その中、ハイブリッドモードの冷凍能力Q2は、現在の動作モードでの空調ユニットの冷凍能力であり、ハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2は、現在の動作モードでの空調ユニットのシステムエネルギー効率比であり、予想の圧縮機モードの冷凍能力Q1’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度で圧縮機モードで運転すると予想された場合の空調ユニットの冷凍能力であり、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比COP1’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度で圧縮機モードで運転すると予想された場合の空調ユニットのシステムエネルギー効率比である。上記の予想の圧縮機モードの冷凍能力Q1’及び予想の圧縮機モードのエネルギー効率比COP1’の計算パラメータについては、ここで詳細に説明せず、当技術分野での周知の計算式により計算できる。
【0041】
具体的な実施形態では、
図4に示すように、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行った後に、コントローラは、フッ素ポンプモードの冷凍能力Q3、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3、予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’を取得し、フッ素ポンプモードの冷凍能力Q3が予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’以下であり、且つフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能する。
【0042】
上記の具体的な実施形態では、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行う際に、室外温度の上昇に伴い、空調ユニットに利用できる自然冷却源がますます少なくなる。フッ素ポンプモードの冷凍能力Q3が予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’以下であり、且つフッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’未満である場合、空調ユニットの動作モードを、フッ素ポンプモードからハイブリッドモードに切り替えるように制御することで、第1の冷凍システムにおける第1のフッ素ポンプ14及び第2の冷凍システムにおける第2の圧縮機22を共に動作させて、システムエネルギー効率を向上させることができる。その中、フッ素ポンプモードの冷凍能力Q3は、現在の動作モードでの空調ユニットの冷凍能力であり、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比COP3は、現在の動作モードでの空調ユニットのシステムエネルギー効率比であり、予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でハイブリッドモードで運転すると予想された場合の空調ユニットの冷凍能力であり、予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’は、コントローラが得られた計算パラメータから計算された、現在の室外温度でハイブリッドモードで運転すると予想された場合の空調ユニットのシステムエネルギー効率比である。上記の予想のハイブリッドモードの冷凍能力Q2'及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比COP2’の計算パラメータについては、ここで詳細に説明せず、当技術分野での周知の計算式により計算できる。
【0043】
上記の発明の実施例による空調ユニットは、冷凍能力、及びシステムエネルギー効率比によって、空調ユニットの動作モードを切り替えるかどうかを判断することを採用して、単一の室外温度点を使用する場合に生じる不利が避けられ、一部の負荷区間においてより高い室外温度で自然冷却源を利用でき、つまり、より高い室外温度でハイブリッドモード又はフッ素ポンプモードで運転でき、これにより、一部の負荷区間での空調ユニットのシステムエネルギー効率をより一層向上させできる。
【0044】
同様な発明構想に基づいて、本発明は、上記の技術案のいずれか1つの空調ユニットを適用し、
図5に示すように、
S401:空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得することと、
S402:前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御することと、を含む
空調ユニットの運転制御方法をさらに提供する。
【0045】
上記の空調ユニットの運転制御方法においては、第1の冷凍システムにおける第1の蒸発器と第2の冷凍システムにおける第2の蒸発器が還気冷却風路に沿って前後に順に設けられているため、空調ユニットの運転時に、室内の還気は、還気冷却風路において、最初に第1の蒸発器を通過して予冷し、そして、第2の蒸発器を通過して再冷却または補助冷却し、これにより、空調ユニットが設置されているルームが必要とする送風温度、またはルームが必要とする冷凍能力に達する。負荷率、及び室内外温度差に応じて、第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御することによって、より高い室外温度で、第1のフッ素ポンプを動作させて自然冷却源を利用するように制御でき、第2の圧縮機又は第2のフッ素ポンプを動作させるように制御でき、第1の冷凍システムに対して再冷却または補助冷却することができるため、システムのエネルギー消費を低減し、空調ユニットのシステムエネルギー効率を向上させることができる。
【0046】
オプションとして、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する際に、
前記室内外温度差が、前記負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させ、第1のフッ素ポンプを動作させず、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ前記負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させず、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記室内外温度差が、前記第2のプリセット値以上である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させず、第2のフッ素ポンプを動作させ、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む。
【0047】
オプションとして、
前記空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、
圧縮機モードの冷凍能力、圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記圧縮機モードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記圧縮機モードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む。
【0048】
オプションとして、
前記空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、
ハイブリッドモードの冷凍能力、ハイブリッドモードのエネルギー効率比、予想の圧縮機モードの冷凍能力、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想の圧縮機モードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む。
【0049】
オプションとして、
前記空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させた後に、
フッ素ポンプモードの冷凍能力、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得することと、
前記フッ素ポンプモードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記フッ素ポンプモードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御することと、
を含む。
【0050】
同様な発明構想に基づいて、本発明は、
図6に示すように、
空調ユニットの負荷率、及び室内外温度差を取得するための取得手段100と、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御するための制御手段200と、
を備える空調ユニットの運転制御装置をさらに提供する。
【0051】
上記の空調ユニットの運転制御装置においては、第1の冷凍システムにおける第1の蒸発器と第2の冷凍システムにおける第2の蒸発器が還気冷却風路に沿って前後に順に設けられているため、空調ユニットの運転時に、室内の還気は、還気冷却風路において、最初に第1の蒸発器を通過して予冷し、そして、第2の蒸発器を通過して再冷却または補助冷却し、これにより、空調ユニットが設置されているルームが必要とする送風温度、またはルームが必要とする冷凍能力に達する。負荷率、及び室内外温度差に応じて、第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御することによって、より高い室外温度で、第1のフッ素ポンプを動作させて自然冷却源を利用するように制御でき、第2の圧縮機又は第2のフッ素ポンプを動作させるように制御でき、第1の冷凍システムに対して再冷却または補助冷却することができるため、システムのエネルギー消費を低減し、空調ユニットのシステムエネルギー効率を向上させることができる。
【0052】
オプションとして、
前記負荷率、及び室内外温度差に応じて、前記第1の圧縮機、第1のフッ素ポンプ、第2の圧縮機、及び第2のフッ素ポンプの動作状態を制御する際に、
前記制御手段200は、具体的に、
前記室内外温度差が、前記負荷率の増加に伴い増加する第1のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させ、第1のフッ素ポンプを動作させず、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させないように制御して、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行い、
前記室内外温度差が、第1のプリセット値以上であり、且つ前記負荷率の増加に伴い増加する第2のプリセット値未満である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させ、第2のフッ素ポンプを動作させないように制御して、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行い、
前記室内外温度差が、前記第2のプリセット値以上である場合、前記第1の圧縮機を動作させず、第1のフッ素ポンプを動作させ、第2の圧縮機を動作させず、第2のフッ素ポンプを動作させるように制御して、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行う、
ように機能する。
【0053】
オプションとして、
前記空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行った後に、
前記取得手段100は、具体的に、
圧縮機モードの冷凍能力、圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得する、ように機能し、
前記制御手段200は、具体的に、
前記圧縮機モードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記圧縮機モードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能する。
【0054】
オプションとして、
前記空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行った後に、
前記取得手段100は、具体的に、
ハイブリッドモードの冷凍能力、ハイブリッドモードのエネルギー効率比、予想の圧縮機モードの冷凍能力、予想の圧縮機モードのエネルギー効率比、予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力、及び予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比を取得する、ように機能し、
前記制御手段200は、具体的に、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想のフッ素ポンプモードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想のフッ素ポンプモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させて冷凍を行うように制御し、
前記ハイブリッドモードの冷凍能力が予想の圧縮機モードの冷凍能力以下であり、且つ前記ハイブリッドモードのエネルギー効率比が予想の圧縮機モードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットを圧縮機モードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能する。
【0055】
オプションとして、
前記空調ユニットをフッ素ポンプモードで運転させた後に、
前記取得手段100は、具体的に、
フッ素ポンプモードの冷凍能力、フッ素ポンプモードのエネルギー効率比、予想のハイブリッドモードの冷凍能力、及び予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比を取得する、ように機能し、
前記制御手段200は、具体的に、
前記フッ素ポンプモードの冷凍能力が予想のハイブリッドモードの冷凍能力以下であり、且つ前記フッ素ポンプモードのエネルギー効率比が予想のハイブリッドモードのエネルギー効率比未満である場合、空調ユニットをハイブリッドモードで運転させて冷凍を行うように制御する、ように機能する。
【0056】
明らかなように、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、当業者は、本発明の実施例に対して様々な修正及び変更を行うことができる。そうすると、本発明に対するこれらの修正及び変更が、本発明の特許請求の範囲及びその同等の技術範囲に含まれれば、本発明は、これらの修正及び変更を含むことも意図する。
【符号の説明】
【0057】
01 蒸発器
02 圧縮機
03 凝縮器
04 フッ素ポンプ
05 膨張弁
06,07 逆止弁
11 第1の蒸発器
12 第1の圧縮機
13 第1の凝縮器
14 第1のフッ素ポンプ
15 第1の絞り素子
16 第1の逆止弁
17 第2の逆止弁
18 室内ファンユニット
19 第1の室外ファンユニット
21 第2の蒸発器
22 第2の圧縮機
23 第2の凝縮器
24 第2のフッ素ポンプ
25 第2の絞り素子
26 第3の逆止弁
27 第4の逆止弁
28 第2の室外ファンユニット