(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079297
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】電場測定装置及び電場測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 29/08 20060101AFI20230601BHJP
H05H 7/18 20060101ALN20230601BHJP
H05H 9/00 20060101ALN20230601BHJP
【FI】
G01R29/08 Z
H05H7/18
H05H9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192693
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐古 貴行
(72)【発明者】
【氏名】松田 晋弥
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩昌
【テーマコード(参考)】
2G085
【Fターム(参考)】
2G085AA06
2G085AA07
2G085CA11
2G085CA27
(57)【要約】
【課題】加速空胴内に摂動体を配置して電場を測定する際に、より高精度で電場測定を行うことのできる電場測定装置及び電場測定方法を提供する。
【解決手段】加速空胴内の電場を測定するための電場測定装置であって、前記加速空胴内に配置され、電場に摂動を与えるための摂動体と、前記加速空胴内の軸方向に沿って配設され、前記摂動体を支持する支持材と、前記支持材を駆動して前記摂動体を移動させる駆動機構と、前記加速空胴内の電場を測定する電場測定手段と、前記摂動体の基準位置からの変位を検知するための変位測定手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速空胴内の電場を測定するための電場測定装置であって、
前記加速空胴内に配置され、電場に摂動を与えるための摂動体と、
前記加速空胴内の軸方向に沿って配設され、前記摂動体を支持する支持材と、
前記支持材を駆動して前記摂動体を移動させる駆動機構と、
前記加速空胴内の電場を測定する電場測定手段と、
前記摂動体の基準位置からの変位を検知するための変位測定手段と、
を備えることを特徴とする電場測定装置。
【請求項2】
前記電場測定手段が、
前記加速空胴に挿入された周波数測定用のアンテナと、当該アンテナに接続された周波数測定装置とを具備した
ことを特徴とする請求項1に記載の電場測定装置。
【請求項3】
前記変位測定手段が、前記摂動体の基準位置からの変位を検知した際に、変位信号を前記周波数測定装置に出力し、
前記周波数測定装置は、前記変位信号が入力された際の周波数測定信号の取得を停止することを特徴とする請求項2に記載の電場測定装置。
【請求項4】
前記変位測定手段による前記摂動体の基準位置からの変位情報と、前記周波数測定装置による測定信号とを、同時に計測することを特徴とする請求項2に記載の電場測定装置。
【請求項5】
前記変位測定手段が、前記支持材の張力を検知する張力検知手段からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電場測定装置。
【請求項6】
前記変位測定手段が、前記摂動体へ電磁波を照射しその電磁波の応答から変位を検知することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電場測定装置。
【請求項7】
前記変位測定手段が、前記摂動体からの反射光を撮影し、その動画乃至画像から変位を検知することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電場測定装置。
【請求項8】
前記変位測定手段が、前記摂動体の基準位置からの変位を検知した際に、前記摂動体を固定する前記支持材の張力を、変位がなくなるまで調整する張力調整手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電場測定装置。
【請求項9】
前記駆動機構により、前記摂動体を測定領域全体に亘って駆動して前記支持材の張力を前記張力調整手段によって調整し、
この後、前記摂動体を、再度測定領域全体に亘って駆動し、前記電場測定手段により電場を測定するよう制御する制御装置を具備した
ことを特徴とする請求項8に記載の電場測定装置。
【請求項10】
加速空胴内の電場を測定するための電場測定方法であって、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の電場測定装置を用いて電場を測定することを特徴とする電場測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電場測定装置及び電場測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、線形加速器(例えば、高周波四重極線形加速器(RFQ)、ドリフトチューブライナック(DTL))を始めとする加速空胴においては、製作した空胴の電場分布を設計値と比較するための電場測定が行われる。電場測定の方法としては加速空胴に電場の摂動を生じさせる小さな誘電体もしくは金属で構成される摂動体を挿入し、共振周波数の変化から電場を測定する摂動(ビーズプル)法が知られている。具体的な方法としては摂動体を糸で保持し、加速空胴内を移動させ、軸方向の各点での周波数を測定し、電場分布に変換する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した電場測定においては、摂動体を所定の位置に保持する必要がある。摂動体の重量により摂動体を保持する糸に垂れが生じ、鉛直方向にずれると本来の位置と異なる位置で摂動が生じるため、取得した電場分布に誤差が含まれることになる。
【0004】
このような誤差は、ビームダクトの径が大きく広範囲の測定を行う場合や、加速空胴の内部構造の制約により周波数測定用のアンテナサイズが制限され、信号強度維持のために摂動体のサイズを大きくすることで重量が大きくなった場合に特に顕著となる。
【0005】
また、広範囲の測定のため、長時間の測定により糸が変形していくことで、測定当初に設定した糸の張力では不足する場合もある。また、摂動体に機械的に接触するような方式で、摂動体の位置の変位を測定すると周波数が大きく変動し、電場分布を測定することができない。従来の手法では、摂動体の位置は糸の支持構造のみにより決定され、加速空胴内部で生じた摂動体の位置の変位は、測定した電場分布の誤差となって表れていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したとおり、従来の電場測定装置及び電場測定方法では、加速空胴内部での電場測定において誤差が発生し、高精度で電場測定を行えないという課題があった。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、加速空胴内に摂動体を配置して電場を測定する際に、より高精度で電場測定を行うことのできる電場測定装置及び電場測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の電場測定装置は、加速空胴内の電場を測定するための電場測定装置であって、前記加速空胴内に配置され、電場に摂動を与えるための摂動体と、前記加速空胴内の軸方向に沿って配設され、前記摂動体を支持する支持材と、前記支持材を駆動して前記摂動体を移動させる駆動機構と、前記加速空胴内の電場を測定する電場測定手段と、前記摂動体の基準位置からの変位を検知するための変位測定手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、加速空胴内に摂動体を配置して電場を測定する際に、より高精度で電場測定を行うことのできる電場測定装置及び電場測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図2】第2実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図3】第3実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図4】第4実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図5】第5実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【
図6】第6実施形態に係る電場測定装置の縦断面構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る電場測定装置及び電場測定方法を、図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
まず、
図1を参照して第1実施形態について説明する。本第1実施形態では、加速空胴1を測定対象とする。加速空胴1は、具体的には単純なピルボックス空胴の他、高周波四重極線形加速器(RFQ)、ドリフトチューブライナック(DTL)、その他の線形の高周波加速空胴など、電子やイオンなどの荷電粒子を加減速するための空胴が挙げられる。また、バンチャーやデバンチャーなど高周波電力の印加により荷電粒子の運動の挙動に変更を加える空胴全般が対象になる。
【0014】
支持材2が、加速空胴1の内部に、その軸方向に沿って配置される。支持材2は、支持材固定具3によって支持されている。支持材2は、糸やワイヤー等に代表される細く、物質量の小さい材質が望ましい。ナイロンやフロロカーボン、ポリエチレン等の釣り糸を適用することができる。
【0015】
支持材固定具3は、加速空胴1内部での支持材2の位置を固定するために用いられる。支持材固定具3は、プーリーのように支持材2との接触部を回転させて支持材2を円滑に動かせる形状のほか、ナイロン等の板に孔や切り欠きを設け、支持材2を通す等の形状とすることができる。いずれの場合も、支持材固定具3の支持材2との接触部にはR加工を施し、支持材2の損傷を避ける構造とすることが望ましい。
【0016】
支持材2には、摂動体4が接続される。摂動体4の形状は、球状もしくは円柱状、直方体等の対称性を有する形状が望ましい。摂動体4の材質としては、誘電体が挙げられ、ナイロン、アクリル等の加工性に優れる材質の他、誘電率の高いチタン酸バリウム、窒化ケイ素、アルミナ等のセラミックが適用できる。誘電率が高いほど、同一体積でも電場の摂動が大きくなり、S/N比が改善する。また、誘電体の他に金属を用いることも可能で、この場合は比重の軽いアルミニウム等が適している。
【0017】
支持材2には、駆動装置5を接続する。駆動装置5として、例えばモーターを用いて支持材2を駆動させることで加速空胴1内部において摂動体4を搬送し、測定位置を変化させる。インダクションモーター等を用いて摂動体4を連続的に搬送しながら電場を測定する他、サーボモーターやステッピングモーター等を用いて摂動体4を特定の位置に停止させて測定することができる。
【0018】
また、支持材2には、重り6を接続して摂動体4がその重量によって垂れ下がることのないよう張力を発生させる。重り6は、重り自体の重量をそのまま使うほか、モーター制御されたアームにより張力を発生させることでも構成できる。さらに摂動体4が垂れ下がり、変位が発生した場合に検知するための変位測定装置7が配置される。変位測定装置7としては、摂動体4の所定位置からの変位を検出することができるものであれば特に限定されない。この場合の変位の検出精度は、加速空胴1及び使用する摂動体4の仕様、荷電粒子の加速に使用される高周波電力などによって異なるが、例えば、1ミリから数ミリ程度等である。
【0019】
一例を挙げれば、例えば、変位測定装置7として、摂動体4に加わる張力もしくは荷重を計測する装置を用いることができる。例えば、変位測定装置7として、接触式(機械式)の張力計を用いて支持材2に接触させてその張力を計測する。または変位測定装置7として、音波式テンションメーター若しくはトラムテンションメーター等を用いて非接触で支持材2もしくは摂動体4の振動数や音波等から張力を計測することもできる。さらに、変位測定装置7として荷重計測計を用いて荷重を計測してもよい。このような変位測定装置7を用いることによって、摂動体4に加わる張力や荷重が本来の値から変動した際に、これを摂動体4の変位として検知することができる。
【0020】
加速空胴1には、周波数測定用のアンテナ8を配設する。アンテナ8の構造としては、例えば、真空封止可能な導入端子付きのフィードスルーフランジの真空面側に、銅、ステンレスを始めとした棒状の金属で構成するループを接続する。ループの形状は、円形、楕円形、長方形あるいはそれらを組み合わせた形状などで構成される。
【0021】
アンテナ8にケーブルを介して周波数測定器9を接続する。周波数測定器9としては、ネットワークアナライザー等を用いることができる。ケーブルにはBNCコネクタ、Nコネクタ、SMAコネクタ等を接続した同軸ケーブルを用いることができる。加速空胴1と周波数測定器9との間では、アンテナ8を1台で接続し、吸収測定を行う他に、アンテナ8を2台用いて2チャンネルで透過測定を行うこともできる。
【0022】
このように構成された第1実施形態においては、摂動体4により生じた加速空胴1内の電場の摂動を、周波数測定器9により周波数もしくは位相の変化として測定することができる。したがって、変位測定装置7との組み合わせにより、摂動体4の変位が生じていない場合にのみ電場分布に変換するための周波数もしくは位相を測定することで測定誤差を抑えることができる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図2を参照して説明する。なお、
図1に示した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0024】
第2実施形態では、変位測定装置7として電磁波を照射する装置を用いる。例えば、変位測定装置7として、レーザー距離計や反射型レーザーセンサーを加速空胴1外部に設置し、レーザーを摂動体4に向けて照射する。
【0025】
この場合、例えば、摂動体4の位置に変位が発生せず、所定の位置に留まっている場合にはレーザーが検知されず、変位が発生した場合にのみレーザーを検知する位置・方向に変位測定装置7を固定する。若しくは、
図2に示すように、電磁波の照射体と検知側に分離している透過型のレーザーセンサーを用いて、加速空胴1外部に照射体を設置し、検知側を加速空胴1の他端に設置する。摂動体4が所定の位置に留まっている場合にはレーザーが検知側で検知され、摂動体4の変位が発生した場合にのみレーザーが検知されない位置・方向に照射体と検知側をそれぞれ固定する。変位測定装置7と摂動体4の間には必要に応じてレンズ、フィルター、ミラーなどを配置し、変位測定装置7と摂動体4は一直線上に配置しなくともよい。
【0026】
このように構成された第2実施形態においては、摂動体4が所定の位置から変位した際に、変位測定装置7でその変位を検知することができる。そして、摂動体4の変位が生じていない場合にのみ電場分布に変換するための周波数もしくは位相を測定することで測定誤差を抑えることができる。
【0027】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図3を参照して説明する。なお、
図1に示した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0028】
第3実施形態では、変位測定装置7として、摂動体4からの反射光の撮像装置を用いる。具体的には、カメラやビデオカメラの撮像方向を摂動体4に向けて設置する。必要に応じてレンズやフィルター、ミラーなどを光路上に配置する。摂動体4の搬送に連動して摂動体4の位置を撮影して記録する。記録した動画乃至画像の画像データを元に摂動体4の位置を推計する。
【0029】
このように構成された第3実施形態においては、摂動体4が所定の位置から変位した際に、変位測定装置7でその変位を検知することができる。そして、摂動体4の変位が生じていない場合にのみ電場分布に変換するための周波数もしくは位相を測定することで測定誤差を抑えることができる。
【0030】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図4を参照して説明する。
【0031】
第4実施形態では、変位測定装置7で取得した変位情報をトリガー信号として周波数測定器9に入力し、変位が生じた際には記録を停止し、変位が生じていない場合にのみ記録を行う。周波数測定器9の信号入力様式に応じてNOT回路を用いてトリガー信号を反転させて用いる。若しくは、周波数測定器9としてネットワークアナライザーとロガー、オシロスコープ等の記録装置と組み合わせて変位信号をデータとして同期させて記録する。
【0032】
このように構成された第4実施形態においては、摂動体4が所定の位置から変位した際に、変位測定装置7でその変位を検知し、電場データである周波数や位相を同期記録することができる。このように、摂動体4の位置変位を検知し、変位が無い時のみの測定を自動で行い、測定誤差を抑えることができる。
【0033】
さらに、第4実施形態においては、摂動体4の位置変位を検知し、電場データである周波数や位相と同期して記録することで、測定後のデータ処理で変位が生じていないデータのみ抽出することで変位が生じていないデータ点のみで電場分布を構築し、測定誤差を抑えることができる。
【0034】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、
図5を参照して説明する。なお、
図1に示した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0035】
第5実施形態では、
図5に示すように、支持材固定具3を用いて支持材2をループ状に構成する。さらに変位測定装置7で得られた変位情報を元に張力調整手段により、変位が消えるまで支持材2の張力を調整する。張力調整手段としては、支持材固定具3を電動駆動させ、ループ長を変化させて支持材2の張力を調整するもの、若しくは、重り6に追加の負荷を加えて支持材2の張力を調整するもの等を使用することができる。追加の負荷としては電動のアームにより重り6の重量を変えるなどの方法がある。
【0036】
このように構成された第5実施形態においては、摂動体4が所定の位置から変位した際に変位測定装置7で変位を検知した後に、支持材2の張力を調整し、変位を解消できる。このように、摂動体4の位置変位を自動的に解消することで手動調整なしに最適な張力で測定を行い、測定誤差を抑えて自動的に測定することができる。
【0037】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、
図6を参照して説明する。なお、
図1に示した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0038】
第6実施形態では、
図6に示すように、駆動装置5と周波数測定器9に、制御装置10を接続する。制御装置10としては、パーソナルコンピュータ(PC)やプログラマブルロジックユニット(PLC)、必要に応じてモータードライバー、モーターコントローラ等を用いる。また、制御装置10には、変位測定装置7からの測定信号を入力する。
【0039】
制御装置10を用いて、駆動装置5、周波数測定器9を連動して動作する。最初に測定対象の全領域を搬送させ、全領域で摂動体4の位置変位が生じないよう張力を調整する。全領域の探査が完了した後に、再度同一の張力設定の下で測定領域の搬送を行い、電場分布データである周波数や位相を記録する。支持材2の経時変化等で搬送中に変位を記録した場合は再度張力を調整し、全領域の搬送とデータ記録を行う。以降、測定対象の全領域で一度も張力の調整を行うことなく記録ができるまで調整と測定を繰り返す。なお、支持材2の張力を調整する張力調整手段としては、例えば、重り6の調整、或いは、
図5に示した第5実施形態のように、支持材固定具3を電動駆動させ、ループ長を変化させる方法等を使用することができる。
【0040】
このように構成された第6実施形態においては、加速空胴1の全測定領域において一度も張力の調整を行わないデータを記録することができる。すなわち、加速空胴1の全測定領域において、均一な張力設定かつ、摂動体4の位置変位が生じない電場データを取得することができ、張力の変化ならびに摂動体4の位置変位により生ずる測定誤差を抑えることができる。
【0041】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1……加速空胴、2……支持材、3……支持材固定具、4……摂動体、5……駆動装置、6……重り、7……変位測定装置、8……アンテナ、9……周波数測定器、10……制御装置。