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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079603
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】一酸化炭素製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20230601BHJP
   B01D 53/77 20060101ALI20230601BHJP
   B01D 53/75 20060101ALI20230601BHJP
   C25B 1/23 20210101ALI20230601BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20230601BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20230601BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20230601BHJP
【FI】
B01D53/62 ZAB
B01D53/77
B01D53/75
C25B1/23
C25B9/00 Z
C25B15/08 302
C25B15/08 304
C25B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193140
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 斗
(72)【発明者】
【氏名】村松 武彦
(72)【発明者】
【氏名】竹山 大基
【テーマコード(参考)】
4D002
4K021
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AA23
4D002BA02
4D002BA04
4D002BA06
4D002BA08
4D002BA13
4D002CA13
4D002EA05
4D002FA10
4K021AA01
4K021AA09
4K021BA02
4K021BA17
4K021BC01
4K021BC02
4K021BC03
4K021CA09
4K021DB31
4K021DB36
4K021DC01
4K021DC15
4K021EA06
(57)【要約】
【課題】COの有効活用を促進し、COの大気中への放出を低減することを可能にしたCO製造装置を提供する。
【解決手段】実施形態のCO製造装置1は、CO含有ガスからCOを回収するCO回収部2と、CO回収部2で回収されたCOを電解してCOを生成するCO電解部3と、CO電解部3から供給されるCO含有ガスからCOを精製するCO精製部4と、CO電解部3から放出されるO-CO含有ガスとCO精製部4から放出されるCO抽出残ガスとを燃焼処理する燃焼部5とを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部と、
前記二酸化炭素回収部で回収された二酸化炭素を電解して一酸化炭素を生成する二酸化炭素電解部と、
前記二酸化炭素電解部から供給される一酸化炭素含有ガスから一酸化炭素を精製する一酸化炭素精製部と、
前記二酸化炭素電解部から放出される酸素-二酸化炭素含有ガスと前記一酸化炭素精製部から放出される一酸化炭素抽出残ガスとを燃焼処理する燃焼部と
を具備する一酸化炭素製造装置。
【請求項2】
前記燃焼部は、前記二酸化炭素電解部及び前記一酸化炭素精製部から排出される二酸化炭素を回収するように、前記燃焼部から排出されるガスを前記二酸化炭素回収部に供給するように構成されている、請求項1に記載の一酸化炭素製造装置。
【請求項3】
さらに、前記燃焼部から排出されるガスを冷却する冷却部を具備し、
前記冷却部は、冷却された前記ガスを前記二酸化炭素回収部に供給するように構成されている、請求項1に記載の一酸化炭素製造装置。
【請求項4】
前記冷却部は、冷却剤として水、有機溶媒、液体二酸化炭素、又は超臨界二酸化炭素を備え、水蒸気、有機蒸気、又は二酸化炭素蒸気を発生するように構成されている、請求項3に記載の一酸化炭素製造装置。
【請求項5】
さらに、前記冷却部から放出される前記水蒸気、前記有機蒸気、又は前記二酸化炭素蒸気により駆動されるタービンを具備する、請求項4に記載の一酸化炭素製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一酸化炭素製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス、石炭、石油等の化石燃料を燃焼させることで発生する二酸化炭素(CO)は、温室効果による地球温暖化の主因と考えられており、化石燃料の使用削減が求められている。COの大規模発生源としては、火力発電所や製鉄所等が挙げられる。これらのCO発生源から排出される排ガスからCOを除去し、大気中への放出を抑制すれば、効率的に温暖化の原因を取り除くことが可能となる。さらに、排ガスから除去したCOを何等かの手段で還元して炭素化合物を生成すれば、化石資源に由来する燃料や化学品と同様の炭素化合物に再生することができる。
【0003】
COを還元して一酸化炭素(CO)のような炭素化合物を生成するCO電解装置(CO製造装置)は、COのCO等の炭素化合物への変換に好適である。CO電解装置においては、カソード部から排出されるCO含有ガスからCOを精製するCO精製装置が用いられている。従来のCO精製装置から発生するCO生成後のパージガスの一部はCO電解装置に供給され、残部は空気燃焼させて無害化して大気中に放出される。CO電解装置から発生する酸素をパージするために供給されるCO、及び燃焼装置から放出されるCOは、CO製造装置に供給されたCOのうちで、有効活用されずに大気中に放出されてしまう。このため、供給されたCOを有効活用し、COの大気中への放出を低減した一酸化炭素製造装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/154253号
【特許文献2】特開2021-147679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、COの有効活用を促進し、COの大気中への放出を低減することを可能にした一酸化炭素製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一酸化炭素製造装置は、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部と、前記二酸化炭素回収部で回収された二酸化炭素を電解して一酸化炭素を生成する二酸化炭素電解部と、前記二酸化炭素電解部から供給される一酸化炭素含有ガスから一酸化炭素を精製する一酸化炭素精製部と、前記二酸化炭素電解部から放出される酸素-二酸化炭素含有ガスと前記一酸化炭素精製部から放出される一酸化炭素抽出残ガスとを燃焼処理する燃焼部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。
図2】第2の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。
図3】第3の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。
図4】第4の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。
図5】第5の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の一酸化炭素製造装置について、図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。なお、以下の説明における“~”の記号は、それぞれの上限値と下限値の間の範囲を示すものである。その場合、各範囲は上限値及び下限値を含むものである。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の一酸化炭素製造装置を示す図である。図1に示す一酸化炭素製造装置1は、二酸化炭素(CO)含有ガスからCOを回収するCO回収部2と、CO回収部2で回収されたCOを電解して一酸化炭素(CO)を生成するCO電解部3と、CO電解部3から供給されるCO含有ガスからCOを精製するCO精製部4と、CO電解部3から放出される酸素(O)-二酸化炭素(CO)含有ガスとCO精製部4から放出されるCO抽出残ガスとを燃焼処理する燃焼部5とを具備する。
【0010】
CO回収部2は、火力発電所、廃棄物焼却場、製鉄所等から排出されるCOを含む排出ガス(CO含有ガス)G1からCOを分離回収し、CO濃度を高めたCOガスG2をCO電解部3に供給する。COの分離回収には、例えばアミン水溶液のような化学吸収液を用いる化学吸収法、アミン化合物のような固体吸収剤を用いた固体吸収法、CO分離膜を用いた膜分離法、ゼオライト等の無機物を吸着材として用いる物理吸着法等が適用される。例えば、アミン水溶液を用いた化学吸収法及び装置では、アミン水溶液が噴霧される吸収塔に排ガスを供給し、COを吸収したアミン水溶液を再生塔で加熱してアミン水溶液から放散されたCOを回収する。CO回収部2に適用するCOの回収方法及び装置は、特に限定されるものではなく、排出ガスG1からCOを回収することが可能な各種の方法及び装置を適用することができる。
【0011】
CO電解部3は電解セルを有するCO電解装置であり、カソード部6とアノード部7とを備える。カソード部6は還元電極(カソード)を、アノード部7は酸化電極(アノード)を備えており、少なくともアノード部7には電解液が流通又は満たされている。カソード部6においては、COガスを流通させるようにしてもよいし、COを含む電解液を流通又は満たすようにしてもよい。カソード部6又はアノード部7において、例えば電解液には、水(HO)を用いた溶液、例えば任意の電解質を含む水溶液を用いることができる。電解質を含む水溶液としては、例えばリン酸イオン(PO 2-)、ホウ酸イオン(BO 3-)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、カルシウムイオン(Ca2+)、リチウムイオン(Li)、セシウムイオン(Cs)、マグネシウムイオン(Mg2+)、塩化物イオン(Cl)、炭酸水素イオン(HCO )、炭酸イオン(CO )、水酸化物イオン(OH)等を含む水溶液が挙げられる。電解液の具体例としては、KOH、KHCO、KCO等が溶解されたアルカリ水溶液が挙げられる。
【0012】
カソード部6には、CO回収部2で回収されたCOガスG2が供給される。還元電極及び酸化電極には図示しない電源が接続されている。カソード部6とアノード部7とは、水素イオン(H)、水酸化物イオン(OH)、炭酸イオン(CO 2-)、炭酸水素イオン(HCO )等のイオンを移動させることが可能な隔膜8、例えばイオン交換膜により分離されている。CO電解部3(電解セルを有するCO電解装置)は単一の電解セルで構成されていてもよいし、複数の電解セルが積層されて一体化された構成を有していてもよい。
【0013】
CO電解部3において、カソード部6では供給されたCOが電解されて還元される。COの還元により一酸化炭素(CO)が生成される。また、アノード部7では電解液中のHOが電解されて酸化される。HOの酸化により酸素(O)が生成される。下記の(1)式に示すように、電解液中のHOの酸化反応が生じ、電子が失われ、酸素(O)と水素イオン(H)とが生成される。生成された水素イオン(H)の一部は、隔膜4を介してカソード部6に移動する。
2HO → 4H+O+4e …(1)
アノード部7で生成された水素イオン(H)がカソード部6に到達すると、下記の(2)式に示すように、COの還元反応が生じて一酸化炭素(CO)が生成される。
2CO+4H+4e → 2CO+2HO …(2)
【0014】
カソード部6においては、下記の(3)式に示すようなCOの還元反応も生じる。すなわち、COの還元反応によりCOと炭酸イオン(CO 2-)が生成される。
2CO+2e → CO+CO 2- …(3)
アノード部7においては、下記の(4)式に示すように、カソード部6で生成された炭酸イオン(CO 2-)の酸化反応が生じてCOとOとが生成される
CO 2- → CO+0.5O+2e …(4)
【0015】
さらに、カソード部6においては、COの還元反応に加えて、水(HO)の還元反応により水素(H)が副生する場合がある。水(HO)の還元反応では、下記の(5)式に示すように、水素(H)と水酸化物イオン(OH)が生成される。
2HO+2e → H+2OH …(5)
カソード部6で生成された水酸化物イオン(OH)がアノード部7に到達すると、下記の(6)式に示すように、HOとOが生成される。
2OH → 0.5O+HO+2e …(6)
【0016】
カソード部6で生成されたCOとHは、未反応のCOと共に、カソード部6から排出される。カソード部6から排出されたCOとHとCOを含む混合ガスG3は、CO精製部4に供給される。アノード部7からは、OとCOとHOとを含む混合ガスが排出される。OとCOとHOとを含む排ガスG4は、燃焼部5に供給される。
【0017】
CO精製部4においては、COとHとCOを含む混合ガスG3からCOが精製される。COの精製(COの分離)には、例えばCuAlClのトルエン溶液にCOを吸収させ、高温及び減圧下でCOを分離及び回収する方法(COSORB法)、吸着材の圧力変動によるCOの吸着と脱着を利用し、加圧下でCOを吸着させると共に、減圧下でCOを脱着させてCOを分離及び回収する方法(PSA法)等を適用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0018】
CO精製部4で分離及び回収されたCOは、図1では図示していないが、例えばフィッシャー・トロプシュ合成反応を利用した炭素含有の液体燃料合成装置等に燃料成分として供給される。CO精製部4でCOが分離及び回収された残りのガス、すなわち一酸化炭素(CO)分離残ガスは、HやCO、さらに分離されずに排出されるCOを含んでいる。このようなH、CO、及びCOを含む残ガスG5は、燃焼部5に供給される。上述したように、OとCOとHOとを含む排ガスG4も燃焼部5に供給される。燃焼部5には、ボイラーやガスタービンのような燃焼器を用いることができる。
【0019】
CO精製部4の残ガスG5はHやCOを含んでいるため、アノード部7の排ガスG4中に含まれるOの消費に有効である。すなわち、CO精製部4の残ガスG5に含まれるHやCOは、下記の式(7)及び式(8)にしたがって燃焼し、COやHOが生成される。これらの混合ガスを含む燃焼部5の排ガスG6は、CO回収部2に供給される。
CO+0.5O → CO …(7)
+0.5O → HO …(8)
【0020】
前述したように、アノード部7ではHOが酸化されてOが生成するほか、COが副生するため、OとCOを含むアノード部7の排ガスG4となって排出される。アノード部7の排ガスG4中のCO濃度は、CO電解部3の運転条件等にもよるが、おおよそ40~80体積%となる。このようなアノード部7の排ガスG4を大気中に放出した場合、地球温暖化等の環境への影響が懸念されるほか、回収したCOの利用効率を低下させることになる。さらに、CO精製部4の残ガスG5も未反応のCOを含んでいるため、環境への影響が懸念されるほか、回収したCOの利用効率を低下させる。
【0021】
例えば、COとOの混合物からCOを分離する方法としては、天然ガスからのCOの分離や火力発電所の排ガスからのCOの分離に用いられる化学吸収法が挙げられる。しかし、排ガスG4のO濃度は20~60体積%と高いため、化学吸収法で用いるCO吸収液の劣化が急速に進み、経済性を大幅に低下させる。有機物のCO分離膜を使用する場合においても、膜の劣化が懸念される。一方、ゼオライト等の無機物を吸着材として用いる圧力スイング法では、吸着材の劣化のおそれは低いものの、Oを除去してCOの純度を上げるためには、数段の工程が必要となるため、設備が過大となる。
【0022】
このような点に対して、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5とを燃焼部5に供給し、これらを燃焼させることによって、分離されなかったCOをCOとして回収して再利用することができる。アノード部7の排ガスG4やCO精製部4の残ガスG5に含まれるCOは、そのままの形態で排ガスG6に含まれるため、燃焼ガス中のCOと共にCO回収部2に供給される。従って、CO精製部4の残ガスG5中に含まれるCOをCOとして回収することができると共に、アノード部7の排ガスG4やCO精製部4の残ガスG5に含まれるCOを回収することができる。これらによって、COの利用効率を大幅に高めることが可能になる。
【0023】
なお、燃焼部5において、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5との燃焼により生じた熱は、他の部位で利用するようにしてもよい。また、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5との燃焼反応において、Oや可燃性成分の過不足が生じるような場合には、O供給部や補助燃料供給部を設け、それらからOや補助燃料を燃焼部5に供給するようにしてもよい。補助燃料供給部から供給される補助燃料としては、CHのような含炭素化合物やH等が挙げられる。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、図2を参照して第2の実施形態のCO製造装置1について説明する。図2に示すCO製造装置1は、燃焼部5の排ガスG6を冷却する冷却部9を備えている。それ以外の構成については、第1の実施形態のCO製造装置1と同様である。燃焼部5から排出される燃焼排ガスG6の温度は、例えば800℃程度の高温である。そのような高温の燃焼排ガスG6をCO回収部2にそのまま供給すると、CO回収部2に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、燃焼部5の排ガスG6を冷却する冷却部9が設けられている。冷却部9で冷却されたガス(冷却ガス)G7は、CO回収部2に供給される。
【0025】
燃焼部5の排ガスG6は、COとHOを含む混合ガスである。このような排ガスG6を冷却部9で冷却すると、水蒸気状態のHOが凝縮水となり、気体のCOから分離することができる。従って、燃焼部5の排ガスG6のCO回収部2による利用効率を高めることができる。排ガスG6分離したHOは、アノード部7に供給する電解液の一部として再利用してもよい。
【0026】
(第3の実施形態)
次に、図3を参照して第3の実施形態のCO製造装置1について説明する。図3に示すCO製造装置1は、燃焼部としてガスタービン10を備えている。それ以外の構成については、第2の実施形態のCO製造装置1と同様である。ガスタービン10は燃焼器を有しているため、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5との燃焼処理に利用することができる。燃焼部としてガスタービン10を用いた場合には、動力を回収することができ、そのような動力を他の部位で利用することが可能になる。
【0027】
(第4の実施形態)
次に、図4を参照して第4の実施形態のCO製造装置1について説明する。図4に示すCO製造装置1は、燃焼部としての触媒燃焼部11と蒸気発生部12とを備えている。さらに、冷却部8は冷却剤として水、有機溶媒、液体二酸化炭素、又は超臨界二酸化炭素を備えている。それ以外の構成については、第2の実施形態のCO製造装置1と同様である。触媒燃焼部11においては、第1の実施形態と同様に、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5との燃焼処理が実施される。
【0028】
触媒燃焼部11から排出される燃焼排ガスG6は、冷却部8で冷却される。冷却部8においては、冷却剤(冷却液)としての水、有機溶媒、液体二酸化炭素、又は超臨界二酸化炭素と燃焼排ガスG6との間で熱交換が行われ、燃焼排ガスG6が冷却されると同時に冷却液が加熱される。加熱された冷却液は蒸気発生部12に送られる。加熱された冷却液は、触媒燃焼部11を熱源として蒸気発生部12で冷却液の蒸気、すなわち水蒸気、有機蒸気、又は二酸化炭素蒸気に変換される。得られた蒸気によって、例えばタービンを駆動するようにしてもよい。タービンにより得られた動力は他の部位で利用してもよい。
【0029】
(第5の実施形態)
次に、図5を参照して第5の実施形態のCO製造装置1について説明する。図5に示すCO製造装置1は、燃焼部としてのガスタービン10を備えると共に、ガスタービン10から排出される燃焼排ガスG6が供給される蒸気発生部12を備えている。それ以外の構成については、第3の実施形態のCO製造装置1と同様である。ガスタービン10においては、第3の実施形態と同様に、アノード部7の排ガスG4とCO精製部4の残ガスG5との燃焼処理が実施される。
【0030】
ガスタービン10から排出される燃焼排ガスG6は、蒸気発生部12に送られる。蒸気発生部12においては、燃焼排ガスG6を熱源として蒸気を発生させる。燃焼排ガスG6との間で熱交換を行う蒸気源としては、例えば水(HO)や有機溶媒等を用いることできる。そのような場合、蒸気発生部12で水蒸気や有機蒸気等を発生させる。これらの蒸気は他の部位で利用することができる。
【0031】
なお、上述した各実施形態の構成は、それぞれ組合せて適用することができ、また一部置き換えることも可能である。ここでは、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図するものではない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
1…一酸化炭素製造装置、2…CO回収部、3…CO電解部、4…CO精製部、5…燃焼部、6…カソード部、7…アノード部、8…隔膜、9…冷却部、10…ガスタービン、11…触媒燃焼部、12…蒸気発生部。
図1
図2
図3
図4
図5