(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080543
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ビルトイン機器
(51)【国際特許分類】
A47B 77/08 20060101AFI20230602BHJP
A47B 91/00 20060101ALI20230602BHJP
A47B 77/00 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
A47B77/08 Z
A47B91/00 A
A47B77/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193947
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】板垣 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】穴沢 信寛
(72)【発明者】
【氏名】森 創
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 真由
【テーマコード(参考)】
3B069
3B260
【Fターム(参考)】
3B069DA02
3B260CA04
(57)【要約】
【課題】開閉する前扉部と隣接する他のビルトイン機器の一部とで指等が挟まれることを防止するビルトイン機器を提供すること。
【解決手段】什器に予め組み込まれた床置き型のビルトイン機器4であって、前面を有する板状の前扉部47を備え、前扉部47は、前扉部47の下部に位置し水平方向に指向する回転軸心Aを中心に回転することにより開閉可能であり、前扉部47の側端縁の回転軸心Aよりも下側の部分には、回転軸心Aに直交する方向に延びる板状部482が設けられているビルトイン機器4である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器に予め組み込まれた床置き型のビルトイン機器であって、
前面を有する板状の前扉部を備え、前記前扉部は、前記前扉部の下部に位置し水平方向に指向する回転軸心を中心に回転することにより開閉可能であり、
前記前扉部の側端縁の前記回転軸心よりも下側の部分には、前記回転軸心に直交する方向に延びる板状部が設けられているビルトイン機器。
【請求項2】
前記板状部は、L字形状に折り曲げられた金属板の折曲部材の一端側の部分により構成され、前記折曲部材の他端側の部分は、前記前扉部に固定されている請求項1に記載のビルトイン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルトイン機器に関する。
【背景技術】
【0002】
システムキッチンや家具等の什器に予め組み込まれた床置き型の食器洗い機等のビルトイン機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。ビルトイン機器としての食器洗い機の前面の前扉部は、例えば、水平方向に指向する回転軸心を中心に回転することにより開閉可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の食器洗い機では、食器洗い機の前扉部と隣接するキャビネット等のビルトイン機器の一部とが、近接してすれ違う方向に移動する部分が存在し、幼児等が指を差し込んだ状態で前扉部を開くと、指がせん断されるように挟まれることが考えられる。
【0005】
本開示は、開閉する前扉部と隣接する他のビルトイン機器の一部とで指等が挟まれることを防止するビルトイン機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、什器に予め組み込まれた床置き型のビルトイン機器であって、前面を有する板状の前扉部を備え、前記前扉部は、前記前扉部の下部に位置し水平方向に指向する回転軸心を中心に回転することにより開閉可能であり、前記前扉部の側端縁の前記回転軸心よりも下側の部分には、前記回転軸心に直交する方向に延びる板状部が設けられているビルトイン機器に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の床置き型のビルトイン機器を示す上方斜視図である。
【
図2】一実施形態の床置き型のビルトイン機器を示す下方斜視図である。
【
図3】一実施形態の床置き型のビルトイン機器の下部を示す上方拡大斜視図である。
【
図4】一実施形態の床置き型のビルトイン機器を示す下方拡大斜視図である。
【
図5】一実施形態の床置き型のビルトイン機器の前扉部の開閉を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態について説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態による足元化粧材の取付構造は、什器としてのシステムキッチン1に予め組み込まれる床置き型のビルトイン機器に備えられる。システムキッチン1は、台所等に設置され、カウンター2とキャビネット3が一体に形成されるとともに、床置き型のビルトイン機器としての食器洗い機4が隣接して配置された調理用の設備であり、カウンター2の上面に流し台7等が配置される。
【0009】
キャビネット3は、略直方体状の形状を有し、前面部31と、後面部32と、一対の側板33と、底面部34と、収納部35と、化粧板36と、を有する。キャビネット3は、後述するカウンター2の天板20の下方に配置される。本明細書において、システムキッチン1における使用者が調理時に位置する側を前方と呼び、前方に対向する側を後方と呼ぶ。システムキッチン1の左右方向とは、前方側から正面視で見た場合における左右を結ぶ方向である。
【0010】
底面部34は、床等の設置面に対向し、略水平に延びる面を有する。底面部34の前面には、板状の足元化粧材37が配置されている。前面部31は、キャビネット3の前方で上下方向に延びる面である。前面部31には、収納部35へアクセスする開口部を開閉する扉351が設けられる。後面部32は、前面部31に対向する面である。一対の側板33は、キャビネット3の正面視における左右方向の一方及び他方で上下方向に延びるように配置される板である。化粧板36は、側板33の外側に配置され、設置面からカウンター2の下面まで延びる。化粧板36は、天板20及び側板33の外側を覆い隠す。収納部35は、キャビネット3の内部空間であり、食料品や、食器等が配置可能に構成される。収納部35は、キャビネットの前面部31及び後面部32に形成される扉351や引出等の内部に形成される。
【0011】
天板20は、キャビネット3の上面に配置される長方形の板であり、カウンター2の上面を構成する。天板20は、キャビネット3の平面視の長方形、すなわちキャビネット3の前面部31、後面部32及び化粧板36で形成される長方形よりも大きな面積の長方形を有する。
図1に示すように、天板の前縁20a及び後縁20bは、天板20の長手方向に沿って延びている。天板20は、キャビネット3の前面部31及び後面部32よりもそれぞれ外側へわずかに突出するように配置されている。天板20は、所定の厚さの板により構成されている。
【0012】
流し台7は、シンク70と、蛇口71とを有する。流し台7は、食器や食材等を洗浄するための設備である。シンク70は、天板20の上面から窪んだ凹部を有して形成され、天板20に設けられた開口部に設置される。
【0013】
食器洗い機4はビルトイン型であり、食器洗い機4の機器本体41は床の上に載置される。前面が開口し機器本体41を構成する筐体44の内部には図示しない洗浄槽が設けられており、洗浄槽の内部には食器類を整列配置するための図示しない食器かごが設置されている。
【0014】
図示しない洗浄槽の前壁46には、筐体44の前面開口部を閉塞する板状の前扉部47が取り付けられている。前扉部47は、前扉部47の下部に位置し水平方向に指向する回転軸心A(
図1等参照)を中心に、
図1において矢印Bで示すように回転することにより、筐体44の前面開口部を開閉可能である。このため、機器本体41の下部には、前扉部47が開閉する際に、前扉部47の下部が入り込むことが可能に、空間411(
図3参照)が形成されている。
【0015】
機器本体41の下部であって、板状の前扉部47の下端縁よりも下側に位置する部分には、
図3に示すように、足元化粧材51を有する蹴込部材50が設けられている。足元化粧材51は板状に形成されており、食器洗い機4の下部であって前扉部47の下端縁と床との隙間を覆うように構成されている。
【0016】
前扉部47の下部の左右の端部であって、前扉部47の側端縁の回転軸心Aよりも下側の部分には、折曲部材48が設けられている。折曲部材48は、
図3に示すように、L字形状に折り曲げられた長方形状の金属板により構成されており、左右方向に延びる左右部481と、左右部481の左端部又は右端部から、前扉部47の回転軸心Aに直交する方向、即ち、奥行方向奥側の方向(後方向)に延びる奥行部482とを有している。
【0017】
即ち、前扉部47の下部の左端部に設けられている折曲部材48の奥行部482は、左右部481の左端部から、奥行方向奥側の方向(後方向)に延びており、前扉部47の下部の右端部に設けられている折曲部材48の奥行部482は、左右部481の右端部から、奥行方向奥側の方向(後方向)に延びている。
【0018】
折曲部材48の奥行部482は、
図4等に示すように、閉じている状態の前扉部47の下部と足元化粧材51との間に形成されている空間と、食器洗い機4に隣接するキャビネット3の扉351の下部と足元化粧材37との間に形成されている空間と、を遮断する。これにより、例えば幼児等が指等を、
図4において矢印Cで示すように、扉351の下部と足元化粧材37との間に形成されている空間から、前扉部47の下部と足元化粧材51との間に形成されている空間へ進入させることを防止する。
【0019】
即ち、前扉部47が開くときには、
図5において実線で示す状態から、回転軸心Aを中心として破線で示すように回転する。この際、回転軸心Aよりも下側に位置している前扉部47の下部は、空間411の内部へ入り込む。このとき、幼児等が指等を、
図4において矢印Cで示すように、扉351の下部と足元化粧材37との間に形成されている空間から、前扉部47の下部と足元化粧材51との間に形成されている空間へ進入させた状態としていると、当該指等が、足元化粧材37の下部の左端縁と前扉部47の下部の右端縁とにより、又は、扉351の下部の左端縁と前扉部47の下部の右端縁とにより、せん断されるような位置関係になる。
【0020】
これに対して、折曲部材48の奥行部482は、
図4等に示すように、閉じている状態の前扉部47の下部と足元化粧材51との間に形成されている空間と、扉351の下部と足元化粧材37との間に形成されている空間と、を遮断しているため、幼児の指等が差し込まれることが阻止され、幼児の指等が上述のようにせん断されることを防止する。
【0021】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。前扉部47は、前扉部47の下部に位置し水平方向に指向する回転軸心Aを中心に回転することにより開閉可能であり、前扉部47の側端縁の回転軸心Aよりも下側の部分には、回転軸心Aに直交する方向に延びる板状部48の奥行部482が設けられている。これにより、例えば幼児等が指等を、扉351の下部と足元化粧材37との間に形成されている空間から、前扉部47の下部と足元化粧材51との間に形成されている空間へ進入させることを防止することができる。この結果、幼児の指等が、前扉部47の下部と足元化粧材37とにより、せん断されることを防止することができ、安全性向上を図ることができる。
【0022】
本実施形態によれば、奥行部482は、L字形状に折り曲げられた金属板の折曲部材48の一端側の部分により構成され、折曲部材48の他端側の部分である左右部481は、前扉部47に固定されている。これにより、奥行部482を有する前扉部47の構成を容易に実現することができる。
【0023】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。例えば、板状部の構成は、本実施形態における奥行部482の構成に限定されない。
【0024】
例えば、ビルトイン機器は、カウンター2と一体のキャビネット3や食器洗い機4であったが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0025】
1…システムキッチン
4…食器洗い機
41…機器本体
47…前扉部
48…板状部
50…蹴込み部材
51…足元化粧材
52…化粧材固定部
53…被固定部
54…オプションパネル
56…緩衝部材
482…奥行部
511…後面
513…ハーフカット穴
523、533…ボルト
5213…板状部
5215、5315…長孔
A…回転軸心